アナキン「艦娘?深海棲艦?」 (162)


身体が解き放たれる

エンドアの戦いの後、アナキン=スカイウォーカーの肉体は息子ルークが行った火葬によって煙のように天に昇っていった。

尤も、肉体といってもほとんど機械化された重苦しいものであったが、それ故にアナキンはそれらから身体が解き放たれるのを感じていたのだ。

アナキン(霊体化するとはこんな感覚なのか…)

霊体とはいえ機械ではない自分の手足が存在し、真っ当に年老いている。

アナキン(やはり生身が一番だな…だが…)

そんな暢気なことを考えていたアナキンは若干の違和感を覚えた。


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フォースと1つになりきれていない…

それが違和感の正体であろうとアナキンは考えていたその時

「その通りだアナキン」

自分の背後から懐かしい声がする。
振り返るとそこにいたのは遠い昔に自分を宇宙へ連れ出してくれた恩人…クワイ=ガン・ジンだった。

アナキン「クワイ=ガン!」

アナキンはゆっくりと歩み寄り恩人と抱き合った。

クワイ=ガン「久しぶりだな、アナキン。そしておかえりというべきだろうか…」

アナキンはバツが悪そうに肩をすくめながら苦笑した。

アナキン「ああ…ただいま。で、クワイ=ガン、その通りっていうのは…」


クワイ=ガン「ああ、お前がフォースと1つになりきれていないと感じていることだ。」

アナキン「それは僕がダース・ヴェイダーだったことと関係があるのかい?」

クワイ=ガン「いや、そうではない。それは…」

「それはフォースの予言通りだった。お前は見事フォースに調和をもたらしたのじゃ、スカイウォーカーよ。」

クワイ=ガンの背後からマスター・ヨーダが現れ、なおも続ける。

ヨーダ「かつてのジェダイ騎士団は光だった。しかし、その光は強すぎる上に淀んでおった。そしてそれは強すぎる影も生んでしまったのじゃ。」


ヨーダ「そしてお前はそのどちらも消してしまうことで予言を果たす結果になったのじゃ。」

アナキン「しかし、そのために僕…いや、私は無数の命を…」

「その強い後悔がフォースと1つになることを妨げているんだ、アナキン。」

今度はアナキンの背後から最も聞き慣れたあの声がする。

アナキン「オビ=ワン!」

オビ=ワン「グレていた弟が更生して家に帰ってきた気分だよアナキン。おかえり。」

生身での最後がああであったために流石に気まずさが強く、アナキンはなんともいえない顔になった。

オビ=ワン「これくらいは言っておかないとな。」フフッ


オビ=ワン「で、だ。お前は強い後悔の念に駆られている。」

アナキン「そうだ…それは間違いないよ。」

ヨーダ「そして罪滅ぼしをしたいと考えている…違うかの?スカイウォーカーよ。」

アナキン「その通りです、マスター・ヨーダ。」

クワイ=ガン「そしてフォースはお前にその機会を与えたいという意思を持っているようだ。」

アナキン「それは願ったり叶ったりだが…一体何が出来るっていうんだ?もう死んでしまっているのに…」

最早、できることといえばルークに遠くから声を伝えることくらいのもの…アナキンはそう考えていたが、どうやら違うようだ。


言ってしまえば霊体化して懐かしい3人に会えたことでもう既に混乱しているのに、霊体化は完全ではなく、さらに罪滅ぼしのために何かをすることをフォースが望んでいるらしい…

それを短時間で聞かされたアナキンは自分の様々な年代の口調がごちゃごちゃになるほど混乱している。

クワイ=ガン「それは…これだ!」

クワイ=ガンのそばに人一人が入れる大きさの!白い穴のようなものが現れた。

ヨーダ「フォースはここから繋がっている世界にも調和をもたらすことを望んでいるようなのじゃ。」

オビ=ワン「かつてのお前はすべてを壊し、ルークという芽を1つ残すことで調和をもたらした。だが帰還したお前なら今度は上手くやれる。ライトサイドとダークサイド…どちらも持つお前なら!」

アナキン「オビ=ワン…」

オビ=ワン「アナキン、パドメは最期まで君を最も理解していた。私もマスター・ヨーダも諦めていた中、ダークサイドに飲み込まれた今のお前を感じ取っていた。」

オビ=ワンは語気を強めて続ける。

オビ=ワン「彼女が信じたお前に今のお前ならなれるさ、行ってこいアナキン!」


アナキン「分かったよ…最も後悔していたのはパドメのことだった。彼女がそんなにも僕の事を信じてくれていたならやるしかない。」

腹は決まったという表情になったアナキンは早速、穴に飛び込もうとする…が

クワイ=ガン「待てアナキン。その前に渡すものがある。」

肩を掴まれ、呼び止められたアナキンにオビ=ワンとヨーダが短い棒のようなものを渡す。

アナキン「これは…!」

オビ=ワン「霊体になると多少の物は霊体ながら創造できるみたいなんでな…」

それはかつてアナキンが使っていた、クラウドシティでルークの手と一緒に失くなったはずのライトセーバーだった。

オビ=ワン・クワイ=ガン・ヨーダ「「「行け!今こそお前は最高のジェダイだ!」」」

三人の言葉を背に感謝の涙を流しながらアナキンは穴に飛び込んだ。


飛び込んだ先でアナキンを待っていたのは



それもカミーノのような荒れ狂った海ではなく、穏やかな青い海だった。

そして

アナキン「うわあああああああああ」

???「いやあああああああああ」

アナキンが上空から降り立ったのは見たこともない黒い変わった魚のような生き物の背であり、目に飛び込んできたのはその魚に食われようとしているボロボロの服をまとって何故か海に浮かんでいる女の子の姿だった。


以上導入部でした。

書き溜めしてないので量が少なく亀更新となりますが気長にお付き合いください。

また、アナキンと艦娘のキャラ崩壊も予想されますのでご了承ください。


咄嗟にアナキンはライトセーバーでその魚を斬ろうとしたが

アナキン(声…?)

ニクイ…サムイ…クルシイ…コワイ…アアアアアアアア!

そんな声が頭の中に響いた。ダークサイドのように強烈なものでなく、むしろどちらかといえば悲しみを帯びた声に感じた。

アナキン(この魚を斬ってはいけない…ならば!)

アナキンが魚の背から飛び上がった瞬間、眩い光と共に指先からフォースの雷が迸った。

???「ギエエェエェェッ!?」

それは一瞬の出来事であったがその魚、駆逐イ級の動きを止めるには十分だった。

イ級「…」

大人しくなったイ級の背に再び降り立ったアナキンはフォースを通じて呼びかけを行う。

アナキン(私の声が聞こえるかい?魚君?)

すると片言ながら声が返ってきたのだ。

イ級(コエ…ニンゲン…?)

アナキン(ああ、そうだ君の背中に乗っているんだが…なぜ君はその女の子を襲っていたんだい?)

イ級(カンムス…オソウ…メイレイ…デモ…ナンデ…ワカラナイ…コワイ…)

このアナキンの肉体は老アナキンなのか、最近修正された青年アナキンなのか?


アナキン(そうか…今も怖いかい?)

イ級(イマ…コワクナイ…ハナシ…デキル)

どうやら先ほどのフォースライトニングのショックで攻撃的な状態から少々落ち着いたようだ。

アナキン(私も君ともう少し話してみたい。しかし、そこの女の子を放っておくこともできないんだ。)

イ級(ニンゲン…カンムス…ダイジ)

アナキン(よく分からないが…また君と話すために今は退いてくれないか?そうすれば今度はゆっくり話す機会もあるだろう。)

イ級(………ワカッタ)ザバッ

そう言い残すとイ級は海に潜って姿を消した。

必然的にアナキンは海に投げ出されることとなり、今度は女の子と2人きりになった。

???「イ級が退いた…あ、あの!」

アナキン「大丈夫かい?君」

???「は、はい!私、助けてもらったんですよね?ありがとうございました!」


アナキン「どうもそうらしい…無事でよかった。」

助けた側は海で泳ぎながら無傷、助けられた側は海上に浮かびながらボロボロ。なんとも奇妙な光景だが2人は固い握手を交わした。

???「申し遅れました、私は特型駆逐艦の一番艦、吹雪です!今引き上げますね!」

自分のことを駆逐艦と名乗る奇妙な少女に少女とは思えない力で海上に引き上げられたアナキンはそのまま近くの島まで曳航されることになるのだった。

>>21
アナキンの年齢に関しては
旧三部作だとオビ=ワンと歳が同じくらい近い設定
新三部作だと結構歳が離れている設定
となっているんですが、新三部作後の変更されたエピソードⅥのEDはアナキンだけ異常に若いのが個人的には怖いので、ここでは新三部作設定で考えられたエピソードⅥでのアナキンの年齢である45歳前後の風貌のアナキンだと思ってください。


