凛「1分間トリップオアトリート?」 (35)

ラブライブ!凛ちゃんの誕生日記念ssです
地の文多めです

よろしければ最後までお付き合いください

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11月1日、日曜日。天気は晴れ
秋葉原のハロウィンフェスタの2日目はμ'sを含むスクールアイドルたちの華やかなライブの披露もあってか、夕方になっても人で溢れかえっていた
時刻は16:27。高いビルに囲まれた秋葉原の街は既に影の中に沈み、道端に飾られたジャック・オ・ランタンがぼんやりとした明かりを振りまいている
その明かりはゾンビや魔女、よくわからないモンスターなどの仮装をした人々の姿をより一層不気味に照らしている
別にお化けなどの類が特別苦手なわけではなかったが、なんとなく気味が悪かったからだろう。そんな人たちを遠目に回避しながら、星空凛は一人大通りを抜けてある場所へと向かっていた

~~~

穂乃果「よーし、ラブライブで絶対優勝するぞー!!」

一同「「おぉーー!!!」」

μ'sサイコー!!

ガンバッテー!!

ファンデス!

オウエンシテルゾー!

穂乃果「みんな、ありがとー!都大会決勝も見に来てねー!!」

凛「ありがとにゃー!ばいばーい!」



絵里「みんな、お疲れさま!いいライブだったわ♪でも、反省はあと!次のグループがつっかえるから早めに着替えましょ」

ライブ終了後に移動した控室で絵里の発した言葉に各々適当に返事をして、着替え、撤退の準備を進める
そんな中、穂乃果のふとした発言が一同を唖然とさせた

穂乃果「あれ?ねぇ、真姫ちゃん。凛ちゃんの誕生日パーティーって何時からだっけ?」

沈黙。現場の全員の思考が停止していた。その言葉を発した当の穂乃果でさえ自分が今しがた何を言ったのか理解していなかった
11月1日は星空凛の誕生日。そのサプライズパーティーを本人に秘密裏に計画していたのだが、ライブが終わって緊張の糸が切れるのと同時にうっかり曝露してしまったのである

海未「~っ!!ほ、穂乃果ぁ~…!!」

穂乃果「ひぃっ!?う、海未ちゃん…?穂乃果、もしかして今とってもまずいこと言った…?」

海未「ええ、言いましたとも!!一体あなたは何を考えているのです!?凛のいる…本人のいる目の前でサプライズパーティーのことを口にするなんて…!!」

ことり「海未ちゃん、落ち着いて!海未ちゃんも言っちゃってるから!」

凛「…り、凛は何にも聞いてないにゃ~…」

にこ「…ほら、何も聞いてないってよ?あんたたち、ふざけてないでさっさと着替えて…」

真姫「そ、そうよ、凛!あなたの誕生日パーティーなんか絶対にやらないんだからねっ!」

凛「えぇっ!?」

希「それはあかん!凛ちゃんのせっかくのフォローを拾うどころかそのまま打ち返してダメージ与えとるから!!」

花陽「ダレカタスケテー!!!」

~~~

結局サプライズでこそ無くなったものの凛の誕生日パーティーは無事?開催されるきまりとなった
しかし、どうやらサプライズの種をいくつか用意していたとのことなので、凛は準備ができる頃合いを見計らって合流することになった
その間、暇をもらった凛は一人ハロウィンフェスタをぶらつき、日も傾いてきた今しがたようやく準備完了の連絡を受けたのだった

とんだサプライズがあったものだ
そんな毒舌を考えながらも、素直な喜びを隠せない
向かうのは真姫の家だ

秋葉原といえど大通りを離れ、さらに2回3回も角を曲がると人気はほとんどなかった
そして、4回目の角を曲がると少し開けた通りに出て、真っ赤な夕日がちょうど正面から差し込む形となった

秋は夕暮れとはいったものだ。その美しくも儚い光景に少女はもののあはれを感じる…ということはなかった
少女がその夕日を見て最初に感じたのはもっとずっと奇妙で奇怪な感情だった

凛「逢魔時…」

夏休み、確かあの時はもっと遅い時間だった。練習が終わった後、海未と一緒にラーメンを食べに行った帰り道。
同じような真っ赤な夕日を見た。昼と夜のどちらでもない時間。昔の人は魔と出逢う時間として恐れたという。
海未が冷やりとした口調で淡々と説明するのを凛は横で息を呑んで聞いていた。
でも、途中から夕日が赤く見えるのは青い光が空気中で散乱してうんたらかんたら…
勉強の話になったから凛は逃げた。文系かと思いきや理系もできる、恋愛未満の化学式、園田海未

…とにもかくにも、凛が美しい夕日を見て感じたのは不気味さ、もっと言えば恐怖に近い感情であったのだ

凛「なんだか、嫌な感じがする…」

引き返そう、と決意し、足に力をぐっと込めようとしたその時、道の向こうから長く伸びた影が足元に纏わりついていることに気が付いた。
はっとして、その影を目で追うと、10m程向こうに小さな子供のシルエットが見えた
しかし、そのシルエットというのがまた奇怪なもので、おおよそ頭のある位置にその胴体を寝かせたような…柄の短いトンカチのような、そんな体形である
トンカチ頭の下にはすっぽりと真っ黒な一枚布をぐるりと巻いており、その裾がパタパタと小さな音を立てて秋風にはためいている

突然そんな珍妙な姿の子どもが目の前に現れ、凛は困惑と恐怖で本日2度目の思考停止していた
やがて、トンカチ頭はゆっくりひたひたと凛の方に歩み寄ってきたが、凛は動くことができなかった

遂にトンカチ頭は凛の目の前まで来て、ぴたりとその歩みを止めた。
トンカチ頭の正体はジャック・オ・ランタンであった。

この事実に凛は幾分胸を撫で下ろしていた。
15年…いや、今日で16年の人生の中でトンカチ頭には遭遇したことなかったがジャック・オ・ランタンとなれば対処の仕方に心当たりがあるつもりだ

「トリックオアトリート?」

思わずふっと息が漏れる。教科書のような文言に恐怖はもはや微塵も消え失せ、少しおどけて返事をかえす

凛「こんばんは、かぼちゃのお化けさん!良い逢魔時だね!でも、ごめんね~。今はお菓子持ってないんだ~。いたずらだけは勘弁して欲しいにゃ♪」

「お菓子…くれないの…?」

凛「う~ん…ごめんね…?もし、お菓子が欲しいなら大通りにでないと。大通りならお店もいっぱいあるしたくさんお菓子がもらえるよ!」

「……なら仕方ないね」

凛「そうそう!とりあえず、大通りにいっくにゃー!あ、場所わかる?もしわからないならおねえちゃんが案内して…」

「お菓子をくれなきゃ…いたずらしてやる!!」

凛「えっ…?」

かぼちゃ頭のくり抜かれた目が怪しい紫色に光って…次の瞬間、世界がぐるりぐるりと回りだした
世界の回転は徐々に速くなって、線になった世界はその色を様々に変えながらびゅんびゅんと過ぎ去っていく
目が回って、何が何だかわからなくなって、そのまま意識は途絶えた。
本日3度目の思考停止である

意識が覚醒すると、そこはもといた道のようだった
腕時計を確認すると時刻は16:39。随分長い時間気を失っていたように思われたが実際はほとんどといっていいほど時間は経っていないようだった。

凛「夢…だったのかな…?」

うーん…と唸って考えてみるが、答えなどでるはずもなく、すぐに考えるのをやめた

凛「真姫ちゃんの家へ行かなきゃ」


真姫の家へ向かう道。いつもと全く同じ道。
しかし、凛は違和感を感じていた。
例えば、そこの曲がり角の小さなビル。1階は確か喫茶店のはずだった。
しかし、おしゃれな看板の代わりに掛けられているのは赤い提灯。
わずかに開いた扉の隙間からは賑やかな笑い声が漏れていた。

少し先に進むと、最近新しくできたコンビニがあるはずだった。
しかし、見えてきたコンビニの看板は薄汚れ、電気は今にも消え入りそうなほど弱々しい光を放っていた。
窓側にずらりと並べられた漫画雑誌。お気に入りの雑誌の表紙を見つけてみたが、全然知らないキャラクターが「祝!!連載2周年突破!!」の文字と一緒に描かれていた

凛「う~ん…これはさすがにおかしいぞ…」

立ち止って顎に手をやって考える。絵里が考えるときによくやる癖だ。
何となく賢そうに見えるから、凛もよく真似してやるようになったが、これによっていいアイデアが浮かんだことは今までに一度もない
そこから凛が導き出した結論はこうだ。絵里ちゃんは考えてるようで何も考えていない。
暴論である。ちなみに絵里はこのポーズで考えた後、いつも割といいアイデアを出している。賢い

結局今回もいいアイデアが浮かばないまま賢いポーズを解いた凛。
その罪を絵里に擦り付けて何事もなかったように、とりあえず真姫の家へと歩みを進めることにした

「ねえ、ちょっと、そこの君!」

凛「ひゃっ!? は、はい!」

突然の声に驚きながらも返事をし、声の主を確認する
声の主は20代半ばくらいの女性だった。肩くらいまでさらさらとした髪を伸ばした美人さんだ
…が、残念なのは上下ジャージであることである。残念ではあるが、そのさっぱりとした雰囲気にはぴったり似合っているのはさすが美人といったところか
両手には大きな紙袋を提げている。隙間から布のようなものが覗いているのを見る限り、中身は服か何かのようだ。
凛が振り向くと、その女性は目を丸くしてぱちぱちと瞬きを数回繰り返した。が、すぐに明るい笑顔になって続けた。

「突然で悪いんだけれど、秋葉原のハロウィンフェスタってまだやっているかわかるかな?」

凛「ハロウィンフェスタですか?まだやっていますよ。…今の時間だともうすぐ仮装パレードが始まる頃だと思います」

「そ、それ本当!?まっずいなぁ…。…とりあえず、ありがとねっ!急ぐから…ばいばい!」

両手の荷物をゆっさゆっさと揺らしながら一歩二歩三歩駆け出したところでピタリと動きを止めて、くるりとこちらを振り返った

「あの…もう一ついいかな? ○×ビルっていうのが大通りの近くにあるらしいんだけれど…どこか知らない?」

凛「○×ビル…ですか?」

昼間に凛たちが控室として使っていたビルの名前であった

凛「はい…知ってます。えーっと…場所は…」

「ごめん!よかったら案内してくれないかな?」

凛「えぇっ!?今からですか!?」

ちらりと腕時計に目をやると、16:47。真姫の家へ集合時刻として指定されたのは17時だ。
今から大通りまで引き返せば間違いなく間に合わないだろう

「…やっぱり無理だよね…。突然変なことお願いしてごめんね…。あとは自分でなんとかするよ…」

女性は肩を落としてとぼとぼと歩きだす。

凛「待って!!…案内…しますっ!」

困った人をみるとウズウズして助けずにはいられない。星空凛はそんな性格だった。

せっかくの誕生日パーティーだけれど、今日は凛が主役。ちょっとくらいのわがまま、みんな許してくれるよね?

凛「仮装パレードに参加するんですか?」

凛は○×ビルへと向かう道すがら尋ねてみる

「うん。まあ、参加するのは私じゃなくて生徒たちなんだけれどね」

凛「生徒…?」

「あっ、私こう見えて高校の教師をやってるんだよ?」

凛「へぇー…そうなんですかー。もしかして体育の先生ですか?」

「おお、よくわかったね…って、この格好を見たら誰でもそう思うか」

照れ笑いの後に、ペロッと舌を出してみせた。いわゆるテヘペロというやつだ。
割といい年なのだろう。しかし、その笑顔はそんなあざとい仕草も何となく許せてしまうような無邪気さと愛嬌を含んでいた

凛「体育の先生ってちょっと怖いイメージがあるけれど、先生はあんまりそんな感じしませんね!」

先生「えー、そうかなぁ…。これでも怒るときは怖いって結構有名なんだよ?」

凛はこの女性が鬼のような形相で生徒を叱責する姿を想像しようと試みたが無念に終わった

凛「全然想像できないにゃ!」

思ったことをそのまま口に出した。出逢ったばかりの女性に対して早くも好感を持った凛はすっかり気を許していた

先生「むぅ…。…まあ、確かに最初は怒ったりするのが苦手なタイプで、全然体育教師らしくないから『怒らない先生』ってよく生徒にもからかわれていた。私は教師になるときに『誰よりも優しい先生になりたい!』っていう密かな目標があったから、そんな生徒の言葉も気にならなかったし、むしろ満足さえしていたんだ」

先生「でも、そんなある日、近くのコンビニから学校に電話があったんだ。私のクラスの生徒が万引きをしたって。急いで向かうと、その生徒は私をみてホッとしたような顔でこう言ったんだ。『あ、先生!ごめん、私捕まっちゃったよ。でも、先生が来てくれて良かった。他の先生なら何を言われるかわからなかったからね!』」

先生「その時初めて私は生徒を叱った。なんて言ったかは覚えていないんだけれど……今までに出したこともないような大きな声で胸倉を掴んで怒鳴りつけてやった。生徒はもちろんお店の人でさえもあまりの剣幕に度肝を抜かしていたよ…アハハ。…でもね、一番驚いていたのは私自身だったんだ」

先生「生徒を家まで送っていく途中でその子は私にこう言ってくれたんだ。『先生に怒ってもらえて凄くうれしかった』って。そして、泣きながら反省していた。変だよね?怒ってもらえたのがうれしいだなんて。でもその日から私は『怒らない先生』というよりも『優しい先生』って呼ばれることの方が多くなったんだ」

先生「そして私は優しさっていうのが甘やかすこととは違うってことに気が付いたんだ。…私は高校生の頃は結構おちゃらけた性格だったからよく同じ部活の先輩に怒られることが多かったんだけれど、それが優しさだったってことにも気が付けた。私は教師っていう仕事で、勉強だけじゃなくってそういったことを教えてあげられたらなって思うんだ」

真剣な表情で語る先生の姿を凛は純粋に素敵だなと思った
憧れと尊敬の念さえ抱いた。

凛「先生は…いい先生ですね!」

先生「あはは…ありがとう!」

そして再びテヘペロを披露してみせた



凛「あ!もしかして、今からハロウィンの仮装を届けるのって、さっき話していた生徒さんだったり…?」

先生「残念。彼女は2年前に卒業したよ。『先生みたいな先生になりますっ!』って言われた時はちょっと泣いちゃったなぁ…」

凛「いい話ですね」

先生「私の自慢の生徒だよ!」

先生「…今はアイドル研究部っていう部活の顧問をしてるんだけどね。その子たちがやってるスクールアイドルグループのプロモーションも兼ねて仮装をするんだってさ」

凛「あ、アイドル研究部!?」

音ノ木坂以外にも同じアイドル研究部という部活名でスクールアイドル活動を行う学校が存在したことに驚嘆の声をあげる
そして、その活動に顧問が協力的な姿勢を見せるというのも、名ばかりの顧問を持つ音ノ木坂学院アイドル研究部からすると、ちょっとしたカルチャーショックであった。

凛「実は、り…私もスクールアイドルやっているんです!」

先生「へぇ……それは奇遇だね!」

凛「はい!今日も昼間にここでライブをしました!私たちのグループは…μ'sっていうんです!」

先生「μ's…か…」

先生は少し遠くを見るような眼をして、ちょっぴりうれしそうな表情を浮かべてみせた

「おーい!!せんせーー!!」

「遅いよー!もうパレード始まっちゃうよー!!」

「げっ!またジャージだし!いい加減やめなよ…」

「でも、先生らしいですね」

気が付くと○×ビルのすぐ目の前まで来ていた
ビルの前で4人の高校生らしい集団がそれぞれ手を振っているのが見える

先生「ごめんごめーん!!ちょっと道に迷っちゃってー!」

先生も手を振り返しながら小走り気味で近づいていく

すっかり暗くなっていたので、近づいて初めて気が付いたのだが4人の高校生は音ノ木坂学院の制服を着ていた
凛は少しずつ混乱し始めていた

「こちらの方は…?」

4人の中でも少し落ち着いた雰囲気の女の子が凛の方に目を向けながら言った
胸のリボンは凛と同じ1年生を表す青色だった。1年生は1クラスしかなかったので、その子は凛と同じクラスに所属していることになる。
しかし、半年一緒に過ごしてきたクラスメートの中にその子の姿を見たことは一度もなかった。
凛は何がなんだかわからなくなってきた

先生「この子がここまで案内をしてくれたんだよ!」

凛がひとまずぺこりと頭を下げると、相手方も同じようにお辞儀を返した。
ちょっぴり人見知りの凛ではあったが、この場で声が出なかったのはそれが原因ではなかった


先生「そうだ!ここまで連れて来てくれたお礼と言ってはなんだけど…じゃーん!!ハッピーハロウィーン!!」

先生は衣装の入った紙袋の隙間からお菓子の詰まった袋を引っ張り出して、凛に手渡した
凛はやっぱり声が出せなかったので、代わりににっこりと満面の笑顔で先生にお礼の返事を返した

先生「ほら、みんなの分も!」

「ああ!?今日は私たちがあげる側だったのに!」

先生「??」

「でも…せっかく先生が用意してくれたんですから、ありがたくいただきましょう?」

「ありがとーせんせー!」

「それじゃあ、今度は私たちから先生に!!」

「…せーのっ!」

『星空先生、27歳の誕生日おめでとう!!』

生徒たちは後ろ手に隠していた小さな包みを2つと寄せ書き、先生と被ってしまったがハロウィンパッケージのお菓子の詰め合わせを各々手渡した

先生「み、みんなっ…!…ありがとう!!…でも、人前で大きな声で年齢を叫ばないで!?」

アハハ、センセイナイテルー!

ホントダーカワイー!

バ、バカニスルニャー!!

キャー!ヒサシブリニオコッター!!

ニャー、トハ…?

楽し気なやりとりの片隅にぽつんと取り残された凛は呆然と立ちすくんでいた。本日…何度目かも、もはやわからないほどに思考停止していた
しかし、それはまるで将来の進路に対する悩みが払拭され、頭の中が空っぽになったような居心地の良さを感じさせた
そしてしばらくして、ひっそりと黙ってその場を立ち去った

気が付くと先ほどジャック・オ・ランタンと遭遇した道まで戻って来ていた
逢魔時も過ぎて、わずかに西の空が赤みを帯びているだけで、時刻はすっかり夜のそれとなっていた
凛の帰りを待ち侘びていたかのように道の中央には子供のジャック・オ・ランタンが佇んでいた
今度は凛の方からずんずんと近づいて行って、かぼちゃ頭の目の前で停止した

「トリックオアトリート?」

凛は黙ったまま先生からもらったお菓子の袋を差し出した
ジャック・オ・ランタンはそれを受け取ると心なしか嬉しそうだった

「お菓子をくれたから、いたずらはもうおしまい」

かぼちゃ頭のくり抜かれた目からは再び紫の閃光
そして回りだす世界。線となった世界は今度は後ろから前へと凛を追い抜いて行った

気が付くと凛は夕日の照らすあの道に立っていた
腕時計の針は16:40を指していた
真姫の家へ向かわなければ
パーティーにはまだ間に合う

~完~

短いですが終わりです

凛ちゃん誕生日おめでとう!

トリップは短い旅行って意味でとらえてください!

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