ビッグボス「俺に艦娘達の提督になれと言うのか!?」(163)

1975年 3月15日 23時59分 27秒

GROUND ZEROES

カリブ海上 MSFヘリコプター【モルフォ】機内

パス「もう1つ... ある...」

ビッグボス「止せぇ!」

1975年 3月15日 23時59分 37秒 パシフィカ・オーシャンの体内に埋め込まれた爆弾が起爆

ビッグボス「ぐぅっ!」ヒュンッ!

ガンッ!

ビッグボス「がはっ...」バタッ

メディック「...」

カズ「ちぃっ...」

チコ「...」

モルフォ「高度が... 維持 ...できない... ...ぶつ ...かる」

ビッグボス「...」

1975年 3月15日 23時59分 57秒 【モルフォ】、X.O.Fの兵員輸送ヘリコプターに衝突。

ビッグボス「はぁっ...」

ビッグボス「...」

1975年 3月15日 23時59分 58秒

1975年 3月15日 23時59分 59秒

1939年 3月16日 0時0分 00秒

ビッグボス「......はっ!」

ビッグボス「...カズ!? 何処に行った!? チコ!」

ビッグボス「モルフォ!? メディック!? ...全員落ちたのか!?」

ビッグボス(...ヘリコプターはまだ落ち続けている しかし何とか不時着さえすれば... )メキッ

グイッ!

ビッグボス「はぁっ... はぁっ... いけるぞ」

3月16日 0時 0分38秒 大日本帝国海軍、【モルフォ】への艦砲射撃

シュンッ!

ビッグボス「!?」

0時 0分 51秒 弾着確認

ビッグボス「うぉぉぉっ!?」

0時 1分 31秒 【モルフォ】着水

ビッグボス「...はぁっ ...はぁっ 着水したか...」

ビッグボス「艦砲射撃にしては威力が少なかったな... 不発か...」

ビッグボス「漂っていれば... 助かるか...」ガクッ






???「ノォー!? これ、人が乗っているネ! 暗くて敵かと思ったネー!」

???「へっ!? じゃ、じゃあとにかく助けないと! 睦月達の責任になるのです...」

???「バレたら間違いなく解体ネ... ま、マァとりあえず、敵にやられたことにしておきまショー! 気を失っているみたいなのデ、誤魔化せマース!」

???「そうですね! そうしましょう! 引っ張りますよ!」

ビッグボス「...」

19XX年 X月 X日

ビッグボス「...」

8時53分 ビッグボス、目覚める

ビッグボス「...ここは?」スクッ!

シャッ!

ビッグボス「...病室? 俺はどうしてここに...?」

ビッグボス「...連れ込まれたのか 逃げ切れたのか」

ズキンッ!

ビッグボス「クッ...! 怪我はまだ治っていない... 少し窓を開けるか」ズキズキ

ギイッ

ビッグボス「...気候を感じとるにイギリス、イタリア、中国、日本といったところか...?」

カツンカツンッ...

ビッグボス(!)

ビッグボス(誰か来る... 寝たふりをしておこう)

シャッ!

コツコツコツ...

ビッグボス「...」

金剛「ごめんなさいデース... まさかこんなことになるとは...」ヒックヒック

睦月「どうすればいいんだにゃぁぁぁっ!?」ビエーン

ビッグボス(...)

ビッグボス(妙な空気だな... ここは自然に起き上がって無事なところを見せるべきか)

提督「...はぁ」

睦月「もうどうしようもないですぅ...」ヒックヒック

金剛「大人しく腹を切るしかないネ...」

ビッグボス「!」ガバッ

提督「わっ!?」

金剛「ホワッツ!?」

睦月「にゃっ!?」

ビッグボス「...」

金剛「ひ、ひいぃっ...」

睦月「ゆ、許してください...」

ビッグボス「...君たちが助けてくれたのか? ありがとう」

金剛「ち、ちが、いやそうなんデース... でも... その...」

睦月「あ、あのですね! あの...」

ビッグボス「何を慌てているんだ? 俺はこの通り生きている 君たちのおかげでな」

金剛「...そうデース! 助かって良かったデース!」

睦月「え? あっ... そうです! 私たちが助けたんです!」

提督「誤魔化すなお前ら!」

金剛「ギクッ」

睦月「ギクッ」

ビッグボス「あんたは...?」

提督「失礼... 俺は大日本帝国海軍の提督少佐です」

ビッグボス「提督なのに少佐...」

提督「今回の件は俺の部下の責任です! 実は今回、貴方の航空機に発砲したのは俺の部下なんです!
謝って済む話ではありませんが、誠に申し訳ありませんでした!」

ビッグボス「...艦砲射撃のことか」

提督「ええ!  本当に失礼しました!」

ビッグボス「...その前のは?」

提督「その前? いえ... 伺っておりません... まさかこいつらがまだ!?」

ビッグボス「い、いや! 違う! 忘れてくれ」

提督「そうですか... 誠に申し訳ありませんでした」

ビッグボス「...あんた大日本帝国海軍といっていたが 日本海軍はもう自衛隊になっているはずだ 残党か?」

提督「へ?」

ビッグボス「だってもう1975年だぞ...」

提督「やはりか... 落ち着いて聞いてください 実は今年は1939年なのです」

ビッグボス「1939年だと!? 何を言っているんだ... ジョークにしちゃあお粗末じゃないか?」

提督「信じられないかもしれませんが...」

提督「失礼ながら勝手に貴方の持ち物を見せてもらいました」

ビッグボス「...」

提督「貴方の持ち物は小型の暗視装置、小型の煙草入れのような電子機器、麻酔拳銃、そして貴方の乗っていたあの乗り物」

提督「全て1970年以降に作られた物でした」

ビッグボス「なら今年は1975年だろう 何故1970年代の物が何故1939年にある?」

提督「いえ... 外を見てください」

ビッグボス「?」

ブルルルルルルッ! ブルルルルルルッ! ブルルルルルルッ!

ビッグボス「あれはZEKE... 零戦じゃないか!?」

提督「ええ... そして私の手帳を見てください」

ビッグボス「1939年のカレンダー...?」

提督「...信じて貰えましたか?」

ビッグボス「...半信半疑だがな」

ビッグボス(しかし何故...)

提督「...あの」

ビッグボス「...少し一人にしてくれ」

提督「...わかりました ほらこいお前ら!」

金剛「...イエース」

睦月「はい...」

...

ビッグボス「...随分面倒なことになったな」

ビッグボス「1939年だと? 信じられる訳がないだろう」

ビッグボス「少し歩き回ってみるか... 調度よく松葉杖もある」

グイッ カツンッ カツンッ

ビッグボス「よし... まずはさっきの飛行場だ あれは本当に零戦なのか? 案外色を塗り替えただけのテキサンかもしれん」

カツンッ カツンッ

ビッグボス「行くとするか」

ビッグボス「...誰もいないな」キョロキョロ

カツンッ カツンッ

ビッグボス「これは...ポスターか...」

ビッグボス「艦娘ヲ応援スルナラバ、節約セヨ...  税金ハ艦娘ノ血潮トナル... 艦娘とはなんだ?」

ビッグボス「カズに日本語を習っていて助かった...  調べてみるか...」

ビッグボス「都合のよくパンフレット等は無いものか」ガサガサ

ビッグボス「...ないな」

ビッグボス「艦娘とやらはプロパガンダの材料だろうか? しかしそんな話は聞いたことがないな...」

ビッグボス「...」

ガタンッ!

ビッグボス「!?」

睦月「怒られちゃったのです...」

金剛「仕方がないのデース! 次から頑張れば提督も褒めてくれるはずデース!」

ビッグボス(...つい隠れてしまった まぁいい、会話から何か探ってみよう)

睦月「それにしても驚きましたね... あの男の人が乗っていたジャイロでしたっけ? 何か凄い技術が使われているらしいですよ」

金剛「凄い技術じゃあ何の技術なのかわからないデース!」

ビッグボス(...)

睦月「何でも、あの変な飛行機があれば艦娘を空中投下して出撃できるとか」

ビッグボス(!)

金剛「飛行機でそんなことをしたら体がバラバラになるネ!?」

睦月「何と空中に止まったりすることが出来るらしいですよ」

ビッグボス(艦娘とは兵器なのか? コードネームなのかもしれん...)

ビッグボス(変な飛行機と言うのはヘリコプターだろう あれで空中投下できると言う話ならかなり小型になる)

ビッグボス(...上陸用船艇か いや、それならヘリコプターでそのまま下ろした方がいい)

ビッグボス(PTボートのような小型の魚雷艇か? これなら納得がいく)

ビッグボス(あれから魚雷を下ろすという発想は中々出てこないだろう)

ビッグボス「もう少し調べてみよう」

カツンッ カツンッ

...

ビッグボス「ここは... 何かの倉庫か?」

ビッグボス「鍵がかかっているが...」

ベキッ!

ビッグボス「問題ないな」

カツンッ カツンッ カツンッ カツンッ

ビッグボス「小銃... 三八式歩兵銃か? ここまで程度がいいものを大量に揃えることは不可能だ やはり過去に来てしまったのか...」

ビッグボス「奥は暗くて見えないな... 懐中電灯でもあれば見えるが...」

ビッグボス「...そういえば葉巻は何処にやったかな」

ビッグボス「ここは武器庫か... こんなに不用心で大丈夫なのか?」

カツンッ カツンッ カツンッ

ビッグボス「むっ?」

ビッグボス「船舶用の艦砲か... しかしやけに小さいな 片手で持てそうだ」

ビッグボス「小型の艦砲を大量に装備し、火力を高めるということか 合理的だ」

ビッグボス「...威力を船舶に通用するほどに上げられればの話だが」

ビッグボス「次は飛行場に向かおう 何か発見があるに違いない」

ブルルルルルルッ! ブルルルルルルッ!

ビッグボス「エンジン音が聞こえる... こっちか」

カツンッ カツンッ

提督「...失礼」

ビッグボス「あぁ... 勝手に彷徨かせて貰った 悪かったな」

提督「いえ、別に構いませんよ それよりも話なんですが...」

ビッグボス「話?」

提督「...いえ、後でゆっくり話しましょう」

ビッグボス「あ、あぁ... 」

提督「では...」

カツンッ カツンッ

ビッグボス「あぁ言う風に勿体振るやつは大抵ケチだ」

カツンッ カツンッ

ビッグボス「飛行機図鑑とやらを手に入れた これで軍用機を観察してみよう」

ブルルルルルルッ! ブルルルルルルッ!

パラッ

ビッグボス「あれは零戦だと思っていたが... 九六式艦戦というのか 零戦は... 載っていないな」

ビッグボス「しかし... あそこにある機体はどう見ても零戦だ」

ビッグボス「...試作機か? よくわからんな」

パラパラパラッ

ビッグボス「あそこの爆撃機は... わからん」

ビッグボス「...」

ブルルルルルルッ! ブルルルルルルッ!

ビッグボス「しかし... 妙に騒がしいな 訓練ではないようだが...」

ブルルルルルルッ! ブルルルルルルッ!

ビッグボス「...魚雷を積んでいるな 敵艦の来襲か」

一九三九年 三月 XX日 十一時三十七分  大日本帝国海軍基地に敵来襲。

ウゥーッ! ウゥーッ! ウゥーッ! ウゥーッ!

提督「総員! 戦闘に備えよ!」

ビッグボス「予想的中か」

操縦士「回せーッ!」

ブルルルルルルッ! ブルルルルルルッ! ブルルルルルルッ! ブルルルルルルッ!



ビッグボス「九六式艦上戦闘機が三機、爆撃機が五機... 」

ビッグボス「零戦は... 出ていないな」

提督「中に入ってください! 危険です!」

ビッグボス「...わかった」

ビッグボス「この基地で一番高いところと言えば司令室か?」

ビッグボス「観戦させて貰おう」

カツンッ カツンッ カツンッ

ビッグボス「失礼するぞ」

提督「構いませんよ...」

ビッグボス「俺は一応軍人なんでな 戦いを見させてもらいたい」

提督「ここからならよく見えます」

ビッグボス「助かる」

カツンッ カツンッ

ビッグボス「雷撃隊がやけに少なくないか?」

提督「それは艦娘に任せます」

ビッグボス「艦娘... 気になっていたんだが、艦娘とはなんだ?」

提督「えっ?」

ビッグボス「教えてほしい」

提督「艦娘は未来には存在しないのですか?」

ビッグボス「聞いたこともない」

提督「はぁ...」

ジリリリンッ!

金剛「提督ーゥ! 金剛は何時でも発進可能デース!」

睦月「睦月も行けますよ!」

提督「こちら司令 了解した 発進を許可する 終わり」ガチャッ

提督「実際に見て貰ったほうが速いでしょう あそこを見てください」

ビッグボス「わかった」

金剛「Foo!」

睦月「行きますよ!」

シュバァァァッ!

ビッグボス「何だあれは...!?」

提督「あれが、艦娘です」

一九三九年 三月 XX日 十一時五十三分 艦娘部隊を発進


ビッグボス「...まさかとは思うが、俺は別な世界に来てしまったのか?」

提督「艦娘を知らないなら、そうかもしれません...」

ビッグボス「出来る限り観察させて貰おう」

ビッグボス(ジェット・スキーのようなものか)

ビッグボス(先程の小型の艦砲もそのための兵器か 納得がいった)

提督「...」

ビッグボス「...何と戦っているんだ? 中国? ソ連?」

提督「深海棲船と呼ばれる謎の生命体です」

ビッグボス「...ほう」

提督「海上航路は全てあいつらのせいで潰れ、空路もほとんど麻痺状態です」

ビッグボス「捕獲はできないのか?」

提督「試したことがありますが、数千人の犠牲を出して失敗しました」

ビッグボス「...そうか」

提督「さぁ、彼女達の戦いを見てください」

ビッグボス「あまり心地のよいものではないがな...」


金剛「Fire~!」

十二時 〇分〇秒 接敵



ビッグボス「...」

提督「彼女... 金剛の主砲により、敵戦力の三分の二を削りました 恐らく敵は撤退するでしょう」

ビッグボス「何故艦娘を使う? 別に航空機でも良いような気もするが...」

提督「艦娘でないと攻撃が通らないのです」

ビッグボス「というと?」

提督「連中は何か強力な目に見えない弾のみを防ぐ防護壁を構築しているようで、近づかないと攻撃が通らない という理屈です」

ビッグボス「成る程な...」

提督「...急な相談なのですが」

ビッグボス「なんだ?」





提督「...提督、やりません?」

ビッグボス「!?」

ビッグボス「俺に艦娘達の提督になれと言うのか?」

提督「人手が不足しているんで... 」

ビッグボス「俺は日本軍人じゃないぞ!?」

提督「そこは安心してください 上手いこと登録しておくので」

ビッグボス「ふむ」

提督「金なら稼げますよ」

ビッグボス「金の話じゃない...」

提督「何時までもここにいるわけにはいかないでしょう?」

ビッグボス「...海軍に関しては素人だぞ」

提督「構いません! 自分もつい三ヶ月前まで陸軍に居ましたから」

ビッグボス「...やってやってもいい」

提督「そう言うと思いましたよ」

提督「そういえば貴方... 名前は何と言うんです?」





ビッグボス「...ビッグボスだ」

今日は寝ます

自分でビッグボスって言うか…?

>>34  自分も悩みましたが一番最初のメタルギアで
私がFOXHOUND総司令官、そして、この要塞、OUTER HEAVENのボス、BIG BOSSだ!
と発言しているので、特におかしくはないかと 仮に彼がファントムだとしても彼はビッグボスですから...

...

提督「ここは資料室です 機密情報などは別な場所に保管してあるので好きに使ってください」

ビッグボス「助かる」

提督「では...」

パタンッ

ビッグボス「まずは歴史を漁ってみるか... 何かこの世界を知るヒントになるかもしれん」パラッ

パラパラパラッパラパラパラッ...

ビッグボス「これは違うな」

パラパラパラッ

ビッグボス「違う...」

パラパラパラッパラパラパラッ

ビッグボス「日本の歴史ばかりだな... 世界の歴史の本はないのか?」

ビッグボス「日本の歴史には詳しくないんだが...」

ビッグボス「日本と言えばツチノコ、即席ラーメン、カロリーメイト...  食い物ばっかりだ」

ビッグボス「歴史から知るのは駄目か...」

パラパラパラッ パラパラパラッ

ビッグボス「兵器の歴史... これならどうだろうか」

パラパラパラッパラパラパラッ

ビッグボス「...」

ビッグボス「戦車...  九五式軽戦車が有名だったか」

パラパラパラッパラパラパラッパラパラパラッ

ビッグボス「戦車はどうでもいい 重要なのは艦娘、艦娘と呼ばれる兵器だ」

ビッグボス「あれほどの兵器を開発するのにはかなりの技術が必要なはずだ...」

ビッグボス「人間に装着するパワードスーツのようなものだろうか...」

パラパラパラッパラパラパラッ

ビッグボス「...極秘事項だと? あれほどプロパガンダに使用しているのにか?」

艦娘は日本海軍が開発した新兵器で、対深海棲船用の強力な兵器となる

艦娘は大日本帝国海軍が開発した極秘兵器で、敵に肉薄することによって多大な火力を発揮できる兵器である

ていとくがしきするかんむすのかつやくによってぼくらのにほんはまもられているのだ!  がんばれ! かんむす!

ビッグボス「...駄目だな まるで出てこない」

ビッグボス「気になるのは... 艦娘を兵器として扱ったり、人間として扱ったりすることだ」

ビッグボス「人形兵器? そんなわけはないか...」

ビッグボス「軍用機は普通か」

ビッグボス「艦船も普通だな... 詳しくはないが」

ビッグボス「...やはり艦娘という兵器が気になるな」

ビッグボス「一先ずはこの世界の兵器について知れた これでいいだろう」

ギイッ...

睦月「あのー...」

ビッグボス「?」

睦月「提督がお呼びしていますよ...」

ビッグボス「わかった 行こう」

睦月「あの... 飛行機の件なんですが」

ビッグボス「...気にするな あの時点で落ちることは決まっていた」

ビッグボス「むしろ助けてくれただけありがたい」

睦月「でも...」

ビッグボス「次から気をつければいい 違うか?」

睦月「はい...」

ビッグボス「気持ちはわからんでもないけどな...」

カツンッ カツンッ

ビッグボス「それじゃあな」

カツンッ カツンッ

ビッグボス「申し訳ない 待たせたな」

提督「いえ、それよりも提督になる話なんですが... 書類が出来たので確認してください」

ビッグボス「ほう」

名字 BOSS
名前 BIG
年齢 40歳
階級 大佐

ビッグボス(...本名を言えばよかった)

提督「問題は?」

ビッグボス「...ない」

提督「ではこれで登録してきます」

ビッグボス「よろしく頼む」

提督「制服や軍刀を用意しましょう」

ビッグボス「日本海軍では軍刀なのか」

提督「将校は皆持っています」

ビッグボス「拳銃のようなものか」

提督「ええ 儀式用に使われることもあります」

ビッグボス「制服はどうすれば手に入る?」

提督「専用の仕立屋があるのですが... この鎮守府を出るとすぐに見つかります」

ビッグボス「ふむ」

提督「金は提督につけておいてくれ と言っておいてください 顔馴染みなので」

ビッグボス「悪いな」

提督「金だけは腐るほどありますから」

...

カツンッカツンッカツンッカツンッ

憲兵「どうぞ」

ビッグボス「ありがとう」

カツンッカツンッカツンッカツンッカツンッ

ビッグボス「仕立屋...」

あそこか

ビッグボス「仕立屋... あそこか...」

カランカランッ

ビッグボス「失礼 海軍の制服を整えてほしいんだが」

おばちゃん「はいはい 今行きますよ...」

ビッグボス「あぁ... 失礼しました」

おばちゃん「見ない顔だねぇ... 天狗みたいな顔をしておる...」

ビッグボス「配属されたばかりでしてね 金は提督に頼みたい」

おばちゃん「ふぉっふぉっふぉっ... 孫から金をとるなんてねぇ... ただでつくって差し上げますよ...」

ビッグボス「助かります」

...

ビッグボス「Zzz...」

ビッグボス「Zzz...」

おばちゃん「お兄さん出来たわよ」

ビッグボス「!」

ビッグボス「申し訳ありません... つい寝てしまっていた」

おばちゃん「ほら 着てみなさい」

...

ビッグボス「よっと...  ぴったりだ」

おばちゃん「似合っているわよ ふぉっふぉっふぉっ」

...

ビッグボス「こんなに速く出来るものとは思わなかった あのおばあさんは天才だな」

ビッグボス「後は軍刀か...」

ビッグボス「どうやって買うんだろうか...」

ビッグボス「まぁいい機会だ 少し散歩しながら探すことにしよう」

ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ

ビッグボス「商店街は中々賑やかだな」

ビッグボス「少し腹が減ったな...」

ビッグボス「何か食うか... しかし金を持っていない」

ビッグボス「軍刀を買えればそれでいいか」

カランカランッ

ビッグボス「失礼するぞ 軍刀を買いたいのだが」

天龍「...」

ビッグボス「おい...」

天龍「...Zzz」

スッ

ビッグボス「...代金は提督につけておいてくれ と書いておこう」

カランカランッ

ビッグボス「不用心すぎないか...」

ビッグボス「まぁいい これで帰れるぞ」

...

カツンッ カツンッ

提督「おおっ 似合っていますよ」

ビッグボス「そうか」

提督「軍刀も?」

ビッグボス「あぁ」

提督「これでもう提督になれますよ」

ビッグボス「形だけはな」

提督「基本的に提督の仕事は書類を片付けるだけです」

ビッグボス「前線で指揮はしないのか?」

提督「たまにやりますが、基本的に艦娘の自己判断です」

ビッグボス「...」

提督「新型艦の建造なども書類仕事です 実際に建造するのは妖精さんの仕事です」

ビッグボス「要請さん... 他のところから要請されてくるのか」

提督「いえ、フェアリーですよフェアリー」

ビッグボス「フェアリー? 妖精か 日本語は同音異義語が多すぎる」

提督「割りと勘違いする人が多いですね」

ビッグボス「妖精が建造するなら、作り終わったあとにあめ玉を買ってこないとな」ハハハ

ビッグボス(建造する人間もコードネームで呼ばれているのか... 厄介だな)

提督「書類によると3日後に艦娘が配属されるそうです」

ビッグボス「...随分と手際が良すぎないか?」

提督「元々は別な場所に配属される予定だったんですが... 建造途中で配属予定の基地の提督が暗殺されたと」

ビッグボス「暗殺?」

提督「えぇ、提督をよく思わない連中もいるんです 一部の船乗り、陸軍の強硬派、フェミニスト、色々と」

ビッグボス「護身用の武器はあるのか?」

提督「基本的には個人で買った軍刀しかありません しかし拳銃も自費で購入できます 給料が手に入ったら買ってみてください」

提督「私はブローニングM1910を使っています オススメですよ」

ビッグボス「考えておく」

提督「提督に必要な書類を渡しておきます 全102Pですが3日以内に暗記してください」

ビッグボス「本気か?」

提督「冗談です... しかし中身は全て把握してください」

ビッグボス「善処する」

パラパラパラッ

ビッグボス「ふむ... 配属される艦娘は吹雪というのか」

提督「えぇ、高性能な娘らしいですよ」

ビッグボス「...申し訳ないがどうもその艦娘を兵器としてしか見ない言い方が引っ掛かるな 彼女らも人間だろうに」

提督「失礼... 昔はそう思っていたんですが...」

ビッグボス「...詳しい話は聞かないでおく」

提督「申し訳ありません」

提督「あ、そういえば支給された軍資金です」

ビッグボス「200円...」

提督「これで大体の物は買えます 拳銃とか雑貨を揃えてください」

ビッグボス「助かる しかし...」

提督「なんです?」

ビッグボス「手際が良すぎる」

提督「もう日本軍で提督は少ないんです 提督を集めるのに必死で全ての基地に提督用の案内が置いてありますよ」

ビッグボス「とは言えな... あまりにもスムーズで少し怖い」

提督「まぁそんなもんですよ もう暗くなってきたので食事としましょう」



※ 当時の1円=今の3500円ぐらい ブローニング拳銃でだいたい50円ぐらい

提督「今日は肉じゃがです ...本当は専門の料理人を頼むんですが、料理人は嫌いでしてね」

ビッグボス「わからんでもない 素朴な味が好きなんだろう」

提督「えぇ! その通りです」

ビッグボス「普段食べなれているものが一番だ」

提督「まったくです」

ビッグボス(そこら辺にいる魚とかな)

金剛「提督ゥー! もうみんなご飯を食べ終わっちゃっているネー!」

提督「おぉっ そうか すまんかった」 

金剛「鍋からよそって食べるネー!」

提督「わかった ありがとう」 

ビッグボス「慕われているんだな」

提督「数少ない部下ですから」

ビッグボス「...あぁ 部下だな」

提督「昔、随分と部下を無くしましてね...」

ビッグボス「俺もだ... その復讐も果たせていない」

提督「復讐... ですか」

ビッグボス「あぁ ここに来る前の話だが 騙し討ちで一方的に殺された」

ビッグボス「俺は俺の部下、いや、仲間を殺したやつらを決して許さない... 今も、今後もな」

提督「...」

ビッグボス「...失礼した」

提督「いえ...」

ビッグボス「まずは飯だ 辛気臭い話は食事のときにはいかん」

提督「そうですね! 飯をよそってきます」

ビッグボス「俺は肉じゃがを持ってこよう」

カチャカチャ

ビッグボス(復讐か... 自分でも思ってもみない言葉だったか)カチャカチャ

ビッグボス(俺の仲間を... 殺した連中...)カチャカチャ

ビッグボス(サイファー... ゼロめ... )カチャカチャ

ビッグボス「...この復讐は何時か絶対に果たしてやる 何年かけても、どんな手を使ってもだ」カチャカチャ

提督「...」カチャカチャ

...

提督「いただきます」

ビッグボス「おっと... いただきます」

スッ

ビッグボス「...」モグモグ

ビッグボス「...」モグモグ

ビッグボス「...旨すぎる!」

ビッグボス「肉じゃがというものは食べたことがなかったが、不思議と実家にいるような感触になる」

ビッグボス「日本独特の味わい深さだ...」

提督「気に入ってもらえましたか?」モグモグ

ビッグボス「最高だ」

提督「肉じゃがは元々海軍で作られたものなんですよ」

ビッグボス「ほう... 確かに栄養バランスが考えられているな 軍用食としてはうってつけだ」

...

提督「ご馳走さまでした」

ビッグボス「ご馳走さまでした... いやぁ旨かった」

提督「洗い物は妖精さんがやってくれます 妖精さんは提督専用の部下みたいなもんです」

ビッグボス(妖精... 妖精は雑務もこなすのか...)

パリーンッ!

ビッグボス「ん?」

提督「何かが割れる音ですね... 見てきます」

ビッグボス「俺も行こう」

カツカツカツッ

ビッグボス「窓ガラスが割れている」

提督「石を投げ込まれたみたいですね」

ビッグボス「陰湿なやつもいるものだな」

提督「まったくです 修理を頼まないと」

バァンッ!

提督「爆発音!?」

ビッグボス「銃声だ! 逃げろ!」

提督「し、しかし...」

ビッグボス「部下を守るのが上官の役目だろう!?」

提督「わかりました お気を付けて!」

ビッグボス「わかった!」

ビッグボス(敵は銃を持っている こちらは軍刀のみ... 分が悪いな)

ビッグボス「...」チャキッ

ビッグボス(鞘を使うか)

ビッグボス「...」ポイッ

カラカラカラッ

ズダァンッ!

ビッグボス「...敵は中に入ってきているな」

ビッグボス(音から察するに拳銃弾... 音に正確に反応してきたことから相当近くにいる)

ビッグボス(ただし、銃をやたらに撃つ時点で素人だ 私怨か何かで潜り込んできた民間人だろう)

ビッグボス(...厄介この上ない 素人はやたらめったらな動きをするから対処しにくい)

ビッグボス(CQCが出来る距離まで近づくのは難しい... 軍刀でCQCエンハンサーを使うか? しかしあれはまだ習得途中...)

ビッグボス(バレないように出来る限り距離を詰めて、死角から一気に斬りかかるしかない)

憲兵「何事だ!?」

ズダァンッ!

憲兵「チッ...」

ビッグボス「...」スッ

ビッグボス「...」ポイッ

パリーンッ ズダァンッ!

ビッグボス(ガラス片を投げただけだが、正確に反応してきた... これ以上バレずに近づくのは不可能だ)

ビッグボス「...うぉぉぉぉっ!」タタタタタッ

ビッグボス(まずは腕を捻って射線を逸らす! そして銃を捨てさせる!)タタタタタッ

グイッ!

???「なッ!?」ズダァンッ! ズダァンッ! ズダァンッ!

グイッ!

???「チッ...」ポロッ

ビッグボス(そして一気に殴り抜ける!)ベキッ

???「グハッ!」

ビッグボス「動くな!」

バーンッ!

ビッグボス「もうひとつ持っていたか... 銃を捨てろ! 捨てないと貴様の喉笛が使い物にならなくなるぞ!?」

???「誰が捨てるものか!」

???「テメェも顔が潰されたくなけりゃすっこんでろ!」

ビッグボス「ブラフだな... 貴様の持っているその拳銃... もう弾がないんじゃないか?」

???「!?」

ビッグボス「ダブルバレル拳銃 ...最初に撃った一発と今撃った一発だ」

グイッ!

ビッグボス「すでに弾は切れている! もう一挺もすでに地面の上だ!」

ベキッ! バキッ!

???「があぁっ...」バタッ

ビッグボス「...ふぅ 刀を使うまでもなかったな」

憲兵「...捕まえましたか?」

ビッグボス「あぁ」

憲兵「とりあえず、警察に突き出しておきます」

ビッグボス「わかった」

憲兵「まだ敵がいるかもしれません...」

ビッグボス「いや、恐らくそれはないだろう」

憲兵「何故?」

ビッグボス「こいつが拳銃を二挺持っていたからだ 民間人が拳銃をそう簡単に手に入れることは出来ない」

ビッグボス「仲間がいるなら拳銃を分散させて持たせるはずだ」

憲兵「成る程...」

???「クソッ...」

ビッグボス「...この拳銃はC96 ストック付きか こっちはデリンジャー...」ヒョイッ

ビッグボス「こいつは没収だ」

...

ビッグボス「まったく... 嫌なこともあるな」

提督「ボス大佐! 大丈夫ですか?」

ビッグボス「大丈夫だ 犯人は捕まえて警察に突き出しておいた」

提督「よかった...」

ビッグボス「だがやつのお陰で拳銃が手に入った」

ビッグボス「使ったことがあるやつでよかった これで自分を守れる」

提督「へぇ モーゼルですか」

ビッグボス「どこから手に入れたんだろうな 中国からか?」

提督「かもしれません しかし中国方面へは中々連絡は取れないはずですがね」

ビッグボス「まぁ細かいことは抜きだ」

提督「えぇ そういえば ...部屋は病室をそのまま使ってください あそこは元々そういう部屋ので」

ビッグボス「わかった ありがとう」

提督「自分はもう寝ます おやすみなさい」

ビッグボス「おやすみ」

ビッグボス「まったく...  1日で大波乱だ」

ビッグボス「起きて、戦闘があって、提督になって、襲撃される...」

ビッグボス「1日で一週間を過ごした気分だ」

ビッグボス「カズは今どこにいるのだろうか いや、まだ産まれていないか...?」

ビッグボス「ふぅ... 本当に疲れた」

ビッグボス「...Zzz」

ビッグボス「...Zzz」

ビッグボス「...Zzz」

寝ます

再開します

ッグボス「ふぁ...」

3月 17日 5時30分 ビッグボス起床

ビッグボス「夢... ではないか」

ビッグボス(とは言え、流石に夢だとしか思えない)

ビッグボス(タイムスリップした上にパラレルワールドに突入だなんて、とんだファンタジーだ)

ビッグボス「...体を動かしておくか」

ビッグボス「...ハッ!」

メシッ!

ビッグボス「...流石に蹴りを柱にやるのはまずいか」

ビッグボス「案山子でもあるといいんだが...」

ビッグボス「逆に静かに仕留める練習をするか うむ」

ビッグボス(...一人になると一人言が増えるな)

ビッグボス「...午後にやろう やる気が起きん」

ビッグボス(...待てよ この時代にはまだCQCは完成していない あれはボスが作ったものだ)

ビッグボス(つまりたった今CQCをマスターしているのはこの俺のみ...)

ビッグボス(更に言うなら未来の技術も俺しか持っていない...)

ビッグボス(...チャンスかもしれん)

ビッグボス(...とは言え、俺に出来るほどの技術のものはこの時代だとすでに開発され尽くしているんじゃないか...)

ビッグボス「...これも後で考えよう」

ビッグボス(俺のこの状況でのアドバンテージとはなんだ...?)

ビッグボス「...ゴチャゴチャ考えていても話にならない 外に出よう」

ガチャッ

ビッグボス「足の痛みも和らいできた ...思いきってこの基地を探索しよう」

スッスッスッスッ

ビッグボス(何か情報が手に入るかもしれん)

ビッグボス(なにもしないよりかはマシだ)

ビッグボス「...」スタスタスタスタ

ビッグボス「...格納庫に行こう」スタスタスタスタスタスタスタスタ

ビッグボス「航空機の種類と数でドクトリンが察することが出来る筈だ」スタスタスタスタ

ビッグボス「航空機の資料も持っていこう」スタスタスタスタ

ビッグボス「...資料室に置いてきたのだったか?」スタスタスタスタ

ビッグボス(...今日は葉巻を買いにいくか ここら辺でも売っているだろう)

~資料室~

ビッグボス「航空機... 航空機... あった 机の上にあったこれだ」

ビッグボス「...こんなところに置いたか? 記憶がない」

ビッグボス「もしかしたら誰かが見た後なのかもしれんな」

パラパラパラッ パラパラパラッ

ビッグボス「...深海何とかに防護壁があると言っていたな それは海の中までなのだろうか...」

ビッグボス「...断続的なつるべ撃ちで防護壁の維持に専念させ、そこを背後から肉薄して叩く戦法というのはどうだろうか 敵のことをよくは知らないがこの戦術が最初に思い付いた」

ビッグボス「となると、機関砲を大量に積むのが吉なのか ...護衛機がいる可能性も含めていこう」

ビッグボス「...敵をギリギリまで陸地に近づけ、陸軍の砲で叩く それは難しいな...」

ビッグボス「...まぁ日本軍も何かしらのことは考えてあるだろう」

ビッグボス「とりあえずは格納庫だ もう一度格納庫にいって兵器を見てこよう」

パタン

ビッグボス「...? しおりが挟まっていたのか」

ビッグボス「悪いことをしたな... ん?」

【下手なことに素人が関わるな 殺されても死体に文句は言えない】

ビッグボス「...ふん」

~航空機格納庫~

ビッグボス「...機体が増えている」

ビッグボス「...双発爆撃機、いや攻撃機が数機 単発偵察機が数機 見えなかっただけなのか 寝ている間に来たのか」

ビッグボス「調べてみるか」

パラパラパラッ パラパラパラッ

ビッグボス「九三式陸攻と九八式陸偵というのか...」

ビッグボス「...この攻撃機、妙に古臭い設計だな」

睦月「これは訓練機ですよ?」

ビッグボス「!」ビクッ!

睦月「あ、驚かせちゃいました?」

ビッグボス(こ、この俺の背後を取っただと!? け、決して自惚れではないがこんな小さい子には不可能な芸当だ!)

ビッグボス(何者だ...!? この少女は...)

睦月「...どうかしました?」

ビッグボス「あ、あぁ...  勝手に覗かせてもらっていた」

ビッグボス(落ち着け... 俺が気を抜いていただけだ 鍛練しなければ)

睦月「もうすぐ朝食ですからほどほどに切り上げてくださいね」

ビッグボス「ほどほどにな」

ビッグボス(こんな屈託のない笑顔を持つ少女が... )

ビッグボス(...今考えるのはよそう そのうち向き合うさ)

ビッグボス「...訓練機とはいえ、実弾も装備できるのか」

睦月「火事があった時なんかに水を撒いたりも出来るんです」

ビッグボス「ほう 役に立っているんだな」

ビッグボス「...偵察機か」

ビッグボス「観測用か?」

ビッグボス「それとも...」

ビッグボス「戦略規模の偵察か」

ビッグボス「...近いうちに大規模な戦いがあるな」

睦月「...?」

ビッグボス「そうだ ここの提督はタバコを吸うのかい?」

睦月「ふぇ? まぁ、たまーに吸ってますよ 何か見たこともないブランドのですけど」

ビッグボス「ふむ ありがとう」

睦月「ご飯は10分後ですよー!」

ビッグボス「ありがとう!」スタスタスタスタ

ビッグボス「日本で買えるとしたらフィリピン産か... しかし海路が断たれているから相当高いだろう」

スタスタスタスタスタスタスタスタ

スタスタスタスタスタスタスタスタスタスタスタスタ

提督「おや、おはようございます大佐」

ビッグボス「おはよう あまりに唐突だが君の部下から聞いたんだが君はタバコを吸うらしいな」

提督「たまにですけどね」

ビッグボス「どこで売っているんだ?」

提督「酒保で売っていますよ ご案内しましょうか?」

ビッグボス「あぁ、朝食の後にお願いしたい」

提督「わかりました」

金剛「~♪」

ビッグボス「シガーカッターも売っているだろうか... オイルライターしかないのはまだ許容するがカッターはこだわりたい」ブツブツ

ビッグボス「...俺は今後どうするか も考えていかないといけないな」

ビッグボス「海軍に対して俺はあまりにも素人だ...」

ビッグボス「こういうときにカズがいるといいんだが...」

ビッグボス「カズ...」

ビッグボス「地道に... 地道に戦力を増やす」

ビッグボス「そして日本海軍の、いや世界中の海軍の先陣を斬る」

ビッグボス「国境を超えて武力介入を行う」

ビッグボス「そして、その謎の生命体を殲滅する」

ビッグボス「そうして世界を先導する それが目的...」

ビッグボス「むぅ... しっくりこないな」

金剛「ご飯できたネー!」

ビッグボス「よし! まずは食べよう!」

ビッグボス「いただきます!」

提督「いただきます!」

金剛「いただきマース!」

睦月「いただきますです!」

ビッグボス「卵焼きと味噌汁か 日本らしい、いい料理だ」

睦月「ありがとうございます!」

金剛「ミーも頑張ったデース!」

ビッグボス(ふと思ったがこの艦隊...妙だな )モグモグモグモグ

ビッグボス(艦娘の数はこれだけか? 少佐クラスならもっと多いものではないか普通?)モグモグ

提督「うむ! 旨い!」

ビッグボス(少数精鋭にしても少なすぎる... 数ヵ月前に海軍に入ったとか言っていたが、それでも後一人ぐらいいてもいいだろう)モグモグ

ビッグボス(まぁいいか 飯を食おう)モグモグ

ビッグボス「旨すぎる!」

提督「最高だな」モグモグ

ビッグボス(...むっ?)モグモグモグモグ

ビッグボス(日本では卵焼きと目玉焼きは別れるが... 目玉焼きも卵焼きなのではないだろうか?)モグモグモグモグ

ビッグボス(目玉焼きも自分こそが卵焼きだと自己主張すべき...)モグモグ

ビッグボス(いや、卵焼きと目玉焼きは共に共依存の関係にあるのかもしれない)ヒョイッ

ビッグボス(卵焼きと目玉焼き、共に二つで真の卵焼き...)モグモグモグモグ

ビッグボス(...何を考えているんだ俺は)モグモグ

ビッグボス(ふたつでひとつ...)

ビッグボス(1+1=1となるわけか...)

ビッグボス(2+2=5...)

ビッグボス(つまり、自らのファントムが自らになり、自らを侵食する)

ビッグボス(自らのファントムは自らになり、自らは自らのファントムとなる)

ビッグボス(いや、どちらも自らであり、どちらも自らのファントムとなる...)

ビッグボス(...哲学者になった気分だ 卵焼きだけでここまで話を広げられるなんてな...)

ビッグボス(俺は... 本当にジョンなのか?)

ビッグボス(俺は誰かのファントムに過ぎないのではないか)

ビッグボス(...この世界にいるビッグボスは俺だけでいい)

ビッグボス(俺こそがBIG BOSS  俺こそがVIC BOSS... 自惚れだろうか)

睦月「...」モグモグモグモグモグモグモグモグ

ビッグボス(いや、自惚れではない アイデンティティだこれは)

ビッグボス(いきなり今までの人生は間違いでしたと否定されてたまるものか)

ビッグボス(...そういえばタコ焼きはタコ要素が少ないのにタコ焼きと呼ばれるのだろうか)

ビッグボス(世間一般は特徴的なものしかみないと言う意識の現れか?)

ビッグボス(たまにはタコ以外の部分にも気を使ってあげてほしいものだ)

ビッグボス(特徴的なものしかみない... か)

ビッグボス(人間にそれは難しいな)

寝ます

ビッグボスであることは認めてても多分ジョンとかジャックとかコードネームのスネークって言うと思うけどなあ
別に誇って自分でビッグボス言ってるわけでは決してないし
単純にビッグボスって言っても他の世界じゃ通用しないしその辺の考えを詳しく描写してくれると嬉しい

>>98-99 一応はそこら辺も考えてあります

再開します

ビッグボス(...そういえば俺が乗ってきたヘリコプターはどこに行ったんだろう)モグモグモグモグモグモグモグモグ

ビッグボス(あれの中には色々とオーバーテクノロジーな物が入っているから取り扱いには気をつけないと...)

ビッグボス(確か無反動砲と麻酔銃が置きっぱなしだったな ヘリの機銃もある)

ビッグボス(日本軍は無反動砲、いや成形炸薬弾の研究はどの程度進んでいただろうか...?)

ビッグボス(...確かドイツに潜水艦で技術給与されるまで無いんだったかな)

ビッグボス(で、今は海が封鎖されていると...)

提督「どうかなさいましたか?」

ビッグボス「い、いやぁ あまりに旨い朝食でな」

ビッグボス(...ここで俺が技術給与をすれば日本軍の研究は一段と進むはず)

ビッグボス(流石にあの艦娘とかいうジェットスキーが作れて成形炸薬弾を作れないというわけはないだろう)

ビッグボス(...俺はなんでここまで日本軍の技術に詳しいんだ? 俺は日本軍のことを研究していた訳じゃないのに...)

ビッグボス(...そうだ 確かFOXにいたときにシギントに聞かされたんだったかな)

ビッグボス(...手榴弾もそうだな 確かこの時代は手榴弾は内部に刻みをいれると威力が上がるということをあまりよく知らないはず)

ビッグボス(そうやって技術を俺が考案したことにして発表していけば日本軍の中でそれなりのポジションを担うことが出来る)

ビッグボス(...ポジションを築いてなんだ? 俺は何をしたい?)

ビッグボス(元の時代に帰れる見込みはゼロに等しい... ならばここで生きていくすべを見つけていくべきだろう)

ビッグボス(...俺は何が目的だ?)

ビッグボス「ごちそうさまでした!」

...

ビッグボス「さて、買い物に行こう」

ビッグボス「葉巻とシガーカッターとガスライター 後はノートだとかペンだとかだな」

ビッグボス「艦娘が配備される前に出来る限りの準備をしなくてはな」

ビッグボス「そういえば... 何で艦【娘】なんだ? 艦【漢】はいないのか?」

ビッグボス「女の方が何かメリットがあるのだろうか...?」

ビッグボス「まぁいいか」

ビッグボス「ここに来てから俺は妙に行き当たりばったりだな...」

提督「おっと! 酒保に案内する予定でしたね ご案内します」

ビッグボス「ありがとう」

カツカツカツカツカツカツッ

提督「大佐は葉巻派ですか?」カツカツカツカツカツカツッ

ビッグボス「あぁ 君もか?」カツカツカツカツカツカツッ

提督「えぇ! ただ、艦娘達に気を使って影でこっそりと吸っています」カツカツカツカツカツカツッ

ビッグボス「部下思いだな」カツカツカツカツカツカツッ

提督「嫌われたくないだけです ハハハ...」カツカツカツッ

ビッグボス「それにしても俺が葉巻派だと何故わかった?」

提督「何となくですよ... ほらここです」

ビッグボス「ありがたい」

間宮「いらっしゃいませー!」

ビッグボス「さて、葉巻は... 純国産? こんなものもあるのか...」

ビッグボス「試しに買ってみるか カッターとライター...」

ビッグボス「後はノートとペンと...」ヒョイッ ヒョイッ

ビッグボス「...銃も売っているのか」

ビッグボス「M1911は... ないな まぁ、仕方がない」

ビッグボス「飴玉でも買っておくか」

ビッグボス「会計を頼む」ドサッ

間宮「ありがとうございます!」

...

提督「どうでした?」

ビッグボス「実に充実していた」

提督「そうでしょう! あそこは艦娘の間宮が一人で切り盛りしているんですよ」

ビッグボス「ほう」

ビッグボス(艦娘...?)

提督「それでは、また」

ビッグボス「あぁ! 助かったよ」

ビッグボス「さて、一本吸うか...」

ビッグボス「...どうやって吸うんだったかな」

ビッグボス「...そうだそうだ 思い出した 吸い口を切るんだ」

ビッグボス「妙に物忘れが多いな...」パチンッ!

ビッグボス「事故のせいか...?」シュボッ

ビッグボス「...フゥー」フワッ

ビッグボス「旨い 日本国産と聞いたから少し身構えていたが中々の物だ」

ビッグボス(葉巻は考え事をするときに役に立つ...)

ビッグボス(俺は明後日、提督となる)

ビッグボス(吹雪と言ったか... 写真も同封されていたな 後で見ておこう)

ビッグボス(...提督として、しっかりやっていかなければな)

ビッグボス(俺はこの世界に来る前に、何を目的に生きていた?)

ビッグボス(それは...)

ズダァンッ!

ビッグボス「!?」

???「...」ズダァンッ!

ビッグボス「クソッ!」ズダァンッ! ズダァンッ!

???「...」タタタタタ

ビッグボス「チッ... 逃げたか」

提督「何事ですか!?」

ビッグボス「急に何者かからか撃たれた!」

提督「お怪我は!?」

ビッグボス「安心しろ 無傷だ」

提督「すぐに憲兵を呼びます!」

ビッグボス「わかった!」

ビッグボス「ったく...」

ビッグボス「...地面に何か紙が落ちているな」ヒョイッ

ビッグボス「何か書いてあるな」ペラッ

【身の程を知れ、お前には無理だ】

ビッグボス「...?」

ビッグボス「...」

憲兵「侵入者に告ぐ! お前はすでに包囲されている! この声が聞こえるなら武器を捨てて降伏しろ!」

提督「二日連続で銃撃だなんて...」

ビッグボス「警備を増やした方がいいな」

提督「全くです」

ビッグボス「ふぅー...」シュボッ

ビッグボス「...やれやれだ

ビッグボス「銃撃するにしてももっと効率よく確実にやるべきだ」フゥー

提督「あなたがそんなことを言ってしまったらね」パチンッ!

ビッグボス「だってそうだろう 俺は無防備だった なのに外すなんてあまりにも馬鹿げている」スゥッ

提督「そりゃあまぁ確かに」シュボッ

ビッグボス「相当な素人だな」フゥー

提督「まったくです」スゥッ

提督「もっと効率よく確実に計画を立ててからやるべきです」フゥー

ビッグボス「まったくもって素人の浅知恵だ」スゥッ

提督「えぇ」フゥー

ビッグボス「せめて下手くそなら... ギリギリまで近づいて発砲するとかな 工夫が必要だ」フゥー

提督「もしくはやたらめったらに撃ちまくるとか」スゥッ

ビッグボス「...説教臭くなったな すまん」スゥッ フゥー

提督「いえ、勉強になりますよ」フゥー

ビッグボス「...?」

ビッグボス「しかしこうなってくると危険だな」

提督「えぇ、常に警戒しておくべきです」

ビッグボス「それは...疲れるな」

提督「死ぬよりかはマシでしょう?」

ビッグボス「まぁな」

提督「今後は気をつけてください」

ビッグボス「わかった」

...

ビッグボス「自分の部屋に帰ってきたわけだが...」

【死ね】【地獄に落ちろ】【人間の屑】【帰れ】【人殺し】

ビッグボス「部屋中に落書きされているなんてな」

ビッグボス「もはや子供のいじめだ 発想が」

ビッグボス「帰れるなら帰りたいぐらいなのにな」

ビッグボス「しかし... 誰が書いたんだ?」

ビッグボス「...眠くなってきた まだ昼なのに」

ビッグボス「...寝るか」

ビッグボス「落書きは後で... 消そう...」

ビッグボス「...Zzz」

???「...」

ビッグボス「...Zzz」

寝ます

再開します

...

ビッグボス「...Zzz」

ビクンッ!

ビッグボス「ッ!?」ズキッ!

ビッグボス「あっ... あああっ...」ズキズキズキズキッ!

ビッグボス「あ、頭が痛い... 割れる...」ズキッズキッ!

ビッグボス「だ、誰か助けてくれ... ぐぅっ...」ズキズキッ

ビッグボス「はぁっ... はぁ... 」ズキズキッ ズルッ!

バタァンッ!

ビッグボス「息が... 息が出来ない...」ハァッ ハァッ

ビッグボス「はぁっ...  はぁっ...」ズルッ... ズルッ...

ギイッ...

ビッグボス「ぐっ... はぁっ... はぁっ...」ハァハァ

ビッグボス「なんだ... なんなんだ...」ハァッ ハァッ

ビッグボス「誰か... 誰か助けてくれ...」ズルッ ズルッ

天龍「...」

ビッグボス「そ、そこのあんた、医者を...」ズルッ

天龍「...いや、必要ない」

ビッグボス「なんだって...?」ズルッ!

天龍「頭を見せてみろ」

ビッグボス「あ、あぁっ...」スッ

天龍「ふんっ!」グイッ!

ビッグボス「ギャァッ!?」

天龍「これで治った... ちょっとした偏頭痛みたいなもんだ」

ビッグボス「あ、ありがとう...」

ビッグボス「ふぅっ... はぁっ...」

天龍「落ち着いてきたか?」

ビッグボス「なんとか... あなたは? つい最近ここに来たばかりでね...」

天龍「...天龍だ 天の龍と書いて天龍」

ビッグボス「あなたも艦娘で?」

天龍「まぁ、そんなところだな」

ビッグボス「成る程...」

天龍「さて、いきなりの告白になるが...」

ビッグボス「ん?」

天龍「銃を取ってくれ、ここから脱出する必要がある」

ビッグボス「何故...!?」

天龍「ここに敵が攻めてくる... では駄目か? 安心しろ 他のやつらにも言ってある」

ビッグボス「...あまりつべこべ言ってられない状況か?」

天龍「その通りだ」

ビッグボス「ならば、準備させてもらおう 五分で終わる」

天龍「頼んだぞ」

バララララララッ...

天龍「輸送機の音だ 気にするな」

ビッグボス「あぁ...」ポイッ ポイッ

ビッグボス「資料と金とノートとペンと葉巻セット 後はスニーキングスーツはスーツケースに入れておこう...」 ポイッ ポイッ

ビッグボス「荷物が少なくて助かった」ポイッ ポイッ パチンッ!

天龍「終わったか?」

ビッグボス「あぁ 何時でもいける」

天龍「そうか... なら、オレについてきてくれ」

ビッグボス「...今何時だ?」

天龍「夜の2時少し前といったところか」

ビッグボス「そうか...」

ビクンッ!

ビッグボス(な、なんだ? 何かがこちらに向けられて...)

ビッグボス(!?)

ブワッ...

ビッグボス「伏せろ! 天龍!」ドンッ!

天龍「な、なんだ!?」ドサッ

ズダァンッ! ズダァンッ! ズダダダダァンッ!

ビッグボス「敵だ!」

天龍「今すぐ逃げよう... 輸送機まで走れ!」

ビッグボス「あぁ!」

ビッグボス(今の感覚はいったい...? 血液の流れが速くなったり遅くなったりしたかのような感覚は...)

天龍「飛行場についたが気を抜くな!」

ズダダダダァンッ! ズダダダダァンッ!

ビッグボス「ええいクソッ!」ズダァンッ! ズダァンッ!

天龍「飛行場は隠れる場所がない! とにかく走るんだ!」タタタタタッ!

ズダダダダァンッ! ズダダダダァンッ!

ビッグボス「わかった!」タタタタタッ!

天龍「ええい!」ズダァンッ! ズダァンッ!

ズダダダダァンッ! チュンチュンッ!

ビッグボス「輸送機まで後少しだ! 走れ!」

天龍「わかっている!」

ズダダダダァンッ! ズダダダダァンッ!

天龍「ガハッ!?」ブシュッ

ビッグボス「天龍!?」

天龍「お、オレに気にせずに進め!」

ビッグボス「バカを言うな! お前には俺が何で今銃撃戦に巻き込まれているかを話してもらわなくちゃいけない! 背負わせてもらうぞ!」グイッ!

天龍「あうぅ...」

ブルルルルルルッ!

ビッグボス「おい! 乗せろ!」ブルルルルルルルルッ

ガコンッ!

提督「大佐!? 乗ってください!」バッ!

ビッグボス「助かる!」グイッ!

操縦士「もう無理だ! 離陸するぞ!」

ビッグボス「良し! 出せ!」

ブルルルッブルルルッルルルルルッルルルルルッ

寝ます...

再開します

ブロロロロロッ

天龍「あっ... あぁっ... クソッ!」ドクドク

ビッグボス「足を撃たれたのか 出血が酷いな... 誰か水を持ってきてくれ!」

提督「水筒の中身でよければこれを!」ポイッ!

ビッグボス「助かる!」パシッ!

ビッグボス「傷口を簡単に洗うぞ 応急措置だ!」バシャッバシャッ! 

天龍「クソーッ! 痛ぇーっ!」ドクドク

ビッグボス「叫んでいられるならまだ大丈夫だ!」バシャッバシャッ!

ビッグボス「酒を持っていないか!?」

操縦士「後ろに焼酎の入った瓶がある!」

ビッグボス「使わせてもらうぞ! 後で一杯奢ってやる!」

天龍「な、何に使うんだ!」

ビッグボス「消毒だ!」バシャッ!

天龍「ギャァァァァッ!」メキッ! ベキッ!

ビッグボス「痛っ! ええい暴れるな! すぐ終わる! 提督! 押さえてくれ!」バシャッバシャッ!

提督「わかりました!」グイッ!

天龍「暴れられねぇわけねぇだろーっ! いてぇぇ!」ジタバタ!

ビッグボス「後は包帯だ! あるか!」

提督「ないですね ただし服のぼろ切れがあります!」

ビッグボス「それでいい!」グイッ! 

天龍「痛い痛い痛い痛い痛い痛いって!」

ビッグボス「すぐに終わる!」グルッ!グルッ!グルッ!グルッ!

ビッグボス「安全ピンはないか... 包帯は銃のクリーニングロッドで無理矢理固定する!」

天龍「お、終わりかやっと!」

ビッグボス「応急措置はな... 意外と暴れるタイプなんだな」

天龍「い、いやぁそりゃ痛かったら暴れるに決まっているだろ」ギクッ

ビッグボス「それもそうか...」

提督「とんだ大手術だった」

ビッグボス「そういえばお前の部下の二人は?」

提督「既に先に向かっています... いやぁ疲れた」 

ビッグボス「そうか... 聞きたいことが山ほどあるんだが」

提督「それは私もです」

天龍「あー痛かった... 死ぬかと思ったぜ」

ビッグボス「...もう少したってからにしよう」

提督「そうですね」

ビッグボス「...この輸送機には対空機銃が搭載されているのか」

提督「気休め程度ですけどね ないよりかはマシです」

ビッグボス「ふむ...」

操縦士「出来る限り海面に水平に飛ぶんだ 海の下からは大きく見せた方がいい」

副操縦士「はい... 」

操縦士「最悪、爆雷を落として逃げるがな 気をつけろ」

提督「後ろの方には海軍の負傷兵が乗っています 気をつけてくださいね」

ビッグボス「...空気を読まない発言をするが」

提督「どうぞ」

ビッグボス「腹が減った」

提督「そこら辺のダンボールに何かありますよ 多分」

再開します

ビッグボス「色々とゴチャゴチャしているな... 仕方ないか」ゴソゴソ

提督「私にも何かください」

ビッグボス「ほらよっ」ポイッ

提督「乾パンですか いいですね」パシッ!

天龍「あっ、オレも」

ビッグボス「おうよっと」ポイッ!

天龍「わっ... と ありがとな」ガシッ

ビッグボス「飲料水はあるか?」ガサガサガサガサ

提督「それなりにありますよ ほら」ガサッ

ビッグボス「よしっ 上出来だ」キコキコッ カパッ

提督「ちょっと遅めの晩餐と行きましょう」キコキコッ カパッ

天龍「...ふんっ!」ベキッ!

ビッグボス「乾パンの缶を壊すなよ 缶切りなら貸してやるから!」

天龍「問題ッ...ないッ...」ベキベキベキベキッ!

ビッグボス「おいおい! 缶が芸術品みたいになっているぞ!」

提督「あれじゃあ中身は粉になりますよ!」

天龍「...怖いか!?」ベキベキベキッベキベキベキッ!

ビッグボス「怖いに決まっているだろ! 目の前で乾パンが入ったスチール缶をボコボコにする女の子なんて見たことがないぞ!」

天龍「...そうか」クスンッ

ビッグボス「...何か悪かった」

提督「夫婦漫才はもう終わりにして、そろそろ込み入った話に入りましょうか」

天龍「めっ、夫婦漫才っ!?」

提督「その反応は予想通りでしたよもう」

...

ビッグボス「まぁまず、俺たちを襲撃した連中は誰なのかってことだな」

天龍「一言でいうと、陸上に進出した深海棲艦 といったところか」

提督「何だって!? 深海棲艦だと!?」

天龍「あぁ、おかしい話じゃないだろう」

天龍「魚が海から上がって生活できるように進化したのに深海棲艦は無理ですなんて理屈はない」

提督「なんてこった...」

天龍「軍の一部しか知らない事実だから驚くのも無理はない しかも、その陸上の深海棲艦は人間に擬態する」

ビッグボス「擬態だと?」

天龍「あぁ、しかもかなり精巧に似せてくる 人間との見分け方はないに等しい」

ビッグボス「ふむ... 厄介だな」



天龍「オレたち軍の一部の連中は陸上に進出した深海棲艦を【人間の棲む場所を奪い取る者】 という意味を込めて【スナッチャー】と呼んでいる」

ビッグボス「【スナッチャー】...」

天龍「それで、【スナッチャー】の大移動がわかったのであんたたちを救出した というわけだ」

ビッグボス「はぁ... それで、どうやってわかったんだ?」

天龍「簡単な話だ 陸軍の武器庫が正体不明の連中に襲撃されたんだ」

天龍「奪われたのは小銃と軽機関銃のみ 近くに置いてあった重機関銃やら野砲やらには一切手をつけなかった」

天龍「当たり前だ 使い方を知らないのだものな」

天龍「とまぁ、それでスナッチャーが来たことを確信して、一番近くの海軍鎮守府の所が危ないと推理した というわけだ」

ビッグボス「...奪われた銃の数は?」

天龍「小銃だけで五千挺」

提督「そ、そんなにか!?」

天龍「まぁ、そんなところだ オレも多分あんたたちの指揮下に入るだろうよ」

ビッグボス「この輸送機は何処へ向かっている?」

天龍「離島...と言えばいいか 昔、軍の研究施設があった場所だ しばらく放棄されていたが」

天龍「そこでは航空機、船艇、更には艦娘の研究もされていた」ガサガサ

ビッグボス「そこになぜ?」

天龍「ニブいなぁ そこを基地にするってことだよ 離島だからスナッチャーが来ることもほぼない」モグモグ

提督「はぁ...」

ビッグボス「成る程 不安は残るが」

天龍「機材は残っているし先に整備を始めている奴等もいるから心配するな」

操縦士「...むっ?」

操縦士「...おかしいな」

副操縦士「どうしたんです?」

操縦士「そろそろ離島基地から護衛機が来るはずなんだが...」

副操縦士「無線を送ります?」

操縦士「どうせ届かないだろう 別に構わん」



ビッグボス「話が急展開過ぎるが、仕方ないか」

提督「納得はしてませんがね」

ビッグボス「...待て! あの鎮守府に着任予定だった艦娘はどうなっている?」

天龍「へ? そんな報告は知らないが」

ビッグボス「まさか急に引っ張ってきたから報告が遅れているのか!?」

提督「なんてこった! 急いで戻らないと!」

天龍「もう遅い!」

ビッグボス「遅いもへちまもあるか!」

天龍「待て! 一旦基地についてからだ!」

天龍「そして、後で隠密に潜入し、救出する それでどうだ」

天龍「あんたの【得意分野】だろう...?」

ビッグボス「...何故それを?」

天龍「さぁな とりあえず、口は災いの元ってことだ」

ビッグボス「むっ...」

天龍「他に質問は?」

ビッグボス「そもそもの話だ」

天龍「?」

ビッグボス「...お前は誰だ?」

天龍「...答えるとでも?」

ビッグボス「傷口に塩を塗り込めば大体のやつは答える...」

天龍「おお怖っ...」



操縦士「...マズったな」

副操縦士「?」

操縦士「敵に囲まれている...」

副操縦士「何だって!?」

寝ます

再開します

操縦士「あー... 偵察機か? あれ」

副操縦士「だとしても相当な数いますよ... 8機はいる」


ビッグボス「しかし、俺も怪我をしている小さい女の子に手を出す気もないんでな... 出来ればすぐに言ってほしいものだ」

天龍「おぉおぉ 随分と手緩いなビッグボス 伝説の兵士がそんなアマチャンだったなんてな」

ビッグボス「下手な煽りには乗っからんぞ?」

提督「ちょっと...」

天龍「...なら実力行使か!」ブンッ!

ビッグボス「ッ!?」ガッ!

提督「ひっ!?」

天龍「まぁ、随分しっかりとガードするな」

ビッグボス「中々悪くない右ストレートだな... しかしっ!」ブンッ!

天龍「くっ!」ガッ!

天龍「仕返しだ!」ポイッ!

ビッグボス「スチール缶を投げるな!」パコンッ!

天龍「オラァ!」ベキッ!

ビッグボス「殴ったらすぐにもう一度殴れ!」グイッ!

グルッ!

天龍「ぐえっ!?」ビターンッ!

ビッグボス 「...お前、自分が怪我をしていることを忘れているだろう?」

天龍「いてぇ...」

提督「機内で暴れないでくださいよ!」

ザワザワザワザワザワザワザワザワザワ...

ビッグボス「勝てない戦いはするな...」

天龍「...ふんッ!」シュッ!

ビッグボス「ぐえっ!」

憲兵「股間に蹴りを入れやがったぞあいつ!」

提督「憲兵さんここにいたんすか!?」

憲兵「いたさ! 俺も負傷したからな」


天龍「どうだ! 男の急所は熟知している!」

ビッグボス「フーッ... フーッ...」

天龍「どうした! もう終わりか!」

ビッグボス「はぁっ!」ベキッ!

天龍「うぇっ!?」メシッ!

憲兵「鳩尾にきれいな右ストレートだ!」

提督「痛そう」

天龍「ひーっ... ひーっ...」

ビッグボス「さんざんデカイ口を叩いていた癖にこの程度か?」ペッ

天龍「...うぉおぉぉぉっ!」

憲兵「安い挑発に乗ったーッ!」

ビッグボス「無闇に突っ込むようではまだまだだ!」

憲兵「大佐は余裕の表情だーッ!」

海軍歩兵「良くわからんけど俺も混ぜろーッ!!」バッ!

提督「知らない奴が乱入してきたぞ!」

憲兵「盛り上がってまいりましたーっ!」

ビッグボス「ふんッ!」ベキッ!

海軍歩兵「グェーッ!」ベターンッ!

憲兵「なんてこったーッ! 乱入者が一発でやられたーッ!」

提督「なにこれ」

ビッグボス「さぁっ! もう一度こい!」

天龍「...!」

ビッグボス「どうした!?」

天龍「...一時中断だ」

ビッグボス「お前が始めた癖に何をいっている!?」

憲兵「おおーっとここでまさかの...」

ズダダダダダダダダダダーッ!

ビッグボス「!?」

憲兵「機関銃!?」

提督「外から聞こえるぞ!?」

ビッグボス「敵か!?」

提督「操縦士はなにやっていたんだオイ!」

バタンッ!

操縦士「...」

提督「おい! 寝てんのか!? おい!」

操縦士「...」ボトッ

提督「えっ... く、首が...」

憲兵「死んでいるな... しかし弾が当たった気配はないぞ...」

副操縦士「...」

提督「お、おい! お前もか!?」

憲兵「...首を刀剣で切られたように見えるな」

天龍「ビッグボス、銃座に!」

ビッグボス「言われなくてもな!」ガコンッ!

ビッグボス「ルイス機関銃か...」グウィンッ チャキッ!

天龍「オレは窓から撃つぞ!」ガコンッ!

海軍歩兵「小銃でも戦えるだろう! 俺もやるぞ!」ジャコンッ!

海軍将校「私だってやってやろう! 海軍軍人の意地だ!」ジャコンッ!


提督「不時着出来ますか!?」

憲兵「みんな生きて帰れたらおめでとうってところだろうな」

ビッグボス「ふーっ... 落ち着け 敵は...」

ブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィイン...

ビッグボス「...なんだあの航空機! 宇宙戦争でもやる気か!?」

天龍「上から来るぞ!」

海軍歩兵「よっしゃあ!」ズダァンッ! ジャコンッ! ズダァンッ! ジャコンッ!

ブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィイン...

海軍歩兵「当たらねぇ...」

海軍将校「ええい変われ!」ズダァンッ! ジャコンッ! ズダァンッ!

ブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィイン...

ビッグボス「ぬぅっ...!」ズダダダーッ! ズダダダーッ! ズダダダーッ!

ブウィインブウィイン ブウィインブウィイン...

ビッグボス「掠りもしないだと...!?」ズダダダーッ! ズダダダーッ! ズダダダーッ!

ブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィイン

ブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィイン

ブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィイン

ブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィインブウィイン

海軍歩兵「うるせぇぞタコ野郎!」ズダァンッ! ジャコンッ!

ビッグボス「頭がおかしくなりそうだ...」ズダダダーッ! ズダダダーッ! ズダダダーッ!

海軍将校「耳障りにも程がある!」

寝ます

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