【モバマス】水棲公演 不思議な魚介類 (27)

浅利七海「みなさんこんにちはー、お魚系アイドルの浅利七海れす~」

七海「お魚さんたちのことをもっと知ってほしい、興味を持って欲しい」

七海「ということで分かりやすく演劇にしてみたれすよ」

七海「七海もナレーションで参加するれす」

七海「それれは、はじまりはじまり~」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446114439

~ギンブナ~

佐久間まゆ「水が綺麗で流れも穏やか……いい場所ですね。ここにしましょう」

市原仁奈「そこのおねーさん、待つでごぜーますよ!」

まゆ「えっ?」

佐々木千枝「千枝たちの遊び場とらないでください」

遊佐こずえ「しょばだいはらえやー、おらぁー」

まゆ「ごめんなさい、知らなくて。でも少しだけ貸してもらえない?」

まゆ「ここに卵を産みたいの」

仁奈「仁奈たちはここで遊んでいいでごぜーますか?」

まゆ「うーん……赤ちゃんが驚くかもしれないから出来れば騒がないで欲しいな」

千枝「それじゃあ遊べないです……」

こずえ「ざっけんなこらー……すっぞおらぁー」

渋谷凛「ねえ君たち、ほかのところで遊んだらどう?」

千枝「ほかのところですか?」

こずえ「でもここ、おきにいり……しゃっこらぁー」

凛「向こうに流れのちょっと急なところがあるんだけど、そっちも楽しいよ」

仁奈「あぶなくねーですか?」

凛「うん、そこまでじゃないから。ちょっとしたスリルを味わえると思うな」

千枝「スリル……ちょっと大人っぽいかも!」

仁奈「ありがとうごぜーます! そこに行ってみるですよ!」

こずえ「だってめっこらー……いくぞおらぁー……」



まゆ「ありがとうございました」

凛「いや、たいしたことしてないよ。あの子達も素直に話し聞いてくれたし」

まゆ「あ、あの。もし良かったら……」



七海「ギンブナの繁殖期は4~6月」

七海「どうやらまゆさんは凛さんのことが気に入ったみたいれす」

七海「そしてしばらくして……赤ちゃんが生まれるれす!」

まゆ「見て見て凛ちゃん。ほら、卵が孵化しますよ」

凛「ふふ、ちゃんと見てるよ」

ぷちデレラまゆA「おぎゃー」

凛「か、可愛い……っていうかまゆにそっくり」

まゆ「うふふ、親なんだから当たり前ですよ」

凛「そうかもしれないけど……あっ、こっちの卵も孵るね」

ぷちデレラまゆB「おぎゃー」 ※技術提供:浜口あやめ

凛「またまゆにそっくりな子が……私にそっくりな子はいないかな」ソワソワ

ぷちデレラまゆC~F『おぎゃー』

凛「」

ぷちデレラまゆG~Q『おぎゃー』

凛「全員まゆにそっくり……こんなことって」

まゆ「凛ちゃん、どうして落ち込んでるんですか?」

凛「いや、たいしたことじゃないんだ……」

凛「子供が生まれたのは本当に嬉しいんだけど」

凛「私に似た子がいないのがちょっと残念かなって」

まゆ「そんなの当たり前じゃないですか」

凛「どういう意味?」

まゆ「……ひょっとして知りませんでした?」

まゆ「この子達は、みんなまゆのクローンなんですよ」

凛「…………は!?」

七海「解説れす~」

七海「ほとんどのギンブナはメスれす。無性生殖の一種である雌性発生するれす」

七海「オスの精子は遺伝的に貢献せず、卵の発生のきっかけを与えるだけにすぎないれす」

七海「そのため、生まれる子供は母親のクローンれす」

七海「フナ属のオスと交尾し精子を得るれす。フナ属であればギンブナでなくても良いれす」



まゆ「私はギンブナ」

凛「私キンブナ……」

まゆ「いわゆる異種姦ですね」

凛「やめて!」

~ベニクラゲ~

『お疲れ様でしたー』

安部菜々「ふぅ~……どっこいしょ」

佐藤心「菜々ちゃん、初めてのレッスンどうだった?」

菜々「ナメていたわけではないですが、結構厳しいですね……」

菜々「でもずっと憧れてたアイドルにようやく近づけるから嬉しいです!」

心「そっかそっか。わからないことあったら何でも聞いてね」

菜々「はい、心先輩!」

心「いやん、かた~い。しゅがーはぁとって呼んでねって言ったでしょ☆」

菜々「じゃあ、はぁと先輩?」

心「はぁとちゃんで良いよ☆ はぁとも菜々ちゃんって呼ぶから」

菜々「はい、はぁとちゃん」

心「ところで、いつからアイドルに憧れてたの?」

菜々「うーん、はっきりとは覚えてないんですけど物心ついた頃からだったような」

心「わぁお、筋金入り」

菜々「はぁとちゃんはなにかきっかけあるんですか?」

心「はぁとはねぇ~、お母さんがアイドルすごく好きな人だったの」

心「この歳でアイドルデビューは流石に無理よねぇ、なんて言ってたから」

心「じゃあ私がアイドルになる! って」

菜々「へぇ~、そういうのも親孝行って言うんでしょうか」

菜々「でもお母さんから反対されませんでした?」

心「えっ……どうして?」

菜々「自分の夢を押し付けてるみたいで……ナナだったら」

菜々「そんなこと気にしないで自分のやりたいことやってほしいかなって思います」

心「菜々ちゃん……はぁとのお母さんと全く同じ事言ってるぞ☆」

菜々「ええっ、そうなんですか?」

心「でもね、そう言われて、迷ったり喧嘩しちゃったこともあったけど……」

心「それでもやっぱりはぁと自身、アイドルが好きで憧れてたの」

心「だからお母さんの代わりじゃなくて、自分の意志でアイドルやってるんだ☆」

菜々「憧れのアイドルっています?」

心「憧れは――さん! 子供の頃から大好き。菜々ちゃんは?」

菜々「ナナは――さんですね」

心「おお……普通、同じか少し上くらいの人に憧れると思うけど……」

心「結構年上だよね? はぁとのお母さんくらいの年代かな」

心「あっ、べつに否定するつもりはないけど、でも珍しくない?」

菜々「そうなんですよねぇ……よく言われます。自分でも不思議なんですけど」

心「ま、いっか。好きなものは好きなんだからしょうがない☆」

菜々「ふふ、ありがとうございます!」

菜々「……そうだ、この後って、なにか予定あります?」

菜々「もし良かったら菜々の家でアイドルについて語り合いませんか?」

菜々「来てくれるなら、ついでに手料理をごちそうしちゃいますよ」

心「ん、じゃあ行く♪」

菜々「パパっと作っちゃいますから、ちょっと待っててくださいね」

菜々「ふんふん~♪」

心(手際いいなぁ……)

菜々「じょーおーねつのー あーかいーばーら~ そーしーてージェーラシィ~♪」

心(……!)

心「菜々ちゃん、その鼻歌は……?」

菜々「あっ、ごめんなさい、変な歌でしょう。つい口ずさんじゃうんですよねぇ」

菜々「はい、お待たせしました。召し上がれ~」

心「いただきます☆」

心(この味、やっぱり……)

菜々「えっ、はぁとちゃん、どうしました!? 泣くほど不味かったですか!?」

心「あっ、えっと、わさびがしみたの!」

心(味付けは変わってないんだね、お母さん)

七海「はい、解説れす~」

七海「ベニクラゲは若返りを行うことで知られるれす」

七海「と言っても不老不死ではないれすよ」

七海「普通に老いるし、病気や怪我すれば死ぬこともあるれす」

七海「記憶を引き継ぐかどうかは分からないので、なんとなく覚えているという扱いにしたれす」

七海「菜々さん、本当のお母さんみたいだったれすねー」

七海「複雑な設定なのにすごい演技力れす」

~マダイ、コブダイ、クマノミなど~

木村夏樹「おーっす」

多田李衣菜「おはよう、なつき……ち?」

夏樹「どうした、だりー?」

李衣菜(いつものなつきちと違うような……なんだろう?)

