シルヴィ「ご主人様が服屋の店員さんとデートしてる……」 (49)

シルヴィ「ご主人様。お出かけですか? 私も一緒に…」


シルヴィ「今日は往診…ですか? 分かりました。じゃあ私はお留守番していますね」


シルヴィ「……あ、ちょっと待ってて下さい」トテトテ


シルヴィ「……お待たせしました。寒くなってきましたからね。風邪ひかないようにマフラー巻かせてください」マキマキ


シルヴィ「え? わざわざありがとう? ……ご主人様の健康が第一ですから」


シルヴィ「できました。………最後に屈んでもらえますか」


シルヴィ「…………」チュッ


シルヴィ「……行ってらっしゃいませ。ご主人様///」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447681520

ーー
ーー

ヒュー
ガタガタ

シルヴィ「凄い風……ご主人様、大丈夫かな」


シルヴィ「そうだ。何かあったかいもの……スープでも作って待ってよう。寒い中帰って来るだろうから……それに」



《ご主人様。暖かいスープを作ってみました。食べてみてください》

《暖かいですか? ふふ…良かったです》

《え…シルヴィの方が暖かい? あっ…だ、ダメですスープが冷めてしまいます…あんっ・》




シルヴィ「………///」


シルヴィ「つ、作らなきゃ…」


シルヴィ「……あ、材料が足りない」ガサゴソ


シルヴィ「買いにいかなきゃ。まだお店やってるかな…」


ーー
ーー


シルヴィ「ふぅ……買えてよかった」


シルヴィ「暗くなってきた…ご主人様もそろそろ帰ってくるかな。急いで作らないと…」


シルヴィ「ん……あれはご主人様だ! お仕事の帰りかな……….?!」










先生「ーーーー」

不気味な店員「ーーーー」





シルヴィ「ご主人様と………服屋の店員さんが一緒に歩いてる……どうして……?」

シルヴィ「………仕事帰りにたまたまあって話してるだけかな…ご主人様はお得意様だから…きっとそう……うん」


シルヴィ「…………」


ーーーー
ーーーー



シルヴィ「………」


シルヴィ「……ご主人様…まだかな…」ソワソワ


シルヴィ(なんだかすごくモヤモヤする……ご主人様は服屋の店員さんと何を…もしかして)


シルヴィ(い、いやご主人様が外で何をしようと奴隷である私には関係が……ない……)


シルヴィ「…………」


シルヴィ「……ご主人様……」


ガチャッ


シルヴィ「あ、ご主人様! お帰りなさいませ!」ギュッ


シルヴィ「…………!」


シルヴィ(香水の匂い……私の知らない…)


シルヴィ「………」


シルヴィ「…あ。す、すいません。何でもないです」


シルヴィ「何か美味しいそうな香りがする? ふふ、実は暖かいスープを作ったんですよ。一緒に食べましょう」


シルヴィ「…………」

ーーーー
ーー数日後


シルヴィ「ご主人様、今日も往診ですか? 気を付けて行ってきて下さい」


シルヴィ「ん……あの」


シルヴィ「………」チュッ


シルヴィ「……行ってらっしゃいませ///」


ガチャ、バタン


シルヴィ「…………」


シルヴィ「…………」ガサゴソ


シルヴィ「…………」


ガチャ、バタン

ーーーー
ーー街


シルヴィ「………」キョロキョロ


シルヴィ(ごめんなさい…ご主人様)


シルヴィ(ご主人様を疑って後をつけるなんて最低です…)


シルヴィ(でも不安で不安で…仕方がないんです……ごめんなさい)


シルヴィ「あ、ご主人様だ…」コソコソ


ーーーー
ーーーー


シルヴィ「……くしゅんっ」


シルヴィ「寒い……」


シルヴィ(ご主人様は普通に往診しに回っているだけみたい。……私の考え過ぎかな……)


シルヴィ(そろそろ戻ろ………?!)












先生「ーーーー」


不気味な店員「ーーーー」








シルヴィ(あ……また…服屋の店員さんと…)

シルヴィ「あ……行っちゃう…」


シルヴィ(二人で何処に行くのかな)コソコソ


シルヴィ(…お店に入ってった…あのお店は…)


シルヴィ(確か高いネックレスとか指輪を売っているお店だ……)


シルヴィ(買って……あげるのかな……)


シルヴィ「………」ギリッ


シルヴィ(………何だろう……凄く…嫌な…気持ち)


シルヴィ(これ以上……辛くて見てられない……帰ろう…)

ガチャッバタン


シルヴィ「…………」


シルヴィ(そうだよね……ご主人様もこんな貧相で……傷だらけの女より、もっと良い人と一緒にいたいよね……)


シルヴィ(服屋の店員さん…ちょっと不思議な人だけど…美人だし……胸も大きいし……私なんかと比べもにならないくらい…良い女だよね)


シルヴィ(ご主人様が望むなら…私は応援しなきゃ。だってご主人様の幸せが…私の幸せ……)


シルヴィ(そう……それが…私の幸せの筈……)


シルヴィ(……うっ……うっ)グスッ


シルヴィ「い、嫌……」


シルヴィ「い、いやだよ………ご主人様が……私を見てくれなくなるなんて…そんなの耐えられないよ……」ポロポロ


シルヴィ「このままだと……ご主人様を取られちゃう……もし、そうなったら私はもう……」ポロポロ


シルヴィ「…………」


シルヴィ「ご主人様に……もっと見てもらえるようにしなくちゃ……」


シルヴィ「ご主人様は……渡さない…」

ーーーー
ーーーー


シルヴィ「………」


シルヴィ(私に出来る事は多くない………)


シルヴィ(そうだ……料理をもっと上手くなろう)


シルヴィ(今までは簡単な朝食だけだったけど……今度はご主人様が満足できるお菓子とか作れるようになろう…)


シルヴィ(………)


シルヴィ「待っていて下さい……ご主人様…」


ーーーーーーー
ーーーー
ーー


シルヴィ「……どうですか、ご主人様?」


シルヴィ「おいしい? ほ、本当ですか?!」


シルヴィ「よ、良かったです…ご主人様のお口に合うか心配で…」


シルヴィ「え……別にそんな苦労なんか…ご主人様言ってくれたらいつでも作りますから…」


シルヴィ「あ……ふぁ……あ、ありがとうございます。喜んでもらえて私は幸せです///」ナデナデ


シルヴィ(ご主人様が喜んでくれてる……よし、この調子で頑張ろう)

シルヴィ「え、これからお出かけですか。服屋に?」


シルヴィ「………」


シルヴィ「あ、いえ。もちろんご一緒させていただきます!」


ーーーー
ーー服屋


不気味な店員「あらあら、いらっしゃいませ。ご自由に見ていってくださいな」


シルヴィ「………」


シルヴィ(店員さんってやっぱり美人だな……ミステリアスだし、胸も大きいし……)


シルヴィ「………」ツルペタ


シルヴィ(はぁ……)


不気味な店員「……? お嬢さん? 私の顔に何かついてる?」


シルヴィ「あ、いえ。な、何でもないです…」


ーーーー
ーーーー


不気味な店員「お客様、お帰りですか。いつもありがとうございますわ」


不気味な店員「あ、良かったらこれ。お嬢さんと食べて下さいまし」


シルヴィ「?」


不気味な店員「いえいえ…何時も買っていただいてるほんのお礼ですわ。では、ありがとうございました」


シルヴィ(なんだろう……何か甘い匂いがする?)


ーーーー
ーーーー


シルヴィ「ご主人様、開けてみますね」


シルヴィ「……わぁ。お菓子ですね。凄く美味しそう…」


シルヴィ(手作りみたい……あの人が作ったのかな…)


シルヴィ「お茶にしますか? 分かりました。では、淹れてきますね」


シルヴィ「お待たせしました。じゃあ、いただきます……」パクッ


シルヴィ「……!」


シルヴィ(お、美味しい……)

シルヴィ「え……あ、凄く美味しい? ほ、ほんとですね…まるでお店で売っている物みたいです」


シルヴィ(本当に……美味しい。私の何か比較にならないくらいくらいに……)モグモグ


シルヴィ(……これと比べたら…私のなんか……)


シルヴィ(これには……勝て…ない……)


ーーーー
ーーーー


シルヴィ「往診ですか?」


シルヴィ「…………」


シルヴィ「あ……す、すいません。気を付けて…行ってらっしゃいませ」


ガチャッバタン


シルヴィ「………」


シルヴィ(私が、あの人に勝るものが見つからない…。料理も勝てないだろうし……夜伽も…ご主人様が本当に満足できているのか分からなくなってしまった……)


シルヴィ(だって傷だらけで貧相な体よりも……あの店員さんの方が良いに決まってる……)

シルヴィ(あの店員さんは…傷だらけの私に服を見繕ってくれた。商売だからかもしれないけど……傷を気持ち悪がらないで、真剣に服を選んでくれたのは嬉しかった)


シルヴィ(なのに……今はあの人を思い浮かべるだけで…憎くてたまらない……私から…ご主人様を取らないでっ………)ギリッ


シルヴィ「……痛っ」


シルヴィ(あ……血が……)


シルヴィ「……っう……うう」グスッ


シルヴィ(頭の中が…ごちゃごちゃして……もうどうすれば良いか…分からないよ…)ポロポロ

ーーーー
ーーーー


シルヴィ「…………ん」


シルヴィ(あ……いけない。寝ちゃったみたい…)


シルヴィ(ご主人様はまだいない……)


シルヴィ(もう知らないふりをするのは無理…….帰って来たら、聞いてみよう……)


シルヴィ(それで……本当だったら…私は……)


ガチャッ


シルヴィ「……! ご主人様。お帰りなさいませ」


シルヴィ「…………」

ーーーー
ーーーー


シルヴィ「………」


シルヴィ(中々言い出せないな……)


シルヴィ「…? ご主人様、どうしました……え、大事な話がある?」


シルヴィ「……はい、分かりました」


シルヴィ(大事な話……そっか、ついにご主人様の方から…)


シルヴィ(しょうがないよね……所詮私は奴隷だもの。拾ってもらえただけで十分な筈だよ…)


シルヴィ(ご主人様の幸せが……私の幸せ……だから私は精一杯笑顔で……)グスッ


シルヴィ(笑顔でいなくちゃいけないのに……)ポロポロ


シルヴィ「え…な、なんでも……ありまぜん…ちょっと目にゴミが……」ポロポロ

シルヴィ「それより……ご主人様……ご主人様は……」


シルヴィ「…………え。これを私に? これは…箱? 開けて見てくれ?」


シルヴィ「は、はい………分かりました」


シルヴィ「これは…………わぁ……綺麗なペンダント」


シルヴィ「これを……私に? え、え………ど、どうして……」


シルヴィ「今日は私がここに来た日? あ………お、覚えていて下さったんですか……」


シルヴィ「1番大事な人だから当たり前? ………1番大事な……」


シルヴィ「………」ポロポロ


シルヴィ「あ、すいません……その、嬉しくて……1番大事な……私が…」ポロポロ


シルヴィ(……でも、ご主人様は服屋の店員さんと)


シルヴィ「……あ、あのご主人様。ご主人様は服屋の店員さんと――」


ーーーー
ーーーー



シルヴィ「あの人にはプレゼントの相談に乗ってもらってた?」


シルヴィ「こういうのは初めてだから……何を選べば良いか分からなかった? そ、そうですか……」


シルヴィ(そ、そういう事だったの……よかった…勘違いだったのね……)ホッ


シルヴィ「え? な、何でもありませんよ。勘違い? し、してませんよ///」


シルヴィ「も、もう。あまりからかわないで下さい……///」


シルヴィ「………」


シルヴィ「……! ご主人様、明日はお休みですよね」


シルヴィ「実は……まだ、不安でこのままだと、また勘違いしてしまうかもしれません……」


シルヴィ「ですから……」シュルッ


シルヴィ「勘違いしないでいいように……今夜、たっぷり教えてください」パサッ


シルヴィ「目が怖い? そんな事ありませんよ。気のせいです」


シルヴィ「ふふ……ではお願いしますね」


シルヴィ「大好きです……ご主人様」



〜完〜

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom