男「俺は彼女が居た事がない」 (141)

男「なんだこの部屋は・・・一面真っ白で何も無い・・・」

男(確か昨日の夜は会社の飲み会があって・・・・)

男(二次会のキャバクラで騒いで・・・駄目だ、そこから記憶が無い)

?「起きた様だな」

男「!?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446655533

男(今何か声?が聞こえた様な・・・そんな馬鹿な、誰もいないじゃないか)

?「当たり前だ、部屋全体から声を聞こえる様にしてあるからな」

男「!?!?」

?「失敬、君はあまり本音を出さない人間の様だから、心を見させてもらったよ」

男「あ、あなたは誰なんだ?」

?「私は神だ」

男(なんだこいつ、一昔前の芸人か?それとも頭が可哀想な人なのか?)

神?「こら、失礼な事を考えるんじゃない」

神?「せっかくお前に理想の世界をプレゼントしようとしているのに、そんな疑ってたら帰してしまうぞ?」

男「り、理想の世界ぃ・・・・?」

男(なるほど、新興宗教の勧誘か何かか?)

神?「男、年は27歳、大手警備会社勤務、齢=彼女いない一暮らし、趣味はゲームか」

男「な、なんでお前、彼女いない歴=年齢を知ってるんだ・・・?親にも嘘ついて誤魔化してんのに・・・」

神?「簡単な事だ」

神「私は神だからな」

神「そんな寂しいお前にチャンスをやろうと思って、今日はここに招待したのだ」

男(・・・・・・・キャバクラからこんな何も無い、それこそ窓も無い白い部屋への移動。そして、俺の心を読む、秘密を言い当てる辺り・・・普通ではないな)

男「チャンス・・・?」

神「そう、チャンスだ。この世界で生きる許可をお前に与えよう」

男「ま、待ってくれ」

男「この世界で生きる許可って・・・ここは日本じゃないって事か?」

神「ここは日本でも外国でもない。そして、地球でもない」

神「ここはお前の望んだ世界」

神「恋愛ADVの世界だ」

男「んなっ・・・!?」

男「ど、どうゆうことだ・・・?」

神「言葉の通りだ。ここはお前の世界で言う、恋愛ADVの世界」

神「女の子と恋をして、幸せな生活を築く世界」

神「それが叶う権利を持つ事が出来る理想郷だ」

男「ま、待て待ってくれ」

男「そんな事、にわかに信じられるかよ!」

神「ではお前の姿を見てみるがいい」

男「・・・・!」

男(な、なんだよこの学ラン!?俺、確かスーツだった筈じゃ!?)

神「鏡で自分の姿を確認して見るがいい」

男「う・・・そ・・だろ・・・・」

男(この暗い、冴えない顔。間違いない・・・10代の頃の俺だ)

神「お前の現在は高校生ということになっている」

神「これで信じてくれただろう」

神「お前は生まれてから27年間、彼女が居た事が無い」

神「なにもチャンスが無かったと言う訳では無いハズだ。ふとした瞬間、恋愛に発展するチャンス・・・」

神「恋愛とは、他人の世界に踏み込む第1歩だ」

神「お前は臆病で他人と交わるのが怖いそうだな」

神「そこがまず、駄目なのだ」

男「・・・・・・・」

神「確かに、時間とタイミングというのが恋愛には重要だ」

神「だが最終的には他人を受け入れ、自分の世界と相手の世界を混ぜ合わさねばならない」

神「それが出来ない時点でお前に彼女が出来るチャンス等無いに等しい」

男(この・・・黙って聞いておけば・・・)

神「だが、ここは違う」

神「ここは強さ、強さだけがモノを言う世界だ」

神「強さがあれば、女性も手に入るし、何不自由の無い生活が手に入る」

男「強さ・・・・?」

神「そう、身体的な強さ、精神的な強さ、ここには運が存在しない」

神「消されるのはたまたまではない。自分の弱さ故なのだ」

神「この世界ではな」

男「消すとか・・・なんだよ、その物騒な物言いは」

神「この世界は現実であって現実ではない。最終的に恋愛する事が目的だ」

男「だからそこに何で消す、消されないの話題が出て」

神「このランキングを見てみるがいい」

男「な、なんだこれ?」

男(俺の役職は・・・モブC?)

神「この世界には役職がある。最初のスタートはモブCからだ」

男「も、モブってゲームで言うあの・・・」

神「そう、声も出なければ、名前すらもない。モブキャラの事だ」

神「大まかなルールはお前の頭の中に送ろう」

①ランキングについて
細かく順位はつけない。
ただ、役職という形で表すものとする。
役職ランキング
最下位ランク
モブC
モブB
モブA
下位ランク
クラスメイト(目的の女性(ヒロイン)と同じクラス)
クラスメイトC
クラスメイトB
クラスメイトA
上位ランク
ヒロインと知り合い
ヒロインと友人関係
最上位ランク
ヒロインと恋人関係

特殊ランク
???(特殊な条件下でのみ入る事が出来る)

・ランキングをあげる方法について
自分より上位ランクの者を消すあるいは同ランクの者を10人消す事(後者については下位ランクの者のみで適応される)

③役職について
役職が上がれば上がる程、ヒロインとのイベントが起きる。

④生活について
基本は学生生活を行ってもらうことが大前提である。
現実世界の生活と全く変わらない。

⑤時間について
高校生活は三年間だが、この世界については常に高校生である。(時間は繰り返されるが、出来事についてはリセットされない)

⑥報酬について
最上位ランクに上がり、ある程度の期間を保守した者、又は特殊ランクの者に限り現実世界に戻れる権利が与えられる。
報酬は自分の望む能力、地位と、理想の彼女を作りあげ、現実世界に持っていけるというものである。
戻って行ける年代は高校初めから、この世界に来た年齢までである。

男「なるほど・・・・でも、ちょっと待ってくれ」

神「なんだ?」

男「最初の質問・・・消すって事の答えになってないじゃないか」

神「その事については、この学生生活が始まれば追々分かることだろう」

神「そして最後だ。参加者には腕時計を必ずつけてもらう」

男「これは・・・」

神「この腕時計にはありとあらゆる情報がある。手助けとなるだろう」

神「分からない事があれば、誰かに聞くといい」

男(結局重要な事は教えてくれないのか・・・)

神「この世界は夢だ」

神「男ならば誰もが手に入れたい。容姿端麗、そして自分に合う性格の女性が手に入る」

神「是非頑張ってほしい」

ーーーーーーーー

今日の書き溜めはこれで以上です。
また明日、明後日投下しようと思います。
皆さんの暇つぶし程度になれば幸いと思っております。

先生「分かる人手を上げてー」

男「・・・!!」

男(な・・・!学校・・・!?)

男(あ、あの白い部屋からどうやって・・・)

生徒A「はい」

先生「お、じゃあよろしく」

男(が、学校だ。間違いない)

男(この木の机。隣同士が妙に近い席。そして前に立つ教師)

生徒A「出来ました」

先生「うむ、そうだな。この公式を使うことによりー」

男(授業は察するに数学・・・らしい)

男(もう何年前だ。そんな勉強なんて忘れてしまっているよ)

男(待てよ。そう考えると、テストはどうなるーー)

先生「ーーおい、お前」

男(また勉強しなきゃいけないのか?確かルールには学生生活が大前提ってあったはず・・・)

先生「そこのお前だよー」

生徒B「おい、お前の事だぞ・・・」

男「お、俺!?は、はい!」

先生「なーにボーッとしてるんだー?先生の話し聞かなくても分かるのかぁー?」

男「あ、いえ、そうではなく」

先生「よし、この問題解いてみろ」

男(うっげ・・・・。分かるかよ、こんなの)

男「・・・・・・はい」

男「・・・・・・!」

男(か、勝手に体が動く!?どうなってるんだ!?)

男「出来ました」

先生「うむ、そうだな。やれば出来るじゃないか」

男「ありがとうございます」

先生「じゃあ席に戻って良いぞ」

男「はい」

男(俺の意識と関係無しに体が動いた・・・?)

生徒A「・・・・・・・・」

キーンコーンカーンコーン

男(授業が終わった・・・次は時間的に昼休みか)

生徒A「なぁ、ちょっと良い?」

男「あ、え、俺?」

生徒A「そう、来て欲しいんだ」

男(ここは・・・音楽室か・・・)

生徒A「まぁ、そんな緊張しないでさ。楽にして座ってよ」

男「・・・・・・」

生徒A「君さ」

生徒A「新しい人でしょ?」

男「!」

生徒A「恐らく、あの授業の間に入れられたんだね。態度がいつもあそこにいる奴とは違ったからさ」

男「な、ど、どういう意味だよ」

生徒A「この世界に入る時にはね、他の人に怪しまれない様に入る様、出来てるんだよ」

生徒A「そして、僕達みたいな・・・まぁ、この世界の先輩っていうのかな」

生徒A「先に入った人達には君は通常新人だと認識されない」

生徒A「認識されないって訳ではないんだけど・・・もう既に昔からこの世界に居たって事になってるんだよ君は」

男「???じゃあなんでお前は分かるんだ?」

生徒A「それはね、僕はこの世界のガイドだから」

男「ガイド・・・・」

生徒A「そう、君みたいな新人さんにこの世界のルールと常識を教えるために」

生徒A「そして不平等を無くすために僕は居るんだよ」

男「不平等ってどういうことなんだ?」

生徒A「最初のランキングを上げる方法覚えているね?」

男「上位のランキングの者を消すか、同ランクの者を10人消す・・・だったよな」

生徒A「そう、そこでまず新人潰しが生まれたんだ」

男「ま、待って欲しい。まずその説明をする前に消す、消されるの説明をしてくれないか」

生徒A「分かったよ。じゃあ僕に思いっきりビンタをしてみてくれないか?」

男「び、ビンタ?お前に?」

生徒A「そうさ、思いっきりね」

男「・・・・・よく分からないけど、恨むなよ?」

生徒A「アハハハハ、これは言わば練習さ。やってみれば分かるよ」

男「行くぞ・・・・・・?」

生徒A「いつでもどうぞ」

男「・・・・・!!」

生徒「いっつぅーー・・・中々強いね、君」

生徒A「僕の腕時計を見てくれないか」

男「数字が10から9に減った・・・?」

生徒A「その通りだ。これは僕達の命、無くなればこの世界から消える」

男「消えるってのは・・・」

生徒A「ここからも、現実世界からも消える跡形もなくね」

男「き、消えるってそういう事なのか」

男「てことは、基本的には殴り合いになるってことじゃないか・・・」

男(冗談じゃない。警備会社に勤めてたとはいえ、そんな殴り合いの喧嘩なんてしたことがない)

男(くそ、何が恋愛ADVだよ。ただの物騒なゲームだよ、こんなの)

生徒A「何も殴り合いとか、殺し合いだけがやり方じゃないよ」

生徒A「要は相手にダメージを与えれば良いのさ。肉体的でもいい。もちろん精神的にでもね」

生徒A「答えは一つじゃない。自分のやり方にあった方法でやればいいだけなんだよ」

生徒A「新人潰しの話しに戻るけど、ずっとこの世界に居て慣れた相手と、何も分からない新しい人」

生徒A「どっちが消しやすいと思う?」

男「そりゃ・・・新人の方が」

生徒A「そう、だったら新人を消した方が早いのさ。どうせまたすぐに来るしね」

世界A「だが、そんなのは不平等だろう?」

生徒A「だからこそ、僕は神様からこの世界の平等を託されて産まれたガイドってわけさ」

男「・・・・なるほど」

生徒A「そして、この世界の事についてもう一つ」

生徒A「学校関連のイベントについてなんだけど、基本は自分の意識とは関係なく進むんだ」

男「あっ・・・!まさか・・・!」

男(あの時の俺の行動。忘れてしまった数学の問題が解けたのも。それ以降、つつが無く授業が進んだのも・・・)

男(全てプログラムされてる事なのか)

生徒A「最初に言われたハズだ。基本的には学生生活をしなさいと」

生徒A「学生生活をする上で、重要な事は全て君の体の中に刷り込まれている」

生徒A「故に、モブキャラがモブ以上の事が出来ない理由にもなるんだよ」

生徒A「そして、モブのクラスが開放される時間は、イベントがない時期の休み時間と」

生徒A「放課後さ」

男「・・・・・・・・」

キーンコーンカーン

生徒A「昼休みが終わったね。戻ろう」

男「そうだね」

男(なるほど、昼休みが終われば強制的にクラスに戻される様に組み込まれてるのか)

ーーーーーーーー

生徒B「ばいばーーい」

生徒C「またねー」

男(放課後か・・・・)

男(昼休みが終わってからというもの、勝手に体が動き、クラスメイト、先生からの質問にも勝手に言葉が出る)

男(まるで操り人形にでもされた気分だよ)

男(とりあえずだ。あいつの話以外で分かった事がある)

男(このクラス、恐らく全員がモブCであること)

男(もう一つはモブの中にも女性キャラが居るが、それはただのNPC・・・模範的な回答しか帰って来ないということだ)

男(と言うことはここの男キャラは全て・・・・)

男(・・・・・・俺の様な人間なのだろう)

生徒A「やぁ」

男「な、なんだよ」

生徒A「そんな警戒しないでくれよ。どうだい?良かったら一緒に帰らないか?君よりは色々知ってるから質問には答えられると思うよ」

男「・・・・分かった」

男「ここのヒロインについて聞かせてくれないか」

生徒A「ここのヒロインは四種類の属性で分かれている」

生徒A「デレデレ、ツンデレ、クーデレ、ヤンデレだ」

生徒A「自分の好みの女の子の所に行けば良いわけなんだけど・・・」

男「・・・・」

生徒「上位クラスに変わる時、攻略したいヒロインと同じクラスの人間を消さなくては、そのクラスに入れない」

男「なるほど。では俺達みたいな下は上位クラスの人間を何らかの形で消せば良いんだな」

生徒A「まぁ、そういう訳なんだけど、そんな簡単にはいかないのさ」

生徒A「知っている通り、モブクラスの中にもランクが有る。と言うことは、順当に考えてモブAクラスの人間が上位クラスに変える位置に一番近いという訳だ」

生徒A「そこへモブCクラス・・・僕達の様な人間が上位クラスへ行こうとしてみろ」

男「・・・・・気に入らないから潰されると?」

生徒A「そう、袋叩きに合うのは目に見えてる。人間の心理だね」

生徒A「だから誰もしないのさ。いや、だからこそ怖くて出来ない」

生徒A「順当に上げてくか・・・モブAの人間を消して、自分がモブAまで行き、上位クラスになる」

生徒A「今の所の正攻法はこれだね」

生徒A「まぁ、これから頑張ってくれ。応援してるよ」

生徒A「じゃあね、また明日」

男「あ、あぁ・・・・」

男(・・・・・・・中々上に上がるのも骨が折れそうだ)

男(そもそもだ。まだ分からない事が多過ぎる。何かまだこの世界にはあるはず・・・)

生徒D「待て!!!」

男「!?」

生徒D「お前、同じクラスの奴だな・・・」

男「・・・だから何だよ」

生徒D「だったら分かるだろう?死ね!!」

男「んなっ!?」

男(いきなり包丁投げて来やがった・・・!)

男(くそ、やっぱり思ってた通りの事が起きたか!!)

生徒D「チッ!逃げんなぁ!!」

男「こんな住宅街でもあるのかよ・・・!」

男(住宅街だったのが幸いしたか・・・。曲がり角を何度か曲がったら奴を巻けた)

男「ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・くっ」

男(だが・・・まだ探して居る筈、逃げる方法は無いのか・・・ )


男(逃げる・・・方法・・・逃げる)

男(いや、駄目だ。逃げては終わらないじゃないか)

男(思えば今までの人生、俺は逃げてばかりだった)

男(学生の時は面倒くさい事はやらずに、ひっそりと過ごし)

男(社会人になった今でも、最低限の仕事のみしかやらず、上司には煙たがられる日々)

男(どうせあがくしかないんだ)

男(なら・・・・ここで変えてやる!)

男(理想の彼女、理想の人生を手に入れる!)

男(あいつを)

男(消す!!!)

今日はここまでです。
また時間がある時投下します。

男(まずは、武器を見つけることだ・・・!)

男(あいつの投げた包丁!あれさえ見つかれば、何とかなる!!)

男「どこだ・・・・!」

男(探せば探そうとする程、やつに見つけられる可能性が高くなる!)

男(何としてでも早)

生徒D「見つけたぞ!」

男「・・・・くそっ!!」

生徒D「逃げても意味ねーんだよオラ!」

男(あいつ・・・!包丁を持っている!回収したのか!)

男(何処か、広い場所は無いか!こんな路地では不利すぎる!!)

男「ハァ!ハァ!ハァ!」

男(何処か・・・!何処でもいい!)

男(頼む!!!)

生徒D「逃げる事しか出来ねーのかよ!」

男「見つけた!!」

生徒D「なーにが見つけただ・・・ただの公園じゃねーか」

男(ここなら行ける!)

男(砂場は・・・あそこか!)

男「・・・・・!」

生徒D「逃がさねーよ!何処に行こうが殺してやる!!」

男(奴との距離は10-20m程度・・・。砂を両手にありったけ握る。あとは・・・)

男(奴の行動次第!!)

男「・・・・・・・ああああああ!!」

生徒D「やっと来た・・・・・か!?」

男(砂を顔目掛けて投げる!)

生徒「馬鹿が!んなもん持ってれば」

男「知ってる!!!!」

男(奴の右手に体をぶつける!)

生徒「グッ!」

生徒「ほ、包丁が・・・!」

男(上手く動けないだろう!砂に足を取られて!)

男(包丁は地面に落ちた!取れる!!!)

男「・・・・・・・・!」

男(取った!)

生徒D「・・・・・・・!!!」

男「うおおおおおおお!!!!」

生徒D「うわあああああああ!!」

生徒D HP0/10

男(人間は咄嗟の行動の時には利き手を使いやすい)

男(砂で目くらましをした俺に対してあいつは右手を前にして防御してきた)

男(目論み通り、右手に体当たりをして、包丁を飛ばす)

男(そして馬乗りになったと同時に胸に一刺し。奴のHPは10から0へと減った)

男「ハァ!はぁ・・・はぁ」

生徒D「・・・・・・」

男(反応はない。奴の体は透けかかり、消えようとしている)

男(血は出なかった)

男(どうやら、この世界には流血という概念が無いらしい。それだけが正直救いだ)

生徒D「・・・・・・」

男(奴の体が完全に消えた。そして温もりが無くなる)

男「・・・・・」

ランクアップ マデ ノコリ9

男(まさにゲームじゃないか・・・)

男「・・・とりあえず」

男「帰るか・・・・・・」

ーーーーーーーーー

母「あら、おかえり」

男「・・・ただいま」

男(俺の母親が夕飯を作りながら待っていた)

男(実家を出てから7年。まさかまた家で夕飯を食べれるとは・・・これもこの世界のお陰か)

男「ふーーっ」

男(俺は自室に入り、ベッドに倒れ込む)

男(正直な所、殺人を犯した気分は全くしなかった)

男(血が流れない。相手はHPが無くなれば抵抗はしない)

男(本当にゲームと同じだ。だからこそ)

男(何も感じない自分が嫌になる)

男「あと、これを9回はやらなければいけないのか・・・」

男(途方もない作業だ・・・効率も悪いし、精神的にも疲れる)

ピッ

男「・・・・・?」

男「・・・・・?」

男(腕時計が鳴った・・・?)

HP9/10

男「なっ!」

男(なぜ減るんだ!攻撃は何もされて・・・)

男(・・・・そういえば)
ーーーーーーーー

生徒A「何も殴り合いとか、殺し合いだけがやり方じゃないよ」

生徒A「要は相手にダメージを与えれば良いのさ。肉体的でもいい。もちろん精神的にでもね」

ーーーーーーーーー

男(なるほど・・・精神的なダメージというのさ何も相手だけじゃないのか)

男(だが・・・・・人を1人消して)

男(俺はたった1しかダメージを受けないのか・・・・)

男(この世界に早くも慣れてきた証拠、なのかもしれないな)

男「くそっ・・・・」

母「男ーーー?ご飯よーー」

男「分かったよ、母さんーー!」

男(久しぶりに母さんのご飯を食べた俺は、お風呂に入り、宿題をし、ベッドに倒れる様に眠った)

ーーーーーーーーーー

今日はこれでおしまいです。
少し短いですが、御容赦下さい。
ではまた。

ジリリリリリ!

男(朝・・・・か・・・・・)

男(警備会社に勤めてた頃は夜勤もあったからな・・・。久しぶりだ、こんな朝に起きるなんて)

男「気持ちいい朝って訳でもないが・・・」

男(そういえば、俺のHPは・・・)

HP9/10

男(治っていない?何故だ)

男(まさか、削られた体力は戻せないのか・・・?)

男(そんな馬鹿な、それでは積み重なればちょっとした所で消えてしまうではないか)

男(何かあるはずだ。あいつにでも聞いてみよう)

母「おはよう」

男「おはよう、母さん」

男(気づいてみれば、普通に朝食を食べて学校に行く支度をしていた)

男(これもプログラムされたものなのだろう)

男(学校にまつわるもの全てに適用がされるらしい)

男「いってきます」

母「いってらっしゃい」

男(つつがなく、何も異常など起こらずに家から出る)

男(行動を起こすにしても、やはり学校から解放される放課後が狙い目だな)

男(休み時間では時間が無い。かと言って登校途中というのも考えものだ)

男(一番避けたいのは、勝負の途中に学校関連の行動制限が起きてしまう事)

男(これでは、勝負もクソもなくなってしまう)

生徒A「おはよう」

男「おはよう・・・」

生徒A「どうしたんだい?顔色が優れないね」

男「いや・・・何でもない。1つ聞きたい事がある」

生徒A「なんだい?」

男「HPが昨日1減ったんだよ。だが寝ても回復しない。何故か知ってるか?」

生徒A「・・・なるほど。君、何か昨日ショックな出来事でもあったね?」

男「まぁ、な」

生徒A「当てて見せよう。ズバリ人を1人消したね?」

男「な!・・・なぜ分かるんだ?」

生徒A「精神的なダメージをおった場合、この世界では2-3日しないと回復しないのさ」

生徒A「肉体的なダメージならば、一日で回復する。といっても上限は5までだけどね」

生徒A「現実世界でも、心の傷はすぐに良くならないだろう?それと同じだと考えてくれればいい」

男「・・・・なるほど」

生徒A「最初はね、人を消したショックで多かれ少なかれ自分が精神的なダメージを受けてしまう」

生徒A「そして聞くんだよ、君と同じ質問をね」

生徒A「良くある質問の一つだ」

男(やはり誰もが通る道なのか・・・)

男「・・・・・・あんな事を皆は何回も繰り返してるのか?」

生徒A「無論だよ。そうしなくては上には上がれないからね」

生徒A「やり方は人それぞれだけど」

男「・・・・・・・・」

生徒A「あ、そういえば、あまりヒロイン達について教えてなかったね」

生徒A「また昼休みに彼女達を見に行こう。君がどのクラスを選択するかの材料にもなるだろうし」

男「わ、分かった」

男(ヒロインか・・・・そういえば、ここは恋愛ADVの世界だと言っていたな・・・)

男(だが、どうにも昨日の出来事が大き過ぎてそんな事は忘れていた)

男(そもそもだ。上位ランクまでしか彼女達と触れ合えないのならば、こんな事意味あるのか?)

男(やつの話しを聞いていたら、いつの間にかクラスの前に居た)

男(体が勝手に動くのも大分慣れてきたみたいだな)

ガラガラガラ

男「おはよう」

女生徒A「おはよう」

生徒A「おはよう、今日は少し暑いね」

女生徒A「そうね、少し暑いわ」

男(この機械的な会話も聞いてれば慣れてくるもんだな)

ガラガラ

担任「おはよーーう。さ、朝のHR始めるぞー」

担任「えー、明日は生徒総会です。君達が主役の会であるので、気を引き締めておくように」

男(なるほど、そんなイベントが明日あるのか・・・)

男(確か・・・俺の記憶が正しければ、部活の予算の事、委員会の予算の事を話してた様な気がするが・・・)

男(この世界の掟通りに動けば問題無いだろう)

キーンコーンカーンコーン

生徒A「さぁ、昼休みだ。ご飯を食べたら早速見に行こう」

男「そうだな」

男(確か上位ランクはクラスメイトC~Aまでがあったな)

男(・・・っておかしいぞ。ヒロインは四人のハズだろう。1人余るじゃないか)

男(どういう事だ?)

生徒A「さぁ、自由に動ける時間も限られてる。上位ランクのクラスへ行くよ」

生徒A「上位のクラスは階段を上がって渡り廊下を渡る。本館にあるんだ」

男「待て、すると俺達のクラスは別館なのか?」

生徒A「・・・・そうだったね。君はまだここに来て2日しか経ってないものね」

生徒A「本館は別館とは別世界と考えても良いかもしれない」

生徒A「この世界は平等とはいえ、上のクラスと下のクラスの扱いは大きく差がある」

生徒A「君も体験しただろう?人を1人消す事の苦労を」

男「・・・・・あぁ」

生徒A「それを何回も繰り返し、そして上位の者を消した人達だよ。待遇が良くなくては不満も溜まるさ」

生徒A「君にもこの光景を見てもっとやる気を出して欲しいんだ」

男(確かに今のままではモチベーションが続かない)

男(やるとは決めたものの、正直な所は気持ちが進まないのも事実)

生徒A「さぁ、着いたよ。ここが上位のクラスだ。中に入ってはいけないよ」

男「・・・・!なんだここは・・・!」

男(チリ一つ無い教室。エアコンはもちろんの事。一つの机にパソコンが一つ備え付けられている)

男(そして雰囲気が全く違う。俺達のクラスとは違って、人間よりとでも言うのだろうか。暖かい。輝いている)

