子オーク「えっ……？」

女騎士「今私の手元にはお菓子がない……だから貴様に『いたずら』されてしまうッ！」

女騎士「その小さく愛らしい見た目とは裏腹の極太の肉棒で私のことを犯すつもりだろう！」

女騎士「だが、そのような辱めを受けるくらいなら、私は潔く死ぬ！」

女騎士「だから殺せっ！！」


子オーク「……」

子オーク「えっと……つまり騎士のおねぇちゃんはお菓子持ってないの？」

女騎士「そうだ。せめてあるのはつまみ用のゲソやサケトバくらいだ」

子オーク「そっか……」ｼｭﾝ

女騎士（ぬ、ぬぅ！？　惑わされるな、女騎士！　小さく愛玩動物のような見た目でもこいつはオークだ！　決してかわいいとは思うんじゃない！！）

女騎士「というか、ハロウィンということはその服は何かの仮装か……なんだ？」

子オーク「へへ、『勇者様』の仮装なんだよ！」

女騎士（そのままで十分仮装として成り立っているんだがなぁ…………）

子オーク「そうだ！　お菓子がないならいい事思いついた！」

女騎士「なに？」

子オーク「じゃーん！」

ドラゴン着ぐるみ（女騎士）「…………」ｽﾞｰﾝ

子オーク「おねぇさんも一緒にお菓子もらいに行けばいいんだ！」

女騎士「いや……だからといってこれは……」

子オーク「でも、うちにあるのでおねぇさんが着れるのこれくらいしかないよ？」

女騎士「ほかにもあるだろ！　水着になって人魚とかサキュバスとか！！」

子オーク「……寒いよ？」

女騎士（……私には女としての魅力がないのかなぁ）ﾊｧ

子オーク「というわけで近所のドラゴンさんのところにやってきたよ！」

女騎士「なんでいきなりご本人のとこに行くの！？」

子オーク「だってお隣だもん。こんにちはー」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ドラゴン「ん？　おー、こりゃまた小さい勇者様じゃねーか！」ｶﾞﾁｬ

子オーク「トリックオアトリート！　お菓子くれなきゃいたずらするぞー！！」

ドラゴン「いたずらされるのはいやだな。待ってろ、お菓子もって……ん？」

ドラゴン着ぐるみ（女騎士）「…………がおー」

ドラゴン「…………」

ドラゴン「( ´,_ゝ｀)ﾌﾟｯ」

女騎士「」

ドラゴン「これはこれはｗｗ町一番の剣の名手のｗｗ女騎士さんじゃあありませんかｗｗ」

女騎士「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

ドラゴン「いやあ、似合ってますよｗｗその着ぐるみｗｗかわいいなぁｗｗ」

女騎士「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

ドラゴン「ああ、いたずらｗｗされるのは困りますからねぇ。お菓子、あげますよｗｗぷぷっ」

女騎士「うわーーーー！！　殺せッ！　殺してくれぇ！！」

子オーク「もー、なんでおねぇちゃん先に行っちゃうのさ！」

女騎士「もう、死にたい……土に帰りたい……」ｽﾞｰﾝ

子オーク「ほら、おねぇちゃんの分もってドラゴンさんがお菓子くれたよ。一緒に食べよ？」ﾋｮｲ

女騎士「ん……『火山の島の竜の卵』……実家の名産か」

子オーク「焼きまんじゅうだね」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

女騎士「うん……甘くておいしいな！」ﾆｺｯ

子オーク（簡単に泣き止んだなー）

子オーク「次行くよー！！」

女騎士「えー、私は着替えないのか？」

子オーク「もう本人から許可えてるんだしいいじゃん、それにかっこいいよ！」ｷﾗｷﾗ

女騎士（こいつにはこれがかっこいいのか……）

女騎士「で、次はどいつんちだ？」

子オーク「えーっとね、魚人さんち！」

魚人「これはこれは。歴史あるインスマスの血を受け継ぎ、由緒正しきインスマス面の吾輩のうちにこんなにかわいいお客人とは、ふひひっ」

女騎士（こいつ個人的に嫌いなんだよなぁ……きめぇし）

子オーク「お菓子くれなきゃいたずらするぞ！」

魚人「おー、それならつい先日上司から授かったものが……しばし待たれよ」

女騎士（あれ？　案外すんなりくれるんだ……
）

魚人「こちらですぞｗｗ」

子オーク「チョコとハチミツと……キャラメル？」

女騎士「案外普通じゃないか。どれどれ……」

魚人「こちらが、『黒く輝くトラペドへゾロン風チョコ』食べるとチョコの中から『混沌』ともいうべき味のエキスが出てくるのですぞ。病みつきになりますぞ？」

魚人「『黄金の蜂蜜』は特殊な製法で作られた蜂蜜。これを一口なめれば、長旅の疲れもあっという間に消え去るのでございます」

魚人「そして、『ショゴスキャラメル』はわたくしの地元のゆるキャラ「ショゴスン」とコラボお菓子ですな。口に入れると温度によりまるで生きてるかのように動き回るのです！！　ついでに精力剤としての効果もあるそうですぞ？」

女騎士「全部アウトじゃないかッ！
」