【推理挑戦】ダンガンロンパ+α (50)

このSSは一風変わったボクからの勝負

舞台はダンガンロンパの希望ヶ峰学園

人もオマエラの知るダンガンロンパだけど1人だけ追加させてもらうよ
今回は別次元からネプテューヌさんに来てもらいました。キャラの口調の違いとかは別次元だからで通してね。

これは必要なスパイスなんだよ、この舞台で繰り広げられる謎という料理の…ね

ボクからはとりあえず第1章を披露するね

それとね、一部おかしいって感じる点もあるかもしれないけど少しだけ目を瞑って欲しいね。
安価を使う以上は完璧に作るのは難しいんだ。

でもね、雑談も相談も自由だよ、クロの指名には安価を使うけどね

安価は他にもあるようにしたよ
ネプテューヌへの視点変更安価もあるけどあくまでも苗木君だけを使いたいならそれでも良いよ、ただ難易度が上がるかもしれないね。
ネプテューヌだけを使っても同じく難易度は上がるよ、どちらも上手く使ってね。
主人公によって手に入るコトダマは違っても、裁判で使用する時は共通だからね、たくさん集めるのをオススメするよ。

あ、先に言っておくと裁判でノンストップ議論は無いよ、選択肢と人物指名のみの裁判になるからね。
台本形式の文章でノンストップ議論は難しいからね。


それとそうだね、陳腐な暗号でも出しておこうかな

「いつの間にか一人を殺す冬
ほらくるあなた指揮権
上もお胸や歯させぬ目
そち我へ」

実は犯人だと疑われたくない人が隠れてしまったんだよ、この暗号を解いて出てきた人物は犯人ではないよ。少しは推理が楽になるかもね?
解けなくても問題ないから安心して。


それじゃあボクからは以上だよ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446796857

その巨大な学園は、都会のど真ん中の一等地にそびえ立っていた。

まるで…そこが世界の中心でもあるかのように…

私立 希望ヶ峰学園…

あらゆる分野の超一流高校生を集め、育て上げる事を目的とした、政府公認の超特権的な学園…

この学園を卒業すれば、人生において成功したも同然…とまで言われている。

何百年という歴史を持ち、各界に有望な人材を送り続けている伝統の学園らしい…

国の将来を担う"希望"を育て上げる事を目的とした、

まさに、"希望の学園"と呼ぶに、ふさわしい場所だ。

そんな学園への入学資格は2つ…"現役の高校生であること"と"各分野において超一流であること"

新入生の募集などは行っておらず、学園側にスカウトされた生徒のみが入学を許可される。

そんな、超が何個も付くほど、超すごい学園の校門の前に…ボクは立っていた…

まずはオーソドックスに自己紹介から始めたいと思う…ボクの名前は"苗木誠"だ。

外見は、どうしようもないほどの平均的な普通の高校生…

中身の方も…同じ…性格にも特技にも成績にも、これといった特徴はない。

特別な趣味や趣向がある訳でもなければ、ミュータントでもないしスタンドを出せる訳でもない…

ボクの好きなアイドルや、好きなマンガ、好きな音楽、好きな映画を知りたければ…

ランキング番組でも見れば1発だ。その1位になるヤツが、大抵そうだから。

"王道"という言葉すら裸足で逃げ出す、まさに、普通の中の普通…

…それがボクだ。

最初に、自己紹介というオーソドックスなところから始めたのも、そのいい例だと思う…

まぁ、強いて言うなら、唯一の取り柄は…人よりちょっと前向きな事くらい……かな

そんな普通のボクは、今…希望ヶ峰学園という普通じゃない学園の前に立っている訳だけど…

本当に…すごい所に来ちゃったよな…ボクみたいなのが…こんな学校でやっていけるのか?

案の定、ボクは、この学園の圧倒的な存在感に呑まれてしまっていた。

だけど、ボクがこうなるのも無理はないんだ。という事をわかってもらう為にも…

まずは、昨日の晩の"事前準備"の事を説明した方がいいだろう。

希望ヶ峰学園に選ばれる生徒達は、本当に、各分野の超一流高校生ばかりで…

その選抜メンバーに関しては、ネットの掲示板で、専用のスレが立つほどの話題となる。

ボクは事前準備を兼ねて、それを覗いてみたのだが…

そこには、いずれも平均値から大きくとび抜けた"超高校級"の面々ばかりが揃っていた。

例えば"超高校級のアイドル"として、希望ヶ峰学園に入学するのは…

国民的アイドルグループのセンターマイクとして活躍する、話題の女子高校生アイドルだったり…

”超高校級の野球選手”として入学するのは…

高校野球大会の優勝チームのエースで4番バッター。プロも注目の逸材だったりする…

”超高校級のギャル”として入学するのは…

ギャル系ファッション雑誌で表紙を飾る人気モデルで、女子高校生達のカリスマ的存在だし…

おまけに”超高校級の暴走族”なんて肩書きで入学するヤツもいて

…恐ろしい事に、日本最大の暴走族の総長で、全国のヤンキー連中から尊敬畏怖を集める男らしい。

超高校級の女神として入学する人もいるらしい

詳細はわからなかったけど、美人なのかな…女神板の住人…ってことはないよな、多分

その他にも、超高校級の格闘家や、御曹司、同人作家、スイマー…

プログラマー、ギャンブラー、風紀委員、占い師などなど…

そこには、自分の無力さを痛感させられる、そうそうたるメンバーばかりが揃っていた…

例えるなら、ライオンの群れに紛れ込んでしまった三毛猫の気分…

…だけど、ちょっと引っかかる事もあった。

いくら検索しても、情報がヒットしない新入生が何人かいるみたいなのだ…

何人か……その内の1人は、大した才能もないボクさからいいとして…

じゃあ、他に検索がヒットしない新入生って?

ボクと同じように、これといった実績のない人が他にもいるって事か…?

…と、思うと少しだけ勇気がわいてくる。我ながら情けない性格だ。

まぁ、それはともかくとして、問題なのは…

そんな”超高校級”が揃うメンバーの中に、どうして普通の高校生のボクが選ばれたのかって事だ。

その理由は…希望ヶ峰学園から届けられた、この入学通知を見れば一目瞭然だ。

『今回、我が校では平均的な学生の中から、抽選によって1名を抽出いたしました。』

『その結果、当選したあなたを”超高校級の幸運”として、我が校に招き入れる事になりました。』

つまり、僕が選ばれたのは、ただの”運”って訳だ。ここに明記してあるしね…

とは言え、こうして実際の学園を目の前にすると…やっぱり場違いだった、なんて怖気づいたりもして…

…でも、いつまでも校門の前で立ち往生してる訳にもいかないよな…

ぶつぶつと独り言を呟きながら、ボクは手にした入学通知に視線を落とす。

そこには"新入生は8時に玄関ホールに集合"の文字。

集合時間まで、まだ時間があるけど…そろそろ…行こうか…うん…行くぞ…!!

たかが初登校とは思えないほどの大げさな決意を固めると…

ボクは、玄関ホールへと足を向けた。

集合場所の玄関ホールって…ここだよな。まだ誰もいないみたいだけど…

ホールにある置時計を見ると、時刻は5時10分を指していた。

ナエギ「集合時間は8時だから…まだ2時間50分も前だ。」

ナエギ「誰もいなくて当たり前か…緊張して…早く来すぎちゃったな…」

ナエギ「集合時間まで結構あるし、ここでずっと待ってるってのもなぁ…」

ナエギ「そうだ、先に学園の中でも回ってみようかな。緊張をほぐす意味でも。」

ナエギ「ボクだって、もうこの学園の生徒なんだから、問題ないはず…だよな?」

ちょっとした時間潰し…

その程度の軽い気持ちで、ボクは希望ヶ峰学園に、最初の1歩を踏み出した。
新しい学園生活の始まりとなる希望に満ちた1歩…
…となるはずだった。

ナエギ「…えっ!?」

だけど、その1歩目を踏み出したのと同時に…

ボクの視界は、ぐるぐると歪み始めた。

やがて、世界は飴細工のようにドロドロと溶け、混ざり合う……

ぐるぐるぐるぐるぐると、ドロドロドロドロドロとなり…

その次の瞬間には…

ただの暗闇。

それが始まり…

そして、日常の終わり…

この時点で…ボクは気付いても良かったのかもしれない…

ボクが希望ヶ峰学園にやって来たのは、”超高校級の幸運”なんかじゃなくって…

”超高校級の不運”だったって事に…

ナエギ「…ん?あ…れ…?こ、ここは…?」

ボクは硬い机の上で目を覚ました。

体がやけにダルい…。

確かに、退屈な授業中には、居眠りする事もあるボクだけど…

でも…今はどうして机の上で寝てるんだ?

それに、そもそも見覚えのない教室

ナエギ「どう…なってるんだ…?」

普通の掛け時計を見ると時刻はいつの間にか8時を回っている。

ナエギ「ボクが玄関ホールに入ったのが5時10分くらいだったからあれから3時間近く経っているのか…」

ナエギ「これって…監視カメラかな?」

ナエギ「最近は物騒だし…不審者が入ってこないように設置してるのかも。」

ナエギ「な、なんだよ…これ…?」

本来の教室なら窓があるべき場所…だが、そこには…

鉄板のような物が打ち付けられていた。

拳で叩いてみると…ドンドン…と鈍い音が響く

ナエギ「やっぱり鉄板…だな。しかも、かなり頑丈で分厚そうだ…」

ナエギ「いや、そんな分析よりも…そもそも、どうして鉄板が?」

ナエギ「なんだこれ、入学…案内……?」

安っぽいパンフレット…しかも手書きだし…

『新しい朝が来た』
『希望の朝だ。喜びに胸を開け大空あおげ、
ラジオの声に 健やかな胸を』か…

ナエギ「なんだ、これ…誰かの悪ふざけか?」

えーっと、この状況から察するに…

緊張のあまり玄関ホールで立ちくらみしたボクを誰かがこの教室まで運んでくれた…とか?

とすると、この教室って…希望ヶ峰学園の…教室って事になるよな。

でも…それにしては…

…異様だ。とてつもなく異様だ。

窓に打ちつけられた鉄板…まるで牢獄のような圧迫感…

意味不明で…理解不能…

ナエギ「とりあえず…もう1度玄関ホールに戻ってみようかな…」

ナエギ「集合時間を過ぎてるし、他の新入生が集まっているかもしれない…」

廊下に出ると、鳥肌が立った

ナエギ「なんだか…廊下まで不気味だな…」

ナエギ「とりあえず…玄関ホールに行こう…」

ボクが再び玄関ホールに戻るとそこには……彼らの姿があった。

???「オメーも…ここの新入生か…?」

ナエギ「じゃあ…キミ達も…!?」

???「うん。今日、希望ヶ峰学園に入学する予定の…新入生だよ。」

???「これで16人ですか…キリがいいし、これで揃いましたかね…」

彼らが…希望ヶ峰学園に運ばれた”超高校級”の生徒達…
その場に揃った顔を、ゆっくりと見回してみる。

なんだか…オーラのようなものを感じると言ったら、言い過ぎだろうか?

ナエギ「ん?一人足りない…?」

???「やっほー!ここだよー!」

ナエギ「!?」

後ろからの声にボクは勢いよく振り向く。

ネプ「隠れてたわけじゃないけどねー!初めまして!私ネプテューヌ!よろしくね!」

ナエギ「えっと、あの…はじめまして…苗木誠って言います…」

ナエギ「色々あって、いつの間にか寝ちゃってて…それで遅れちゃって……」

???「え?オメーもそうなんか?」

???「とすると、ますます妙ですわね…」

???「異常…これは間違いなく異常事態宣言発令ですぞ!」

ナエギ「あ、あの…どういう事?よく状況を把握できていないんだけど…」

???「ちょっと待ちたまえ! その前にだ!」

???「苗木くんッ! 遅刻とはけしからんじゃないか!!8時集合と知らされてあったはずだろう!」

???「入学初日に遅れるなど言語道断!」

???「アンタ、何言ってんの…?しょうがないじゃん、こんな状況なんだからさ…」

???「それより、改めて自己紹介しない!?遅れてきたクラスメイトくんの為にもさ!」

???「…自己紹介だぁ?んな事やってる場合じゃねーだろ!!」

???「ですが、問題について話し合う前に、お互いの素性はわかっていた方がよろしいでしょう。」

???「なんてお呼びしていいのかわからないままでは、話し合いも出来ないじゃありませんか…」

???「それも、そうだよねぇ……」

???「じゃあ、まず最初に自己紹介って事でいいですか?話し合いは、その後という事で…」

イマイチ、この状況が理解出来てないけど、とりあえずは自己紹介って事でいいんだよな?

これも、ちょうどいい機会か。

みんなの事は、”希望ヶ峰学園新入生スレ”で、一通りは調べてあるけど…

実際には、どんな人達なのか…それを確認しておくとしよう。

マイゾノ「舞園さやかです。これから、よろしくお願いします。」

ナエギ「思わず見とれてしまう鮮やかなお辞儀…今まで嗅いだ事もない良い匂い…」

ナエギ「よろしくね!」

マイゾノ「は、はい…」

マイゾノ「また…後でね…」


クワタ「うーっす、オレの名前は桑田怜恩だ!ヨロシクな~!!」

ナエギ「よろしくッ!」

クワタ「うへぇー!!」


ヤマダ「山田一二三…”すべての始まりにして終わりなる者”二つ名の方で呼んで頂いても構いませんぞ。」

ナエギ「Yで始まる苗字って少ないよね」

ヤマダ「ところで、苗木誠殿は2次元関係にはお強い方ですかな?」

ナエギ「ま、まぁ少しは」

ヤマダ「僕は二次創作の同人誌を出しておりましてなぁ!…最近はちょっとふたなりものに興味がありまして…」

ナエギ「ボ、ボクはいいよ!」

フカワ「どうせ…あたしの名前なんて…後ですぐに忘れるんでしょうけど…」

ナエギ「なんのこっちゃ」



イシマル「僕の名前は石丸清多夏だ! 座右の銘は質実剛健!お互い、学業に切磋琢磨して頑張ろうではないか!!」

ナエギ「どうもー\(^^)/」


次に、あの5人と話してみるか。


アサヒナ「こん千和っすー! 朝比奈葵っすー!ヨロシクねー!」

アサヒナ「え、えーっと…そっちの名前ってなんだっけ?ごめん、失念しちゃったよ。」

ナエギ「苗木誠ですぅ^^」

アサヒナ「と、とりあえずっ!これからもヨロシクって事でっ!!」



フジサキ「どうも、はじめまして…藤二咲千尋ですぅ…これから…よろしくね…」

ナエギ「素敵です…」



キリギリ「…………」

ナエギ「…………」

キリギリ「…………」

ナエギ「なんもないんかいッ」

キリギリ「霧切よ、よろしく」

そう言えば、希望ヶ峰学園の新入生の中には、ボク以外にも素性が明らかにならない新入生がいるんだっけ、それが、この彼女なのか…?

まるで鉄仮面だな…何も話してくれないんじゃ知りようもない…

オオワダ「オレは大和田紋土だ…ヨロシクな…」

ナエギ「大きいね…よろしく…!」

オオワダ「…おぅ」


エノシマ「どーも、江ノ島盾子でーす。よろしくねー。」

ナエギ「よろしく」


最後に、あの4人と話してみよう。


ハガクレ「俺は葉隠康比呂ってんだ。まぁ、ほどほどに頼むべ。」

ナエギ「今時、その髪型はどうすかね・・・?」


トガミ「十神白夜だ…」

ナエギ「どうも…よろしくね…」


オオガミ「大神さくらだ…」

ナエギ「これから…!よろしくお願いします!」


セレス「お初にお目にかかりますわね。セレスティア・ルーデンベルクです。」

ナエギ「セレスティア…ルーデ…って何が?」

セレス「わたくしの名前ですわよ。”セレス”と呼んでくださって結構ですわ。」

ナエギ「セレスティア!インフェリア!どっかーん!」

セレス「???」



ナエギ「君はさっきの…はじめまして、苗木誠です。」

ネプテューヌ「うん、私!ネプテューヌ!よろしくね!」

ナエギ「超高校級の女神なんだよね」

ネプテューヌ「うん、人に信仰されるーみたいな才能なんだって、希望の象徴って奴!」

ナエギ「すごい才能だね、これからよろしくね」

ネプテューヌ「うん!」

それのしても”超高校級”なんて呼ばれるだけあって、みんな個性的と言うか…なんと言うか…

トガミ「…おい、そろそろ本題に入るぞ。仲良く”はじめまして”ばかりやっている場合でもないんだ…」

ナエギ「あ、そう言えば…さっき言ってたよね?この状況がどうとか、問題がどうとか…それって、どういう意味なの?」

マイゾノ「えっと、それはですね…苗木君、言ってましたよね?色々あって寝ちゃってたって…」

マイゾノ「それって私達も…一緒なんです…」

ナエギ「えっ!?一緒って…?」

クワタ「この玄関ホールに入った直後に、いきなり気を失っちまってさぁ…」

クワタ「そんで、気付いたら校内で寝てたっつー訳!オメーもそうなんだろ?」

ナエギ「で、でも、それって変だよ!ここにいる全員が揃って気を失うなんて…」

オオワダ「だから困ってんだろがッ!!」

イシマル「異常なのは、気を失った件だけではないぞ。諸君らも教室や廊下の窓を見たであろう?」

イシマル「…至る所に、鉄板が打ち付けられていた。あれは一体なんだと言うのだッ!?」

エノシマ「それに、あたしの荷物どこ行っちゃったの?ケータイも行方不明だし…」

フジサキ「そう言えば…PDAがどこにもないよぉ……」

イシマル「それに、妙なのは、この玄関ホールもだ!」

イシマル「奥の入口が、妙な鉄の塊で見事に塞がれてしまっているじゃないか…」

イシマル「僕が入って来た時には…あんな物なんてなかったぞ。なぜだッ! 一体なぜなのだッ!!」

エノシマ「もしかして…犯罪チックな事に巻き込まれたんじゃ…?」

クワタ「誘拐…とか…?オレら…みんなして希望ヶ峰学園から連れ去られた…なんてオチ?」

ハガクレ「どうせ、学園が企画したオリエンテーションかなんかだべ?」

フジサキ「…そっかぁ。みんなを驚かせる為のドッキリイベントだね?」

クワタ「何よ、そういう事なの…?ならオレも昼寝させてもらっちゃうよ?」

と、一同の緊張が緩みかけたその時だった。

突然”それ”は始まった。

「キーン、コーン… カーン、コーン…」

???「あー、あー…!マイクテスッ、マイクテスッ!校内放送、校内放送…!」

???「大丈夫?聞こえてるよね?えーっ、ではでは…」

それは場違いなほど、能天気で明るい声…

それゆえに…ボクは、その声に強烈な不快感を抱いた。

例えば、事故現場で鳴り響く笑い声のように、思わず眉をしかめたくなるような不快感…

???「えー、新入生のみなさん…今から、入学式を執り行いたいと思いますので…」

???「”男子”は至急、体育館までお集まりくださ~い。女子は少しの間そこで待っててくださ~い。」

???「…って事で、ヨロシク!」

エノシマ「なに…? なんなの、今の…?」

トガミ「俺は先に行くぞ…」

エノシマ「ちょ…ちょっと!なんで、いきなり行っちゃうの!?」

ハガクレ「入学式…なるほど、そういう事ね…これは入学式って催し物の一部だったってか。」

ハガクレ「じゃあ、俺も行くとすっか。お次は、どんな趣向のイベントかなっと…」

クワタ「せっかく一眠りしようと思ってたっつーのに…空気読めよなマジで。」

フジサキ「ぼ、僕は…その、あの…残ります」

セレス「”男子”と言っていたので私も残りますわ。」

フカワ「誰も…気にしてないでしょうけど…あ、あたしも」

マイゾノ「大丈夫なんですかね…?」

エノシマ「今の校内放送にしたって、妙に怪しかったしね…」

キリギリ「団体行動した方がいいでしょうけど、とりあえず今は言われた通りにしましょう。」

エノシマ「ふざけんなッ!あたしは体育館に行く!こんなおふざけした奴に文句言ってやるッ!」



視点を選んで下さい
①苗木誠
②ネプテューヌ

安価下

【主人公を変更しました】


私達は玄関ホールで待機していた。

腐川ちゃんだけが床に座り込んで他のみんなは私を含めて立ちすくんでいる。

ネプ「暇だねー、私やることないし探索してきてもいいかなー。」

キリギリ「女子はここで待つように言われたでしょ。」

キリギリ「相手の存在が何かわからない以上は何があるかわからないし…」

キリギリ「男子達が戻って来た時にあなたを探さなきゃいけなくなるわ。」

ネプ「えー、でもでも、江ノ島ちゃんは女子だけど行っちゃったよ、私もちょっとくらいー!」

キリギリ「危険な相手だったらどうするの、あなたの軽率な行動が私達全員を危険に晒す可能性だってあるのよ。」

キリギリ「江ノ島さんに関しては止めるタイミングを見誤った私のミスだわ。何もなければいいのだけれど。」

ネプ「う…ご…ごめんなさい…」

キリギリ「…いいのよ、少しピリピリしすぎたわ、トイレくらいならいいと思うわ。」

ネプ「そ、そうだねー!でもでも!女神はトイレなんて行きません!」

マイゾノ「それ女神じゃなくてアイドルじゃないですか。」

セレス「…トイレ?はて?トイレとは何でしょうか?」

アサヒナ「セレスちゃんはどこの国設定なの!?」

セレス「…設定…?設定ってなんでしょうか…?」

アサヒナ「あ…うん、いいや、ごめん。」

ネプ「でもでもでもー、このままだと暇だしー、何かやろうよー!」

ネプ「舞園ちゃん!モノマネ!はい!」

マイゾノ「え、えぇ!?え、えっと…その…。」

ネプ「だめだよー!近頃のアイドルはバラエティで芸人さんと共演することだってあるんだから!」

マイゾノ「そ、そうですね!私、やってみます!」

キリギリ「私は少し席を外すわ。」

セレス「あら?どちらへ?」

キリギリ「あなた達がしないという行為をしに行くのよ。」

アサヒナ「何それ?」

フカワ「トイレでしょ…。1分前のやりとりも覚えてられないの…」

ネプ「まぁー朝日奈ちゃんはそういうキャラでしょー!」

セレス「…あなたもそういうキャラだと思いますけど…。」

セレス「…男子と江ノ島さんが体育館へ向かってからまだ5分ですか…。何もなければいいのですけれど。」

セレス「ギャンブラーとしての感が言っていますわ…。何か良くない事が起こる…と。」

霧切ちゃんがここを離れてすぐ、建物全体が揺れた。

遠かったが爆発音だろうか。

ネプ「わ、わー!何、なに!?懐かしの爆発音!?」

アサヒナ「ゆ、揺れたよ…!?」

セレス「揺れましたわね、なんでしょうか…?」

ネプ「えー、アサヒナちゃんは揺れそうだけど、セレスちゃんは揺れるほどないでしょー。」

セレス「ぶちころされたいのでしょうか」

ネプ「ねぷっ!?」

フカワ「…ば、爆弾でも、ば…爆発した時みたいな揺れよ…」

マイゾノ「ば、爆発!?だ、大丈夫なんでしょうか…!?」

ネプ「よーっし!ここは主人公オブ主人公こと私、ネプテューヌが見に行ってくるよー!」

アサヒナ「だ、だめだよ、危ないよ!」

セレス「そうですわ。…もしあのアナウンスの声の主が爆発を起こしたのなら…」

セレス「カメラで見張られている私達がおかしな行動を起こした時に何かをするかもしれませんもの。」

フジサキ「そ、それって…ここも爆発…とか…?」

フカワ「なんなのよぉ~…!!」

マイゾノ「お、落ち着いてみなさん、ここには不審な物は見当たりません。」

ネプ「えー、不審な物ばっかりじゃない?カメラとか扉とか、セレスちゃんとか!」

セレス「…誰が不審ですって?」

ネプ「あー!セレスちゃんのは腐心だよ、安心してー。腐女子の心を持つ乙女って意味だよ!」

セレス「婦女子の心…まぁ当然ですわね、私は高貴なるセレスティア・ルーデ…」

アサヒナ「今はそういうのいいって!!結局どうすればいいのー!?」

フジサキ「霧切さんを待たなきゃ行けないし…」

フカワ「動かないようにも言われてるし…ここで待機が無難ね…」

マイゾノ「そ、そうですね、何かあれば誰か来ると思いますし」

ネプ「危ないのは嫌だしねー。あー、もう暇ー。霧切ちゃんも遅いよー!」

ネプ「これはあれなの!?想像案件なの!?大きいほ…」

マイゾノ「ちょ…ちょっとネプテューヌさん!?そういう詮索はやめましょう…?」

セレス「想像した方もされた方も得はしませんわね。…特殊な性癖でもない限り…ですけど…。」

フカワ「…あんたら…危機感なさすぎ………。」

フジサキ「きっと迷ってるんだよぉ…。」

アサヒナ「暗いし広いしねー。霧切ちゃん戻ったら場所聞いとかなくちゃ!」

その場での待機を選択して5分ほど経った所で廊下に影が映る、霧切ちゃんだ。

ネプ「おおー!霧切ちゃんおかえり!」

キリギリ「ただいま、でいいのかしら、少し迷ってしまったわ。」

フジサキ「暗くて広いからねぇ。」

キリギリ「まさか学校で右手法を使うとは思わなかったわ。」

アサヒナ「右手法?」

キリギリ「壁につねに右手をつけて進み続けると迷路の出口にたどり着けるという方法よ」

キリギリ「迷路の外周にゴールが無ければ意味がないのだけれど、トイレは普通外周について作られているでしょ」

キリギリ「それと2階への階段が閉鎖されていたわ、だから立体迷路でもなく目的地が外周に密着している。」

キリギリ「試したのは初めてだけど良い検証となったわ。」

アサヒナ「…へ、へぇー…。」

フカワ「絶対理解してないわね…」

アサヒナ「理解してるよ!ずっと壁に手をついてたってことでしょ!」

フカワ「そこしか理解できなかったのね…」

アサヒナ「…あれ?壁に手をついてたら拭けなくない?」

マイゾノ「朝日奈さん?」

アサヒナ「なになにー、舞園ちゃん。」

マイゾノ「…天然ですか…」

アサヒナ「なんなのよー、もう!」

セレス「霧切さん、先ほどの音は聞きましたか?」

キリギリ「えぇ、何かが爆発した音と一緒に揺れも感じたわ、すぐに戻ろうとも思ったのだけれど自分の体調を優先してしまったわ、ごめんなさい。」

セレス「いえいえ、いいのです。私達はここで待機するのが正解だと思うのですがどうでしょう。」

キリギリ「私は男子達に合流した方が良いと思うわ。」

セレス「何故か理由を聞いても?」

キリギリ「ここにいても何もわからないからよ、”探偵”は現場百篇って知らないかしら?」

キリギリ「何かが起きて爆発音と揺れが生じたならそこに行くべきよ」

フジサキ「で、でもカメラで見られてるし…もし勝手にここを離れたりしたら…」

キリギリ「ここを離れることに問題があるのなら、江ノ島さんや私がここを離れた時点で何かあったはずよ」

セレス「…ですが……」

ガヤガヤ…!!ガヤガヤ…!!

喧嘩にならないように立ちまわろうかと思っていたら、廊下の奥からざわざわがやがやと声が聞こえてきた。
体育館へと行っていた人が戻って来たのだろう。

イシマル「オオワダくん!君は少し乱暴すぎる!」

エノシマ「な、苗木くん、大丈夫…。」

ヤマダ「苗木誠殿ー、貴殿は健闘した、健闘しましたぞ~」

アサヒナ「あ、戻ってきたみたいだね!」

キリギリ「討論終了でいいみたいね」

セレス「ええ、待機する、がアンパイでしたわね」

ネプ「アンパイ?un Oppai?」

セレス「しつこいですわね…!」

マイゾノ「そ、そんなことどうでもいいですよっ!何があったんですか!」

イシマル「とりあえず説明は全員が揃ってからにしよう」

ヤマダ「十神白夜殿はどこかへ行ってしまわれましたし、苗木誠殿は今、気を失っておりますので…」

マイソノ「苗木君っ!?」

キリギリ「何があったのかしら…?」

イシマル「と、とりあえず苗木くんは部屋へ送ろう、その後食堂に集合して頂きたい。」

マイゾノ「わかりました、なら私は苗木君を見てます。その…食堂に集まるよう言わないといけないので」

ネプ「アイドルが男の子と二人きり?大丈夫なの!?」

ヤマダ「スキャンダルですぞ~!」

マイゾノ「大丈夫です、私達、実は中学校が同じだったので」

セレス「あら、それこそマスコミには良いスキャンダルだと思いますわ。中学から知り合いの男子と個室に二人きり、と。」

セレス「カメラもありますしマズイと思いますわよ」

マイゾノ「で、でも…」

キリギリ「ここから出られたとして、アイドルの地位を失うことになる…あなたは自分の才能が無になるのを耐えられるかしら…?」

マイゾノ「…ッ!」

キリギリ「部屋に連れていって、メモを残しておきましょう。それで十分だと思うわ。」

マイソノ「はい…。わかりました。」

ネプ「じゃあ話もまとまったところで!食堂に向かいますかー!」



主人公の変更が可能です。視点を選んで下さい。
①苗木誠
②ネプテューヌ

ナエギ「うっ…うぅ………あ…れ?こ…ここは…?」

当たり前のように見覚えのない部屋だった…

ナエギ「…ここは、どこなんだ?」

ナエギ「たぶん…学園内の個室…?」

生徒手帳のマップを見ると、ここは僕の部屋のようだ。
なら、とりあえず体の調子が戻るまでは部屋の中でも調べようか。

ここは、シャワールームみたいだな

「ガタガタガタ!」

ナエギ「あれ?開かないな…鍵が掛かってる…みたいだ…」

仕方ない…あれ、あの机の上にあるのは…

この部屋の鍵か…?キーホルダーにボクの名前が書かれている。

ナエギ「ボクの名前があるって事はボクの物…なんだよな?とりあえず…預かっておくか…」

ナエギ「紙…。何か書いてるな」

目が覚めたら食堂に来てくれたまえ、
体育館での出来事について話し合おう!石丸

ナエギ「そっか、女子達にも話をしないとね。少し気が重いな…。と、裏に何か書いてあるな」

部屋には、シャワールームが完備されていますが、
夜時間は備え付けのトイレも洗面所も水が出ないので注意してください。
また、女子の部屋のみシャワールームが施錠できるようになっています。モノクマ

ナエギ「…多分、気を失ったボクを誰かが運んで来てくれたんだろうな。」

ナエギ「メモには食堂に来るように書いてあったし行こうか…!」

他のみんなと合流する為、ボクは部屋を飛び出した。

だけど、そこで、ボクを待っていたのは…古いマンガのようなシチュエーションだった。

「ドンッ!!」

???「きゃっ!!」

ナエギ「あ……舞園さんっ!?ご、ごめん! 大丈夫!?」

マイゾノ「い、いえ…私の方こそ…ごめんなさい…」

彼女は、照れくさそうな笑みを浮かべながら、ゆっくりと腰を上げた。

ナエギ「舞園さん…本当に大丈夫?怪我はない?」

マイゾノ「うふふ、大袈裟ですって。私なら大丈夫ですから。」

マイゾノ「こう見えても、それなりに筋肉あるんですよ。ステージ上を飛び跳ねたりしちゃうんですからっ!」

ナエギ「なら、よかったよ…」

マイゾノ「でも、ナエギ君の方こそ大丈夫ですか?その…大和田君にやられた傷は…」

ナエギ「あ…。なんで知ってるの・・・?」

マイゾノ「食堂で聞きました。苗木君を待っていたのですけど、十神君が話を始めてしまって…」

マイゾノ「これからどうするかは苗木君を待つとして、みんなで手分けしてこの学園を調査してました。」

マイゾノ「集合時間が近づいたので調査の報告にと、また食堂に戻ったんですけど…」

マイゾノ「まだ苗木君が来ていなかったので…呼びに来ちゃいました!」

ナエギ「そっか…あ、大丈夫だよ!ボクならなんともないから!」

マイゾノ「…よかった。心配してたんですよ。」

ナエギ「う、うん…」

マイゾノ「では、もう集合時間ギリギリなので、食堂に向かいましょう。」

ナエギ「ここが…寄宿舎の食堂か…」

マイゾノ「清潔そうな食堂で良かったですよね。…って、喜んでいる場合じゃありませんね。閉じ込められているんですもんね。」

ナエギ「確かに…そうだね……」

マイゾノ「ところで、苗木君…」

ナエギ「えっ、何…?」

マイゾノ「苗木君に確認したい事があるんです。」

ナエギ「ボクに確認したいこと?」

マイゾノ「苗木君って、六中じゃないですか?」

マイゾノ「根黒六中の…二組の……」

ナエギ「う、うん…そうだけど…」

マイゾノ「…やっぱり!」

マイゾノ「私も同じ根黒六中だったんです!四組にいたんですけど、知ってます?」

ナエギ「知ってるも何も…」

彼女は中学時代から、超が何個も付くほどの有名人だった…

ボクが知らないはずがない…そんな事より、むしろ驚いたのは…

彼女が、ボクを覚えててくれた事だ!

同じクラスだった訳でもなく、まともに話した事すらないボクなんかの事を…

マイゾノ「どうか…しました…?」

ナエギ「…いや、ちょっと驚いちゃってさ。舞園さんが、ボクを覚えてると思わなくて…」

マイゾノ「覚えてるに決まってるじゃないですか!だって、同じ中学校だったんですよ?」

ナエギ「同じ中学校って…でも、同級生ならたくさんいたし…それに、ボクなんか、どこにでもいる目立たないヤツで…」

ナエギ「何事にも平均的で大抵の趣味がランキング1位だし、王道って言葉すら裸足で逃げ出す普通中の普通で…」

マイゾノ「もーうっ、何言ってんですかぁ?苗木君って変わってますね。」

ナエギ「か、変わってるなんて、そんなっ!」

マイゾノ「アハハ…!…でも、ホントに良かったです!知ってる人がいてくれて…」

マイゾノ「それに、苗木君と話していたら、なんだか元気出てきたかも!苗木君って、すごいですね!」

ナエギ「いや…ボクなんて…”超高校級”なんて言われる他のみんなに比べたら全然、大した事ない人間だし…」

マイゾノ「でも、私を勇気付けられた男性は苗木君だけですよ。ネプテューヌさん以外には出来なかった事です。」

ナエギ「あ、ありがとう…ネプテューヌさんって…超高校級の女神の人だよね。」

マイゾノ「はい、海外と日本のマルボタンとバツボタンの仕様は統一すべきだーって言ってましたよ。」

マイゾノ「シカクとかサンカクが通常攻撃になってるゲームもあるから覚えるのが面倒だーって言ってました。」

ナエギ「…この状況でも動じてないのはすごいと思うよ……」

マイゾノ「でも元気な姿を見てたら元気になっちゃいました!見た目も可愛いですしね!」

ナエギ「バツ印って悪いイメージがあるんだけど、これはボクが日本人だからかな」

マイゾノ「私は好きですよ、バツ印。マルもサンカクもシカクも好きです!」

ナエギ「そ、そう?ハートとか星なら分かるんだけど…バツって聞くとなんか…ね…テストとか思い出しちゃって…」

マイゾノ「ふふ、苗木君も良さが分かる日が来ると嬉しいです。PSコントローラーは2までは神です!握りやすいです!」

ナエギ「…わ、分かるように努力するよ。ここから出て家に帰ったらね。」

マイゾノ「そうですね!前向きにがんばりましょう!ふふふ。」

マイゾノ「よーし、勇気付けられたお礼に私は”超高校級の助手”になっちゃお!」

ナエギ「は?助手?」

マイゾノ「苗木君の助手です!私も精一杯、手伝いますから一緒に、ここから出ましょうね!」

舞園さんに…そんな風に言われると…なんだか…

がぜん、やる気が出てきたぞっ!のはいいけど…

それにしても、みんな遅いな…そもそも、今って何時だ?

マイゾノ「夜の8時ですよ。」

ナエギ「えっ…!今、声に出してたっけ…!?」

マイゾノ「私、エスパーですから、フェアリータイプも混合した優秀属性です。」

サーナイト…?バリヤード…どっちだろう。ボイスならサーナイト…ダンスならバリヤード……

マイゾノ「サーナイトの方でお願いします…」

ナエギ「そ、それにしてもずいぶん時間が経ってる…」

マイゾノ「苗木君…ずいぶん長い時間、気を失ってたんですよ…」

ナエギ「…そうだったんだ」

窓がないせいで、時間の感覚がまるで掴めなかった。

こんな環境にずっといたら…気が狂いそうだな。

マイゾノ「それにしても、みんな遅いですね。そろそろ来てもいいと思うんですけど…」

と言った矢先だった。タイミングよく食堂のドアが開け放たれ…

イシマル「苗木くんと舞園くん!君達が一番乗りだったか!」

イシマル「残念だ…僕が最初だと思ったのだが…まだ…気合いが足りんという事か…!」

イシマル「だが諦めんぞ。次は必ずや勝ってみせるッ!!正義は必ず勝つのだッ!!」

マイゾノ「もうっ、大げさですって!」

それから間もなく…

石丸クンに続くようにして他のみんなも次々と食堂に集まってきて…

そして、数分後には全員が揃った。

イシマル「よし、全員揃ったようだな!では、さっそく会議を始めようと思う!!」

イシマル「お互い、調査の成果を披露し合い、情報を共有化しようではないか!」

イシマル「一刻も早く、ここから脱出する為にッ!!」

エノシマ「あ、ちょっと待って…!」

イシマル「何事だッ!?」

エノシマ「えーっと、あの…なんていったっけ?あの銀髪の彼女…」

ネプ「マザコングの事?」

エノシマ「誰のあだ名よ…えっと、そうそう、キリギリキョウコ…?」

イシマル「…彼女がどうした?」

エノシマ「いないけど…」

イシマル「なんだとっ!?」

ボクは、ぐるりと食堂を見回した。

そこには…確かに霧切さんの姿がなかった。

アサヒナ「霧切ちゃん…どこ行っちゃったんだろ。誰か見た人いない?」

みんな首を横に振る…

フジサキ「え…?誰も…霧切さんの姿を見ていないのぉ?」

霧切さん…彼女が姿を現さない理由……ひょっとして…それって…!

ネプ「霧切ちゃん方向音痴だから迷ってるんじゃない?」

セレス「あれは場所がわからない所に行こうとしたから迷ったわけでして、地図を見ることが出来る以上、彼女が迷子になることはないと思いますわ。」

セラスさんとネプテューヌさんが何の話をしているかわからないけど、僕らが体育館に行ってる時に何かあったのかな

イシマル「おのれ、霧切くんめ…初日から遅刻か…」

イシマル「遅刻しているにも関わらず遅刻の旨も伝えないとは遅刻者としての根性がなっておらんぞ…」

エノシマ「言ってる事メチャクチャだけど、わかってる?」

イシマル「だが、何事も時間厳守だ。仕方あるまい。第1回希望ヶ峰学園定例報告会の開催を宣言するッ!」

マイゾノ「…苗木君。じゃあ、まずは…手分けして調査していたみんなの報告を聞くとしましょうか。」

ナエギ「うん、そうだね」

マイゾノ「うふふ、なんだか…今の私って、本当に苗木君の助手みたいじゃありませんでした?」

マイゾノ「頼りない助手ですけど精一杯頑張るんで、よろしくお願いしますね。」

ナエギ「いや…これ以上ないくらい心強い助手だよ…舞園さんは…」

マイゾノ「じゃあ、状況を知らない苗木君の為に私から簡単に説明しておきますね。」

マイゾノ「みんなで手分けして調査することになったんですけど十神君と石丸君とネプテューヌさんは単独行動。あと、霧切さんもですね…」

マイゾノ「桑田君、葉隠君、江ノ島さん、不二咲さんは一緒に行動していたみたいです。」

マイゾノ「後は朝日奈さんと大神さん、大和田君が一緒で、残ったセレスさん、腐川さん、山田君も一緒です。」

トガミ「俺が調べていたのは俺たちを閉じ込めた犯人についての手掛かりだ。」

トガミ「だが、これといった発見はなかった。以上だ…」

イシマル「そ、それで終わりか?」

トガミ「発見があれば報告するつもりだったがないのだから仕方あるまい?」

イシマル「そ、そうか…了解した…」

イシマル「僕は寄宿舎を調べていたんだが…」

イシマル「特には何もなかった!!」

エノシマ「ドアにネームプレートが貼られててそれぞれの個室が指定されてたわね。」

オオガミ「ご丁寧に、名札付きの鍵まで用意してあったな…」

…って事は、やっぱり、さっきの部屋がボクの部屋だったんだな。

エノシマ「それと、あの部屋は完全防音みたいよ。あたしと不二咲とで確認してみたんだけど…」

フジサキ「隣の部屋で大声出しても全然聞こえなかったよぉ…」

セレス「ですが、清潔なシャワールームもありましたわ。鍵まで付いていましたわね。」

エノシマ「鍵が掛かるのは女子の部屋だけらしいけどね。」

さっき調べた時はボクの部屋のシャワールームは鍵が掛かってたような…

あれ…?ボクってもしかして…?

オオワダ「つーかよ、勝手に個室なんぞ用意して何を勝手に泊まる流れにしてやがんだ…!」

イシマル「ないよりはマシじゃないか!おかげでサバイバル生活を強いられる心配もないのだ!」

フカワ「そ、それで…あんたの報告はそれだけ?そんなはずないわよね…優等生さん…」

イシマル「…………報告は以上だ!では次に移ろう!」

エノシマ「あたしらは、廊下や教室の窓の鉄板を片っ端から調べ回ってたんだ。」

エノシマ「どこかに外れるのがないかと思ってさ…で、結果は…」

クワタ「全滅だよ、ぜんめつ…どの鉄板もビクともしねーでやんの。」

フジサキ「どこにも…逃げ道なんかなかったんだよ…!この学校…本当に封鎖されてるんだよ…!」

エノシマ「ヤバいヤバいヤバいヤバい…マジでヤバいって…どーすんのよ、みんな…!」

クワタ「おいおい、落ち着けって…オレまでビビってくるっつーの…」


アサヒナ「私達は学校エリアの方を調べてたんだ。どこかに、外との連絡手段はないかなーって!」

アサヒナ「だけど、何も見つからなかった…ゴメン…」

オオワダ「玄関ホールに戻って、あの入口の鉄の塊をなんとか出来ねぇかと試してみたんだけどよ…」

オオワダ「オレと大神が束になっても歯が立ちやしねー。いくら机や椅子でぶっ叩いても駄目だった。」

オオワダ「ありゃ、まるで鉄みてーな硬さだったぜ…」

セレス「そうですわね、鉄ですから。」

オオワダ「…とにかく、正攻法であの鉄の塊をぶち破る訳にはいかねーみてーだぜ。」

アサヒナ「なんだか…泣きそうになってきた…でもガマンしないと…水分消費は抑えておかないとね…」

オオガミ「続きは、我から話そう…」

オオガミ「外との連絡手段とは関係ないが学校と寄宿舎の廊下には2階へと続く階段が存在する。」

アサヒナ「だけど、シャッターが閉じてて入れないんだよ。どこを探しても、それっぽいスイッチとかなかったし…」

オオガミ「つまり、現段階では、建物の1階部分しか調べる事は叶わぬという事だが…」

オオガミ「されど、現状では入れぬ2階より上にはまだ可能性が残されているという事にもなる。」

オオガミ「脱出口が存在するという可能性がな…」

ネプ「私はトイレを調べたよー!紙とかたくさんあったから安心だね!」

ナエギ「そ、そっか…無いと困るもんね。」

ネプ「部屋と廊下のカメラがどこにあるかも見てたんだけど死角は無さそうだよ、あ、でもトイレにはなかったよ!」

ネプ「ま、廊下のカメラに死角が無いのと、トイレを盗撮されてる心配はないってのがわかったね!」

オオワダ「紙は良いにしても、詰まったらどうすんだろうな。」

イシマル「うむ、確かにそうだな。次にモノクマにあったら聞いておこう。みなも会ったら頼むぞ。」


ナエギ「最後はセレスさん達だね」

セレス「正確に言えば、わたくし達は『一緒に行動してた』ではなく…」

セレス「『一緒に何もしていなかった』という事になりますね。ずっと、体育館にいただけですから。」

セレス「だって、学園内をかけずり回って調査するなんて、わたくしのイメージじゃありませんもの…」

エノシマ「何もしないで体育館にいただけなんて、アンタら、何考えてんの?」

フカワ「だって…他の場所は暗いから不安なのよ…一緒に行こうって…誰も言ってくれないし…!」

フカワ「あたしをのけ者にするのが…いけないのよ…!それがいけないのよ…!」

エノシマ「なによ、一緒に来たかったら、自分から言えばいいじゃん!!」

フカワ「フン…こ、こっちから願い下げよ・・あ、あんたみたいな…汚ギャルと一緒なんて…」

エノシマ「汚ギャル……?」

フカワ「あたし…あんたみたいに頭も体も軽そうな女って…せ、生理的に…吐き気をもよおしちゃうの……」

エノシマ「ビックリだし、仰天だわ…ほぼ初対面でそこまで人の悪口言えるなんて…!」

ハガクレ「お2人さん、冷静に話し合うべ。こんなん肌にも悪いし。な?」

マイゾノ「そうですよ!ケンカするほど仲が良いんですか?どうなんですか?

舞園さん…それは何か違うと思う…

マイゾノ「これで、一通り話は聞きましたね。じゃあ、報告が終わってないのは私だけですね…」

マイゾノ「私は、この食堂を調べていたんですけど…奥の厨房にある冷蔵庫の中にびっしりと食材が詰まっていましたよ。どうやら、食糧の心配はなさそうです。」

ヤマダ「いくら豊富でも16人もいたら何日持つやら…」

フカワ「あ、あんたは…ゴマでも食べてなさいよ。」

ヤマダ「え?僕は鳥?」

マイゾノ「心配いりませんよ。冷蔵庫には毎日自動で食糧が追加されるらしいんで。」

マイゾノ「…と、モノクマさんが言ってました。」

エノシマ「…あんた会ったの!?」

マイゾノ「冷蔵庫を調べてたら飛び出してきて、それだけ言ってまたどっか行っちゃいました。ラジコンとは思えないスピードでした。」

フジサキ「神出鬼没の動くヌイグルミ兵器って…怖いのか怖くないのかビミョーな設定だね…」

オオワダ「超高校級のプログラマーなら作れたりしねーのか?」

フジサキ「自動で動かすだけなら簡単だけど、そうするとこっちの質問に答えたりは無理かなぁ。」

フジサキ「こっちに合わせて話す内容と行動が変わるなんてまさに夢みたいなプログラムロボットだよぉ。」

ナエギ「不二咲さんでも作れないなら誰にも作れないだろうね。」

フジサキ「うん、多分完全自動は無理だと思うよぉ。ただ舞園さんに会ったモノクマは…」

フジサキ「説明だけして逃げたらしいから、完全自動のロボットだったかもしれないねぇ。」

マイゾノ「そうですね、私は質問もしてませんし、逃げに対して妨害もしてませんので。」

そんな話をしていると、その声は上がった。

???「ずいぶんと騒がしいのね…」

キリギリ「余裕があるの?それとも現実を受け入れてないだけ…?」

イシマル「霧切くん!今まで何をやっていたんだ!!とっくに会議は始まっているんだぞ!」

すると、彼女は無言のままテーブルの上に1枚の紙を投げた。

ナエギ「え…?これって…?」

キリギリ「希望ヶ峰学園の案内図らしいわよ…」

ナエギ「希望ヶ峰学園の…案内図…?」

イシマル「待て…どこで…これを…?」

キリギリ「…どこだっていいじゃない。」

イシマル「いい事あるかぁ!激しく気になるじゃないかぁ!!」

エノシマ「…そんな事よりさぁ、この紙にどんな意味があんの?」

キリギリ「この見取り図を見る限りだと今、私達がいる建物は希望ヶ峰学園の構造とまったく同じみたいよ。」

ナエギ「つまり、ここは正真正銘…希望ヶ峰学園って事?」

キリギリ「…生徒手帳のマップと見合わせた結果、構造だけはね。でも、色々と妙な改築は入っているみたいよ…」

ナエギ「…改築?」

キリギリ「詳しい事はわからないわ。手に入れた見取り図は、1階の分だけだったから…」

フジサキ「でも、本当に希望ヶ峰学園だったんだ…他の場所に連れ去られた訳じゃなかったんだ…」

オオワダ「…んなバカな事あるかよ。こんな所が、国の将来を担うエリートを育てる学園だ?」

アサヒナ「でもさぁ、ここが希望ヶ峰学園なら、他の生徒達はどうしていないの?」

ハガクレ「もうやめんべ…そーんな暗い話ばっかし…」

ナエギ「でも、葉隠クンは心配じゃないの?ボクらの…この状況がさ。」

ハガクレ「心配…?なんの心配だべ?だって、これって希望ヶ峰学園が計画したドッキリイベントだろ?」

ハガクレ「実際、こんなんで、いちいち動じてたら口からエクトプラズムが出るって話だべ!」

ハガクレ「果報は寝て待て…要はゆっくりイベントの終了を待ちゃいいんだって…」

セレス「うふふふ…!」

フカワ「あんたは…何を笑ってんのよ…!」

セレス「よかったですわね。みなさんで手分けして調査した甲斐があったようですわ。」

フカワ「あ、あんた話聞いてた?ど、どこに調査の意味があったのよ…!」

フカワ「逃げ道を見つからず…犯人の正体も…不明のままで…」

セレス「あら、調査したおかげで判明したじゃないですか。」

セレス「逃げ場のない密室に閉じ込められたというのが紛れもない事実だという事が…」

彼女のその言葉に…ボクらは黙るしかなかった。

認めたくない現実…でも、それこそがボクらの目の前の現実だったのだ。

フカワ「い、言わないでよ…忘れようとしてたのに…出口もない所に…閉じ込められて…ど、どうすればいいの……」

トガミ「簡単な事だ。ここから出たければ殺せばいい…」

エノシマ「冗談でもやめろって!!」

マイゾノ「みなさん落ち着いてください…!もっと冷静に…これからどうすべきか考えましょうよ…」

クワタ「なんか…いい方法ねーのかよ…」

セレス「適応ですわ…ここでの生活に適応すればいいのです。」

フジサキ「ここで暮らす事を…受け入れろって言うのぉ…?」

セレス「適応力の欠如は…生命力の欠如…生き残る者は、強い者でも賢い者でもありません。変化を遂げられる者だけなのですよ。」

セレス「…それを踏まえた上でわたくしから、みなさんに提案があるのです。」

オオワダ「あぁ?提案だと?」

セレス「閉じ込められている以上、わたくし達はこの場所で夜を過ごさなければならない訳ですが…」

セレス「みなさん、夜時間に関するルールは覚えていらっしゃいますでしょう?」

夜10時から朝7時までを”夜時間”とします。
夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。

就寝は寄宿舎エリアに設けられた個室でのみ可能です。
他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。

セレス「この夜時間に関してなのですが…もう1つルールを追加した方がよろしくありません?」

ナエギ「ルールの追加って…?」

セレス「『夜時間の出歩きは禁止』…以上です。校則では、夜時間の出歩きは禁止しておりませんがそこに制限を設けるのです。」

フカワ「な、なんで?」

セレス「このままですと、わたくし達は夜になる度に、怯える羽目になりますわ。誰かが殺しに来るのではないか、と…」

マイゾノ「えっ…!?」

セレス「そんな疑心暗鬼を抱いたまま夜を重ねていけば、すぐに憔悴し切ってしまいますわ。」

オオガミ「…その防止策として夜時間の行動に制限をかけようという訳か。」

セレス「ただし、校則と違って強制力はありません。みなさんのご協力次第となりますが…」

エノシマ「でも…あたしは賛成かも…」

エノシマ「そこのゴスロリの言う通りっつーか…”ルール”を設けなきゃ共倒れになりそうだし…」

イシマル「僕も男子を代表して賛成しよう!」

クワタ「勝手に代表!?」

セレス「みなさん、賛成いただけたようですね?良かったですわ。」

ネプ「…あー、ごめん。私は賛成出来ないかなーって…」

セレス「あら?なぜですの?」

ネプ「カメラがあるってことは監視されてるってことでしょ?」

ネプ「私達のことを見ている人がいるとして、その人が休む時間を作らない方が良いと思うんだよね。」

キリギリ「そうね、夜に私たちが出歩かないルールを任意とはいえ設けてしまうと。」

キリギリ「黒幕の活動する時間イコール私たちの行動している時間になるわね。」

キリギリ「そうなると私たちが脱出する方法を探すのを妨害してくると思うのよ。でも全員がバラバラの時間に動いてしまえば…」

マイゾノ「いずれはここに閉じ込めた犯人さんも疲れて眠る…ということですか。」

トガミ「邪魔されずに探索が出来るのは魅力だが元々邪魔などされていないぞ」

トガミ「元より調べても無駄だったのだから妨害する必要もなかったのだろうけどな」

イシマル「と、とにかく任意であり強制ではないのだ!ルールとして掲げるだけなら構わんだろう!?」

ネプ「うん、まあ良いと思うよー。でもでもー、私は夜も昼も関係なく何もしないけどねー!」

セレス「…では、わたくしはこれで失礼しますわ」

フジサキ「…え?どこ行くのぉ…?」

セレス「もうすぐ夜時間になりますわ。その前にシャワーを浴びておこうと思いまして。」

セレス「それでは、ごきげんよう…」

セレスさんは優雅な足取りでそのまま食堂から出て行った…

それは、他の者に止める隙すら与えないような、ごく自然で当たり前の行動のようだった。

ヤマダ「も、ものすごい割り切りようですな…この場所に泊まる事に何も疑問も抱いていないような…」

オオガミ「適応力…か…」

エノシマ「どうすんの、議長?1人いなくなっちゃったけど…」

イシマル「う、うーむ……で、では…今日の会議はこれくらいにしておこうか…」

イシマル「なぜなら、夜時間まで間もなくだからな!僕らも明日に備えるとしよう!」

フジサキ「本当に…こんな場所に…お泊まりするしかないのぉ…」

エノシマ「仕方ないわよ。寝なきゃ体力削られるだけだし…」

オオワダ「今日のところは…諦めるしかねーな…」

フカワ「今日はそれでいいとしても…明日からは…ど、どうするの…?」

オオガミ「今日のように、手分けして調査を続ける他あるまい。何か発見があったら互いに持ち寄ればいい。」

アサヒナ「…そうだね。そうしよっか。」

エノシマ「じゃあ、解散ね…あたしも疲れたし…」

みんなは重い足取りでそれぞれの個室へと向かっていった…

マイゾノ「苗木君…私達も行きましょうか。」

ナエギ「うん、そうだね…」



主人公の変更が可能です。
①苗木誠
②ネプテューヌ

安価忘れてました。

安価下

①苗木誠 寄宿舎個室

本当に、この部屋で泊まるのか…

そうだ…休む前にシャワールームをもう1度調べておかないと…

女子の部屋だけ鍵が掛かる…はずだったよな?

ナエギ「よし、開けてみよう…」

「ガタガタガタ!」

ナエギ「駄目だ、やっぱり鍵が…」

モノクマ「ブブーッ!鍵じゃないよっ!」

ナエギ「…うわあっ!!」

モノクマ「リアクションが大げさだなぁ。まるで人を幽霊みたいに…」

モノクマ「いやっ…この場合は、『クマを幽霊みたいに』が正しいのかな?」

ナエギ「な、何しに来たんだよっ!」

モノクマ「苗木誠クン、マジヤバだよ!マジカルなヤバさだよ!」

モノクマ「実は、キミの部屋のシャワールームだけドアの建付けが悪い事が判明したのですッ!!」

ナエギ「ドアが開かないのは鍵じゃなくて建付けのせい…?」

モノクマ「お知らせ読んでないんスか?字が読めないんスか?男子のシャワールームには鍵が掛からないんスよ!」

モノクマ「だって、男子のシャワールームに鍵があっても意味なーいじゃーん!」

モノクマ「いや、意味なくはないけど…ボクは…薔薇とか百合とかには詳しくないんで…」

モノクマ「とにかく、その建付けの悪いドアを開くにはちょっとしたコツが必要な訳で…ボクはそれを教えに来てあげたんだよ。」

モノクマ「いい?ドアノブをひねりつつ、上に持ち上げるようにしながら開けるんだ。ほれ、やってみ?」

ナエギ「ドアノブをひねりつつ…上に持ち上げるようにしながら…」

すると…ドアはあっさりと開閉する事が出来た。

モノクマ「うぷぷぷぅ…開いたね…でもさぁ、笑えない?キミの部屋のドアだけが建付け悪いなんて…」

モノクマ「だって、超高校級の幸運なんでしょ?それなのに全然ツイてないじゃんね!」

モノクマ「キミたちの先輩の超高校級の幸運と同じなら、この不運の後に何か良い事があるかもね!」

モノクマ「じゃあ、ボクは唐突な感じで帰るねッ!」

ナエギ「お、おいっ!!待てよっ!!」

モノクマ「待つよ!」

ナエギ「うわぁ!?な、なんだよ!」

モノクマ「いやね、待てって言ったじゃん」

モノクマ「建付けの不備はこっちの責任だから少しアドバイスしちゃおうかなってね」

ナエギ「アドバイス…?」

モノクマ「ネプテューヌに気をつけて。彼女は超高校級の”女神”だからね。」

ナエギ「…どういうことだ?」

モノクマ「”女神”と十神って似てるよね、それじゃ帰るね」

ナエギ「あ、おい!」

クソ…なんだよ…。ネプテューヌに気をつけろ…?

ナエギ「疑心暗鬼にさせようったってそうは行かないぞ。」

「キーン、コーン…カーン、コーン」

モノクマ「えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより”夜時間”になります。間もなく食堂はドアをロックされますので立ち入り禁止となりま~す。」

モノクマ「ではでは、いい夢を。おやすみなさい…」

ナエギ「夜時間か…外出は禁止の約束だったよな…」

ナエギ「キリギリさんやネプテューヌさんは出歩いてたりするのかな…?」

ナエギ「でも僕は大人しく眠ろう…」

そんな独り言を呟きながらボクはベッドへと倒れ込み…それと同時に目を閉じた。

眠かった訳じゃないけど、ただ、ものすごい疲労感だった。

まるで1日中ぶっ通しで映画を見せ続けられたような疲労感…

自分がフィクションの世界に放り出されてしまったような錯覚…

…当たり前だ。

いきなり、こんな状況に巻き込まれて簡単に受け入れられる訳ないじゃないか…

こうして希望ヶ峰学園での初日は幕を閉じていった。

このまま眠ってしまって…

目が覚めたら全部夢だった…なんてオチはどうだろう?

オチとしては最低だけど、でも最高だ。それが1番いい。

ここでやるのはやりにくそうなので辞めますね。

html依頼を出してきます。

すみません。ありがとうございました。

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