奈緒「恋人とのほのぼの生活」 有宇「記憶はないけれどね」 (70)

Charlotteのss

最終話その後。
最近(11月に)アニメを見て、どハマリしました。
あれはあのエンドでよかったのですが……創作衝動がわいたので書きます。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447485891

書くときの覚え打ち
・主人公、乙坂 有宇   おとさか ゆう
・ヒロイン(ssでの主人公)、友利 奈緒   ともり なお
・生徒会(男)、高城 丈士朗    たかじょう じょうじろう
・生徒会(女、現役アイドル)、西森 柚咲   にしもり ゆさ(本名 黒羽 くろばね)
・↑の死んだ姉、黒羽 美咲   くろばね みさ
・主人公の妹、乙坂 歩未    おとさか あゆみ
・主人公の兄、乙坂 隼翼    おとさか しゅんすけ
・隼翼の死んだ親友、熊耳    くまがみ
・ヒロインの植物状態の兄、友利 一希    ともり かずき
・バンド「ZHIEND」ジエンドのボーカル、Sara Shane  サラ シェーン
・最初に主人公が恋人にしようとした、白柳 弓   しらやなぎ ゆみ

知らない人・知ってても忘れた人への参考になれば

奈緒「学校は継続するんですか?」

 場所は学校のとある部屋。

 通常の教室と異なり、ソファなどの高めの調度品が置いてある。

隼翼「うん。今から元の学校に戻すっていっても、無理な話だしね。
   それに、このまま私立校にしていくのも悪くないかなって思ってさ。
   熊耳の生きた証を、少しでもと思ってね……」

奈緒「いいんじゃないっすか、それ」

隼翼「ありがとう、奈緒ちゃん。」

奈緒「わたしはこのまま生徒会長でいいっすか?」

隼翼「もちろん。
   あ、ところでさ、奈緒ちゃん」

奈緒「なんすか」

隼翼「有宇の恋人になったって……本当かい?」

奈緒「……まあ、そっすかね。」

 少し頬が赤くなる。

 相手からの告白だったとはいえ、恥ずかしい。

隼翼「あいつは記憶を失っている。それでも?」

奈緒「はい。都合よく記憶が戻ってくれるなんて思っちゃいませんが……
これから、また思い出は作ればいいんで」

隼翼「……ありがとう。弟を、末長く頼むよ」

奈緒「はい。……って、は?」

隼翼「♪~」

 隼翼さんは、鼻歌を歌いつつ後ろを向いた。

 最近になって、よく笑顔を見せるようになった。だんだん、少しずつ、親友の死から立ち直ってきているようで何よりだ。

 あんなことを言い出すようになってから、少し私は憂鬱ではあるけど。

しえん

 わたしが理事長室をでると、そこには恋人とその妹の姿があった。

歩未「あっ、奈緒お姉ちゃん! お兄ちゃんのお話終わったのです?」

奈緒「はい、終わりました」

歩未「お疲れ様なのですっ!
   家に帰ってご飯にするのですっ!」

奈緒「はい。歩未ちゃんはなにがいいですか?」

歩未「んーっと、オムレツがいいのです!」

奈緒「オムレツですね、わかりました。帰りにスーパーで卵を買いましょう」

歩未「はいなのです!」

「歩未ちゃん、オムレツ多くない?」

歩未「っ…………そんなことないのです、いたって普通なのです!」

 自分の実の妹を『歩未ちゃん』と呼ぶ兄、有宇。

 以前は『歩未』と呼んでいた有宇さん。歩未ちゃんはまだその違和感が抜け切れていないようです。

有宇「あの……もしや、またピザソースのでは……ないですよね?」

 有宇さんがおびえたように言う。

奈緒「そんなのあたりまえじゃないっすか。またアレですよ」

有宇「そんな……」

 有宇さんの顔から絶望がのぞく。

奈緒「記憶が戻るかもしれないって思ってやってるんです。なにがきっかけかわかりませんし。 やるだけお願いしますよ。」

有宇「うん……まぁ、友利さんと歩未ちゃんのつくるご飯、おいしいしね。今日も期待してます」


 朗らかに笑う有宇さん。

 顔が少し赤くなるのが自分でわかる。

歩未「歩未と奈緒お姉ちゃんに任せるのですっ!」

奈緒「……おまかせください」

歩未「あれ? 奈緒お姉ちゃん、赤くなってるです?」

奈緒「……なってねえっすよ」

歩未「ふふふ~、照れ隠しですっ♪」

奈緒「違いますよ……」

 有宇さんは横で静かに笑っている。

 最近、有宇さんはこうしていることが多い気がする。

 やはり、こちらが本来の彼……優しさをにじみ出させているかのような、彼だ。

育成失敗するとみたらしパーカーや隻眼の死神に進化するから注意しないと

まだ?

http://ex14.vip2ch.com/
僕の書いてる別ssです。(宣伝)

すみません、いろいろとミスった結果、最後のやつが正しいやつです

奈緒「あ。卵安売りしてますね。買い溜めしときますか」

 またオムレツを作ることになるのだろうし。

歩未「お一人様1パックなのですっ。3つ買うのですっ」

 歩未ちゃんが卵を抱えてやってくる。

 可愛い。

 小動物を見ているようで、おもわず微笑んでしまう。

歩未「奈緒お姉ちゃん、笑ってどうしたのです? そんなに卵が安いの嬉しいのです?」

奈緒「あ、いや、違うんすよ。いや、卵が安いのは嬉しいんすけど……」

 歩未ちゃんがかわいかっただなんて、本人に言えるものではない。

歩未「むむ? 怪しいのですっ」

 歩未ちゃんはそう言いながらも、笑ってカートのそばに来た。

歩未「ただいまなのですーっ!」

 誰もいなかったマンションの一室に、歩未ちゃんの元気な声が響く。

 私は早速、オムライスを作るべくスーパーで買った材料をキッチンで広げていく。

歩未「歩未も手伝うのです-」

 歩未ちゃんがキッチンにきて言う。

奈緒「ありがとうございます。では、お皿を人数分並べてもらえるっすか?」

歩未「はいなのですー!」

 オムライスを作っていると、玄関のドアホンが鳴った。

隼翼「ただいまー」

歩未「隼翼お兄ちゃん、おかえりなのですっ」

隼翼「ただいま、歩未。……もしかして、この匂いは」

 隼翼さんが顔をしかめるのが、視界の端に見えた。

奈緒「はい、オムライス、ピザソースver.っすよ」

隼翼「やっぱりか……」

 やや諦めたように苦笑する隼翼さん。

 今この、元々乙坂兄妹が暮らしていたマンションには、4人が暮らしている。

 歩未ちゃん、有宇さんは言うまでもなく、隼翼さんや私も。

 私もマンションを借りていたけれど、隼翼さんが「有宇のカノジョなんだろ? 保護者代わりの俺が認めるからさ、同棲しなよ☆」と、自分の権限を使って無理矢理私をおなじ部屋にした。

 ……まあ、不服なわけではないっすが。

隼翼「ううっぷ……今日もなかなか」

歩未「おいしいですかっ⁉」

 妹に先に言われてしまったならば、隼翼さんも抗えない。

隼翼「う、うん……うまいよ……」

 やや青ざめた顔だが……大丈夫っすかね?

歩未「それはよかったのですっ!」

 跳んではねて喜ぶ歩未ちゃん。

 もはや日常の光景となりつつある。

歩未「有宇お兄ちゃんはどうですか?」

隼翼「ううっぷ……今日もなかなか」

歩未「おいしいですかっ⁉」

 妹に先に言われてしまったならば、隼翼さんも抗えない。

隼翼「う、うん……うまいよ……」

 やや青ざめた顔だが……大丈夫っすかね?

歩未「それはよかったのですっ!」

 跳んではねて喜ぶ歩未ちゃん。

 もはや日常の光景となりつつある。

歩未「有宇お兄ちゃんはどうですか?」

隼翼「ううっぷ……今日もなかなか」

歩未「おいしいですかっ⁉」

 妹に先に言われてしまったならば、隼翼さんも抗えない。

隼翼「う、うん……うまいよ……」

 やや青ざめた顔だが……大丈夫っすかね?

歩未「それはよかったのですっ!」

 跳んではねて喜ぶ歩未ちゃん。

 もはや日常の光景となりつつある。

歩未「有宇お兄ちゃんはどうですか?」

しくじりましたぁっ

 私の恋人もやはり、小さい妹には弱いらしい。

有宇「うん……おいしい……」

歩未「よかったのですっ!」

 再びはねる歩未ちゃんの裏で、顔を合わせて青い顔で苦笑いする二人。

 これも、日常と化してるっすね。


翌日。

 いつも朝一番に起きるのは隼翼さんだ。

 前に隼翼さんが有宇さんに、改めて目が見えないことを話すと、有宇さんはほぼ無意識に手を伸ばした。

 右手。

 すると、驚くことに、能力の使用で盲目となっていた隼翼さんの目が、突如見えるようになったんです。

 脅威的な速度で能力を回収してきた有宇さん。

 その代償として記憶を失ってはいますが……まだ18歳を過ぎていないからか、まだ能力は残っていたようです。

 無意識とはいえ……これは、私たちにとって非常に危ういことっす。

 ただ、これが研究者たちに知られる頃には、有宇さんの能力は消えているはず――具体的にはあと約2年半――なので、多少の警戒は怠らずとも、そこまで心配はしていないっす。


 で、話を戻すと。

 隼翼さんの両目の視力はある程度、眼鏡をかければ日常生活に支障がない程度に回復し、朝一番に起きて自分のコーヒーと家族+私のお弁当を作ってくれるようになった。

 最初こそ料理の経験もなく、お世辞にも美味しいとは言えなかったくらいだったが、今では生徒会の西森さんや私の助力もあり、かなり美味しいレベルにまでなってるっす。

 でも、言うとそこで美味しくするための工夫を止めそうなので黙ってます。

 この人、組織のリーダーをやっていただけあって、様々なことに才能を開花させてるっす……。

続きはよ

 8時ジャストくらい、学校に登校。

 歩未ちゃんを中学校まで見送った後、有宇さんと共に登校する。

 隼翼さんは今日は休みだそうだ。

 というか、あの人は基本家にこもってても仕事はできるので、理事長室に来る必要はない。

生徒A「おはようございます、会長、乙坂くん。」

奈緒「おはようございます」

有宇「おはよう。」

 仲良く手をつないで登校。

 もはや学校で知らぬものはいないカップルとなっている私たちは、私たちの容姿――白髪と隻眼――のせいもあってか、注目を浴びている。

 私の会長としての存在も、なかなかに浸透してきた。

生徒A「そういえばそろそろ生徒会選挙の季節ですよね? やっぱり会長、立候補するんですか?」

 ……忘れてた。

すいません、書き溜めるの忘れてたのでこの辺で……

期待してる

1レス書いて終わりか、お前向いてないからもうSS書かないほうが良いよ

>>27 二ss同時進行で、なかなかに時間ないので書き溜めできないんです……(言い訳)

 昨年の今頃、私はこの高校に入学することが決定していたので、当時は学校の裏の顔として君臨していた隼翼さんに、「生徒会とかないんすか?」と聞いてみたところ、

隼翼「あ、うん、ないね。じゃ、来年から奈緒ちゃんがやってくれる?」

 と、軽く決まった。

 なので、今回が初の選挙となるのだが……。

 なにぶん、ちゃんとした学校となって初めてのことなので、いまいち勝手がわからない。

 悩んでいると、

丈士朗「他の学校にどんな風にしているか、聞いてみるのは?」

 と生徒会でアイデアが出たので、アポを取って行くことにした。

 有宇さんの前の学校、陽野森高校に。

弓「こんにちは、陽野森高校1年、生徒会書記、白柳弓と申します。
  ようこそおいでくださいました」

奈緒「星野海学園生徒会長、友利奈緒です。
   本日はありがとうございます、急なお願いをお受けいただいて……」

弓「いえいえ、以前から星野海学園とは交流してみたいと思っていましたから、お話をいただいた時はとても嬉しく思いました。あ、では、先生方の許可も取ってあるので、中へ……」