夏樹「おーい、きこえてるか?」

李衣菜(なつきちってこんなに胸ぺったんこだったっけ? それによく見ると喉仏が……!?)

夏樹「あっ、そういえばだりーには言ってなかったっけ」

夏樹「アタシ今日から男になったから」

李衣菜「!?」

李衣菜「ど……どういうこと? それがなつきちのロックなの!?」

夏樹「いや、ロックとかじゃなくてさ。アタシそういう種族なんだよ」

夏樹「男の身体でアタシはやっぱり変かな……うーん、『俺』にするか」

李衣菜「そういう種族……ってなに?」

夏樹「つまり、成長過程で性転換するってこと」

夏樹「そろそろかなーと思って何人かに……そうそう、拓海には話してたんだけどさ」

夏樹「さっき偶然会ったけど、あいつ気づかないでやんの!」

李衣菜「なつきちだって分からなかったの?」

夏樹「そうじゃなくて、男の身体になってることに気づかなかったんだよ」

李衣菜「あえて触れなかったんじゃない?」

夏樹「でも会ったのって、うっかり間違えて入った女子トイレだぞ?」

夏樹「気づいたら『お前間違えてるぞ』って言うだろ」

李衣菜「えーと……ごめん、突然過ぎて、理解が追いつかない」

夏樹「そっか……そうだよなぁ」

夏樹「アタシ……いや、俺の方こそごめんな。事前に言うタイミングがなくて」

李衣菜「いいよ、なつきちはなつきちだし。でもずっと男のままなの?」

夏樹「さあ? なるようになるだろ」

李衣菜「…………ロックだね」

夏樹「けど、もしこのままずっと男だったら……」

夏樹「だりー、俺の子供産んでくれるか?」

李衣菜「……っ!!?」

夏樹「なーんてな、冗談冗談。しばらくしたら元に戻るから……って、だりー?」

李衣菜「や、優しく……してね……」///

夏樹「」

七海「夏樹さんは男でも女でもかっこいいれすね~。宝塚みたいれす」

七海「成長過程で性転換するお魚さんはけっこう多いれす」

七海「メス→オスの種や、オス→メスの種、一生のうちに何度も性転換する種、など様々れす」





荒木比奈「いやーおもしろかったっス。勉強になったっス」

七海「わあ、本当れすかー? どういうところが良かったか教えて欲しいれす」

比奈「そうっスねー……」

比奈「まゆちゃんの話はファンタジー系エロゲーの女モンスターが浮かんだっスよ」

比奈「突拍子もないぶっ飛んだ設定、というわけでもなかったんスねー」

比奈「まさか現実にも似たようなのがいるとは」

比奈「菜々さんの話は、年下の彼女が実は母親だった件、ってラノベに出来そうだし」

比奈「夏樹ちゃんの話はこの先の妄想がどんどん膨らむっス」

比奈「夏樹ちゃんが女に戻った頃に、今度は李衣菜ちゃんが男になって……とか!」

比奈「いやー、事実は小説より奇なり、ってことっスかねー」

七海「……とにかく好評だったとみなさんに伝えておくれす」





まゆ「比奈さん、ちょっとお話が……」

まゆ「まゆがエロゲーに出てきそうってどういうことですかぁ?」

比奈「なんか間違って伝わってるっス!」

終わり

雌性発生ってエロゲーみたいだな、と思ったのがきっかけでした
なお、専門家ではありませんのでご了承ください

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom