【GATE】黒川「伊丹二尉が気になりますわ…」 (61)

※「GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」のssです。
・GATEライトノベル4 <上>から一部展開を元にしたssです。
・その為、ネタバレになる可能性があります、ご注意下さい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447937475

―第三偵察隊 CH-47 チヌーク機内
伊丹二尉 以下、桑原陸曹長、倉田三等陸曹、勝本三等陸曹、笹川陸士長、黒川二等陸曹

クナップヌイにて数日の異常気象観測任務を終え、部隊は夜間の暗闇に紛れながら
ヘリにてアルヌス駐屯地へ帰還任務に就く。

パイロット「レーダークリア、各ローター異常なし」

コ・パイロット「燃料も十分にあります、何もなければ数時間でRTB可能でしょう」



無線『こちら陸の柳田、オクル』ピピッ

パイロット「こちら"はやぶさ"感度良好 オクレ」ザー

無線『3RCNの指揮官、伊丹二尉と話したい 変わってくれ』


コ・パイロット「二尉、柳田二等陸尉から無線です」

伊丹「柳田から? 絶対何か押し付けてくるだろうし、出たくないなあ…」

伊丹「あー…伊丹指揮官は只今留守にしております、御用の方は」

無線『ハッ、その様子なら大丈夫そうだな。時間がないから手短に話す。
   タンスカにて特別作戦行動中の部隊を帰り際に回収してくれ、簡単だろ?
   戦闘が進行中、回収後速やかに離脱せよ ASAP 通信オワリ』ブツッ

伊丹「ちょっと待て、おい…」ザー

伊丹「(思ったより深刻そうな任務なんですけど、柳田さんよ)」

伊丹「………帰り道でちょっとばかり寄り道することになりました」

桑原「どこに行くんですか?」

伊丹「タンスカだってさ。作戦行動中の部隊を拾えと」

倉田「って事は、戦闘になるかも知れない!?」

簡単な観測任務と聞いていた隊員達は「冗談でしょう」と言わんばかりに身を乗り出す。

伊丹「実行部隊は俺たちを待ってる訳だし、ただの回収任務だからそう心配するなって」

倉田「それは…そうですけど、何か嫌な予感がするって言うか」

勝本「何だ、ビビってるのか? 帝国軍は剣が主力武器だからそう苦戦はしないだろ」

桑原「…よし、準備しろ 弾倉確認」ジャキンッ

―数十分後 タンスカ上空 交戦地域



無線『奴らそこら中に居るぞ、罠だ!!』

チャーリー
『C地点にも敵が居るぞ!』
     デルタ
『脱出地点をDに変更する、急げ』

パイロット「こちら"はやぶさ" LZ、Dに降下。そちらの状況報せ!」

無線『はやぶさだって?こいつは縁起のいい名前だな、何があっても帰れそうだ
   こちらはキャスター、現在D地点に移動中。敵さんがあちらこちらから湧いてきて苦労してる』

夜間に紛れNOEでLZに着陸したチヌークのハッチが開く。その瞬間、帝国軍部隊が突撃して来た。


コ・パイロット「こいつらどこから来やがった!?」

桑原「行け!着陸地点を確保しろ!」バババババッ

伊丹「これのどこが楽な任務だよっ」ダダダダ

倉田「数が多すぎます、隊長!」

弓矢や投げ槍といった遠距離攻撃は少なく、剣や盾を併用した敵が果敢に向かってくる。
小銃や現代兵器の前には脅威ではないが、撃っても撃っても敵兵が来る始末…人海戦術である。

無線『D地点にも敵が伏せていやがった!』

無線『今更変更出来ん、強行突破する』
無線『そんな無茶な…』

無線『やって見せてこその特戦だろ!?』


勝本「10時方向、味方部隊が接近中!」

見ればブッシュハットを被りM4カービンを持った連中が移動中だが、あちらも敵の猛攻を受けている。
この距離ならば迎えに行くほうが早いと判断し、伊丹は分隊と共に援護に入った。

伊丹「よし、カバーに行くぞ!制圧射撃!」


特戦隊員「よう、アベンジャー 迎えに来てくれてありがとよ」ポンッ

伊丹「挨拶しながらてき弾ぶっ放すな!キャスター、さっさと引き上げるぞ」


特戦隊員「クソッ、5時からジャイアントオーガ!マチルダ、LAM用意!」

特戦隊員「了解! 後方クリア、対ショック姿勢!」ガチャン

バッ ボシュッという独特な発砲音。次の瞬間、激しい爆風と吹き飛ばされるオーガと帝国兵の姿。
帝国側の組織的な攻勢が弱まり、その隙に第三偵はヘリに向け後退を開始する。

桑原「後退、撤収する!急げ!」パパパッ

黒川「っ」ダンッダンッ

GATE読んで来年から自衛官候補生の俺に一言

意外と反応あって嬉しいです、アニメ放送されたのにGATEss少ない…

>>8
国家に貢献する国民の鑑

自分はただの一般人なので、詳しいことは分かりませんが
教育隊期間中は私物を持ち込むな、というのは結構聞きます。

突如、暗闇の中、ヘリを間近にした第三偵の背後から帝国の別動隊が現れた。
先ほどの一時的な攻勢の薄れは敵部隊が側面に移動したためだろう、伊丹は即座に判断し部下に警戒を促す。

伊丹「側面警戒!包囲されつつある!」


帝国兵「かかったなアホが!!」シャキン

伊丹「黒川!6時に敵だ!!」

黒川「いつの間に…っ」

伊丹は背後の帝国兵に向け銃撃を加えようとしたが、64式小銃はカチッ、と空しい音をたてて弾切れを伝える。
その間にも黒川は帝国兵と白兵戦をしているが、剣と盾相手に近接戦では分が悪く、今にも刺殺されそうであった。
しかし、伊丹は身を挺して黒川に覆い被さった。

帝国兵「ここが貴様らの墓場だァ!!」ズバッ


伊丹「うぐ…ッ」ガバッ

倉田「隊長! この野郎…!」ダダダダ

帝国兵「があああぁァッ」バタッ

黒川「そ…んな…………」

黒川「隊長! 肩を貸しますわ、…しっかりして下さい!」

伊丹「お、俺は大丈夫、だ…ちょっと腕をかすめただけ…」フラフラ

右腕から血を流しふらつく伊丹を、黒川が左から肩を組み支えながらヘリに乗り込んだ。
コ・パイロットがドアガンのM2を連射し、帝国の追撃部隊をなぎ倒していく。

伊丹「おやっさん、人数のチェックを…!」

コ・パイロット「引き上げるぞ諸君、乗り込め!」ドドドドッ

桑原「全員搭乗した、離陸しろ!」

パイロット「了解、離脱しますッ!」



黒川「輸血パックよし、止血、ライン確保しますわ。」

黒川「……隊長、すみませんでした。私を庇ったばっかりに…」

伊丹「いい、それ以上言うな。 お前の責任じゃない、俺の自己判断だ」

伊丹「それに、俺だってお前が目の前で死ぬのは見たくないからな」ニコ

黒川「隊長…」グスッ

―翌日 アルヌス駐屯地


檜垣「全く君という奴は…」

檜垣「ハァー……、…全く!!」

伊丹「す、すんません………」タハハ...

檜垣「…だが、よく部下を守り無事に帰ってきた。黒川衛生要員の判断により、
   戦闘任務を一時的に外し二ヶ月の療養期間とする」

伊丹「…ってことは何もしなくていいんですか!? やったあああ!!」

檜垣「私の癪に障るので書類・事務は許可とする…っと」

伊丹「あぁー、痛いなあー…もう何も出来ない、トリアージカテゴリーIですよ」

柳田「ん? おお、無事だったか伊丹」ガチャ

伊丹「いやお前はもうちょっと心配しろよ…」

柳田「何だ、お悔やみの手紙か反省文でも書けってか?」

檜垣「ほれ」バサーッ

伊丹「…な、何ですかこの紙の山…」

檜垣「使用武器、消費弾薬の報告書。しっかり頼むぞ」ニッコリ

伊丹「…柳田、手伝ってくれ」

柳田「おう嫌だよ。 やーにー、もとい、やる気のない二等陸曹。手伝ってやれ」

二曹「えっ、俺ですか?」

柳田「お前デスク近いだろ?」

二曹「はあ…分かりました」


伊丹「すまん、今夜埋め合わせにおごる」カキカキ

二曹「あぁ、いいですね」ニヤ

伊丹「…っと、そろそろ包帯交換の時間だな 行ってくる」


―医務室


伊丹「よぉ クロちゃん」コンコン ガラッ

黒川「隊長、お待ちしてましたわ」


黒川「その…私のせいで、すみませんでした」

伊丹「いやいや、本当に気にしなくていい」

伊丹「それに黒川みたいな美人に治療してもらえるなら、これはこれで役得って言うか…」アセアセ

黒川「えっ?」

伊丹「あっ、いやその…すまん、つい」

黒川「いえ…///」モジモジ

伊丹「(あれぇ…いつもなら部下にセクハラですか二尉とか言ってくるのに全然毒舌じゃない…)」

伊丹「えーと、じゃ、早速頼む」

黒川「は、はい。包帯を交換して、傷の状態を見るので上着…脱がしますね…?」


伊丹「………お前さん、綺麗な手してるよな」

黒川「…さっきから口説いてるんですか、隊長?」ジトー

伊丹「思ったことを言ってるだけだ」


黒川「…隊長の体も…素敵ですよ?」

伊丹「…それってどういう」

黒川「さっきのお返しですわ」

伊丹「あ、あのなあ…///」

黒川「…はい。 包帯、終わりました」

伊丹「…ックション!」

黒川「風邪ですか?」

伊丹「そうかもしれない、最近寒くなってきたし」

伊丹「っと、処置ありがとな。 書類片付けないと」

黒川「はい、お大事に」ニコッ



伊丹「何かいろいろ口走ってしまった気がするが、大丈夫だよね…?」

伊丹「(……黒川って毒舌な時あるけど可愛いよなぁ…)」

伊丹「(さっきの笑顔グッと来た)」ニヘラ


伊丹「…ックション! 寒っ!」

伊丹「…上着脱いだまま忘れてた…」

黒川「あら」

黒川「(隊長、上着忘れてる…届けませんと)」

黒川「………」

黒川「……………」チラチラ


黒川「スゥー………はぁ……」ギュッ


黒川「…隊長の匂い…♪」

黒川「……少しだけ着てみたり…?」スッ

黒川「(ちょっとだけ、ちょっとだけですわ…)」

黒川「温かい…///」

伊丹「すまん、上着忘れた!」ガラッ

黒川「ひゃああああぁっ!?///」

伊丹「わ、悪い ノックぐらいするべきだったな…」


伊丹「…じゃなくて、何で俺の上着着てんの!?///」

黒川「え、えっと…これはっ…///」

黒川「そ、そう!上着がちゃんと機能してるかの確認ですわ!衛生要員としての義務です!!」

伊丹「そ、そうなのか…? でも寒いから着ていいかな…」

伊丹「(一応上着は返してもらった、けど…)」

伊丹「(何か凄い温かい)」


二曹「お帰りなさい、二尉。何か遅かったでs…」

二曹「…何でそんなニヤけてるんです?」

伊丹「あーすまんすまん、再開しようか」


伊丹「(その上、黒川の匂いが上着についてて)」カキカキ

伊丹「(集中できん…///)」ペキッ

二曹「二尉 シャーペンの芯、折れてますよ…」

二曹「こっち完了です」

伊丹「よし、俺も終わった」

二曹「お疲れさまでした」

伊丹「おう、ありがとな …じゃ、約束通り飲みに行こう」



―アルヌスの丘 酒場


二曹「二尉…あれ第三偵察の部隊じゃ…?」

伊丹「ん…ってホントだ。男だけで集まって何やってんだあいつら…」

倉田「あー! 隊長じゃないすかぁ、俺らと飲みませんか?飲みましょうよ」

二曹「酒は飲んでも飲まれるな、といいますが…」

伊丹「こりゃ完全に出来上がってるな…」

勝本「とりあえず、ビール!ビール!」

伊丹「待て、お前ら何本飲んだんだ…?」

富田「…課業終了してすぐ来たので………何本でしたっけ」

笹川「そんな細かいことは置いといて…ささ、隊長も二曹も飲んで!」


―同時刻 アルヌス駐屯地 3RCN女性寮


栗林「へえ、昨日そんなことがあったんだ?」

黒川「あれ以来…隊長を見ると、胸が苦しくなって…」

黒川「それから普段しないような行動もしてしまいますわ…」

栗林「た、例えば?」

黒川「隊長の上着を着てみたり…でも着ている間は、とても胸が満たされるような…」


黒川「………まさか動悸!?」

栗林「はー恋ですねー」ニヤニヤ

黒川「………」


黒川「…こ、こここ、恋?」

黒川「私が、…隊長に…?///」

栗林「いやーここまでテンプレ的な反応だと清々しいわ」

栗林「でも隊長、意外とモテるからねぇ…金髪エルフに黒ゴス少女、プラチナブロンドの魔導士」

栗林「…早くしないと取られちゃうわよ? ここは一気に攻勢をかけないと」

栗林「それにクロは隊長の療養中、療養担当なわけだしチャンスってわけ」

黒川「うーん、どういったことをすればいいのでしょう…」

栗林「…デートに誘ってみるとか?」

黒川「デ、デート…///」

栗林「ま、自分の気持ちが一番大事ってこと! 素直に行けばいいと思うよ?」


二曹「あぁ"~ 美味い…このために仕事してるようなもんですな」ゴクゴク

伊丹「飲みすぎだぞ、やーにー…何杯目だよ」

桑原「」

伊丹「お、おやっさん?」

勝本「酒で眠りに落ちたんでしょう、陸曹長は酒に弱いですから」

富田「いや、我々が強すぎるだけでは?」


倉田「へひうか隊長ぉ、もう40歳でしたっふぇ?」グビグビ

伊丹「いや33歳だよ!? ていうか、ろれつ回ってないぞ」

倉田「そろそろ誰かといい感じにならないんれふかぁ?」プハー

伊丹「誰かって…誰?」

笹川「そりゃ黒ゴスとか金銀エルフとか魔法少女とか居るじゃないですか、結構本気に見えますけど」

倉田「いい加減はっひりしへ下さいよ、見てるこっちが腹立ちまふよ」

伊丹「いやあいつらとは…そんなんじゃないし?」

二曹「じゃ金髪エルフ」

伊丹「俺とお父さんを重ねて見てるだけだろ」

伊丹「…時間が経てば立ち直れる、その手助けをしてるだけだ」


勝本「魔法少女?」

伊丹「レレイは鈍感だからな、気の迷いみたいなものだろう」

伊丹「それに…レレイと俺なんて釣り合わないだろうよ」


笹川「では、黒ゴスは!」

伊丹「ロウリィに手を出したら犯罪だろ!?」

伊丹「…ま、実年齢は余裕でセーフだが周りの目がなぁ…」

富田「…栗林」

伊丹「俺らの部隊も対象入れちゃう!?
   仲はいいけど別にそういう関係にはならんだろうな……あとそろそろ話題を変えn」ゴクゴク

倉田「黒川」

伊丹「ブハッ! ゴホッ、ゴホッ…」

笹川「"身代わりになって助けるくらい好きです"ってことですか?」

伊丹「いやいや…あの状況なら普通に誰だろうが助けるだろうよ」

倉田「否定しなひってことは、肯定と見なしてひいんでふよへ!?」

二曹「いやーお熱いねえ」グビグビ

伊丹「今日のお前らおかしくない…? それこそ釣り合わんだろ…黒川と俺だぞ」


富田「はぁ…まず最初は立場をしっかりすることが大切なんですよ、隊長」

笹川「そうそう、適当に何人も流してたら、いつか刺されますよ」

伊丹「え、何その恋愛ゲーみたいな展開は? ありえんだろ」

伊丹「ていうか何? 何で俺が好意持たれてる前提で話してんの…?」

富田「いやどう見ても…」

二曹「天然ジゴロもここまで来ますか…いや、鈍感系?」

倉田「…黒髪ロング」ボソッ

富田「加えて、前髪ぱっつん…」

伊丹「アイツのこと意識しちゃうから、そういう事言うの止めろよ…」

富田「そういえば隊長の療養期間は黒川が面倒見てくれるんですよね」


「「「………」」」


伊丹「分かった分かった…伊丹二尉もう恋バナ疲れたから、別の話題にしてくれ…」

倉田「ヘタレ! 鈍感ハーレム!!」

伊丹「はぁ!? つーかお前も猫耳メイドのペルシアさん居るだろ、富田はボーゼスと付き合ってるし…」

伊丹「…だいたいなぁ、特地の女性とはそういった関係は禁止と規則で…」

倉田「伊丹隊長が上官っぽいこと言ってる!」

伊丹「いや上官だよ!」

笹川「いっそのこと酒飲んで全て忘れましょう、生ビール追加で」

伊丹「待て、これ以上はさすがに…」

>>36あの子190もあったの?ケンシロウよりでかいやん

http://data.gate-anime.com/vote/

公式が人気投票中です、 1位になると新規描き下ろしイラスト確定。
もちろん黒川さんに入れるよなぁ?(同調圧力)

これ何でただでさえ影の薄い、仁科一等陸曹とかみずき議員とかあるんですかね…

いいから書けよオォン?

>>42
ここにきて黒川さんが第7位に上がってテンション上がったので、気合い入れて書きます

>>37
一応このssでは、アニメ基準のキャラで進めてます(伊丹とほぼ同じくらいの身長、少し高い)



―翌日  アルヌス駐屯地 幹部寮 伊丹自室


黒川「隊長、あなたは馬鹿ですか?」ニコニコ

伊丹「返す、言葉もないな……ケホッ、ケホッ」


伊丹「(次の日、屋外席で飲んだせいか、それとも風邪気味だったのか、俺は風邪を引いた…)」

伊丹「(あの飲み会の後、警務隊のお兄さんが運んでくれたらしいが)」

伊丹「何で俺の自室に居るのクロちゃん…、あとその威圧的な笑顔怖い」

黒川「隊長が全然部屋から出てこないので、私が確認に来たんです」

黒川「それに、隊長の容体が悪化すると、療養担当の私の責任になりますわ」

伊丹「(正直、風邪と二日酔いのコンボはヤバイ…)」

伊丹「(かなりキツイ、……というか死にそう…)」


黒川「防護も完璧なので、一日でも早く職務に復帰してもらう為に私が付きっきりで看病いたします」キリッ

黒川「とりあえず、冷却シートと濡れたタオルを…、扁桃腺も確認しませんと」ガサゴソ

伊丹「ゴホッ、…な、何で嬉しそうなんだよ…… あ、元看護師だったな…」ピピッ

黒川「…38℃、結構高いですね…」

黒川「薬を飲んでもらいたいので、何か口にして下さい」

伊丹「あぁ……、頭痛が酷い…」

黒川「隊長、台所借りますね?」パカッ

黒川「…って、冷蔵庫、何も入ってないじゃないですか!」

伊丹「あー…、ゴホッ」

伊丹「そういや最近…、外食ばっかり、だったからなぁ…」

彼のする料理は焼くか、炒めるか、のどちらかである。
味は甘くするか、ソースないし醤油をかける、あるいは軽く塩をふる…といった単純なもの。
複雑な味付けはしないし(そもそも出来ない)、食べられれば良い、というのが伊丹の食生活だった。

黒川「はあ……ちょっと待ってて下さい」バタン


数十分後


黒川「隊長、大丈夫ですか?」ガチャッ

伊丹「何とか、な……ゴホッ、ゴホン…」

黒川「食材買ってきました、改めて台所お借りしますわ」パサッ

伊丹「(黒川のエプロン姿…なかなか見られるもんじゃない、風邪ひいて良かっ)」

伊丹「ゲホッ、ケホ…ッ」

伊丹「(いかん、割と本気でしんどい…)」

黒川「ありきたりですが、お粥を作ってみました」

黒川「起きられますか?」

伊丹「ぐっ…」ス…ッ

伊丹「…すまん」

黒川「私は看病しにきたんですから、遠慮しなくてもいいですよ」


黒川「はい、あーん♪」

伊丹「…あむ…」

伊丹「(味が控えめで食べやすい…)」

黒川「どう…でしょうか?」

伊丹「毎朝、味噌汁作って欲しいくらい美味い」

黒川「ふふっ、何ですかそれ」

伊丹「…黒川」

黒川「何ですか、隊長?」

伊丹「その…ありがとな…」

伊丹「俺なんか気にかけてくれて、感謝してる」


黒川「…本当に馬鹿ですね、隊長は…」

黒川「私はもちろん、第三偵察の皆さんも隊長のこと、心配してましたよ?」

黒川「ですから、そんなに自分を卑下しないで下さい」

伊丹「はは…幸せ者だな、俺は……、ケホッ、ケホッ」

黒川「薬を飲んで寝て下さい、風邪は寝るのが一番ですから」




伊丹「……今何時だ…?」ゴソゴソ

伊丹「夜中の二時か」

伊丹「(頭がすっきりして、体も軽い…大分楽になった)」


伊丹「あれ?」

黒川「……すぅ………」

伊丹「(ベットに頭乗せて座り込んだまま寝てる)」


伊丹「ずっと居てくれたのか、ありがとな…」ナデ

黒川「…んっ………すぅ……」

伊丹「…ハッ、いかんいかん……、というかこのままじゃ黒川が風邪引くな…」

伊丹「この姿勢だと体痛めるだろうし、寝れる場所は…」

伊丹「………」

伊丹「黒川をベットに寝かして、俺がソファで寝る…これしかないか」

伊丹「よいしょっと…、……寝るか」


伊丹「うおっ……」グッ

伊丹「く、黒川さん?」

黒川「すぅ………すぅ……」ギュッ

伊丹「(黒川をベットに運んだ際に、そのまま腕を握られたままだった…)」

伊丹「(予想外の事態だが……、このまま無理に動くと黒川がベットから落ちてしまう)」


伊丹「(しかし部下と同じベットに入るのは……いや、でもなあ)」

伊丹「……………」


伊丹「(しょうがない…よな、うん…俺は悪くない…)」ゴソゴソ

黒川「……すぅ…すぅ……」

伊丹「(眠れる気がしないけど) おやすみ…」

風邪っぴきと一緒のベッドで寝ていいもんでしょうか?いい光景ではあるが

忙しくて気が付いてたら、年末になってました
あとネタが浮かばなかったり花騎士にハマったりしてました、赦しは請わぬ(開き直り)

更新遅くなって本当にすみませんでした...、よいお年を

>>54
個人の免疫力によるんじゃないですかね?
少し一緒に居ただけでもすぐ感染したり、マスクしてなくても全然平気な人だって居ますし
ただ普通に現実的に考えたら、一緒のベッドで寝るのは勿論控えた方がいいでしょう



伊丹「ういっす」ガチャ

倉田「あれ、隊長!?」

富田「あ、おはようございます」

倉田「もう風邪治ったんですか?」

伊丹「数日もありゃ治るよ、…それに溜まった書類仕事を考えると怖くて…」

倉田「せっかくお見舞いに行って、隊長の部屋を物色しようと思って準備したのに!」

伊丹「残念だったな、だがそのお見舞い用ポカリはありがたく頂戴しておく」

富田「そういえば黒川が看病に行ったらしいですが」

伊丹「あー、風邪移すと悪いから1日で帰ってもらった」

伊丹「…いや、一緒に寝たから実質2日か?」

倉田「」

富田「ほう…」


伊丹「…おい、別にいかがわしい行為はしてないからな!?」

倉田「で、ですよねー」

伊丹「来てくれたけど寝落ちしちゃったんだよ、それだけだ!」

富田「ま、隊長ヘタレですからね」

伊丹「違う、そこは俺の理性が強いって言うんだよ」


栗林「たいちょー、おはようございます」

伊丹「おぉ、どしたの クリボー」

栗林「お客さんが来てますよ」

伊丹「俺に? …って、うわぁぁっ!」

テュカ「お父さん!」ダキッ

レレイ「イタミが風邪と聞いて、急いで商談から戻って来た」

ロゥリィ「でもその様子じゃぁ、治ったみたいねぇ」

伊丹「3人はいつも通りで安心した、けど…」


ピニャ「イタミ殿!」

伊丹「…いや何故居るんですか、殿下」

ピニャ「其方が病に倒れたと聞いてな、…ついでに芸術を見に」

ピニャ「…妾が居ては何か問題だったか? あとピニャで良いと言っているだろう?」

伊丹「そういう訳じゃないですけど…、それにそんな馴れ馴れしい呼び方出来ませんよ」

ピニャ「もはや我らの間は大分近いはずだ、今更遠慮など要らぬ、さあ遠慮なく呼んでくれ」

伊丹「……ピ、ピニャでんk」

ピニャ「呼び捨てで」

伊丹「……………ピ、ピニ…ャさn」


ロゥリィ「ちょっとぉ、何二人でいちゃいちゃしてる訳ぇ?」

伊丹「(助かった…)」ホッ

ピニャ「ぐっ… (もう少しだったのに…!)」

ロゥリィ「(抜け駆けさせないわよぉ?)」

ピニャ「仕方がない、妾は本来の目的である芸術を受け取って参る… また後でな、イタミ殿」

テュカ「これで邪魔者が1人消えたわね…」ボソッ

伊丹「(…えっ、何今の聞き間違い?ヤンデレ?Yandere-chanなの?)」ゾワッ

黒川「おはようございます、伊丹二尉 体調はもう大丈夫ですか?」

テュカ「クロカワ!///」パアッ

黒川「おはよう、テュカ」ニコ

伊丹「おう、おかげさまで …改めてありがとな」

ロゥリィ「ふぅん、クロカワが看病してたのねぇ」

レレイ「クロカワは優秀な医官、傍に居るのは適正な判断」


倉田「でも一緒のベットで寝たんですよね」スッ

伊丹「なっ!?」

ロゥリィ「い、一緒にね、寝た?」

黒川「いえ、その…///」

テュカ「も、もうそんなとこまで!?///」

レレイ「」


伊丹「バッカ! お前っ、何余計な燃料爆弾なんか投下してんの!?」コソコソ

倉田「いやぁ事実ですし、面白くなるかなって…」コソコソ

伊丹「事実にしても言い方ってもんが…!」

ロゥリィ「イタミィ?」フラッ…

伊丹「ヒィ!」

伊丹「ま、まま、待ってくれ ちゃんと説明するから!」




テュカ「言葉の綾ってこと?」

ロゥリィ「紛らわしいのよぉ、馬鹿」

レレイ「…安心した」ホッ

黒川「もう!誤解を生むような言い方しないでください!」

伊丹「何で俺怒られてんの…?」


ロゥリィ「でもぉ、ここにきてクロカワねぇ」

レレイ「予想外の強敵…」

ロゥリィ「…ここは一旦停戦しなぁい?」

レレイ「皇女も侮れない」

レレイ「…同盟は妥当な判断」

テュカ「私はお父さんでも、クロカワでもイケるけどねー///」ニヘラ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月25日 (水) 14:31:51   ID: kNOGBVim

クソ原作のssなんて書いてんじゃねーよ

2 :  SS好きの774さん   2016年03月11日 (金) 20:39:20   ID: j3E28jee

楽しみにしてる

3 :  SS好きの774さん   2018年04月07日 (土) 01:28:50   ID: IbnZT7NB

イイゾーコレ

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