八幡「おおおおお俺は、ほ、本物が、ほ、欲しいんだな」 (27)

八幡「ででででででも、ほ、本物は、な、なかなかないから、こ、困ってるんだな」

八幡「だだだだだだから、今はぼっちとして、い、生きていきたいんだな」

静「何が言いたいのかよくわからんぞ、比企谷」

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八幡「で、でも、おおお俺は、ぼ、ぼっちでも悲しくはないんだな」

八幡「ひひひひ一人で、え、絵とか描くのが、す、好きなんだな」

静「だがな、国語の作文で切り絵を提出されても困るんだ。文を書け、文を」

静「仕方ない。比企谷。ちょっと私について来い」

八幡「まままままマックスコーヒーを、く、くれるのかな?」

静「やらん」

八幡「お、俺は、ま、マックスコーヒーが、一番、好きなんだな」

八幡「おおおおおお母さんが、八幡や、お前は頭が悪いからマックスコーヒーはなかなか飲めないだろうね、だ、だからもしもマックスコーヒーを飲みたくなったら、親切な人を頼りなさいって、い、言ったんだな」

八幡「だから、平塚先生。おおおおお俺に、ま、マックスコーヒーを下さい」ペコッ

静「やらん。いいから来い」

― 奉仕部 部室 ―


コンコン

静「入るぞ、雪ノ下」ガラッ


雪乃「どうしました、平塚先生? 私に雪男の知り合いなんていませんよ」

静「誰が雪男の話をした。それよりも、新入部員を連れてきた。こいつの面倒を見てやってくれ」

雪乃「新入部員?」

八幡「せ、先生。だだだだだだ誰なんだな、この人?」

静「雪ノ下雪乃という生徒でな。この部の部長だ」

八幡「ゆ、雪女なのかな?」

静「まあ似たようなもんだ。凍らされないよう注意しろよ」

雪乃「ふふふふふふふふふふふふふふ」

八幡「ひいいいいいい」ビクッ

雪乃「それで、先生。この人は?」

静「比企谷八幡と言ってな。悪いやつではないんだが、見た通りのやつでな。奉仕部で少し指導して欲しい」

雪乃「彼を指導ですか?」

八幡「し、しどうって、ななななななんの事かな? そ、それって、お、美味しいのかな?」

静「まずいか?」

雪乃「いえ……そういう訳ではありませんが、部活に入る入らないは本人の意志次第ですし……」

八幡「おおおおお俺は、ま、まずいのは、す、好きじゃないんだな。お、美味しいのが好きなんだな」

八幡「だ、だから雪ノ下さん。お、俺に、ま、マックスコーヒーを下さい」ペコッ

雪乃「あげないわ」

静「じゃあ、とりあえず様子を見てくれ。比企谷が部に入りたいと言うなら、その時は頼んだぞ、雪ノ下」スタスタ

ピシャッ

八幡「かかかかか帰って行ったんだな」

雪乃「そうね」

八幡「こ、ここにマックスコーヒーは、あ、あるのかな?」

雪乃「ないわ」

八幡「そ、それなら俺は、か、帰るんだな。い、家に帰ると、た、たまに小町が、ま、マックスコーヒーを用意してくれているんだな」

雪乃「小町?」

八幡「こ、小町は、や、優しいんだな。ま、マックスコーヒーをおおおお俺に、く、くれるんだな」

八幡「でででででも、ゆ、雪ノ下さんはマックスコーヒーを、お、俺にくれないし、それに妖怪の、ゆ、雪女なんだな。だ、だから、つ、冷たいんだな」

雪乃「ひゅううううううううう」

八幡「こ、凍らされるんだな! た、助けてー!」トタトタ

コンコン

結衣「や、やっはろー、なんだな。おおおおお邪魔するんだな」ガラッ

八幡「たたた助けてー!」トタトタ

結衣「え?」

八幡「え?」トタトタ


ゴチンッ!!


結衣「あーれー!」ゴロゴロゴロ、ドンガラガッシャーン!!

八幡「うーわー!」ゴロゴロゴロ、ドンガラガッシャーン!!


雪乃「…………」

八幡「ぶ、ぶつかって、ごごごごごめんなさいなんだな」ペコッ

結衣「だ、大丈夫だったから、き、気にしなくていいんだな」


雪乃「…………」


結衣「そ、それよりも、こ、ここは奉仕部とか、き、聞いたんだな」

結衣「ほ、奉仕部ってのは、お願いを、な、何でもきいてくれる部活だって、は、葉山君が、い、言ってたんだな」

結衣「だ、だから、私に、くくくくくクッキーを下さい」ペコッ

雪乃「あげないわ」

結衣「わ、私は、ぷぷぷぷぷプリンも好きなんだな。で、でも、やっぱり、く、クッキーも好きなんだな」

結衣「だ、だから両方を、わわわわ私に下さい」ペコッ

雪乃「あげないわよ」

雪乃「ここは奉仕部と言う名称ではあるけど、クッキーそのものを、はいどうぞ、とあげたりはしないの」

雪乃「クッキーが欲しいと言うならクッキーの作り方は教えるわ。でも、クッキーそのものをあげたりはしない。自立の手伝いをする部活なのだから」

結衣「や、やっぱり、くくくくくくクッキーを、く、くれないんだな。雪ノ下さんは、う、嘘つきだったんだな」

八幡「まままままマックスコーヒーもくれないんだな。雪ノ下さんは、う、嘘つきなんだな」

雪乃「嘘つきというのは不本意だけど……流石にマックスコーヒーの作り方を教えるのは不可能ね……」

結衣「わわわわ私は、ひ、一人で材料を買う事が、で、出来ないんだな。だだだだだだから、く、クッキーを私に下さい」ペコッ

八幡「まままままマックスコーヒーを、お、俺に下さい」ペコッ

雪乃「もう帰ってもらえないかしら、あなたたち」

こここここうして、お、俺たちは、奉仕部から出て行ったんだな

や、やっぱりゆゆゆゆ雪ノ下さんは、ま、マックスコーヒーを、く、くれなかったから、ゆ、雪女なんだな





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