少女「またこの丘で逢おうね」(123)

学校が終わった
今日から夏休み 
皆、遊ぶ計画を建てている
僕は楽しみじゃない
友達なんていないからだ

今年の夏は家でゆっくりすごそう
そんな事を考えながら家に帰る

猫がけだるそうに歩いている
「暑いね」と猫に話かける
猫はそれに答えるように鳴く
「あいつまた猫と話してるよ」クスクス
「キモッ」ケラケラ
「あははははは!」

ただ僕は猫が好きなだけなのに
夏の暑さのせいでイライラする

しかし僕には言い返す力は無い
言い返したらもっと虐められる

だから僕は走った
人の視線を振り払うように

少年「はぁ…はぁ…」タッタッタッ

どれくらい走ったのだろうか
気が付くとそこは見知らぬ丘だった

少年「ここは…どこ…?」

人気の無い道の隣に林に囲まれた丘がぽつんとあった

少年「こんな所あったんだ…」ザッザッザッ

少年「なんだか落ち着くなぁ…」

蝉の鳴く音があたりを包む

心地いい風の音

少女「ねぇ」

少年「わぁっ!?」ビクッ

振り返るとそこには女の子が居た

少年「だ…誰?」

少女「そこ」

少年「えっ?」

女の子の指差した方を見てみると
僕の膝から血が出ていた

少年「あっ…」

きっと走ってた時に木の枝にでも引っ掻けたのだろう
鮮やかな色をしていた

少女「足出して」スッ

少年「えっ!?いや大丈夫だよ!」ブンブン

少女「いいから」ペタ

少年「あっ…ありがとう…」
膝には見慣れた絆創膏
よく母さんが貼ってくれた奴だ

少年「君はいつもここに来るの?」

少女「うん」

少年「いいところだね」

少女「ここには生き物がたくさんいるの」

少年「へぇ…」

ふと空を見上げると青空は綺麗な夕焼けになっていた

少年「うわっ!もう帰らなきゃ!!」

少年「じゃっじゃあね!」タッタッタッ

少女「………」


少年「ただいまー!」ガラガラ

母「遅かったわねぇ」トントン

少年「ちょっと迷っちゃって…」スタスタ

母「何よそれ、まぁいいわもうすぐでご飯だから手ぇ洗ってきちゃいなさい」トントン

少年「はぁーい」タッタッタッ

少年「明日あの丘探してみようかな…」ジャー

次の日
今日も暑い
熱中症を防ぐため水筒を持っていく

少年「いってきまぁーす!」タッタッタッ

家を出た途端暑さが襲ってくる

少年「まずは昨日の猫が居たところに行くか…」ザッザッ

少年「たしか…こっちの道に走ってったんだよね…」

しばらく歩いてるとあの丘が見えてきた

少年「あ…あの子だ…」サッサッサッ

少女「今日も来たんだ」

少年「う、うん!ここ落ち着くしね」

少女「そう」

優しい瞳 綺麗な金髪の髪
顔は日本人の顔をしていた

少年「あっ…そういやもうお昼食べた?」

少女「ううんまだ」フルフル

少年「んじゃあこれあげるよ、おいしいよ」スッ

それはお母さんが持っていきなさいと渡してくれたおにぎり

少女「ありがとう」

少女「ん…おいしい」モグモグ

少年「お母さんのおにぎりは天下一品なんだ!えへへ」

少女「…ふふふ」

少年「あはははっ」

気付いたらもう夕焼けだった

少年「そろそろ帰らなきゃ…」

少女「ねぇ…どこに住んでるの?」

少年「えっ?えと…駅の近くだけど…」

少女「だったらここから行った方が近い」

女の子が指差した場所は小さなトンネルの様な場所だった

少年「あっありがとう!それと…」

少年「ま、また来てもいいかな?」

少女「……なんで私にそんな事聞くの?」

少年「あっ…そ、そうだよね!ごめん変な事聞いて…」

少年「じゃ、じゃあね!」 タッタッタッ

少女「………」


少年「あの子可愛かったなぁ…ハーフ…だよね、髪の毛金色だったし…」ザッザッザッ

少年「あっ」


トンネルをしばらく歩いていると家の近くに出た

少年「こんな所から行けるのか…」スクッ


家からはカレーのにおいがした

|∧∧
|・ω・`) そ~~・・・
|o④o
|―u'

| ∧∧
|(´・ω・`)
|o   ヾ
|―u' ④ <コトッ

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

| ミ  ピャッ!
|    ④


少年「暑い…」

ジリジリと太陽が照り付ける
汗の雫が顎先から垂れてくる

少年「今日はあの子を駄菓子屋に誘ってみようかな…」テクテク

少年「いた…」テクテク

少年「また会ったね」

少女「そうね」

少年「あのさ…もしよかったら駄菓子屋に行ってみない?」

少女「だがしや…?」

少年「あっ、嫌ならいい無理しなくていいよ!」ブンブン

少女「うぅん、行きたい」

少年「そっそうだよね!行きたくないよねって、え?」

少年「………」テクテク

少女「………」テクテク

少年(なに話したらいいんだろ)テクテク

少女「ねぇ…」テクテク

少年「うぇっ!?なっ何?」ビクッ

少女「だがしや…って何?」

少年「…も、もしかして、知らないで行くって言ったの…?」

少女「………」コクッ

少年「…駄菓子屋っていうのはお菓子が売ってる所なんだ」

少女「そうなんだ」

少年「君ってさ外国育ちなの?」

少女「うん、けどお父さんの仕事で日本に来たの」テクテク

すいません、ちょっと急用が出来たので失礼します
小一時間で帰ってきます

少年「すごいね!」

少女「え?」

少年「ほらここって田舎でしょ?僕、外国に憧れてるんだ!」

少女「ふぅん………」

少年「その金髪の髪もうらやましいよ!」

少女「へ?」ドキッ

少年「だってキラキラ輝いててすごく綺麗だもん!」

少女「…………」

少年「あ、ごめん…いきなり喋りだしちゃって…」

少女「……早くいこ」テクテク

少年「あっ…うん」テクテク

少年(はぁ……)