ヤンデレ「・・・めよ、私は彼の・・のだも・・・・」

女生徒達「・・・あはは!も・・・・ラブ・・・・ねぇ!」

男(どうやら、女子特有の恋愛トークをしているらしい)

男「・・・・まて」

男「ってことはだ。ヤンデレの彼氏も居るはずだな?」

生徒A「もちろん、居るよ。あそこの席に座ってる彼がそうさ」

男(指を指した方を見ると、衝撃が走った)

男「な・・なんだよ、あの・・・・・」

生徒A「・・・・・」

男(お世辞にも顔は整ってるとは言いにくい男がそこにいた)

男(明らかに他の男の方がカッコイイ・・・いや、普通の顔なのだ)

男(普通の顔が格好良いと思える程のレベルだ・・・)

男(細い一重まぶたの目。眉毛は整えておらず、繋がりかかっている。輪郭はエラが張っていて四角?だ)

男(太ってはいない。少し肩幅が広く。ガタイが良いぐらいか)

男(だが、確かに人間は顔じゃないとは言うが・・・・)

生徒A「それがここの世界の掟だからだよ」

生徒A「強さだけがものを言う世界。彼も最上位クラスの1人だ。とても強いんだよ」

生徒A「だからこそ、彼女の様な存在を独り占め出来る。他に見ていく女の子達も、雰囲気こそ違うけど、美しいよ」

男(そうか、あそこまで行けば・・・・あんな可愛い子を強制的に独り占め出来るのか)

生徒A「素直に羨ましいだろう?だから皆、諦めないんだよ」

今回はこれで終わりです。
またお付き合いくだされば幸いです。
では。

>>70>>71の間です。
飛ばしてしまいました。
すいません。

生徒A「まずここがYーAクラス・・・つまるところのヒロインがヤンデレのクラスだよ」

男(その子は後ろの本棚?らしきところに寄りかかり、他の女生徒達と話しをしていた)

男(なるほど、確かにヤンデレっぽい風貌だ)

男(腰まで長い黒髪。前髪も分けてはいるが長い。目を隠しそうな程だ)

男(だが顔は整っている。美人だ。恐ろしく。八の字眉で、そして色白な肌。体型については普通だが、そうでなくては完璧過ぎるくらいの姿)

>>70>>71の間を飛ばしてました。
すいません。


生徒A「まずここがYクラス・・・つまるところのヒロインがヤンデレのクラスだよ」

男(その子は後ろの本棚?らしきところに寄りかかり、他の女生徒達と話しをしていた)

男(なるほど、確かにヤンデレっぽい風貌だ)

男(腰まで長い黒髪。前髪も分けてはいるが長い。目を隠しそうな程だ)

男(だが顔は整っている。美人だ。恐ろしく。八の字眉で、そして色白な肌。体型については普通だが、そうでなくては完璧過ぎるくらいの姿)

順番は>>70>>74>>71です。
すいませんでした。

質問ですが、彼氏のいるヒロインと付き合うことになったら以前の彼氏は元カレになるのか、彼氏のいた出来事が無かったことになるのか、彼氏のいた記憶がなくなるのか、どういう扱いになるか教えてほしい

>>77
ご質問ありがとうございます。
この場合はヒロインがその彼氏と居た記憶が消えます。
また、その地位についた者の記憶も部分的に改変されます。
これは両者が純粋に恋を楽しんで欲しいという配慮です。

男「・・・・・・・」

男「次に行こう」

生徒A「そうだね、隣のクラスに見に行こうか」

生徒A「ここはK―Bクラス。クールデレの子が居るクラスだ」

生徒A「おや・・・彼女居ないね。どうしたんだろうか」

女生徒「こら、やめないか」

上位A「今は昼休みだ!こいつをどうしようが勝手だろ!」

?「ぼ、僕に何か用です・・・か?」

上位A「何か用?じゃないだろう!ここの世界で生き残ったあんたなら分かるハズだ!」

男(なんだ・・・?どうしたんだ?)

男(声のした方に移動すると、背の高い男子生徒が小柄な男子生徒に勝負を挑んでいた)

?「もしかして、ぼ、僕と勝負しようとしてるの・・・?」

上位A「当たり前だ!俺はお前を消して、彼女を手に入れる!昼休みだろうが関係ない!」

?「そんなぁ・・・・・」

上位A「見るとお前が一番弱そうだからなぁ。消すならお前が一番だって選んだんだよ。悪いな、弱肉強食だ!覚悟!」

男(なるほど、背の高い方は何か格闘技を習得したらしい。刃物系は一切持っていなかった)

男(だが、素早い。明らかに俺達下位クラスとは一線を画しているのは分かった)

上位A「まずは一撃だ!!!」

?「ひっ・・・・・!」

時間が無いのでまた来ます。
短いですが御容赦下さい。

男(肌と肌の衝突した音が聞こえた。これがあの小柄な男子生徒に当たったと考えると気のど)

クーデレ「・・・私の彼氏に何をしようとしてる?」

上位A「はっ・・・!?」

男「はっ・・・・・!?」

男(思わず奴と同じ反応をしてしまった)

男(それくらい目を疑う光景が広がったからだ)

男(女生徒が背の高い男子生徒の拳を手で掴んでいる)

男「な、なんでだ・・・?」

生徒A「・・・彼女がヒロインNo2のクーデレだよ」

男(ま、まずは落ち着いてだ。彼女を見てみよう)

男(彼女の顔はとても凛々しかった。パッチりとしたキレ目の二重。美しく整えられた眉毛。そして、鼻筋が高く、これぞ美人だ。と言わんばかりの顔)

男(髪型はポニーテール。こんなに似合う人も珍しい)

男(そしてなにより)

男(プロポーションが
素晴らしい)

生徒A「隣に居るのがクーデレの彼氏だね」

生徒A「彼女は武道に長けている設定だ。だが・・・なるほど」

生徒A「面白い変化をしているね」

クーデレ「誰かと思えば・・・。勘違いでなければ、私の彼氏を襲おうとしているな?お前」

上位A「な、だから何だってんだよ!それがここの掟だろ!」

クーデレ「何を言っている?・・・ふん、まぁいい。誰であろうと」

上位A「あっ・・・・・!なっ・・・!」

男(ハッキリ分かる。クーデレは背の高い男子生徒の拳を握り潰すように力を入れている)

男(その証拠に奴は痛みで顔を歪めていた)

クーデレ「私の愛しい彼氏に手を出す奴は・・・」

男(クーデレはスカートであるのに足を大股に開き、片方の手は奴の拳を握り潰しながら、上に移動させた)

男(もう片方の手は拳を作り、自分の胸の位置まで引く)

クーデレ「許さない!!!」

上位A「ぐあぁ!・・・・・がっ・・・・!」

男(何とも言えない鈍い音が奴の胸から聞こえ、50cm程吹っ飛んだ。体感しなくても分かる。これはヤバイ)

クーデレ「・・・ふん、さぁ、行こう?」

男(クーデレは後ろを振り返り立ち去ろうとしていた)

?「ちょっと待って」

上位A「あっ・・・・・・・」

男「ま・・・・さか、いや馬鹿な・・・」

生徒A「そんな都合は良くないよ。只、大量にHPが減ったショックで気絶した様だ」

生徒A「ただ」

生徒A「気絶して生き残れる程、都合も良くないけどね」

?「えいっ」

男(クーデレの彼氏が近づき、1発軽い攻撃をしたら奴は消えた)

?「クー大好きぃーー!」

クーデレ「・・・ちょっ!や、やだ。皆見てるんだから・・・だ、抱きつかないで」

?「ふふふーー、クーの胸は柔らかくてきもちーよぉ」

クーデレ「・・・・・・ばかっ!この変態彼氏!!!」

?「いったぁーー・・・・たんこぶ出来たらどーすんのさぁ」

クーデレ「じ、自業自得だ!さ、さぁ、戻るぞ!」

男(2人は仲良く手を繋ぎ、自分のクラスへ戻っていってしまった)

今日はこれで終わりです。
バラバラになってしまって申しわけないです。
また読んで下されば幸いです。

生徒A「・・・いや、面白いね。彼女がまさかあんな行動に出るとは」

男「どういう事だよ?」

生徒A「もともと、ヒロイン達は本質こそ変わらないが、彼氏の性格によって少しずつ自分の性格が変わるように出来ているんだよ」

生徒A「例えばだ。ツンデレがベースとして」

生徒A「彼氏があまり感情を表に出さない性格だとしたら、デレの割合が高くなるだろう」

男「・・・そうか、現実と同じ様に沿ってるわけだな」

生徒「なるべくね。全部は無理だけれど」

生徒A「・・・だが、今回はプレイヤーに手を貸した」

生徒A「確かに設定は武道に精通し、勉強も出来る。文武両道キャラだ」

生徒A「彼氏を守る為にほかのプレイヤーを攻撃するなんて、今までに無かった変化だ」

生徒A「実に興味深いし、厄介な話しだね」

男(確かにだ。仮に彼女目当てで入ったとしよう)

男(当然彼氏を消さなくては、クーデレの彼氏にはなれない訳だが)

男(その前にクーデレが敵として立ちはだかるのは、なんと言うか・・・本末転倒ではないか)

生徒A「・・・さて、時間が無い。最後のクラスに行こうか」

男「ああ」

男(ん?・・・最後?)

男(ん?・・・最後?)

生徒A「ここがTーCクラス。ツンデレのヒロインのクラスだ」

ツンデレ「あんたねぇ!何度教えれば分かんのよ!馬鹿!?」

?「ば・・・馬鹿じゃねー!お前の教え方がヘタなだけだ!」

ツンデレ「じゃあ、これは!?昨日教えたやり方すれば分かるわよ!」

?「あ、うーー・・・・・こ
、これはだな」

ツンデレ「分かんないじゃん!この馬鹿!」

男(デカイ声だな・・・。クラスの外にダダ漏れだぞ)

生徒A「あの2人がツンデレとその彼氏だよ」

男「な、なるほど」

男(彼氏の方はあまり勉強が得意ではないらしいな)

男(彼女の罵倒がそう物語っている)

気づいたら100レスでした。
記念記念。

ツンデレ「はぁーーーー。アンタみたいな馬鹿、どうして好きになっちゃったのかしら・・・」

?「うっ・・・!うるせーな!俺は頭使うの好きじゃねーんだよ!」

ツンデレ「そーーよねぇぇ。運動神経ばっかりよくて、うるさくて猿みたいだもんねぇ」

?「うるさいのはお前も一緒だろ!」

ツンデレ「あんたがイライラさせるからうるさいんでしょーー!」

生徒A「ははっ、喧嘩をする程仲が良いって事なのかもね」

男「・・・それを踏まえてもうるさいけどな」

男(二人とも引かず、ぎゃあぎゃあと騒いでいる。ツンデレ、彼女の方を確認すると、まるでツンデレのテンプレートの様な容姿をしていた)

男(まず、金髪。ツインテールでツリ目だ。そして鼻も高い。・・・ハーフだろうか?目も青く、日本人離れした綺麗な目をしている。)

男(体型については、胸は小さい。制服から膨らみが確認出来ないくらいだ。背も低く、実年齢よりは確実に若く見えるであろう外見。)

男(さながら、帰国子女と言った所か)

?「・・・・しょうがないだろ!好きなもんは好きなんだから、諦めやがれ!!」

ツンデレ「ばっっ・・・・!ここ学校よ!?何皆の前で言ってんの!?ほっっっっんとうに馬鹿ね!」

男(だか、ツンデレらしく彼女の耳、顔は真っ赤で嬉しくないという訳ではなさそうだった)

男(彼氏の方は、身長は170cm程、ツンツンした頭。強気な目、眉。そして何より俺達よりたくましい腕が、運動少年だという事を物語っていた)

ツンデレ「そ、それは私だって・・・・・・す・・・・・・お、同じ気持ちだけど!」

?「・・・へへっ!だよな!」

ツンデレ「~〜〜ッ!馬鹿っ!アホっ!変人っ!!」

?「ば、バカとアホは分かるけど、変人って言うなよな!」

ツンデレ「うっさい!もう知らない!」

生徒A「おっと」

男(痴話喧嘩?をした後、ツンデレは怒りながらクラスを出ていったしまった)

?「おいおい!待てよツンー!」

ガラガラ!

男(俺達の真横を奴は通り過ぎるー)

?「・・・・・おっ?とっとっ・・・・」

男「?」

男(な、なんだ?なんであいつ、俺達の方なんか見てるんだ?)

?「よぉーーー!久しぶりじゃねーかーー!」

男(は?久しぶり?俺とこいつは知り合いでもなんでもーー)

?「なーんだよ!久しぶり過ぎて忘れたかぁ?」

生徒A「・・・・・・・・・・・さぁ、戻ろうか。昼休みが終わってしまうよ」

男(何だろうか、ツンデレの彼氏があいつの肩を慣れたように叩くのだが、あいつは無視して俺に声をかけた)

男「・・・知り合いか?」

生徒A「さぁ、知らないよ?人違いじゃないかな?」

男(そうなのか?・・・まぁ、あんだけ馬鹿っぽい奴だから、人の顔を忘れるくらいありそうだが・・・・・)

男(俺達はそのまま、自分の校舎へと戻る。そして程なくして午後の授業が始まった)

?「なんだよー?素っ気ねーやつだなぁ・・・」

?「あっ!やべーやべー!ツン追っかけねーと!ツンーーーー!!!」

ーーーーーーー

今日はこれでおしまいです。
いつの間にか100レスまで到達してしまった事に驚いてます。
ではまたお逢いしましょう。

男(さて、帰るか)

生徒「帰るのかい?僕もついていくよ」

男(何だかんだ、気付くとコイツは俺の近くに居ることが多い気がする)

男(ガイド役だから仕方ない事なのかもしれないが・・・)

生徒「放課後だねぇ。今日も何処かで消しあいをしてるのかな」

男「そうだろうな。・・・・皆必死に頑張ってるんだと思う」

生徒「君は?今日のヒロイン達を見て少しはやる気になってくれたかい?」

男「どうだろうなぁ・・・」

男(正直な所、あまりワクワクはしなかった)

男(確かに3人とも顔は違えど文句のつけようもない美貌を持っている)

男(誰もが欲しがるに決まってる・・・のだが)

男(何故だかピンと来ないのだ)

男(あの時、上に上がる覚悟をしたのになんと情けない事だろうか)

生徒A「君は今日ランクアップするために動かないのかい?」

男「あーー・・・。気分じゃないんだ。まだ正直な所、この前のショックが無くなった訳じゃないしな」

生徒A「そっか・・・。ま、慣れる時が来るさ。それに待ってたって相手から来るしね」

男「・・・・今日は勘弁してもらいたいな」

男「それに、こんな会話してたらもしかすると来るかもしれー」

生徒E「・・・・・・・・・」

男(目の前に見知らぬ生徒が立ち塞がった。目が普通の目をしてないぞ、こいつ)

男「おい、まさか・・・」

生徒E「勝負だ」

男「う・・・こいつとか?」

生徒E「いーや、お前とだ」

男「・・・・・・・・・・・」

男(なんでこうなるんだ)

男(タイミングが悪過ぎる。昨日と今日で色んな事があり過ぎて、処理しきれてないのに、戦えと?)

男(無理があるじゃないか。いや、相手からしたら関係ないのかもしれないが)

男「今日は・・・・・・」

男(嫌なんだよ。やる気もないのにむざむざ戦えって?そんな馬鹿な事があるか!)

男(どうすれば逃げる事が出来るんだ・・・。そもそも、あいつはなんであんなにやる気なんだよ!俺じゃなくても良いじゃないか!)

男「無」

生徒A「逃げるのかい?」

男「はっ・・・?」

生徒A「逃げ出すのかい?」

生徒A「また、なのかい?」

男「・・・・・・・・・」

生徒A「これまでだって逃げ出してきたんだろう?それなのに、また逃げるのかい?」

男(・・・・・何したって冴えなかったんだ。しょうがないじゃないか)

男(いくら勉強しても、平均点程度。運動だって平均くらい)

男(社会に出てもそうだ)

男(人並みにしか出来ず、結局は周りの人間に埋もれて、いつしか上司に煙たがられて)

男(何も頑張ってきてないわけじゃないんだ)

男(頑張った)

男(そう、俺は頑張ったんだよ。だから今日は)

生徒A「逃げるなよ」

男「・・・・は?」

生徒A「逃げて変わるのかい?」

男「お、俺は、頑張ってき」

生徒A「頑張ってきたってのは自分で言うものじゃないよ。相手から言われて初めて価値が出てくるんだ」

男「・・・・・・・・ッ」

男「じゃあ!どうしろってんだよ!!!」

生徒A「簡単な事さ」

生徒A「やればいいだけだよ」

男「そのやればいいってのがどんだけ大変だと思ってんだ!!」

生徒A「大変だから皆出来ないんだろう!だから出来れば凄いんだよ!」

男「!」

生徒A「世の中で凄いと言われてる人、出来ると思われてる人。皆やってきたから、その結果になったんだよ!」

生徒A「失敗しても、なにしても諦めないでやってきたから結果が出てくるんだろう!」

男「・・・・・・・・・!」

生徒A「それを少しやって大変だったから、逃げる?」

生徒A「そんなことでこの世界で勝てるとでも思っているのか!!」

生徒A「泣き言を言う暇があったらやるんだよ!」

生徒A「やるしか方法は・・・無いんだよ!」

生徒E「なんだ・・・ごちゃごちゃ行ってやがって!こっちから行くぞ!」

男「・・・・・・・・・・」

生徒E「・・・・・うらぁ!」

男(刃物等持たずに、やつは俺のアゴ目掛けてアッパーを繰り出してきた)

男(恐らく、ボクシングを習ってきたのだろう動き。早い)

男(いつもの俺ならば慌てた所だが、冷静に対処した)

男「・・・・・・・・グッ!」

生徒E「自分から前へ・・・・!?」

男(奴のアッパーはアゴではなく俺の体に当たった)

男(倒れそうになりそうな痛みが俺を襲ったが、なんとか我慢し、奴の頭を掴み)

男「・・・・・・!」

生徒E「ぐっ!」

男(頭突きをする!)

男(こちらにも鈍い痛みがあるが、怯むわけにはいかない!)

男(ふらついている今がチャンス!)

生徒E「く・・・・ぅ!」

男(すかさず背後に回り、奴の首を腕で締める。プロレス技で言うアームロックだ)

生徒E「・・・・・・・・ぁ!」

男「くっそぉ・・・・・!」

ピッ
HP9/10

男(奴は俺の腹に精一杯の抵抗として肘鉄をしてくる)

ピッ
HP8/10

男(あいつのHPが無くなるのが早いか、俺のHPが無くなるのが先か)

男(勝負だ!)

生徒「ぁ・・・・・・!く!」

ピッ
HP7/10

男(奴にあんな事を言われて悔しかった)

男(たかだか、二日三日しか一緒に居なかった奴に言われてムカついたんだ)

ピッ
HP6/10

男(俺だって端から逃げ出した訳じゃない。途中までやって諦めた結果が今現在なんだ)

男(でも、だからこそ、正論だったからこそ、何も言えなかった)

ピッ
HP5/10

生徒E「・・・・・・!・・・!」

男(昨日だって、やるって決意したじゃないか)

ピッ
HP4/10

男(それがいつの間にか嫌になってやりたくなくなったんだ)

男「もう、俺は」

生徒A「・・・・・・・・」

ピッ
HP3/10

男「逃げない・・・・!!」

ピッ
HP2/10

生徒E「〜!〜〜〜!!!」

生徒E「〜・・・・・・・・・・・」

男「・・・・」

生徒A「・・・・・・・・」

男「や、やったのか・・・?」

男(気づくと、奴の肘鉄は止み、力無くだらりと両腕は下がっていた)

生徒E「・・・・・・・・・・・」

男(そのままやつは透けて、消えていった)

今回はこれでおしまいです。
またよろしくお願いいたします。

ランクアップマデ ノコリ 8

男「・・・・はぁ、はぁ」

生徒A「やれば出来るじゃないか」

男「・・・はぁ、はぁ、お前は・・・何者なんだ?」

生徒A「僕はただのガイドさ。この世界を円滑に進めるためのね」

男「ただのガイドが、個人に肩入れしていいのかよ?」

生徒A「肩入れじゃあないよ。君にはもっと上手く戦って欲しいからね」

生徒A「これは一つのアドバイスさ」

男(こいつは、いつも、のらりくらりと俺の言葉をかわす)

男(真意が分からん。俺にこんな手取り足取り教える理由)

男(正直な所だ。ただ案内するだけならあんな事を言わなくても良いじゃないか)

男(・・・・・・いくら考えても答えなんか出て来ないが、まぁ、まだ色々教えてくれる気ならありがたい。甘えさせてもらおう)

生徒A「さぁ、帰ろう?もう君もHPがギリギリなハズだ」

男「あ、あぁ・・・」

男(身体がフラフラする。あまり力が入らない)

男(HPが減り過ぎるとこうなるのか。連戦は厳しいな、これは)

生徒A「戦い方を見て思ったんだけど、中々動けるよね、君」

男「・・・まぁ、こんなんでもここに来る前は警備会社に勤めてたんだ。仕事で色々教わったんだよ」

生徒A「へぇ、それはラッキーだったね。ここに来る前の経験が武器になったじゃないか」

男「それでも人を消すってのは経験した事ないけどな」

生徒A「アハハハ、前にも言ったかもしれないけど慣れだよ」

男(確かに、1人目の嫌悪感からしたら、2人目は楽だった)

男(やはり慣れてしまうんだろう。慣れてしまうことも、嫌になるが)

生徒A「じゃあね、また明日」

男(しばらく実のない話しをした後、俺達は別れた)

男「ただいま」

男(俺は早足で家に帰り、ご飯を食べる。自室に戻り、ベッドに仰向けに寝た)

男(今日も戦いを挑まれるなんて思わなかった)

男(一回目、ニ回目は無事ではないが、生き延びれた)

男(だが、これから先、あんな行き当たりばったりなやり方で生き残れるのだろうか)

男(まだ奴らはナイフ、拳の近接戦闘だったから良かったが・・・)

男(もし、だ。銃を持ち出されたらどうする?今のままでは絶望的じゃないか)

男(考えたくはないが、考えなくてはならない。でなければ消される)

男(学校の中だが、現実とは違う。神は「現実と同じだ」と確か言っていたが、システム面においては、かなりゲーム性が出ている)

男(HP表示も然り、行動が制限される事も然り)

男(ならば、現実的に有り得ない事も起こるのだ。銃を持ち出してきたり、超能力的なものもあるかもしれない)

男(俺には今の所、そんな都合の良いものは無い)

男(だから、考えろ。勝つ為に)

男(効率良く上に上がれる方法を)

ーーーーーーーーーーー

男「・・・・・・・・・・」

男(悶々と色々な事を考えている内に寝ていたらしい。気づくと朝になっていた)

母「男ーー!ご飯出来てるわよー!」

男「分かったー!今行くよーー!」

男(俺はご飯をかきこみ、いつも通りの時間に家を出た)

生徒A「おはよう。良い天気だね」

男「あぁ、良く晴れてるな」

生徒A「覚えてるかい?今日は生徒総会だ」

男「・・・そういえば、そうだったな」

生徒A「君は初めてだろう?良く聞いた方が良いよ」

男「・・・・・・・わかった」

男(ただの生徒総会だ。所詮俺には関係ない。寝てれば良いだろう)

キーンコーンカーンコーン

男「おはよう」

男子生徒「おはー」

生徒A「おはようー」

男(いつも通りの挨拶を済ませた後、何やらうるさい女子グループの方を見ると、生徒総会の話で盛り上がっている様だ)

女生徒A「今日生徒総会だねー!」

女生徒B「ね!あーー、久しぶりに会長様見たいなぁー」

女生徒C「全然顔出さないんだもんねぇ。でも超イケメン!」

女生徒B「ほんとほんと!もー、私の王子様だよぅあの人・・・」

女生徒A「あはは、駄目よー。会長様にはちゃんと彼女居るんだからぁ」

男「・・・・・・・?」

男(彼女が居る?どういう事だ)

男(今の所確認出来てるのは3人のハズ。そして、彼女を作るにはお目当ての女性のクラスに入るしかない訳だが・・・)

男「・・・・・・・・・」

男「・・・・・待てよ」

男(ヒロインは四人のはずだ。これはあいつも言っていた事実)

男(あの時は色々騒がしかったから、聞けなかったが・・・なるほど)

男(この生徒総会が4人目の登場場所か)

男(それなら、アイツが説明を省いたのも頷ける。確かにあの場では説明出来ないな)

男(アイツが特に何も言ってこないのも強制的に見れるイベントだから、なのだろう)

ガラララララ

先生「はーい、HR始めます」

男(そうこう考えてる内に、先生が入ってきた)

先生「昨日も言ってたハズだけど、今日は生徒総会です。一時間だけ授業をしてから、昼休みまで生徒総会をします」

男(周りがザワザワしだす。授業を受けなくて良いという喜びのオーラが全員から出ていた)

先生「はい、静かにーー!生徒総会はお前達が主体の大事な総会です。間違っても寝たりしないように!」

先生「はい、では授業始めまーす」

男(俺の学生時代と照らし合わせれば、出席している4割は寝ると思っても過言ではない。それ以外は携帯を触ったり。遊んでいたりとやりたい放題だ)

男(先生の可もなく不可もない授業を受け終わり、俺は生徒総会に望む)

今回は以上です。
間を空けてすいませんでした。
少しずつ書き溜めをしてるのですが、中々忙しく投稿に間が空いてしまいました。

出来る限り投稿はしますので、広い心で待って頂ければなと思います。
読んで頂きいつもありがとうございます。
ではまた。

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