【ゆるゆり】ちなつ「えへへ、大好きっ!」 (128)

こんばんは。
引っ越し作業しながらなので投下頻度遅めですが、お付き合い頂けると嬉しいです。

ちょっ     とだけエロもあるかも

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【ある日のごらく部室】

京子「ぅおっほほぉ~! もっかい! 抱き付いてもっかいお願い!」

ちなつ「京子ちゃん、大好きっ!」ギュッ

京子「ぬおおおおおーーっ! ちなつちゃんがとうとう私にデレたああああああ!!!」ズオオオ

ちなつ「えへへ、京子ちゃんが嬉しそうだから、あかりも嬉しいよぉ」ニコニコ

あかり「あ、みんな気付いてるとは思うけど、あれ私じゃないからね? あれはあかりちゃんだからね?」

京子「ちなつちゃん、その姿で言っても分かり難いと思うよ」

あかり「あ、えーっと。色々あって、私とあかりちゃんの中身が入れ替わっちゃったの」

京子「んで私は、ここぞとばかりにあかりに頼んで抱き付いて貰った、ってわけ! んん~ちなっちゃん可愛いよぉ~♪」モフモフモフモフ

ちなつ「んっ……京子ちゃんくすぐったいよぉ」

あかり「……」イライラ

結衣「あかりのイライラした顔こわい」

京子「しかし、どうしたもんかな。そもそもなんで入れ替わったのかも、分からないんだっけ」

あかり「そうなんですよ……私の家でお泊り会やって、朝起きたら入れ替わってて……」

ちなつ「ちなつちゃんのもふもふがなかなか上手く出来なくて、結局ちなつちゃんにやって貰ったんだよねぇ」

あかり「あかりちゃんのお団子なんて、作り方が全く分からないんですよ。私がやってみようとしたら『あかりがやるからぁ!』って声が聞こえて、『ありがとう』って言い終わる前に出来ててビックリしました」

結衣「あかりがどれくらいの速さでお団子を作るかは、TVアニメ1期1話で見られるよ」

京子「世界線がカオスになるからやめて」

あかり「それにしても、困った事になりました……」

京子「なんで?」

あかり「この姿で自分の家に帰るわけにはいかないですし、私あかりちゃんのお姉さん、ちょっと苦手なんです……」

結衣「あぁ、あかりの家でホラービデオ見てた時のあれかぁ」

ちなつ「なんで知ってるの!?」

結衣「いや、アニメにも原作にもある話だし」

京子「さっきのといい、他のメディアを混ぜて楽しむのやめろ」

結衣「でも、あかりの姿なら大丈夫なんじゃないか?」

ちなつ「そうだよぉ、それにお姉ちゃん、あかりじゃなくてもとっても優しいから大丈夫だと思うよぉ」

京子「あかりのねーちゃん、あかりの事大好きだもんなぁ……」

ちなつ「えへへ。あかりもお姉ちゃん、大好きだよぉ」

結衣「とりあえず、バレると面倒な事になりかねないし、喋り方だけでも似せておかないとなぁ」

あかり「あかりちゃんの喋り方って言うと、とりあえず語尾の『あいうえお』を『ぁぃぅぇぉ』にするとか?」

京子「文章だと説明が楽でいいな」

ちなつ「あ、あかりそんな喋り方してないよぉ……ハッ!?」

あかり「え、無自覚だったのそれ」

結衣「ジョセフの口車に乗せられた敵キャラみたいになってる」

京子「メディアどころか作品すら混ぜちゃったよ。しかも二部ネタ」

結衣「ちなつちゃんの喋り方は、特徴らしい特徴ってないかもなぁ」

あかり「私が喋り方まで特徴あったら、キャラ設定がうるさくなりますからね」

京子「根拠のない深読みは程々にしよう。とりあえず性格を真似すれば、似たりするんじゃないか? 声までは入れ替わってないんだし」

ちなつ「な、なるほどぉ……」

あかり「ほらあかりちゃん、何でもないような所でも意識しなきゃだめだよぉ」

ちなつ「ちなつちゃん、いくら何でもそこまでバカっぽくないよぉ!」プスプス

京子「え、違和感なかったけど」

結衣「うん、結構いい感じだったと思うよ」

ちなつ「あ、あかりって普段そんなにバカっぽい喋り方だったんだね……」ズーン

京子「人の呼び方も大事だな。私と結衣以外は呼び方同じっぽいし、問題は家族の呼び方と一人称か」

結衣「そうだね」

あかり「でも、正直言って秘密にする必要ってあるんですかね?」

京子「西垣ちゃんにバレて実験台にされたい?」

あかり「う……じゃあ、口の固そうな友達にだけは打ち明けて、色々協力して貰うって事で。クラスメイトだと、向日葵ちゃんだね」

ちなつ「さくr……っ……」モゴ

あかり「あかりちゃん? モルモットになりたいの?」ゴゴゴ

京子「大室さんには申し訳ないけどそこはフォロー出来ないなぁ」

あかり「同じくらい口の軽そうな人がここにも一人居ますけどね」

京子「マジで? 誰、誰?」

結衣「ツッコミ放棄していい?」

京子「失礼な! 本当にヤバい事くらいはちゃんと秘密にするって~!」

結衣「うわー超ニヤニヤしてる」

ちなつ「ううっ……不安だよぉ……」

あかり「ここまで来たら覚悟を決めるのよ、あかりちゃん!」

結衣「カッコの前も紛らわしくないようにしないとね」

京子「書いてる奴が考えれば済む事なのに、なんでわざわざ私らに喋らせるかね」

結衣「とりあえず()内に中の人を書いてみよう」

京子「中の人って」

あかり(ちなつ)「こんな感じですか?」

ちなつ(あかり)「わぁっ、これなら分かりやすいねぇ」

京子「分かりやすいかぁ?」

結衣「じゃあこれで、外見に合わせて口調を変えてみよう」

あかり(ちなつ)「わぁい結衣ちゃん! あかり結衣ちゃんだぁい好き!」

ちなつ(あかり)「最近の原作ではあんまり言ってないよ!?」

あかり(ちなつ)「うーん、じゃあこんな感じ? えへへ、結衣ちゃん大好きっ」ニコッ

結衣「っ……もっと満面の笑みで」

ちなつ(あかり)「やり直し!?」

あかり(ちなつ)「え、えっと……! 結衣ちゃん、大好きっ」ギュッ

結衣「あかりは軽々しく抱き付いたりしないよ。手を握る時もこう……慎ましやかに可愛く、きゅっ♪ って感じで握るんだ」

京子「アニメの中の人は野性味溢れる触り方するけどね」

ちなつ(あかり)「京子ちゃん、異次元に逃げるのは良くないよぉ」

【30分後】

結衣「いいね。だいぶ磨きがかかってきたよ。それじゃあ最終試練だ。私の頬にキスしてみて」

あかり(ちなつ)「!?」

ちなつ(あかり)「ゆ、結衣ちゃん!?」

あかり(ちなつ)「これは難しい、難しいエチュードだわ……! あかりちゃんがどういうキスをするのかは勿論の事だけど、その前にそもそも、あかりちゃんは『キスして』と言われて、素直にキスをするかしら……」ブツブツ

結衣「ふふ……そう、そうだよちなつちゃん。そうやってあかりを掴み、自分のものにしていくんだ!」

あかり(ちなつ)「私はあかりちゃん……私はあかりちゃん……」ブツブツ

* * *

あかり(ちなつ)「……結衣ちゃん、お待たせっ」ニコッ

結衣「……準備が、出来たようだね。それじゃ、最終試練スタートといこうか。京子、合図を頼む」

京子「ん、はいはい。あくしょーん」ペチン

ちなつ(あかり)「すっごくどうでもよさそうだよぉ」

あかり(ちなつ)「じゃ、じゃあ結衣ちゃん……キ、キス……するね……?///」

結衣「う……っ、うん……///」

京子「ガチ照れじゃねーか」

あかり(ちなつ)「結衣ちゃん……恥ずかしいから、こっち、見ないでね……?」ジリッ

結衣「うっ、ううううん、みみみ見ないよ大丈夫っ」ドキドキ

京子(うわー超キョドってる……)

ちなつ(あかり)「な、なんだかあかりまでドキドキしてきたよぉ」

あかり(ちなつ)「結衣……ちゃん……っ」ジリジリッ

結衣「ぅ……あっ……」ドキドキドキドキ

あかり(ちなつ)「……ん……//」チョンッ

結衣「あっ///」ピクン

あかり(ちなつ)「お……おしまいっ……///」プイッ

結衣「ん……ふふ……ふふふっ……あははははははははははははははダ メ だ ッ !」ドーン

あかり(ちなつ)「え……えぇぇぇえええーっ!?」ガガァン

ちなつ(あかり)「反応的に合格だったよねぇ!?」

京子「なんで本物まで異議を唱えてんの」

結衣「ふっ……本物のあかりなら、いくら私の頼みと言えども直前で『やっぱり無理だよぉ~!』って言って逃げると思うんだよね」

あかり(ちなつ)「うっ……!」

ちなつ(あかり)「結衣ちゃんの物真似が似過ぎててちょっと引くよぉ」

結衣「でも、キスした後の『おしまいっ……///』は最高だった。うん。最高だった」

あかり(ちなつ)「あかりちゃん……こんなに演じるのが難しい子だなんて……やっぱり手強いわ……!」

京子「純粋さから考えて厳しいんじゃないかなぁ」

結衣「一筋縄ではいかないからこそ、やりがいがある……そうだろう?」

あかり(ちなつ)「はいっ……! 結衣先輩、これからも宜しくご指導下さいっ!」

結衣「うん……この練習ならいくらでも付き合ってあげるよ」

京子「清々しい程に目的が見え見えだよ」

あかり(ちなつ)(あかりの真似の特訓なのにあかりの意見は聞かれない……こんなの絶対おかしいよぉ)

>ちなつ(あかり)「あ、じゃあ次はあか……私の番だねっ!」ゴゴゴゴ
>
>京子「うーん……なんか面倒臭くなってきたから適当に練習しといてよ」
>
>ちなつ(あかり)「飽きるの早すぎじゃないかなぁ!?」ガーン
>
>京子「あかりはちなつちゃんみたいにクレイジーサイコレズじゃないだろ? 真似し過ぎて、元に戻った時にちなつちゃんみたいになってたらそれこそ大変だろ」
>
>ちなつ(あかり)「う……確かに……」
>
>あかり(ちなつ)「あれ、あかりちゃん否定してくれないんだ」

京子「まぁ、とりあえず今日は外見に合わせた家に帰って、感覚を掴めばいいんじゃないかな」

ちなつ(あかり)「そうだね……頑張らなきゃだよぉ」

あかり(ちなつ)「うぅぅ……不安です……」

結衣「精神的に負担がかかるようなら、私の家に泊まりにおいでよ。よく眠れるように一晩中抱っこしてあげる」

あかり(ちなつ)「ゆっ、結衣先輩の家でお泊りっ!」ガタッ

京子「随分都合いいとこだけ解釈したなー」

【放課後・吉川家】

ちなつ(あかり)「そんなわけでちなつちゃんの家に来たけど……ううぅ、やっぱり緊張するなぁ……」

ちなつ(あかり)「ちなつちゃんに聞いた家での喋り方メモ、もう一回読んでおかなきゃ」

ちなつ(あかり)「お姉ちゃんは『お姉ちゃん』、一人称は『私(あたし)』、父母は『お父さん、お母さん』かぁ。一人称以外は同じだから、一人称だけを気を付けようっと……」

ちなつ(あかり)「……」ゴクリ

ちなつ(あかり)「た、ただいまー!」

ともこ「ちなつ、おかえりなさい。もうすぐご飯出来るから、手を洗ったら降りてくるのよ」

ちなつ(あかり)「はーい!」

トントントン…

バタン

ちなつ(あかり)「はぁぁ~~……会話の一つ一つが緊張だよぉ……」

ちなつ(あかり)「とっ、とにかく晩ご飯を食べて、今日は早く寝なきゃっ」

ザァー……キュッ

ちなつ(あかり)(ん……タオル、あかりの家とは違う匂い……)

ちなつ(あかり)(お姉ちゃん、お父さん、お母さん……どうしてるかなぁ……)

ちなつ(あかり)「……」クスン

ともこ「今日はちなつの大好物よ~♪」

ちなつ(あかり)「わ、わぁい、いただきま~す!(いくつかあって、どれが好物か分からないよぉ……)」

ともこ「ちなつ、クリームシチューには目がないのよね~♪」

ちなつ(あかり)「ハッ……そ、そうそう、クリームシチューだ~い好き♪ んん~おいひぃ~♪」

ともこ「うふふ、今日はまた一段と美味しそうに食べるわねぇ♪」

ちなつ(あかり)(はっ……ちょ、ちょっとオーバー過ぎたかなぁ!?)

ともこ「ふふふ♪」ニコニコ

ちなつ(あかり)「? お姉ちゃんは食べないの?」

ともこ「な~に言ってるのよ、お姉ちゃんはいつも通り、もう食べ終わってるわよ?」

ちなつ(あかり)「あっ、そ、そうだよね……あはは……」


ちなつ(あかり)(一緒に食べないのかぁ……ちょっと寂しいなぁ……)

ちなつ(あかり)「た、たまには一緒に食べたいなぁ……なんて……」

ともこ「あらあら、いつもはそんな事言わないくせに……でも、そうね。考えておくわね」ニコニコ

ちなつ(あかり)「……うん。一緒に食べた方が美味しいよ!」


ちなつ(あかり)(余計なお世話しちゃったかな……ごめんね、ちなつちゃん)

ちなつ(あかり)「えっと、次はお風呂……着替え、着替えっと……」ゴソゴソ

ちなつ(あかり)「っ!?」ビクーン

ちなつ(あかり)「ちなつちゃんはこんなの履いてるんだぁ……///」ドキドキ

ちなつ(あかり)「ハッ……見とれてる場合じゃないよぉ、早く入らなきゃっ」

カポーン

ちなつ(あかり)「いつもと違うお風呂って緊張するなぁ……」

ちなつ(あかり)「えっと、シャンプーは……どれかなぁ」

ちなつ(あかり)「これは……トリートメント! わぁぁ、滅多にお目にかかれない代物だよぉ」

ちなつ(あかり)「えっと、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、の順番で使うんだったよね」

ちなつ(あかり)「ん……><」ワシワシ

ちなつ(あかり)「あ……あかりの髪じゃないんだもん、丁寧に洗わなきゃっ」

ちなつ(あかり)「えっと、コンディショナーはすぐ洗い流す、トリートメントした後はしばらく置いてから、こすらないようにして丁寧に洗い流す……だったよね」

ちなつ(あかり)「髪長いと大変だよぉ……」

ちなつ(あかり)「……」シャワァァァ


チャプ…

ちなつ(あかり)「はぁ~……疲れを癒やす筈のお風呂で疲れちゃった……」

ちなつ(あかり)「ちなつちゃんみたいなふわふわの髪は、日々の積み重ねで出来上がってるんだねぇ」

ちなつ(あかり)「好きな人のため……かぁ」

ちなつ(あかり)「あかりもいつかは、そういう日がくるのかなぁ……」

ガチャ

ちなつ(あかり)「ふぅ~……」フキフキ

ちなつ(あかり)「……」

ちなつ(あかり)「……///」ボッ

ちなつ(あかり)「い、意識しちゃダメって分かってはいるけど……///」


ちなつ(あかり)「ご、ごめんねちなつちゃん……」フニ

ちなつ(あかり)「……お、同じくらい……だよね……?」


ちなつ(あかり)「……どんぐりの背比べ……なんか虚しくなってきたよぉ……」シュン

ゴォー……ヒュウゥゥゥ…

ちなつ(あかり)「わぁぁ……乾くとふわふわだよぉ……!」

ちなつ(あかり)「えへへ」モフモフ

ちなつ(あかり)「あ、9時……そろそろ寝なきゃだよね」

パチン

ちなつ(あかり)「……」ゴソ

ちなつ(あかり)「……」

ちなつ(あかり)「……眠くならない!?」ガバァ

ちなつ(あかり)「そういえばちなつちゃんは、テレビで夜更かしする事もあるって……」

ちなつ(あかり)「これだけ眠くならないなら……!」ドキドキ

ちなつ(あかり)「ち、小さい音量で……」

ちなつ(あかり)「わぁぁ……! これが夜のテレビ……!」パァァ

ちなつ(あかり)「……あかりの知らない世界だよぉ……」

ちなつ(あかり)「……」

ちなつ(あかり)「お姉ちゃん……どうしてるかなぁ……」

ちなつ(あかり)「……寂しくなってきちゃった……」

ちなつ(あかり)「……」

トントン…

ちなつ(あかり)(あ……ちなつちゃんのお姉さん……)

ガチャ…

ともこ「あら、ちなつ。珍しいわね、こんな時間に降りて来るなんて」

ちなつ(あかり)「あ、はは……久し振りに、お姉ちゃんとゆっくりお話したいな、って……」

ともこ「ふふ、今日はやけに寂しがり屋さんなのね♪」

ちなつ(あかり)「……妹、だから……///」モジ

ともこ(……なんか今日のちなつは、妙に可愛らしいわね……//)


ともこ「うふふ、今日はお姉ちゃんのお部屋で一緒に寝ましょうか♪」

ちなつ(あかり)「えへへ……うんっ」

ちなつ(あかり)(な、流れとは言え、お姉ちゃん以外の人に甘えるのってなんか、とっても恥ずかしいよぉ……///)

ともこ「ちなつと一緒に寝るのなんて、何年ぶりかしらね~♪」

ちなつ(あかり)「そ、そうだね……」

ともこ「そういえばちなつが小さい頃、ちなつが近くの公園で喧嘩して帰ってきた事があったわねぇ」

ちなつ(あかり)(……やっぱりあれは、ちなつちゃんだったんだぁ……)

ともこ「友達になろうとして話しかけたのに、つい喧嘩腰になっちゃって、って泣いて……。あれから、喋り方とか色々、頑張って練習してたわね」

ちなつ(あかり)(……ちなつちゃん……!)

ともこ「その子達とまた会えたら、仲直り出来るといいわね」ナデナデ

ちなつ(あかり)「ん……」

ちなつ(あかり)(今はもう、大事なお友達だよね。ちなつちゃん……)スゥ…

ともこ「……あらあら。おやすみなさい、ちなつ……♪」ナデ…

【放課後・赤座家】

あかり(ちなつ)「……」ゴクリ

あかり(ちなつ)「何て威圧感……! トラウマが蘇るわ……」

???「あらあかり、どうしたのそんな所で」

あかり(ちなつ)「ヒィッ!?」ビクーン

あかね「? どうしたの?」

あかり(ちなつ)「なっ、なななんでもないよ! お姉ちゃんもおかえりなさい」

あかね「ただいま。あかりの顔を見た途端に疲れが吹き飛んじゃったわぁ~♪」ニコニコ

あかり(ちなつ)「も、もぉ、お姉ちゃんったら……」

ガチャ バタン

あかり(ちなつ)「ふぅ~…… き、緊張したぁぁ……」ヘナヘナ

あかり(ちなつ)「……確かにあかねさんから、あの時みたいな重苦しい雰囲気は感じなかったけど……」

あかり(ちなつ)「でもそれって、私があかりちゃんの姿をしているからじゃないかな……」

あかり(ちなつ)「油断しちゃいけないわ。ちょっとした言葉尻の違いやミスから見破られかねないんだもの」

あかり(ちなつ)「私はあかりちゃん、私はあかりちゃん……。あかりちゃんならどう行動するか、徹底的に脳内シミュレーションして演じきるのよ……」ブツブツ

トントン…

あかり(ちなつ)「はぁ~、あかりお腹ペコペコだよぉ。お姉ちゃん、今日の晩ご飯なぁに?」

あかね「ふふ、今日はあかりの大好きなオムライスよ♪」

あかり(ちなつ)「わぁい♪ あかり、お姉ちゃんのオムライスだ~い好き♪」ニコニコ

あかね(はぁ~♪ 今日もあかりは可愛いわぁ~♪)ポワポワ

あかね「はい、お待たせ、あかり」

あかり(ちなつ)「わぁ~、ケチャップでクマさんが描いてある! いっただっきまーす!」

あかり(ちなつ)「……」モグモグ

あかり(ちなつ)(おっ……おい、しい……ッ!?)

あかり(ちなつ)(トロトロでふんわりした卵、甘すぎず主張し過ぎないケチャップライス……! あかりちゃん、いつもこんな美味しいの食べてるの!?)

あかり(ちなつ)「ん~♪ 美味ひぃ~♪」パァァ

あかね「ふふ、あかりは昔から、お姉ちゃんのオムライス大好きよね」

あかり(ちなつ)「うんっ! あかりお姉ちゃんのオムライス大好きだよぉ~♪」

あかね「あらあら、そんなに勢いよく食べなくても、オムライスは逃げないわよ~」

あかり(ちなつ)「えへへ……だって本当に美味しいんだもん」

あかね「うふふ、あかりが美味しそうに食べてくれるから、お姉ちゃんもいっぱい頑張っちゃうのよね~♪」

あかり(ちなつ)「えへへ……お姉ちゃん、いつもありがとう!」

あかり(ちなつ)(……私、いつもお姉ちゃんとは別々で食べてるのよね……)

あかり(ちなつ)(たまには、一緒に食べた方がいい、よね)

あかり(ちなつ)(いつもご飯作っておいてくれるけど、殆どお礼とか、言った事ないし……)

あかり(ちなつ)(元の身体に戻れたら……お姉ちゃんと話してみようかな)

あかり(ちなつ)(こんな風に思えたのも、あかねさんのお陰、かな)

あかり(ちなつ)「はぁ~、美味しかったぁ♪ ごちそうさま~!」

あかね「お粗末さま。お風呂、もう沸いてるから入ってらっしゃい」

あかり(ちなつ)「はぁーい!」

トントン…

あかり(ちなつ)(あかりちゃんちのお風呂かぁ、こないだのお泊り会以来だなぁ)

ガチャ

あかり(ちなつ)「えーっと、着替え、着替え……」ゴソゴソ

あかり(ちなつ)「っ!?」ビクーン

あかり(ちなつ)「くら、げ……? こ、こっちはカニ……!?」

あかり(ちなつ)「あかりちゃん、いつもこんなの履いてるの……?」

あかり(ちなつ)「こ、これ履かなきゃいけない……のよね、やっぱり……」

あかり(ちなつ)「ううっ……子供っぽくて恥ずかしいなぁ……」

ガラッ

あかり(ちなつ)「えーっと、シャンプー、シャンプー、っと」

あかり(ちなつ)「ッ!?」ガタン

あかり(ちなつ)(あ、あぁ~ビックリしたぁ、そうだった、私今あかりちゃんなんだった)

ワシャワシャ

あかり(ちなつ)(あかりちゃんの髪、まっすぐでちょっと羨ましいなぁ)

シャァー

あかり(ちなつ)「ふぅ~……次はコンディショ……あ、ないんだっけ」

あかり(ちなつ)「こっちの高そうなやつ……は、きっとあかねさんのだから……このリンスよね」

スルスル

あかり(ちなつ)(身体洗うのは……このスポンジかしら……こ、これもクマさん……)

あかり(ちなつ)(あかりちゃん、ほんとにクマさん好きよねぇ)

ゴシゴシ

あかり(ちなつ)「……」

あかり(ちなつ)「……」フニ

あかり(ちなつ)「よかった、同じサイズ……」

あかり(ちなつ)「……」モン

あかり(ちなつ)「……いやいや、ダメよ! いくらなんでも勝手に触るのは……」

あかり(ちなつ)「……でも、ちゃんと洗わなきゃ、よね……」

チャプン…

あかり(ちなつ)「……ちょ、ちょっとだけ……//」

あかり(ちなつ)「ん……//」ピク

あかり(ちなつ)(あかりちゃん、こんな声に、なるんだぁ……//)

あかり(ちなつ)(……私と、きもちぃ触り方とか、違う……)

あかり(ちなつ)「……ハッ!?」

あかり(ちなつ)(ご、ごめんねあかりちゃん……)

あかり(ちなつ)「……」

あかり(ちなつ)(でも、あかりちゃんの気持ちいいとこ、分かった、かも……)

あかり(ちなつ)「……//」モン…

あかり(ちなつ)(……あーん、もう私ったら! なに考えて……//)ブンブン

あかり(ちなつ)(今度何かお詫び、しなきゃね……)

あかり(ちなつ)「……」

あかり(ちなつ)(今思えば、どっちかの家でお泊り会した方がよかったかもなぁ)

あかり(ちなつ)(明日にでも、あかりちゃんに言ってみよっと)

ガラ

あかり(ちなつ)「ふぅ~」フキフキ

あかり(ちなつ)「……」

あかり(ちなつ)「えへっ☆」キュルン

あかり(ちなつ)「……なんか違うなぁ」

あかり(ちなつ)(いつものあかりちゃんの笑顔って、結構難しいのね……)

バタン

あかり(ちなつ)「ん……紅茶のいい匂い」クン

あかね「あらあかり、一緒にどう?」

あかり(ちなつ)「いいの?」

あかね「もちろんよ。あかりの分も用意してあるの」

あかり(ちなつ)「わぁっ……ありがとうお姉ちゃんっ」

♪~(クラシック的なBGM)

あかり(ちなつ)「……美味しい~!」パァァ

あかね「ふふ、いつもと同じ味なのに」

あかり(ちなつ)(しまった……ちょっと不自然だったかな!?)

あかね「でも、いつも美味しそうに飲んでくれるから、お姉ちゃんも淹れがいがあるわぁ♪」ズズ

あかり(ちなつ)(よ、良かった……)

あかり(ちなつ)(……そうだわ。あかねさんの行動パターンをさり気なく聞いてみようかな)

あかり(ちなつ)(ゆくゆくは私の行動にも影響するものね)

あかり(ちなつ)「お姉ちゃん、あかりがお出かけしてる時って、どんな事をしてるの?」

あかね「ッ……!」ドキーン

あかね「あ、あらあら、どうしてそんな事を聞くの?」

あかり(ちなつ)「ん~……なんとなく、かなぁ」

あかね(ただの質問、ただの質問よ……! 深い質問なんかじゃないわ。あかりだものね……)

あかね「そうね……。音楽を聞いたり、お茶を飲んだり。あとは掃除とか洗濯もしてるわね」

あかり(ちなつ)「そっかぁ。お姉ちゃんは大人だなぁ……」

あかね(……イエス! 乗り切ったわ!)

あかね「あかりは、部屋や学校でどんな事をしてるの?」

あかり(ちなつ)「え~っとね……」

あかり(ちなつ)(あかりちゃんがどんな事をしてるか……!? どうしよ、あんまり知らないや……ここは無難な回答をしておこうかしら)

あかり(ちなつ)「宿題したり、本を読んだり……あとはお友達とメールしたりしてるよぉ」

あかね「そう、ちゃんと宿題してて、偉いわねぇ」ナデナデ

あかり(ちなつ)「ん……えへへ」

あかり(ちなつ)(……あかねさんのなでなで、優しくて気持ちいい、かも)

あかり(ちなつ)(私が思ってる程、怖い人じゃないのかな)

あかり(ちなつ)(……あ、でも部屋に入れてくれないって、言ってたっけ)

あかり(ちなつ)(これは匂うわね……ん、あれ、もう眠い……?)

あかり(ちなつ)(そっか、あかりちゃん9時には眠くなっちゃうって言ってたっけ)


あかり(ちなつ)「ふわぁ~……そろそろ眠くなってきちゃったよぉ」

あかね「あかりが眠くなるって事はもう9時になるのね……1日って早いわね」

あかり(ちなつ)「それじゃ、おやすみ、お姉ちゃんっ」

あかり「おやすみ、あかり」ニコニコ


ガチャ

あかり(ちなつ)「話には聞いてたけど、本当に9時には眠くなっちゃうのね……」

あかり(ちなつ)「……今日はあかりちゃんの身体に悪い事しちゃったし、早く寝よ」

あかり(ちなつ)「……」Zzz…

【翌朝・吉川家】

ちなつ(あかり)「ふぁぁ……おはよぉございます……」

ともこ「おはよう、ちなつ。うふふ、敬語になってるわよ。まだ寝ぼけてるのかしら」

ちなつ(あかり)(ふぁっ……そうだった、あかりは今ちなつちゃんなんだった……)

ちなつ(あかり)「え、えへへ……//」

ともこ「早く顔を洗ってらっしゃいね」

ちなつ(あかり)「はぁ~い」

パシャパシャ

ちなつ(あかり)(……鏡を見ると、やっぱりちなつちゃんかぁ……落ち着かないなぁ)

ちなつ(あかり)(……ハッ!?)

ちなつちゃんの歯ブラシ『やぁ』

ちなつ(あかり)(わ、忘れてたよぉ……。でも、新しいの買うのもなんか不自然だし……。でも磨かないわけには……)

ちなつ(あかり)(そ、そうだよ! あかりは今ちなつちゃん……ちなつちゃんがちなつちゃんの歯ブラシを使うんだもん、か、間接キスには……ならないよね)

ちなつ(あかり)(……)

ちなつ(あかり)(で、でも味覚はあかりが味わうんだもんね……)

ちなつ(あかり)(味わうって! あかり何言っちゃってるの!?)ホアァァァ

ともこ(……今日もちなつは変な子ねぇ)

ちなつ(あかり)「……」ゴクリ

ちなつ(あかり)「ん……っ//」シャコシャコ

ちなつ(あかり)(あ、味わっちゃだめ……味わっちゃだめっ……!//)シャコシャコ



ちなつ(あかり)「い、行ってきまーす」

ともこ「行ってらっしゃい、ちなつ」ノシノシ

ちなつ(あかり)(うぅ……やっぱり罪悪感がぁ……)ドヨーン

ちなつ(あかり)「もふもふも上手く出来なかったな……ごめんね、ちなつちゃん」

【翌朝・赤座家】

あかり(ちなつ)「んぅ……おはよぉ~……」

あかね「おはよう、あかり。早く顔を洗っていらっしゃいね」

あかり(ちなつ)「はぁ~い……」コシコシ

あかね「あ、あかり。新しい歯ブラシに変えといたわよ。オレンジ色のね」

あかり(ちなつ)「ほんと? ありがとう、お姉ちゃん」ニコ

ザァー…

あかり(ちなつ)「ふわぁ……ねむ」

キュッ

あかり(ちなつ)(オレンジ……これね)

あかり(ちなつ)(新しい歯ブラシなら、変に気を遣わなくていいから楽ね)

あかり(ちなつ)「……」シャコシャコ

ザァー…

あかり(ちなつ)「ふぅ」

あかね(使った……! やったわ……! いつもあかりったら自分で買って来ちゃうから出来なかったけど……遂にやったわあかりぃぃぃぃぃぃ♪)グッ

あかり(ちなつ)「ごちそうさま~、それじゃお姉ちゃん、行ってきまーす!」

あかね「いってらっしゃい、あかり♪」ノシ



あかね「……」

あかね「……同じ色の歯ブラシも準備済み……」

あかね「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ♪♪♪」

あかね「スーパーちゅぱちゅぱタイムよおおおおおおお♪♪♪」イヤッホォォォォウ

【翌朝・登校中】

ちなつ(あかり)「あ」

あかり(ちなつ)「あ」

「「おっ……おはよう!」」

ちなつ(あかり)「……えへへ」

あかり(ちなつ)「……ふふっ。あ、髪直すね」キュキュ

ちなつ(あかり)「わぁっ、ありがとう! あかりも、お団子直してあげるね」シュババ

あかり(ちなつ)「速すぎて見えないよあかりちゃん! そんなに見られたくないの!?」

京子「お、来た。おーい二人ともー」

ちなつ(あかり)「京子ちゃん、おはよー!」

あかり(ちなつ)「おはようございます~」

結衣「おはよう。昨日はどうだった?」

あかり(ちなつ)「……大丈夫でしたよ!」

ちなつ(あかり)「なに!? 今の間なに!?」

あかり(ちなつ)「大丈夫、なんでもないよ♪」

ちなつ(あかり)「なんでもなさそうに見えないよ!?」

結衣「はは……じゃ、行こうか」

ちなつ(あかり)「そういえば、お姉ちゃんとは大丈夫だった?」

あかり(ちなつ)「うん、心配してたような事はなかったかな。すっごい優しかったよ」

ちなつ(あかり)「えへへ……お姉ちゃんの優しさを分かって貰えて嬉しいよぉ」ニコニコ

あかり(ちなつ)「私のお姉ちゃんも、昨日はうちに居たでしょ? どうだった?」

ちなつ(あかり)「うんっ、ちなつちゃんのお姉ちゃんも、すっごく優しかったよ!」

あかり(ちなつ)「でしょ~?」

キャッキャッ

京子「そういやちなつちゃんって、お姉さんみたいになりたくて茶道部室に来たんだっけ」

結衣「今やお茶汲み係みたいになって……」ホロリ

あかり(ちなつ)「そうそう、それがいつの間にかよく分からない部活に占拠されててビックリでしたよ」

ちなつ(あかり)「最初は京子ちゃんとちょっとギクシャクしてたけど、今ではすっかり仲良しさんになって、嬉しいよぉ~」

京子「ゲーセンとか映画館でデートもしたし、手も繋いだもんね~♪」

あかり(ちなつ)「あ、あの時はその、雰囲気に呑まれたっていうか……」

京子「でもねーちゃんには、『元気をくれる先輩』って言ってくれてるんだもんね~♪」

あかり(ちなつ)「わ、わー! わー! もう、いつまで蒸し返すんですか!///」

ちなつ(あかり)「でもほんとに、京子ちゃんを見てると自然と元気になるよねぇ」ニコニコ

あかり(ちなつ)「ま、まぁ……ね……だ、だからって調子に乗らないで下さいよ!」

京子「ンフッ♪ ンッフフフフフッ♪」

あかり(ちなつ)「あーーーもう!! その顔やめて下さいっ!///」

結衣「ほら、もう玄関着いたよ。あんまり騒ぐと迷惑になるからトーン抑えて、ね」

あかり(ちなつ)「あぁん結衣先輩……結衣先輩は冷静沈着で素敵ですぅ……♪」ギュー

結衣「あ、はは……あっつつ……ちなつちゃん、どうどう……」ギリギリ

ちなつ(あかり)「相変わらず凄いパワーだよぉ」

京子「んじゃ、また放課後にな~! ンフッ♪」ノシ

あかり(ちなつ)「だーかーらやめて下さいってばぁーもうっ!///」

結衣(……痕ついてる!?)

ちなつ(あかり)「ち、ちなつちゃん! そろそろクラスの子にも会うかもだから……!」ヒソ

あかり(ちなつ)「ハッ……そ、そうだね! 私はあかりちゃん、私はあかりちゃん……!」ブツブツ


あかり(ちなつ)「それじゃぁちなつちゃん、いこっ」ニコッ

ちなつ(あかり)「あはは……あまりにも完璧すぎて怖いよぉ……」

あかり(ちなつ)「ち・な・つちゃん? どうしたの?」ズズズ…

ちなつ(あかり)「あっ……あぁ~ごめんね、なんでもないよあかりちゃんっ!」

あかり(ちなつ)「……そぉ? 悩みがあるならあかりに何でも言ってね?」

ちなつ(あかり)「うっ……うん……」

ちなつ(あかり)(ちなつちゃん、あかりの姿なのに存在感凄いよぉ……)

ちなつ(あかり)(やっぱり、あかりが中身から変わらないと、存在感は勝ち取れないって事だよね……)ハァ

あかり(ちなつ)「……?」

【昼休み・部室】

あかり(ちなつ)「はぁぁぁぁ……づがれだぁー……」グッタリ

ちなつ(あかり)「あはは……ちなつちゃん、ずうっとあかりっぽく振る舞ってたもんねぇ……」

あかり(ちなつ)「私、普段そこまで明るくないからね……」

ちなつ(あかり)(黒いオーラとか出してるもんねぇ)

あかり(ちなつ)「……あかりちゃん、今ちょっと失礼な事考えなかった?」

ちなつ(あかり)「そっ、そんな事ないよ!?」

あかり(ちなつ)「……」

ちなつ(あかり)「……」

あかり(ちなつ)「……」モジ…

ちなつ(あかり)「? ちなつちゃん?」

あかり(ちなつ)「あの……あかりちゃん」

ちなつ(あかり)「! なっ、なぁに?」

ちなつ(あかり)(悪い予感しかしないよぉ)

あかり(ちなつ)「あの、私ね……あかりちゃんに一つ、謝らなきゃいけない事が……」

ちなつ(あかり)「えっ……?」

ちなつ(あかり)(お、お姉ちゃんにバレそうになっちゃったとか!? いや、あかりならともかく、ここまであかりに成り切れるちなつちゃんに限ってそれはないよね……)

あかり(ちなつ)「えと……お風呂、入ってる時に、ね……」

ちなつ(あかり)「う……うん……?」ゴクリ…

あかり(ちなつ)「ん……耳、貸して……こしょこしょ」

ちなつ(あかり)「え……//」ボッ

あかり(ちなつ)「ご……ごめんね……ちょっと、気になって……//」

ちなつ(あかり)「うっ……ううん、だ、大丈夫だから、気に、しないで……//」

あかり(ちなつ)「う……うん……//」

ちなつ(あかり)「……」

あかり(ちなつ)「……」

ちなつ(あかり)「あの……」モジ…

あかり(ちなつ)「ど、どうしたの?」

あかり(ちなつ)(か、感想とか聞かれても困る……あかりちゃんに限ってそれはないとは思うけど……)

ちなつ(あかり)「え……えとね……あかりも実は……ちなつちゃんに謝らなきゃいけない事が……」

あかり(ちなつ)「えっ……?」

ちなつ(あかり)「え、えっと……どうしても、気になっちゃったから、そのぉ……//」

あかり(ちなつ)「……」

ちなつ(あかり)「あ、あかりも、ちょこっとだけ、触っちゃったの……ご、ごめんねっ!」

あかり(ちなつ)「……ふふ、じゃあお互い様、だね」

ちなつ(あかり)「う……うん……//」

あかり(ちなつ)「……」

ちなつ(あかり)「……」

あかり(ちなつ)「……な、なんか、恥ずかしい、ね……あはは……//」

ちなつ(あかり)「うっ……うん……//」

あかり(ちなつ)「……」

ちなつ(あかり)「……」

ちなつ(あかり)(間が持たないよぉ!)

あかり(ちなつ)「……ね、あかりちゃん」

ちなつ(あかり)「な、なぁに……?」

あかり(ちなつ)「その……ど、どう、だった……?」

ちなつ(あかり)「ど、どうって……なにが……?」

あかり(ちなつ)「その……私の……」

ちなつ(あかり)「え゛っ……!」

あかり(ちなつ)「……」

ちなつ(あかり)「え……っとぉ……どうって、聞かれ、ても……」

あかり(ちなつ)「……」

ちなつ(あかり)(こ、これは答えないと終わらないパターン……)

あかり(ちなつ)「……」

ちなつ(あかり)「……えと」

あかり(ちなつ)「……!」

ちなつ(あかり)「そのぉ……」

あかり(ちなつ)「……」

ちなつ(あかり)「……あ、安心、した……かな……あはは……」

あかり(ちなつ)「安心……?」

ちなつ(あかり)「……う、うん……よかったよぉ……」

あかり(ちなつ)「……」

ちなつ(あかり)「……」

あかり(ちなつ)(安心……? よかった……? 何が……!?)

あかり(ちなつ)(はっ……そうか、あかりちゃんは、自分の普段の触り方が間違ってないか、不安だったのかも)

あかり(ちなつ)(その上、よかった、って……き、気持ち良かったって事!?)

あかり(ちなつ)(私とする時の事考えて、触って、感じたから……安心……!)

あかり(ちなつ)(これで、本番を迎えても、問題、ない……!//)


あかり(ちなつ)(……ん? まさかあかりちゃん、私の事が好っ……!?//)

ちなつ(あかり)(ちなつちゃんには悪いけど、ぺったんこなのがあかりだけじゃなくてよかったよぉ……)

あかり(ちなつ)「ふぅ……ん……そうなんだ……♪」

ちなつ(あかり)「う……うん……」

あかり(ちなつ)「そっかそっかぁ……♪」ズイッ

ちなつ(あかり)「ち……ちなつちゃん……?」

あかり(ちなつ)「あかりちゃん、私の事そんな風に思ってたんだね」

ちなつ(あかり)「えっ……そ、そんなって……どんな……?」

あかり(ちなつ)「もう、この期に及んでとぼけちゃうなんて……私に言わせたいの……?」

ちなつ(あかり)「え、いや、あの……え? え?」

あかり(ちなつ)「ふふ、言ってくれればいいのにぃ……♪」

ちなつ(あかり)「ちょ、ちなつちゃん……顔が……近い……よ//」

あかり(ちなつ)「……んっ」チュウ

ちなつ(あかり)「んんっ!?//」

あかり(ちなつ)「ん……あかりちゃ……//」

ちなつ(あかり)「ん……ん~!?//」

ちなつ「……ふふ、自分で自分にキスするって、恥ずかしいね……//」

あかり「あ、あわわわ…………あれ?」

ちなつ「……?」

あかり「……ちなつちゃん……だよね?」

ちなつ「そうだよ? 何言って……あれ?」

あかり「……」

ちなつ「……」

ちなあか「「戻ってる!?」」

ちなつ「え、待って」

あかり「う、うん」

ちなつ「これってやっぱり……そういう事、だよね……?」

あかり「や、やっぱり……そう、なのかなぁ……」

ちなつ「……あかりちゃん」

あかり「ふぇっ……!? ち、ちなつちゃんまさか……」

ちなつ「……ん」チュウ

あかり「んん~~!?///」

あかり(ちなつ)「……やっぱり……」

ちなつ(あかり)「」プシュー

あかり(ちなつ)「……あかりちゃん、もっかいするよ?」

ちなつ(あかり)「……モウ、スキニシテ……」

あかり(ちなつ)(好きに……っ!! なんて官能的な響き……!!//)

あかり(ちなつ)「……わかった、好きに、する……れろ」

ちなつ(あかり)「んんんっ!!?」

ちなつ「んちゅ……はむ……」

あかり「ん……んっ……//」

ちなつ「ん……はぁ……」

あかり「」チーン

ちなつ「……ふふっ」ピーン

ちなつ(これは……あかりちゃんのフリをして、結衣先輩に甘えるチャンスだわ……!!)

【放課後・部室】

スラッ

ちなつ「こんにちは~」

京子「おーあかりー」

結衣「お前、この状況に馴染みすぎだろ……あかり、まだ戻ってないのか?」

ちなつ「うん……ずっとこのままなのかなぁ……」シュン

結衣「心細いと思うけど、辛くなったら言いなよ? 力になれると思うから」ナデナデ

ちなつ「はぅんっ……♪」キュン

結衣「ははは、あかり、ここではちなつちゃんの演技しなくていいんだよ」

ちなつ「え、えへへ……。ずっとちなつちゃんの真似してたから、つい……」

ちなつ(アッブネェーッ!)

ちなつ(ふぅ……結衣先輩に受けた特訓を思い出すのよ、チーナ!)

ちなつ(……よし)

ちなつ「結衣ちゃん、なに見てるの?」

結衣「ん……ナモクエの新作特集だよ。あかりも見る?」

ちなつ「うんっ!」ピト

ちなつ「わぁ~、新作の敵もすっごく強そう……結衣ちゃん、今回も買うの?」

結衣「うーん、そうしたいのはやまやまなんだけどね。今回は発売日には買えなさそうかなぁ」

ちなつ「そうなんだぁ、結衣ちゃん、ナモクエ全作プレイしてるし、買えるまでもどかしいねぇ」

結衣「そうだなぁ……まぁ、仕方ないよ。一人暮らしさせて貰ってる立場だし、あんまりお小遣いとか我が儘言えないしね」

ちなつ「京子ちゃんのラムレーズンとか、結構響くんじゃ……」

結衣「えっ? 響かない事もないけど、気にしてないから大丈夫だよ」

ちなつ「結衣ちゃんがそう言うなら……。でも、ちょっとは我慢してもいいんじゃないかな、京子ちゃん」

結衣「え、ちょ、あかり……?」

京子「……ちなつちゃん、その手にはのらないよ」

ちなつ「っ!?」

結衣「え?」

京子「結衣の目は誤魔化せても、私の目は誤魔化せないよ? ちなつちゃん」

結衣「え……え? ちなつちゃん……え?」

ちなつ「な、何のことかなぁ京子ちゃん? あかりとちなつちゃんは、まだ入れ替わったまんまだよ?」

京子「あかりは今まで、結衣んちの家計の事にまで口を出した事は一度もないんだ」

ちなつ「それは……あかりも少し大人になって、そういう事も気にするように……」

京子「そして君がちなつちゃんである証拠がもう一つある。それは、ナモクエへの反応だ」

ちなつ「……!?」

京子「あかりは、結衣のナモクエのレベルアップを何回か手伝ってきた事もあって、ナモクエの敵キャラの事は結構知ってる」

京子「ちなつちゃんがさっき『強そう』と言った敵キャラは、初代ナモクエから登場している一般的な雑魚キャラだ」

京子「つまり、あかりならその敵の事を『強そう』だなんて言わないはずなんだ」

ちなつ「くっ……ぬぬぅっ……!」

結衣「本当に……ちなつちゃん、なの……?」

ちなつ「っ……」

京子「もう、言い逃れはやめてくれ、ちなつちゃん……」

ちなつ「はぁ……せっかくあかりちゃんのフリして、結衣先輩と普段出来ないようなラブラブモードになりたかったのに……」ガクッ

結衣「ちなつちゃん……」

ちなつ「嘲笑って……下さい、結衣先輩……。こんな汚い手を使ってでも、私は……」

京子「……ちなつちゃん。ちなつちゃんがしたかった事は、ちなつちゃん自身の姿では、出来ない事なのか?」

ちなつ「っ……」

ちなつ「……ふふ。京子先輩に教えられるだなんて……皮肉なもんです」

あかり「やっほぉ~! みんな、あかり達、元に戻ったんだよぉ!」

ちなつ「……」

あかり「あ、あれ!? 何この空気……みんなどうしたのっ!?」

ちなつ「……私、最初からあかりちゃんに……なりきれてなんていなかったんですね……」

京子「なりきれなくたって、いいじゃないか。ちなつちゃんは、ちなつちゃんなんだから」ニコッ

あかり(な……なんか変な雰囲気だよぉ……)

ちなつ「京子、先輩……」

京子「ふふっ……ちなつちゃん、惚れた……?」

ちなつ「それはないです」

京子「ちっ」

結衣「……まぁ、でもさ。京子の言う通りだよ」

結衣「ちなつちゃんはそのままでも可愛いよ」ニコッ

ちなつ「はぅんっ……!」ズキュウウウン

あかり(えぇー……まったく話が見えないよぉ)

京子「…………っていうのとか、どう?」

結衣「え?」

ちなつ「もー京子先輩、台本と全然違うじゃないですかっ」

京子「いやーごめんごめん♪」

結衣「え、え……?」

京子「結衣、結衣」チョンチョン

結衣「なんだよ京──」


       \ て っ て れ ー ♪ /

        __{:::;r ‐┴┴‐‐、::}、
       く::/        ヾ:ゝ
       /  /        ヽ
       / /  ,\ i  l / l i }
       イi  /,rトミ从/,rトKノ l !
         ! 从〈Vり   Vり 〉乂|
         V:.|i    '__   j/.:.||
       |:.:.|ゝ.  ヽ ,ノ ,ィ:.|:.:.||

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       l  !,r:‐f:}   ヒ‐-.| .:|.!
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   │                  |
   │     ドッキリ大成功      |
   │                  |
   │                  |
   (jrnn、                |
   しノノノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄

結衣「………………帰る」

ちなつ「ああああああごめんなさい結衣先輩っ!」

京子「まっ、まぁまぁ! 無事二人も元に戻ったんだしさぁ!」

あかり「なぁんだ、2人の悪戯だったんだぁ……」ホッ

京子「あかりいつの間に!?」

あかり「わりと前から居たよぉ!」プスンプスン

結衣「……」ムッスゥゥゥゥゥ

京子「ごめんって結衣ー」ベター

結衣「……」ムッスススススゥゥゥゥゥゥ

京子「ごめん結衣ぃ……ねぇ、機嫌直してよぉ……」ギュ

結衣「っ/// ……ふ、ふんっ」フイッ

京子(ちぃ……もうちょっとっぽいのに……)

あかり「結衣ちゃん」ギュ

結衣「……あかり……」

あかり「二人とも、元に戻れて、嬉しかったんだよ……だから許してあげて、ね?」ナデ…

結衣「……ん……あかりが、そう言うなら……//」

京子「なんだよー、あかりにはそんな優しいのかよー」

結衣「……」ジロリ

京子「あっすいませんなんでもないです」

結衣「……ところで、二人はどうやって元に戻ったの?」

ちなつ「え゛っ……!」

京子「あ、それ私も気になってた」

あかり「っ!!///」ボフン

ちなつ「あ、えー……っと~……」タラ…

結衣「……」ジー

京子「……」ジー

あかり「……///」

ちなつ(どうやって元に戻ったかを話すという事は、私とあかりちゃんが少なくとも二回キスをしたという事を、結衣先輩に話すという事……)

ちなつ(ん……? でも待って! 入れ替わる条件は分からないけど、元に戻る条件はキス、という事にすれば……)

ちなつ(い、いやいやでも! キスすれば元に戻るのかどうかなんて分からないのに、なんでキスしたのって聞かれたら……!)

ちなつ(こ……こうなったら奥の手よ……!)

ちなつ「じ……実は……」

結衣「……!」

京子「おっ」

あかり(あっ、あわわわっ///)

ちなつ「あのぉ~、私ぃ~、実はその時テーブルで頭打っちゃってぇ~」

結衣(うわー)

京子(うわー……)

あかり(えぇー……)

ちなつ「その時おかしくなってたからぁ~、よく覚えてないんですぅ~♪ ほらこれ、おっきぃたんこぶぅ~♪ ツインテールで隠せるから助かりましたぁ~♪」キャピッ

結衣「え……大丈夫だったの!?」

あかり「ごらく部員の頭部打撲率高すぎだよぉ」

ちなつ「きゃぁ~ん心配してくださるんですかぁ結衣せんぱぁい♪ やっぱり結衣先輩やっさしぃ~ん♪ んもぉ~ちゅーしたいですぅ~……♪」ンー

結衣「ちょ、ちなつちゃん落ち着いて」

京子「……」

あかり「あ……あのぅ……」

ちなつ(あ・か・り・ちゃん?)ギラァ

あかり「ヒッ!?」ビクーン

京子「ふむ、あかりが何か知っていそうな顔をしているな」

ちなつ「ぎくッ」

結衣「アニメでよく聞くけど、実際それ言ってる人見た事ないよ」

あかり「え、でも、あの……」

京子「さぁ、知っている事を話すんだあかり!」ビシィィィッ

ちなつ(あかりちゃん……ダメよッ!!)ギラァ

結衣「ちなつちゃん、いい子だから落ち着いて、ね?」ナデナデ

ちなつ「はぅんっ……結衣しぇんぱぁい♪」

京子「チョロいなぁ」

結衣「さ、あかり……話してごらん?」

あかり「で、でもぉ……」チラッ

ちなつ「はぅぅん……結衣しぇんぱいの太ももぉ……♪」ゴロゴロ

京子「大丈夫だあかり、今ちなつちゃんはそれどころじゃない」

あかり「じゃ……じゃあ……」ゴクリ

あかり「その……ちなつちゃんと……」

結衣「……」

京子「……」

あかり「き……き……」

結衣・京子「き……?」

あかり「キスッ……したの……//」

結衣「……何ッ!?」ガタッ

ちなつ「あんっ結衣先輩に押し倒されるぅ♪」ドサ

京子「ちなつちゃんそろそろ帰ってこよっか」

結衣「だ、だって京子、キスだぞッ!? あ、あかりとッ! 羨ましいッ!」

京子「だから落ち着けって。大事なのはそこじゃないだろ」

ちなつ「そうですよぉ~、大事なのはキスで入れ替わるって事ですぅ~♪」スリスリ

京子「そうそう、なんでちなつちゃんとあかりがキスしたのかはひとまず置いておこう」

結衣「ハッ……そうだよ、なんであかりとちなつちゃんがっ……!」

京子「結衣、話がブレるから一旦黙って」

結衣「はい」

あかり「いつもと立場が逆だよぉ」

京子「さてあかり、ちなつちゃんとキスしたら戻ったんだな?」

あかり「う、うん……///」

京子「しかし、1回戻ったくらいじゃ、間違いないとは言えんなぁ」

ちなつ「そこはちゃんと、確かめましたよ、ええ……」ゴゴゴ

京子「ふむ、確かめたとは?」

ちなつ「あかりちゃんと……とは言っても、自分とキスしてる気分ではありましたが……目を開けたら、ちゃんとあかりちゃんとキス、してたんです」

あかり「あ……あぅ……///」

ちなつ「まさか、と思ってもう一回、キスしたんです。そしたら思った通り、またあかりちゃんと、入れ替わったんです!」

京子「ほうほう」

ちなつ「入れ替わる方法を知った私は、さっきのドッキリを思い付きました」

ちなつ「あかりちゃんともう一度キスをして本当の身体に戻った後、京子先輩に計画に協力して貰えるようにメールしたんです。どうやって戻ったかは書かなかったですけど」

京子「なるほど、つまりちなつちゃんは今日、あかりと三回キスをしたわけだね」

あかり「も、もうっ京子ちゃん……//」

ちなつ「そうなりますね」

京子「ふむ。さて、ここからは結衣のターンかな」

結衣「お、おほん。で、ちなつちゃんはどうして、あかりとキスをしたの? どんな味だったの? あかりはどんな感じだったの!?」

京子「ちょっと我慢させたからって暴走しすぎでしょ」

ちなつ「えっと~……実は今朝二人で登校してる時、昨日の夜にお風呂に入った時、私もあかりちゃんも同じ事をしてたって聞いて……」

あかり「……///」カァー

結衣「うんうん」

ちなつ「その同じ事っていうのが、お互いの胸を触った、っていう……」

結衣「かあああああああ羨ましいッ! なんて羨ましいッ!! で、で、で!? あかりの胸はどうだったんだッ!?」

京子「いちいち脱線しないと気が済まないのか?」

ちなつ「ま、まぁその……控えめながらもふよふよとした柔らかさで……//」

結衣「なァァァァァァるほどォォォォ!!! それはさぞかしマァァァァァベラスだったんだろうなァァァァァ!!!」

あかり「結衣ちゃん流石に気持ち悪いよぉ」

ちなつ「ま、まぁそれはいいとして、あかりちゃんが私の胸を触って、『安心した』『よかった』って言ってくれて……えへへ//」

結衣「……ふぅん……」

京子「うっわ、せめてもうちょっと興味あるフリしようよ」

ちなつ「あかりちゃんが私の胸を触って安心して……更に『良かった』ですよ!? これはもう、あかりちゃんは私を好きとしかっ!!」

あかり「えっ」

ちなつ「えっ」

京子「普通取り違えないでしょ」

あかり「あ、あかりはその……同じくらいの大きさだったから、こんなに小さいのあかりだけじゃなくてよかったぁ、って……」

ちなつ「なんっ……」

あかり「つ、つまりあかりは、勘違いが元で、ちなつちゃんに大人のキスまで……されちゃったんだね……」ズーン

結衣「なっ……」

京子(次のセリフが想像に容易いなぁ)

結衣「なんだってええええええええええええええええ!!!???」ウワァァァァァァァ

結衣「ち、ちなつちゃんっ、どういう事っ!? おっ、おおおおお大人の、キスって……入れたのか!? 入れたのか、舌をォォォォォ!!?」

ちなつ「は、はい……/// あかりちゃんが『もう好きにして……///』なんて言うもんですから、あかりちゃんの舌をたっぷりと味わって……はぅん///」

京子「ちなつちゃん、結衣が好きっていう設定が迷子だよー」

あかり「」アッカリーン

結衣「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ」モンモンモンモン

ちなつ「うふふふふふふふふふふ」クネクネ

あかり「」

京子「んー、どうすっかなぁこれ」

京子「ま、とりあえず真実は解明されたわけだし、もうこの話はおしまいって事にしないか?」

結衣「京子」

京子「ん」

結衣「私はまだ、ちなつちゃんの話を信じたわけじゃあない」

京子「狙いが見えすぎてむしろ清々しいな」

結衣「……あかり。私が身を持って確かめる……いいよね?」

あかり「」

結衣「ふふ、ふふふふ……あかりーキスしちゃうぞー、ほらほらほらー♪」ジリジリ

京子「あー、こーれは気持ち悪いなー」

あかり「」

結衣「ん……っ……あか、りぃ……れろ」

京子「うーわ、初手からディープな方とか普通しないだろ」

ちなつ「結衣先輩ばっかりズルいです! 私も~!」

京子「えっこれどうなんのこわい」

結衣「んちゅ……あかりぃ……ちなっちゃん……れろれろ」

ちなつ「ふぁ……ゆいせんぱ……あかりちゃっ……んふ……」

あかり「」チーン

結衣「ぷぁ……」

ちなつ「ん……っく」ゴクン

京子「あ、飲んだ」

結衣「……あれ?」

ちなつ「……?」

京子「?」

結衣「あれ、何も変わってなくないか?」

ちなつ「そう、ですね……」

結衣「……」

ちなつ「……」

結衣「仕方ない、もう一回……」

京子「いい加減にしろこのド変態が」ガスッ

結衣「Oh」

* * *

結衣「いや、ここは私が」

ちなつ「いえいえ、いくら結衣先輩でもここは譲れませんよ? 私が適任です!」

結衣「いやいや、ちなつちゃんはもうさっきのも合わせて四回も」

ちなつ「美味なものは何回食べても美味。回数なんて関係ないんです!」

結衣「いやいやいやいや」

ちなつ「いえいえいえいえ」

京子「あーはいはい、分かった分かった、とりあえず今日は私があかりを連れて帰るから。あかりも気絶したまんまだし、お前ら二人には危なすぎて任せられん」

結衣「くっ……」

ちなつ「ぐぬぬ……」

京子「二人してなぜバレた、みたいな顔やめてくれない?」

結衣「ふむ、ここは一旦引くのも大人な作戦だ。あかりは大人に憧れている所があるからね。いやーこれはあかりのハート鷲掴みしちゃうなー」

ちなつ「ふふ、私にはあかりちゃんと同じクラス、同じ学年というアドバンテージがあるんですよ? 結衣先輩や京子先輩は卒業したら1年間あかりちゃんと会えなくなりますが、私は受験勉強すらも一緒に出来ちゃいますから」

結衣「私にだって先輩としてあかりに勉強を教えてあげられるというアドバンテージがあるぞ!」

京子「はいはい、とにかく帰った帰った」

京子「……ふぅ、やっと帰ったかあの変態ども……」

あかり「……ん……」ンーリカッア

京子「おー、気がついたかあかり。気分とか悪くないか?」

あかり「……ん、あれ……ハッ!? そ、そういえばあかり、結衣ちゃんとちなつちゃんにっ……!!」

京子「あー、大丈夫。二人とも危ないからもう帰したよ」

あかり「きょ、京子ちゃぁん……あかり怖かったよぉ……」ギュッ

京子「ん、よしよし」ナデナデ

あかり「んっ……京子ちゃん……えへへ……♪」


京子(悪いな京子。身体、もう少しだけ借りるぞ)


おしまい

京あかオチだと思った? 残念結あかオチでした!
さて、結衣と京子はどこで入れ替わっていたでしょう……

ありがとうございました。

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