【艦これ】初霜「私が、守ります!」 綾波「綾波が、守ります!」 (17)

※キャラ崩壊注意報。短いです。


初霜「え?」

綾波「え?」

初霜「あ、じゃあ綾波さん、どうぞ」

綾波「いえ、初霜さんに譲りますね」

初霜「そんな、綾波さんが守ってあげてください」

綾波「悪いですよ。初霜さんが先なんですから」

初霜「でも……」

綾波「うーん、どうしましょうか?」

電「あの、みんなで守るのです」

初霜「それです!」

綾波「そうですね。綾波達は同じ艦隊の仲間なんですから、みんなで守りましょう!」

電「なのです!」

初霜「やっちゃいます!」

綾波「やーりましたー!」

軽巡ヘ級(……ナンダコレ?)

駆逐イ級(シランケドタノシソウダナア)

阿武隈「みなさんー! 戦闘中ですから、あたしの指示にしたがってくださいーっ!」

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初戦勝利、続いて艦隊進撃中……

駆逐イ級(オレガタオレテモ、ダイニダイサンノ、クチクイキュウガ……)

軽巡ヘ級(コレデ、カッタトオモウナヨー!)



加賀「敵空母の主力が出てくるのなら……流石に、慎重に攻めたいところだわ」

鳥海「ここは鎮守府近海、南西諸島防衛線です。私の計算では、特に脅威となる敵は出てくるとは思えませんが……油断は禁物ですね」

阿武隈「鳥海さんの言う通りです。みなさん、警戒を怠らないでくださいね」

電「了解です!」

初霜「準備万端ですよ。警戒は大切ですね」

綾波「綾波も頑張ります!」

加賀「五航戦の子なんかと一緒にしないで。阿武隈さん、あなた自身も警戒を怠らないように」

阿武隈「は、はい。了解です。このまま進撃します(うう……相変わらず厳しいなあ)」

加賀「次こそ、届かせて見せるわ」ボソッ

阿武隈「加賀さん、どうかしました?」

加賀「いえ別に」

鳥海「索敵機が見つけたわ。敵機動部隊。空母二隻、重巡、軽巡一隻ずつ。駆逐二隻。計六隻ですね」

阿武隈「分かりました! みなさん、戦闘準備! これより敵機動部隊と交戦を開始します!」

綾波「了解です!」

初霜「やっちゃいます!」

電「頑張るのです!」

鳥海「加賀さん、空母二隻ですが、大丈夫ですか?」

加賀「鎧袖一触よ。心配いらないわ」カチッ

ジャジャン! ジャージャジャ! ジャジャジャ ジャジャジャジャー!

テレーレーーーーテーテーテーテテテー!

阿武隈「……は?」

初霜「……え?」

電「なのです?」

鳥海「な、なんなのですかこの音楽は!?」

綾波「わあ、いい音楽ですねー。どこから流れているのでしょう?」

バサッ!

加賀「ここは譲れません」

阿武隈「ちょ、ええ!? 加賀さんいつの間に着物に着替えたんですか!?」

加賀「良い模様ね。さすがに気分が高揚します」

電「話を聞いてほしいのです!?」

綾波「加賀さんとてもお似合いですね。綾波、憧れちゃいます」

加賀「それほどでもないわ。ライト、オン」

カッ!

初霜「きゃっ!? まぶしいわ!?」

電「それライトじゃなくて探照灯なのです!?」

鳥海「しかも四つも!?」

阿武隈「真昼間に探照灯つけてないで、早く艦載機飛ばしてくださいよ! このままじゃ敵空母に好き勝手されちゃいますって!?」

加賀「残念だけど、探照灯で一杯よ。艦載機を置くスペースなんてあるわけがないわ」

綾波「ええっ!? ど、どうしましょう!?」

阿武隈「さも、当然でしょ? みたいに言わないでください! 探照灯ガン積みにする空母がどこにいますか!?」

加賀「失礼ね。着物とマイクもあるわ」

阿武隈「ずれてます!? 根本からずれてますから!?」

初霜「みなさん! 敵機迫ってきます!」

加賀「あーあー。マイクチェックマイクチェック。そうね、このマイクを持ってきたのは良い判断ね」

阿武隈「だめだこの正規空母ぉ!? みんな、対空射撃用意!」

電「なのです!」

初霜「敵空母に好き勝手にはさせません!」

綾波「よく狙って……てぇえええ~い!」

鳥海「みなさん、落ち着いて行動を!」

阿武隈「この程度の敵機なら、あたし達だけだって……みんな、大丈夫!?」

電「大丈夫です! 全員問題ないのです!」

加賀「みんなー! 今日は加賀ちゃんのライブに集まってくれてありがとー!」

阿武隈「……は? え?」

電「……あ、あの?」

鳥海「……私の計算では、こんなことありえない!」

阿武隈「計算できる人がいたら見てみたいですよぉ!?」

加賀「一航戦、加賀。歌います。聴いてください、曲名は――加賀岬」

~♪ ~♪

電「歌い始めたのです!?」

阿武隈「加賀さん今戦闘中なんですけどぉ!? 暢気に歌ってる場合じゃないですから!?」



鳥海「ええと、加賀さんが敵の精神攻撃にやられた確率はおよそなな――」

阿武隈「鳥海さん現実逃避しないでくださいって!」

鳥海「はっ!? い、いえそんなことないです!」

電「も、問題ないのです! いつも軽巡と駆逐のみんなだけでもここの敵にはほとんど無傷で勝っているのです!」

初霜「そうね。油断は厳禁だけど、過度に委縮するのもまた危険だわ」

綾波「綾波、頑張ります!」

阿武隈「……そうだね」

ドォォォーン!

鳥海「なるほど。甲標的による先制雷撃ですか。さすが阿武隈さん」

電「敵空母一隻、大破確認なのです」

阿武隈「艦隊、これより砲撃戦に移行。反航戦になります! みなさん、行きましょう! ほら加賀さんも!」

加賀「~♪ ~♪(くるっ)」←熱唱中

阿武隈「問題ない先に行け! みたいな顔しないでください!?」

鳥海「さあ、やるわよー!」

ドォン!?

空母ヲ級「!?」

鳥海「観測射撃ができなくても、この程度なら想定範囲内ですよ」

電「命中させちゃいます」

駆逐イ級「グォ!?」

綾波「さすが電さんです!」

初霜「綾波さん、私達も負けてられませんよ!」

加賀(そろそろサビね。ここは大事に聴かせたいところだわ)

阿武隈「え? ちょっと加賀さん!? なんで空母が一人前に出るんですかぁ!?」

加賀(さあ、私の歌を聴かせてあげる!)

重巡リ級(エ? コレウッテイイノカ?)

ドーン!

加賀「っ!? ……けほっ」小破

電「か、加賀さん大丈夫ですか!?」

加賀「……赤城さん。あなたを残して沈むわけにはいかないわ」キリッ

阿武隈「なら前に出ないでくださいよぉ!?」

加賀「はっ!? マイクは……無事ね。ならまだ歌えるわ」

鳥海「まだ歌う気なのですか!?」

綾波「加賀さん、後方に引いてください! 後は綾波達に任せてください!」

初霜「綾波さんの言う通りですよ!」

加賀「いえ、ここで歌うのをやめるわけにはいかないわ」

阿武隈「ダメです! 下がってください! これは旗艦命令です!」

加賀「……あなたに迷惑はかけないわ。沈む気は毛頭ないけど、万が一があったらすべて私に責任を負わせなさい」

鳥海「一体なにを言っているのです!?」

阿武隈「……ダメです」

加賀「……あなた、意外と強情ね。流されやすい性格だと思っていたのだけど」

阿武隈「あたしは、提督よりこの艦隊の旗艦を任されたんです。旗艦は全力を持って、艦隊のみんなを無事に帰す義務があります」

阿武隈「ですから。負わなくてもいい危険に、自ら飛び込む加賀さんの行為は容認できません」

加賀「……そう。少し、あなたを見直したわ」

電「じゃあ――」

加賀「けど、私は歌うのをやめないわ」

阿武隈「どうしてですか?」

加賀「歌は、聴くものの心を動かすものよ。あらゆるもののね」

加賀「たとえ戦争の最中であっても、歌が廃れることはない。立場、環境、国。様々な垣根を越え、歌は止むことがない」

電「……」

加賀「なら、深海棲艦にだって歌は伝わるのではなくて? 歌を通じて、深海棲艦とだって心を通わせることができる可能性は、ゼロじゃないはずだわ」

加賀「歌はそういうものよ」

阿武隈「加賀さん……」

加賀「って、那珂さんが言っていたわ」

阿武隈「ズコーッ!?」

電「阿武隈さんしっかりして!?」

鳥海「今日の晩御飯はなんでしょう……?」

綾波「綾波も楽しみです~。海軍カレー、おいしいですよね」

初霜「みなさん、落ち着いてください!」

加賀「……お話しはここまでよ。もうすぐ二番に入るわ」

阿武隈「ちょ、ちょっと加賀さんってば!?」

加賀「無理よ。私は歌い終わるまで、止まらないわ」

加賀「みんなー! 続けて二番いっくよー!」

鳥海「だから、なんで急に口調が変わるんですか!?」

阿武隈「演歌のはずなのに、なにかいろいろと間違ってません!?」

電「きっと那珂さんを見て、歌手はそういうものだと思い込んでいるのです」

綾波「あ、たしかに那珂さんみたいなしゃべり方ですね」

初霜「今度、演歌歌手の様子をテレビで見せるべきでしょうか?」

阿武隈「と、ともかく加賀さんの護衛に回ってください! 一人で孤立させるわけにはいきません!」

全員「了解です!」

電「けど、加賀さんの気持ちも少し分かるのです」

初霜「電さん?」

電「……初霜ちゃん、戦争には勝ちたいけど命は助けたいって、おかしいですか?」

初霜「……電さんは、どう思っているんです?」

電「おかしいのかも、しれない。けど、そうだったらいいなって」

電「戦わないといけないのは、分かっているのです。むしろ、守りたいものも守れない」

電「けど、なるべくなら、戦いたく、敵を殺めたくはないのです」

初霜「……そうね。できるだけ、助けたいわ」

電「初霜ちゃん?」

初霜「もちろん戦いには勝たないといけないけれど。殺める必要のない命まで奪う必要はないと私も思う」

初霜「当然、それは間違っていると思う人も大勢いると思うわ。けれど、少なくても私や阿武隈さん、それに提督もそう思っているはずでしょう?」

初霜「電さんは誰よりも頑張っているんだもの。分かっている人はいるはずよ」

初霜「……今の加賀さんも、そうじゃないかしら?」

電「……あの、ありがとう」

初霜「いえ、大したことはなにもしてないですよ? さあ、今はみんなを守るため戦いましょう」

阿武隈「みなさん! 加賀さんを中心に輪形陣を取って! 加賀さんを守ります!」

綾波「はい!」

鳥海「ええ、訓練通り……大丈夫!」

電「配備に付きます!」

初霜「私もばっちりですよ」

加賀「……みんな? 勝手をやってる私なんかを、どうして?」

阿武隈「これが、勝って全員を無事に帰すための最善だからです」

加賀「……阿武隈」

阿武隈「もちろん、加賀さんも含めてですからね」

鳥海「阿武隈さんの言う通りですよ。それに、多少のハンデを負ったところでこの程度の敵に負けるような訓練は積んでませんから」

阿武隈「後でしっかりお説教しますからね。覚悟してくださいよ?」

加賀「みんな……ええ、肝に銘じておくわ」

初霜「私達が、守ります!」

綾波「綾波達が、守ります!」

電「電達が守るのです!」

鳥海「たまには計算できない状況もいいかもしれませんね。さぁ、行きましょう! やるわよー!」

阿武隈「みなさん! 気を引き締めてください!」

ポツーン……

阿武隈「……あれ?」

電「なのです?」



重巡リ級(ツキアッテラレルカー)←はるか遠く

駆逐イ級(オウチカエルー)←上に同じ

空母ヲ級(オマエラマタコンドナ)←同上

軽巡ヘ級(ツギハマジメニタタカエヨ)←上に同じだってばー



加賀「……そんな……馬鹿な」バタッ

阿武隈「加賀さーん!? しっかりしてください!」

鳥海「まずいですね。精神的ショックがかなり大きいみたいです!」

電「はわわ!? と、とにかく鎮守府に戻るのです!」

綾波「加賀さん、今すぐ鎮守府に帰りますからね!」

――鎮守府。

阿武隈「加賀さん、もう部屋から出てきてくださいよー! 叱りませんからぁ!」

電「加賀さん、お腹空いてますよね? 阿武隈さんがごはん作ってきたのです」

綾波「阿武隈さんのごはん、おいしいですよ」

初霜「加賀さん、取りあえず顔を見せてください」

鳥海「え、えっとこういうときはしばらくそっとしておいた方がいいのかしら……?」

瑞鶴「ちょっとあんた! 普段は自信満々のくせになにこんなことでへこたれているのよ!」

大鳳「ず、瑞鶴さん。あまり過激な言葉は……」

赤城「加賀さん……どうして、私に頼ってくれないんですか? あと私締め出されたんですけど、どうすれば……」(←加賀さんと同室)

阿武隈「提督、どうしましょう……?」

提督「……仕方ない、しばらく時間を置こうか」

阿武隈「……ですね。ごはん置いときますね、加賀さん。ちゃんと食べてくださいね」

加賀「……このダメージは完治に少し時間がかかるわ。ごめんなさいね」



翌日、鎮守府内で那珂ちゃんと元気に歌う、加賀さんの姿があったという。

加賀「もう落ち込んだりなんてしないわ」

短いですがこれで終わりです。
加賀さんファンの方、すみません。

アニマスピリチアを持ってそうな加賀さんだな……

乙乙

>>15さん
鳥海「どうしたの加賀さん! あなたは歌うんじゃなかったの! 歌え、歌いなさい加賀さん!」
とかやろうと思いましたが、さすがに没にしました。

>>16さん
乙ありがとうございます。

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