少年「着いた」

そこはボロボロの駄菓子屋
近所の子供達に人気の場所だ

少女「ボロボロ…」

少年「大丈夫!こう見えて案外丈夫だから!」

少女「何これ?」パサ

少年「あぁそれはきな粉棒、美味しいよ」

少女「そうなんだ…」

少年「あっ、じゃあ買ってあげるよ!」

少女「えっ、…でも私…お金持ってない…」

少年「大丈夫!奢るよ!」ニカッ

少女「あ、ありがと…」

少年「おばちゃーん!これちょうだーい!」

おばちゃん「あいよー」スタスタ

少年「あっ、他に欲しい物ある?」

少女「…いいの?」

少年「うん!」

少女「んじゃこれとこれとーーーー」


少年「1000円も使っちやったよ」

少女「ふんふんふーん」モグモグ

少年「まぁいいか…」

少年「あっ、もうこんな時間だ!じゃあそろそろ帰るね!」タッ

少女「あっ、待って」

少年「何?」

少女「明日も…来る…?」

少年「……うん!」

少女「……!」パァ

少年「じゃあね!」タッタッタッ

少女「うん」



7月28日
今日は一段と暑い日だ

少年「あっつい!燃える!」ジリジリ

少年「あー…だるい」テクテク

少年「でも行かなきゃ…」テクテク


「ーーーー!!」

少年「ん?なんか騒がしいぞ」タッタッタッ

いじめっ子「お前の髪の毛気持ち悪ぃんだよ」
いじめっ子「やっちまえ!」

子分「うらぁっ!」

少年「あ…れは……」ドクン

少女「いやっ!やめて!」グシャグシャ

いじめっ子「この日本人もどき!」ドン

少年「……ゴクリ」ドクン…ドクン…

いじめっ子「砂投げてやれ」

子分「うぃっす」バサッ

少女「きゃっ!」

少年「ゃ……やめろっ!!」ダッ

少女「…え?」

いじめっ子「あっ!お前、少年じゃねぇか!」

少年「……やめろ…」ドクン…ドクン…

何をしてるんだ僕は、勝ち目なんてあるわけ無いのに

いじめっ子「ちっ、やっちまえ!」

子分a「うらぁあ!!」シュッ

少年「うっ!?……ゴホッガハッ」ドス

子分b「そらっ!」

少年「ガハッ!!おぇ…や、やめ…ぐぁ!!」ゴスッドン

少年「うぅ………」

いじめっ子「ふん、ちょっかい出すからだ、それとお前…仲間なんて呼びやがって…」

少女「わっ私は呼んでない…」

いじめっ子「うるせぇ!!…ん?」ガシッ

少年「やめ…ろ……!」

いじめっ子「しつけぇんだよっ!」ゲシッ

少年「やめろ……!!!」

いじめっ子「…っち…覚えてろよ!!!おいお前ら行くぞ!」ダッ

子分達「は、はい!」タッタッタッ

少年「だい…じょぶ…?」

少女「わっ私は大丈夫だけどあなたが…」タッ

少年「僕は大丈夫だよ…いてて」スッ

少女「なんで…助けてくれたの…?」

少年「気付いたら体が動いてたんだ…えへへ…あ、血でてきた」

少女「ーっ!」

少女「もう分かったと思うけど私、虐められてるの…」

少女「それで…いつもこの丘で過ごしてた」

少女「そんなある日誰かの足音がした、私はすぐに隠れたそしたらあなたがきた」

少年「…………」

少女「そしたらあなたの膝が怪我してるのに気付いて話し掛けた」

少女「怖かったけどあなたは私を虐めたりはしなかった」

少女「そしてあなたは帰っていった、あぁまた独りになるのかって思ってた、けどまたあなたは来てくれた」

少女「無愛想な私に話し掛けてくれた、そしておにぎりをくれた」

少女「私は嬉しかった、あなたが帰ったあと明日も来てくれるだろうかと楽しみにしてた」

少年「………」

少女「そして次の日またあなたが来てくれた、そしてあなたは私をあの独りしかいない丘から連れだしてくれた…」

少女「私の知らない世界を教えて…くれた…!」

少年「そうだったんだ………」

少女「そしたらあなたはまた来てもいいと言ってくれた…つい無愛想に答えてしまったけど正直嬉しかった…グス」

少女「そして今日も待っていたそしたら…あいつらが来て…」

少女「ーっ!もう分かったでしょ?私と関わるとろくな事にならないってことが」ギリ…

少女「分かったら私ともう…関わらないでーーーー」

少年「ううん、関わるよ」

少女「……え?」

しえ

明日は学校なので今日はここまでです!
ではお粗末様でした!

少年「そんな事で関わらなくなる程僕はダメな人間じゃない」

少年「そもそも虐めをする奴等が悪いんだ」

少女「でも、私といるとさっきみたいに…」

少年「大丈夫、僕が守るから」

少女「………本当に…?」

少年「うん!」

少女「…グスッ…ぁ、あり…がとうグスッ」ゴシゴシ


僕はこの子を心から守ろうと思った
きっと僕はこの子の事が……

きたー?

昨日はとても大変だった
またあいつらが来るかもしれないから色々とルールを決めた
まずあの丘に居るとき誰かが来たらあのトンネルに隠れる事、そして合言葉を決めた

「またこの丘で」 「逢おうね」

そうして昨日は解散した

夏休み4日目

今日も暑い

少年「いじめっ子は……いない…よね?」ソロソロ

少年「………」スタスタ

少年「またこの丘で」ボソッ

「逢おうね」

少年「…ふぅ…おはよう」

ガサガサッ

トンネルを塞いでいた葉っぱが取り除かれる

少女「…おはよう」スッ

少年「僕が来る前に誰か来た?」

少女「うぅん誰も来てない」フルフル

少年「そう…じゃあ今日は何処に行こうか?」

少女「あなたが行きたい所に行きたい」

少年「うん、じゃあ行こうか」ニコ

少年「暑いね」テクテク

少女「うん」テクテク

少年「あっ、駄菓子屋だ!アイス買ってくるね!」タッタッタッ

少女「あ…」

少女「…ふふ」

少年「おばちゃーんこれちょうだーい」

少年「ここにお金置いとくねー」タッタッタッ

少年「はいこれ」サッ

少女「ありがと」

少年「冷たくて美味しいね」ペロ

少女「うん、美味しい」ペロペロ

少年「こっちだよ」テクテク

少女「ん…」テクテク

少女「ここは…?」

少年「ここは神社だよ」

少女「涼しい…」テクテク

少年「大きい木があるから影が出来て涼しくなってるんだ」テクテク

少女「あ、本当だ…大きな木…」

少年「ほら、ここ見てみて」

少女「?」テクテク

少女「…あっ、蝉の脱け殻…」

少年「ここはね蝉がいっぱいいるんだ」

少女「へぇ…あっ…」

少年「え?」

少女「雲が……黒い」

少年「うわっ…こりゃ夕立がくるね…」

ゴロゴロ… ポツ…ポツ…

少年「あー…降ってきた」

少年「結構降ってるね…」

ザァァァァァァ

少女「……」

少年「はやくやまないかな……」

ピシャァァァァァン!!!ゴロコロ

少女「ひっ!!」ガシッ

少年「………あのー?」

少女「へっ?……あっいやっ、ごっごめん!」サッ

少年「あっ……」

御堂の中は静寂が続いた

少年「あっ……」

空はさっきとうって変わって晴れ晴れとしている

少年「眩し……」

少女「綺麗な空…」

少年「じゃあ雨もあがったしそろそろ帰ろうか」スッ

少女「うん」スクッ

少年「あっ、そこぬかるんでるから気を付けてね」

少女「うん」サッ

水溜まりに日があたりとても綺麗だった

少年「今日はついてなかったねー」テクテク

少女「…ううん、楽しかった」テクテク

少年「そう?なら良かったよ」ニコ

少女「……!」ドキッ

少女「ぁあっ!」

少年「え?」

少女「ぅわっ私の家こっちだっだから」アセアセ

少女「じゃっ、じゃあね!!」ダッダッダッ

少年「………へ?」キョトン

今日の投下はこれにて終わりです!
ではお粗末様でした

おやすみ

夏休み5日目

家のエアコンが壊れた

少年「あ"ぁー…家も外もあっついなぁ……」テクテク

少年「水分が吸いとられる……」ジリジリ

少年「さーてと」テクテク

少年「またこの丘で」

「逢おうね」

少年「ここって涼しいんだね」

少女「うん、林が影になってるの」ガサガサ

少女「だから動物が沢山集まるの」ガサッ

少年「へぇ~…そうなんだ、スゴいね!」

少女「うん、今日はどうする?」

少年「う~ん……あっ!今日はこの林の中を探検しよう!」

少女「ここ?」

少年「そう!林だから涼しいしね!」

少女「ふ~ん……じゃあ行きましょ」」スッ

少年「うん!」

林の中は思ったとおり涼しかった
蝉の声が辺りを包んでいる

少年「あっリスだ」

少女「これ…あげてみて」スッ

少年「なにこれ?」スッ

少女「胡桃」

少年「へぇ…それっ」ポイ

リス「キュー」カリカリ

少年「旨そうだな……」グゥ~

少女「…ふふふっ」クスクス

少年「へっ?……あっ、いやっこれはそのっ」アセアセ

少女「あははははっ!」

少年「…あっ…あははっ」


彼女の笑顔はとても綺麗だった



少年「あっ」

少女「どうしたの?」ヒョイ

少女「あ……」

そこには川があった

少年「涼しい…」テクテク

少女「うん…」テクテク

川の近くへ行くと涼しさが僕らを包んだ
水はとても透明でまるでガラスみたいだ

少年「こんな所に川があったんだね」

少女「私も知らなかった」

少年「ちょっと足いれてみよ…」チョン

少年「うわぁー!冷たくて気持ちいいー!」

少年「ねぇ!君もいれてみなよ!」

少女「うん」テクテク

少女「…んしょ」チョン

少女「ひゃっ!!」ゾクゾク

少年「だっ大丈夫!?」

少女「う、うん…ちょっとびっくりしただけだから…」

少年「そ、そう」

少女「最初は冷たくてびっくりしたけど、慣れると気持ちいいね」ニコッ

少年「う、うんそうだね」

夏の暑さなんて忘れてしまうくらい川は冷たかった

少年「気持ちいいなぁ…っうわっ!!」ツルッ

ドッパァーン!!

少女「あっ……」

少年「いったぁ……」ビチャビチャ

少女「……ぷっ、あははははっ!」

少年「へ?……よーし…それっ!」バシャッ

少女「きゃっ!」ビシャッ

少年「あはははっ!ぶっ……」バシャン

少女「よくもやってくれたわね……それっ!」バシャバシャ

少年「ちょっバシャやめっバシャンうわっ」ツルッ
バッシャーン
少女「キャッ!」

いいよいいよ

少年「二人揃ってびしょ濡れだね…」ポタポタ

少女「そうね…」ポタポタ

少年「そろそろ帰ろうか…」ポタポタ

少女「そうね…」ポタポタ

少年「いやー盛大に転んだなー…」テクテク

少女「そうねっキャッ!」ツル

ドン!

少年「だっ、大丈夫!?」タッタッタッ

少女「え、えぇ…ーーっ!」

少年「ど、どうしたの!?」

少女「……足…捻挫したみたい…っ!」ズキッ

少年「じゃあ僕ん家行こう!ここからだと僕の家が近いし!」アセアセ

少女「でも…歩けない…」

少年「じゃあ僕の背中に乗って!」

少女「えっ、でも」

少年「ほら早く!」

少女「う、うん」ゴソ

少年「よいしょっと、じゃあ歩くよ」

少女「う、うん」ドキドキ

少年「それっ」テクテク

少女「ぅわっ私重くない…?」ドキドキ

少年「え?…うぅん逆に軽いぐらいだよ」ニコ

少女「そっそう」ドキドキ

僕の家は近かったのでものの数分で着いた
しかし家に着くまで背中に感じた小さな鼓動は何だったのだろうか

少年「大丈夫?」

少女「うん、氷のおかげでだいぶ腫れがひいてきた」

少年「そう、よかったぁ」フゥ…

少女「ありがと…」

少年「えへへー照れるなぁ…」

母「ラブラブだねぇ」ニヤニヤ

少年「ちょ、ちょっと母さん!」アセアセ
少女「おっおばさん!」アセアセ

母「あっはっはっ!ごめんねぇ」

少年「もう……」

少女「じゃ、じゃあ私そろそろ帰るね」スッ

少年「もう大丈夫なの?」

少女「うん、この通り」テクテク

少年「でも心配だし送ってこうか?」

少女「うぅん大丈夫だよ」ニコッ

少年「そ、そうならいいんだけど」

少女「じゃあね」ブンブン

少年「うん、じゃあね」

今日の投下はここまでです!
最近忙しくてあんまり投下出来なくてすいません…
明日はいっきに投下する予定です!

ではお粗末様でした!

おつおつ

すいません!今日も忙しくて投下出来そうにありません…
明日こそは必ず…
本っ当にすいません!!

どうせそうそうスレ落ちないんだし、本文と、離れる時だけど教えてくれりゃいいよ



夏休み6日目

業者さんが忙しいらしく修理に来れないらしい

少年「昨日転んだからお尻が痛い…」スィー

少年「そういやあの子って自転車持ってんのかな?」チリーンチリーン

少年「よいしょ…っと」トスッ

少年「………」テクテク

少年「またあの丘で」

少年「…………」シーン

少年「今日はまだ来てないのか…」

いつも先に来てたあの子だが今日は僕の方が先だった

少年「とりあえ…ず!」ドスッ

少年「自転車隠さなきゃ…重…」ドスドス

少年「ふー…後はトンネルに隠れて…と」ガサガサ

少年「ふぅ…意外と落ち着くなぁ…」

少年「…しかも…涼し…い……」ウトウト

少年「……」スゥ…スゥ…



少年「うーん……」パンパン

少年「う?」パンパン

少女「…あ、起きた」パンパン

少年「ちょ、痛…なんでちょっ」パンパン

少女「あっごめん、ずっと叩いてたから…つい」パンパン

少年「ちょ……手」パンパン

少女「あっごめん」

少年「痛い…」ジンジン

少女「ごっ、ごめん…」シュン

少年「いいよ謝らなくて、僕が寝てたのが悪いんだし」

少女「うっ…」グサッ

少年「まぁそれは置いといて、今日は自転車に乗って出掛けよう」

少女「じ…てんしゃ?」

少年「…もしかして知らない?」

少女「……うん」コクッ

少年「ぁー…これはねぇ…あのー…なんというか…まぁ一言で言えば楽に移動出来る奴なんだ」

少女「自動車より!?」キラキラ

少年「いや…自動車よりは速くないけど…」

少女「なんだ…」ショボン

少年「まぁいいや、で知らないって事は持ってないんだよね?」

少女「お母さんのはあるけど乗れない…」

少年「じゃあ僕の後ろに乗りなよ」

少女「ここに?」ポツン

少年「ここに」ポツン

少女「え、本当にここ?」ポツン

少年「本当にここ」ポツン

少女「大丈夫ここ?」ストッ

少年「大丈夫大丈夫ただ、足は気を付けてね車輪に巻き込まれるから、じゃあ行くよ!掴まっててね」スィー

少女「え?最後の何…うわっ」ガタ

少年「ごめん段差があるって言うの忘れてた」チリンチリン

少女「もう……」スゥー

少年「どう?気持ちいいでしょ?」カシャカシャ

少女「うん、風が気持ちいい…」スィー

少年「よいしょ…っとよいしょぉぉぉぉぉ!!」コギコギ

少女「がんばれー」

少年「ここ坂道なんだから後ろから押してよ……」コギコギ

少女「はーい」ストッ

少年「んじゃいくよ?せーのっ!はい押してぇ……」コギコギ

少女「そーれ」グググ

少年「押してる?」コギコギ

少女「うん」グググ

少年「全然押してる感無いんだけど……」コギコギ

少女「失礼なこれでも全力よ」グググ

少年「えぇ……」コギコギ

少女「…ていうか降りて押してあがればいいんじゃないの?」グググ

少年「………はっ!?」ピタッ

少女「はぁ……先が思いやられる…」グググ

少年「坂キツい…」ゼエゼエ

少女「うわぁ…!」パァ

少年「すごいでしょ?ここから町か見渡せるんだ」テクテク

少女「あっ、私の家だ」

少年「よくそんな遠い物が見えるね…視力いいの?」

少女「自分家だもん分かるに決まってるよ、あっ電車来た」

少年「まぁ、そうだよね」

いじめっ子「おうおう、ずいぶん仲良しなこった」

少年「あっ!お前!」

少女「……!」

いじめっ子「この前はよくもやってくれたな…おい!お前ら!やっちまえ!」

子分a「はい!」

少年「僕が合図したら自転車に走って」ボソッ

少女「え、でも」

少年「いいから、僕にいい考えがあるんだ」

子分達「おらぁぁ!」ダダダ

少年「今だ!」シャカシャカ

少女「っ!」タッタッタッ

いじめっ子「あぁん?逃げる気か?そうはさせるか!」ダダダダ

少年「ほら、これあげるよ」ポイ

子分達「これは…?」

いじめっ子「コー…ラ……?」

プシュゥゥゥ  ブシュッ!!

いじめっ子「うわ!!コーラが弾けやがった!」

少女「………」ポカーン

少年「ほら、今のうちに」スッ

少女「え?あぁうん」スッ

いじめっ子「ちくしょう!!逃げやがって!次あったらぶっ殺してやっかんな!!」ベトベト

子分達「おやぶ~ん…服がベタベタっすよ~…」

いじめっ子「うるせぇ!洗えばいいだろが!」

子分達「えぇ……」



少年「それ!」シャカシャカ

少女「うわっ…」ブワッ

少年「気を付けてね!スピードスゴいから!!」シャカシャカ

少女「うん!!」ビュオォォォ

少年「そら!」シャカシャカ

少女「……ありがと」ボソッ

少年「何ぃー!?聞こえないよー!?」シャカシャカ

少女「うぅーん!!何でもなぁーい!」ビュオォォォ

少年「そうかー!!」シャカシャカ

少年「もう駄目…倒れる…」フラフラ

少女「……ごめんね、ジュース無駄にさせちゃって…」

少年「あぁ、大丈夫大丈夫、あれで守れるんだったら安いもんだよ」

少女「そ、そう…あっじゃあ私そろそろ帰るね!」ドキドキ

少年「あっ、ちょっと待って」

少女「へっ!?なっ何?」

少年「今日あいつらにあんな事したからあいつらも明日からは血眼になって僕らを探すはず、だから明日からはより警戒を強めてね」

少女「うっ、うん」

少年「それだけなんだごめんね、引き留めてじゃあまた明日」スッ

少女「うん、また明日」

少年「ただいまー」ガラガラ

母「お帰り」

少年「もうダメだぁ、足が限界」バタッ

母「何かあったの?」

少年「ちょっとね…」


いじめっ子から逃げるために自転車こいで足痛くなった
なんて言えるわけない
母さんには負担を掛けたくないから

母「そ、ほどほどにしときなよ」

少年「うん」

今日の投下はこれにて終了!
色々すいません!
ではお粗末様でした

わりと好き

いい感じ

僕の父さんは優しい人だったらしい
僕が小さい時に他の女の人と出ていったらしい

母はどこか寂しげな顔をしながらそう教えてくれた

お父さんは僕の事が嫌いなのだったのかな?
だから出ていったのかな?
しかし疑問が解決する事はない

夏休み7日目

業者さんが来てエアコンを直してくれた

キタ――(゚∀゚)――!!

ブァーーー
少年「ぁー涼しいぃー」

母「エアコン直ったからってあんま使ってっとエアコン切るよ」

少年「はーい」ピッ
ブォーー…ピピッ ヴィーン…

少年「行ってきまーす」ガラガラ

少年「あっついなぁ…」テクテク

ミィーンミィーン ミィーンミィーン

夏の蝉の声が暑さを倍増させる
改めて夏だということを思い知る

少年「早く丘に行こう、あそこなら涼しいし」タッタッタッ

~~~~~~~~~~~~~~~

少年「着いた…あぁー涼しい…」テクテク

少年「さーてと…」テクテク

少年「またこの丘で」

少年「逢おうね」

少女「…今日も暑いね」ガサガサ

少年「そうだねー」クス

少女「今日は何するの?」

少年「えーと今日は…あっ」

少女「?」キョトン

少年「そういや君ってどこの小学校に通ってるの?」

少女「あっちの第三小学校」

少年「第三小学校なんだ…でさ宿題…って終わってる?」

少女「え?終わってないよ」

少年「じゃあ今日は宿題を終わらそうか」

少女「へ?」

少年「終わらしたほうが後々楽だしそうしようよ!」ニコ

少女「ぇ…あっうん!そっそうしよう!」ドキドキ

少年「じゃあ僕ん家でやろうか」

少女「……うん」ドキドキ

少年「エアコンが直りましたー」ピッ
ブォーーー
少女「す、涼しい…」

少年「え?エアコン知らないの?」

少女「う、家はいつも扇風機」

少年「マジっすか」

少女「大マジです…」

母「仲良しだねぇー、カップルみたいだねぇ」ニヤニヤ

少年「んなっ……」

少女「ーーー!?」

少年「かっ母さんはあっち行ってて!後一言余計だよ!」グイグイ

母「はいはい邪魔してごめんねぇー」ニヤニヤ

少女「………」モジモジ

少年「ごっ、ごめんね…母さんには後できつく言っとくから」

少女「あっ、は、はい!」ピシッ

少年「なぜに敬語」

少女「で、ここはこうだから…」

少年「あーなるほど…」カリカリ

少年「いやぁごめんね、教えてもらってばっかで」ポリポリ

少女「うぅん、私人に教えるの好きなの」

少年「へぇ…スゴいね」

少女「そっそうかな…」モジモジ

少女「あっ!そうだ、電話してもいいかな?」

少年「いいけど、どこに掛けるの?」

少女「家に」

少女「今日は遅くなるって伝えるの」

少年「へ?」ドキッ

少女「早く宿題終わらせたいしね」ニコッ

少年「あっ、そうだね…」

少女「じゃあ電話してくる」タッタッタッ

少年(僕は何を期待してるんだ…)

少女「電話ありがと」テクテク スト

少年「どうだった?」

少女「うん、okだったよ」ニコッ

少年「そ、そう良かったね」

少女「うん」ニコッ

少年「じゃあ続きやろうか」

少女「そうだね」

~~~~~~~~~~~~~~~

少年「ぬぅ……自由研究か…」

少女「ここら辺虫が多いんだし昆虫採集にしたら?」

少年「あっ、そうだね、そうしようか」

少女「後は自由研究と日記だけね」

少年「いや~疲れたぁ…」ノビィ~

少女「私も疲れた…」

 「ご飯出来たよー!」

少年「だってさ、食べていきなよ」

少女「えっ、でも…」

少年「母さんのご飯は美味しいよ」 ニコッ

少女「じゃっ、じゃあ…」

少年「えへへっ」クスッ



母「今日は豪勢だよ~」

少年「うわ、すっごいね」

少女「美味しそう…」

母「ほらほら、食べな」

少女「あっ、はい」ストッ

少年「これ美味しいね」モグモグ

母「でしょ?母さんの飯は天下一さ」

少女「ふふふっ」クス

三人で囲む食卓は何処か懐かしく思えて、とても楽しかった
お父さんがいた頃もこんなだったのかな?


少年「いやー食った食った」

少女「私もいっぱい食べちゃった…」

少年「あははっ…っとそういや時間大丈夫?」

少女「いっけない!すっかり忘れてた!」タッ

少年「あっ、だったら送ってくよ」スッ

少女「え?いいの?」

少年「okok」ニコッ


少年「じゃあ行ってくるね」トントントン

母「気を付けてね」

少年「…じゃあ行こっか」クル

少女「うん」

夏の夜はとても静かでとても涼しい
昼間は騒いでいた蝉も夜は静かになる

少年「涼しいね」スィーー

少女「うん…」

少年「空見てみて」シャカシャカ

少女「え?……うわぁ」パァ

空には無限に広がる星が見えた
宝石の様に光輝いている

少女「すごい……」

少年「ここ田舎だから星がよく見えるんだ」スィーー

少女「へぇ……」

その星一つ一つに意味がある
どれも欠けてはいけない大切な光
夏の星空は色々な事を僕達に教えてくれた

少年「よし、着いたよ」キキィ

少女「うん、ありがと」ストッ

少女「ただいまー」ガラガラ

少女母「おかえり」スタスタ

少女母「あら、初めまして、あなたが送ってくれたの?」

少年「あっ初めまして、はいそうです」ペコッ

少女母「ありがとうねぇ…少女もいいお友達で良かったわね」ニコッ

少女「ちょ、ちょっとお母さん…」カァ~

少年「じゃあ僕はこれで失礼します」

少女母「あっ、ちょっと待って」

少年「はい?」

少女母「あの子の事宜しくね」ボソッ

少年「えっ、あっは、はい」

少女母「うふふ…それじゃあ気を付けて帰ってね」



少年「………」シャカシャカ

少年「…綺麗な金髪だったなぁ」シャカシャカ

少年「あの子も将来あんなに綺麗になるのかなぁ…」シャカシャカ

少年「ってうわぁっ!!」ガッ

ドガシャーン

少年「ってぇー……何考えてんだ僕は…」

車輪がカラカラと回っている
倒れた自転車を起こす

少年「……綺麗な空だなぁ…」テクテク

星空は色褪せることなく輝いていた

少年「さぁて早く帰んなきゃ…それっ!」カシャッ

今年の夏はまだ始まったばかりだ

終わりそうな感じですがまだまだ続きます
そして今日の投下はここまで!
見てくださってる方、有り難う御座いました
ではでは、お粗末様でした

乙乙

夏休み8日目

今日は自由研究の昆虫採集をするとあの子と約束をしていた
持ち物は虫網と虫かご、集合場所はあの小さな丘

そろそろ死ぬんじゃね?

日の光がカーテンの隙間からさんさんと降り注いでいる
まだ寝ぼけている頭で階段を下りる、
一階に下りると香ばしい匂いが漂っている

母「今日はあの子と約束してるんでしょ?早く食べて行きなさい、女の子を待たせちゃダメよ」トントン

少年「はーい…」ストンストン

炊きたての白米とキュウリの浅漬け
キュウリは噛む度カリっと軽快な音がする、このおかずだけでご飯は驚くろく程進んだ

少年「ごちそうさまー行ってきまーす!」タタタ ガラガラッ

母「あの子も変わったねぇ…はははっ」

少年「今日も暑いなぁ」タッタッタッ

コンクリートから出る陽炎がその暑さを語っている

少年「ふぃー着いた着いた」テクテク

少年「またこの丘で」

少女「逢おうね!」ガサガサ

少年「うぉおっ!?」ドスン

少年「ったぁ…」

大きな尻餅もついてしまった
我ながら情けない

少年「何なの急に…」

少女「…私なりのじょーくです」

少年「ジョ……」

僕はあまりのショックに何も言えなかった

少女「……へへ」クスッ

少年「……!」ドキッ

彼女の笑顔はとても無垢な笑顔で怒る気力が無くなってしまった

何より頭に被った麦わら帽子が白いワンピースと合っていて綺麗だ

少女「…大丈夫?」

少年「えへぇ!?あっ大丈夫ぶぶうぃす」サッ バッバッバッ

少年(って何言ってんだ僕ぅ!!?)

少女「…うふふ」クス

少年「え、えへへー」

少年「はぁ…」ボソッ

少年「ってかその麦わら帽子どうしたの?」

少女「お母さんが色々なとこ歩くんだったらこれ被りなさいって言って買ってくれたの」ギュッ

少年「へぇ…似合ってるよ」

少女「へっ!?」ビクッ

少年「あっ…」

少女「…………」ドキドキドキドキドキドキ

少年「…………」ドキドキドキドキドキドキ

少年「さっ、さぁ行こうか」スッ

少女「うっうん」テクテク

俺「ドキドキドキドキドキドキ」

少年「さてと神社に着いたが何採ろうかな…」ザッザッザッ

少女「蝉は?」

少年「あっ、そうかここ蝉の住処なんだよね…忘れてた」

少女「ここにいるよ」チョン

少年「よーし…捕まえてやる…」ジリジリ

蝉「ミィーーンミィーーンミーンミーンミンミンミィー」

少年「それっ!」ガサッ

少年「よし!捕まえた!」ガササッガサッ

少年「これは…ミンミンゼミだね」スッ

少女「へぇ…」

少年「あれ、意外とビックリしないんだね」ガササッガサッガッ

少女「馴れてるから」

少年「へぇ…あっ、アブラゼミだ、それっ」ガサッ

流石蝉の住処、色々な蝉が所狭しと並んでいる

少年「ここはこれくらいでいいかな…」ゴソッ

小一時間ここにいた結果、ミンミンゼミとアブラゼミ、ツクツクボーシとひぐらしが採れた

少年「大漁大漁っと…」ゴソゴソ

少女「はい、これあげる」ポン

少年「ん?」

手には大きな蝉の脱け殻が置いてあった

少女「これも標本に入れたらもっとよくなると思う」

少年「確かにそうだね、ありがと」ニコッ

少女「えへへ」

すいません
すんごい眠いので今日はここまでです
読んで下さってる方、有り難うございます!
明日は限界まで挑戦します!
ではお粗末様でした



おっつー

少年「次は田んぼに行こうか」スッ

少女「分かった」コクッ

少年「ここを降りたらすぐそこにあるよ」トントントン

少女「よっ…と」トンッ

そこにはどこか懐かしい田んぼがあった
青い稲の草が元気に上を向いている

少年「どれどれ、バッタはいるかなぁー」ガサガサ

少女「きゃっ!!」ドサ

少年「!?」グルッ

少年「どうしたの!?」タッタッタッ

少女「バッタが飛び出てきた…」

少年「バッタって…頭に付いてるこいつ…?」

少女「え?…ってきゃぁぁあ!?」ブンブン

少年「ぉおお、落ち着いて!」

少女「え…?あ、ごめん」ピトッ

少年「採れたぞー」スッ

少女「え、あれ?あっ、取ってくれたんだ…ありがと」

少年「なんのなんの、例には及びませぬ」

少女「…プッ、あははっ変な言い方」クスッ

少年「はっはっはそうでござるか」

少女「あははっ」クスクス

少年「あはははっ」

この子といるととても楽しいずっと一緒にいたいと思える
心の底から笑える

少年「あははっ…!?」ビクッ

少女「?」

僕の目にはこちらに向かってくるいじめっ子が見えた

少女「っ!?」

幸いこちらにはまだ気付いてないようだ

いじめっ子「あっ!!あいつら!」

最悪だ

少年「逃げるよっ!!」ギュッ

少女「あっ、うん!」ギュッ

どうする、どの道を行けば逃げられる
頭をフル回転させてルートを割り出す
こう見えても頭はいい方だ、おまけに道も知り尽くしている

勝利は確実、といったところか

少年「っハァ…こっちだ!ハァ」タッタッタッ

少女「っ……ハァ…ハァ」タッタッタッ

はぐれないよう手を繋ぐ

少年「さぁ乗って!」チャカ

少女「うっ、うん!」スッ

いじめっ子「逃がさねーぞ!!」シャカシャカ

少年「っ!!いくよっ!」グッ

少女「うん!」

奴等も馬鹿じゃない、それは分かっていたはず
だが僕は焦りを隠せなかった

少年「ふっ…それっ!」シャカシャカシャカ

いじめっ子「ちっ…逃がすかぁ!!」

少女「…大丈夫……?」

少年「あぁ、大丈夫さっ!!」シャカシャカ

この前の坂道の上に行けば大丈夫だ
あそこには坂道以外にも登る道がある
そこを下れば奴から逃げられる

少年「嘘だろ…」

その道には工事中、という看板があった
道がでこぼこしてとても通れそうにない

少年「……」

少女「どうするの…?」

少年「仕方ない…君はこの自転車を使ってさっきの坂道を下るんだ」チャリ

少女「でっ、でも…」

少年「大丈夫、僕が囮になる、君は僕の家に行ってて、すぐに向かうから」

少女「うん…」コクッ

少年「よし、今だ」

少女「……っ」チャリ

いじめっ子「くそっ…キツいな」シャカシャカ

いじめっ子「ん?」

少女「ーーーっ!」ブァァァァ

いじめっ子「あ、あいつ!」

少年「おーい、こっちだよー!ここまでおいでー」ブンブン

いじめっ子「舐めやがって……うらっ!!」シャカシャカ

少年「うーん…どうしよう」

逃げ道が塞がれてるとなるとここは出口が一つしかない広場である

少年「逃げるにも自転車が無いしなぁ…」

いじめっ子「おいお前、もう逃げらんねぇぞ」ジャリ

少年「なんで…なんで僕達を虐めるんだ」

いじめっ子「そりゃ、お前達が見てて苛つくからさ」

少年「何言ってんだよ、そんなの理由になるかよ!」

いじめっ子「ふん、そんなの知るか、うざいんだよ!」ビュッ

少年「うっ、ゲホッ…っ!」ドス

いじめっ子「弱い癖に調子こきやがって…オラ!」シュッ

少年「うぐっ!ゴホッガハッ…」ドン ゴロゴロ

いじめっ子「これに懲りたらもう歯向かうなよ」ジャリ

つ ④

少年「いや…だ…」ガシ

いじめっ子「んだよしつけぇんだよ!!」ドカ

少年「ゲホッ…そんな……理由で…虐められて…たまるか…」

少年「僕達が何したっていうんだ……!!」ギュッ

いじめっ子「いってぇ!!このやろう!!」バシッドス

少年「俺は守るんだ……あの子を守らなくちゃ…いけないんだぁぁぁぁ!!!」ダッ

少年「らぁっ!!」シュッ

いじめっ子「うぐっ!?いってぇ!」バシッ

少年「はぁ…はぁ……」

いじめっ子「なっ、何なんだよ!気持ち悪りぃ!!」

僕が守るんだ
あの子もお母さんも

少年「っ…いってぇ…」ズキズキ

体の節々が痛い
いつぶりだろうかあんなに叫んだのは
少しスッキリした

少年「とりあえず帰ろう、お母さんには転んだって言えば大丈夫だよね…っ」ザッザッ

~少年宅~
母「………」

数十分前

少女「はぁ…はぁ…」ガラガラ

母「!?どうしたの!?」タッタッタツ

少女「実は……」



母「あの子ったら…私に隠し事なんてして…」

少年「ん…自転車があるって事は無事だったんだね…」

少年「ただいまー」ガラガラ

母「ーーっ!」タッタッ

少年「あ、お母さんただいま」

母「…どうしたの?その怪我…」

少年「あ、これ?いやー自転車乗ってたら転んじゃってさー」

母「嘘よ…そんなの転んでできる傷じゃない……」

少年「……え?」

母「聞いちゃったのよあの子から」

少年「…………」

母「あんたが虐められてる事も……!」

少年「っ……」

母「ねぇ…なんで言ってくれなかったの?母さんは頼りないから?」

少年「違う……」

母「じゃあ口封じされてる……」

少年「違うよ!!…僕は……」

母「じゃあ何で……」

少年「だって…お母さん、お父さんが居なくなってから元気が無い顔してるんだもん……そんな時に虐められてるなんて言ったら…お母さん絶対に倒れちゃうよ」ギリ…

母「………」

あぁ、そうか、あの子の笑顔は私を心配させない為にしてたのか

母「…馬鹿だね…私はそんなに柔じゃないよ……」グスッ

少年「お母…さん」

母「まったくグスッ…馬鹿な子だよ…」ギュッ

少年「うわぁぁぁん!グスッごめんね、ごめんねぇ…グスッ」

母「………」

お母さんの腕の中とても暖かくて気持ちよかった

そのあとお母さんは学校に電話をした
内容はよく分からなかったけどお母さんはとても怒っていた
けれども僕は全く恐くなかった、僕の為に怒ってくれているからだ

後々聞いた話によるといじめっ子は転校してったらしい
これでこの町にも平和が訪れる

今日の投下はここまで!
自己満足で書いてますから人が来ないのは覚悟してましたが流石に少ないと結構辛いですね…
まぁ気にしないで進めていきます
読んでくださってる方、ありがとうごさいます!
ではではお粗末様でした



>103
構ってちゃんアピールはかえって人を遠ざけるぞ

いいよいいよー

追い付いた
この雰囲気がすごい好き
いじめっ子なんかいらんかったんや

>>105
すみませんでした、以後気を付けます。後、ご指摘ありがとうございました!
>>107
そう言って貰えるととても嬉しいです!ありがとうございます!

では久しぶりの投下を開始します!
暖かい目で見ていただければ幸いです

夏休み9日目

昨日の夜ご飯はご馳走だった

少年「よいしょ…っと」ゴソ

昨日、思いきり泣いたせいかとてもスッキリした気分で目が覚めた

少年「おはよー」トントントン

母「おはよう、ご飯そこに置いてあるからね」ガチャカチャ

少年「はーい…」ストン

テーブルに置いてあるのは美味しそうに湯気をたてているオムライ…ス…?

少年「えぇっ!?ちょっ、お母さん!朝から重いよ!!」ガタッ

母「大丈夫大丈夫!」

なんてこった

少年「うぅ…重い…」テクテク

少年「まぁ、歩いてる内にどうにかなるか…」テクテク

少年「………着いた」テクテク

少年「またこの丘で逢おうね」ボソッ

少女「逢お…えっ」

少女「なんで全部言っちゃ……あれ?」ガサッ

少女「誰もいない…」キョロキョロ

少年「うぉぉぉぉぉ!!!」ガサガサ

少女「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」ビクッ

少年「うわぁぁぁぁぁ!!!!」ダダダダ

少女「きゃぁぁぁ!!きゃぁぁぁぁ!!」ブンブン

少年「でりゃぁぁぁぁ!!?」ブンブン

少女「こっち来ないでぇぇぇぇ!!」ブン

少年「え」シュッ

バッシィィィィン!!

少年「……ごめん」ヒリヒリ

少女「こ、こっちこそごめんなさい」モジモジ

少年「いやぁ…あんなに驚くとは…」ポリポリ

少女「誰だって驚くわよ…」

少年「あはは~そうだよねぇ…」

少女「…ごめんね」

少年「え?いや、もう大丈夫だよ…」

少女「そっちじゃなくて…昨日の事なんだけど…」

少年「…………」

少女「…あのあとさ、あなたの家に行ってたでしょ?その時におばさんに言っちゃったの…」

少女「あなたが虐められてるっ…て事」

少女「ごめんなさい…」

少年「うぅん、謝らなくていいよ」

少女「…え?」

少年「寧ろ感謝してるぐらいだよ」ニコッ

少女「なんで……?」

少年「あのあと…お母さんと話し合いになってさ…気付いたんだ」

少年「お母さんを心配して隠してたんじゃない、恐かったから隠してたんだって判ったんだ」

少女「……」

少年「何にせよお母さんと話し合う機会を得られて良かったよ、ありがとね」

少女「でも……」

少年「そんなに気にする事じゃないよ、でも…怒ってほしいなら僕は怒ってあげるよ」ニカッ

少女「……ふふっ」クスッ

少年「え?僕なんか可笑しな事言った?」

少女「うん、全部可笑しい」

少年「うぉっ、それは傷付く」

少女「えへへっ」クス

少年「あはははっ!」クスクス

彼女と出会えて良かったと心から思えた
彼女のおかげで僕はここまでこれたんだ
ありがとう

しえ

少年「うわっもうこんな時間か」

空は茜色に染まっている
それを楽しむかの様にトンボが飛び回っている

少女「綺麗だね…」

少年「そうだね…」

このまま時が止まればいいのに
そう思う程、空は鮮やかに染まっていた

少年「それじゃあ帰るねバイバイ」テクテク

少女「うん、バイバイ」

あなたと出会えて良かった
あなたのおかげで私は変わる事が出来た
ありがとう

二人は夕焼けを背に家へと急ぐ

少年「ただいまー!」ガラガラ

少女「ただいまー」キィー

それぞれの想いを胸に

今日の投下はここまでです
最近忙しく更新出来てませんでした、すいません

では読んでくださってる方、ありがとうごさいます!
お粗末様でした


空いてる時に来てくれたらそれでいいさ

支援あげ

まだか・・・

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