【艦これ】加賀さんより愛を込めて (50)



11月17日、何の日かご存知だろうか。


そう、加賀さんの進水日、つまり誕生日である。


鎮守府では盛大なパーティーが行われていた。


パァンとクラッカーの音が弾ける。


赤城「おめでとう、加賀」


鳳翔「おめでとう」


龍驤「めでたいなぁ!」


長門「おめでとさん」


磯波「おめでとうございます!」


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巨大殺人ロボットジェノサイド秋津洲「加賀 オメデトウ! 秋津洲 嬉シイ!」


加賀「みんな、ありがとう」


加賀さんの友達らも加賀さんを祝ってくれていた。


瑞鶴さんも今日はとりあえず食ってかかるのはやめて、素直に加賀さんを祝っていた。


瑞鶴「おめでと、加賀さん」


加賀「瑞鶴……ありがとう」


ケーキやプレゼントにも囲まれて、加賀さんはご満悦である。


加賀「流石に気分が高揚します」



そうして翌朝、加賀さんはあることを思い立つ。


加賀「お返し、しなきゃいけないかしら」


加賀さんの人生哲学の一つに、思い立ったらその日が吉日というのがある。


すぐさま外出証を申請し、ママチャリで鎮守府を飛び出した。


そして、近所の雑貨店やショッピングモールなどを回って、


お返しのために色々とプレゼントを購入した。


結婚式でもないのにお祝いにお返しをするのは一般的ではないかもしれないが、


加賀さんは友情に関してはまるっきりの初心者であるためにこのような誤解が生まれた。



一先ずは鳳翔さんの元へ向かう。


鳳翔「あら、加賀さん。それは?」


加賀「誕生日プレゼントのお返しです」


鳳翔「まぁ……いいの?」


加賀さんはコクリと頷く。


鳳翔さんはなんとも笑顔を隠せないような、そんな表情だ。


鳳翔「開けても、いいかしら」


加賀「どうぞ」


鳳翔さんは綺麗なラッピングを丁寧に開ける。


すると、中に入っていた物は、



鳳翔「……こ、これは」


電動マッサージ器であった。


鳳翔「ななななんでこんなものを!?」


鳳翔さんは慌てて問い詰める。


しかし加賀さんはなんのことなく答えた。


加賀「最近、肩こりがひどいって聞いたから」


鳳翔「あ、そう、そうよね!うん、ありがとう!」


加賀さんは鳳翔さんの変な態度に疑問を感じたが、


とりあえず喜んでもらえたものと認識し次のプレゼントを渡しに行く。



次に向かったのは赤城さんの部屋であった。


赤城「あら、加賀。どうしたの?」


加賀「これ、誕生日のお返し」


赤城「ええ?いいのに」


加賀さんは赤城さんに小箱を渡す。


赤城「なんだろう、開けるね」


赤城さんはウキウキな様子で小箱のラッピングを剥がし、開けた。


赤城「あ!これって!」



加賀「以前見かけた、可愛いお茶碗」


可愛らしい犬の絵が描かれたお茶碗であった。


だが考えてみても、普通お茶碗に犬の柄がついているだろうか。


そう、これは店員の手違いで食器売り場に置いてあったペット用品である。


赤城「あ、ああー、う、嬉しいなー」


しかし赤城さんには、こんな朗らかな加賀さんにそれを指摘することはできなかった。


加賀さんは満足した顔で次の人の元へと向かう。



次は龍驤さんである。


龍驤「なんやなんや、えらい荷物を抱えとるなぁ」


加賀「誕生日のお返しよ」


そう言って加賀さんは龍驤さんに箱を渡した。


龍驤「お!気前がええやん!なんこれ!」


加賀「艦これ……じゃなくて、あなたの好きな映画のスターよ」


龍驤「となると、フィギュアか!誰や!?ムーア!?コネリー!?」


バリバリと包装をはがす。



加賀「詳しくは、わからなかったけど、それで合ってると思う」


龍驤「あ、はぁ、デヴィッド・ニーヴン……」


※『カジノロワイヤル 1967』で検索してみよう!


加賀「どう?」


龍驤「ま、これはこれでええか……でもなぁ……」


龍驤さんは唸る。


加賀さんには龍驤さんが怪訝な顔をしている理由がわからなかったが、


とりあえず先を急ぐことにした。



次は長門さんであった。


長門「お返しか、私には必要ないのだが」


加賀「これ、マグカップよ」


加賀さんは箱から出して説明する。


長門「ん?どっかで見たような……」


加賀「これは提督の持っている物と同じデザイン」


長門「なんだと!?」


長門さんは驚愕する。



長門「こ、こんなのお揃いになるじゃないか!」


加賀「そうだけど、何か問題?」


長門「ま、まるでカップルみたいじゃないか!」


長門さんは激しく赤面する。


加賀「……違うの?」


長門「や!違くはないが!」


とりあえず、さっさと押し付けて加賀さんは先を急いだ。


長門さんは内心狂喜乱舞している様子である。



磯波さんにはやっぱり本だろうか、と加賀さんは思ったのだが。


磯波「あれ、見たことない本……」


加賀「ゴホン、それはその、私の自作小説なんだけど……」


加賀さんはなんとなく恥ずかしく思ったが、磯波さんのためだと我慢した。


磯波「わぁ……『鎮守府ラヴストーリー』って……」


加賀「その、読み終わったら感想、聞かせてね」


加賀さんはやっぱり恥ずかしくなってもう次に行ってしまおうと駆け出す。


磯波「あ、その、いい趣味だと思いますよー!」


と後ろから磯波さんの声が聞こえた。



巨大殺人ロボットジェノサイド秋津洲さんが何が欲しいのかはわからなかったので、


とりあえずそれっぽいのを用意した。


巨大殺人ロボットジェノサイド秋津洲「加賀 コレハ」


加賀「誕生日プレゼントのお返し」


巨大殺人ロボットジェノサイド秋津洲さんはニッコリ笑って喜ぶ。


巨大殺人ロボットジェノサイド秋津洲「加賀 アリガトウ!」



加賀「ガソリンだったけど、いいかしら」


巨大殺人ロボットジェノサイド秋津洲「加賀ノ ソノ気持チガ 嬉シイ!」


加賀さんは赤面する。


しかし実際には巨大殺人ロボットジェノサイド秋津洲さんの燃料は、現代科学では未知の物質である。


さらに、あと27年と4ヶ月は補給が必要なかったのだ。


だが巨大殺人ロボットジェノサイド秋津洲さんは黙ってそのガソリンを受け取った。


加賀さんを傷つけたくはなかったのだ。


それに、彼女が口にしたその気持ちが嬉しいという言葉は本物なのである。



最後は瑞鶴さんであった。


加賀さんは少し心配であった、パーティーには来てくれていたが、


日頃の態度がああだから受け取ってくれるかどうか不安だったのだ。


瑞鶴「何よ、加賀さん?」


加賀「誕生日のお返しよ。受け取りなさい」


瑞鶴「ええ!?」


瑞鶴さんは驚いた。態度もさることながら加賀さんが何か物をくれたという事は、


驚愕するには十分な出来事であった。


瑞鶴「なになに!?開けていい!?」



加賀「大したものじゃないわ。ただ、あなたのゆがけはボロボロだったから」


瑞鶴「うわあ!」


加賀「どんなのがいいかはわからなかったから、同じデザインのを買ったのだけれど」


瑞鶴さんへのプレゼントは新品のゆがけであった。ゆがけというのはあの手袋である。


瑞鶴「嬉しい!加賀さんありがとう!」


加賀「ど、どうも……」


加賀さんはちょっと恥ずかしくなって俯き、そそくさと立ち去った。



とにかく、今日のお返しは全て成功したかに見えた。


しかしさらに翌日、事件は起こる。


加賀さんが満杯になったゴミ袋を捨てていると、昨日瑞鶴さんに贈ったゆがけが落ちていた。


加賀さんはショックを受ける。


もちろんこれは瑞鶴さんが使っていた古いゆがけなのだが、同じデザインの物であったのが災いし、


加賀さんは盛大な勘違いした。自分で買ったものであるのにも関わらず。


そのゆがけを握りしめて、加賀さんは瑞鶴さんの元へと走った。


瑞鶴「あ、加賀さん!このゆがけ」


加賀「そんなの……最初に言ってよ!最初に言えばいいじゃない!」



瑞鶴「え!?」


加賀「何よ!笑ってたんでしょ私のこと!馬鹿な奴って!」


加賀さんは目に涙を貯めている。


瑞鶴「あの、話が見えてこないんですけど……」


加賀「これ!」


加賀さんは拾ったゆがけを突き出す。


瑞鶴「あ、それは……」


加賀「どうして!こんなひどいことを!せっかく愛を込めて選んだのに!」


加賀さんは感情を高ぶらせ、問い詰める。



瑞鶴「…………あの、加賀さん?それは私の古いやつなんですよ……」


加賀「……へ?」


加賀さんは手に持ったゆがけをよく見てみる。確かにボロボロで新品とは思えない。


加賀「……」


瑞鶴「……」


加賀「その……」


瑞鶴「聞いていいですか?」



加賀「なにかしら」


瑞鶴「愛を込めてって、どういう……」


加賀「……頭にきました」


加賀さんは恥ずかしさのあまり瑞鶴さんをぺちぺち叩き始めた。


瑞鶴「え!?なんでなんでなんで!?」


しばらくこのぺちぺち攻撃は続きそうだ。


おしまい

終わり

あとでいつものおまけらしきものを投下する

それじゃあおまけっぽいかも
いつものように本編とは全く関係ないっぽいかも!


ここはとある鎮守府。

そこには曙、磯波、荒潮、リベッチオの四人で編成された駆逐隊がいた。

四人はいつも仲良し!


曙「あんたら!また私のお菓子食べたでしょ!?」

磯波「……」

荒潮「……」

リベッチオ「…………Che?」

曙「また!しらばっくれて!!」


……ではない。

そのせいなのか、この駆逐隊の成績はいつもビリである。

そーんな彼女たちのお話。


食堂

ワイワイ

曙「はぁーあ、食事の時ぐらいあんたらと顔合わせたくないんだけど」

荒潮「しょうがないでしょ、駆逐隊ごとに揃って食べる決まりなんだから」

磯波「うん、しょうがない」

リベッチオ「リベは楽しいよ!」

曙「あんたはね、脳みそがパスタで出来てるから」

リベッチオ「……どーゆー意味?」

磯波「気にしないでいいよ」

鬼怒「ちゅうもーく!」

ザワザワ

鬼怒「おチビちゃん達、元気ー?」


シーン…

鬼怒「……元気だね!お知らせだけど、来週末に駆逐隊対抗演習大会を開催するよ!」

ザワザワ

鬼怒「駆逐隊のチームワークを見るものだから、精一杯やるように!詳しい内容は追って連絡します!以上!」

ワイワイ

「演習大会?頑張るっぽい!」

「私たちがいっちばーんになるんだから!」

「でも、勝てるかわからないのです……」

「なになに、下には下がいるっぴょん!」

曙「あんたら名前書かなくても誰だかわかるのよ!!」

荒潮「露骨に馬鹿にされたわねぇ、事実だけど」


磯波「まぁ、端から勝とうだなんて考えてないし、適当に……」

リベッチオ「えー!やるからには勝とうよー」

荒潮「そうよね……いい加減に落ちこぼれのカス駆逐隊の名を返上したいわぁ」

磯波「そ、そこまでは言われてないよぅ」

曙「無理!無理無理無理のかたつむりよ!」[+д+]/ ムリダーヨ

リベッチオ「どーして諦めるの!」

曙「考えても見なさい、思い当たるフシがあるでしょ?」

リベッチオ(まぁ、ボーノって口ばっかりで何やらせてもアレだもんね)

磯波(リベちゃんって、ちょっと、頭悪いし……)

荒潮(磯波は何をするにもグズグズグズグズするものねぇ)

曙(荒潮が気まぐれに作戦変えたりするから、全く……)

「「「「……」」」」


シーン…

曙「む、あんた失礼なこと考えてなかった?」

荒潮「それはリベッチオよ」

リベッチオ「磯波ちゃんこそ悪い顔してたもん」

磯波「ええ!?そんなことないよぉ、言いだしっぺの曙ちゃんでしょ?」

アーダコーダ



鬼怒「提督、あの子達は大丈夫でしょうか」

提督「まあ見てなさい、ああいう子達こそ、団結した時にすごいパワーを発揮するものだよ」

鬼怒「はー、団結すればいいんだけどなー」

提督「まっ、ながーい目で見てあげることだ」

鬼怒「万里の長城より、ながーい目でね」

提督「そ、ながーい目で」


演習場


曙「教官に来てもらうようにお願いしたわ」

荒潮「変な奴じゃないでしょうね」

リベッチオ「例えば?」

磯波「……秋津洲さん、とか?」

荒潮「香取とか、スパルタっぽいわよね」

磯波「怖い人はやだなぁ」

曙「心配しなくてもそんな怖い人じゃないわ……にしても遅い」

荒潮「寝てるんじゃない?」

リベッチオ「あ、あれじゃない?」


スタスタ

加古「ふわぁ~あ、忘れてたよ……」

曙「来たわよ!遅いのよ!」

加古「わりーわりー、寝てた」

荒潮「見ればわかるわ」

リベッチオ「とにかく、加古さんが教えてくれるの?」

加古「おう、任せとけって」

磯波(し、心配だ……)




加古「ぐー」zzz

荒潮「……」

曙「……」

磯波「……」

リベッチオ「……」

荒潮「曙、どうしてあんなの連れてきたの」

曙「タダだったから」

荒潮「は?」

曙「他の人は見返りを欲しがってたの、だからタダだった加古に」


荒潮「白々しい嘘はやめて頂戴」

曙「一番最初に加古を見つけたの」

荒潮「そう……他にいくらでもいるわよね?いい人が。彼女は教官に向いてないってわかるでしょ?」

曙「いや、まさか、と思った」

荒潮「曙」

曙「他に探すのめんどくさかったから」

荒潮「加古さん、ところでちょっといいかしら?」

加古「ぐー……」zzz

荒潮「起きろ加古ッ!!!」グワッ

加古「ひゃっ!?ひゃいっ!?」

荒潮「あなた教官で来たのよね?」


加古「そ、そうだけど」

荒潮「もう10分もずーーーーーーっとイビキかいて眠ってたんだけど」

加古「へ?もう10分?早いなぁ時が経つのは」

荒潮「訓練しないんなら帰ってもらえる?」

加古「ええ?そりゃ困るなぁ10分しか潰せてないのに」

荒潮「曙?」

曙「……」

磯波「曙ちゃんどういうことなの?」

リベッチオ「説明してよボーノ」

曙「いや……その……」


荒潮「そう言えばあなたは汚名返上なんて無理って言ってたわね」

曙「え?言ったかしら」

荒潮「曙ッ!!」

曙「い、言いました!」ビクッ

荒潮「二度とつかないで、こんな見え透いた嘘」

曙「うん、わかった」

リベッチオ「どういうこと?」

磯波「曙ちゃんも加古さんも訓練をサボりたかったから協力してた、かな?」

リベッチオ「サボ……難しい」

磯波「えーっと……こう、怠けるって言うか……サボタージュ?」

リベッチオ「Sabotaggio……?んんん……?」

磯波「はぁ……もういいよ」


荒潮「で、どうなの?訓練したくないの?」

曙「……だって、訓練したってどーせびりっケツなのはわかりきったことだし」

荒潮「それは、やってみなければわからないわ。多分」

磯波「そうだよ、多分」

リベッチオ「うん!タブン!」

曙「多分て……」

加古「うんうん、四人の仲が深まったところで」

荒潮「消えろ」

加古「あっはい」ソソクサー

曙「……そうね、何事もやる前から諦めたらおしまい、ね」

荒潮「それじゃ、大会に向けて特訓よぉ!」

オー!!



四人は猛特訓を始める。


荒潮「さぁ、うさぎ跳びよ」

磯波「こ、この階段をぉ~~!?嫌だなぁ」

曙「つべこべ言わずにやるのよ!」

リベッチオ「Forza!」


数々の苦しいメニューをこなしていった!


曙「息を10分間吐き続けるのよぉ~~~!」

磯波「無理だよ」

荒潮「あなた自分で何言ってるかわかってるの?」

リベッチオ「ふぅうぅ~~~~~~~~~~~~~…………!!!」プルプル


かに見えたが……。


甘味処

曙「はぁ……やっぱ無理ね」

荒潮「あーおいしー」

磯波「……」パクパク

リベッチオ「このままじゃよくないと思うけど……」

曙「そうね、でもキツイし……」

荒潮「もっとこう、楽にパワーアップ出来る方法はないかしら」

磯波「いいよもう、やめにしない?」

「それはいかがなものかな?」| ゚Д゚| ノ イカガナモノカ

曙「あ……クソ提督!」

提督「えぇ……クソって……わしなんもしとらんやん……」


荒潮「どうしてここに?」

提督「ゴホン。お前たちがダラダラダラダラとだらしがないからじゃよ」

鬼怒「そうだよ!せっかく団結したと思ったのに」

曙「だーってぇ……」

鬼怒「それじゃあもう、最終手段だね」

提督「さあ鬼怒、無理矢理やってしまえ」

鬼怒「ほいきた!」

「「「「えぇ~~~~~ッ!?」」」」



四人は鬼怒の元でみっちりと訓練を受けた。

そして、大会当日……。


鬼怒「気合は十分だね!」

曙「よし!勝つわよ!」

磯波「うんっ」

荒潮「いつまでも馬鹿にされてちゃいけないわよね」

リベッチオ「ガンバロー!」

提督「それじゃあ、張り切って行ってこい!」


……だが。


『初雪チームの勝利です!』

ワーワー

初雪「ブイッ」

望月「まさか勝っちゃうとは……」

巻雲「驚きです!」

霰「……弱すぎ」


曙「これだもん」

磯波「やっぱり無理だったんだよ!」

荒潮「そうねぇ」

リベッチオ「ざんねんむねん……」


鬼怒「良い駆逐艦のみんな、一朝一夕の特訓でどうにかなると思ったら大間違いだよ!」

チャンチャン♪

(あ、書き忘れていたけど、デヴィッド・ニーヴンのフィギュアなんて実在しない、多分)

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