 と、ここまで社交辞令を交わしたところで、私の後ろにいた人に気づいたみたいっす。

弓「……あれ? 乙坂君?」

有宇「……?」

 記憶のない有宇さんにとって、この学校は始めて来る学校。

 しかし、白柳さんはしっかりと覚えていたようっすね。

 なんせ一応、命の恩人っすから。

 全部有宇さんが仕組んだらしいっすけど。

奈緒「あー……、えーと……」

 言葉に詰まる私。

 助け舟は、あと二人いる星野海生徒会から出された。

丈士朗「乙坂君はちょっと、けがで記憶障害がありまして……」

柚咲「うん、ゆさりんのおまじないでも治らないの……。だから、許してあげて?」

弓「は、はい……。えっと、乙坂君は記憶を失っていると?」

奈緒「えっと、まぁ、そういうことです」

家の都合で次から不定期になりそうです……。

>>28
言い訳ばっかじゃねーか、おとなしく受験勉強でもしとけよ、つまんねーから続きいらねーし

楽しみに待ってます。

 いざ声に出すと、やはりクルっすね、これ……。

有宇「奈緒……」

 有宇さんが心配そうに私を見る。

奈緒「大丈夫っす」

 でも、心配ばかりかけてはいられない。元気にふるまわないと!

有宇「無理だけはしないでね」

奈緒「…………はい」

 …………。

弓「仲、いいんですね」

 白柳さんが言う。

奈緒「はい、まぁ……。つきあってますから」

 普通に答えたが、白柳さんにとってはちょっと大きめの爆弾だったようっす。

弓「え⁉ お二人付き合っていらっしゃったんですか⁉」

弓「はぁぁぁ……。すみません、取り乱してしまって」

奈緒「いえ、お構いなく。」

 星ノ海(間違えてました)生徒会の面々は、白柳さんに連れられ、生徒会室に行く。

会長「お久しぶりです、友利さん、乙坂有宇くん」

 生徒会室には案の定、生徒会長がいた。

奈緒「お久しぶりです」

 みんなを代表して私が挨拶する。有宇さんもすべきなんだろうけど、記憶がないからなぁ……。

会長「早速本題に入りましょう。今日は、どういったご用件で?」

奈緒「はい。ご存知の通り、わが星ノ海学園は歴史がまだ浅いです。私は一応生徒会長をやってはいますが、高校での生徒会選挙がどのようなものか、全くわからないにもかかわらず、もうすぐ選挙の季節です。そこで、陽野森高校の生徒会選挙はどのような形で行われるのか、それをお聞きしたいと思い、やってきました」

 なんだかんだで更新少なくてすみません(;_;)

エタらなければ大丈夫
毎回みてるよ

会長「そうですか。協力しましょう。二つの高校で助け合って、交流することは大切ですから。具体的には、どういったことをしましょう?」

奈緒「そうっすね……。今までの選挙の資料などがあれば、わかりやすいのですが……」

会長「ええ、ありますよ」

 そう言って陽野森高校の会長は、棚から資料を取り出す。

会長「どうぞ。」

 出された資料をちょっと見てみた。

 後ろから西森(黒羽)さんが肩越しに資料をみようとした。

奈緒「うーん……。いまいちわかりづらいかな……。
   どんなスケジュールで組まれたか、とか、実際の演説の内容とか、投票用紙の見本みたいなものって、ありますか?」

 白柳さんがさっと動いた。

弓「はい、ありましたよ」

 先ほどから白柳さんは有宇さんの方をちらっちらっと見ているのだが、有宇さんはさして気に留めた様子もない。

奈緒「……はい、ありがとうございます。これって、持ち帰って参考にしてもいいですか?」

会長「ええ、もちろん。」

 聞くと、二つ返事で了承してくれた。

会長「ところで、その方は……」

 日野森の会長が西森さんの方を見て言った。

会長「勘違いならすみませんが……ゆさりんですか?」

 私の背後で、西森さんでない人が覚醒した気がした。

 そしてそれは、あながち間違いでもなかった。

丈士朗「もしやあなたも、ゆさりんファンでっ⁉ さすが、わかるのですか!?」

会長「ほ、本当なのですか?」

柚咲「うんっ、ゆさりんはわたしだよ?」

会長「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお(以下略)」

丈士朗「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお(以下略)」

弓「会長……」

奈緒「高城君、うるさいっす」

柚咲「ふふふ、二人ともありがとっ」

 西森さんがにっこりと笑った。

会長・丈士朗「「ふぅっ……」」

有宇「え、ちょ、え⁉」

 幸せの絶頂のような爽やかな笑顔を浮かべ、二人は床に倒れ伏した。

 「二人」のルビは「バカ」っす。

 早速学校に帰って準備――と思ったんですが、白柳さんが

弓「あの……まだ時間もありますし、このあたりにいい喫茶店があるんです。一緒にいきませんか?」

有宇「そうなの?」

弓「え、わすれたんですか? 以前パンケーキを……あ、いえ、忘れているんでしたね……」

有宇「なんか、ごめん……」

弓「い、いえ! こちらこそごめんなさい。
  あの……どうですか?」

有宇「いいんじゃないかな? 予定より早く用事も終わったんだし」

丈士朗「そうですね。僕も興味あります」

 いつの間にか復活した高城君が言う。

柚咲「ゆ、ゆさも……食べたいなぁ……」

会長「わたしもご一緒させてください」

 どこか疲れた感じの柚咲さんと顔がつやつやとした会長さん。

 結局、さっきのメンバーで喫茶店に足を運ぶことになった。

柚咲「おお、これがその……」

弓「はい、パンケーキです。……あの、本当に芸能人って聞いて、驚いているんですが……」

丈士朗「ふふふ、ゆさりんは割と有名ですよ?」

会長「テレビでアイドルとか見なければわからないかもしれないけれどね」

弓「そうですね……あまり見ないかもしれません、アイドルが出ている番組。」

丈士朗「今度出ることがわかったらお知らせしますよ」

弓「どうやってですか?」

丈士朗「それもそうですね……」

会長「メアドを交換すればいいじゃないか?」

奈緒「そうっすね、そしたらわたしもいろいろ聞きやすいですし」

有宇「うん」

柚咲「交換しよー!」

丈士朗「っ!? ゆさりん……!?」

会長「お、恐れ多い……っ!」

弓「何言ってるんですか……。西森さんのメアド教えてもらえるのでしたら、他の人とメアド交換する必要がないのでは……?」

柚咲「そう? わたし、わたしの出演する番組、わたしの持ち番組じゃないやつの時間とか高城君に聞いてるよ? 私より詳しいし。マネージャーさんの時もあるけど、今じゃ高城君もマネージャーさんと知り合いだし」

会長「な……!? お前、そんな禁忌に……!?」

丈士朗「生徒会の予定を連絡する役をしていたというだけですよ。奈緒さんは学校行事を把握する必要がなかったので、わたしの方がそれなりに詳しいのです。奈緒さんは他にもするべきことがありましたし……ね」

有宇「ごめんね……」

奈緒「た、大したことじゃないっすから」

会長「ぐう……」

丈士朗「それに、同じ生徒会でお互いの連絡先を知らないのは不便ですから。」

柚咲「まあ会長さんが言ったことと同じようなこと言ってしぶってたけどねっ」

丈士朗「はは……」

会長「まぁ……そうか……」

有宇「……交換しないの?」

弓「そうでしたっ」

 すこし本気で忘れかけていたらしく、ほんのり赤く頬を染めて、白柳さんは言った。

弓「こうやって食べるとおいしいんですよ」

 気を取り直した白柳さんが、おいしいパンケーキの食べ方を実演してくれた。

柚咲「うん! おいしい!」

 柚咲さんが興奮したようにはしゃぐ。

弓「本当!? よかったぁ……」

 どこかほっとしたようにつぶやいてため息をつく白柳さん。

丈士朗「ふむ……確かにこれはおいしいですね……」

会長「白柳さん……なんで今まで教えてくれなかったんだい……?」

 みな満足そうな笑顔だ。

 ただ一人を除いて。

※ どんな食べ方だったか忘れた……
 ちょっとアニメ見てこよ

有宇「おいしい……んだけど、なぜか、この味を知っている気がする……?」

はっと、思わず反応してしまう。

有宇「でもやっぱり、気のせいかな?」

 少しでも記憶があるのなら、と、無い希望にすがってしまう。

 舌に残った刺激なら、残っていても不思議はないかもしれない。

 有宇さん甘いもの好きですし。

いいね

 もしも有宇さんの記憶が戻ったら。

 今の有宇さんは消えるかもしれない。

 でも、今よりもっと楽しいかもしれない。

 異能を、それを集める物語を、有宇さんの言葉で語ってもらって……。

 楽しそうだ。

 でも。決めた。

 私は、今の有宇さんと新しい思い出をつくる。

 帰ってきた有宇さんと恋人になる。

 それが有宇さんとの約束だから。

有宇「今日は楽しかったね」

帰りの電車の中で有宇さんが言う。

奈緒「生徒会選挙のことを聞きに行っただけのつもりだったんすけど……思いがけず楽しめましたね」

有宇「いいじゃんじゃない? 楽しんでやれれば」

奈緒「そうっすか? ……そうですね。この人生、楽しんでいきましょう」

 せっかく自由な時間を作れたのだから。

 有宇さんとの思い出を、楽しくしたい。

有宇「奈緒、人生は重いよ……」

奈緒「重くないっす。全然」

隼翼「おー、帰ってきたか有宇、奈緒ちゃん。奈緒ちゃん、早速で悪いんだけど、ちょっと肩揉んでくれないかな? 今日デスクワークばっかでこっちゃって」

奈緒「……」

隼翼「あれー? 奈緒ちゃーん?」

奈緒「夕食つくらないと。歩未ちゃん、手伝ってくれるっすか?」

歩未「はいなのですー!」

隼翼「あ、あれ⁉ 歩未⁉ 誰も肩揉んでくれないの⁉」

>>21

有宇「じゃ、僕は今日もらった資料の整理をしておくよ」

奈緒「ありがとうございます、有宇さ――」

有宇「奈緒、敬語じゃなくていいよ?」

 有宇さんがちょっと苦笑する。

 私のなかなか治らない癖だ。

奈緒「……あ、ありがとう、有宇」

 自分で顔が真っ赤になっているのがわかる。

有宇「気にしなくていいよ。奈緒は晩御飯つくってくれようとしてるんだし、このくらいはね」

隼翼「甘いなぁ……青春って……。……結局、久しぶりの出番だった俺はいじられキャラとしてこのssの定着するの?」

奈緒「なんの話をしてんすか」

 それから、日野森高校の生徒会の力を借りつつ、生徒会選挙に関しての必要事項を進めてきたんですが。

会長『あっ』

柚咲「どうしました?」

 スカ○プ越しに話していた会長さんが、突然なにかに気づいたように声を上げた。

会長『友利さん、あなた、生徒会選挙に出馬しますよね?』

奈緒「まぁ、そうなるっすかね……」

会長『だとしたら、あなたは生徒会選挙に関わらないほうがいいと思います』

奈緒「なぜっすか」

丈士朗「あー……」

柚咲「え? どういうこと?」

有宇「え……? あ、でも、そっか……」

 高城くんと有宇さんは何かに気づいたようですが、西森さんは私と同じくなにかさっぱりの様子。

有宇「えっと……選挙に出る人が選挙の管理をしていたら、票の操作とかを疑われても仕方がないし」

丈士朗「選挙運動を有利に進めることもできるかもしれませんから」

柚咲「あー……びょーどーじゃないんだね」

弓『会長に他の役職の任命権がある状態だと、その役をさせたい人たちも、選挙管理委員をするのは避けた方がいいと思います。友利さんは、現生徒会をもう一度集めるつもりなのでしょう?』

奈緒「……そうですね」

弓『でしたら……』

柚咲「でもさ? そしたら、私たちの代わりに誰が選挙進めるの?」

柚咲以外「「『あ……』」」

有宇「そういえば……」

会長『そうですね……』

丈士朗「生徒会主体で進めすぎて、他の誰も選挙のことを私たちレベルに知りませんね……」

弓『あの……なんだかすみません……』

奈緒「あ、いえ、いいんすよ。元はそのことを考えていなかった私たちが悪いんです」

有宇「で……問題はどうするか、だけど」

奈緒「私たちの代わりを誰かに頼みますか……?」

弓『それが一番なんですけど……』

有宇「今から手伝ってくれる人なんているのかな……?」

丈士朗「ゆさりんなら……」

柚咲「え?」

丈士朗「ゆさりんなら、他の人に協力を得られます!」

会長『おお!』

丈士朗「ゆさりんが頼めば、みなさんよろこんできょうりょ……いや、ダメですね」

会長『ん? どうしたんですか?』

丈士朗「我らがゆさりんにそんなことを頼み込むこと、そのこと自体が間違っているっ!」

会長『っ! 確かに……!』

弓『……』

奈緒「ひくなっ!」

「ひくなっ!」今更の登場でもとりあえず出しときたかった


あんまりレスしてないけど毎回読んでるでな

今更だけどゆさりんって敬語使ってなかったっけ

>>57 ありがとうございます! ちょっと寂しかったのでレスたまにいただけると嬉しいですm(_ _)m
>>58 まじっすか 気を付けます

有宇「僕が残るよ」

奈緒「……なんでですか?」

有宇「いや、なんでって……誰かがやらなきゃいけないのなら、僕やろうかなって」

奈緒「なんでっすか」

有宇「……あれ?」

丈士朗「ふう……」

柚咲「……ふふふっ」

奈緒「どうしてみなさんそんな目で私を見るんですか」

弓『……自覚ないんですね、乙坂君』

会長『友利さんの方では?』

弓『そうですか?』

奈緒「……本当になんのことっすか」

奈緒「とにかく、有宇さんの残留は却下っす」

有宇「う、うん」

会長『では、他に誰が?』

弓『私たちが手伝うのは……?』

有宇「いや、流石にそれはだめだよ」

丈士朗「初めてのこととはいえ、生徒会選挙ですから。実際の選挙に携わっていただいては……」

有宇「気持ちはありがたいけどね」

弓『はい……』

会長『白柳さん。うちの選挙のことも忘れたわけじゃないよね?』

 電話の向こうで黒い笑みを浮かべる会長さんの姿が容易に想像できる。

 ってか名前なんだっけ……

弓『ですよね……』

奈緒「本当にどうするんですか……」

 完全にみんな黙ってしまう。

 やがて、高城君が首を振りながらやれやれと言った。

丈士朗「私が残ります。それならばいいでしょう?」

奈緒「高城……」

柚咲「高城くん……」

奈緒「……盲点だったっす」

丈士朗「え、酷いですね友利さん」

有宇「でも……次期生徒会の仕事はやりづらくなるかもね」

柚咲「雑用とかよくやってくれてましたもんね」

丈士朗「だからそれだけ、選挙の仕事も任せられませんか?」

有宇「……うん」

丈士朗「そうと決まれば。実は、明日のホームルームで選挙管理委員会をクラス代表一名選出するよう、先生方に連絡してあるんです。人材の面は一応解決です。友利さんと有宇くんは選挙に向けての演説でも考えてください」

奈緒「すみま

丈士朗「謝らなくていいです、私が好きでやることですから」

奈緒「じゃ謝らないっす」

丈士朗「え」

 生徒会選挙の大まかな方針も決まり、早速高城を中心とした選挙管理委員会が発足。

 放課後に集まってちょろっと準備をしているらしいっす。

 寂しくならないと言ったら嘘になりますが……形だけでも、しなければいけないことはしなければいけないっすから。

 私は、放課後に有宇さんと二人っきり、ではなく、某スマホアプリで陽野森高校のもうすぐ引退する会長さんにアドバイスをもらったりしつつですが、演説の原稿を着々と書き進めていきました。

 そして。

 もともと準備を始めるのが遅かったということもあり、演説の日はすぐやってきました。

奈緒「   ――当選した場合、連続での生徒会長となりますが、より一層この学校をよくしていくために励んでいきます。信任投票ではありますが、みなさんの一票を待っています。 これで、私の演説を終わります」

委員A「ありがとうございました。続いて投票について説明します……」

 体育館で行われた演説会。

 私は演説を終え、ステージ裏に帰ってくると……一気に緊張の糸がほどけた。

奈緒「っっっっっはあぁぁぁぁ」

有宇「お疲れ、奈緒」

奈緒「ここまで緊張するとは……思ってもみませんでした」

有宇「格好良かったよ? 堂々と演説できてて」

奈緒「ならいいんすけど……」

有宇「何か心配?」

奈緒「……一学期の時は、そこまで生徒会、というか私の評判は良くなかったので」

有宇「ふぅん? 大丈夫だと思うけどね……
   奈緒が頑張ってきたことはみんな知っているし、僕が一番知ってる」

 い、いきなり何を言うんですか!?

有宇「それに今度は、西森さんもいれば僕もいる」

柚咲「はいっ! いますよ!」

丈士朗「……ゆさりんはアイドルとしての活動はどうするつもりなのですか……?」

柚咲「い、今までなんとかなってましたし、な、なんとかなりますよ!」

 なんとかなるのだろうか。

 能力もなくなったんだし、仕事をじゃんじゃん引き受けても別に構わないんすが。

有宇「大丈夫なの? 体壊したりしない?」

柚咲「乙坂君にそれを心配されちゃいました……。今、すっごく楽しいので、大丈夫です!」

 楽しいから大丈夫って、理屈通ってる……?

有宇「……ん、そっか。奈緒」

奈緒「はい」

有宇「頼りにしてよ?」

丈士朗「私も、別に生徒会でなければ手伝ってはいけないという訳でもないでしょうし。」

柚咲「私にもどんどん頼ってください! その方がうれしいです!」

奈緒「みんな……ありがとうございます……」

 時間は飛んで、選挙の打ち上げをなぜか乙坂家(マンション)でやることになって。

有宇「では、改めて!」

一同「「「奈緒(ちゃん・さん)、生徒会長当選おめでとー!」」」

奈緒「ありがとうございます……!」

 広いとはいえ、マンションの中はかなりの人であふれている。

 有宇さん、隼翼さん、歩未ちゃんはもちろん。

 高城、西森さん、そして選挙でお世話になった陽野森の元会長と、一年で会長になった私に影響を受けたのか、生徒会長となった白柳さん。

 これは、星ノ海学園の生徒会選挙の打ち上げと、白柳さんの会長就任祝いも兼ねた、ちょっとしたパーティー。

 もちろん間食は。

歩未「乙坂家特製・オムレツなのですーっ!」

柚咲「おーっ!」

奈緒「ぜひ食べてくださいねー。有宇さん、隼翼さん?」

 そそくさと逃げようとする有宇さんと隼翼さんの首根っこをつかんで捕まえる。

有宇「ははは、奈緒、僕が逃げ出すはずないじゃないか」

隼翼「そうそう、わが妹の料理を兄が食べないなんてなぁ」

奈緒「本当ですか?」

 ジト目。

有宇・隼翼「本当本当……」

 涙ながらにピザソースオムライスを頬張る有宇さんと隼翼さん。

 白柳さんは最初から手を付けず、高城と元会長、西森さんは軽くフラフラしています。

 白柳さんが看病に回っている……?

有宇「奈緒、ちょっといいかな?」

 有宇さんに連れられて、ちょっとばかり外に出る。

有宇「生徒会長就任、おめでとう」

奈緒「なんすか、改まって」

有宇「二人きりで、言いたかったんだよ」

 どきっとしたこと、有宇さんにばれてないっすよね……?

有宇「僕には記憶がないけれど、でも、奈緒のこと、今の僕も好きになった」

 !?

有宇「なんとなく、前の自分が僕の中にいるっていうか……そんな気がするんだ。
   前の僕も、たぶん、奈緒のことをこころから好きだったんだとおもうよ」

 顔が熱い。とても熱い。

有宇「奈緒は、記憶を失った僕を受け入れて、さらに彼女になってくれた。前の僕が、奈緒に告白したから。でも、今の僕は、まだ奈緒に告白してない」

奈緒「……別に、そんなこと……」

有宇「奈緒が気にしなくても、僕がする。だから、改めて告白するよ。
   ――奈緒」

奈緒「はい」

有宇「す

弓「…………」

奈緒「ゆ、有宇さん……」

有宇「どうしたの?」

弓「……あの、非常に邪魔をしてしまったみたいで申し訳ないのですけど……。隼翼さんが買ってきたケーキ、食べませんか?」

奈緒「あ、はい。食べます。有宇さん、行きましょう。続きは、また」

有宇「……うん」

弓「すみません……」

 後で、有宇さんから改めて告白された。

 OK以外の選択肢は、ない。

 前の有宇さんに、今の有宇さんと付き合って、と言われたんだから、当たり前。

 受けたとき、ちょっといい雰囲気になったんすが、隼翼さんが「にやっ」っとこちらを見ているのが見えたので気恥ずかしくてやめた。

 ――でもいつかは。

 有宇さんについていって、ずっと支える。

 今の、私の夢。

 だから今は、、ちょっとくらい、我慢しよう。

 しあわせな未来が、有宇さんが作ってくれた優しい未来が、私たちを待っているから。



                  完。


 今まで見てくださった方々、ありがとうございました!


恋人とのほのぼの生活ってことでいちゃこらとか二人の関係がメインになるのかなと思ってたから、ここで完結はちと残念かな

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