八幡「最近抜け毛がひどい……」 (47)

            ,-─ 、

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         / 彡⌒ミ  \
        / . (´・ω・`)   \
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     /_ト このスレには ∠_\
   / \.     ハゲや   /  \
  /  <  薄毛抜毛の表現が .>   ヽ
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   \   ^7 /|   ,、 /\  ̄   /
    `ー───────────


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― 教室 ―


戸部「ヒキタニくんマジで禿げてきてなーい?」

八幡「……」

戸部「もうほんとハゲタニくんだよー、M字の谷が眩しいわーマジで」

葉山「戸部、やめろ ヒキタニくんが可哀想だ」

八幡「葉山……そういう余計な気遣いが一番嫌いなんだ」

葉山「!」

八幡「俺が剥げてきてるのは事実だ あぁ事実だよ」

八幡「今日も朝起きて枕を見ると、髪の毛が沢山くっついていた」

八幡「もう取り返しの付かないことなんだ」

八幡「だがな、そうやってハゲをあたかも可哀想と扱うのはやめてくれ」

八幡「そういう偽善が一番イラつくし嫌いなんだよ」

三浦「ヒキオ! 隼人はアンタを思って!」

八幡「それが迷惑だって言ってる」

三浦「あんたねぇ!」

葉山「優美子」

三浦「……」

葉山「すまなかったヒキタニくん 君の言う通りだ」

葉山「ハゲはもっと多くの人に蔑まれるべきなんだろうね……」

八幡「は?」

戸部「げ?」

葉山「あなたは髪の毛ありますか?」

戸部「ありますか?」

相模「ハゲパゲこんなのやだ」

三浦「髪の毛消え去ってゆく」


ハゲ! パゲ! ハゲ! パゲ! ハゲ!
ハゲ! パゲ! ハゲ! パゲ! ハゲ!


戸塚「み、みんなやめなよ! どうにかしてるよ!」

八幡「戸塚、いいんだ」

戸塚「でも……」

八幡「いいんだ」



八幡(こうして、学校のいたるところではげの歌が歌われるようになった)

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戸塚「八幡! 僕、八幡の髪の毛が元通りになるように協力するよ!」

八幡「ありがとう、戸塚 でも無理だと思うぞ」

戸塚「そんなことないよ! 明日から毎日ワカメスープ持ってきてあげるから、頑張ろう?」

八幡「本当か! 戸塚が願うならアフロヘアーにするまである!」

戸塚「もう八幡ったらー まずあの触覚を復活させようよ」

八幡「おう!」

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川崎「あのさ」

八幡「どうした? か、か、かわ、川崎?」

川崎「……その髪、何か病気だったりすんの?」

八幡「いや、お前が思っているような大袈裟な病気じゃない」

八幡「ただ髪が抜けていくだけだ ただ」

川崎「そう……体調管理には気を付けな それだけ」

八幡(はげの歌が響く校内での二人の気遣いは本当にありがたかった)

八幡(しかし その気遣いすら、俺のハゲを進行させる)

八幡(こんなしょうもないハゲに気を使わせてしまったこと)

八幡(それがとんでもなく情けなく思えて……)

八幡(頭皮ストレスは溜まる一方だった)

― 奉仕部 ―



八幡「うっす」

雪乃「あら比企谷くん、昨日からさらにハゲたわね」

八幡「今日はハゲ谷って呼ばないのか」

雪乃「もう言わなくてもハゲているのが分かるもの」

八幡「さいですか……」

ガラガラガラ

結衣「ゆきのーん やっはろー!」

雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん」

結衣「ヒッキーもやっはろー!」

八幡「……おう」

結衣「それにしてもヒッキー、まじで輝いてきてるよね―!」

八幡「そうだな、特に頭が」

雪乃「ナイスハゲジョークね」

八幡「なぁ……ハゲってそんなに駄目か? 気持ち悪いか?」

雪乃「……私はハゲだからってそうは思わないわ」

雪乃「でも目の腐った校内一の嫌われ者がハゲになったとしたら 良い標的になるのは自明なことよ」

八幡「たしかにな」

結衣「あたしは……やっぱり無理かな や、ヒッキーがキモいってわけじゃ」

八幡「キモいか……」

結衣「そ、そうだ! エクステでもつけたらどうヒッキー?」

八幡「……わりぃ もう帰るわ」

結衣「ゴメン! ヒッキー冗談だってば! ねぇ!」

ガラガラ ピシャッ

雪乃「由比ヶ浜さん」

雪乃「私たちに泣きながら『本物が欲しい』と言った彼がそんなものに手を出すわけ無いわ」

結衣「そうだよね、私酷いこと言っちゃった……」

雪乃「私達がハゲの比企谷くんを無下に励ますことは出来ないわ 無妄の福を待ちましょう……」

結衣「ゆきのん、ハゲジョークを楽しんでるね」

― 比企谷家 ―


小町「ハゲェちゃん!! ちゃんとリアップ塗った?」

八幡「いや、塗ってないが」

小町「それ弱禿的にポイント低いよー」

八幡「小町、そのじゃくはげってなんだ」

小町「ハゲェちゃんみたいに心がよわーいハゲのことだよ?」

八幡「俺は別に弱くないぞ」

小町「またまたー 今日の朝だって枕を抱えて泣いてたじゃん」

八幡「いや、あれは目に髪の毛が……」

小町「目に入るほど前髪がありますかなぁ~ ハゲェちゃん」

八幡「(´;ω;`)」

― 次の日 ―

三浦「うわ……ヒキオ昨日よりハゲすぎじゃない?」

戸部「抜けたっていうか、マジで一面なくなったって感じじゃん」

葉山「ヒキタニくん……君はどこまでハゲるつもりなんだ……」

戸部「光ってマジ眩しいわー! マジで鏡だわアレ」

結衣(ヒッキー……エクステ付けていても、あれだけ禿げてたんだ……)


八幡「……先生、気分が悪いので帰ります」

八幡(俺は……どうすれば……)

― 市街地 ―

八幡「はぁ……髪の毛がないくらいでこんなに辛い思いをするなんて」

陽乃「ひゃっはろ~ 比企谷くん」

八幡「げっ…… 何ですか雪ノ下さん……」

陽乃「もうハゲ散らかしすぎよー 薄毛の領域じゃないわね」

八幡「ほっておいてください これが俺なんです」

陽乃「その頭じゃ雪乃ちゃんも愛想を尽かすわよ」

八幡「……誰もが愛想を尽かしますよ……この頭じゃ」

陽乃「本当にそう思ってる?」

八幡「……」

陽乃「どうしてハゲというだけで、酷い扱いを受けるのか分かってないみたいね」

八幡「……はい」

陽乃「ずばり言うとね、比企谷くん ハゲには人権がないからよ」

八幡「え?」

陽乃「ほらあそこを見て」




  _人人人人人人人人人人人人人人人_
  >   ハゲがいるぞ殺せ!!!   <
   ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

        三 ( ´・ω)
       三 ー(‐∪─→
   三 / ̄ ̄ ̄ 》  ̄\
 三三 |      U ・ |                  彡⌒ ミ

  三 と|        ι| |                 ヽ(´・ω・`)ノ
  三 /_∧∨ ̄ ̄/_∧U                  (___)

八幡「そんな! あの人はただ髪が薄いだけなんですよ!」

陽乃「……テストステロンという男性ホルモンがジヒドロテストステロンに代謝される」

陽乃「これが原因で頭髪が薄くなるの」

八幡「テストステロン……ジヒドロテストステロン……」

陽乃「代謝のための酵素の分泌量は遺伝で決まるそうだけど、テストステロンが多いことはハゲの原因の一つよ」

八幡「……人権がないことと関係が?」

陽乃「最後まで聞いて、ジヒドロテストステロンはEDの原因でもあるわ」

陽乃「睾丸で作られた男性ホルモンが原因でEDになるなんて悲しい話よね」

八幡「……」

陽乃「またテストステロンの量が多いほどその人は暴力的になるの」

八幡「つまりハゲは暴力的だと……」

陽乃「そしてあなたの孤独願望もテストステロンのせいよ」

陽乃「比企谷くんは作中でトラウマを匂わせてはいたけど、実際はホルモンバランスが原因ね」

八幡「ボッチの原因が男性ホルモンだなんて」

陽乃「でも悪いことばかりではないわ、筋肉を肥大させる効果もあるのよ」

陽乃「そしてー それらを総合すると」

陽乃「ハゲは、力が強く、暴力的、孤独主義で、さらにはEDよ」

陽乃「そんな子供も作れない暴力マシーンに人権があるわけないじゃない」

八幡「そ、そんな……」

陽乃「これでハゲに人権がない理由が分かったかしら」

八幡「……まじかよハゲ最低だな」

陽乃「え?」

八幡「雪ノ下さん、ありがとうございます」

八幡「ハゲを馬鹿にされ、人権を失い、俺はこの先どうすれば良いのか分からなかった……」

八幡「でも今はっきりとやるべきことが分かりました!」
 
八幡「もうこれ以上、俺のような哀れな人権の持たないハゲを生まないよう」

八幡「男性ホルモンを生み出す金○を人々から取り除く!!」

陽乃「」

八幡「よしっ」

八幡「今すぐにでもハゲそうな、ひよこ頭の葉山から対処しないと!」

― 奉仕部 ―

平塚「大変だぞ雪ノ下! 比企谷が刃物を持って2年F組に立てこもった」

雪乃「どうしてそんな不毛なことを……」

陽乃「ひゃっはろー 雪乃ちゃんに静ちゃん」

雪乃「姉さん……」

平塚「何しに来た……」

陽乃「いやぁー 比企谷くんについてちょっと」

カクカクシカジカ

平塚「全く、変なことを吹き込みやがって」

雪乃「事情は分かったわ、それで警察は何を」

平塚「警察はハゲの関わる事件には介入しない」

雪乃「?? どうしてですか?」

平塚「ハゲは人間じゃない 猫と人間の喧嘩を警察が仲裁するか? しないだろう、そういうことだ」

陽乃「そうよ雪乃ちゃん ハゲに人権はないのよ 呼ぶなら猟友会かしらね」

雪乃「……ハゲに人権がない、ハゲは人間じゃない 冗談でもよく言えるわね」

雪乃「比企谷くんは確かにハゲて気持ち悪くなったかもしれない それでも人間よ」

雪乃「女性は産む機械だなんて政治家が言ったり」

雪乃「男の価値は年収で決まるなんて馬鹿が信じたり」

雪乃「自分勝手に作った基準を満たさない人間をゴミのような扱い」

雪乃「人を値踏みするなんて間違っているわ! 人はそこに存在するだけでも尊いのよ」

雪乃「たとえ腐った魚の眼をした子供も作れない暴力マシーンのハゲでも」

雪乃「フンスッ」

陽乃「はいはいはーい ハゲた比企谷くんが大好きなのは分かったわよ雪乃ちゃん」

雪乃「……平塚先生、一色さんを2年F組に連れて来て下さい」

平塚「構わないが、何をするつもりだ?」

雪乃「とにかく連れて来て下さい」

― 教室 ―


葉山「や、やめてくれないか ヒキタニくん 勃ちそうだ」

海老名「まさかの、は、はち×はやきたああああああああ」

八幡「やめろ? どうしてだ? 俺はお前をハゲから救いたいんだ」

葉山「いや、まだハゲてない……」

八幡「ハゲてからじゃ遅いんだよ!!! 分かるか!!!」

ハゲ! パゲ! ハゲ! パゲ! ハゲ!
ハゲ! パゲ! ハゲ! パゲ! ハゲ!

八幡「お前ら黙りやがれ!! 袋からサヨナラした金○を咥えさせるぞ!!」

シーン

八幡「髪がなくなれば人じゃないんだぞ 畜生以下なんだぞ……」

八幡「ううっ……酷い……ひどすぎる」

三浦「あーしはそんなこと言って」

八幡「黙れ巻き糞ビッチ!! こいつが男じゃなくなるところを見たいか?」

葉山「あああっ」

三浦「……」

海老名「うおおおおおおおお」

ガラガラガラ

いろは「はいはーい 総武高校生徒会からの新しい校則についてのお知らせでーす」

八幡「校則? なんだこの大事なときに……」

いろは「総武高校は髪が少なく頭皮が見える状態の男子生徒、つまりハゲの男子生徒にも人権を保証しまーす」

八幡「ほ、本当なのか? 俺にも人権が……」

いろは「ですからハゲせんぱーい はやく葉山先輩を解放しないと逮捕されますよ」

八幡「おれは……金○を取り除いてまわらなくていいんだ……」



葉山「ふぅ……もう少しで出るところだった」

雪乃「比企谷くん、もうナイフは捨てなさい」

八幡「雪ノ下……もしかしてお前が……」

雪乃「私は……ただ正しいことをしたかったの」


一色「あ、少し待って下さい もう一つ新しい校則があります」

陽乃「ゴニョゴニョ」

一色「えー 女子生徒限定ですが、ブラのサイズがAの人からは人権を剥奪しまーす」

ガヤガヤガヤ

結衣「よっしゃあああああああああ」

雪乃「」

戸部「うわーその谷がない胸部、マジで人間離れしてるわー雪ノ下さん!!」

葉山「戸部、やめろ 雪ノ下さんが可哀想だ」

八幡「雪ノ下……」


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雪乃「いつか、私を助けてね」

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雪乃「比企谷くん……」


八幡「貧乳に人権などないからな」




いっそのことスキンヘッドに自らすればよかったのでは…

>>35
ハゲにも矜持があると思うのです

書いてくれてありがとう、というかびっくりした

>>46
潮が引くように女子全員が離れていく展開は僕には不可能でした
すみません

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年08月24日 (水) 10:29:14   ID: fNP6KaG2

とりあえず>>1がハゲなのはわかった

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