近くの無人島に上陸した2人はお互いの状況を話し合うことになった。吹雪は艦娘のこと、深海棲艦のこと、世界の大まかな状況について、アナキンはややこしい自分の事情に関しては伏せ、自分がジェダイの騎士であることを話した。

吹雪「えええええ!アナキンさんって宇宙人の戦士なんですか!?」

アナキン「宇宙人といっても人間型だし…それより君が人間じゃないっていうことに私は驚いたよ。エンジンもなく、海の上を滑れるからどういうことなのかと思っていたんだが…」

吹雪「えへへ、驚きました?でも…」

それまで笑顔だった吹雪の顔が急に曇った。

アナキン「でも?」

吹雪「私、落ちこぼれなんです…上手く戦えないから司令官から鎮守府を追い出されちゃって…役立たずは1匹でも敵と刺し違えてから死ねって…」グスッ

アナキン「なんと…」

かつてのヴェイダーはもっとおぞましいことを数限りなくやっていたわけで、その男を徹頭徹尾非難することはできないが今のアナキンが憤りを感じないわけがない。

アナキン「その司令官はどこに?」

吹雪「鎮守府はここからもう少し先に行った島にあります…でも…私…」

アナキン「大丈夫。私がその司令官と話をしてみるよ。連れていってくれないか?」

そう吹雪に尋ねるアナキンは内心である決意を固めていたのである。


今日はこんなところです。

話を書くのって難しいですね…
では80時間遠征から艦隊が戻ってきそうなので失礼します~


ー東南アジアのどこかにある鎮守府ー

神通「提督!どういうことですか!」

基地の提督室にとある艦娘の抗議の声が響いていた。

神通「吹雪ちゃんは確かにまだ実力は足りませんでした。しかし、だからといって一人で死にに行かせたなんて!」

提督「神通、俺に意見するのか?お前は優秀だ。だから俺はお前を買ってるんだぞ?だがアイツはどうだ?戦闘も満足に出来ない。弱者は死ぬのが当然だろう。それに艦娘の維持費っていうのは馬鹿にならないんだ。」

神通「私達は艦娘です。戦いで沈むこともあるでしょう…しかし、それは懸命に戦ってどうしようもなかった時のみにこそ起こるべきことのはず。沈ませに一人で基地を放り出すのは間違っています。」

加賀「提督、あなたは確かに書類の上では優秀よ。強力な艦娘も建造できているし練度もデータ上は上がっている。それでも海域攻略が進まないのは何故だか分かるかしら?」

神通の隣にいた加賀も口調こそ冷静なものの所々に怒りを感じさせる態度で提督を非難している。


提督「それは貴様らの努力が足りんからだ!!!」

部下の言葉が癇に障ったのか今度は提督が怒鳴り返す。

軍人だけあって身長はそれなりにあるのだが、海軍の士官とは思えないほど腹が出ており、白い軍服のせいか余計に膨らんで見える。
また、人相も悪く警察官が見たら必ず職務質問をされるような男である。そんな男が怒鳴り散らすのだから並の人間であれば反論することすら出来ない恐怖感を与えるのは想像に難くはない。

加賀「いいえ、違うわ。皆、疲労困憊なのよ。潜水艦の子たちはヘトヘトになっても休まず資源を集めさせられ、そのくせ貯めた資源をケチって艦娘にはボロボロになるまでロクに補給もさせない。練度は上がるかもしれないけれど艦隊として連携が取れるような精神状態ではないのよ。」

提督「黙れ!加賀、俺に反抗するのなら瑞鶴に吹雪の後を追わせてもいいんだぞ?もちろんもっと遠い海域にな
。」

加賀「あなたって人は…!」

提督「分かったら出撃して大物でも倒してくるんだな。私は本土に用事がある。」


そんな提督にも果敢に抗議していた加賀であるが可愛い後輩を盾にされたら強くは出られない。
また横暴に屈するしかないのかと思われた瞬間

コンコン

提督室のドアをノックする音と共に艦隊の事務を取り仕切る大淀が入室してきた。

大淀「提督、お話の途中申し訳ありませんがお客様がお見えになっています。」

提督「客?知らんな。大体ノックをしたら返事があるまで待つのが上官への礼儀だろう!」

大淀「あなたを上官だと思ってる艦娘なんてここにはいませんよ。」ボソッ

提督「なんだ?なにか言ったか?」

大淀「いえ、なにも。しかし、そのお客様の用事というのがですn」

アナキン「お嬢さん、こちらが提督さんかな?」

提督「何だ貴様は?日本人ですらないな。小汚い外人が何用だ!」

先程の神通や加賀とのやり取りで気が立っているのかアナキンに対しても非常に横柄な態度を取っている。アナキンの服装がおよそ身分が高くは見えないジェダイの格好であることもその一因ではあるだろう。

アナキン「いや、失礼。私は落し物を貴官に返そうと思いましてな。」

そう言うとドアの後ろから吹雪が姿を現した。


吹雪の姿を見た途端、提督はますます顔を険しくして吹雪に詰め寄った。
その陰で神通と加賀は安堵の表情で目配せを交わしている。

提督「貴様、おめおめと生きて戻ってきたのか。生き恥を晒したからには大物の首でも持ってきたのだろうな?」

吹雪「ひうっ…」ビクッ

吹雪はそんな提督に対しなにもいえなくなってしまう。それを見たアナキンが笑顔で仲裁に入る。

アナキン「まあまあ、いいじゃないですか…ね?それにしても随分この子達に酷いことを言っていましたが、いつもこのようなことを?」

提督「ああ、まぁいいか…そうだ。こいつらのような化け物は追い込んで追い込んで敵を倒したら使い潰せばいいと常々思ってるんでな。」

アナキンが手をかざしながら提督に話しかけるとそれまでの態度が嘘のように素直に話を始めてしまった。

神通「なっ…」

加賀「えっ…」

先程まで口論していただけに2人はこの豹変に驚きが隠せないようだ。


アナキン「他にもなにか色々としてしいるのではないですかな?話せばすっきりするかもしれませんよ?」

提督「ああ、そうだな。すっきりするだろう。実は貯めた資源は本土の高官に横流ししていてな。その繋がりを使って私は大本営に戻る算段をつけているのだ。他にも近くの島で芥子の栽培を密かにしていてな。いい金になるんだ。」

アナキン「それは重大な秘密ですな…どうです?そんな秘密を1人で抱えているのは苦しいでしょう。私と共にその本土でぶちまけてみるというのは。」

提督「ん?ああ、そうだな。秘密というのは時折ぶちまけてみたくなるものだ。」

アナキン「では、私と共に行くとしましょう。」

提督「よし、大淀、船の用意をしろ。」

大淀「え?あ、はい。かしこまりました。」

謎の外国人が現れてから、ものの数分で提督が自らの秘密の犯罪を本土に自白にしに向かう事態になった。それ対してあまりに驚いていたためその場の誰もがポカンと口を開けたまましばらく呆然としていた。

それはアナキンが提督と共に部屋を出ていく間際まで続いた。

吹雪「あの…アナキンさん?」

アナキン「そう遠くないうちに戻れると思う。戻ってきたら一緒に頑張ろう。」

神通「あの…」

加賀「あなたは…」

アナキン「君たちは古株のようだ。提督不在の間、ここの管理をしていてくれないかな?」

神通・加賀「わ、分かりました。」


そうしてアナキンは提督と共に本土に向かっていった。


今日はこんな感じです。

では孤独のグルメを見てくるので失礼します~


~2週間後~

吹雪「アナキンさんどうなったかな…?」

時雨「吹雪、あの日からずっとそればっかりだね…」

吹雪「だってだって…司令官と一緒に行ったっきり何も音沙汰が無いんだよ?心配だよ…」

伊58「でも、その人のおかげでゴーヤ達は休養が取れてるからすっごくすっごく感謝してるでち!」

呂500「私、その人が提督だったらいいなーって!思いますって!」

加古「Zzz…」スヤァ

五十鈴「なんでこの流れで寝てるのかしら…」

アナキンが鎮守府の提督と共にいなくなった後、艦娘達は休養を取り、それまでの激務で崩した体調を整えたり艦隊の連携を訓練する等して過ごしていたが依然として提督ともアナキンとも音信不通の状態が続いていた。


悪魔のような提督がいなくなったのはいいものの、これから先どうなるのかという不安を誰もが漠然と抱えるようになっていたその時である。

バタン

青葉「青葉聞いちゃいまs」

卯月「本土からの連絡船がここに接近してきてるみたいだぴょん!」

青葉「うう…青葉の特ダネがぁ…」

扉を開けて部屋に入ってきた2人はそれだけ告げるとまた別の場所に走っていった。

時雨「聞いた?」

五十鈴「ええ、聞いてたわよ?おそらく空母組の出してる定期偵察で見つけたのね。一人は聞いてないみたいだけど。」

伊58「ゴーヤ達のお休みもおわっちゃうのかな…」

吹雪「と、とにかく船着場に行ってみようよ!」

吹雪の声を合図に艦娘達は船着場に向かって走り出した。

加古「Zzz…」

一人を除いて、ではあるが。


しばらく後、船着場には多くの艦娘達が集まっていた。
先日の事件の大まかな流れは神通や加賀が皆に説明したので新しい提督が来ると期待している者、どうせあの悪魔が帰ってくると諦めている者、そんなことより連絡船で積まれている本土の食料品を楽しみにしている者と様々ではあったが、皆情報を得たいという思いだけは共通していた。

そうこうしている内に連絡船が到着し、まず伝達役の下士官が下船してきた。

下士官「秘書艦加賀!」

加賀「はっ!」ビシッ

下士官「伝達である。本日付で現提督は解任され、新しい提督が着任される。」

摩耶「やったz…うっ」

下士官は声を上げた艦娘をジロリと睨みながら続ける。

下士官「なお、新任の提督は特例で外国人となる。艦娘一同、その点留意し円滑な艦隊運営が行われるよう各自努力されたし。以上!」

加賀「はっ!」ビシッ

艦娘「はっ!」ビシッ

この場の艦娘全員が敬礼をする。
それを見た下士官が再び声を上げた。

下士官「新任提督、アナキン・スカイウォーカー中佐である。一同、敬礼!」

既に敬礼している艦娘の他に船に乗っていた軍人も一斉に降り口に向かって敬礼をした。そして…

アナキン「やぁ、私が新任のアナキン中佐だ。皆、よろしく頼むよ?」

艦娘一同(ええええええええ!?)

船から笑顔で現れたアナキンに対して艦娘達は驚きを隠せなかった。提督と連れ立って本土に向かっていった謎の男が何故か提督として派遣されてきたのだ。当然といえば当然であろう。

しかしその中で一人だけ走り出し、アナキンに抱きついた艦娘がいた。


吹雪「アナキンさん!」

下士官「こら、貴様!提督に対し無礼だろうが!」

アナキン「まぁまぁ…いいじゃないですか、ね?」

下士官「は、はっ!」

下士官を宥めたアナキンは吹雪に向かって口を開いた。

アナキン「ほら、どうだい。すぐに戻ってくるって言ったろう?」

吹雪「心配してたんですよ?命の恩人になにかあったらどうしようって…」ウルウル

アナキン「それはすまなかったな…だが私が来たからにはもう君は落ちこぼれじゃない。駆逐艦吹雪!」

吹雪「は、はい!」

吹雪はアナキンの声に思わず直立不動になった。

アナキン「わたしが君を育ててみせよう。目指すはスターデストロイヤーだ!」

吹雪「はい!」ビシッ

吹雪(ところでスターデストロイヤーってなんだろう…?)

こうしてアナキンはフォースのマインドコントロールを巧みに使い、提督として再び戻ってきたのである。


ちなみにスターデストロイヤーは駆逐艦という意味ではなく本当に星だって破壊できるくらいの力があるぞということでスターデストロイヤーと言う名前になってるそうですね。

実際はデススターのアレじゃないと星は破壊できないとは思いますが

では失礼します~


~少し後提督室~

アナキン「やれやれやっと少し落ち着けるかな?」

ガチャ

手続きや設備の確認を終え、アナキンが一息ついた時に2人の艦娘が部屋に入ってきた。

加賀「あの…提督。」

アナキン「なんだい?」

神通「少し伺いたいことが…」

アナキン「私が提督になれた理由…かな?」

加賀「察しが良くて助かります。さすがにアレとは違うようね。」

アナキン「ではどこから話そうか…私があの提督をフォースのマインドコントロールで操ったところからだね。」

加賀「マインドコントロール?」

アナキン「そうだ。意志の弱い者、心が乱れている者を多少なりと『正直に』したりできる。」

神通「それは…」

神通は何とも言えない表情になる。その表情からはいざとなれば自分たちにもそれを使うのではないかという懸念が見て取れた。

アナキン「安心したまえ。君たちには使わないし、おそらく使えない。これは人間にしか効かないんだ。」

アナキン普通に日本語喋ってるんだな・・・


加賀「ではそれで大本営の人間たちを操って…」

神通「ですが、海軍のトップたちがそうそう心の弱い人間ばかりとは…」

アナキン「その通りだった。あの提督を自白させたんだが、そのことで海軍の上層部と会えることになったんだ。」

アナキンはそこから少し苦笑いを浮かべる。

~回想~

元帥「おまはんがアレの不正を暴いて連行したっちゅう外人さんかい?」

アナキン「ええ、そうです。」

大将A「芋づる式で結構な膿が出ましたからな。彼に何か恩賞を与えるべきじゃなかとですかな?」

大将B「」ガツガツガツ

アナキン(この人はなんでステーキを食べているんだ…?)

元帥「じゃっどん、恩賞っちゅうんは何ば良かろうかのう?」

アナキン「では私をあの鎮守府の提督にしていただけませんかな?」

アナキンは手をかざしながら提案をした…のだが

元帥「いやいや、そう簡単にコロッと決められる訳なかが。」

大将C「けんど、金や物を求めんっちゅーのも変わっとりますな。」

アナキン「いや、その…」


元帥「おまはん、さっきから話すときにやけに手を動かしちゅーが、なんかあるとですかな?」

アナキン(うっ、鋭い…それにマインドコントロールが全く効かない…さすがに軍のトップ層といったところか。)

アナキンは高いレベルのフォースの使い手であり相当強靭な精神を持っていなければ少しくらい意志を操ることが可能であるはずなのに通じない。

アナキン(これは普通に交渉しないといけないようだ…)

アナキンがそう考えていた時に突然ステーキを食べていた大将が口を開いた。

大将B「いいじゃねぇか。膿出してくれただけでもありがてぇのに更に前線で戦おうってんだからよ。」

元帥「多聞、おまはんまた適当な…」

大将B「東郷さん、見たところこの男結構な武道の使い手ですし、ワシはやれると思っとります。」

大将C「まぁ、多聞さんがそういうならいいんじゃなかろうかね?昔から人を見る目はあったし。」

アナキン「是非にでも。あそこには前任者によって心の傷を負った子がいるんです。私はその子を育ててあげたいんです。」

中将A「では、期間を定めて成果をみて…ということでどうですかな?駄目なら変えればいいのです。変えればまた選べるのですから。」

元帥「うーん。じゃ、異例中の異例だがやってみるっちゅーことで。深海棲艦と戦うのに日本人だけでどうこう言うとる場合でもないっちゅーんは前から思っとりましたしな。」


~回想終わり~

アナキン「というわけで話がついたんだよ。」

その話を聞いて2人も苦笑いを浮かべた。

神通「なんというか…」

加賀「ラッキーでしたね。」

アナキン「だが、吹雪のために戻ってきたいと思っていたのは本当だ。これがフォースの導きというやつなのかもしれないな。」

加賀・神通「アハハ…」

かくして幸運に恵まれたアナキンの提督としての生活が始まる。


>>50
映画のスターウォーズだって英語で喋ってるでしょう?金曜ロードショーでやると彼らは日本語だって喋れちゃう。遙か昔、遠い銀河系の彼方の人は語学力がとてつもなく高いのだと思いますよ!

今日はこんな感じです。では失礼します~


鎮守府の仕事でアナキンが最初に始めたのは艦隊行動の徹底である。
個々の練度こそ度重なる出撃で高かったものの、提督はろくに支持を出さず、倒せとしか命令されなかったせいか艦隊行動となると艦娘たちはうまく陣形を組めずにいた。

そのため連日、港で陣形を組んでの突撃訓練が行われていた。

アナキン「単縦陣は確かに一列で並ぶってことだが間隔がバラバラだ。それでは他の陣形に変わることもできないぞ!島風!」

島風「おぅ!?」

アナキン「君は速い。とても速いが一人だけ飛び出したら戦艦や重巡の集中砲火を受ける…するとどうなる?」

島風「た、大破します…」

アナキン「そうだ。混戦になれば速さを活かして撹乱するのは有効だが、接敵するまでにバラバラになってしまうと旗艦も指示が出しづらくなる。さらに対空攻撃もまとまらなければ効果が薄くなる。だから最初は少し我慢して他の子に合わせてあげるんだ。いいね?」ナデナデ

島風「は、はい!」テレテレ

アナキン(こんな服装なのに頭を撫でられると照れるなんて変わった子だなぁ…もっと擦れてるかと思っていたが…)

このように理論的で穏やかな指導姿勢はここの艦娘にとっては非常に新鮮で心地良いものであった。


穏やかな提督に変わったためか艦娘たちは提督のために頑張ろうという気持ちが強くなり艦隊行動の練度も着実に上がっていた。

しかし、緩めるとどうしても調子に乗ってしまうお調子者も現れるのが世の常である。

隼鷹「ヒック、うぃ~…よーし!艦載機発艦!」

アナキン「隼鷹…酒を飲んできたな?」

隼鷹「いや~ほんのちょっとだって!大丈夫だよ!」

アナキン「いや…今、発艦が遅れていたんだが…」

飛鷹「ちょっと、提督に謝りなさい!」

隼鷹「悪かったって!次から気をつけるからさ!ね?」

姉に脇を突付かれアナキンの前で手を合わせる隼鷹であるがどうも反省しているようには見えない。

黒アナキン「隼鷹、君にはお仕置きが必要なようだ。」

隼鷹「え?う、うわぁ~!?」

悪い顔になったアナキンは隼鷹をフォースグリップで持ち上げるとグルグル回転させはじめた。

黒アナキン「フォースのダークサイドの恐ろしさを知るのだ」コーホー

隼鷹「わー!スカートめくれる!?悪かったよー!もう訓練前に飲んだりしないから許してー!」

響「ハラショー」

このようにお調子者にはしっかり罰を与える厳しくも優しい新しい提督は艦娘たちの人気と信頼を得ていた。


こうして艦隊の練度を上げる傍ら、度々工廠に足を向けるのもアナキンの重要な仕事となっていた。

アナキン「妖精さん!」

妖精さんたち「ハーイ!」

アナキンの声に反応して工廠のいたる所からワラワラと妖精さんたちが顔を出した。

アナキン「この前の話なんだけど艦娘の艤装の原理を使えば…」

妖精さんたち「ウンウン」

アナキン「……………と思うんだけどどうだろうか?」

妖精さんたち「ウーンデキルカモ-?」

明石「提督、また妖精さんたちと技術交流ですか?」

アナキン「お、明石か。そうなんだ私がいた銀河系の技術の知識と妖精さんの知識を合わせて色々作れないか相談中でね。」

明石「まとまりそうなら私にも相談してくださいね~張り切って作っちゃいますから!」

アナキンが宇宙人であることは着任後最初のミーティングで伝えてあり、吹雪からも説明があったため今では大っぴらになっている。
但し外部の人間にはもちろん秘密ではあるが。

アナキン(うまくいけば私も海で戦えそうだ。そうすれば…)

アナキンが最初にこの世界に来た時に言葉を交わした深海棲艦の存在。それがこの世界に調和をもたらす鍵になる。アナキンはそう考え、そのために自らも海で自在に動ける手段を開発中なのである。


少しだけですが今日はこんなところです。
それではおやすみなさ~い!


ただ言葉を交わしたということはあの場にいた吹雪にしか伝えていない。

軍の記録には言語を使う深海棲艦も確認されているとあったが、それは姫級と呼ばれる人型で強力な個体のみであり、アナキンが出会ったイ級のような弱小個体が喋る、または思念で交流するといった記載は一切無いためである。

古株の鳳翔にそれとなく訊いたところ、艦娘も深海棲艦と意思疎通が取れたことはないということだった。

アナキン(つまり私だけが出来たということか…これが何を意味するのか…)

アナキンが工廠で物思いに耽っていると

???「司令官時間です!今日もよろしくお願いします!」

突然背後から元気よく声をかけられたアナキンはやれやれと思いながら振り返る。

吹雪「」フンスッ

気合い十分の吹雪が特訓のために阿武隈と一緒にアナキンを迎えに来たのである。


他の艦娘と違い、個の練度そのものが足りていない吹雪は艦隊行動訓練とは別にアナキンから動きの基礎やメンタルトレーニングを、そして阿武隈からそれらを基にした砲撃や雷撃のトレーニングをしてもらっているのだ。

アナキン「また重心が高くなっているぞ!高速で安定して動くためには重心を低くとってブレずに曲がれるようにするんだ!」

吹雪「は、はい!」

阿武隈「はい、そこで砲撃!」

吹雪「えいっ!」

ドンッ!

高速で海上を移動しながら目標に主砲を命中させる訓練なのだが命中率は芳しくない。

アナキン(これは…時間がかかるな)

阿武隈「も~!私の言ったことまた忘れてるよ!砲撃の時は砲を腕と身体で固定する感じで、頭は極力動かさないって言ったじゃない!」

吹雪「す、すみません…」

阿武隈「あう~、やっぱり私じゃダメなの?指導力不足なのかも…?」ショボーン

吹雪「ご、ごめんなさ~い!」

2人の熱心な指導にも関わらず吹雪は前途多難状態だった。


ただ不器用な吹雪でも1つだけ習得した技があった。

阿武隈「いくよー!それっ!」

シュー!シュー!シュー!シュー!

阿武隈が打ち出した4本の魚雷が吹雪へ向かって速度を上げる。もうすぐ命中かと思われたその時

吹雪「んんっ、やあっ!」グググッ

ピョン

そう、魚雷を飛び越して回避するという離れ技である。

本来海上では踏ん張りが効かずジャンプは出来ないのだがアナキンが妖精さんに浮かんでいる原理を尋ね、それをアナキンが考察した結果、つま先から踵に体重を一気に移し推力を爆発させることで擬似的にジャンプが可能となる…はずなのだが…

阿武隈「吹雪ちゃんなんで出来るのー?すっごい難しいのに…」

吹雪「なんででしょう…?」

鎮守府の誰もが出来ないこの技術を吹雪だけは習得出来たのだ。


アナキンはこの奇妙な状態の理由を考えた結果このような結論に達した。

吹雪が落ちこぼれだからである。

アナキン(海上に出た艦娘というものはとにかく安定した重心を取ろうとする。おそらくこれは船だった頃の本能で転覆を防ぐためにバランスを崩さないということが心に刻まれているからだろう…)

吹雪「司令官、どうですか?これだけは得意なんですよ!」キラキラ

アナキン(私で提唱したあの避け方は足の重心を前後に激しく振り切って行うものだ。つまり、普通の艦娘にはあれは船の本能のブレーキがかかり出来ないのかもしれない…)

阿武隈「あの~?ていとく~?」

アナキン(だからこそ不器用な吹雪はバランスを崩すことに慣れているためにあれが出来るんだろう…そう考えると…)

吹雪「司令官…?」

アナキン「凄いぞ吹雪、将来は大物になるかもしれないな!」ナデナデ

吹雪「えへへ…吹雪、頑張ります!」テレテレ

響「ハラショー」

アナキン(これからは不器用な娘が艦娘の戦闘を変えるかもしれないな…)

吹雪の頭を撫でながらそんなことを考えるアナキンだった。

阿武隈(響ちゃん!?一体どこから!?)


そんなことをやっていると飛龍が走りながらこちらにやって来る。

飛龍「提督ー!」

アナキン「どうしたー?」

ある程度の距離まで近づくとこちらに手招きしながら呼びかけてくる。

飛龍「変な深海棲艦が鎮守府の近くにきてるんだよー!ちょっと来てー!」

アナキン(変な…?まさか…)

アナキンはすぐに飛龍のところまで駆け出した。


いよいよイベントですね~はたして攻略できるかどうか…

ではこの辺で失礼します~


申し訳ない

連休中は秋イベやバトルフロントに部屋の大掃除等で忙しく書けませんので悪しからず~


イベント終わりましたのでまた明日から書きはじめます~

このスレを見てる人はバトルフロントもやってたりするのでしょうか…?


アナキン「おかしな深海棲艦っていうのはどういうことなんだ?」

飛龍「それが…攻撃してくるわけでもなく今までに見たことがない姿で…」

とにかく提督に見てほしいということでアナキンは飛龍にゴムボートを引っ張ってもらい現場に到着した。

アナキン(おそらくこの前のイ級ではないかとおもうんだが…!?)

???「キタカ…」

アナキン「えーと君は…」

???「オマエガ…コナイカラ……キタ!」

アナキン「あの時のイ級…?」

駆逐水鬼「ソウダ」

以前大きな魚のようだった深海棲艦が完全な人型になっていたのだ。


アナキン「手足が生えてるんだが…というか人型になってるし喋れるようになってるし…」

駆逐水鬼「マエニオマエ二…ビリビリサレテカラ……カラダガ…カワッタ」

飛龍(ビリビリ…?)

アナキン(フォースライトニングが成長促進?の役割を果たしたのか?)

アナキン「それは分かった…いや、あまり分かっていないが君は何をしにここへ?」

駆逐水鬼「オシャベリ二キタ」

アナキン・飛龍「え?」

駆逐水鬼「マエニ…ユックリハナス卜…イワレタンダ」

アナキン(この子…アホの子かもしれない)

アナキンは非常に困惑していた。

酉これで合ってるかな…?

生きてますが最近バトルフロントに夢中になってまして申し訳ないです

後で投下しますね


とりあえず攻撃の意思はなさそうなのでアナキンは駆逐水鬼とお供の駆逐イ休2匹を鎮守府まで連れ帰ることにしたのだが、勿論一悶着起きた。

加賀や大淀などは幾らなんでも認められないと激しく主張し、駆逐艦娘達は怖がって近づくことを拒んでいたのだか…

~数日後~

駆逐水鬼「ねぇねぇ、聞いて聞いて!」

アナキン「ん?なんだい?」

加賀「貴女、提督に対しては敬語でと教えたはずですよ。」

駆逐水鬼「あっ、私ったらまた…ごめんなさい提督…」

吹雪「ふふっ、水鬼ちゃんもそこだけは直らないね~」

片言であった駆逐水鬼の言葉は非常に流暢になっていた。
始めは怖がっていた駆逐艦娘や警戒していた大型艦娘とも自然に言葉を交わすようになっていた。

???「深海棲艦でも駆逐艦というのはいいものだな…」ウットリ

一部の戦艦はこのような事まで言い始める始末である。

そしてさらに大きな変化もあった。そのきっかけは駆逐水鬼を連れ帰った日のこの一言である。

明石「提督の電撃でこの子がこうなったんだとしたら、お供の深海棲艦もビリッといけば進化するかもしれませんよ?」

アナキン「いや、ジェダイは無抵抗の者を痛ぶることを禁止されているわけで…」

駆逐イ級達(ビリビリ…コワイ?…イタイ?)


アナキン「明石、君には彼ら?いや性別は分からんが、その声が聞こえないのか!?」

明石「聞こえませんよ?」

アナキン「いや、しかし…」

駆逐水鬼「ヤッテクレ…ワタシモアレノアトデ…コウナッタガ…コレハワルクナイ」

アナキン「経験者が言うなら…まぁ…」

明石「決まりですね!」

アナキン(明石はマッドサイエンティストの素養があるな…麻酔なしで私を改造した皇帝並みにマッドかもしれない…)

アナキンはそう思いながら片方のイ級に弱くフォースライトニングを放った。

イ級1「アアアアアア、シビビビビビビ」ヘターン

それほど痛がる素振りもなく、大人しくしている。

アナキン「こんなものだろうか…」

次に取り掛かろうとアナキンが再び力を込めたその時

明石「ハッ!」

明石がいつの間にか取り出していたドライバーの先でアナキンの脇を突付いたのだ。

アナキン「うぉあ!?」

思わぬ刺激に力が入ってしまい強いフォースライトニングがもう片方のイ級に注がれることとなった。

イ級2「アガガガガ、ギャアアアアア!」グッタリ

アナキン「ああっ!?」

駆逐水鬼「イッキュン!?」


アナキン「明石、なんてことを…」

明石「いやー刺激の強さで何か変化があるのかどうか知りたかったのでつい…ごめんなさいね♪」

黒アナキン「ならばお前にもダークサイドの力を思い知らせてやろう。」バリバリバリ

明石「アガガガガガガガガガ!?」

この日1番のフォースライトニングを浴びることになったのは明石だったのは言うまでもない。

???「イッチバーン!」

アナキン(誰かの声が聞こえたような…)

駆逐水鬼「カワイソウ…イッキュン…」



そして数日後、違った強さのフォースを受けた2匹は明石の予想通り異なった変化をしていたのだ。

駆逐棲姫「ハルサメ…キョウモガンバロウ。」

春雨「はい♪一緒に遠征ですね!」

村雨「2人とも仲良しさんね~良いことよ!」

弱いフォースを受けたイ級は駆逐棲姫になった。言葉も少しずつ流暢になってきているが、もう少し時間がかかりそうな様子である。


一方強いフォースを受けたイ級は…

防空棲姫「お前も痛くしてやる…」ジトー

明石「あの時は…その…すみませんでした!」ドゲザ

防空棲姫になっていた。また言葉も流暢であり、痛みの原因である明石をことあるごとにジト目で睨むのが日課になりそうだ。


今日はこんな感じです。
近日中にスターウォーズの新作も見に行きたいですね~
では失礼します~


そして進化した駆逐級達からアナキンは様々な深海棲艦の内情を知ることになる。

と言ってもまともに喋ってくれたのは駆逐水鬼とその帽子であって、駆逐棲姫は白露型以外には人見知りであまり喋らず、防空棲姫はアナキンもジト目で睨んでくるので気まずくて話を聞きにくい…という状況であった。

アナキン「つまり、深海棲艦でも生れ方が違うと攻撃性が変わってくると?」

駆逐水鬼「そうなの。前の大戦で沈んだ艦の残骸から生まれたオリジナルの深海棲艦達は比較的穏やかなんです。でも…」

駆逐帽子「酷え沈み方した艦の残骸から生まれた奴っていうのは攻撃性が高くて凶暴らしいんだよ。」

アナキン「ふむ…で、君は…?」

駆逐水鬼「私はオリジナルです。と言っても残骸から生まれたオリジナルも沢山いるわけでそんなに珍しいわけでもないんだけど…のんびりした子が多いわね。人間の鎮守府の近くにフラっとはぐれる子なんかはオリジナルが多いかも?」

アナキン「しかし、そんなに大人しい個体が多いなら何で人間を襲い始めたんだろうか…?」

駆逐帽子「そらぁ凶暴な上位の深海棲艦が他の深海棲艦を統率し始めたからよ。」


アナキン「統率?」

駆逐水鬼「洗脳みたいなものかな?えーと、深海棲艦同士で争って相手を倒すとどんどん強くなっていくんです。艦娘にやられて生き延びた子も強くなりますけど、それで強くなると身体に瘴気を纏い始めるんですよ」

各地で見られている赤や金色のオーラを纏った深海棲艦のことだとアナキンは直感した。

駆逐帽子「そんでもって、相当に強くなった奴の中で突然変異が起きたりするんだよ。おめぇさん達から言わせりゃ姫クラスってヤツよ。」

アナキン「そしてその姫クラスは他の深海棲艦を従えられる…と?」

駆逐帽子「そういうこった。それで深海でのんびり暮らしてた他のオリジナルを支配して人間に戦争を仕掛けたっていうのが大雑把な流れよ。」

帽子は忌々しげにブルァァァと唸り声を上げる。


アナキン「なるほど、深海側はそういう状況なのか…」

駆逐水鬼「ただ、私はこの近くの海域のことしか知らないから他の遠い海も同じかどうかは分からないの。この近くの姫クラスに洗脳されていたから…」

駆逐帽子「そういや、おめぇさんがやったあのビリビリしたやつのおかげで洗脳から解放されたんだ。感謝してるぜ!」

アナキン「そうだ、私のフォースで何故洗脳が解けて君たちが進化したのかはまだ分かっていない。ただ…」

駆逐水鬼「元が穏やかなオリジナルにあれを使えば元に戻るかもしれませんね!」

アナキン「そうだ、それはありがたい話だ。殺し合わずに戦いをやめられるかもしれない…だが、元から凶暴な深海棲艦にあれを使ってしまうとただ進化して余計に厄介になるだけになるだろう…」

駆逐帽子「その見極めってのがイマイチ分かってねぇってことか。」

アナキン「うむ…ところでオリジナルという呼び方があるということは…」

駆逐水鬼「そうなの。問題は自然に生まれたオリジナルよりもコラプトの方なの…」

アナキン「コラプト?」

駆逐帽子「艦娘が沈んで深海棲艦になった連中さ。奴らは人間への恨みが異常に強い場合が多い。オリジナルの強い奴よりも、だ。」

アナキン(ダークサイドに墜ちた私…ダース・ヴェイダーのようなものか。あの時は何もかもが憎かった。身を案じてくれたパドメですら…)


アナキンが物憂げな表情になったのを見て駆逐水鬼が顔を覗き込む。

駆逐水鬼「あの…提督?大丈夫?」

アナキン「大丈夫だ。少し昔を思い出してね…で、そのコラプトというのは他にどんな特徴が?」

駆逐水鬼「えーと、今までの深海棲艦とは違うタイプになったりするの。例えば対空に特化した軽巡や…」

駆逐帽子「瘴気を持たなくても重装甲で高い運動性を持った重巡ってところか。他にも姫クラスになったコラプトはオリジナルの姫と違う姿になるらしい。」

アナキン「最近見られているツ級やネ級と呼ばれる深海棲艦か…つまり艦娘を沈めれば沈めるほど強い深海棲艦が生まれてしまうということか。」

駆逐水鬼「艦娘との戦いで瘴気が消えて艦娘になる深海棲艦もいるみたい。でもそれを繰り返していると…」

アナキン「艦娘と深海棲艦がサイクル状態になっていていつまでも戦いが終わらないということか…」

どうやらただ戦うだけでは戦いを終わらせられない。ここに自分がこの世界に送られた理由に何か解決策があるのでないか?

現状答えの出ない問いに頭を悩ませるアナキンであった。


今日は以上です。帽子の声は穴子さんで脳内再生していただけると幸いです!

では失礼します~


深海棲艦の解説は全部書くのが大変なので「深海棲艦 一覧」とかでググった方が確実だと思いますよ~


だが深海棲艦達との出会いの一歩は悩み事だけをもたらしたわけではなかった。

駆逐帽子「妖精ちゃんよ、そうだ、ここをこうして…」

工廠妖精「コンナカンジ?」

駆逐帽子「そうだ、それで作れるはずだぞ!」

工廠妖精「ナルホドー!!」

トンテンカントンテンカン

駆逐水鬼「ボウちゃん、物知りね~」

駆逐帽子「深海棲艦の技術ってのは基本的には艦娘より上だからな。というか俺の主のくせにものを知らなさすぎだ。」

駆逐水鬼「ごめんなさい…」ショボーン

アナキン(ボウちゃんって呼んでるんだな…というかあの帽子の人格はどこから出てきたんだ…?)

深海棲艦の神秘に驚きつつも、アナキンと1人と1個は工廠にアナキン用の足部艤装の開発のために来ていた。
深海棲艦の技術によって人間が海上に立てる艤装の開発が可能なのではないか?と駆逐帽子が言い出したのだ。


そして…

工廠妖精「デキター!!」

アナキン「おお!ついに…」

工廠妖精2「ホメテホメテ!!」

アナキン「ありがとう、妖精さん達」

そう言いながらアナキンが妖精さん達の頭を撫でるととても良い笑顔を向けてくれた。
これで艦娘達だけを危険に晒さずに済む。
若い頃から超現場主義のアナキンにとってこれまでの期間は司令室でやきもきするだけで非常に不本意な状態だったのを解決してくれたことは何にも勝る吉報であった。


駆逐帽子「おいおい、俺のおかげでもあるんだぜ?」ブルァァ

得意気に鼻を鳴らす帽子の様子を見て駆逐水鬼が頭上の帽子を撫でる。

駆逐水鬼「いい子いい子~」ナデナデ

駆逐帽子「お、おいやめろって。頭撫でられて喜ぶようなタイプじゃないぜ!」

といいつつ結構嬉しそうなのでとても微笑ましい光景である。

アナキン「さて…では、早速試着してみようか?」

駆逐水鬼「いいですね!私も見たいです!」

こうしてアナキン達は試着のために演習場に向かった。


今日は少しだけですみません…またすぐ書きに来ますね~おやすみなさい!


演習場に向かったアナキン達はそこで金剛型姉妹達と出会った。

金剛「テートク!演習見に来たのデース?ワタシの鍛え抜かれた砲撃を見るネー!」

比叡「ヒエー!?き、緊張します…」

榛名「榛名は提督が榛名だけを見てくれれば大丈夫です!」

霧島「榛名、それは色々大丈夫じゃないわよ…というかアナタが大丈夫じゃないわ…」

この4人もアナキンが着任したての頃は前任者の影響で精神的に参って塞ぎ込んでいたが、今では大分元気になってアナキンによく懐いているのだ。

ただ、榛名は前任者との反動で若干おかしなことになっているがそこは霧島が上手く抑えてくれている。

アナキン「いや、今日は私と戦ってもらう。」

金剛「What!?どういうことデース?」

駆逐帽子「おう、ついに提督用の艤装が完成したのよ。」

霧島「ほほう、ついに…完成したのですね!」

比叡「それは司令に見られるより緊張しますね…」

榛名「榛名、提督のハートを撃ち抜きます!」キラキラ

駆逐水鬼「榛名さん、今日も絶好調ですね~」

アナキン「元気なのはいいことさ。ジャージャーみたいなのは困るけどね。」

駆逐水鬼「え?誰です?」

アナキン「いやこっちの話さ…さて…」

艤装を装着したアナキンが海上に経つことができた。
これまでの妖精さんの実験ではそのまま海に落ちていたので大成功といえる。

アナキン「はっ!」

さらにフォースの力を借りての大ジャンプも無事成功した。着水の衝撃も艤装が吸収しているようで地面と変わらない感覚で動けるようだ。


アナキンは内心で感嘆していた。あのふざけたような語り口の駆逐帽子の技術の知識は本物だったのだ。

金剛「すごいデース!海の上でそんなにJump出来るなんて…Amazingネー!」

金剛の声を皮切りに姉妹達は口々に驚嘆の声を漏らしていた。

アナキン「では、私に付き合ってもらおうかな。ルールは…4人は距離をとって私に砲撃して、私はそれに対処しながら4人のところにたどり着いたら成功…でどうかな?」

霧島「司令、いくらなんでも4人の砲撃は躱しきれないのでは?演習用といっても弾に当たれば間違いなく大怪我ですよ?」

榛名「榛名は提督が怪我するのは大丈夫じゃないです…」

アナキン「心配しなくていい。私が本気で動けばなんとかなるはずだ。」

比叡「しかし…」

アナキン「やってみれば分かるさ!さぁ始めよう!」

金剛「分かりまシタ。テートクがそこまで言うなら私達もそれに応えマース!比叡、榛名、霧島、行くヨー!」

こうしてそれぞれが移動を開始し、アナキンと金剛型姉妹の演習が始まった。


駆逐水鬼「それでは始め!」

審判兼何かあった時の補佐役としての駆逐水鬼の声で演習が始まった。

ヴゥゥン

まずはアナキンがライトセーバーを起動する。

それまで艦娘達は吹雪を除いてアナキンがライトセーバーを使うところを見たことがなかったため、金剛達も驚いた様子を見せていたがすぐに砲撃を開始した。

ドォォォオオオォン!

まず金剛の35.6cm砲が火を吹き、提督に向かって正確に砲弾が飛んでいく。自ら鍛え抜かれたと豪語したのは決して過言ではないといえる。

これは初撃で終わった。4姉妹は誰もがそう思っていたが着弾したと思われる瞬間アナキンがライトセーバーを振ると砲弾が消えてしまったのだ。

アナキン(ビームなら跳ね返せるが実弾は蒸発させることしか出来ないのが厄介だな…)

呑気にそんなことを考えながらアナキンは走り出した。

これに慌てたのは金剛達である。まさか避けもせずにこんな方法で対処されるとは思っていなかったのだ。


眠くなってきたので今日はここまでにします。
またすぐ来ますね~おやすみなさ~い!


金剛「What's!?弾が消えマシタ!?」

霧島「お姉様、あの光の剣に当たると弾が高熱で蒸発するようです!」

金剛「原理は分かりマス!しかし撃ち出された砲弾は人が狙って斬れる速度ではないはずデース!」

榛名「お姉様、そんなこと言ってる場合じゃないですよ!提督が物凄い速度でこちらに近づいてきます!」

手から稲妻を出すだけでも人外なのにあのような諸刃の剣になりえる高熱の光剣を振り回し、トビウオの様な速さで近づいてくる人間がいる。

尋常な事態ではなかった。あの動きで接近されあの光剣で身体を斬られれば手足など簡単に飛んでしまうはずである。ある種、姫クラスの深海棲艦より質が悪い。

比叡「気合、入れて、撃ちます!」

ではどう対処するか?という問いに対して比叡は斬れないほど大量に弾を撃てばいいという結論に達した。この比叡の意図を即座に察した他の姉妹も砲撃を開始した。

ドオオオォオォォォン!という爆音が絶え間なく続く。

しかし、当たらない。

アナキン「甘いぞ!」

霧島「なっ!?あの高さまでジャンプ!?」

フォースによる跳躍を混ぜられるせいで砲塔の角度が定められないのだ。


金剛「こうなったら機銃デース!弾幕で対処ネー!」

主砲で止められないなら取り回しが良く掃射できる機銃を使うしかない。戦艦が機銃に頼ることなど深海棲艦との戦いではほとんど無いが、こうなってはなりふり構っていられない。

アナキン「クッ、やるな…!」

金剛「海の上の戦いなら私達の経験が上ネ!」

この臨機応変な対応にアナキンの接近速度が目に見えて落ちる。そしてついに体勢を崩してしまった。

榛名「お姉様、今です!」

金剛「Fire!!」

演習用で炸裂はしないものの、大きな水柱が上がる。確かにアナキンが体勢を崩した場所に着弾したはずだ。



だが、そこにアナキンの姿は無かったのだ。




比叡「なっ、消えた…?」

霧島「そんなバカな!」

機銃の有効射程の距離なので大した距離ではない。まして、水柱で姿が見えなくなった時間すら一瞬なのだ。

それなのに海の上から消えた。

4人が困惑しつつも着弾地点に近づいた
その時

ザバアアァアァン!

背後の海中から突如アナキンが現れ、金剛の首元にライトセーバーが当てられようとする。

アナキン「勝負あっt…おっと…」

それと同時に4姉妹の砲口が正確にアナキンを捉えていた。

金剛「これはどう…デスカ?」

駆逐水鬼「それまで!この勝負引き分けです!」

金剛達の背後の海中まで艤装を一旦停止して自ら泳ぎ、背後から奇襲する。
並みの人間であれば振り返ることすらできずに真っ二つの奇策である。

しかし、そこは艦娘。潜水艦に煮え湯を飲まされた者も数多くいるため常に海中からの攻撃も想定しているのだ。

金剛「クッチーは引き分けって言ってくれてるけど…」

比叡「実際はほぼ我々の負けです…」

アナキン「いや、そんなことは無い。通常の作戦であれば艦隊には対潜装備の充実した艦がいるはずだ。あの奇襲はソナーで見つけられてしまえば使えないさ。」

霧島「しかし…!」


アナキン「まぁ私と同じ戦い方をするような敵など深海棲艦にはいないし、大して気にすることはないよ。機銃での対処や最後の反応など素晴らしい点はいくつもある。」

駆逐帽子「そうだぜお嬢さんたち…そんな動きする奴他にいねーよ!」

榛名「そう言っていただければ榛名は大丈夫です!」

ワハハハハハハ!

こうしてアナキンの初演習は互いに切磋琢磨し、次への大きな成長に繋がる課題を見つけるという大成功に終わった。


自分と同じような戦い方をする者はこの世界にはいない。

この時、アナキンは間違いなくそう思っていた。

しかし、物事はそう単純で思い通りになることはなく、すべてを見通すことも出来ない。最高のジェダイマスターと呼ばれたヨーダであっても、銀河帝国に君臨したシスの暗黒卿ダース・シディアスでもそれは変わらない。

そしてその誰も見通せない事態が沖ノ島海域で起きようとしていた。


???「はぁ…面倒ね…」

艦娘達の艦隊を撃退した深海棲艦がそう呟く。

沖ノ島海域には深海棲艦の戦艦ル級のフラッグシップと呼ばれる強力なボスが君臨している。

提督達が深海棲艦の勢力地に攻め込むためには必ず要衝であるこの沖ノ島近海を通らねばならないのだが、逆から言えば深海棲艦達にとってもそれは同じである。

そのためここは深海棲艦側からも重視されておりどちらから見ても抑えたい海域なのだ。

ル級自身は人間に対する攻撃性を大して持っていないオリジナルだが降りかかる火の粉を払っているうちにいつの間にかフラッグシップになってしまったのだ。

当然、強くなれば人間側からも深部にいる姫級達からも一目置かれるようになり、艦娘達からの攻撃も激しくなる一方で援軍を姫達から送られたりもする。

元々この海域で仲間の深海棲艦とのんびり住んでいたかっただけのル級にとってこの状況は迷惑極まりないのだが、仲間の安全も援軍によって守られているのでそう簡単にここを放棄することもできなくなってしまったのだ。


ル級Flag「いつまでこの板挟みが続くのカ…新天地を探しにでかけた駆逐ちゃん達も戻らなイし……っ!?」

艦娘の撃退を済ませ岩礁で休息していたル級が素早い動きで背後に向かって戦闘態勢を取る。

???「…」

不気味な男だった。筋肉質でありながらしなやかな身体つき。黒いフードを目深に被っているため顔はよく見えないが赤と黒の妙な模様の化粧をしているようだ。

ル級Flag「貴様…人間…ではないナ?」

そして何より不気味なのは深海棲艦や艦娘でもないのに海上に浮いている点だ。

ル級Flag(なんだコイツは…あの足に付いている装置ハ深海棲艦の技術を使っているようだガ…それにしても…)

凄まじい殺気が出ている。以前艦娘のナガトという者と戦った時も殺気と気迫を感じたがそれの比ではない冷たい殺意だ。

???「ジェダイ…殺せ…」

ル級Flag「何?なんだそれハ…っ!」

言い終わらないうちにフードの男が凄まじい速度で海面を蹴り迫ってきた。咄嗟に砲口を男に向け発射を試みる…が

ヴゥゥゥン!

ル級Flag「グッ…ガアアアァァ!?」

変わった音と共に突然赤い刃のようなものが出現し砲を切り落とされた。

痛みで動きの止まったル級に男の手から放たれた激しい稲妻が襲いかかる。

ル級Flag「ギャアァァァアアアアァァ!」

薄れゆく意識の中でル級は自らの仲間と共にのんびり暮らすという願いが完全に打ち砕かれることを予測し絶望した。

???「…」

そして徐々に変質しつつあるル級の身体に目を向けていた男のフードが風で捲くれ上がった。

その顔は紛れもなくあのダース・モールだった。


最初酉つけ忘れてて申し訳ない…
ということでだんだんスターウォーズ要素も混ざっていきます。

冬イベはラスダンで苦しみました…ダイソン憎らしや…
今日はこんなところです~では失礼します~


ちょっと補足しときますね

モールは映画だけ見てる人だとエピソードⅠでオビ=ワンにバッサリやられて死んだはず!って思ってる人が大多数だと思うのですが、その後の外伝やらクローンウォーズだと生き延びててちょこちょこ暗躍してたりします。

モールはオビ=ワンに斬られた後、あの穴から落ちていった先で廃棄物に紛れ込んで廃棄物処理惑星っぽいところに流れ着いたのです。
そこで無くなった下半身の代わりに蜘蛛型の機械みたいなものを上半身に繋いで生きていたものの、オビ=ワンへの憎しみやら下半身が無いやらで精神が壊れて狂人じみていた時期があるのですが、このモールはその壊れた精神がこの世界に来てしまったという設定になっています。

やけにピンポイントな抽出ですがそんな感じです。


~沖ノ島で人知れず事件が起きてから数日後~

鎮守府の演習場では吹雪が躍動していた

吹雪「イヤーッ!」

水飛沫と共にアナキンが提唱した海面ジャンプを使いこなし、仮想敵役の長門の頭上に飛び上がる。

長門「吹雪…ここまでとは…っ!?」

吹雪「イイイィイィヤッ!」

空中で回転していた吹雪が掛け声と同時に長門に魚雷を発射する。
そして三連装酸素魚雷二門、合計6本の魚雷が長門に命中した。

長門「グッ…これは大破判定だろう…なぁ提督?」

演習用であるため爆発はしないが、実戦であれば間違いなく重装甲の長門型といえども大破させられる。
攻撃を受けた長門自身がよく分かっていた。

アナキン「ああ、見事だ吹雪!」

吹雪「えへへ、そんな…恐縮です…」テレテレ

接近するまでに中破させられたとはいえ、以前は落ちこぼれで捨てられかけていた吹雪が長門を演習で大破させられるまでに成長した。これにはアナキンも喜びを隠しきれない。

長門「よくやったぞ、ほーら!」

吹雪をキラキラした目で高い高いしながら長門もニコニコだ。


吹雪「わあぁ!?ちょっと恥ずかしいんですけど!?」

アナキン「長門…」

アナキンが提督になってから、以前はピリピリしていた長門も丸くなり駆逐艦達の面倒をよく見るようになった。
少々構いすぎな面が見られなくもないが。

アナキン「ただ重巡用の主砲で長門が戦っていたことも忘れちゃダメだぞ?慢心は禁物だ。」

吹雪「は、はいっ!吹雪、精進します!」

長門から開放された吹雪は慌てて敬礼するが顔はニヤけている。

長門「よし、今日の訓練はこれまでにしよう。」フフッ

吹雪「はいっ、ありがとうございました!」ビシッ

若人が成長する姿は良いものだと思いながら提督室に戻ろうとしたアナキンの元に大淀が走ってくる。

大淀「提督、緊急事態です!遠征部隊が!」

アナキン「どうした?報告は正確かつ簡潔に、落ち着け大淀。」

大淀「は、はい。すみません、それでですが…遠征部隊が南西海域で深海棲艦から追われていたヲ級を保護したとのことです!」

アナキン「なんだと!?」

艦娘たちに保護されたヲ級。これがアナキン提督初の大規模海戦のきっかけになることはこの時まだ誰も知らなかった。


アナキン「それで状況は?」

司令室に向かいながらアナキンと大淀が言葉を交わす。

大淀「現在、那珂を旗艦とする水雷戦隊がヲ級を曳航しながら敵部隊の追撃を受けているようです。」

アナキン「敵編成は分かっているか?」

大淀「重巡ネ級を擁する高速打撃部隊とのことです。また空母は確認されていないという報告も。」

話をしながら司令室に着いたアナキンは通信機を手に取り那珂と通信を試みる。

アナキン「那珂、聴こえているか?」

那珂「こちら那珂ちゃん!現在電ちゃんと春雨ちゃんがヲ級を曳航していて追撃を受けてます!他のみんなでカバーして追撃部隊には肉薄されてない感じだよ~」

アナキン「追撃部隊による損害は?」

那珂「ヲ級は中破していて艦載機の発艦が出来ない様子!隊のみんなは至近弾こそあるものの被弾無しです!」

アナキン「よし、こちらから援軍を送る。そのまま鎮守府に向かってきてくれ。」

那珂「りょーかい!」


アナキン「よし、では…」

長門「提督!」

援護部隊の人員に招集をかけようとしたアナキンが振り向くと声をかけた長門の後に6人の艦娘が揃っていた。

霧島 利根 筑摩 翔鶴 吹雪 白露 の6人である。

この場合は迅速に援護に向かうためにも高速艦で編成されており、曳航の手助けや強力と噂されているネ級を叩ける火力が全て伴っている部隊が必要である。

そう考えていたアナキンの思考を長門が読んでいたかのような編成であった。

アナキン「やはり優秀だな長門。」

長門「世辞はいい、出撃命令を出してくれ提督!」

アナキン「よし、艦隊出撃!南西諸島連絡海域に向かえ。目的は味方水雷戦隊とヲ級の救援、敵打撃部隊の殲滅だ!」

艦娘達「はっ!」ビシッ

こうして連絡から15分と経たず鎮守府から援護部隊が出撃した。


Cookieの関係でしばらく書き込めませんでしたが直ったようなのでまたチョロチョロ書いていきます。

やはり長門には優秀でいて欲しいですね…


通信を終え、那珂は再び回避運動の指示を出す。

那珂「次は蛇行パターンでいくよー!」

駆逐艦「はい!」

今まで急速方向転換や隊を分けて牽制砲撃をしたりと様々なパターンで敵を肉薄させず、直撃弾を出さずにここまで来た。

那珂 (みんな、もうそろそろ厳しいかな…)

戦闘で激しく動いているとどうしても避けられないものがある。それは疲労である。
追う側は追われる側が疲れるのを待てば良いし、回避運動を行う必要がないため肉体的、心理的優位に立っている。疲労は必然的に追われる側がどうしても早く溜まるのだ。

春雨「ハァハァ…うぅ…」

通常、ある程度退避すれば深海棲艦は追ってこないので曳航を許可したのだが今回はどうも敵も様子が違うようだ。
そもそも、那珂であれ誰であれ深海棲艦同士が戦闘している場面など見たことは無いため、その判断が甘かったといえば反論の余地もないのだが。

那珂(でも、このヲ級ちゃんはどうにも放っておけないし、うちの鎮守府には三人も深海棲艦がいるから連れていけばなにか話が聞けるかもしれない…)


那珂(それにこんなに二人が一生懸命なんだもん…敵に渡すわけにはいかないよね!)

五月雨「那珂さん、敵砲撃の兆しありです!」

那珂「よし………………今!回避運動始め!」

那珂の合図と共に全員が一斉に左に舵を切った時

ドォォォォォォォン!

という轟音が海に響き渡り水柱を多数作った。

那珂「よしっ!次も油断しないで!えいっ!」

那珂が振り返り敵艦隊に向けて砲撃を返す。

ドォォォォォン!

敵艦隊の先頭に着弾し、隊列を乱すことに成功した。

那珂(このペースでいけばなんとk…っ!?)

隊列が乱れたことをきっかけに今まで大きく動かなかったネ級が高速で迫ってきたのだ。

那珂「全艦後方へ雷撃ィィイ!」

そう叫ぶと那珂は同時に自ら後方へ突撃を開始した。


今日はこんな感じです。
イベントでも最初に切り込みさせるのは那珂ちゃんや伊勢型という提督さんは多いはず…


申し訳ないイベントに手間取りまして…
連休中に書けるかと思ったら色々用事も重なって現在攻略中なのでお待ちください


那珂(いった…!)

魚雷はネ級の進路を塞ぐようにきっちりと発射され、那珂はこれは避けられないと勝利を確信した。

だが彼女はその直後に己の判断が甘かったと知ることになる。

ネ級「ッ!」

那珂「飛んだ…!?ガッアッッッ!」

無傷のネ級の砲撃が那珂に命中する。

なんとネ級が魚雷をジャンプで避けたのだ。吹雪がやっていたのは勿論知っていたが、敵までしてくるとは予想もしていなかった。

那珂「ぐっ…」

被弾したため那珂の動きが落ち始めた。

五月雨「那珂ちゃん!」

那珂「来ちゃダメ!行きなさい!」

助けに入ろうとした五月雨を制し、那珂も反撃を開始した。

五月雨「でも!」

那珂「いいから行け!生き残りなさい!」


五月雨「…分かり、ました!」

五月雨が泣きそうな顔で敬礼しヲ級を曳航している2人のところに戻っていく。

そして離れていく味方と対照的に突出したネ級のみならず他の深海棲艦もこちらに迫ってくる。

那珂「…フフッ」

何故か笑いがこみ上げてきた。それは2人の姉を思い出してのことだった。


姉妹が着任した時期はそう差がなかった。
着任当時こそそれぞれの能力差はなかったものの、レベルが上がるにつれ姉達はメキメキと頭角を現した。

水雷戦隊のリーダーで軽巡と駆逐をまとめ上げる立場になった最強の軽巡神通。

夜戦のプロとうたわれ、大物を夜戦に持ち込んで仕留めることにかけては右に出るもののいない川内。

それに比べて自分は大して何かに秀でてはおらず、前任の提督にも随分嫌味を言われたものだ。

だがそんな自分に姉2人はいつもこう言っていた。

神通「那珂ちゃんは潜在的には私達より強いものを持っています。あとはそれを爆発させるきっかけが必要なだけです。」

川内「那珂はさー、絶対私達より強いんだよ。でも私達を見て勝手に引け目を感じてるんだ…那珂は那珂だけの強さがまだ見つかってないだけなんだよねーきっと!」


那珂「2人に言われたことが本当なら、その力を今ここで…出すっきゃない!」

そうつぶやくと那珂は深海棲艦の部隊に突撃を開始した。

那珂の戦闘技術の基本は趣味のアイドル活動で培ったダンスのリズムにある。
リズミカルかつ複雑な動きで砲撃をかわし、同時にテンポよく攻撃をする…これが那珂のスタイルだった。

那珂「えいっ!それっ!」

ドオォオォォォォン!

ボシュシュッ!シューーーーーッ!

駆逐ロ級「ギェェェェェェ!」

駆逐イ級「グゲッ!?」

突撃した勢いから先制の砲雷撃を行い、駆逐2隻を仕留めた。

那珂「ここまでは…くっ!?」

この状態では駆逐を沈めたところで大して戦況は好転しないのだ。

先ほど痛い目に遭ったネ級に加え、最後尾に控えていて目立たなかったリ級のフラッグシップに軽巡のエリートが2隻が控えている。
これらが駆逐を餌にして突撃した那珂を狙って攻撃を集中させる。

那珂「これは…キツいかなッ…!」

絶望的な那珂の一世一代の大勝負の幕が開いた。


なかなか書けずに申し訳ないです。

泥版が当選したのでテンションMAXな状態ですが皆さんどうだったでしょうか?

アイオワや朝潮を育てないといけないのにバケツと資源も貯めないといけない…艦これって楽しいですね!ではまた~

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年06月29日 (水) 22:07:22   ID: Lby_9khK

私も泥版は追加アップデートで当選しました
これからも頑張って書いてください^ ^

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