四天王「火の四天王がやられたようだな……」「ヤツは四天王の中で最強……」 (27)


土の四天王「火の四天王がやられたようだな……」

風の四天王「ヤツは四天王の中で最強……」

水の四天王「いつだって、強くて頼れる男だったわね……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446158440


土の四天王「……」

土の四天王「どっ、どうすんだよォ! マジやべえ……マジやべえよ!」

風の四天王「まさか、あいつほどの男が勇者にあっさり殺されるとはな……」

水の四天王「冗談じゃないわよ! 信じらんない!」


土の四天王「マジな話オレたちのパワーバランスって」

土の四天王「アイツが10なら、オレたちなんてそれぞれ1とか2だぜ!?」

風の四天王「四天王といいつつ、実質ヤツのワンマンチームだったからな……」

風の四天王「勇者が未熟なうちに最強をぶつけるという策が、完全に裏目に出てしまった」

水の四天王「もうオシマイだわぁーっ! うえぇぇぇ~~~~~ん!」


土の四天王「そうだ……いっそ逃げねえか? それしかねえよマジで」

風の四天王「逃げてどうする? そしたら魔王様に殺されるだけだぞ」

風の四天王「魔王様は臆病者と裏切り者をなによりも嫌ってなさるからな……」

水の四天王「前には勇者、後ろには魔王様……か」

水の四天王「逃げ場なんか全然どこにもないじゃないのよーっ!」


土の四天王「……」

風の四天王「……」

水の四天王「……」

土の四天王「な、なぁ……色々弱音吐きまくっちまったけど……」

土の四天王「マジな話、やっぱりこのままじゃ終われねえよ……」


土の四天王「こっちはアイツを殺されてんだ」

土の四天王「このまま尻尾巻くわけにはいかねーよ」

風の四天王「うむ……やるだけやってみよう……」

風の四天王「もはや魔王様も火の四天王亡き我々に、さほど期待はしてないだろうしな」

風の四天王「そういう意味では、気楽になったともいえる」

水の四天王「ようし……四天王の意地、勇者と魔王様に見せてやりましょう!」


土の四天王「よぉーし、今まで以上に岩や土を操れるようになってやる!」

土の四天王「ふんっ! ふんっ!」ゴゴゴゴゴ…



風の四天王「これまで以上に強い風を吹かせられるようになるのだ!」

風の四天王「はあっ! はあっ!」ビュオォォォ



水の四天王「より多くの水を召喚できるようになってやるわ!」

水の四天王「えいっ! えいっ!」ザバァァァ


土の四天王(強くなるんだ……)ゴゴゴゴゴ…



風の四天王(火の四天王より強くなって……)ビュオォォォ



水の四天王(私たちが……勇者を……倒すんだから!)ザバァァァ


――

――

――

勇者「ハァ、ハァ……バ、バカ、な……! 強すぎる……!」ゲボッ

土の四天王「さらばだ」

土の四天王「土に呑み込まれ、土に圧縮され、土の中で眠れ……」ゴゴゴ…

勇者「たっ、助けっ!」メキメキ…

勇者「ぐぎゃぁぁぁぁぁ!!!」バキボキベキバキボキ

土の四天王「土に還れ……勇者ならぬ愚者よ」


土の四天王「あー、終わった終わった。結局オレ一人で十分だったわ」

土の四天王「ちなみに何秒ぐらいかかった?」

風の四天王「ジャスト30秒だ。遊ばなければ、半分以下のタイムでいけただろう」

土の四天王「勇者といえど、こんなもんか。マジあっけなかったな」

風の四天王「いや……我々が強くなったのだ」

水の四天王「私にここまでの潜在能力があるとは思わなかったわ!」



?「見事だ!」パチパチパチ…


火の四天王「よくやった、三人とも!」パチパチパチ…

土の四天王「お前は火の四天王!? マジかよ!? ……生きてたのか!?」

火の四天王「ああ、勇者に殺されたふりをしていたのだ」

風の四天王「殺されたふり……?」

水の四天王「どっ、どうしてそんなことを!?」


火の四天王「決まってるだろう。吾輩に頼りきりだった貴様らにきっかけを与えるためだ」

火の四天王「吾輩が消えたおかげで、貴様たちは自ら努力し、さらにパワーアップした」

火の四天王「あの勇者を容易く退けるまでにな」

火の四天王「まさに吾輩の狙い通り……いや、狙い以上の成果だ」

火の四天王「さぁ、これからも我々四人で魔王様を支えようではないか!」


土の四天王「ハァ? やなこった。岩の刃よ、胸を貫いてやれ」ギュオッ

火の四天王「が、は……!?」ゲボッ…

火の四天王「なっ、なにをっ!? 狂ったか、貴様!?」

土の四天王「狂ってなんかねーよ。今さら現れてリーダーヅラすんなよ、マジで」

風の四天王「今のお前はもはや四天王最弱……消えろ」ビュゴオォォォォォ

水の四天王「くすくすっ、じゃあねー」ザバシャァァァァァ

火の四天王「きっ、ぎざまらぁぁぁぁぁっ! ぎええぇぇぇぇぇ……」


土の四天王「さてと、このままあのクソジジイをぶっ殺しにいくか」

風の四天王「うむ、今や我々の力は一対一でやったとしても、魔王よりも上だ」

風の四天王「そろそろあの老害には舞台からご退場いただこう」

水の四天王「あのジイさんをいつまでものさばらせとくわけにはいかないもんね」

土の四天王「じゃあいくぜ、魔王退治によ!」






― END ―

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom