京太郎「とにかく愛でてみたい、そう思ったんだ」 (344)

ルール
ただ京太郎が愛でるだけです。
何がとか何をとか特に考えてません。
清澄に限定するつもりはありませんが、原作読み込んでない為粗があります。
書き溜めはありません。
飽きたら終わりです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447470334

咲「ちょっと意味がわかんない全然」

京太郎「何故分からない咲さん! 俺はみんなを愛でたいだけだ!」

咲「咲さんっていうのやめて?」

京太郎「あ、ごめんなさい……。それでですね、あのー……まずは咲さんを愛でたいなぁーと」

咲「ふーん……よくわかんないけど…私でよければ、良いよ?」(ニコッ

京太郎「ありがとうございます! それでは早速…」

そういうと、京ちゃんは私の頭に手を伸ばしてきた。
ナデり…おそるおそるといった感じに撫でる。
その感触がくすぐったくて、私は目を閉じる。
暖かい京ちゃんの手……意外に大きくて、男の人の手だなぁ、と当たり前の感想が私の頭に浮かぶ。

京太郎「ど、どうですか?」

咲「…あったかいね、京ちゃん」

京太郎「そ、そうか。ええと…じゃあ次、行くぞ!」

咲「うん、いいよ」

京ちゃんが抱き着いてきた。なんだろ、不思議な匂い。
男の人独特の匂いなのかな? と思ったけど、私、こんな近くで男の子の匂い嗅いだこと無いからわからなくて。
ふわふわっと頭がしてきた。京ちゃんの匂い、好きかも。
思わず胸に頭を埋めている自分に気付いた。

咲「………なんか、すごいね」

京太郎「お、おう…咲も、良い匂いだな…」

咲「私たち、すごい恥ずかしいことやってるよね」

京太郎「……愛でるってんだから、恥ずかしいもんだろ? たぶん」

咲「すごい理屈だね…」

京太郎「よっと…ほら、咲も座れよ」

咲「うん」

床に座った京ちゃんの上に、私も座る。
後ろから包み込まれるような体勢になって、身体の内からポカポカしてくる。
私の髪の匂いを鼻ですんすんと嗅いでいる。

咲「京ちゃん、変態っぽい…」

京太郎「……なんだろ…滅茶苦茶良い匂い……お前って甘い匂いだよな…」

咲「んっ!」

ギュッ、と力が強くなる。
首に京ちゃんの唇が吸い付いてくる。
チュッ、チュッ…とキスをしたり、舐められて、そのたびに私はこそばゆくなって身体を震わせる。

咲「きょ、うちゃん…」

京太郎「んっ……ちゅ…」

咲「これ……なん、か…ちがうんじゃ…ないかな…んっ…」

私の言葉に反応も無く、今度は頬にキスをしてくる。
やりたい放題している京ちゃんに、私は抵抗もせずにあっさりと受け入れていた。
口内に京ちゃんの指が侵入してくる。
それを甘噛みしたり、舐めたり……気が付いたら、私は京ちゃんとキスをしていた。

咲「ちゅ…ん…」

京太郎「はぁ…んっ…」

咲「……お、おしまい! やっぱりなんかこれ違うよ!」

バッ、と立ち上がって、あわてて距離をとる。
雰囲気に流されて私は何をやっているのだろう…。
急に恥ずかしくなってきた。

京太郎「お、おう…」

うっ……なんでそんな、捨てられた子犬のような目をするかなぁ!

咲「な、なんか愛でるっていうよりこれじゃあカップルの蜜月だよ! キスもしちゃったし! 初めてだったんだからね!?」

京太郎「お、おれも初めてだよ……な、なぁ咲、何が間違ってたかなぁ? 俺結構真剣にお前を愛でたつもりだったんだが…」

咲「愛でるって、こう……なんだろ、犬をよしよしって可愛がる感じ…じゃない?」

京太郎「おお…そう、なのか? そうかぁ…うん、じゃあ今度はもうちょっと気を付けてみる…」

もう…京ちゃんって、恋愛経験無いんだなぁ…。私も無いけどね!!!
………ん? 今度? それって…私と?

咲さん編、完。

>>1より

夜にでも優希編投下できたら良いなぁ

京太郎はでますか?

>>7
出てます

キャップとか一くんが見たい

>>11
>>1にも書いてる通り、割と原作については適当に読み込んで可愛いなぁって程度だから、そんな俺のキャラの出来でも良ければいずれ。

優希「……それで咲ちゃんとイチャイチャした、と」

京太郎「何とは言わん。お前を愛でさせてくれタコス」

優希「[ピーーー]浮気野郎」

京太郎「お前は決定的に勘違いをしている。これは親しい友人を愛でたいというただそれだけの気持ちで決してやましい気持ちは一切無い」

優希「黙れ。咲ちゃんにキスまでしといて何をほざいてるじぇ」

京太郎「キスはスキンシップの内だろ! 女の子同士でキスしてたりするじゃねぇか! あれも友達だろ?」

優希「男と女を一緒にしてる時点で病院行こうか?」

京太郎「落ち着け。優希、お前は俺を誤解している」

優希「そうやってごまかして私にもエロいことするつもりなんだじぇ!」

京太郎「ハッ! 己が容姿を振り返ってから話せタコス馬鹿。俺はお前と親友としてのスキンシップをしたいだけだ。信じろ」

優希「何を信じろというのか……」

京太郎「頼む。不快だったらすぐに止めてくれて構わん」

その時の京太郎の目が、真剣で……。
私はつい、仕方ないな……という気持ちに―――。
嘘だった。私はこの脳ミソ空っぽ馬鹿が好きなんだ。
咲ちゃんとイチャイチャしたと聞かされて、この冷血無情男は……と怒りも込み上げたが、実際何も考えてないただの馬鹿で良かったと思っている自分がいた。
だから……。

優希「……それで咲ちゃんとイチャイチャした、と」

京太郎「何とは言わん。お前を愛でさせてくれタコス」

優希「死ね浮気野郎」

京太郎「お前は決定的に勘違いをしている。これは親しい友人を愛でたいというただそれだけの気持ちで決してやましい気持ちは一切無い」

優希「黙れ。咲ちゃんにキスまでしといて何をほざいてるじぇ」

京太郎「キスはスキンシップの内だろ! 女の子同士でキスしてたりするじゃねぇか! あれも友達だろ?」

優希「男と女を一緒にしてる時点で病院行こうか?」

京太郎「落ち着け。優希、お前は俺を誤解している」

優希「そうやってごまかして私にもエロいことするつもりなんだじぇ!」

京太郎「ハッ! 己が容姿を振り返ってから話せタコス馬鹿。俺はお前と親友としてのスキンシップをしたいだけだ。信じろ」

優希「何を信じろというのか……」

京太郎「頼む。不快だったらすぐに止めてくれて構わん」

その時の京太郎の目が、真剣で……。
私はつい、仕方ないな……という気持ちに―――。
嘘だった。私はこの脳ミソ空っぽ馬鹿が好きなんだ。
咲ちゃんとイチャイチャしたと聞かされて、この冷血無情男は……と怒りも込み上げたが、実際何も考えてないただの馬鹿で良かったと思っている自分がいた。
だから……。

優希「仕方ないじぇ! 京太郎のことなんて何とも思ってないけど、タコスの奢りで許してやるじょ!」

私は卑怯になった。京太郎にそういう気もなくて、私に興味なんて無いと分かってても。
私はそうされることを心の底から望んだ。

京太郎「流石タコス! 話が分かる!」

優希「で? まずは何をするじょ?」

京太郎「まずは無難なところから……こうだ」

京太郎に頭を撫でられる。大きい手のひらで、私を優しく撫でてくれる。
それだけで私は顔から火が出たかと思うくらいに暖かくなってしまった。
我ながら、恋とはなんと難しく苦しく、甘いものなのだろうと嘆息してしまう。

京太郎「んっ、優希、もしかして熱でもあるのか? 熱いぞ?」

優希「な、ないじぇ! 気にしないでさっさとやるじょ!」

京太郎「お、おう……おーよしよし」

がしがしわしゃわしゃ、と無遠慮に私の頭を撫で回す京太郎。
突然の犬扱いに頭が真っ白になったが、すぐに腕を振りほどいた。

優希「なにするじぇ!」

京太郎「うおっ! な、なんだよ!?」

優希「犬扱いすんな!」

京太郎「犬? …………あっ」

最初、何をいってんだこいつみたいな顔をして殴りそうになったが、すぐに気まずそうに目をそらした。
こいつ……愛でるって言葉をなにか勘違いしてないか?

京太郎「やっぱりこれはおかしいよな……俺もなにか違うとは思ったんだ……」

優希「お前に何があったじぇ……」

京太郎「分かったすまん、ちゃんとする」

そういって私に抱きついてきた。
また頭が真っ白になり……今度は幸せに私は包まれた。

京太郎「あったけぇ……しかもやわっこい……」

優希「………………」

ヤバい。想像以上にヤバい。
好きすぎる。暖かい。京太郎の暖かさが近すぎる。
もっと色々してほしい。私の身体をギュッとしているだけで、何もしてくれない。

優希「京太郎、これで、終わりか?」

京太郎「んっ? あー……んじゃ、こうして……ほっ!」

優希「わっ!」

京太郎は私の脇に手を入れて、持ち上げた。
力強い京太郎に私は簡単に持ち上げられる。

京太郎「ちっこいし軽いなぁ。タコス以外も食ってんのか?」

優希「た、食べてるじぇ!」

京太郎「んー!」

私の胸に顔を埋める京太郎。
そのまま抱き止めるような形になった。

優希「わっ! わっ! ば、馬鹿京太郎! なに、するじぇ!」

京太郎「んー? いや、なんとなく?」

体格的に逆だろ、とか思わず言っちゃいそうになる自分を押し止める。
京太郎に胸の感触を味わわれてることに、茹で上がりそうになり、だけど自分の胸の大きさを思い出して、急激に冷静さを取り戻した。

優希「わ、私の胸なんて、面白みもないだろ?」

京太郎「ん? あっ……いや、すまん。いや、俺はその、別に……」

しどろもどろになる京太郎を見て、先程まで受かれてた私が馬鹿みたいに思えてきた。
何を受かれていたんだろ。分かってたことなのに。
所詮京太郎が求める理想の女性から、私は程遠い。
京太郎の好きなタイプは、あくまでのどちゃんみたいな、可愛くて胸が大きいタイプ。

優希「…………下ろせよ馬鹿犬」

京太郎「……んー!」

私の言葉を無視して、京太郎は更に胸に顔を押し付けてきた。

優希「京太郎!?」

京太郎「なに暗くなってるのかは知らねぇが、俺はお前におもちが無かろうと、気にすることはねぇと思うぜ?」

優希「え?」

京太郎「こうやってお前のことが凄い近くに感じられるし、お前のこの、心臓の音が心地いいし……やわっこくて、すげー癒されるし」

そういって京太郎は椅子に座る。
自然に京太郎の膝に股がる形になった。
パンツが、見えてしまっている。

京太郎「う……」

私のパンツに気付いた京太郎は、顔を少しだけ赤くして、サッと目をそらした。
その京太郎を、私は愛おしく思った。

優希「……京太郎……」

私のつぶやきを聞いて、責めてると勘違いしたのか、あわてたように次の言葉を発する。

京太郎「と、とにかく人は個人に違うよさがある。お前はお前のよさを愛してやれ。お前の愛したお前を俺は全力で愛でるから!」

その言葉で、私は、もっと深いところに落ちた。

私は京太郎にキスをした。

京太郎「んっ!? ちゅ……」

優希「っはぁ……京太郎……もう……好きで……こんな……もう! もう!」

自分でやったくせになんて言えば言いか分からなくなって。
混乱して、何にも悪くない京太郎の胸をポカポカと叩いてしまう。

京太郎「……やっぱりこれで合ってたのか」

京太郎の言葉なんて耳に入って来ない。
混乱した頭は、何故か京太郎の唇に視界をロックさせてしまった。
またキスしたい。キスしたい。舌を吸ってもらいたい。愛してもらいたい。
欲望が頭を渦巻く。
そんな私に、京太郎は首筋にキスをしてきた。

優希「あっ……」

徐々に上に上がってきて、頬にキスされて、唇に……また京太郎を感じれた。

京太郎「ん……」

優希「んあ……ちゅ……ぴちゅ……!」

なにも考えられない。
頭が馬鹿になってしまった。
京太郎で埋め尽くされて、京太郎を激しく求めてる。
下が……キュンとした……濡れて、る……。
………………――――――。

優希「のわぁぁぁぁぁ!!!」

京太郎から飛び降りる。
自分でも信じられないくらいのスピードだった。

優希「きょ、今日はこの、この辺りにしておいてやるじぇ!」

京太郎「あ、おい!?」

京太郎の制止も聞かず、私は走り去る。
……やっちゃった。やっちゃったやっちゃったやっちゃった。
雰囲気に流されて、あんなことして。
もうちょっと冷静さを失っていたら。
私は……京太郎に、何を言っていた?

――私をめちゃくちゃにして――

優希「のわぁぁぁぁ!!! 馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿なに考えてるじぇ!!!」

そんな私を否定して、でも……。

優希「……私、やっぱり京太郎のこと、どうしようもないくらい、大好きなんだなぁ……」

自分の気持ちを再確認して、密かに京太郎と更に近づけた自分を喜んだのだった。


京太郎「……この方面で正解っぽいな……うーん、愛でるってむずかしい」

優希編、完。

>>1より

暇すぎてつい書いちゃった
もう愛でるっていうかイチャイチャしてるだけじゃねぇかとか言っちゃいけない

次はたぶんワカメ。
夜か明日かまたいつか。

京太郎にタコスじゃなくて優希って呼んで?
ってクダリやるの忘れてた…

中坊が書いたのかな?

まこ「で? その話を聞かされてわしにも付き合えと?」

京太郎「まこセンもマジ親友っていうか」

まこ「そのウザいキャラやめぇ。正直お前がなんでそんなこと言い出したかさっぱりじゃけぇ、正直断りたいが…」

京太郎「まこセン…! まこセンマジパネェっす!」

まこ「だからやめぇ! ……はぁ…お前にはなんか考えがあるんじゃろ?」

京太郎「……流石染谷先輩。お見通しってやつですね」

まこ「…わかった! わしも先輩じゃ、後輩のやることはまず肯定から入らにゃならんか」

京太郎「あざっす!」

まこ「だがひとつだけお前の勘違いを訂正しちゃる。親友じゃろうとキスなんてせん。こんなもん常識じゃ」


京太郎「な、んですって……?」

まこ「なんでそんなに意外そうな顔ができるんじゃ……ほら、はよせぇ」

京太郎「は、はい……」

京太郎はわしの背中に手を回した。
男にこんなことされるのは初めてで、少しだけドキッとしたが、相手が京太郎じゃ雰囲気に欠けるというもの。
男特有の匂い。嫌いな匂いじゃない。

京太郎「う……」

京太郎の方が顔を真っ赤にしている。
こういうのは女が恥ずかしがるじゃろ……。
という言葉は呑み込んで、されるがままにされてやることにする。
何をするか……と見守っていると……。
京太郎は頬をぷにっとしてきた。
ぷにっ、ぷにっ……ぷにっ……もにっ……。

まこ「……なにしとるんじゃ」

京太郎「や……柔らかいなぁと……」

まこ「……このっ、このっ!」

負けじと京太郎の頬をぷにぷにしてやる。
あうあうという京太郎に、やっぱり立場逆じゃないか?

まこ「まったく……何がしたいんじゃ。愛でるんじゃなかったんか?」

京太郎「い、いやー。こう、愛でようと思えば思うほどなんか何が正解なのか分からなくて……」

まこ「こういうのは勢いじゃろ。ほれ、思いきって来い!」

京太郎「くっ……行きますよ!」

京太郎は机の上に置いてあるポッキーを一つ、わしの口にくわえさせた。
そして、反対を自分でくわえる。
……やっぱりどう考えてもただのバカップル的発想で、なんとか柔らかく表現しても合コンの馬鹿なノリだった。
だが……真剣な表情の京太郎を見ると、無い知恵絞って出てきた発想なのだろうと予想はつく。
心中でため息をついて、付き合ってやることにした。

つい京太郎に掴みかかる。
京太郎は短く叫んで、後ろに倒れこんだ。
京太郎の腕を掴んでいたわしも一緒に倒れてしまう。

京太郎「いてっ!」

まこ「あぐ」

京太郎の上に倒れ、痛みはなかった。
ただ、メガネがどこかへ行ってしまう。

京太郎「あい、ててて……だ、大丈夫ですか?」

まこ「あ、あぁ……わしは大」

目の前に京太郎の顔があった。
というか、こちらを向いていた京太郎に、わしがそちらへ顔を向けたせいで、唇が僅かに触れた。
わしは金縛りにあったように動かなくなる。
乙女かわしは……!
そんな内心を放ってただ京太郎を注視してしまう。

京太郎「だ、いじょうぶ……う……」

京太郎が恥ずかしそうに顔をそらす。
あれ。こいつ。可愛くないか?
とか、訳のわからんことを考え始めた。
なんじゃこいつ、わしより乙女力高い?
なんで顔真っ赤にして視線下にしてあわあわしてんじゃお前。

京太郎「そ、その……大丈夫だったら、上から……」

降りて。と言おうとした京太郎の口を手で塞ぐ。

まこ「…………わしを愛でるんじゃろ? ほれ、ここからお前はなにするんじゃ?」

京太郎「ぁぇ……!?」

むしろわしが愛でたくなる欲求をなんとかこらえる。
口が自分の意思とは無関係に動き出す。
困惑の色を含んだ京太郎の瞳を覗きこむ。

まこ「お前から始めたんじゃ……途中でやめるなんて……認められんじゃろ……?」

京太郎「ん……んー!!!」

キングクリムゾン!

まこ「きょ、今日のことは忘れるんじゃ京太郎! 何かの間違いだったんじゃ!」

15分後、わしは散々京太郎に愛でられたあとにようやく理性を取り戻し、乱れた衣類を直して京太郎から離れた。
京太郎は……うん、すまん。どちらかというとわしの方が京太郎を愛でる形になった結果、ビクンビクンと身体を痙攣させている。

京太郎「あ……うぅ……」

まこ「く……三十六計逃げるに如かず……!」

部室を飛び出した。和と扉の前で鉢合わせるが、そんなことも気にせずに走り抜ける。
なんでわし、あんなことを……くぅ……明日から京太郎の顔を見ることができなくなりそうじゃ……。

和「…………は、はれんちです……!」

まこ編、完。

>>1より
愛でるってなんだっけ。今更ながらスレタイ間違えたような気がする。

>>33
大体合ってる

和「……それで? 変態さんはそんな言い訳をしてどうしたんですか?」

京太郎「違うんだって! 俺は変態なことをしてたつもりは無い!」

和「往生際が悪いですよ! 私は見てました……須賀くんと染谷先輩が部室で……撫で撫でしなから首とかお腹とかをぺろぺろしあってたところを!!」

京太郎「あぁ! それだけ聞くと凄い変態っぽいねうん! でも違うんだ和ぁ……俺は情欲に浮かされてる訳じゃない……みんなを愛でたいんだおっぱい!」

和「なるほど狙いは私ですか」

京太郎「しまった! マーラよ去れ!」

和「色々と明るみになりましたね。軽蔑します」

京太郎「ぐっ……。……俺が悪いから何も言えん……」

和「そもそもなんですか。愛でるって。あれイチャイチャしてるだけですよね?」

京太郎「イチャイチャ? ははっ、なに言ってんだ和? 愛でてるんだぞ?」

和「なんですかそのあたかも私が常識知らずみたいな言い種とどや顔は叩きますよ」

京太郎「え? いやだって」

和「わかりました。常識知らずの恥知らずな須賀くんの為に私が教えてあげますよ」

原村和のー、思春期講座ー

都合により早送りと致します。関係者各位にはご迷惑をおかけします。

それから、須賀くんは目に見えて落ち込みました。
落ち込み過ぎて床が抜けたのかと思いましたが単に寝そべったポーズになっているだけのようです。
声をかけても反応はなくて、何かをぶつぶつと呟いてます。
おしり……と聞こえたのは気のせいでしょうか?

京太郎「おもちなんていらない! おもちなんて見ない! おもちなんて愛でない!」

和「ひっ」

京太郎「なぁ、和。聞いてくれ」

突然起き上がった須賀くんが、物凄く真面目な顔をして私の肩を掴んできました。
すぐに振り払います。

和「な、なんですか……?」

京太郎「俺はお前がおもちだからお前を愛でたい訳じゃない。だったら優希や咲、まこさんなんてどうなるんだ?」

和「最低ですね」

京太郎「俺は……お前を一人の親友として! 仲間として! 愛でたい! 愛で倒したい!」

和「……いや結局そんなことを言い出した理由はなんなんですか?」

京太郎「聞け。確かに俺は誤った。愛でるってことの意味を根本的に誤解していた。ただのアホさ。咲と優希にキスしたのだって、まこさんにあんな……あんなことをしたなんてぇぇ!!!」

和「咲さんに……キス……?」

京太郎「だがな……俺はもう間違えない。俺はもう二度と……お前のおもちに関心を抱かない」

咲さんとキスってなんの話でしょう。殺そうかな。
落ち着きましょう……それにしても、何故そんな意味のわからない宣言にここまで真剣になれるのでしょう。
女性の胸を見るなとは言いませんが、やり過ぎだから良くないという話で……。
でも……何故でしょう。この目を見てると、首を横に振るのを憚れました。

和「……そんなにいうのでしたら、須賀くんを試してあげます。もし仮にこれで須賀くんに少しでも私のおもちへの執着を感じたら……二度と咲さんには近づかないでもらいましょう!」

京太郎「……! 構わない……じゃあ……いいか?」

和「来て、ください……!」

手始めと言わんばかりに、須賀くんは私の頭を撫でてきました。
ぴくっ、と身体が震えましたが、こんなことで負けてあげません。
じっと須賀くんを観察します。私の胸には視線を感じません。
というより……なんでしょう……私に兄はいませんが……なんというか、優しいものを感じました。
頼もしさ、優しさ、慈愛、安心感……色んなものが、須賀くんの手を通じて私のなかに湧いてきます。
ふわっ、と思考が蕩けそうになりました。このまま身を任せよう……そんな気分になってしまったのです。
慌てて正気を保ちます。

和「……い、いつまで、撫でてるんですか…?」

京太郎「ん? あぁごめん、和が可愛くて。そうだよな、あまり撫でられ過ぎても、気分良くないか」

あぁ……そういう、ことですか。
彼は……私の兄という設定を自分に投影しているんでしょう。ようやく理解できました。
なるほど考えましたね……家族という視点から私を見ることによって私への情欲を断つ……。
私は胸がざわつきました。
もっと撫で撫でしてほしい。心が拒否しても、あの安らぎを手放した自分に怒りを覚えました。

和「……も、もう終わりですか? 須賀くん?」

わざと須賀くん、と呼びます。
彼の設定を突き崩す為の意地悪でした。
このままだと私が……兄という架空の存在に落とされてしまいそうで……。

京太郎「なんだ、和。甘えたりないのか? おいで」

なん、でっ……!
そのなんでも見透かしてるかのようなそれは……なんっ、ですかっ……!
甘えたくっ、なっちゃうじゃないですか……!!!
言われるがまま誘導に従い、京太郎さんの座っているソファの隣に腰かけます。
また頭を撫でてくれました。悔しい。

京太郎「いつからそんなに甘えん坊になったんだ?」

和「京太郎さんが、優しくするから……」

京太郎「俺のせいだったか。ははっ、それは悪いことをしたな?」

私は思わず、京太郎さんの膝に頭を預けました。
京太郎さんの動きが止まります。
もうこうなったら仁義なき戦いです。
……何故私は戦っているのでしたっけ……?

京太郎「おいおい、本当にどうした? 熱でもあるのか?」

和「もっと、撫でても……いいんですよ?」

京太郎「…………そうだなぁ、和が甘えてくるなんて珍しい日もあったもんだし、明日世界が終わらないとも限らないから、今のうちにこの可愛い和をもっと可愛がることにしよう」

和「そ、それでいいんです……」

頭、おでこ、頬を弄ってきます。
心地好い空間に私の心は支配されました。
でも、そんなこともどうでもよくなって……お兄ちゃんにもっと甘えたくて……。

和「……眠たく……」

京太郎「ん? ……おやすみ」

そんな優しい声が、意識の落ちる直前に聞いた最後の言葉でした。
次に目を覚ました時、京太郎くんが私を見つめていました。
あぁ、寝てしまったんだ、と気付いて……。

和「きゃっ!」

私は自分のしていたことを思い出して跳ねるように飛び起きます。
なんてことを……須賀くんの膝枕で寝てしまうなんて……!
須賀くんは飛び起きた私を見て驚いています。

京太郎「くっ……殺せ……!」

驚きすぎです。なんで第一声がそれなんですか。

京太郎「俺は………すまない和……」

和「え?」

京太郎「和のおもちを……10秒も……見つめて……ぐぁああああ!」

一瞬触られたのか? と勘違いしましたが、ホッとしました。
そんなこと、わざわざ自己申告しなくても……。
須賀くんって意外と、義理堅い……のかな……?
約束を破るタイプには見えませんが、少し好感が持てました。

京太郎「約束通り、咲にも優希にももう近付かん。俺は……ド変態野郎の敗者だ……」

咲さんに近付かない……。
なんだか悪いことをしてるようで、罪悪感が……。
ん?
優希にも、近付かない……って……?
しまっ―――

京太郎「お前のおもちに執着した俺の浅はかさよ……さらばだ……!」

テーレッテー……って脳内BGMを流してる場合じゃ……。
あぁもう須賀くんの姿が見えなく!?
ゆ、ゆーき……ごめんなさい……。

咲「和ちゃん」

優希「のどちゃん」

私を呼ぶ声が聞こえそちらを見ると、咲さんとゆーきが笑顔で立っていました。

咲「麻雀……しようか。久しぶりに、キレちゃったよ」ゴッ

優希「……風を、感じる。今なら、だれよりも早く、和了できる……そんな風を…」ゴッ

私はようやく、己の過ちに気づいてしまいました。
でも、もう……遅い。

和編、完。

>>1より

愛でるについて1時間ほど考えていたらこうなります。


おもち三原則
おもちを見ない、触らない、崇めない

和までも当たり前の様におもちおもち言ってるんだな
なんかクロチャーのせいであんま頭が良くない印象が……

>>59
OK俺が悪かった
和の部分全部胸に変えたはずだったんだけど生き残りがいたみたいだ。
途中で和がおもちはねーなってなって変えたつもりだったんだ
脳内変換よろしく

久「それで? 説明してもらいましょうか?」

京太郎「殺してください」

久「なんで最初から逃げ腰なの……誰かに脅されたの?」

京太郎「いえ……俺は勝負に負けたんです……」

久「……よくわからないわ。分かりやすくしてちょうだい」

京太郎「…………ぐっ……実は……」

~~~説明中~~~

久「馬鹿なの?」

京太郎「はい!」

久「それで二人の1m以内には近付かないように一週間も避け続けたと……」

京太郎「その通りです!」

久「……そもそも根本的なことを聞いても良いかしら? どうしてそうなったの?」

京太郎「……俺は……俺には真剣さ、誠実さが圧倒的に足りなかったんです……だから……みんなに、麻雀に対してもっと考えなきゃって……」

久「その結果がみんなをほとんどセクハラみたいなやり方で愛でる、と」

京太郎「くっ、殺せ……!」

久「殺さないから。にしても……あのまこすらも陥落させる手腕は中々のものね……他校の生徒……」ブツブツ

京太郎「……部長?」

久「あ、ごめんなさい。ええと……まぁ事情は分かったわ。なるほど、そういうことだったのね……でも須賀くん、それなら和はもう良いって言ったんじゃ無いの?」

京太郎「あぁ、あの天使ですか。凄いですよね、おもちを凝視した俺を許した上に部室に来ても良いなんて言ってくれるんですから……天使昇華して女神かって話で……」

久「いつからそんなに卑屈なキャラになったのよ……もう、こっち来なさい」

京太郎「ふえっ?」

須賀くんの腕を引っ張って保健室に来た。
幸いにも誰も室内にはおらず、カーテンを閉めて須賀くんをベッドに座らせる。

久「須賀くん。確かにあなたは色々間違えを犯したかも知れないけど、された方も気にしてない……っていうかちょっとアレな感じになっちゃったけど……ま、まぁとにかくあなたのことは全面的に許してるの。それなのにあなたが一人でうじうじしてても仕方ないでしょ?」

京太郎「ぶ、部長……俺……許されてもいいんすかね……?」

久「当たり前じゃない。……ほら、私のことも愛でて良いわよ。みんなも私も、あなたのことを拒絶なんてしないから」

京太郎「そ、そんな……部長、良いんですか?」

久「ええ。須賀くんは馬鹿だけど悪い子じゃないのは分かってるし、甘えるくらいのつもりで来なさい」

京太郎「……部長!」

立っていた私のお腹に顔を埋める須賀くん。
分かってはいたけど本当に躊躇無いわね……。頭を撫でてあげる。

京太郎「俺……やり直せますかね……?」

久「大丈夫よ。下手をすれば虐めと取られてと仕方ない私の対応に完璧について来れた須賀くんなら」

ぐすっ、と鼻を啜るほどが聞こえる。
涙声の須賀くん。なるほど……まこの母性本能をこんな感じでくすぐったのかしら?
際限なく甘やかしたくなりそうな衝動が私のなかに現れた。もちろんまこの二の舞になるのは避けなければならない。

久「ほら、男の子なんだからしゃんとしないと」

京太郎「……部長……はい! 俺は……男、須賀京太郎は! ここから再出発します!」

んっ……?
私を見上げる瞳が、変化した。
先ほどまでの怯えた小動物のようなものから一転、逞しい雄のものになっている。
嫌な予感はした。それでも……。
私が逃げるわけにはいかない。

京太郎「部長、失礼します」

久「きゃっ」

引っ張られて、私はベッドに背中から倒れた。

京太郎「……部長、いつも思ってましたけど、部長って本当綺麗ですよね」

久「え!? ええ……うん…あ、ありがとう…?」

京太郎「表面では良い先輩でいようとして、その実内心には熱く燃えるものがある。でもこうやってよく観察すると、普通の女の子のように可愛らしくて、それでもそこらへんにいる人達より一際輝いている」

久「え? え?」

京太郎「和と比べても……っとすいません……今は部長を愛でてるのに他の女性の名前を出すなんて……とにかく俺は、部長は綺麗で格好よくて、可愛くて、憧れの先輩なんです」

耳元で私に囁きかけてくる。
須賀くんって……意外とイケボ……?
いやそんな何を考えてるの良い声だけど落ち着きなさい自分。
相手は須賀くんで勘違いするようなことはなにもないでしょ私。
そもそも愛でるってただ口説いてるだけじゃないこれもう本当須賀くんってダメね。
あれ須賀くんってこんな顔してたっけよく見るとあっだめこれ須賀くんのパターンだこれ私落とされる落ちちゃうダメ先輩二人が後輩の子に屈するなんてダメなんだけどイケボだし可愛い顔した後輩だし相手が迫ってきてるんだから良いんじゃないコレダメなの?むしろダメなの?
今とか私をじっくりと観察して獲物をどう料理してやろうかみたいな顔してるしいやダメよ久彼は純粋な思いで私に。
純粋だから何しても良いの? ダメだよね? もうほら私の髪の匂い嗅いで「甘いようでどこか刺激的な匂いですね」とかアホなこと言ってるわよ?
これ私悪くない。こんないわゆるお前ホストになれよもうみたいな感じになっちゃった須賀くんが悪い33-4で須賀くんが悪い。

京太郎「いつもはかっこよくて頼もしい部長も、俺の前ではこんなに可愛らしい一面を見せてくれるんですね……可愛いですよ、久先輩……」

プチッ。

久「そんな言葉じゃ、女の子は落ちないわよ……?」

京太郎「え?」

久「須賀くんの愛でるってそんなものかしら……? だったら……笑っちゃうわね……」

京太郎「っ!? ぶ、ぶち」

久「もっと私の深くまで知りたくないの……? あなたの愛心はそんなものなのかしら……?」

京太郎「……違う! 俺は……俺の愛心はそんなちっぽけなものなんかじゃない!!」

久「そう……だったら……もっと……」

須賀くんの手を掴んで、誘導してあげる。
困惑している須賀くんが可愛くて仕方ないけど、もっと困らせてあげたい。
須賀くんも……私も……まだ手の出したことも無い未知の領域へ……。

京太郎「久さん……それ以上――――――

【続きを見るにはこちら】

久「………………フッ」

いや、何を黄昏てるのかしら私。
私は果てて眠ってしまった須賀くんの衣服を正して、私もそれなりに乱れていた服をしっかりと着て、須賀くんを保健室に置き去りにして逃げるように出てきた。
……あれって合意? それとも逆レ? 須賀くんの方から先に手を出してたし、私は誘導しただけだから……セーフ? よね? うん、セーフ。合意。
…………いや合意でもアウトなんだけど。
初めてって痛いって聞いたけど、正直最中は頭おかしくなっててそれどころじゃなかったわね……今になって痛み出しているけど、それよりも罪悪感のようなものが大きい……。

久「あれじゃただの痴女じゃない……」

せいこうしたけど失敗したって誰が上手いこと考えたのかしらね本当馬鹿じゃないの。
……でも、本当になんなのかしら、あれ?
魅了する能力でも持ってる? 汗か何かに媚薬効果?
私はあんなことになる前は、しっかりと正気を保とうとしてたのに、抗えない力に流された。
…………ふと、思う。

久「仮に、この先も須賀くんに流され続けたらどうなるのかしら?」

と。そして。

久「……他校の麻雀部女子を落として、情報を引き出させる……そんな使い道も……」

私の初めてを奪ったんだから……少しくらい協力させよう、そう思ったのだった。

久編、完。

>>1より

愛でるって言葉が分からなくなってきた。
でもあと一回で終了するのでお付き合いをば。

ロッカー「俺の出番は?」

>>76
最初は京太郎の可愛さ(笑)に目覚めたひっさによる凌○後、部室にて倒れている京太郎が発見され、白いミルクのようなもので
ロ ッ カ ・ ・
とダイイングメッセージが書かれている

みたいな感じにしようと思ったんだけどまこと若干被るのと流石に汚いからやめた
ロッカーファンには悪いことをしたと思っている

どうしてこうなった……。
俺は、何かおかしなことをしたのだろうか。

咲「……京ちゃん……今日も、ね?」

俺が、間違えたのだろうか。
いや……俺が……。

優希「京太郎……もっとお前に愛されたいじぇ……」

そうか……全部俺が……。

和「お兄ちゃん……私、お兄ちゃんと一緒に寝ないと、ちゃんと眠れなくなってしまいました……」

俺がもっと考えれば……遠くから皆を見守っていれば……。

まこ「ぴちゅ……ちゅう……動くな京太郎……大人しくしとれ……」

俺は………………。

久「ごめん須賀くん……入れる……ね?」

馬鹿だ…………。

どうしてこうなった……。
俺は、何かおかしなことをしたのだろうか。

咲「……京ちゃん……今日も、ね?」

俺が、間違えたのだろうか。
いや……俺が……。

優希「京太郎……もっとお前に愛されたいじぇ……」

そうか……全部俺が……。

和「お兄ちゃん……私、お兄ちゃんと一緒に寝ないと、ちゃんと眠れなくなってしまいました……」

俺がもっと考えれば……遠くから皆を見守っていれば……。

まこ「ぴちゅ……ちゅう……動くな京太郎……大人しくしとれ……」

俺は………………。

久「ごめん須賀くん……入れる……ね?」

馬鹿だ…………。

ん、ミスりました

でも、これでよかったのかもしれない。
皆は麻雀に対して今までよりも本気で取り組むようになった。
勝てばご褒美が貰える、という事に部内で決められたからだ。
俺なんかが部に貢献できるなら、それで……。

その後、麻雀部での行動が問題となり、実績を残していただけに俺が退部を迫られ退部に。
学校中から「麻雀部の女子をたぶらかして悪の道に引っ張りこんだ男」として白い目で見られ、居場所が無くなった俺は、転校を余儀無くされた。
清澄高校麻雀部は俺がいなくなっても快進撃を進めた。
皆が幸せなら……俺はそれで良いんだ。
それに、俺には予感があった。
いつか皆が、俺を迎えに来ると。

コン、コン……

ほら、扉の向こうにもう――――

清澄高校編、完。

>>1より

これにて終了でございます
ご静聴、ありがとうございました

何で京太郎がこんなこと始めたのか、の補足話だけ明日にでも投下して終わりです。

他校?
なんも考えてないねぇ……

乙待ってる
他校やり始めたら際限なくなりそうだし次回で素直にEDでもいいと思われ

>>85
飽きたら終わりだからそのあたりはなんとでもどうとでもっていう。


他校ってなると、モンブチ、永水、宮守、臨海が好きです。
やるならやりやすいモンブチスタートですね。

なので好きなところ攻めていくことにします。

ハギヨシ「どうしたら、私のように…ですか」

京太郎「はい。俺はハギヨシさんみたいな大人の男にあこがれてるんス。今はこう……冴えない感じじゃないですか、俺」

ハギヨシ「そうですか? 京太郎くんは理解力もあって力もありますし、私の良き友人だと思っていますよ?」

京太郎「ありがとうございます……ハギヨシさんだけです、俺にそんな優しい言葉をかけてくれるのは…!」

ハギヨシ「そ、そうですか…」

京太郎「でも、俺は生まれ変わりたいんです! 女子にモテたいとか、そういうんじゃないです全然! いやごめんなさい嘘つきましたちょっとだけあります!」

ハギヨシ「私も女性にモテるとかそういうことは無いのですが…」

京太郎「何を言っているんですか!? 道を行けば女性の視線を集め、龍門渕女子麻雀部員からも評価の高いハギヨシさんがばんなそかな!」

ハギヨシ「そうですね…私は女性に対して、女性としての興味を持ったことはありません。見守っている…というような視線で接することがありますが」

京太郎「見守る…それをすれば、俺も…」

ハギヨシ「ああ、変なことを吸収しようとしないでください。そうですね……わかりやすく言えば、京太郎くんの場合、愛でる…というような感じになるのでしょうか?」

京太郎「愛でる?」

ハギヨシ「昔、ひまわりなどを育てたことはありませんでしたか?」

京太郎「あ、小学校の時に育てましたね」

ハギヨシ「毎日水をあげて、時折話しかけて、世話をして…あれとは若干異なりますが、そんな感じでしょう」

京太郎「なるほど…」

ハギヨシ「そうだ、京太郎くんにはカピーがいるじゃないですか。カピーに接するように女の子たちに接してみたらどうでしょう?」

京太郎「な、なるほど……! わかりました! 俺、やってきます! 今日から俺、生まれ変わりますから! 存在感があって、麻雀も強くなる…そんな人生にしたいんです!」

ハギヨシ「はい、頑張ってください」

これが、始まりでした。
私は何の気なく、京太郎くんにアドバイスをしたつもりでした。
それが、京太郎くんのためになると、そう信じて。
次に京太郎くんが姿を見せたのは、一週間後でした。
疲弊してるような、どうしたらいいのかわからないような、そんな印象を受け、私は少し心配になりました。
ですが、事情を聴いて、苦笑してしまいます。

ハギヨシ「なるほど…宮永さんと片岡さん、それに染谷さんにもそんなことを…」

京太郎「愛でるって難しいです、ハギヨシさん。俺、上手くやってるつもりだったのに…」

ハギヨシ「話を聞いた限りでは、そうですね…愛でるというより、なんでしょう…口説くというほうが正しい気がします」

京太郎「カピーに接するように接したんですが…」

ハギヨシ「私の表現がまずかったですね。それではええと…そうだ、では自分を演じてみるのはいかがでしょう?」

京太郎「……自分を、演じる…?」

ハギヨシ「相手を女性とは思わず…そうですね……そうだ、家族とか、そういうものだと認識する、とか」

京太郎「ううん…ちょっと難しい感じですねぇ……」

ハギヨシ「大丈夫です、私と練習しましょう。数少ない友人の悩みですから、できうる限りの協力をさせていただきますよ」

京太郎「は、ハギヨシさん…!」

ハギヨシ「付け焼き刃ですが、京太郎くんならできます。それでは早速練習しましょう」

私は京太郎くんに演技指導…心の底からそう思えるように、練習をしました。
最終的に京太郎くんが私のことを「兄貴」と呼ぶまでに至り、ひと段落しました。
後遺症としてその後たまに私のことを本当の兄と思うようになることがありますが、それはそれで個人的には嬉しいことですので、おいておくことにしました。
あの時の笑顔を見ると、今度こそ上手くいく、とそう思ったのです。
その希望も、さらに一週間後には砕かれることになりました。

京太郎「失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した……いや……性交した性交した性交した性交した性交した性交した性交した」

ハギヨシ「………京太郎、くん…失敗して性交してしまったんですね…」

京太郎「信じられますか、ハギヨシさん。俺、今非童貞なんですよ?」

ハギヨシ「落ち着いてください…まさかこんなことになるとは…申し訳ありません、私が至らないせいで…」

京太郎「や、やめてください…ハギヨシさんは俺のために…うっ…うっ…」

ハギヨシ「…困ったことがあったら、いつでも相談してください。私は京太郎くんの友人として…協力を惜しみませんから」

京太郎「兄貴……あ、あり、ありがとう…」

泣き崩れる京太郎くんを抱き留め、いずれ眠るまで頭を撫でてあげました。
京太郎くんはまるで子供のように泣き疲れ、私のベッドで寝息をたてています。
やってしまった、と思うにはあまりに遅すぎました。
私は京太郎くんの素質を見誤っていたのだから…。

その僅かひと月後、京太郎くんは学校にいれなくなったから転校することになった、もしかしたら引っ越しする、その前にあいさつを、と私のもとに訪れた。
私はそれなら私が話を通しておくから龍門渕に…と京太郎くんを誘った。
幸いにもお嬢様たちと面識もそれなりな交友関係もあるので、許可は下りるだろう。
京太郎くんは、疲れたような笑みを浮かべて、私にありがとう、と言った。
一瞬クラッとした。
この破壊力は……清澄高校が壊滅したのも頷けてしまう。
もしかしたらお世話になります、と弱弱しく言って帰っていく京太郎くんの背中を見守った。

後日、改めてお世話になりたい、というようなメールが来て、早速お嬢様に掛け合った。
事情を知ったお嬢様は問題ない、と受け入れてくださった。
このままだと彼の人生によくない影響がある…私のやるべきことは、こちらに来た京太郎くんを矯正することだ。
そんな使命感に燃え、私は今日も仕事に従事るのだった。

元凶編、完。

>>1より

次回、モンブチ編、スタート

まず自分の書いた話を読み返してみ?
色々とおかしいとは思わんか?

>>94
分からんから説明求ム

元凶編は特に何も考えずに書いたから統合性取れてないかも知れんけど

彼女でもない女の子の体に触ったりキスしたりすることを愛でるって本気で京太郎が思ったのなら
この京太郎はとんだ白痴だな

>>100
最初からカピーにやりそうなことを想像しながら書いてたから…
俺は猫飼ってたから猫をイメージしてたけど、キスっていうかチュッチュみたいな感じのことはしてたなーと。

文句つけられたからって必死こいて自演してて草

>>108
お、なんでも自演にしちゃう系男子かな?

そりゃ文句もつけられるよねーだって犯罪だし(白目)
愛でたいって言ったくせに愛でるについて理解してないとこうなっちゃうけどご都合主義な能力が開花した主人公ってことにしたのでもう犯罪を楽しんでくださいってことにします。

久しぶりの休みですわぁ……
モンブチ編、ぼちぼち書き進めていくので…

純「お前は女の扱いがなってねーんだよ」

京太郎「はい。深く承知しております」

純「清澄の調子が異常に良くなってた理由はわかったけど、男とはなぁ…」

純「しかも男一人にって、相当だな」

京太郎「だれか一人でも、その異常を理解して引き返すことができればこんなことにはならなかったかもしれなかったんですけどね」

純「お前が言うなっての」

京太郎「はは」

純「真顔で乾いた笑いすんのやめろ」

目の前で死んだ魚の目をした野郎を見てると、思い切り頭を殴り飛ばしたくなる。
こいつからいろんな話を聞いたが、女々しい野郎という感覚がオレの印象だった。
流されるまま女たちと関係をもって、収拾がつかなくなったから逃げてきた。
情けねぇ野郎。
それを何回か言ってやったが、こんな調子だ。

純「チッ……」

京太郎「舌打ちなんてしないでくださいよ。俺だって、どうしていいかわからなかったんですから」

純「その淡々としたしゃべり方、いい加減どうにかなんねぇか?」

京太郎「ごめんなさい」

純「努力する気は無い、と捉えてよさそうだな」

京太郎「………」

イライラしながら、それでもオレはなぜかこいつを気にしてしまう。
何故かはまったくわからん。
顔も中の上くらい、麻雀も強くないし腕っぷしも強くない。
頭は少しだけ良いみたいだが、それだけだ。
それでも。
オレはなぜか。
こいつに関わろうとしてしまう。
……こいつ見てると、放っておけない、とそんなふうに思っている。
なるほど、これか。清澄の五人を陥落させた手腕ってのは。

純「…………はぁ。ま…なんかあったらいつでも言え」

京太郎「はい。ありがとうございます」

頭を下げて、さっさと歩いてどこかへ行ってしまう。
一瞬引き留めようとして、我に返って背中を見送る。
どうしても気になっちまう。目で追ってしまう。
自分の中に芽生えた感覚が自分をわからなくさせる。
何を考えてるかもわからない真顔で、学校をうろうろして、屋敷でもうろうろして。
気が付くともう会えなくなりそうな危うさを感じて、追うように探してしまう。
ったく、あいつのことをさんざん情けないとか言っておきながら、自分が情けなくなるぜ。
須賀の前の学校でのことを聞いてんのに、須賀を意識するようになっちまうんだから、ただのバカだぜ。
オレはもう遅いっぽいから、せめてほかの奴が二の舞にならないように気を付けねーとな。

そんな言い訳を、ずっとしている。
自分でわかっている。ただの言い訳だ。
ただ須賀を独占したいと思っている。それを隠すための言い訳だ。
情けねぇ。百戦錬磨のこのオレが、まさかどうしようもないバカ男に惹きつけられてんだから。
もしかしてオレってダメ男を好きになるタイプなのか?
そんなことを考えていると、須賀を見つけた。
声をかけようと。そう思って。

京太郎「ふふ……それは、楽しそうですね」

透華「ええ! 京太郎も今度は是非」

――――――身体が勝手に動いていた。

純「須賀」

須賀の腕をとる。
須賀は、初めてみるような、驚いたような、怯えたような顔をオレに向けた。
急に胸が苦しくなる。

透華「…純? 急にどうしたんですの?」

純「―――え? あ…あぁ…悪い」

パッ、と手を放す。
透華が……え? なんだ、その目。
オレに対して、少しだけ敵意を感じた。

京太郎「純さん」

その視線に面食らっていると、今度は須賀がオレの手を握ってきた。
相変わらず、オレに対して怯えたような顔を向けている。
なんなんだよ。そんな顔すんなよ。オレに向けるなよ。なんでだよ。意味わからないんだよ。

京太郎「こっちに来てください。透華さん、また今度、お話しましょう」

透華「あっ」

力強く、オレを引っ張って連れていく。
遠くで透華が悔しそうに顔を歪ませているのが見える。
あぁ…お前も、もう…。

須賀が連れてきたのは、空き教室だった。

京太郎「………お願いだから、怒らないでください。お願いします。なんでもしますから、怒らないでください」

純「……あ?」

京太郎「俺のこと好きにしていいから、怒らないでください。お願いします」

須賀が、オレに対して懇願している。
声は相変わらず淡々としているが、脅かされた小動物のように体を小さく震わせて俺に抱き着いてきた。
イマコイツ、ナンデモスルッテイッタカ?
ナニシテモイイノカ?
オレの頭の中で、須賀の言葉が何度も反芻する。

純「……ッ…! な、なんだよいきなり! 怒ってないっての!」

ギリギリで踏みとどまる。
危なかった。今のはかなり危なかった。クラッと来た理性を立て直すのに、少しだけ時間が―――

京太郎「純さんの怒ってる顔、すごい怖いです…純さんは、笑顔のほうが、素敵です…かっこよくて…でも可愛くて…俺、純さんのそんな表情が好きなんです…」

気が付いた時には、須賀を床に引き倒していた。
小さく声をあげる京太郎。だがオレは悪くない。
悪いのは、オレを誘惑したお前だ。

須賀に覆いかぶさるようにして押さえつける。
須賀は…覚悟を決めたかのように、目を閉じていた。
強引に唇を奪う。ガードは緩く、あっという間に舌を侵入させることに成功した。
もうダメだ。ここまで来たら引き返せない。勿体なさすぎるそんなもん。
須賀が可愛い。なんだこいつこんな可愛かったのか。最高じゃねぇか。なぁ。

京太郎「大丈夫です。俺はなんでもしていいですから…」

オレの背中に腕を回して、ギュッと抱きしめてくる。
右手で頭を撫でて、首筋にキスをしてくる。
可愛いじゃねぇか。だけど。

純「そんな可愛いもんじゃ、許してやらねぇからな」

一時間後。
須賀をお姫様抱っこして、保健室に寝かせてやる。
不思議と心は解放感にあふれていた。
罪悪感は感じない。オレは悪くないからな。
オレに火をつけたのはこいつ。
だから、オレはこいつを徹底的に愛してやった。
それだけだ。
さて、問題はただ一つ。

純「こいつを独占できるかどうか、だ」

純編、完。

>>1より。

愛でる?→イチャイチャ→兄妹愛→逆レ→男女逆転←イマココ

俺はいったい何を書きたいんだろう…でも純ニキかっこ可愛い…

タイトル詐欺だよねとかそれ以上いけない

もう1キャラ進めます

透華「……京太郎さん。純とずいぶん仲がよろしいようですわね」

京太郎「はい。俺はみなさんと仲良くなりたいですから」ハハ

透華「それは良いことですわ。ですが……少し、近すぎですわよ」

京太郎「そうですか? ……そうなんですね。ごめんなさい、これからは気を付けます」

透華「…………はぁ……ごめんなさい、別にこんなことを言いたいわけではなくて…」

京太郎「いえ。透華さんが怒るのは俺が何か悪いことをしたからですよね。透華さんが意味もなく俺を怒るなんてそんなことあるわけありませんから」

透華「……う。………その…」

京太郎「どうかしましたか? 俺はなんでも聞きますよ」

透華「…京太郎。あなた――」

衣「きょーたろー!」

京太郎「おっと……どうしましたか、衣さん」

衣「なんでもないぞ! ……おはようだぞ、京太郎?」

京太郎「あぁ…はい。おはようございます」ナデナデ

衣「んっ! えへへ……きょーたろーは本当に撫でるのが上手いな!」

京太郎「ありがとうございます。………撫でるのは、慣れていますから」

衣「ん?」

京太郎「いえ」

透華「………」

京太郎「あ…ごめんなさい、透華さん」

透華「いえ」

衣「トーカ? いたのか」

透華「ええ、最初から」

衣「京太郎! 暇なら衣の部屋で遊ばないか?」

京太郎「はい。良いですよ。では行きましょうか。透華さん、失礼します」

透華「ええ。衣、京太郎さんに迷惑をかけてはいけませんわよ?」

衣「言われなくても大丈夫だぞ! じゃあな!」

二人の背中を見送る。
心の中で渦巻く気持ちは、それでも奥の方に引っ込めようとする。
大丈夫。まだ自制は利く。
……まだ、二か月で、こんなことになっているなんて、私も時間の問題かもしれない。
それでも……それでも、私は…。
振り返って、自室に戻ろうとしたところで、人影に気がついた。
純が、物陰にいた。私の背後を、物凄い形相でにらんでいる。

純「………」チッ

透華「……あら、純。どうかしましたの?」

純「………ん? あ? あぁ、透華か。いや、なんでもない」

透華「…そう? 今の純、とても怖い顔をしていましたわよ?」

純「なんでもねーって」

透華「純。入れ込みすぎてはいけませんわよ。京太郎さんがなぜここにいるのか、その意味を改めて―」

純「透華。お前、今の顔鏡で見てみろよ。似たようなもんだぜ、オレたち」

透華「……私は、京太郎さんに迷惑をかけるつもりはありませんわ。いくら魅力的でも……これ以上京太郎さんの心を壊したくは無いの」

純「……オレだって、そんなこと望んでねーよ。だけど、仕方ねーだろ。須賀が悪いんだ、須賀が……」

純は、そう言って、歩いていってしまう。
純も、もうダメなのだろう。抑えきれない欲求に従ってしまっている。
私もできるのなら―――。

透華「ダメですわ。そんなの……絶対に」

私は、京太郎さんを傷つけたくない。
でも……もう……。
一も。智紀も。純も。…それに、衣も。
京太郎さんに骨抜きにされてしまっている。
京太郎さんがそこにいるだけで、笑顔になる。
京太郎さんがほかの人と話していると、険しい顔になる。
京太郎さんが構ってくれると、照れたような乙女の顔になる。
京太郎さんが笑顔をみせると、熱っぽい視線を向ける。
そこで、気付いた。

それはすべて、私にも当てはまることだということに。
私も、もうずいぶん前から、彼に骨抜きにされてしまっていた。
純は……我慢なんて知らない。
己の欲求に従い、京太郎さんを愛している。
智紀も、遠慮なんてしない。
気が付いたら京太郎さんの近くにいて、あの手この手で京太郎さんを誘惑している。
一も衣も、そちらには疎くても、女性として京太郎さんを手中に収めようとしている。
私だけ。私だけがずっと我慢している。
なんで我慢なん私だけは京太郎さんの安らげる人でいよう。
皆我慢なんてしてないの疲れ切った京太郎さんを癒したい。
私だって京太郎さんのことが好そしてきちんと療養できた時に。
私だって京太郎さんを思うままに蹂躙愛を伝えて。
京太郎さんのことが一番好きなのは私でそれだけは誰にもき。
もう我慢なんていらない。

京太郎「透華さん…」

透華「ごめ、ごめんなさい……ぐすっ……ごめんな、さい…」

快楽に、身体を支配されて。心まで支配されて。
私は京太郎さんを無理やり部屋に連れ込んで。二人とも裸で。
私は京太郎さんに跨っていた。
私を見つめる、虚ろな瞳。
何を、しているの。私は。
結局、何も変わらない。
馬鹿みたいに、京太郎さんの上で獣のように腰を振って、京太郎さんを愛していた。
何も変わらない。
一方通行。京太郎さんに愛されることは無い。彼はもう。

透華「ごめん…ひっぐ……なさ…」

私の頭を優しく撫でて、私を慰めようとしてくれる。
でも、その手は暖かいはずなのに、どこか冷めていて。
機械的なものを感じてしまった。
なのに……なのになのになのに!!!!
それですらも私は愛おしい! 愛された気になってしまう!!!
頭は違うと理解しても!!! 心が理解してくれない!!
これが…愛なんだと…無理やり…想おうと……。

京太郎「大丈夫です。大丈夫ですよ。俺は大丈夫です。大丈夫ですから。泣かないでください。透華さんには笑顔が似合っています。透華さんの笑顔が俺は好きです」

機械的。どこまでも機械的な反応。
大丈夫、大丈夫とただ繰り返すだけ。
でも。それでも………私は京太郎さんの言葉に反応して、無理やり作った笑顔を向けた。
笑顔なんて作れる心境じゃない筈なのに。京太郎さんの言葉が胸に届いた瞬間。
自分でもわかるほどに、ぎこちない笑顔を作った。
心の底まで魅了されている。
この須賀京太郎という男性に。
もう、這い上がれない。底の無い沼にはまっていく。
心地よくて、暖かくて、冷たくて、気持ちいい。
そんな沼に。抜け出さなくてはいけないなんて気持ちには1ミリもなれない。
貪るように唇を奪う。
もっと気持ちよくしてあげたいという欲求がこみあげてきて、動きを早くする。
いや違う。私が気持ちよくなりたいだけ。
京太郎さんをもっと感じて、私をもっと感じさせたい。
すべてを得たい。この京太郎さんを。
誰にも渡したくない。ダメ。もうダメ。ダメダメダメダメダメダメダメ―――

京太郎「透華さん。泣かないでください。そんな笑顔じゃ嫌です。もっと…いつもの透華さんの笑顔が見たいです。俺、透華さんのこと、好きですから」

頭の中がグチャグチャになる。
ほんの数センチだけ繋がっていたであろう理性の糸が、完璧に焼切れた。
心臓が跳ねた。好き。好き好き。好き好き好き好き。
好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキ――――――――――――――――――――――――――――

私は愛に狂った。

透華編、完。

>>1より

へへ、萌えたろ?(白目)

可愛い女の子が書きたかったはずなのになーおかしいなー

ちょっと書いて投下します智紀編

智紀「気持ちいい?」

京太郎「はい。柔らかいです」

智紀「よかった」

京太郎「チュッ……んっ…」

智紀「おっぱいでないのに……吸ってる……おいしい?」

京太郎「んちゅぅ……はい…暖かいです…」

智紀「私も気持ちいい」

京太郎「よかったです」

智紀「こっち向いて」

チュゥル……チュッ…チュッ…

智紀「んはぁ……もっと京太郎のこと感じたい…」

京太郎「チュッ…ん…俺はいつでも傍にいますよ」

智紀「朝まで……このまま……」

京太郎「はい。ずっとここに」

チュッ……チュゥ……ピチャ……

…………………

…………

卑怯者。なんてわかってる。
それでも、京太郎がいるならなんでもいい。
私の思考はそこまで壊れてしまっている。
京太郎が来て数か月。わずかそれだけで。
龍門渕の関係は崩れ去っていた。

抗おうとはした。
清澄のことは聞いていたから。
でも無理だった。
この京太郎はするりと。
驚くくらいにあっというまに。
私の心の深くにまで到達してしまった。

最初はただの男の子という印象しかなかった。
これが原因で清澄が? とも思いはした。
でも今ならわかる。
いや、それが分かった時にはもう遅い。
これは最悪の猛毒だった。いつ服毒したかも分からず、気付いた時には引き返せない。
何度もその毒を求めてしまう。
毒はいつか快楽となり、精神を蝕む。
それ無しでは生きていけなくなるくらいに。

もう誰も引き戻せない。
誰も。私も。おそらく清澄も。
引き戻したいとも思わない。今のこの幸福を捨てるのは絶対に無い。
今日も私は京太郎を貪るように愛する。
私のことを受け入れてくれる京太郎を、いつまでも。

純「最近、調子に乗ってねぇか、智紀」

智紀「………」

純「京太郎はお前だから受け入れてくれてんじゃねぇ。私だろうと透華だろうと、あいつは誰だって受け入れるんだ」

智紀「………」

純「おいっ!」

純を無視して行こうとすると、突き飛ばされて壁際に押しやられた。

純「………何考えてるか知らねーけど、あんまり」

智紀「京太郎を譲る気は無い」

純「…っ!」

智紀「別に純がどうするかに興味無い。私は私の思うまま、京太郎に愛される…それだけだから」

純「智紀……!」ギリッ

睨み付けてくる純を避ける。
苛立たしげにしている純だったが、これ以上追及する気は無いようだった。
と、次は一が目の前に立っていた。

一「………」

智紀「………」

何も言わず、私を見ている。
その瞳は、濁っている。何を見ているのかわからない、そんな印象を受けさせる瞳。
私を見ている。だけど私を認識していない。
そんな風に思った。

一「……さない」ブツブツ

智紀「………」

一「………ない……」ブツブツ

智紀「………」

ボクの京太郎は渡さない。
そう言っている。
京太郎がだれかと話していると、こうしてずっと呟いている。
自分に勇気が無いのを、他人のせいにしている。
京太郎に愛されない自分を、他人のせいにしている。
唇から血が出ている。それでも気にしない。
目の下のくま。ボロボロになった爪。ひっかき傷のある腕。
そんなことも気にせず、一は京太郎を想い、近づく者をただ憎む。
見ていられなくなり、視線を逸らす。

どうして。

そんな言葉はもう忘れた。
今はただ……

どうやって。

衣「んっ! えへへ……きょーたろーは本当に撫でるのが上手いな!」

京太郎「ありがとうございます。………撫でるのは、慣れていますから」

どうやって。出し抜こう。
それだけだった。

京太郎「智紀さん? どうかしましたか?」

智紀「…あ。…なんでもない」

可愛い京太郎。私のことを優しく包んでくれる京太郎。
私に甘えてくれる京太郎。私に愛を注いでくれる京太郎。
何度も。数えきれないほど愛し愛され。
愛なんて存在しないことを知りながら。それでも。

京太郎「ん………そうですか。それでは、おやすみなさい」

智紀「うん……」

皆がおかしくなるのを見ていながら。
自分がおかしくなるのを感じながら。
何度も何度も。
京太郎を感じ続けたい。

智紀「………」

京太郎「…………う……ああ……俺は…こんなの……望んで………やめて……」ビクッ

智紀「………」ナデ

京太郎「みんなおかしいよ………こんなこと間違って………」

智紀「………………」ナデナデ

京太郎「嫌だ………嫌だ……あ……あぁ……」

智紀「……………………」ナデナデナデナデ

京太郎「あぁぁぁああぁあああぁぁぁぁあぁぁぁぁ―――」

智紀「……………………………」ナデナデ……

京太郎「う……ひっく…………」

智紀「……………」ズキッ

間違ってる。
こんなの絶対間違ってる。
おかしい。
おかしいおかしいおかしいおかしい。
おかしくなんて無い。京太郎のことを愛することは仕方がないこと。
でもおかしい。間違ってる。あってはならない。こんなこと。
京太郎の心なんてどこにもない。間違ってる。
なんで。
京太郎はこんなことになって……。
みんなおかしい。私たちも。清澄も。だれもかれも。
京太郎がこんなに傷ついてるのに。
誰も彼を見ようとしない。本当の彼を。
なんで。
こんなことに。
なったんだろうね。
京太郎。
京太郎。
京太郎。
京太郎。
京太郎。
京太郎。
京太郎。
京太郎。
京太郎。
愛してる。

智紀編、完。

>>1より
シュタインズ・ゲート・ゼロ
をやっていたら、こんな時間になってました。
相変わらず引き込まれる内容で面白いですね(ステマ)

こっちも相変わらずこんな内容です。
狂気って良いですよね。

こちらも続けますが、近いうちに別に傀太郎スレでも立てるかもしれませんので、気が付いたらそちらもよろしくお願いします。

私もスレタイに関して思うことはありますが、もう舵取りはこうなったので諦めました
可愛い女の子は他の人が書いてくれますでしょう……私にはおかしくなった女の子しか書けないようです
ワンチャン建て直しまで

おはようございます。
今から一編書きます

最近、皆がおかしい。
少し前にこちらに来た京太郎ばかり構っている。
何をするにも優先しているような気がする。
好意のようなものを向けているような気もする。
ありえない話だとは思うけど、そうなったら全力で止めないといけない。
清澄の二の舞になる訳にはいかないから。
だからボクがなるべく傍にいるようにしている。
元々透華にもそういう風に言われていたし、絶対に邪魔しないといけない。
絶対に。

京太郎「おはようございます、ハジメさん」

一「うん、おはよう」

京太郎「毎朝ありがとうございます。今起きますので、良いですか?」

一「うん、今退くね」

京太郎の上から退くと、苦笑いをしながら京太郎が起き上がる。
どうしたんだろ? 寝覚めが良くなかったのかな?
嫌な夢でも見たのだろうか。
うん、今度は一緒に寝てあげよう。
やっぱり京太郎も不安なのだろう。
清澄でいろいろあって、知り合いのいない場所に縛り付けられてるものだから気を張っているんだ。
そうに違いない。

京太郎「どうしました? 俺をじっと見て」

一「え? ううん、なんでも」

そんなに見てたかな。
気を付けないと。
そんなことより今日は休み、毎週休みの日は京太郎を外に連れ出している。
早く良くなってほしいと思って始めたことだったけど、いつの間にかボクの方が楽しんでいるような気がする。
まぁ一緒に楽しむ分には悪いことじゃないよね?

京太郎「今日もどこかに行きますか?」

一「うん。どこか行きたいところでもある?」

京太郎「いえ、俺は別に行きたいところは特にありません。いつもすいません」

一「謝らなくても良いよ。そうだね、じゃあ」

その時、部屋の扉がいきなり開けられた。
純くんが入ってきた。
なんで。

純「よー起きてるか京太郎?」

一「おはよう純くん。何か用事?」

純「お前じゃなくて京太郎に用事なんだけど」

一「………」

京太郎「はい。どうかしましたか?」

純「今日休みだし、どっか遊びにいかねーかと」

それはボクの役目。
何かってなことしてるのかな純くん。
ボクがやるっていっつも言ってるのに。
とうとう無理やり部屋にやってきた。
断るよね京太郎。だって今日はボクとでかけ

京太郎「はい。大丈夫ですよ。いつもハジメさんについてもらうのも、申し訳ないですし」

一「………は?」

純「おう! んじゃあ待ってるぜ!」

なんで。どうして。申し訳ないってなに。
意味わからない。

純「………へっ」ニヤッ

バタン

一「……!!!!」

なに、勝ち誇った顔してるのかな。
ボクはみんなの為に進んでこんなことしてるのに。
そんなことも分からないでバカみたいに京太郎に言い寄って。
透華ももっと賢いと思ってたんだ。
なのに……。

京太郎「あの…どうか、しました?」

一「……なにが」

京太郎「…こ、怖い顔、して」

一「あ……」

なにしてるんだボク。
落ち着け。京太郎を怖がらせちゃダメだ。
深呼吸をしよう……。

一「すぅ……はぁ……ん、いや、ごめん大丈夫だよ。でもボクが一緒に行くって言ったよね?」

京太郎「いえ……いつも俺に無理してついてきてくれるのが申し訳ないと……ハジメさんだってやりたいこともあるだろうに…」

一「え?」

そっか。ボクの為にそんなことしてくれたんだ。
良かった。ボクの為なんだ。本当京太郎って優しい。
ボクのことなんて気にしなくていいのに。
でも嬉しい。京太郎に気遣ってもらえるなんて。

一「……ありがとう、京太郎。でもボクは好きで京太郎と一緒にいるんだから、気にしないで良いよ?」

京太郎「そうなんですか? それなら良いんですけど…」

一「だからもう勝手なことしないでね。ほかの人に何か言われても、絶対に受けちゃダメだよ?」

京太郎「っ…はい。ごめんなさい」

せっかく京太郎がボクを気遣ってしてくれたことなんだし、今日は一人でゆっくりしよう。
うん、そうしよう。
一日くらい純くんに渡しても、大丈夫。
うん。大丈夫だよ。

京太郎「あの……」

一「じゃあ準備しないとね! ほら、行くよ?」

ボクは京太郎と純くんを見送って、部屋に戻る。
久しぶりに一人だ。
ゆっくりしよう。何しよう?
………京太郎が来るまで、ボクって何してたっけ。
ああ、そうだ。手品の練習をしていた気がする。
最近はやってなかった。うん、やろう。
……………………。
……京太郎、今なにしてるかな。
いつも一緒にいたのに、いないとなんか、不自然だ。
ツマラナイ。
外に出よう。一人で部屋にいても京太郎のことしか考えられない。

カチ ピッ

京太郎「………で」

純「………ははっ」

うん。京太郎楽しそうだな。
最初に出会った時よりも、ずっと元気になった。
うん。良いね。良いよ。ボクのおかげで元気になった京太郎を見るのはすごくいいね。
隣にいるのが、何の苦労もしてない純くんなのが気に食わないけど。
良いよ。今日くらいは許してあげる。

カシャッ

家に帰ってきた京太郎を出迎える。

一「おかえり京太郎、純くん」

純「おーただいま」

京太郎「ただいまです」

一「楽しかった?」

純「楽しかったよな京太郎」

京太郎「はい。久しぶりにボーリングに行きました」

一「へぇ、そうなんだ。良かったね」

三連続ストライク、かっこよかったよ。
京太郎って、運動も得意だったもんね。
そうだよね、ボクと遊びに行くときはあまり動いたりしてなかったから、たまにはそういう遊びもしたかったよね。
ごめんね。

楽しそうに話す二人。
ボクは部屋に戻り、今日も京太郎の調査報告書を書いている。
透華に頼まれた仕事だ。200枚もの写真が貼られた本。
今日の京太郎の精神状態や何をしたか、事細かに書いていく。
書き終えて、京太郎の部屋に行った。

チュッ………ンッ……

一「……………」ガリッ

チュウ……京太郎……

一「…………」ガリッガリッ

ガリッ ガリッ ガリッ ガリッ ガリッ
ガリッ ガリッ ガリッ ガリッ ガリッ
ガリッ………ツー……

一「痛いなぁ……アハハ…痛い……痛いよ…京太郎……痛いよぉ……」

二人の情事が終わるのを待って、部屋をノックする。
あわてるような音と、少ししてから透華が出てきた。

透華「あ、あら…一でしたの…どうか、したのかしら?」

一「透華? ごめん、何かしてた?」

透華「い、いえ! おやすみなさい!」

部屋から出ていく透華。
中に入ると、少しだけ息を荒げた京太郎がいた。
……………アハハ。こんな状況を残して何もないなんて、冗談だよね透華。

京太郎「こ、こんばんは…」

一「こんばんは。邪魔しちゃったかな?」

京太郎「いえ、そんなことは。どうかしましたか?」

一「……京太郎。最近京太郎、ちゃんと寝れてないんじゃないかな?」

京太郎「え?」

一「だから、一緒に寝てあげるよ。さみしいんだよね? 大丈夫、ボクが一緒にいてあげるから」

京太郎「………い、いえ、俺は…」

なんでそんな顔をしているの。

一「………透華はよくて、ボクはダメなんだ…?」

ガリッ!

京太郎「!! いえ、そんなことはありません! は、ハジメさん、腕から血が…」ソッ

一「何言ってるの? よくわからない。京太郎、疲れてるんだよ。寝よ?」

京太郎「………はい…俺は大丈夫です……俺はハジメさんのそばにずっといます…」

一「ボクも、京太郎のそばにずっといるよ……」

京太郎がボクの頭を撫でてくれる。何度も何度も。
愛しいものを触るように、ボクを優しく抱きしめて。

カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ

京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎
京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎今日は京太郎が京太郎京太郎京太郎京太郎京太
郎ボクと遊んでくれた京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太
郎京太郎京太郎京太郎京太郎透華に頼まれ京太郎京太郎京太郎京太郎京太京太郎
京太郎京太郎調査報告書京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎何度書いても尽
きることはない京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太
京太郎嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘全部ウソ!!!!!!ボクは京太郎のストー
カーになっている!!!!!ボクは京太郎のことを常に監視して盗聴してGPS
で行動を把握してなくちゃ気がすまない!!!調査報告書なんて全部デタラメ!
!!!!ただ京太郎のすべてを知りたいだけなんだ!!!!!!そんなこと透華
に頼まれてなんていない!!!!全部ボクの妄想なんだ!!!アハハハハハ!!
京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎
京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎
京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎
京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎京太郎

(それ以降、京太郎とだけ延々羅列している)

一編、完。

>>1より

久しぶりに愛で要素が出せました。
若干スレタイに近寄っていますね。

それよりも一ちゃんの口調がこれで良いのか不安でしたが、可愛いのでこれで良いです。

息抜きに衣編書き始めます

京太郎が好き。
初めて会った時から、衣は京太郎に恋をしていた。
囚われて一人ぼっちだった私を、迎えに来てくれた。
でも、京太郎が向けてくれる笑顔はとても寂しいもの。
何故京太郎は、そんな笑顔をするんだ?
私が見たいのは、心の底からの笑み。

衣「………そんな、妄想を抱く衣は、何処へ向かうのだろうな」

京太郎「はい?」

衣「いや、戯言だ。気にするな、京太郎」

京太郎「分かりました」

衣「うむ」

最近、衣は妄想に耽っていた。
透華たちに縛り付けられ、囚われている衣を助け出す京太郎の話だ。
寝ても覚めても、そんな訳の分からない物語が頭の中に紡がれている。
意識を外すと、途端にそれが現実なんだ、と思い込もうとする自分がいて、恐怖を覚えたこともあった。
京太郎は危険だ。
衣はそう判断した。
もはや、この家にまともな人間は一人としていない。
純は、力で京太郎を制しようとした。
強引に幾度となく京太郎を抱いただろう。
透華は、欲望を抑えようとしていた理性が崩壊した。
もはや京太郎を求めることに何の躊躇もしないだろう。
智紀は、その豊満な肉体で京太郎を誘惑した。
貪るように、何度も何度も京太郎を食らい続けた。
一は、京太郎を観察し続けた。
全ての媒体を利用して、京太郎を見、聞き続け、記した。
そして衣は……妄想激しく、自分を悲劇のヒロインと思い込み、京太郎に縋ろうとしている。
衣には予感がある。何れ、今の衣はいなくなり、あの衣こそが本物になるだろうと。
でも、衣にはそれを止める術は無い。
この衣も、京太郎を求めるのだ。
あの衣だけじゃない、この衣も。強く京太郎を求める。

誰にも渡したくない。
全てを己の自由にしたい。
寝、起き、活動する、その全ての時間に介入したい。
縛り付けたい。
閉じ込めたい。
犯したい。
その全てを。

あの衣は狂っている。
衣はそう考えていた。
だが、この衣も狂っている。
普通なんかじゃない。
このまま行くと、本当に取り返しのつかない事態になる。
理解はしている。予想もできてる。
それでもしがみ付く。
京太郎という甘い蜜を離したくない。
衣はここまで愚かだっただろうか……。
大事なみんなを犠牲にしてまで、モノに執着する。
自分が大嫌いになった。

京太郎「衣さん、あーん」

衣「あーん! 美味しいぞ! 京太郎、あーんだ!」

京太郎「あーん……本当、美味しいですね」

思考が蕩ける。
馬鹿みたいだ。
冷静に衣を観察する自分がそう告げた。
だからどうした。
だからどうした?
馬鹿はお前だ。
馬鹿はお前だ!!!!!!

衣「京太郎、衣の頭を撫でてほしい」

京太郎「はい。俺でよければ」

衣「京太郎じゃなきゃダメだぞ!」

京太郎「それは嬉しいです。ありがとうございます」

衣「ふにゅ……」ニヘラ

どうして京太郎を手放せる。
こんなにも愛しい京太郎を。
好きなんて感情じゃもう言い表せられない。
愛してるなんて感情でも抑えきれない。
この気持ちはなんと言うのだろう。
私には分からない。
分からなくても良い。
もうどうでもいい。
私を救い出してくれる京太郎に全てをささげるだ

ザザッ!!

衣「ッ!」

京太郎「衣さん? 大丈夫ですか?」

衣「あ、あ…あぁ……少し具合が悪いから、お手洗いに行ってくる…」

京太郎「は、はい」

洗面台へ向かい、顔を洗う。
何度も水をかける。
あぁ……もう、永くは無い。
衣は、もうそろそろ死ぬ。
そして京太郎を病的なまでに愛し、信頼し、追いかけ続ける衣が絶対的な存在として誕生する。
今なら、まだ引き返せ

ザザッ!

衣「あぐっ! ぐっ…は、はぁ! はぁ…!」

頭に霧がかかり、電流のようなものが走る。
自分がどうなってるのか分からない。分からなくて、怖い。
戻りたい。皆で楽しく過ごしていたあの日々に戻りたい。
京太郎を含めて、仲良く平穏に過ごしていたあの日々に。
無理だ。
もう誰も戻れない。
衣一人だけ、今から戻っても、もう傍には誰もいない。
誰も、いない……トーカも、一も、純も、智紀も……………。

衣「う……あぁ……! あぁあぁあああ……」ポロポロ

膝が崩れ落ちる。
涙が溢れ出て、止まらない。
嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!
もう一人になんてなりたくない!!
せっかく……せっかく…!

衣「うぅうううううぅうう……!!!!」

プツンッ

泣いている私を、京太郎は迎えに来てくれる。
きっと来てくれるんだ。
私はそう信じてる。

京太郎「衣さん? だいじょう……衣さん!?」

ほら、来た。
来てくれるんだ。京太郎は。
本当に私を想ってくれる。
意地悪な透華たちから、私を守ってくれる、王子様。
この人に私の全てを捧げよう。
でも、透華たちも京太郎を狙っている。
どうしよう。
どうしたら。
そうだ。
そうしよう。
それしかない。
それが良い。
それが唯一。

衣「京太郎……私を、遠くまで連れていってくれ……いつまでも、抱きしめてくれ…」

この夢(はなし)は、もう二度と覚めない。

衣編、完。

>>1より

皆とイチャイチャしよう!→気が付いたらぶっ壊れていく姿を見ていくことに
こうなりゃ突き抜けよう!→突き抜けすぎ
他のスレでイチャイチャ書こう!→安価にしたらすごい勢いで京太郎が嫌われる
イチャイチャできねぇ←イマココ

もう修羅場だけかいてろってお告げかな

それでは失礼します

……………こんなことになるなんて、思わなかった。
なんていうのは嘘だ。
清澄のこともあった。だから確信していた。

純「邪魔すんじゃねぇよ。京太郎は、オレのだ」

一「意味わかんないよ純くんそれ。何言ってるの。大丈夫?」

京太郎「三人で、遊びましょう?」

純「京太郎がそう言うんならオレに異論はないぜ。ただ……夜は覚悟しとけよ?」ボソッ

京太郎「はい。俺は純さんの傍に」

一「…………」ガリッ

京太郎「一さん、あとで一緒に俺が作ったケーキを食べましょう?」

俺は裏方に徹する。
波風を立てないように、必死になって這いずり回る。
媚を売り続ける。
俺が介入しないところで何が起こってるかなんて、知りたくもない。
もう何も考えたくない。怖い。

京太郎「智紀さん…い、痛いです…」

智紀「……。ごめん」

透華「京太郎さん……少し、ついてきてくださいます…?」

京太郎「あ、はい……いっ…!」ギュッ

智紀「…………」

透華「……智紀……?」

智紀「…………」

京太郎「智紀さん、すぐに戻ってきますから。ね?」

智紀「…わかった」

快楽を与える性奴隷のようなものにも、夢を見せてあげる機械にでも。
なんでもなってやる………。
怖いのは嫌だ…痛いのは嫌だ…怒られるのは嫌だ……。

衣「…京太郎…なぜ私を受け入れてくれないんだ……そうか、呪いか…呪いを受けているのか?」

京太郎「いえ……その、自制をかけています。衣さんは、清くいてほしいので」

衣「契約のことか…そのことならば気にするな、京太郎とならば、違反にはならぬだろう」

京太郎「……そ、うですかね…? よく分かりませんけど…」

衣「そうだ。今宵は盛大な血の儀式によって二人の永遠を誓おう」

京太郎「…は、はい…」

衣「大丈夫だ。あの悪魔たちには邪魔はさせん。京太郎は優しいから殺すなとは言うが、私の邪魔をするならば容赦はさせないから」

京太郎「…! は、はい! 俺は衣さんに全てを捧げます!」

衣「あぁ…力は得た。もう京太郎を手放さないと宣言するぞ」

俺は、もう須賀京太郎では無くなった。
誰でもない。都合の良いモノだ。
でも、それが気持ちの良いモノなら。
もう、なんでも、いいや。

あぁ。気持ちいい。
気持ちいい。
快楽に溺れて一生を終えよう。
俺の役目はこのヒトたちを悦ばせることだけだ。

龍門渕編、完。

というわけで、永かったモンブチ編、カンッ!

>>1より

いやー………うん、なんだこれ。
これ需要あったのかな。いや凄い伸び伸び書いてる私が言うのも凄いなんですけど。

たぶん誰も気づいてないと思いますけど、私ってヤンデレが大好きなんですよね。
だから書いてるとどうしても自分の趣味に引っ張られていくようで……。

いや、個人的にはすごい好きなんですけど、やっぱり見てると…ね。
ちなみに修ラヴァは私の愛読SS様です。修羅場サイッコ。

離れた読者様もいらっしゃったと思います。
でも、見てくれている方々のレスの一つ一つが、たとえ批判文だったとしても、活力になりました、ありがとうございます。

と、エンディングっぽく書いてますが、まだ終わる気はそんなにありません。
この後、モンブチ編トゥルーエンドを書いて、次の学校へ向かうことにします。
どこが良いとかありますでしょうか?
リクエストがありましたら、京太郎に飛んでもらいたいと思います。

清澄、モンブチと来たし次は鶴賀とかどうだろう

>>216
順当に行くなら鶴賀ですかね、やっぱり。
また幸せな日常にいる女の子を暗い欲望の中に叩き落とすのは、本当に心が痛みます。

乙です
この衣は初めてで自分から腰を振りそうだな(遠い目)
鶴賀の次は風越で、その次は…  阿知賀あたりか…?

>>219
ただあまりヤンデレの引き出しも無いので、これ見たことあるなぁ…ってなっちまうかも知れませんが、よろしくご容赦を。
それでは良いヤンデレライフを!

京太郎「ッハー……やべぇやべぇ、生きた心地がしなかったぜ……」

京太郎「にしても、ハギヨシさんとした演技の勉強がこんなところで役に立つなんてなぁ……」

というわけで、龍門渕を陥落に成功した。
……けど、良かったのかなぁこれで……。
透華さんとハギヨシさんっていう大きな力を手に入れたものの(ハギヨシさんも骨抜きにした)、自分のやってることが良いことには思えない。
あんなに仲の良かった龍門渕が、俺と言う存在で崩れ去るなんて……。

それにしても、部長のやり方は賛同はできないけど本当に上手いものだ。
清澄で酷い目にあったという情報を途中から演技も交えてハギヨシさんに伝え(実際酷い目にはあったからリアリティーが出せたと思う)、上手くハギヨシさん経由で龍門渕に取り入れたのだから。

京太郎「それにしても、こんなことして意味なんてあるのか? 俺が女の子を落としたところで精々好きなように動かすか情報を引き出すだけ……わざと負けてなんて言って大会に勝ったところで部長は満足しないだろうし……」

京太郎「さ、てと……透華さんの力を使って鶴賀学園に潜り込むか……ハギヨシさん」パチン

ハギヨシ「はい、なんでしょうか京太郎様」シュン

京太郎「そ、そんな……ハギヨシさんにそんな、様付けなんてされたら、俺、寂しいっす……」

ハギヨシ「……は、はい。京太郎くん……ごめんなさい」キュン

京太郎「俺、鶴賀学園に行きたいんですけど、どうにかできませんか?」

ハギヨシ「鶴賀、ですか。はい、お嬢様の力を使えば容易です」

京太郎「本当ですか? ならお願いしてもいいですかね?」

ハギヨシ「はい! もちろんです! だから……」

京太郎「……はい、分かりました」ニッコリ

ハギヨシ「それでは!」ヒュン

京太郎「……ハギヨシさんがホモじゃなくて助かった……」orz

京太郎「うし……一回家に帰って準備するか。清澄の皆も可愛がらないとなにしでかすか分からんしな、と」

京太郎「…………今度は皆仲良くできるようにしたいな」

to be continued...

短いけどここまで。

>>1より

これは正規ルートなので、龍門渕エンドとは別世界線のお話です

次回より鶴賀学園編スタート!
あなたは、この狂気を乗り越えられますか……?

睦月「須賀くん、麻雀部には慣れたかい?」

京太郎「はい! だいぶ慣れました! 先輩方が優しく教えてくれるんで、本当に助かってます!」

睦月「うむ。良いことだ」

須賀くんが鶴賀学園に入学し、麻雀部に入って一月が過ぎた。
人懐っこく、犬のように誰かれ構わず近寄って仲良くなる彼は、既に麻雀部、鶴賀学園に溶け込んでいた。

私自信、須賀くんの存在に惹かれていっている。

須賀くんのことは後輩として好きでいる。
こんなにも働き者で、それでいて愛嬌があって、可愛い須賀くん。
私に見せてくれる笑顔は、何よりも一日の疲れを癒してくれる。

睦月「うむ……」

京太郎「どうかしました?」

睦月「いや…良いものだな、と」

京太郎「あはは、なんですかそれ!」

佳織「あ、須賀くん、津山先輩、こんにちは」

京太郎「妹尾先輩、こんにちは! いよぉーし、四人そろいましたね! 始めますか!」

睦月「ん? まだ三人しか…」

京太郎「え? …あ、そうか、桃子さん見えないんでしたっけ? 不思議な話ですねー!」

桃子「バレてたっすか。なんで須賀くんには聞かないんすかねー?」

京太郎「前の学校では影が薄いことで有名でしたから! 桃子さんの陰気力じゃあ俺には勝てないですよー?」

桃子「陰気力ってなんすか!? 私そんな陰気キャラじゃないっすよ! 影が薄いだけで!」

佳織「アハハハハ!」

おっと、ミスった。


須賀くんは、誰とでも仲良くなる。
一番初めに仲良くなったのは、私だ。
だがあっという間に友人の輪を広げた。
彼が冗談めかして影が薄かったというが、大嘘だろう。
須賀くんは入部当時から桃子のことが見えることで話題になった。
何故彼には桃子が見えているんだろう?
以前、運命の赤い糸で…などとふざけていたが。

私はそんなもの認めて無い。

他校生の言葉を借りるなら、そんなオカルトあり得ない、だ。

京太郎「ぐあああああああああ!!! 飛びだあああああ!」

桃子「相変わらず弱いっすねー須賀くん」

佳織「えへへ、一緒にがんばろうね?」

京太郎「ええ! 妹尾さんにそう言われたらもうやる気しか出ないですわ!」

桃子「むっ……須賀くん、なんなら一緒に麻雀の勉強をするっすか? かおりん先輩にはもう一段階上のむっちゃん先輩に教えてもらう方がいいっすし」

佳織「……それなら四人でやった方がいいんじゃないかな?」ニッコリ

京太郎「ですね! 睦月先輩、他の人が来るまで四人で勉強しましょう勉強」グイッ

睦月「う…うむ。そうだな。はは」

今、桃子と妹尾さんから尋常じゃない殺気を感じた。
はは……愛っていうのは、人を変えるらしい。
一か月前まで温厚だった二人が、愛の為に人に殺気を送るまでになったか。
まぁ…良いだろう。

私だって、譲ってやるつもりは無いから。

別に私にとやかく言う資格は無いからな。

京太郎「それじゃ、お疲れさまでしたー!」

ゆみ「ああ、須賀。途中まで一緒に帰ろう。まだ迷うだろ?」

京太郎「おお、本当ですか! 放課後デートですね!」

ゆみ「で、でーと? そ、そんなつもりは無かったんだがな……」テレッ

こうやって、須賀くんはよく部内に爆弾を落として行く。
先輩は気付いていないようだが、部内の空気が異常に濁っている。
普段見えない桃子すら見える有様だ。

……私も、少なからず嫉妬心をにじみ出している。

そこまで須賀くんが好きな四人を見ていると、この先の部の行く末が激しく気になって仕方無い。
内部崩壊しないよな…?

桃子「あ、自分も一緒していいっすかね? いいっすよね?」

ゆみ「え? あ、ああ……か、構わないが…」シュン

京太郎「桃子さん!? 俺と加治木先輩の恋路を邪魔するんですか!? 馬に蹴られて死にますよ!?」

ゆみ「こい!?」

佳織「え? それっていったいどういう意味かな?」ゴゴゴ

京太郎「ナンデモナイッス」

智美「皆で帰れば解決だなー」ワハハ

ゆみ「そ、そうだな…みんなで……」シュン…

若干先輩がかわいそうにも思ったが、恋は戦争。
私もこの流れに乗らせてもらう。

他の人間を近づけてなるものか。

私はあまり興味が無いが、輪から外されるのは寂しいものだ。
五人で、主に須賀くんを中心にして帰路に着いた。
全員、心なしか須賀くんに近い。
桃子なんて影が薄いのに乗じてぴったりくっついている…ようだ。
須賀くんの動きから想像してるに過ぎず、それ以外分からないが。
須賀くんが若干顔を赤くしているあたり、胸を押し付け…?

忌々しい話だ。

可愛らしいものだ。
片方が見えないとは言え、後輩男女の仲睦まじい…と思われる場面を見るのは、思わず笑顔になってしまう。
初々しい…といっても私も恋愛経験など無いが…二人を祝福しつつ、全員の応援をすることにする。

苛立たしい。

妹尾さんが須賀くんの近くで何かをやっている。
どうやら桃子さんを引きはがしたようだ。
恋する乙女は、怖い。

休日、私は須賀くんを見かけ、つい後をつけてしまった。

須賀くんの動きを把握していたい。そう思った。

何故須賀くんを追ったのか分からないが、休日彼が何をしているのか気になったのだ。
公園に着いた彼は、だれかに電話をしていた。
親しげだ。

女か?

誰だろう…友人かな?
っていやいや、私は何をしているんだ……こんなプライバシーを覗き見るなんて、最低の―――

透華「京太郎……お久しぶりですね」

京太郎「はい、透華さん。元気そうですね」

ナンダアレハ? オンナダ。 アレハタシカ。

龍門渕……のお嬢様じゃないか…?
何故須賀くんと彼女が…もしかして、こいび

ユルサレナイ。ソレハゼッタイニユルサレナイ。

恋人か?
何故私の胸がこんなに…張り裂けそうなんだ…苦しい……。

コロス。コロスコロスコロスコロス。
カレハワタシダケノモノダ。

そうか…私も、彼に恋をしていたんだ。
はは、そうか…失恋してから気付

イマスグデテイコウ。
ソシテコロス。
ナイフデサス。ソレデオワリ。
アトハスガクンヲ………。

でも、仕方ない…これが真実なら、私はおとなしく引き下がろう。
須賀くんには幸せになってもらいたい。
大人しく引き下がって。

ダメダ!!!!!!!!
ハイジョ!!!!!! ハイジョハイジョハイジョ!!!!!!

須賀くん………助けて…胸が痛い………。
声にならない声が、胸の動きを更に早める。
もう見ていたくない……。

睦月「須賀くん……ちょっと、良いか?」

京太郎「はい?」

次の日、昼休みに須賀くんを呼び出して二人、屋上にやってきた。

京太郎「な、なんですか? もしかして、愛の告白!?」

睦月「昨日、会っていた龍門渕さん、もしかして須賀くんの彼女…?」

京太郎「………え? …あちゃー、見られてましたか……」

睦月「……そうなの?」

京太郎「アハハ。そうです。透華さんは俺の彼女ですよ?」

それを聞いて、私は頭がカァーっと熱くなっていった。
何をしでかすか分からないくらい、意識が混乱する。

京太郎「…あの、それがどうかしましたか?」

睦月「………須賀くん。私は君が好きだ」

京太郎「えっ? 唐突っすね…?」

睦月「須賀くんのことが頭から離れない。須賀くんのことを考えると……」

私は、ワタシではなくなってしまう。

好きだから。

手にしたい。

無理だと言うなら。

コロスしか――

京太郎「もう……それなら、付き合いますか?」

睦月「えっ!?」

京太郎「その代り、二股……はは…ってことになっちまいますけど」

睦月「……………………」

京太郎「それでいいなら、俺は睦月さんを愛しますよ。無理なら、諦めてください」

京太郎「どう、しますか?」

睦月「………私は……そ、それ、それでも……」

良いのか? 二股なんて……ユルセル―

京太郎「安心してください。睦月さんといる時は、睦月さんしか愛しません。俺に協力してくれるんなら、もっと愛します。どうですか?」

京太郎「俺のこと、受け入れてくれますか?」

須賀くんが、手を広げる。
その胸に、収まれば……私は須賀くんに、愛される?

思った時には、既に胸に飛び込んでいた。

京太郎「はは、可愛いですね、睦月さん。ノータイムだなんて……」ナデナデ

睦月「…………私は、馬鹿だ。馬鹿でも、須賀くんに愛されるんなら――」

唇を重ねられた。
驚きはしたが、それよりも須賀くんを受け入れてしまう。

京太郎「もう言葉はいらないですよ睦月さん。ね? 俺のモノに、なってくれますよね?」

睦月「なる…! 私、須賀くんのモノに…」

京太郎「京太郎で良いですよ……ンッ」

睦月「あ、んっ……」チュウ

初めてが学校の屋上なんて……。
誰か来ないか、どうしようもなく不安で……。
でも、須賀くんと結ばれたというどうしようもない事実が……。
私を快楽の波に押し流していく……。

睦月編、完。

>>1より

ようやく、タイトルまで戻ってきましたね……

それでは。

乙です
静かさが逆に怖かった

>>247
みなさんは狂気を期待していたでしょうが!!!
私は可愛い女の子が書きたい!!!!!
え? 嵐の前の静けさ?

………(震え

一瞬出てきたぞ、なんかみゃくらくなくて驚いたけど

>>251
ああごめんなさい、あれね、書いてないけどずいっ、と、前に出てきていった…つまりゆみの邪魔を追従したって感じなんだよね。
書いて無いけど!

さて、続きを書いていきます。

佳織「最近、京太郎くんと睦月ちゃん、仲良いですね」

智美「ワハハ、そうだな」

ゆみ「ああ、良いことだ。須賀は人と仲良くなるのが早い、こちらとしても助かる」

佳織「でもちょっと近すぎじゃないですか?」

ゆみ「そうか? あー…そうかもしれないな。まぁ二人が良いならば、わざわざ横から邪魔するのも無粋だろう。なに、気にすることは無い」

智美「ワハハ、そうだな」

佳織「…つき、あってるんでしょうか?」

ゆみ「須賀と睦月が? はは、まさか。まだであって一か月だぞ?」

佳織「でも、恋に時間なんて関係ないと思います!」

ゆみ「あ、ああ…そう、なのか? まぁそうかもな」

智美「ワハハ、そうだな」

佳織「ずるいですよね。せっかくの新入部員を独り占めするなんて」

ゆみ「ははは、もしかして嫉妬か?」

佳織「…はい、嫉妬です。うらやましいです」

ゆみ「おお…まさか素直に言ってくるとは…」

佳織「……やっぱり、許せないよ…そんなの絶対ダメだもん…」

京太郎「あ、妹尾さん! 今帰りですか?」

佳織「京太郎くん。今日は睦月ちゃんとは一緒じゃないんだね」

京太郎「はい、用事があるとかで。一緒に帰りませんか?」

佳織「……! うん!」

京太郎くんが隣に並んで、私に歩幅を合わせてくれる。
私に合わせてくれる、そんな些細なことが、私にはとても特別なことのように思えた。
本当に京太郎くんって、ずるい。ずるくて、暖かくて、気持ちいい。

京太郎「ん、どうかしました?」

佳織「ふえっ…あ、ううん! なんでもないよ!」

京太郎「そうですか?」

佳織「う、うん……」

私に笑いかけてくれる京太郎くんを、抱きしめたくなった。
京太郎くんは、大きい胸が好き。だから抱きしめて、京太郎くんをメロメロに……。

佳織「はう……」

京太郎「おっ? どうしました妹尾さん?」

佳織「ん!? ううん! なん、なんでもない!」

京太郎「今日の妹尾さんなんか変ですねぇ…なにか隠し事してます!?」グイッ

佳織「あっ!?」

か、顔が近い……!
あともうちょっと近づけば……き、き、キス……。

佳織「……きょ、京太郎くん! ち、近いよ!」バッ

京太郎「わっ、っと。ごめんなさい!」アハハ

佳織「うう…な、なんでもないから本当に…」

京太郎「顔も赤いし……もしかして体調不良ですか?」

佳織「ち、違うよ…!」

京太郎「なら良いんですけどね。体調悪かったら言ってくださいね?」

………良いな、本当に。
もっと近づきたい。
睦月ちゃんって本当にずるい。
……手、つなぎたい。良いかな、繋いでも。良いよね? 別に、ちょっとくらい…後輩と手を繋いで帰るなんて、ふつうだよね?

京太郎「あー寒い! 妹尾さん、失礼します!」

佳織「ふえっ!? 冷たい!」

えっ? えっ? あれ? なんか手が…あれ?

京太郎「妹尾さん、手あったか! アハハ!」

手…繋いでくれた……京太郎くん……。
な、なんで…? あ、なんかすごく近い京太郎くんギュッって。
頭がクラクラしてきた。これ、夢なのかなもしかして。

佳織「あふっ」ボンッ

京太郎「うわぁあああ妹尾さんが真っ赤になって倒れたぁ!?」

……ん…ここ、どこだろう…?
なんか、京太郎くんの匂いがするけど……。

京太郎「っと、目覚ましました?」

佳織「京太郎、くん…?」

京太郎「はい。倒れたこと、覚えてます?」

そっか…私、倒れちゃったんだ……。
…ここ、どこだろう…?

京太郎「ここは俺の部屋なんで、ゆっくりくつろいでください」

京太郎くんの、部屋……?
………えっ!?

佳織「………あっ…あっ……うう…」

京太郎「大丈夫ですか? 辛い所でもあります?」

佳織「わああ!! い、今何時!?」

京太郎「えっ!? っと、今は10時20分です、ね」

佳織「お、怒られる……で、電話しないと…」

京太郎「ああ、それなら部長に頼んで連絡してもらいましたから大丈夫ですよ」

佳織「………え?」

京太郎「捜索願なんてされても困りますからね…」ハハッ

京太郎「さっきまでは部長と、睦月さんがいましたけど、もう帰りましたよ」

佳織「そ、そうなんだ…あ、ありがとう」

京太郎「いえいえ。体調悪いのに付き合わせてしまってすいません」

佳織「そんなことないよ! 私、嬉しかったから!」

京太郎「お、おう……ありがとうございます……」

京太郎「ああ、今お粥温めてるんで、ちょっと待っててくださいね」

佳織「あ、う、うん…」

京太郎くんが出て行った。
そっか、京太郎くんの部屋……今私が寝てるの、京太郎くんの…?
………だから、こんなに気持ちいいんだ……なんか京太郎くんを全身で感じられるもんね…。
いつも京太郎くんが寝てる場所……いつも京太郎くんがいる場所……。
今、京太郎くんと重なってる感じがする……えへへ………。
匂い……私に移りそうなくらい、京太郎くんであふれてる……。
枕……凄い……濃厚な……京太郎くん…頭……蕩けちゃう……。

京太郎「もってきまー………た?」

佳織「京太郎くん……良い匂い……」

京太郎「……妹尾さん?」

佳織「えっ!? あっ…きょ、京太郎くん!?」

京太郎「今…」

見られた。
京太郎くんに見られちゃった。
嫌われる。キラワレル。

佳織「違うの! 今のは!」

京太郎「はは……まったく、節操がないですね。いつも犬みたいに俺の近くに寄って匂い嗅いでる癖に、一人でもそうやって慰めようとするんですか?」

佳織「……え?」

何を言われたのか、すぐには理解できなかった。
京太郎くんが近くに寄ってくる。

京太郎「別に、そんな物使わなくても、直接来てくれれば良いのに」

佳織「きょ、京太郎、くん…?」

頭を撫でられて、頭の中が真っ白になっていく。
焦りは羞恥心に変わり、いつの間にかどうでもよくなっていった。

京太郎「ん? 知ってますよ、妹尾さんが俺の匂いを嗅いで一人で悦んじゃう変態さんだってことは」

佳織「そ、れは…」

京太郎「俺に嘘はつかないで良いですよ。別にそんなことで軽蔑するつもりも、遠ざかるつもりもありませんから」

それを聞いただけで、幸せがこみあげてきた。
京太郎くんが私を受け入れてくれた、その事実が私を心の底から高揚させた。

京太郎「でも、俺もう睦月さんと付き合っちゃってるんですよねぇ…」

佳織「……―――え」

その気持ちは、即座に奈落に叩き落とされる。
睦月ちゃんと、付き合ってる?
………やっぱり。
………そんな……やだ…。

京太郎「でも、妹尾さんさえ良ければ、俺たち付き合います? 睦月さんには了解を得てますし」

佳織「えっ?」

京太郎「独占させてあげる訳にはいかないんですけど、一緒にいる間だけ、愛してあげることはできますよ?」

佳織「……? …???」

京太郎「もし断るならそれでもいいですよ。妹尾さんのことは愛してあげられないけど、でも良い後輩ではいてあげますから」

京太郎くんに、愛してもらえる……でも、二股……。
そんなの、やだ……私だけ……。

京太郎「ったく、ゴチャゴチャ考えんなよ。俺に愛されたいか、愛されたくないか…どっちだ?」

京太郎くんの顔が目の前にある。
あとちょっと動けばキスでき――

チュッ

京太郎「……それが答え、でいいんですね?」

佳織「京太郎くんが欲しいの……二股でもいい……何でもいいから私のこと愛して…」

京太郎「………。ははっ、良いですよ。今だけは、佳織さんのことを…佳織さんだけを愛します……今だけはあなただけの京太郎ですよ」

優しく私の唇を舐めて、口の中に侵入してくる京太郎くん。
もう私、ダメ……京太郎くんだけいれば良いかなって思ってる…。
好き……大好き……。

佳織「でも…私を捨てたら、絶対に許さないからね…?」

鞄の中のスタンガン、使わないで済んで、よかったな……。

佳織編、完。

・・・・・・・・・

京太郎「妹尾さんのこと教えてくれてありがとうね」ナデナデ

睦月「いや…そんな……ふふ…」

京太郎「おかげで妹尾さんとも仲良くなれたよ」

睦月「……」

京太郎「そんなつまらなさそうな顔しないでよ。最終的には皆と仲良くしたいんだ。だから、ね?」ナデナデ

睦月「う、うん…京太郎くんの為ならなんでも言うこと聞くよ…」ニヤニヤ

京太郎「そっか。ええと、あとは桃子さんだっけ?」

睦月「ああ。桃子も、たぶん」

京太郎「……ふふ。ありがとう。大好きだよ」チュッ

睦月「………わた、私もだ…」チュッ

ヤンデレを期待した人、ごめんなさい。
イチャイチャを期待した人、こんにちは。

>>1より
熱が38.5超えました。
そのせいで普通の甘いのが書けました。
みなさんも風邪には気を付けてください。

それでは失礼します。

結構日にち開けてしまった。申し訳ない。

ごはん食べたら智美編開始します。

すいませんちょっと頭働かなくなってきたので、起きてから続き書いて投下します。
あんまりヤイチャイチャの引き出し多くなくて……

ワハハ。
最近部活の雰囲気がガラッと変わった。
ちょっと前までユミちんを中心に回っていたのに、今は京太郎が中心となっている。
ただ、それが麻雀で纏まっている訳ではない。
早い話が、皆が皆恋愛に現を抜かしている。

全員が京太郎に熱い視線を向けている。
……その熱意をもう少し麻雀に向けてほしいなぁ……。
と、京太郎の膝の上に座って思っている。

最近のむっきーと佳織の二人は本当に目に余る。
どこだろうと構わず、イチャイチャしている。
まったく、本当にまったくだ。
だから部長の私が二人を京太郎に近づけないようにしているというのに、二人……だけでなく桃子にまで恨みがましい視線を向けられる。
ユミちんまで何か言いたそうにこちらを見ている。
なんだというんだろうか。
京太郎だって別に嫌がっていない。
私は部長として当然のことをしているだけ。
何も問題はない。
他人に恨まれるようなことは何もしていない。

智美「ワハハ。京太郎、重くないかー?」

京太郎「全然。軽いくらいですよ」

智美「そうかー。ワハハ」

京太郎の声が真後ろから聞こえる。
こんな幸せな状態を他の人間に

ザザ……

一瞬、ノイズのようなものが聴こえた。
あれ、今なにか考えてなかったっけ。
忘れてしまった。つまり大したことは無いだろう。

軽いと言われたのは嬉しいことだ。
京太郎は優しい後輩だ。すぐに部活に馴染めたのも、皆に好かれるのも、この性格だからだろう。
それは良いことだ。ただ、周りが度を過ぎているだけで。
京太郎は何も悪くなかった。ただ優しくて、気配り上手で、笑顔が素敵で。
それを勘違いしてしまったのは周りの方なのだから、部長としてちゃんと周りを正さなきゃいけないなー。

京太郎「あ、その牌だ桃子…さん」

桃子「え?」

智美「ワハハ。集中してないから京太郎なんかにロンされるんだぞー桃子」

桃子「ッ……」

京太郎「ですね。桃子さん、調子でも悪いんですか?」

智美「……」

すぐこれだ。
ほら、桃子が焦りながら、嬉しそうにしてる。
京太郎は優しいだけなのに、それを勘違いして

いや……?
優しくするのは良いことだ。
うん。良いことだ。そうだよなー?
なんでこんなに引っかかるのか分からない。

智美「……ワハハ」

自分の気持ちを誤魔化すように、小さく笑った。

そうして、他の部員を京太郎から遠ざけるように動き回っていたある日。
京太郎が忙しそうにスマホをいじっていた。

智美「どうしたんだー? 今日は部活中もずっとそうしてたけど」

京太郎「え? あ、あぁ……いえ、親戚がたまには顔を見せろ、ってあちこち連絡をしてきて……あはは、明日は休みなので、そちらの方に行こうかな、とか話をしていたところです」

京太郎がぎこち無く笑う。
嘘だ、と直感で判断した。
何故分かったかは分からないが/京太郎のことで分からないことなんて無いから
私はそう思った。
これはたぶん……。

智美「女…か」

京太郎「えっ……!?」

図星を突かれたのか、京太郎が驚愕した。
胸がズキッ、と痛みを感じる。
当たってほしくない予想が当たってしまった。

智美「彼女かー?」

京太郎「えー……と…。す、すいません……本当に親戚で」

智美「誤魔化せると思ってるのかー? ずっと京太郎のことを見てきたんだぞー?」

動揺している京太郎に近づいて、顔を覗き込む。
目と目が合う。
じっ、とその目を見続ける。

京太郎「……ま、前の彼女、みたいなものです。会いたい、って…」

智美「なるほどなー」

ようやく白状した。
さて、どうしてやろうか。
ここは京太郎には是非会ってもらおう。
相手の顔が把握できてなければ行動も起こせないからな。
ここは嫌でも京太郎を応援するべきだ。

智美「ヨリを戻そう、ってことかー?」

京太郎「………そんなような所、ですかね」

また、これは嘘だ、と確信した。
というよりも。
まだ別れていないんじゃないか?
昔付き合っていた彼女が会いたいと言ってきてヨリを戻そうっていう話でないのなら、友人に戻ったということも考えられるが、友人であるならば隠す必要も前の彼女と言う必要も無い。
前の学校で付き合っていた彼女と、遠距離でつながっている。
……いや。そういえば。
京太郎は部室に来てからずっとスマホを弄っていた。
ちょっとすいません、と言われて黙ってみていたが、同じ人間と長々連絡するだろうか。
………複数? 多股? 浮気?

智美「京太郎。正直に答えてほしい。京太郎は同時に女子数人と関係をもっているのか?」

唐突に言われたら、驚きもするだろう。
だがこの時の京太郎は、私の考える驚きよりも微妙に違う、困ることに気付かれた、というような表情をした。
ビンゴだった。
京太郎がそんなことをする筈が無い、と信じたかった/おそらく優しい京太郎に付け込んで逃げ場を無くさせたのだろう。最低な女共
が。とにかく今は京太郎の話を聞こう。

京太郎「………。流石、部長ですね。ハハ、勘が良い……はい、そうです。俺は何人もの女の子と関係をもっています。それは今も続いている」

智美「やっぱりなー。京太郎、分かり易いぞー?」

京太郎「そうですか? 気付かれないように隠してたつもりだったんですが、向こうの方でついに怒りが爆発したらしくて……はは、来ないなら押しかける、って言われちゃったので」

智美「なるほどなー。許せないなー」

京太郎「……麻雀部から追放ですか…? まぁこんな軟派やろ―――」

智美「は? 何を言ってるんだ? 京太郎をそんなふうに扱う訳ないだろ。許せないのは、その女たちだぞ。京太郎が優しいのに付け込んで、自分の気持ちを押し通すなんて最低だからなー」

京太郎「え? …………あ、あぁ…」

智美「大丈夫だぞー。京太郎は私が守ってやるからなー。心配しなくても良いぞー」

智美「まずそいつらの連絡先を」

京太郎「部長!!!」

突然、京太郎に抱きしめられた。
カッとなっていた頭に冷水をぶっかけられたように急激に冷え込み、次いで別の意味で頭が熱くなっていった。

智美「きょ、きょうたろう!? な、なんだなんだ!?」

京太郎「俺、それでいいんです。俺も望んでることなんです。俺は、俺の所為で皆が争うのが嫌なんです」

京太郎「俺が皆と仲良くできて、皆も仲良くするには、これが一番なんです」

京太郎「お願いですから、争おうとしないでください……俺の好きな智美さんが他の皆と喧嘩するなんて、俺嫌です…」

智美「きょ、京太郎……」

京太郎「………俺、智美さんのことを信じて、話します。もう実は、睦月と佳織、それに桃子とも関係を持ってます。すいません、部の和を乱すような真似して」

智美「え……?」

京太郎「俺は、いつもその選択を選んできました。求められたら断りません」

その発言が、ここにきて純粋に悲しくなって、俯いてしまう。
京太郎の特別になることは無理だ、と宣言されたのと一緒だからだ。
だが、同時にもう一つだけ、思ったことがある。

京太郎は拒まない。なら私がそこの一人になるのも何も問題は無いんじゃないか。

たった一人が良くても、それが無理なら/京太郎に愛されるのなら何人目だろうと
私は構わない。

智美「京太郎。私も、その中の一人に入っちゃダメか?」

京太郎「……良いんですか? 俺は良いですよ」

智美「…京太郎に愛してもらえるなら、それでも私は良いぞ」

京太郎「智美さん!」

キスされた。
一瞬頭が真っ白になるが、この幸せをしっかりと味わうように京太郎に身を委ねる。
初めてのキスなのに、舌を入れられた。
慣れてるな、と少しだけモヤっとしたが、もうそんなことどうでも良くなってきた。
京太郎の家に連れていかれ…そのあと起こったことは二人だけの秘密だ。

智美編、完。

どうすれば………。

【はやく会いたい】

【もっと愛し合いたい】

【今すぐに】

【私、もうダメです】

【京ちゃん】

クソッ!!!

京太郎「ハギヨシさん!」パチンッ

ハギヨシ「ここに」ヒュン

京太郎「……清澄と、龍門渕は、今は?」

ハギヨシ「………あまりよろしくないかと。今にも暴動が起きかねません。最悪、京太郎くんの身によくないことが起こります」

京太郎「……クソッ……こっちは順調だってのに……」

ハギヨシ「一度戻られた方がよろしいかと……」

京太郎「……そう、ですね………でも、今会えば確実に数日の足止めを食らってしまいます。その間にこちらに何か無いとも限りません」

京太郎「睦月さんも佳織さんも桃子も智美さんも大人しくしてくれてはいますが、部内の雰囲気はあまり良いとは言えません。これから変えていくつもりだったんですが…」

ハギヨシ「ですが、そちらに時間をかけすぎると…」

京太郎「分かってます! ………クソッ、前も透華さんがいきなり会いに来たことがあったし……今ももしかしたら、誰かが近くにいるのかもしれません…」

ハギヨシ「…その節は迷惑をおかけしました…」

京太郎「いえ、ハギヨシさんが気にすることではありません。まさかハギヨシさんの目をかいくぐってくるなんて夢にも思っていませんでしたから…」

ハギヨシ「残念ながら、私という防波堤ではもはや京太郎くんを守れない域にまで、彼女たちは到達しようとしています」

ハギヨシ「一刻も早く戻られることを、お願い致します」

京太郎「ありがとうございます……。ちなみに、今近くに人は……」

ハギヨシ「いない、と、思います。…申し訳ありません、断言はできかねます……最近、私の索敵に引っかからない動きをする方が多く…」

京太郎「……いきなり俺の後ろに……なんてこともあり得る訳ですね……ハハ…来るところまで来ちゃいましたね」

ハギヨシ「…私の侮りが、京太郎くんを危険に招いたことを、心の底から謝罪します」

京太郎「まさか俺だって、本気を出したら病む子が増える能力を手に入れた、なんて信じられませんよ。ハギヨシさんは何も悪くありません」

京太郎「上手くいってるように見えて、こっちでも実の所何も上手くいってませんからね。あくまで、大人しくしているだけ……」

ハギヨシ「もう一手、何かをしなければならないようですね…」

京太郎「大体、俺があちこちの学校に転校することになった原因の久さんが自分でさせてる癖に、俺が女の子と仲良くなるのに嫉妬して手助けしてくれないっていうのが本当に悪いんですよ…」

ハギヨシ「いっそこのまま逃亡されてはいかがでしょう? 私が最大限力を貸しますが…」

京太郎「どこに逃げるっていうんですか? あの龍門渕に本気で追われて逃げ切れるとは思えませんし、今攻略済みの女の子全員でかかられたら三日もすれば居場所を突き止められますよ」

ハギヨシ「………」

京太郎「それに、最悪俺の家族を人質にとる可能性だってある。俺はもう袋の鼠状態なんですよ、ハギヨシさん」

京太郎「だったら、現状で俺がどうすればいいかを考えて、最良の道を掴みとります」

京太郎「そのためにハギヨシさんに迷惑をいっぱいかけるかもしれませんが……助けて、くれますか?」

ハギヨシ「は……はい! 私でよければ、なんでもいたします!」キュン

京太郎「ありがとうございます…。…それでは、俺は行きます。あと一人、ゆみさんを攻略すれば、また別の学校に転校してゆっくりできますからね…」ハハ

ハギヨシ「はい。何かありましたらいつでもおよびください」

>>1より

病み要素が無くなった途端筆が鈍るのは本当にもう(ry

私だって理解してるんですよ、異常だって。でも仕方ないじゃないですか……
病女可愛いんですもん!!!!!

それでは失礼します。
本編で病み要素少ない分背後で状況を最悪にしていきますよー

0時半過ぎくらいに桃子編投下できたらします

桃子「京さん。寒くないっすか?」

京太郎「全然寒くないよ。桃子が暖かいからね」

桃子「それなら良かったっす。京さんも暖かいっすよ」

京太郎「桃子は甘えん坊だなぁ」

桃子「京さんと加治木先輩だけっすよ?」

京太郎「はいはい」

桃子「明日はかおりん先輩とデートっすよね?」

京太郎「おう。いつも通り着いてくるんだろ?」

桃子「最近かおりん先輩怖いんすよねー。よく気配に気付かれるし」

京太郎「マジか……麻雀上手くなってるからその影響かもなぁ」

私だけを見てほしい。

京太郎「本当ですか、ゆみ先輩! ありがとうございます!」

ゆみ「い、いや……あまり、期待しないでくれ……私もあまり上手くはないから……」

京太郎「なにいってんすか! ゆみ先輩の手作り弁当なんて、もう窓から愛を叫びたいくらいに嬉しいっすよ!」

ゆみ「それは絶対にやらないでくれよ……?」

京太郎「はい! 早速いただきましょう! わーい!」

佳織「…………」カリ

智美「ワハハ」カタカタカタ

睦月「京太郎。私も実は弁当を持ってきたんだが、良ければどうだ?」

ゆみ「え!?」

佳織智美「!?」

京太郎「マジですか! わー、嬉しいなー。ちょっと多いけどいただきますね!」

ゆみ「む、睦月も持ってきていたのか……そうか……」シュン

京太郎「あ……。あむ……うめぇー! ゆみ先輩、メチャクチャ美味いっすよ! 本当幸せもんだなぁ俺は!」

ゆみ「……ふふ。須賀はいつも元気だな」

京太郎「あったりまえじゃないっすか! これ食ったら三日はなにも食わなくても満腹っすよ!」

ゆみ「大げさ過ぎるぞ? ……ふふふ」

睦月「……」クイ

京太郎「ん……あ、睦月先輩のも美味いっす! いやー、両手に花で幸せだなぁ」

私知ってるんすよ。
私たちに向ける感情と、加治木先輩に向ける感情は別だってこと。

京太郎「……お、加カン!」

智美「えっ」

ゆみ「須賀、それロンだ」

京太郎「げっ! マジかよ!」

智美「京太郎……なんで加カンしたんだ……? 今のでテンパイだっただろー?」

京太郎「え? いや、なんか安いから、カンしてドラ乗らないかなーと」

睦月「……いつまでたっても麻雀の腕は成長しないな……」

京太郎「いやー……ははは、申し訳ない」

佳織「大丈夫だよ! 私もこんなに上手くなったんだから、京太郎くんもすぐにうまくなるよ!」フニョ

京太郎「うおっ! 当たってます当たってます!」

佳織「えへへ……」

智美「離れろー。部活中だぞー?」バッ

佳織「あう」

京太郎「ふぅ……」チラ

ゆみ「……ん!」プイ

京太郎「……さ、さぁ続けましょうか!」

私知ってるっす。
道化を演じてみんなの共有の愛玩具になったフリをして、加治木先輩の見てる所では他の人に接触されるのを嫌がってるって。

京太郎「桃子、好きだよ」

私は知ってるっす。
こんなの全部嘘だって。

京太郎「桃子、愛してる」

私は知ってる。
京さんが好きなのは加治木先輩だけだって。

京太郎「桃子、愛してくれ」

私は知ってる。
京さんが欲しいのは加治木先輩だけだって。

嘘つき。

京太郎「桃子」

嘘つき。

今だけは私のことだけを見てるフリをして。

京太郎「桃子」

嘘つき。

他の人とベッドで愛を囁くときも。

京太郎「ゆみ先輩……」

嘘つき!

ずっと加治木先輩を想ってる!

私の中の何かが砕け散りそうになった。

その名前だけは聞きたくなかった。

ここでは、私のことだけを見て欲しかった。

京さんは私のことを見てくれる。

私は京さんのことだけを見てる。

なんであの人の名前がでるんすか。

卑怯じゃないすか。

私たちは何がなんでも京さんの愛を貰おうとして、ここまで来たのに。

こんなところまで来たのに。

自分はただ近付こうとして、近づけないで、そんなことの繰り返しをしてるだけ。

それなのに、京さんからの愛を受けられるなんて。

ずるいっすよ。

ずるいっす。

京さんなんて嫌い。

嘘。好き。大好き。愛してる。

嘘つき。

もっと愛して。

卑怯。

京さんの嘘つき。

ダメ。

でも良い。

………………。


まだしばらくは。

悔しそうな。

加治木先輩の顔を。

見てられるから。

好きです。

京太郎さん。

桃子編、完。

>>1より
短くなっちゃいましたけど桃子はこんな感じです。

今回はちょっとあまあまになりましたが、次回! それっぼいヤンデレがゆみ先輩を襲う!

失礼します。

京太郎「ゆみ先輩がいなくなってからもう二週間か……」

桃子「どこに行ったんすかね……無事だと良いんすけど……」

京太郎「きっと無事だって。大丈夫だよ」

佳織「でも、なんで……」

京太郎「分からない。けど、今は無事だと思っておきましょう?」チュ

佳織「あ……ん……」ピチュ……

智美「んぁ……」ピチァ……

睦月「んんぁ……」チュ……チュゥ

真実の愛ってなんだ。
そんなの誰もくれない。
ゆみ先輩だけは俺を普通の目で見てくれた。
どんなに落とそうとしても、彼女だけは普通でいてくれた。
当たり前のように恋をしてくれた。
盲目的ではない、普通の女の子の瞳が、忘れていた心を取り戻してくれた。
俺は間違っている。
龍門渕の時には微塵も感じなかった気持ちが、俺を蝕んでいた。

ゆみ先輩のことが好きになっていた。
今さら俺がまともな恋愛なんてできる訳がないと分かっているのに、好きになってしまった。
複数の女の子に多股であることを許可させておきながら、ゆみ先輩と二人だけで幸せになりたいと。
こんな、他の攻略した部員を集めて乱交しておきながら、何を考えているんだ。

俺は部長に良いように使われているだけなんだ。
本当だ。でもその過程で好きな人が出来ても、良いだろ……?
好きなんだよ……愛しいんだよ……どうしようもないくらいに……。
なんで俺だけ幸せになれねぇんだよ……。

情欲に溺れながら、部長からのメールを思い出す。
『次の学校はちょっと遠出してもらいたいのだけど、良いかしら?』
NOは無い。やれと言われればやる。引き返せないんだ。
もうすぐここともお別れだ。
寂しい。ゆみ先輩。好きだ。

智美「ぁん! きょぉたろー!」

目の前で腰を振る女を無感動に見つめる。

佳織「京太郎くん……もっとぉ……♪」

目の前で唇にしゃぶりつく女を無感動に見つめる。

桃子「私と京さんはずっと一緒っす……どこまでも……」

目の前で永遠を誓う女を無感動に見つめる。

睦月「京太郎……キモチイイ……?」

目の前で俺を舐めまわす女を無感動に見つめる。

ゆみ先輩が良い。
こんなのじゃなくてゆみ先輩が。
ゆみ先輩……元気ですか? 大丈夫ですか?
俺はゆみ先輩が好きです。
だから俺を愛してください。
全てを捨てても良いです。
だから俺だけを……。

ゆみ編、完。

ゆみ「頼む……京太郎くん……ここから出してくれ……」

向こうでゆみ先輩が俺に諭すように告げてくる。
笑顔だが、俺には分かる。俺に対して怯えていることに。
なんでそんな顔するんですか、ゆみ先輩。
俺がここにゆみ先輩を閉じ込めたのは、ゆみ先輩が好きだからなのに。
なんでわかってくれないんですか。

京太郎「ゆみ先輩。俺のこと嫌いですか?」

ゆみ「え……?」

京太郎「なんで怯えてるんですか。俺はゆみ先輩のこと、こんなに愛してるのに…」

ゆみ「あ、あい……」

京太郎「なんでわかってくれないんだ……全て捨てても良いって思って、ゆみ先輩を独り占めしたのに……なんで…わかってくれないんだ!!!」ガシャン!

ゆみ「ひうっ!」

鉄格子を殴りつけてしまう。
感情が抑えきれなくて、ついやってしまう。
これが余計ゆみ先輩を怯えさせてしまうんだ。
はは、俺ってダメだな。いつまで経っても女性の扱い一つ上手くできない。
以前純に言われたことを活かせていない。

京太郎「ごめんなさい。でも俺にそんな顔を向けないでください…」

京太郎「俺はゆみ先輩の笑顔が好きなんです…純粋な笑顔が……」

京太郎「俺はあなただけを愛したい。でも俺のやってきたことがそれを許してくれない」

京太郎「もしそんなことをしたらあなたを永遠に失ってしまう」

京太郎「あなたと永遠にいる為には、こうするしかないんですよ」

京太郎「他の女性と肉体関係を持つことになりますが、でも心はずっとあなただけのものです」

京太郎「あなたが求めない限り俺はあなたに手を出しません」

京太郎「いつかあなたが俺を求めてくれると信じています」

京太郎「あなたが俺だけを見てくれることを信じています」

京太郎「あなたが俺だけを愛してくれると信じています」

京太郎「外では他の女性の為に動きますが、ここだけでは誰にも縛られません」

京太郎「だれにも邪魔なんてさせません」

京太郎「俺の……俺の人生なんだ……。初めて、俺が考えて、動いたんだ……」

京太郎「他の女なんていらない……全部消えちまえ……汚い……汚い………汚い汚い………あぁ……」ガリガリッ…

京太郎「あぁあああ………あぁぁあああああ!!!!!」ガリッガリッガリッ!!!

ゆみ「や、やめてくれぇえええええ!!!!!!」

ゆみ先輩の声が聞こえて、無意識に腕や顔を掻き毟ってしまっていたことに気付いた。
でもそんなことよりゆみ先輩が俺のことをようやく見てくれたことがうれしかった。
心配してもらえた。
心配してもらえた。
心配してもらえた!!!
心配してもらえた!!!!!!!!!!
ゆみ先輩に心配してもらえたんだ!!!!!!!
今このときこの感情は俺だけのものだ!!!!!!!!
誰にも邪魔されないこの一瞬をゆみ先輩と共有できてる!!!!!!!!!
こんな幸福なことなんて他にはない!!!!!!
誰も与えてくれない!!!!!!!!!!!
他の奴は俺から搾取しようとしかしない!!!!!!!!!

京太郎「アハハハハハハハハハハハハ!!!」

ゆみ「なんで……なんでこんなことになってしまったんだ……なんで……」

京太郎「……そろそろ行かないと」

京太郎「ごめんなさいゆみ先輩。ゆみ先輩とこうする為に、俺は外でいっぱいガンバらなくちゃいけません」

京太郎「許してください。外で何が起こっても、俺はあなたの為に存在します」

ゆみ「嫌だ!! いかないでくれ!! ここから出してくれ!!! お願いだ!!!!」

京太郎「俺だって心苦しいんです。でもそうしなければいけないんです」

京太郎「分かってください。愛してますゆみ先輩」

ゆみ「待ってくれ!!! お願いだ!!! 君の言うことは何でも聞く!!!」ガチャンガチャンガチャン!!

ゆみ「だからここか」

バタン

……………

京太郎「行ってきます」

胸が張り裂けそうになる気持ちを抑えて、学校に向かう。

学校の女生徒が行方不明になって一か月。
未だに校内はその話で騒がしいし、警察がウロウロしていて鬱陶しい。
ゆみ先輩は元気でいるのに。
今は元気だろうか? 大丈夫かな?
俺がいなくて寂しいかも知れない。
もしかしたら元気もなくてご飯も食べれないかも知れない。
いや……ゆみ先輩はしっかり者だから大丈夫だろう。

今日も四人に餌をあげて、ハギヨシさんを呼び出す。

京太郎「………ハギヨシさん。今度は白糸台に行くことになったんですが、準備はできていますか?」

ハギヨシ「はい。手筈は既に」

京太郎「ありがとうございます。ハハハ、部長も何を考えているんですかね…自分も結構ギリギリなのに、今度は東京に俺を行かせるなんて」

ハギヨシ「…分かりかねます」

京太郎「そうですか。まぁハギヨシさんに聞いても仕方ないですよね、ごめんなさい」

ハギヨシ「…あの……言われた通り、完全防音設備を整え、頑丈な鉄格子を取り付けた地下室も用意しましたが、こちらは何に…?」

京太郎「聞かないでくれませんか?」

ハギヨシ「は……ハッ!」

京太郎「新しい家は風呂やトイレでさえ、監視カメラと盗聴器で埋め尽くされたものなんですよね?」

京太郎「これでいつでも俺が見れるから……会えなくても大丈夫、ですか?」

ハギヨシ「おそらく、完全に上手く行くとは思えません。ですが、短い期間で問題が起こることにはなりえないと思います」

京太郎「ふふ……可愛い人たちだ……」

京太郎「地下室のことは説明しておいてくれましたか?」

ハギヨシ「はい。京太郎様…あっ…京太郎くんにも、そういう休憩できるスペースは大事ではないか、と」

京太郎「ハギヨシさん。俺のことを裏切ったりしていませんよね? 地下室にカメラを取り付けたりとか」

ハギヨシ「…誓って。私は京太郎くんに忠誠を誓っています。京太郎くんに言われたことには、絶対に背きません」

京太郎「……ありがとうございます。あなただけが、俺の親友です」

ハギヨシ「…私も、そう思っていますよ」

京太郎「………後で、お願いがあります。俺が連絡したら、こちらに来てください」

ハギヨシ「分かりました。それでは」

そういうと、音も無くハギヨシさんは消え去った。
屋上から、校庭を見下ろす。
もうすぐここともお別れだな……。
四人には、既に伝えてある。
猛反対されたが、俺のやるべきこと、と伝えて、カメラや盗聴器のことも伝えた。
おかしくなってしまった四人は、少し不満げながらも了承してくれた。
たまに会えることも言ってあるので、大丈夫だろう。
本当に皆狂ってる。俺が狂わせた。
罪悪感なんてもう無い。
何故なら俺ももう狂ってしまったのだから。

京太郎「……もしもし。ハギヨシさんですか? すぐに来てください」

シュン

ハギヨシ「ここに」

京太郎「相変わらず早いですね……ハハハ。ああ、それでお願いなんですが、このダンボールを向こうの家の地下に運んでくれませんか?」

ハギヨシ「分かりました。……中身は……」

京太郎「聞かないでください」

ハギヨシ「………加治木 ゆみさんではないですか?」

京太郎「………」

ハギヨシ「そのような怖い顔をしないでください……」

ハギヨシ「京太郎くん。私は今後何があっても京太郎くんの為に動きます」

ハギヨシ「ですから、隠し事はしないでください。お願いします」

京太郎「ハギヨシさん……。……う、うぅ……あぁ……ああ……」

京太郎「そ、そう……なか、なかみ、中身は……ゆ……ゆみ…先輩……」

ハギヨシ「……そうですか。わかりました。もう何も聞きません」

ハギヨシ「……加治木さんには申し訳ありませんが、京太郎くんの幸せの為になってもらいましょう……フフ…」

京太郎「…よろしくお願いしますね、乱暴に扱わないようにしてください……着いたらすぐに出してくれた大丈夫ですので…」

ハギヨシ「かしこまりました。それでは失礼します」

京太郎「さて、と……引っ越しの準備しないと、な……」

鶴賀学園編、完。

>>1より。

ヤンデレに愛されたものの末路は、ヤンデレになることなんだよ!!

あれ? 一周回ってスレタイに戻ってません?
愛でてますよねゆみ先輩のこと。完璧。

さて……正直、ここで終わろうかと思っています。
結構、良い感じに締まりましたしね。

続きが見たい人が多ければ、白糸にも犠牲になってもらいますが、オチもついたので良いかなと。

それでは失礼します。

親のいない金髪の孤児が麻雀界に多数存在する世界になるな。

>>320
全員金髪の男の子……
段々愛を語ったあの人に似てきて……
この子は息子と思いながら……
甘えてくるあの子が可愛くて……
あの人の面影が濃くなって……

>>321
ど、どうなるんですか……?

>>324
ダメよダメよと思いながら……
まだ性に目覚めてもない息子を求めてしまい……
悪いのは全部あの人よと言い訳をしながら……
段々そんな理性も忘れ……
息子と新しい家族を作り始める日々
そう、それが私の本当の幸せ
京太郎との新しい幸せ
あの人は京太郎
ずっと側にいてくれたんだ
なんで気付かなかったのかな
私って、ほんと……馬鹿

改めてシャッフルのアニメ見たけど、本当病んでる楓可愛くて良いですね。

今作はこれにて終了しますね、やっぱり。
正直ネタとしてもこれ以上やっても仕方ないかなと思ったので。
そして恐らくすぐにまた新しい普通の純愛SS立てると思うので順調に病んだら私のスレです。
向こうのスレも役目を終えたので落とします。

最後に軽くエンディングを書いてきます。

空鍋か
亜沙先輩になんでしたんだろうな

京太郎「結局こんなことになんの意味があったんですかね」

ハギヨシ「私には分かりかねます。ですが、京太郎くんのやることに無意味なことはありません。自信をお持ちください」

京太郎「……こんな俺が、今は女子麻雀界を裏から牛耳る男……皆が俺を欲しがり、その需要に答え、その代わり俺のお願いを聞いてもらう……」

京太郎「久も、もう昔に俺に頼んだ仕事のことなんて覚えてやいない。俺は何のためにこんなところまで……」

ハギヨシ「…………。本日の御予定は健夜さんとはやりさんです。お二方共にかなり危うい目付きをしていらっしゃいますので、お気をつけください」

京太郎「ハハハ……あの人たちは特に欲が深いからなぁ……昨日もけっこう危なかったですけどね」

京太郎「まさか智葉が刀を抜いてくるとは思いもしなかったですよ。なんだっけ、君がいないとき、胸が張り裂けそうな程に辛い、だから、ここに無理にでも……だっけ?」

京太郎「…………そんなことしても無駄なのになぁ……」

ハギヨシ「仮に京太郎くんが死んでしまった場合、女子麻雀界は確実に崩壊するでしょう……もはや、京太郎くんだけの身体では無くなってしまっています」

京太郎「………………そういえば、あの話はどうなったんですか?」

ハギヨシ「進行中ですよ。いずれ、全員が同じ家に住むことになるでしょうね……希望者を募るという形になっていますが、この話を受けない人はいないかと」

京太郎「いよいよ死んじゃうかもしれませんね。…………本当、なんでこんなことに……」

京太郎「……ハギヨシさん、用事があるので、失礼します」

ハギヨシ「あ…………は、はい……それでは、後程迎えに来ます……」

……………………

……………………

ガチャ

京太郎「ゆみさん、おはようございます」

ゆみ「好きだ。愛してる。ここにいる。もっと欲しい。愛してくれ。好きなんだ。私はずっとここにいる。離れないでくれ。永遠に愛する」

京太郎「聞いてくださいよ、昨日は大変だったんですよ。危うく斬られるところでした」

ゆみ「見てくれ。もっと私を見てくれ。私だけを見てくれ。愛してる。好きだ。君が欲しい。生きたい。もっとくれ。愛してる」

京太郎「なんとか宥められたんですけどね。今日は健夜さんとはやりさんで、何されるか分かったもんじゃないんで、怖いですよ」ハハッ

ゆみ「愛してる。好きなんだ。もっと欲しい。君が欲しい。ここにいたい。ずっといたいんだ。見てよ」ガチャンガチャン

京太郎「でも例え身体は許しても、ゆみさんだけは特別ですから。新しいところに引っ越しても、俺は貴女だけのものですから」

ゆみ「見てくれ。見てくれ。もっと見てくれ。愛してくれ。もっともっともっと欲しいんだ。お願いだ。好きだ」ガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャン

京太郎「おっと、そろそろいかないと……俺も寂しいんですよ? でも、俺とゆみさんが一緒にいるためにはやらなきゃいけないことなんです」

ゆみ「愛してる愛してる愛してる愛してる。好きだから見てくれお願いだもっと見てくれ見てくれ焼きつけてくれ見たい見たい見たい見たい」ガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャン

京太郎「それでは行ってきます。また明日来ますね」

ゆみ「もっと愛してくれ私だけを見てくれ君のすべてを見せてくれ私は君が欲しいずっと見ていたい好きだ好きだ好きだ全部くれなんで見てくれ見てくれ愛してる」ガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャン

ガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャン

ゆみさん、愛してます
もっと俺を見てください
好きなんです
ずっとここにいたいです
全部俺のものにしたいです
この愛を永遠のものに

バタン

……………………………………
……………………………………ギギ

TRUE END

これにて終了でございます
今までのお付き合い、本当にありがとうございました
長いような短いようなそんなものでしたが、またどこかで出会ったら適当に見てあげてください。
向こうでもお付き合いありがとうございました。
それでほ失礼します。

>>332
個人的に誰でも良かったし、あれのおかげで病んだ可愛い女の子が見れたので満足です

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom