提督「秋刀魚のお話」プリンツ「もう過ぎてませんか?」 (39)



提督「言うな。分かっていることなんだから」

プリンツ「じゃあ、ハロウィーン!」

提督「それも過ぎてる」

プリンツ「Trick or Danke!」

提督「お礼を言わなきゃ悪戯するぞ?」

プリンツ「違います。セックスしてくれなきゃセックスさせちゃうぞ?です!」

提督「Trick部分の解釈が酷いぞ」

プリンツ「だって、悪戯するなんて意味深じゃないですか。絶対誘ってます!絶対!」

提督「そんな内容な訳ないだろ。はぁ……よく考えたら日本語もおかしいし」

プリンツ「直訳です!意訳すると、レイプしてくれなきゃ逆レしちゃうぞ☆って感じになります!」

提督「いや、意訳しなくていいから」





※キャラ崩壊が著しいです
※下世話な内容があります。この時点で察すると思いますけど


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446488591


ある日のこと




提督「秋刀魚はやっぱ良いものだよなぁ……」

磯風「そうだな。我も腕が鳴る」

提督「……そういえば、大本営が妙なキャンペーンを始めていたな……ビスマルクも欲しがっていたし、秋刀魚を獲ってこようか」

磯風「ふふ……我が右腕もそう囁いている。堕ちた魂“SANNMA”を招集し、我の真の力を開放せよ、と」

提督「なんか今日中二臭くないか?」

磯風「ふん……貴様ら人間に我が真なる姿など見せるに値せん」

提督「…………変な本でも見て影響されたのか?プリン――」

磯風「ぷりん?ああ、甘美なる禁忌の一つか。人間風情がそれに手を出すとは……まさか、貴様もか」

提督「誰だお前」


磯風「我に名を聞くとはな……まあいい。同族ならば問題なかろう」

提督「いや、そういうことじゃなくて――――」

磯風「我はカゲロウスタイル、No.12、風を纏いし堕天使“ISOKAZE”!さあ、貴様の罪を数えろ」

提督「あー、はいはい。磯風ね磯風…………は?」

磯風「ふ…………やはり我が名は罪深い……」

提督「なんでこんなところに居るんだよ?確か、大本営がまだ調整しているとかで一部の鎮守府以外には配備する予定もないんじゃなかったのか?」

磯風「…………」

提督「?」

磯風「ふ……ふふふ……ふははははは!」

提督「いきなりなんだ?笑いだして」

磯風「どうやら、思い違いをしていたようだな。機関も愚かではないか」

提督「機関?なにが言いたいんだ?」

磯風「さらばだ!」ダッ!

提督「おい!窓から出るなら――」



バリーン!!



提督「ああくそっ、やっぱり割られた!窓から飛び降りるなら、せめてちゃんと開けてからにしてくれよ!」


プリンツ「アドミラールさん!凄い音がしたけど誰かレイプしてるんですか!するなら私にしてくださいお願いします!!」ドアバーン!!

提督「なんでこういう時にプリンツが来るんだよ!してないし、するつもり一切無いからな!」

プリンツ「じゃあアドミラールさんは他の娘と蜜月の途中で、私が居ると気付いて窓から逃走を……!」

提督「違うから。さっきのは――」

プリンツ「そういうのは別に良いんですよ!むしろ、やるなら私に見せつけてください!どうせ混ざりますから!最悪混ざれなくて取られてもご褒美ですから!!」

提督「マゾ的にはそれどうなんだ?」

プリンツ「NTRがなんぼのもんじゃいです!寝取られたら寝取り返します!!それに、NTRってちょっとこうh」

提督「誰だよこの変態にNTR教えたバカは!!」

プリンツ「それにですよ!第一所有物が一つ二つ増えたところで大した問題はないじゃないですか!アドミラールさんが浅ましくていやらしい淫乱マゾでどうしようもないこんな私を愛してくれるのは変わらないですし」

提督「君の倫理観にツッコミを入れるべきかその信頼に反応すべきか困るんだけど」

プリンツ「是非私のメス穴に突っ込んでください!!」

提督「はぁ…………その返答が来ると思った……」





ビスマルク「惚気てないでさっさと指示を出すなりしなさい。捕らえるのに0.5秒も遅れたわ」

磯風「ぐ……離せ!俗物が」


プリンツ「どうせビスマルク様が解決してくれると思ってまし痛い痛い!痛いですビスマルク様!ありがとうございます!」

提督「すまない、助かったよ」

ビスマルク「それで、この可愛い侵入者さんはなんでここに来たのかしら?」

提督「それが……」

磯風「我が理念は、有象無象には到底理解できぬことだ」

ビスマルク「…………」

提督「のらりくらりで躱されるんだ。それに」

磯風「禁断の地へと誘われ、この地へ堕ちし者よ。終末へと誘われるぞ?」

提督「なんというか、痛々しい上に何が言いたいのか分からないところが多い」

ビスマルク「なるほどね……」

プリンツ「これが日本の文化、チューニ病!」

磯風「我が理は凡俗なる罪と比較にあたわず。故に汝らは理解に至らぬ」

ビスマルク「ま、それはどうでもいいから。えーと……『汝、我に何を望むか?』とかでいい?」

磯風「!?」

ビスマルク「こんな感じね」

提督「何か分かったのか?」

ビスマルク「そうね……これから分かる、かしら」


磯風「我が言を理解しているだと……(訳:私の言葉の真似をしないでくれ)」

ビスマルク「否。処に汝が理を告げよ(訳:そうでもしないと話をしてくれないでしょう?それで、自己紹介とここに来た理由を話してくれないかしら?)」

磯風「ぐ……我は光纏いしカゲロウ、No.12、風を纏いし聖なる堕天使“ISOKAZE”」

ビスマルク「ISOKAZE……ほう、罪深き名だ(訳:へぇ、磯風って言えば武功艦に挙げられる艦名じゃない。会えて光栄だわ)」

磯風「ふ…………罪深く、呪われし名だ(訳:……そんな大層な者ではないけど)」

ビスマルク「して、何故参った?(訳:……ま、それは置いておくわ。どうして逃げてきたの?)」

磯風「我が魂を奪いし堕ちた魂、“SANNMA”(訳:た、大したことではないが、秋刀魚が欲しかったんだ)」

ビスマルク「ほう……狂気の妃にでもなるか(訳:別に大本営に言えば良いじゃない。馬鹿だと思われるわよ?)」

磯風「その程度で我が魂は穢れぬ(訳:それで済んでたなら私もここまで逃げてなかったな)」

ビスマルク「機関の追跡者も赦すとは思えんな(訳:大本営から逃げ出してまで、ねぇ……あちらさんきっとカンカンよ?)」

磯風「……だって……………………だし……」ボソ

ビスマルク「聞こえてるわよ」

磯風「なっ!?」

ビスマルク「まあ、そういうことなら構わないわ。なんで大本営があなたを止めていたのかは知らないけれど、そのくらいはしてもいいと思うし」

磯風「だが――――」

ビスマルク「大丈夫よ、私が責任持つから」

磯風「……感謝の意を示さん(訳:……ありがとう。ごめんなさい)」


プリンツ「アドミラールさん、あの二人の言っていることが分かります?」

提督「いや、分からないけど、分かりたくないな」

プリンツ「何言っているんでしょうね……もしかして、Gスポットの開発方法を討論していたり……!」

提督「いや、そんなわけないだろ。ビスマルクがそんな話を積極的にしないし、するのは君くらいだ」

プリンツ「でへへぇ……」

提督「褒めてないから」

プリンツ「それにしても、本当にビスマルク様はビスマルクしてないですよね」

提督「それはプリンツがおかしいってずっと言ってるだろ」

プリンツ「だって!ビスマルク姉様ならファーストコンタクトで下手なこと言って、それで怒った相手にきつく当たられて部屋の隅で凹んでいるはずです!」

提督「まあ、今回はよく相手に合わせられるよなぁ、とは思うが」

プリンツ「そんなビスマルク姉様を励まして『な、なによ!』ってきつく言われたい!その後どうにかいつもの感じに戻ったビスマルク姉様がポンコツしているところが見たい!」

提督「おーい、そっちに行くなー」


プリンツ「それに、ビスマルク姉様だったらいくらでもアドミラールさんを渡せるけど、あのビスマルク様には渡したくないですし……!」

提督「おいおい。俺の気持ちを無視して受け渡しを考えるなよ」

プリンツ「あふ……愛を感じます!」

提督「いや、少し肩触っただけだろ」

プリンツ「あ……ギュッてしてくれてたらパンツがぐしょぐしょになったのに……あわよくば、一回イケたかも?」

提督「イカんでいいから。つか、なんでビスマルクは駄目なんだ?」

プリンツ「…………だって、ビスマルク様に取られたら取り返せるとは思えませんから」

提督「プリンツ……」

プリンツ「だから、早くビスマルク姉様こーい!」

提督「君もムスッとした顔をしたりするんだな」

プリンツ「失礼な!私だって喜怒アヘ楽くらいちゃんとあります!」

提督「いやなんで変なのが混じるんだよ!おかしいだろ!」

プリンツ「変なのじゃないです!日本文化、アヘ顔のアヘです!」

提督「哀はどこいったんだよ!」

プリンツ「それあったら無想転生出来るじゃないですか!嫌です!」

提督「喜怒哀楽の哀はそういう意味じゃねぇ!」


ビスマルク「あのね、二人とも。今は磯風が居るのよ?」

磯風「…………」

提督「わ、悪い……」

プリンツ「磯風って磯の香り漂う蒸し暑い日に、男女がセ――」

提督「オイゲン」

プリンツ「はい」

磯風「セクハラか?」

プリンツ「はい!」

提督「オイゲン!」

プリンツ「はいごめんなさい!」

磯風「…………何だこいつ」

ビスマルク「深く考えない方がいいわ。変態なだけだから」

磯風「か、鐘がなる(訳:あ、頭が痛くなるな)」

ビスマルク「目的を果たすまでの辛抱よ。それに、変に関わらなきゃこっちに被害は出ないわ」

磯風(…………いくらこの人が良い人でも、あんな痴女が居る以上、不安でしかないのだが)

磯風(い、いや!こんなことでは礼を失する……他の人はきっと――――)


提督「――ということで、秋刀魚を集めようか」

日向「一ついいか、提督」

提督「なんだ?」

日向「どうして秋刀魚なんだ?」

提督「それは大本営に聞け。後は、ビスマルクと磯風が欲しがったからだ」

日向「君が食べたいからではないのか。意外だな」

瑞鳳「確かに、魚好きだもんね。私の卵をもっと食べてほしいなぁ……」

提督「まあ、俺も食いたいのはあるさ。んで、瑞鳳。空母寮の鶏は確かに瑞鳳が飼っているものだが、その言い方は止めろ」

瑞鳳「…………あっ……変態!提督の変態!」

提督「ハイハイそうだねー」

千歳「提督、今日は沢山お酒を飲んでも良いですよね?」

提督「良い感じに集まればな」

千歳「ふふ、頑張りますね」

葛城「秋刀魚って美味しいの?」

提督「まあ、葛城からすればなんでも美味しいんじゃないかな」

葛城「本当!?よぉし!間宮さんの秋刀魚料理の為に頑張ろう!」

プリンツ「セェックス!」

提督「脈絡ねえな!」

プリンツ「みんなセックス!セックスだ!」

提督「だぁー!艦隊、出撃だ!」





磯風「不安しかない」

ビスマルク「まあ、そう言わないで」



――――北方海域――――



日向「ふふ…………この扶桑から借りてきた瑞雲12型の力を見せてやろう」

提督「仲良いな」

日向「瑞友だからな」

提督「いや、訳分かんねぇよ」

日向「まあ、そうなるな」

提督「ちなみに、許可は貰った?」

日向「大丈夫だ、問題ない。少しばかり反応が薄かったのと、グーグーと変な返答だったのが気になるが……まあ、些細なことだろう」

提督「……後で扶桑に伸されても知らないからな」


葛城「ふんふふーん」


グツグツグツ……


磯風「錬金術か?」

葛城「何が?」

磯風「それ」

葛城「これ?私の食事だけど、何か問題あるの?」

磯風(食えるものが草ぐらいで他は到底食えそうにないものばっかり入ってたんだが……)

葛城「結構美味しいのよね。この雑草どんなものにも合うから最高よ?食べる?」

磯風「……断る」

葛城「皆そう言うのよねー。よし、出来た」ガシッ


ピギー……ボクワルイスライムジャアババババ


葛城「ん?ちょっと味悪いかな……ケチって石多めにしたのが駄目だったのかも?」

磯風(どうしてスライム!?というか石入れてなんでそうなるんだ!?)

磯風「れ、錬金術……」



提督「葛城ー、そろそろ戦闘海域に入るから頼むぞー」

葛城「わかったー」モグモグ

提督「……普通の食事を摂れよ」

葛城「時々食べたくなるのよ。特にこういう時は」

提督「はぁ……仕方ないな」

磯風「いや、止めろよ」


千歳「…………」

提督「おい。そろそろ戦闘海域だぞ」

千歳「…………zzz」

提督「寝てる…………おーい」

千歳「うぅーん……後一万年と二千年……」

提督「五分にしよう、そこは」

千歳「じゃあ、お酒ー」

提督「秋刀魚集めてから」

千歳「えー……」

提督「秋刀魚を肴に一杯いくのもいいんじゃないか?」

千歳「」ガバッ

提督「おっと」

千歳「艦載機の皆さんも行きますよ」

提督「なんてちょろい……」


磯風「止めろ……!」

瑞鳳「止めない……!」

プリンツ「キャットファイトなら混ぜてください!」

磯風「違う!貴様らは地獄の業火に焼かれたいのか!?」

瑞鳳「ちょっと焼き芋作るだけじゃない!そのくらいいいでしょ!」

磯風「漁船でやれるか!」

プリンツ「焼き芋するなら落ち葉が必要じゃない?」

瑞鳳「…………あー!!そうだった!ここじゃあ落ち葉がないから作れないよぉー……」

プリンツ「鎮守府に戻ったら焼き芋作ろー!」

瑞鳳「おー!」

日向「ちなみに、カセットコンロならあるが?」

磯風「それが有るなら――」

瑞鳳「それで焼いてもなぁ……」



磯風「…………は?」


提督「全員準備は良いな?」

「「「はーい」」」

磯風(どうして私はこんな人達が居る所に逃げ込んだんだろう……)

提督「プリンツ、敵はどうしている?」

プリンツ「んー…………さっきと変わらず距離40000辺りで動いてませんね。気づかれている様子もないです。もしかしたら索敵するかもしれませんけど」

磯風「!?」

提督「それじゃ、その前に飛ばし切っておこうか」

プリンツ「どうせなら高高度から爆撃でもしてみたらどうです?」

提督「いや、する意味……まあ、訓練にはなるか。出来るな?葛城に千歳に瑞鳳」

磯風「!!??」

葛城「勿論!全力で行くわ」

千歳「お酒」

瑞鳳「飲みゅ?」

千歳「私は飲みたい」

提督「終わってからにしてくれ……」

日向「私も瑞雲を持っているのだが」

提督「そういうな。出番はある」

日向「……ああ、つまりはアレを使っていいのか」

提督「そういうことだ」


空母ヲ級は周辺の安全確保の為に偵察機を出そうとしていた

艦娘の艤装に当たる頭部から艦載機が飛び出す

本来ならば、艦娘を感知してから出し、応戦するのが深海棲艦達にとって普通のことだった

しかし、彼女らは違った!

菱餅というよく分からないものを拾ったことにより起きた、虐殺とも言える経験から事前に周辺を把握するのが基本となっているのだ!

特に、魚群がこの辺りに集中しているこんな時期はあの時の思い出が何故か蘇り、北方海域の深海棲艦達はいつもより殺気立っていた!


flagヲ級:よし……菱餅の二の舞にはならないわよ


息巻くヲ級。やはり、菱餅の悪夢は相当なようだ


flagヲ級:見つけた!全員!戦闘準備!


喝を入れ、艦隊を鼓舞しようとヲ級は後ろを振り返る

そこには、いつものメンバーが――吹き飛んだ


flagヲ級:は?


少なくとも、今見つけた艦娘達が何かした様子は見られなかった

ヲ級は気付かなかったのだ

高高度からの爆撃という可能性を

勿論彼女は優秀な部類だ

だが、いくら経験を積んでいてもイベント組には遠く及ばない


そもそも、艦娘と深海棲艦の戦いでは高高度での爆撃など行っていなかった

まず、どちらも当たりようがなかったから

次に、高高度からの爆撃には異常なほど神経を使うから

妖精の補助があっても、その艦載機を保つのは艦娘だ

艦娘の力の及ぶ範囲から抜けてしまえば、その機体は玩具と変わりない

そして、それは深海棲艦も同じことだ

最後に、もし直撃コースだとしても、直撃までに力を行使した者が死ねば爆弾は良く出来た模型となるから

こうなると、艦娘や深海棲艦なら少し痛い程度にしかならない

それならまだ急降下爆撃なり、艦攻による雷撃をした方がはるかにマシだった


flagヲ級:ッ!


一瞬遅れて全艦載機を発艦しようとする

が、行動するのが遅かった


flagヲ級:アバー!


顔面に何かが迫った瞬間に爆発

ヲ級は頭部艤装、顔面にもろに受けてしまい、発艦どころではなくなってしまった


日向「そら、出血大サービスでもう一つあげよう。特別な瑞雲だぞ」


いつの間にかにヲ級へ接近していた日向が瑞雲を投げつける

その瑞雲はヲ級へまっすぐ進み、ぶつかったところで


flagヲ級:サヨナラ!


派手に爆発し、ヲ級の止めを刺した


磯風(さらっと言っていたが……本当なのか?)

瑞鳳「よーし、これであがり!」

千歳「お酒ぇ……」

葛城「二番目!」

プリンツ「アドミラールさんの番ですよ」

提督「そっちはババだろう……おし、三番目だ」

プリンツ「やたっ!これで罰ゲームに近づける!!」

提督「いや、趣旨が違うだろそれは」

千歳「私のお酒タイムは渡しませんよ」

提督「別に飲むことは禁止してないだろ。千歳の場合は過剰だから止めているんだ」

千歳「うう……これで提督が上がっていなければ……」

提督「罰ゲームを提案したのはそっちじゃないか」

千歳「そうですけど……」

提督「まあ、あがればいいんだ。頑張れ」

千歳「うー……」

プリンツ「これで二枚。さあ、どっちを取りますか!」

千歳「確かこちらがババでしたね。では……」

プリンツ「あらら、ジョーカー持ってかれちゃいましたか」

千歳「」

提督「そのままにさせるわけないだろうに。さあ、混ぜてくれ。このままだとゲームにならない」



瑞鳳「千歳ー、頑張ってー」

葛城「負けたら何させちゃおうかなー」

千歳「んー……」

提督「まだか?」

千歳「黙っててください……よぉし」

プリンツ「じゃあ、こっちの――」

千歳「…………」

プリンツ「あの、千歳さん。引けないから力緩めてくれませんか?」

千歳「…………」ニコッ

プリンツ「カードが歪んじゃってますよ?物に当たるくらいなら是非とも私の胸に当たって下さい!」

提督「どれどれ……千歳、罰ゲームだ」

千歳「せぇい!」

プリンツ「投げちゃダメです!カードは大切に、私はぞんざいに、ですよ!」

瑞鳳「ドンマイ」

葛城「あははは……」



磯風(………………いや、無いな。というか、秋刀魚のことを忘れてないか?この人達)


――――鎮守府――――



磯風「――ということだ」

プリンツ「ですです!」

ビスマルク「はぁ……流石に、真面目に悩んでいる相手に不誠実な態度は良くないと思うわ。それが提督であるなら尚更」

提督「はい…………すみません」

ビスマルク「それで、どのくらい獲ってきたの?」

磯風「何?」

提督「あー……鎮守府に居る奴らには行き渡る程度には。流通させるのはきつい」

ビスマルク「最低限ね。まあ、この程度じゃキャンペーンで得られる褒賞もなさそうだし、もう少し頑張ってみましょうか」
 
磯風「い、いつの間に……」

提督「そりゃ、日向に任せて俺達がババ抜きして遊んでいる間としか」

磯風「言霊を用いよ!(訳:なら言ってくれ!)」

ビスマルク「まあまあ。なんにせよ、これで磯風も目的が果たせそうね。良かったじゃない」

磯風「…………そうだな」

書き溜め終了のお知らせ
感覚早く取り戻さないとなぁ……

さて、寝るとしますか


提督「なあ、磯風の目的って何なんだ?」

ビスマルク「そうね……内緒」

提督「そう言うと思ったよ。でも、間宮のところに行ったということは……秋刀魚を食べたかったとか、もしくは作るところを見に行ったとかかな?」

ビスマルク「ノーコメントで」

提督「はいは――――」


グルグルグルグルドッカーン!!


提督「なんだ!?」

ビスマルク「爆発ね。恐らく間宮で起こったものよ」

提督「今の爆発音おかしくなかった!?」

ビスマルク「嬉しくなったり楽しくなったりしそうな爆発音よね。それより早く行きましょう」

提督「その発想にどうやって行きつくんだ……」


――――間宮――――



ビスマルク「また葛城辺りがやらかしたの?」ガラッ

提督「どうした!?何があった?」ガラッ

磯風「…………けほっ、けほっ」

プリンツ「いたた……」

間宮「」

提督「プリンツ!大丈夫か!?」

プリンツ「あー大丈夫です。ちょっと爆発の中心部に飛び込んだだけですから。むしろもっと刺激が欲しかったです」

提督「…………中心部に突っ込むのはちょっとの出来事じゃないからな、全く……」


ビスマルク「他に誰も居ないの?ちょっとお話ししないといけないのよ」

磯風「……いや。居たのは三人だけだ」

ビスマルク「葛城とかは居なかったの?」

磯風「ああ」

ビスマルク「…………どうして爆発が起きたのか分かる?」

磯風「…………普通に料理していたんだ……そうしたら――――」


葛城『じゃあ、私は自分の部屋に戻ってるから、出来たら呼んでね』

間宮『はーい』

磯風『むー…………』

間宮『そうそう。そうやって――――』

磯風『こ、こうか?』

プリンツ『初心な反応しますねー』

間宮『初めてにしては上手ですね』

磯風『ほ、本当か!?』

間宮『本当ですよ。この鎮守府に居る艦娘は包丁を持たせると大体怪我(中破)してますから、その人達に比べたらずっとマシです』

磯風『そ、そうか……あまり嬉しくない気もするが…………』

磯風『でも……ふ、ふふ…………料理……出来てる。出来ているぞ』

プリンツ『もしかして、料理するために逃げてきたんですか?』

磯風『……悪いか?』

プリンツ『いえいえ。それよりも、もっとドスの効いた声でお願いします!』

磯風『えぇ……』


間宮『磯風ちゃん、そろそろひっくり返してみてください』

磯風『ああ、分かった』

プリンツ『!?』


間宮に言われるがまま、磯風が魚をひっくり返そうとした瞬間だった

プリンツが右手で磯風の菜箸を奪い取り、左手で磯風を突き飛ばしたのだ

その反応速度に全く追いつけなかった磯風は何が何だか分からなかった

それでも、咄嗟に受け身を取り、そこでプリンツに文句を言おうと顔を上げると嫌でもそれが目に入った

何故か光が秋刀魚の身から溢れだしていたのだ。しかも、今にも破裂しかねない程秋刀魚が膨れていた

磯風はその光景を見て本能的に目を瞑り、耳を手で塞いだところで――――

秋刀魚が爆発した


ビスマルク「…………」

磯風「信じられないかもしれないが、本当の出来事だ」

ビスマルク「別に嘘だとは思ってないわ。ただ、その秋刀魚が普通だったのか気になっただけ」

プリンツ「一応普通の秋刀魚でしたよ?」

ビスマルク「なら、『磯風』自体が料理が壊滅的に下手だっただけじゃない?」

磯風「…………」

ビスマルク「貴方だけのことを指して言っている訳じゃないわ。『陽炎型12番艦磯風』という存在は共通して料理が下手なのかもしれないって言いたいの」

磯風「……だからか」

提督「何が?」

磯風「私が厨房に立とうとすると何故か皆、私が料理しないように誘導してきたんだ。あの時は意味が分からなかったが……爆発するような物を作り上げてしまうのなら納得だ」

提督「爆発自体は結構慣れてるんだよな……」

ビスマルク「それで、貴方はどうするの?」

磯風「…………料理、したいがこんな風に爆発するんじゃ、諦めるしかないだろう。迷惑だろうし……」


ビスマルク「一つ、勘違いしているんじゃないかしら?」

磯風「何をだ?」

ビスマルク「この程度のトラブルでこの人達が迷惑だと思っているはずがないわ。迷惑っていうのは鎮守府内外問わずセックスしようとしたり、オナニーしたり、自分の欲求を満たすためにシュールストレミングを開けるような馬鹿を指すのよ」

プリンツ「そんな人居るんですね」

提督「多分君のことなんだが」

プリンツ「違います!二つ目まではまごうことなき私ですが、三つ目は違います!」

提督「お、おう……どうして?」

プリンツ「私の場合は、シュールストレミングは開けたんじゃなくて破裂させたんです!!とても刺激的でした!」

提督「それここでやったら簀巻きにして吊るすからな」

プリンツ「ジュル……じゃ、じゃあ――――」

提督「後、もう接しないぞ」

プリンツ「…………作らないので簀巻きにして下さい!」

提督「どうしようかなー」

プリンツ「うぅー、愛が重いです……」



磯風「…………」

ビスマルク「アレと相手をする手間を考えると爆発は楽な部類よ、正直」

磯風「そんな気がするのが嫌だな」


ビスマルク「ま、貴方はまだ自覚が持てるから良いのよ。練習すればどうにかなるわ」

磯風「そんな確証――――」

ビスマルク「知り合いに出来なかった子が居たのだけど、その子は一時期名状しがたい謎物体を作っていた。けれど、最終的には普通の料理を作れるようになったの」

ビスマルク「それを見るまでは、私も酷いことを言ったものよ。貴方にまともな料理なんて作れるはずがない、蠢く謎物体を処理するこちらの身にもなれって」

磯風「……別にビスマルクは間違ってはいないと思う。大勢の迷惑になるのだから」

ビスマルク「でも、あの子は諦めなかったわ。直視出来ないような酷い出来の料理になっても、神話生物……例えばニャルラトホテップのような何かをうっかり作っても、まともな出来に仕上がりそうな時にうっかり料理を駄目にしても、よ」

磯風「私なら、止めるだろうな。神話生物の下りで心が折れる。ちなみに、その神話生物はどうしたんだ?」

ビスマルク「殴り殺した後、バラバラにして鍋に入れて煮たわ」

磯風「は?」

ビスマルク「その時毒見したけど、深海棲艦よりかは幾ばくかマシな味だったわ。流石に神話の生物なんて食うものじゃないから、その後は燃やして処分したけど」

磯風「……なあ、私はからかわれているのか?」

ビスマルク「一応本当の出来事。まあ、それと比べるとまだどうにかなると思わない?」

磯風「は、はは。ま、まあ、そうだな。だが、果たして本当に私に出来るのか……」


ビスマルク「……そういえば、聞いてなかったわ。貴方は何のために料理したいと思ったの?」

磯風「そ、それは……だな。いつも美味しい物を皆振る舞ってくれるし、十七駆の仲間には助けて貰っているし…………」

磯風「だから……その……世話になっている人に作って、美味しいって。でも、私は料理の心得が無かったから、せめて旬の食材で作れば美味しくなると思ったんだ。そうしたら、露骨に遠ざけられて……それでも諦められなくて、どうにかしたくて……」

ビスマルク「成程ね。じゃあ、大丈夫だと思うわ」

磯風「…………え?」

ビスマルク「あの子が諦めなかったのは、手料理を食べさせたい人が居たからよ。今は下手でも、絶対に上手くなって美味しいって言ってもらうんだ!ってずっと言ってたわ」

ビスマルク「それで貴方よりも酷い状況から脱したんだから、似たような気持ちで料理に挑んでいる貴方が出来ないはずがないのよ」

磯風「…………」

ビスマルク「大丈夫。私、ビスマルクを信じなさい。そして、貴方のその『大切な人に美味しい物を作ってあげたい』という思いに答えてあげて」

磯風「…………ありがとう」




提督「そろそろ首突っ込んで良いよな」

プリンツ「スカルファックですか!?勿論どんと来いです!早くして下さい!私のオマンコはもう準備万端ですよ!あ、それとパンツ脱いで良いですか?もうグチョグチョになってますし、脱いでもっと興奮したいんです!そのまま磯風ちゃんの目の前で私の尊厳が貶められる位激しく犯してくれたりもしくは――」

提督「オイゲン」

プリンツ「はい」


ビスマルク「ねえ、提督。磯風のことだけど」

提督「分かってるさ。とりあえず、鍛錬用のグラウンドを使おう。そこなら被害もかなり抑えられるはずだ」

ビスマルク「そうね、了解。間宮の方はどうするの?」

提督「間宮は起きるタイミングを逃しただけだろ。俺たちが出ていけば勝手に後始末してくれるから放置。応援の方も、そろそろ伊良子が来るから必要ないか。良いよな」

間宮「」グッ

磯風「なっ……」

提督「悲しいかな、この程度は葛城が良くやらかしていたから耐性が付いてしまったんだ。被害も同じくらいだし」

プリンツ「所謂、マンネリってやつです」

提督「違います」

ビスマルク「それで、間宮は放置するとして、秋刀魚はもう一度集めるのよね?」

提督「そうなるな。何かあるのか?」

ビスマルク「いえ、ただの確認よ」

提督「そうか。それで、磯風」

磯風「?」

提督「君は料理の練習をしていてくれ。困ったときは、ビスマルクや他の人が助けてくれるはずだから遠慮しないで頼って良い。秋刀魚の在庫だとかそういうのも考えなくて良いよ。自由にやってくれ」

磯風「……どうしてそこまでしてくれる」

提督「それを話すのは全部終わってからで良いか?」

磯風「か、構わぬ」

提督「うし!んじゃ、行くとしましょうか」





プリンツ「遅くないですか?もう聖夜ですよ?」

提督「そうだな」

プリンツ「クリスマスネタはやらないんですか?」

提督「君からしたらクリスマスは何だ?」

プリンツ「家族と過ごす日ですよね」

提督「珍しいな」

プリンツ「そうですか?」

提督「日本人的には性夜の傾向だからな」

プリンツ「あー。正直、皆この日はセックスしまくってますし、そういう日に便乗しても大して注目されないから大体大人しくしてます」

提督「じゃあ、楽できるのか」

プリンツ「?」



遅いのがデフォになっててすまんの

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom