八幡「あれから5年後……」 (1000)

とある作品に、主人公の境遇が酷似していますが、お構いなく。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445772558

3年次進級に向けた春休み、久しぶりに家族4人で旅行をすることになった。


ただ俺の学校は、小町の学校より2、3日、春休みに入る日が遅かったため、

比企谷母「時間を無駄にしたくない!」

とのこと、俺以外家族3人は一足先に、旅行先のシンガポールへ向かった。
つまり俺は、後から一人で来い、とのことだった。


まあなんというか、改めて小町の方が大事にされているんだな、と実感しつつも、内心一人で飛行機に乗るという《俺かっこいい》的な気分を味わっていたんだが、それがまさか俺の人生そのものを、変えることになるとは想像もしていなかった。


カマクラを(旅行のことを話したら、いち早く立候補してくれた)雪ノ下に預け、成口空港からシンガポール便に乗ったその日、事故は起きた。


俺の乗った飛行機が、墜落したんだ。


後から聞いた話によると、その飛行機は南シナ海沖に墜落したらしい。そして、俺を含めた乗員乗客230名、政府正式発表により、全員死亡となった。


あれから5年後……

タッタッタ

小町「お兄ちゃん! お兄ちゃんはッ!?」ハァハァ

比企谷母「っ……落ち着いて小町、八幡は今病室にいるから……」

小町「」バッ


ガタッ

小町「お兄ちゃんっ!?」

八幡「ん、おー小町。久しぶりだな、元気にしてたか?」

小町「……お兄ちゃん…………本当に、お兄ちゃんだ……よね?」ヨロヨロ

八幡「なんだよ。お兄ちゃんの顔忘れちゃったのかよ。まあちょっとは変わったと思うけど」

小町「お兄ちゃんっ」ギュッ

八幡「うぉっ、小町。いきなり抱きつく……」

小町「生きてた……お兄ちゃん、生きてたよ……」ポロポロ

八幡「……」ナデナデ

小町「小町。お兄ちゃんのこと、ずっと死んじゃったって…………でも生きてた……」ポロポロ

八幡「……おい、勝手に殺すなよ」

小町「だってみんなが! お兄ちゃんのこと……お兄ちゃんのことを………」ポロポロ

八幡「影が薄いからって、殺すのはひどいよな。よしよし……」ナデナデ

小町「ごめんね、お兄ちゃん……小町が……小町が、お兄ちゃんのことおいてったから……」ポロポロ

八幡「……別にいいって、すんだことだし」

小町「でも……でも………」ポロポロ

八幡「それより小町、お前大っきくなったな」

小町「……当たり前だよ……あれから5年も経ったんだよ? 小町、もう大学生だよ?」ニヘッ

八幡「なにっ……まじか。そういえば俺、まだ高校生のままだよな?」

小町「えっ……うん、そうだよ。お兄ちゃんじゃなくて、弟だよ」

八幡「な……俺、お兄ちゃんじゃないと、小町にとっての存在理由、なくならないか?」

小町「そんなことないよ。弟だって……小町にとってはお兄ちゃんだよ……」

八幡「……そうか……ありがとな」

小町「ううん……お兄ちゃん、おかえり」

八幡「……ああ、ただいま」

比企谷父「――それで、息子の容態は……」

医者「いたって健康です。脈も血圧も、すべて正常値を示しています」

比企谷母「っ! それじゃあ――」

医者「ですが……体の約3割が傷で覆われ、背中や腹部に重度の熱傷のあと。十数ヶ所にわたる骨折の治療も、不適切なものです」

比企谷父「そんな……いったい息子に何が……」

医者「わかりません。それが事故で負ったものなのか、それともその後のものなのか……彼は話そうとしないので……」

比企谷父「……」

比企谷母「……私が悪かったの……私のせいで……」ボロボロ

比企谷父「それは十分話したじゃないか。今は八幡が帰ってきたことだけに、感謝しよう……」

比企谷母「ええ……ぇぇ……」ボロボロ

比企谷父「――あの、それは命に関わることなんでしょうか?」

医者「いえ、今はなんともありません。ただ……」

比企谷父「ただ?」

医者「ただ……ご両親方、覚悟が必要です。以前の彼とは、まったく別人の恐れが………」

比企谷父「……」

比企谷母「八幡……」ポロポロ


『臨時速報です。5年前起きた、シンガポール航空637便墜落事故において、全員死亡と確認されていた乗員乗客の一人である、当時17歳だった比企谷八幡さんの生存が確認されました……』


八幡「……どこから情報が?」

役人「さあな、マスコミは鼻が良くて困る」

八幡「はぁ……忙しくなりそうですね、俺」

役人「そうだろうな、まずは記者会見から始まり、続いてはテレビ出演だ」

八幡「そんなことまでやるんですか。俺、テレビなんかでたことないですよ?」

役人「台本通り喋ればいいんだ。生放送じゃない限り、あちらがうまいよう編集してくれる」

八幡「めんどくさいですね……ただ生きて帰っただけなのに」

役人「君の生還はそれほど衝撃的なものなんだよ」

八幡「へぇ〜……」

役人「……それで、そろそろ話してくれないか?」

八幡「ん? 話したじゃないですか。飛行機に乗って、3、4時間たったころ……」

役人「そのことじゃない、その後のことだ。君は事故発生から5年の月日を経て、ここ日本に帰ってきた。その間、君に何があったんだ?」

八幡「何って、別に……」

役人「話によると……つい先日、君は南シナ海沖の無人島で発見されたそうじゃないか。たまたま近くを通りかかった中国の漁船に、助けを求めて」

八幡「……まあ、はい」

役人「その後、身元確認のため中国政府に引き渡され、調査したところ、事故の犠牲者であると判明した」

八幡「はい、そうみたいですね」

役人「じゃあ聞くが、君は事故の後、その無人島に漂着したのか?」

八幡「ええ、たぶん」

役人「その後、そこで5年間も暮らしたと?」

八幡「はい」

役人「……中国政府と、地元の方の話によると、その無人島で5年もの間生きていくことは不可能だそうだ」

八幡「……なぜですか?」

役人「周りは岩礁に囲まれ、船もそう簡単に出入りすることはできない。さらに島での環境も悪く、植物は生えているものの、鹿や豚といった人間の食料となる生き物は生息していない」

八幡「はぁ……」

役人「そんな環境下で、君は5年間も生き抜いたのか?」

八幡「まあ、ここにいるってことは、そうなるんじゃないすか」

役人「……それに君自身、事故以前とはかなり違うように見えるが?」

八幡「そうですか? まあ髪は短くなりましたね」

役人「顔はさほど変わらないが、筋肉の付きようといい、その目付きといい、どこか普通とは違う」

八幡「目は元々なんですよ、いやこれほんと」

役人「……君、真面目に話してくれ」

八幡「……真面目に話してますよ」

役人「いいか。君が今、ここで家族共々暮らせるのは、私たちのおかげだ。もし、私たちが君たちを匿わなければ、君も家族も、マスコミの格好の的になるんだぞ」

八幡「……」

役人「君は帰ってきてもなお、家族を苦しめるつもりか?」

八幡「……」

役人「……」

八幡「……あなた方の要求は、事故当時の話のはずです。その見返りがこれでしょ? 事故の後、俺自身に起こったことを話す必要はないはずですが」

役人「……わかった、いいだろう。今日はそういうことにしておく。だがまた明日、私はここに来るぞ」

八幡「ええ、どうぞ。もう話すことは何もないですが」

役人「……」

キーバタン



八幡「はぁ、めんどくせー」

帰国後、身体検査やカウンセリングを経て、俺は家族共々、とある場所に身を寄せた。
普段はVIP専用の邸宅だが、どうやら政府が特別に用意してくれたらしい。


理由としては役人の言った通り、マスコミやその他諸々の人間から身を隠すためだ。


俺の生存発覚後、マスコミはすぐに俺の家や、父や母の仕事場、小町の大学に押しかけたそうだ。さすがマスゴミと言ったところである。

そんなこんなで俺たち家族は、しばらくの間この家で暮らすことになった。



比企谷母「それにしても、慣れないわねこの家」

比企谷父「まあいいじゃないか。欲しいものはいくらでも手に入るそうだ」

小町「あーあー、聞こえますか〜。小町、自分の部屋に、70インチ薄型液晶テレビが欲しいでーす!」

『かしこまりました』

小町「キャー! お兄ちゃん聞いた!? かしこまりました、だってぇ〜!」

八幡「……」

比企谷母「あっ、じゃあ私も高級アロママッサージをお願いしちゃおうかしら」

『かしこまりました』

比企谷母「きゃー! あなた聞いた!? かしこまりました、ですって〜!」

比企谷父「じゃ、じゃあ俺も、頼んじゃおうかなー、な〜んて」

八幡「……」

そしてなんやかんやで、楽しんでいた。

比企谷母「んー……このケーキ美味しいわ〜」

比企谷父「当たり前だろ〜、一流パティシエの作品だぞ?」

ワッハハハハ ウフフフフ


八幡「……」

小町「お兄ちゃん。ママとパパ、あれでも心配してるんだよ? だけど、これ以上お兄ちゃんを苦しませないために、わざと明るく……」

八幡「小町、わかってる。母さんと父さんはいつもあんな明るくない」

小町「っ……それはちょっと可哀想だけど、わかってたんだ。そっか、ならいいや」

八幡「……」

小町「お兄ちゃん。この5年間、何があったの? 無人島にいたって言ってたけど……」

八幡「……」

小町「……話したくないの?」

八幡「……いや、別にそういうわけじゃねーよ。ただ、話すにはあんま面白くない内容なだけだ」

小町「?」

八幡「……まあ、例えばだな。向こうにはあんま食べ物がなかったから、あるものを食べ物にしたり」

小町「食べ物にしたり?」

八幡「うーんとだから、いつもは食べ物じゃないけど、それを無理矢理食ってたというか……」

小町「……それって何」

八幡「ミミズ」

小町「」

八幡「な? 聞くに堪えない話だろ?」

小町「うん……ってことはそのミミズは、今のお兄ちゃんの血となり肉となってるんだね」

八幡「そういう言い方やめなさい」

小町「エッへへ……でさ、真面目な話」

八幡「ん?」

小町「辛かった?」

八幡「……まあな。でも辛い度、小町の顔を思い出してた」

小町「あっ、今の小町的にポイント高いよ〜!」

八幡「おお、そうか。そりゃよかったな」

小町「でも、本当にお兄ちゃん、帰ってきたんだね」

八幡「おう、ちゃんといるだろ。ここに」

小町「うん。……実はね、お兄ちゃんが事故にあった後、いろいろあったんだ」

八幡「いろいろ?」

小町「ママとパパがよく喧嘩するようになってね……あ、でも責め合いとかじゃないよ? 自分が一番悪いって、二人とも言い争って」

八幡「あー、そういうやつか」

小町「でね、お兄ちゃんのお葬式とかどうするって話になって……」

八幡「……」

小町「小町は、お兄ちゃん死んでないって、言ったんだけど、結局ダメで」

八幡「……」

小町「お葬式やって、お墓も作ったんだ。棺は空っぽなのにね」

八幡「……その、俺のお墓はいまでも?」

小町「うん、あるよ。ママは毎日行ってた。どんなに忙しくてもね」

八幡「……そっか、なんか悪いことしたな。もっと早く帰ってれば良かったかもな」

小町「ううん、帰ってきたんだからいいよ。それだけで、いい……」

八幡「……」

小町「……」

八幡「でもあれだな。俺の墓があるっていうのは不思議な感覚だ」

小町「そう?」

八幡「ああ、死んでもないのに墓があるだろ? おかしいだろ」

小町「フッ、そうかもね」

八幡「よし、小町。お兄ちゃんが無人島生活で培ったサバイバル術を教えてやる」

小町「えっ、ほんと!? うんうん、興味ある!」

八幡「よし、じゃあまずは無人島が必要だな。あーあー、聞こえますか。無人島を用意して下さい」

『不可能です』

小町「ちょっ、お兄ちゃん、できるわけないじゃん! あっはは〜、お腹いたーい!」

八幡「出来ると思ったんだけどな……おかしいな、これ」

その後、俺は正式に記者会見を開いたり、報道番組なんかに出演した。そしてそれは連日のようにお茶の間に流れた。
まあ顔出しまではしなかったが、よく知ってる有名人なんかにインタビューされたほどだった。


しかし、事態は変わった。俺に話せるネタがなくなったからだ。
ネタがなければ用はない。彼らのモットーに俺が当てはまったのだろう。
次第に生還者ブームは幕を閉じていった。

まあ、ここだけの話、ギャラはたんまりもらえた。マスコミ万歳。

それからしばらくたち、ある程度ほとぼりが冷めた頃、父さんや母さんも無事職場に復帰した。小町ももちろん、大学へ通うようになったし、これでいつも通りというわけだ。

ただ、家は相変わらずだ。というのも、政府の連中はまだ何か、俺に用があるらしい。話せることは全部、話したんだけどな。

というわけだが、俺はもちろん、これ以上やることはない。つまりほぼNEETだった。

八幡「……」ピコピコ

トントン

八幡「どうぞ」ピコピコ

ガチャ

小町「お兄ちゃん、平気?」

八幡「小町。それ、今日で10回目」ピコピコ

小町「あれ……そうだっけ? ごめんっ」

八幡「俺は大丈夫だから。――それより、大学の方はどうだ?」ピコピコ

小町「え、うん。楽しいよ」

八幡「俺のせいで、大変な目にあってないか?」ピコピコ

小町「ううん、あってない。送り向かいはあの人たちがやってくれるし、友達も普通に接してくれてる」

八幡「そうか……なんかごめんな。せっかくの大学生生活が」ピコピコ

小町「全然大丈夫だよ、お兄ちゃん。今はお兄ちゃんが帰ってきてくれたことだけで小町、幸せだから」

八幡「そ、そうか」ピコピコ

小町「それよりお兄ちゃん、何やってんの?」

八幡「ん、ゲーム。これ面白いな」ピコピコ

小町「それ、4年前のだよ。新しいのやりなよ。タダで届けてくれるんだし」

八幡「いいんだよ。5年もいなかったんだから、5年分やるんだ」ピコピコ

小町「まったく……帰ってきてもゴミィちゃんだったよ……」ヤレヤレ

八幡「うるせー」ピコピコ

小町「それよりお兄ちゃん。今度由比ヶ浜さんが会いにくるって」

八幡「え、由比ヶ浜が?」

小町「うん。お土産持ってくから、待っててねヒッキー! って言ってた」

八幡「……お兄ちゃん具合悪いからって言って、断っておいて」

小町「えっ! 具合悪いの!? どこか痛いの!?」

八幡「ん……いや、今のは冗談だから」

小町「ちょっ、お兄ちゃんッ! そういう冗談はやめてよ! 本気で心配するじゃん!」

八幡「わ、悪かったから、ごめんごめん。そんな怒るなよ……」

小町「もぉ〜」

ウニャー

小町「ねぇーかーくん、心配するよね〜」

ニャーオ…

八幡 (以前より、小町の愛が増した気がする……)

八幡「で、今日はなんの用で?」

役人「君の所持品を持ってきた。ほら」スッ

八幡「あー、もう必要なかったんですけどね」

役人「これ全部、無人島を出るときに持っていたそうだな」

八幡「あーはい。俺のサバイバルキットです」

役人「これがサバイバルキット?」

八幡「ええ」

役人「……ボロ布に包まれた妙な草に、先端の尖った石ころ。あと……これはなんだ?」

八幡「木です」

役人「それは見ればわかる。なぜわざわざこんなデカい、木の欠片を持って帰ってきたんだ」

八幡「まあ、思い出ですよ。それにはいろいろとありましてね」

役人「思い出? というと?」

八幡「食べ物がない時、それを食べてしのぐんです。だから元々丸太ぐらいあったんですが……だいぶ小さくなりました」

役人「木を……食べていたのか?」

八幡「はい、何もないときだけですよ」

役人「そ、そうか……」

八幡「で、終わりですか?」

役人「はぁ……本当に君は話さないつもりなのか? この5年間を」

八幡「ええ、別に話す必要はないんで」

役人「……そうか。わかった」

八幡「あの、そういえば、いつになったら元の家に帰れるんすか? ここ、いい場所なんですけど、落ち着きなくて」

役人「それならもう少し待ってくれ。じきに元の家で暮らせるようになるはずだ」

八幡「あ、あと今度、知り合いが訪ねてくるみたいなんですが……」

役人「あー、妹さんから聞いたよ。それについても、もう手配済みだ。心配するな」

八幡「そうですか。わざわざありがとうございます」

役人「いや。……おっと、これは君に返しておく」

八幡「あー、別に捨ててもらっても構わないですよ。いらないんで」

役人「君の大事な思い出なんだろ? なら取っておけ。ではな」スタスタ

ガチャ
バタンッ

八幡「……こんなもの、二度と使わないのに」

ピンポーン


八幡「はい、ただいま」

ガチャ


結衣「ヒッキー来たよぉー……って、あれ? あの、比企谷八幡さんいらっしゃいますかぁ?」

八幡「……俺ですが」

結衣「え?」

八幡「……だから、俺が比企谷八幡ですが」

結衣「……」

八幡「……」

結衣「……えぇーッ!!!」

八幡「……なんだよ、あって早々うるせーな」

結衣「だ、だってヒッキー、えーッ!」

八幡「……」

結衣「本当にヒッキー? 嘘だよね!?」

八幡「嘘じゃねーよ。ヒッ……比企谷八幡本人だ」

結衣「……嘘ぉ。どうしちゃったのヒッキー」

八幡「5年も経てば、誰でも変わるだろ」

結衣「えー、でも声は同じだったから……」

八幡「あーそっか。テレビとかじゃ、顔出なかったんだっけ」

結衣「うん……」

八幡「まあ、間違いなく俺だ。ほら、お前らが散々罵倒した目は変わらないだろ?」

結衣「う、うん。でも……いくら何でも変わりすぎだよ…………ちょっとカッコ良くなった、かも」

八幡「え、あ、そうか? お、お前も変わったと思うぞ」

結衣「そう? どんな風に?」

八幡「ま、まあ、なんだ。大人っぽくなったというか……」

結衣「へぇ〜、他には?」

八幡「他には? えーっと、そうだな……」

結衣「ふふーん♪」

八幡「と、とりあえず上がれよ。こんなところで話しててもなんだろ」

結衣「う、うん。そうさせてもらおうかな」

オジャマシマース!

結衣「へぇ〜、広いねー!」

八幡「まあ、仮住まいだけどな」

結衣「こんないいところに住まわせてもらってんだぁ〜、いいなーヒッキ〜」

八幡「……」

結衣「あっ、ごめん……私……」

八幡「いや、いいんだ。別に気にしてないし……」

結衣「……」

八幡 (一気に気まずくなったぞ、おい。こういう時に小町がいてくれれば……)

結衣「それにしてもヒッキー、今身長何センチ?」

八幡「え、あーどうだろうな。180ぐらいあるんじゃねーか」

結衣「だよねー、大っきいなぁ〜って思ったもん。でもそっかぁ〜、身長まで変わっちゃったんだー……」

八幡「まあな。あっちで成長期を迎えたらしい」

結衣「ん? あっち?」

八幡「えっ、あ、うん。この5年間俺日本にいなかったろ? そういう意味での、あっち」

結衣「っ、そうだよヒッキー。今までどこいたの?」

八幡「えーっと、無人島かな」

結衣「無人島にいたの!? 5年間もっ!?」

八幡「ああ」

結衣「へぇ〜、無人島で何やってたの?」

八幡「いや、普通に生活してただけ」

結衣「生活できたの!?」

八幡「うん、結構快適だったぞ。だから、そんな大したお土産話はないな」

結衣「ふーん、いろいろあったんだねー。……でも帰って来てくれて良かったぁ」

八幡「え?」

結衣「だってまたこうやって話せたもん!」

八幡「……そうだな」

結衣「……あっ、そういえばヒッキー! はいこれ!」

八幡「ん、ああ、お土産か。サンキュー」

結衣「最近発売された、新しいMAXコーヒー! ヒッキー飲みたいと思って!」

八幡「まじか、マッカンのことすっかり忘れてた……ありがとな」

結衣「えっへへー」ニコニコ

八幡「それはそうと……えーっと、何だ。他の奴らはどうしてる?」

結衣「ん? あー、みんなね。うん! 元気だよっ!」

八幡「そうか……」

結衣「みんなそれぞれ大学いったりして……もう就職も終わって、そろそろ卒業だから、結構暇みたい! 今度連れてくるよ!」

八幡「いや、いいわ……」

結衣「えーなんでよ〜。ちなみに私は由美子と一緒の大学でね〜……」



この後2時間ぐらい、こいつや他の奴のキャンパスライフを長々と話された。

しかし、その中に雪ノ下の話は出てこなかった……

一旦ここまで

補足ですが、木の欠片って言っても結構でかいです。
腕一本分くらいの長さはあります

結衣「じゃあヒッキー、そろそろ帰るね」

八幡「ああ。気をつけて帰れ」

結衣「うん、今日はありがとう! 久しぶりに話せて楽しかった」

八幡「ん。まあ俺も、そこそこ楽しめたかな」

結衣「エッへへ、相変わらず素直じゃないんだね」

八幡「うるせー……」

結衣「……でも、ほんとよかったなー。ヒッキーはヒッキーのままで」

八幡「え?」

結衣「実はね、ここ来るの、結構緊張してたんだ。ヒッキーも変わっちゃたのかな〜って、思ったから」

八幡「……」

結衣「確かに外見はだいぶ変わってたけど、でも中身はそのままだったからさ! 安心した!」

八幡「いや、いくら5年経ったからって俺は俺だろ。やっぱアホだな、由比ヶ浜は」

結衣「なっ! ヒドッ! 心配してたのにっ!」

八幡「っん……まあ、あれだ。俺は変わらねーよ」

結衣「うん……そうだね!」

八幡「……ああ」

結衣「あ、あとね、ヒッキー。ゆきのんのことなんだけど……」

八幡「……わかってる。なんかあったんだろ?」

結衣「うん……ヒッキーのせいじゃないよっ! ヒッキーのせいじゃないんだけど……」

八幡「……」

結衣「ヒッキーがいなくなったあとね、ゆきのん、ちょっと変わっちゃって……」

八幡「変わった?」

結衣「うん。変わったっていうか……元に戻った感じ……」

八幡「……そうか」

結衣「……うん。今日ゆきのんも呼ぼうかと思ったんだけど、連絡とれなくて」

八幡「いいよ。またどこかであえるだろ」

結衣「……うん。ゆきのんもきっと、会いたいと思ってる」

八幡「……」

結衣「あっ、あともう一個!」

八幡「なんだよ」

結衣「もういなくならないでね」

八幡「っ……」

結衣「お葬式に参加するの、辛かったんだから……」

八幡「……」

結衣「じゃあ行くね、ヒッキー! またね!」

八幡「おう、またな……」


タッタッタ


八幡「……やっぱアホだな、お前は」

小町「おにぃーちゃん、小町入るよ〜」

ガチャ

小町「あれ、いない……お風呂かな?」

ピロリン〜♪

小町「ん? お兄ちゃんゲームつけっぱなしじゃん。どれどれ、小町がセーブでもしてあげるか……」

ダ~メ チャントコッチミテ♪

小町「って、これギャルゲーじゃん! もうぉ〜、小町という攻略対象がいるのに、いけないなぁーお兄ちゃんは……」

ピコンピコン♪

小町「えーっと、セーブは………」ポチポチ

ピロンッ♪

小町「なッ!? お、お兄ちゃん。これギャルゲーだよね?……な、なんでヒロイン全員から嫌われてんの……」

パカッ

八幡「えーっとマッカンは……っと、あった」スッ

プシュ

八幡「……」グビグビ


トコトコトコ 

比企谷母「あら、いたの」

八幡「……ん」

比企谷母「ちょうどいいわ八幡、お風呂入ってきなさい。もう沸いてるから」

八幡「母さん先はいってこいよ」

比企谷母「私は後で入るわ」

八幡「じゃあ小町が先……」

比企谷母「小町、なんか忙しいみたいだから先入ってきなさい」

八幡「……いや、まだいいや。気分じゃない」

比企谷母「……八幡。もしかして傷、痛いの?」

八幡「あ? そんなわけないだろ。今まで普通に入ってたの、見てなかったのかよ」

比企谷母「そうじゃないけど……」

八幡「平気だって。もう治ってるし」

比企谷母「でも……」

八幡「母さん、平気だから。心配すんなよ」

比企谷母「……」

八幡「……とにかく、俺後でいいから。あと傷のことは小町に言うなよ。余計な心配かけたくない」スタスタ

比企谷母「……わかったわ」

八幡「……」トコトコ

ガチャ

小町「っ! お兄ちゃん!」


八幡「ん、なんだ小町。いたのか」

小町「ど、どこにいってたの?」

八幡「いや……喉乾いたから、台所にいってただけだが……」

小町「そ、そう……」

八幡「……どうかしたか?」

小町「う、ううん。なんでもない……」

八幡「……そうか」

小町「ねえ、お兄ちゃん」

八幡「ん?」

小町「このゲーム、難しい?」

八幡「ああ、それか。いや、別にたいして難しくないな」

小町「……で、でも、どのヒロインの好感度も低いよ?」

八幡「……あーいや、一通り終わったから。Badエンドも見ておこうかと思って」

小町「あっ、そーゆうこと!」

八幡「……なんだ? なんか変だぞ小町」

小町「なんでもない。なんでもないよ、おにぃ〜ちゃんッ」

八幡「……そうか」

小町「……」




小町 (プレイ時間、たった4時間で一通り終わったの……かな……)

小町「そういえばお兄ちゃん、今日由比ヶ浜さん来てたんだって〜?」

八幡「おう、まあな」ピコピコ

小町「連絡先交換した?」

八幡「ぁ、連絡先?」ピコピコ

小町「はぁ〜、だと思ったよ。はいこれっ」ポイッ

八幡「ん? なにこれ?」

小町「お兄ちゃんのスマホ。これから何かと使うでしょ? 由比ヶ浜さんの連絡先も入れといたからさ」

八幡「こ、これがスマホ……進化したんだな」

小町「あー、ま〜ね。小町が作ったわけじゃないけど」

八幡「ちなみにこれ、jPhone いくつなんだ?」

小町「うーんと、10だっけ」

八幡「テ、テン……」

小町「まあ、無人島で生活してたら、スマホなんて使わないもんね〜」

八幡「ああ。でも、こっちでも使うかどうか……」

小町「っ……使うよ! まったく、これだからゴミィちゃんは……」

小町「そーえばお兄ちゃん、外出ないの? あれからずっと引きこもりじゃん」

八幡「外? めんどくせー」ピコピコ

小町「なっ……お兄ちゃん、それ完全ダメ人間のセリフだよ」

八幡「いや、だって外出てる間ずっと監視されてんだぞ。やだろ、なんか」ピコピコ

小町「えー、そーかな。送り向かいしてくれるだけだと思うけど……」

八幡「小町たちはそうかもしれないが、俺の場合はちげーんだよ」ピコピコ

小町「えー、なんでよ」

八幡「……なんでも」ピコピコ

小町「出ようよぉー、小町が5年ぶりの千葉を案内するから〜」

八幡「自由になったらな」ピコピコ

小町「ぶーぶー」

八幡「……」ピコピコ

小町「……ねえ、お兄ちゃん。平気?」

八幡「ん? だから平気だって」ピコピコ

小町「なんか小町に話したいことあったら言ってね。いつでも相談にのるよ」

八幡「んー……ぁ、じゃあ一ついいか?」ピコピコ

小町「え、なにお兄ちゃんッ! どうぞどうぞ〜」

八幡「小町、彼氏いるのか?」

小町「……」

八幡「……」

小町「……は?」

八幡「ん?」

バタン


八幡「え、何」

ブーブー ユーガッメール

八幡「……メール? 由比ヶ浜からか?」タップ



差出人: 平塚 静
宛先: 比企谷 八幡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Re: まあなんだ、おかえり
____________________

君のことは由比ヶ浜から聞いたよ。
私も会いに行きたいが、今ちょうど仕事が忙
しくてね。
だが明日の夜なら空いているんだ。もし君の
外出が許可されているなら、ラーメン、久し
ぶりに食べに行かないか?
もちろんおごりだ

____________________



八幡「なんで先生のアドレス……小町か。でも懐かしいな、平塚先生。……たまには行くか、監視の目は気に食わんが」



差出人: 比企谷 八幡
宛先: 平塚 静
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Re: はい、是非
____________________

送り向かいはこっちでやってもらえるみた
いなんで、場所だけお願いします。

____________________


八幡「送信っと」

次の日



ガチャ

付き人「では、私はここで待っていますので、何かありましたらお呼び下さい」

八幡「はい、わざわざすみません」

付き人「いえ。では後ほど」

バタンッ

八幡「……って言って、どっかで見てんだろ。――えっと、確かこの辺で待ち合わせだったよな」トコトコ


平塚「……」


八幡「お、あれか? もう少しあれだと思ってたが……変わってないな」

トコトコ

平塚「……ん?」

八幡「先生、お久しぶりです」

平塚「……いや、まさかな。比企谷か?」

八幡「そうですよ。先生の、元教え子の比企谷です」

平塚「久しぶりだな比企谷。なんというか……変わったな」

八幡「まあ、だいぶ。先生も変わりましたね。ちょっとふ――」

平塚「ふんッ!」ドッ

八幡「」パシッ

平塚「なっ!」

八幡「……あっ、いえこれは」サッ

平塚「……っふ、私の拳を受け止めるとは。君も随分成長したみたいだな」

八幡「まあ、感は良くなったかもしれません」

平塚「はははは、そうか。まあいい、挨拶は終わりだ。早速行くぞっ」スタスタ

八幡 (今のが挨拶なのか……)トコトコ

一旦ここまで

「送り向かい」って何だよ「送り迎え」だろ、言葉を知らない小学生かよ

>>70
誤字指摘、ありがとうございます

小町って由比ヶ浜のこと「結衣さん」って呼んでなかったっけ
勘違いならスマソ

>>76
ご指摘ありがとうございます。以降、結衣さんで統一させてもらいます。

平塚「改めて比企谷、おかえり、だ」

八幡「はぁ、どうも」

平塚「なんだ、嬉しそうじゃないな。もう聞き飽きたか?」

八幡「いえ。ただ、実感がわかないだけです」

平塚「帰ってきた気がしないのか?」

八幡「……そんな感じですかね」

平塚「……まあいい。とにかく、君が帰ってきてくれて嬉しいよ。今日は私のおごりだ。遠慮せず食べろ」

八幡「ご馳走様です」

平塚「でもなんだ。外見はすっかり見違えるようになったが、中身は案外そうでもないな」

八幡「まぁー、人はそう変われるものじゃないってことですかね」

平塚「そうそう、その言い方だよ。それが君だ。懐かしいな……」

八幡「……それはそうと、まだ教師を?」

平塚「当たり前だよ。これが私の天職だからね。まあ、もう総武高の教師ではないが」

八幡「異動したんですか?」

平塚「ああ、3年前に別の高校に移ったよ。少し騒々しい学校だが、うまくやっていけてる」

八幡「そう、ですか……」

平塚「総武高での出来事は、私を教師としても、人間としても成長させてくれた。ひとえに君たちのおかげってことだ」

八幡「はぁ……」

平塚「だから、君たちには感謝してる。ただ……」

八幡「ただ?」

平塚「心残りなことといえば、やはり君のことだ、比企谷。君を、卒業まで見届けたかった」

八幡「……」

平塚「……なんか湿っぽくなってしまったな。せっかくなのに、すまない」

八幡「いえ、俺は別に……」


ハイオマチ! ドンッ

平塚「お、来たな。よし、話はラーメンを食べてからにしよう。さあ比企谷、どんどん食べろ」

八幡「あ、はい。いただきます」

マイド!


平塚「どうだ比企谷。まだ時間はあるか?」

八幡「はい。大丈夫です」

平塚「そうか。じゃあ少し歩かないか? まだ私も話足りなくてね、君と久しぶりにあったものだから」

八幡「まあ、俺も聞きたいことがありますし。ちょうどいいですね」

平塚「聞きたいこと?」

八幡「はい。雪ノ下のことです」

平塚「由比ヶ浜から聞いたのか。そうか……君も心配しているんだな」

八幡「いえ、俺は別に……」

平塚「いやいや、悪いとはいってない。むしろいいことだ。君にも、あの子にも……」

八幡「……」

平塚「君の損失は、君が思っている以上に大きくてね。あの事故で、誰もが動揺していたよ」

八幡「……」

平塚「でも雪ノ下はなんというか、それを表に出そうとはしなかった。淡々として、いつも通りに振る舞おうとしていたんだ」

八幡「……」

平塚「でも、さらに追い討ちかけるように、あの子には災難が降りかかった」

八幡「災難?」

平塚「雪ノ下のお母さんが倒れたんだ。ただの過労だったみたいだが」

八幡「……」

平塚「彼女自身、家のことでいろいろとあったから、それとそれとが重なってね」

八幡「……」

平塚「結局、彼女はそれを一人で抱え込み、そして変わってしまった。いや元に戻って、さらに悪くなったと言うべきか」

八幡「なるほど……」

平塚「由比ヶ浜たちには非はない。母親のことは伝えてなかったからな。それも、あいつの希望だったんだが……」

八幡「……」

平塚「今思うと、可哀想なことをしてしまったよ。彼女自身でどうにかできる、と考えてしまったんだ。だから私も、手を出さなかった」

八幡「……なんかすみません。自惚れかもしれませんが、俺のせいで」

平塚「いや、悪いのは私たちだ。一番苦しいときに、あいつのそばにいてやれなかったんだから」

八幡「……今、雪ノ下はどこに?」

平塚「大学に行って、それからはわからないな」

八幡「どこの大学ですか?」

平塚「**大学だ。そこの理工学部」

八幡「……理工学部に?」

平塚「ああ。あいつと一緒の道だよ。陽乃とな」

八幡「……」

平塚「それで比企谷、無人島はどうだった?」

八幡「無人島?」

平塚「由比ヶ浜から聞いたぞ。この5年間、ずっと無人島で暮らしていたらしいな」

八幡「あー、はい。まあまあです。なんとかやっていけました」

平塚「そうか……だが辛かっただろう」

八幡「まぁ……でも、元々ぼっちだったんで、人との会話には困りませんでしたね。むしろ快適っていうか」

平塚「……」

八幡「……」

平塚「……話したくないならそれでいい。だが、何かあれば遠慮なく言ってくれ。いつでも相談にのる」

八幡「……」

平塚「慣れているとはいえ、5年もの間、独りぼっちだったんだ。相談の一つや二つ、あるんじゃないか?」

八幡「……じゃあ、一つだけ。いいですか?」

平塚「もちろんだ」

八幡「……この5年間、俺が考えていたのは、生き残ることだけでした」

平塚「……」

八幡「でも、生きるためには、何かを犠牲にしなきゃいけません。例えば、食料を確保するために、魚や鳥を殺したりとか」

平塚「……そうだな。私たちは、何かの犠牲の上に成り立っている」

八幡「果たして、それは正しいんですかね。何かを犠牲にして生きることというのは、正しいことなんですかね」

平塚「……」

八幡「……」

平塚「……正しいか正しくないかは、私もわからない。だが」

八幡「?」

平塚「それは必要なことなんじゃないのか。人間としても」

八幡「……」

平塚「こんな答えしか出せないで、すまないな。私も哲学的なことはあまり得意じゃなくてね」

八幡「いえ。これでやっと、決心がつきました。ありがとうございます」

平塚「決心?」

八幡「はい。これからどうするか、です」

平塚「そうだ比企谷。これからどうするつもりなんだ?」

八幡「……」

平塚「言いたくはないが、君の学歴だと……」

八幡「……」

平塚「私にできることならなんでも言え。縁はないが、人脈はあるほうだ」

八幡「そういえば先生、いまだに……」

平塚「う、うるさい! 私に見合う男がいないだけだ!」

八幡「つまり、独神ですか……」

平塚「ま、まだ平気だ。まだ辛うじて、アラサーだ」

八幡 (誰かもらってあげて……)

平塚「それでだ。何かなりたい職業とかあるのか?」

八幡「いえ、特に……ただやりたいことは決まってます」

平塚「やりたいこと?」

八幡「はい、詳しくは言えませんが。同時に今、自分がやらなきゃいけないことだと感じています」

平塚「そうか……目標や希望を持つことは大切なことだ。それがなんでさえ、私は君を応援する」

八幡「……ありがとうございます。――あっそういえば、なりたい職業といえばありましたね、一つ」

平塚「ん? なんだそれは?」

八幡「専業主夫です」

平塚「……君というやつは、まだそんなことを」

八幡「先生、俺がもらってあげてもいいですよ」

平塚「はぁー、まったく。君もそんな冗談が言えるほど、成長したんだな」

八幡「まあ……」

平塚「今日は楽しかったよ」

八幡「俺もです。ラーメンご馳走様でした」

平塚「ラーメンぐらい、いつでも奢るさ。今度は飲みにでも行こう」

八幡「……ええ」

平塚「じゃあな、時々でいいから連絡するんだぞ」

八幡「はい。先生もお元気で」


トコトコトコ

眠くて、推敲もろくにしてないので、文がめちゃくちゃなところがあるかもしれません。

今日はここまで。また明日

イエスですわ、閣下
これからツッコミどころが多くなると思いますが、まあ突っ込んでください。
あと地の文すみません。なるべく少なくなるように努力します。

 それからほどなくして、俺たち家族は元の家に帰ることとなった。俺にとっては5年ぶりの我が家だ。
 もちろん、あらゆるサービスや付き人による送迎などはこれっきりだ。それだけは少し名残惜しかった。


 しかし、なぜ2週間あまりにもわたって、あの場にとどめられていたのか。マスコミの騒ぎもおさまったというのに、俺に監視までつけて……
 その答えは、大体想像することができた。


 というのも、政府の本当の目的は、俺の情報ではなく、俺自身の目的にあったからだ。
 どうやら俺を、隣国のスパイだと疑っていたらしい。まあわからなくもない。5年間も行方をくらまし、いきなり中国政府によって身柄を拘束されたんだ。誰でも疑うはずだ。


 しかし、政府の連中もやっとわかってくれたみたいだ。
 まあそもそも、帰ってきてもろくに仕事のない俺に、スパイなんか務まるかどうかだが、どちらにせよ、監視がなくなることは都合が良かった。
 

 今思えば、政府の連中はもう少し用心するべきだった。
 もっとも、5年前の飛行機事故から、たった一人生還した男。その男がこれからすることを、予想できていたらの話だが……

それはそうと、今日は無理矢理小町に連れられ、千葉の街を案内してもらっていた。
 久しぶりの街だ。一体どんな風に変わったのか……



八幡「なあ、小町。あんな建物なかったよな」

小町「あー、あれね。確か2年前ぐらいにできたやつだったかなぁ〜。おっきいでしょ?」

八幡「ああ、というか幕張変わりすぎだろ。空き地が目立ってたのに、すっかりビルだらけじゃねーか」

小町「そうだよ〜。地下鉄までとおっちゃって、もう都会の一員だよ、千葉県も」

八幡「はぁ。俺の愛する千葉が、変わり果てた姿に……」

小町「お兄ちゃんと一緒で、5年もあれば変わるんだよッ。それよりさ、海行こうよ、海!」

八幡「海? まあいいけど」

稲毛海浜公園




八幡「なあ、あれって……」トコトコ

小町「あー、うん。ホームレスの人たち」トコトコ

八幡「ずいぶん増えてないか? こんなにいなかっただろ」

小町「……うん。まあいろいろあってね」

八幡「いろいろ?」

小町「うん。3年ぐらい前かな、大不況ってやつがおとずれたみたいで、結構な人がリストラにあったんだー」

八幡「……」

小町「ニュースすごかったんだよ!? 小町でも知ってる会社がね、倒産したり、どっかと合併したり……」

八幡「……」

小町「で、そのあと良くなったたんだけど……なんというか、良くなりすぎて」

八幡「貧富の格差が増大したと」

小町「うんうんそうそう。それで今じゃあんな感じ。まだ千葉はましだよ、東京なんて、もっとすごかったもん」

八幡「うちはよく平気だったな」

小町「パパやママンは結構凄いからね。リストラには合わなかったみたいだよ〜」

八幡「へぇ〜、ラッキーなことだ」

小町「もぉー、人ごとみたいに言って〜……」

八幡「でも、犯罪も増えただろ。社会に不満を持つやつとか出てくるわけだし」

小町「……うん、増えた……ね」

八幡「ん、どうした?」

小町「……ううん、なんでもない」

八幡「……そうか」

小町「あっ、ほらみてお兄ちゃんッ! 小町、あれを見せたかったんだよ!」

八幡「ん?……おお、なんだありゃ」

八幡「でかいな……あんなのいつたったんだ?」

小町「まだ建設中らしいよ。海の上につくってるから、時間かかるみたい」

八幡「へぇ〜。で、何建ててんだよ、あれ」

小町「ここでお兄ちゃんにクイズッ! あれはなんでしょ〜か?」

八幡「クイズって……うーんと……あの方向からいうと……」

小町「ふふ〜ん♪」

八幡「もしかして……あれ、海ほたるがある場所か?」

小町「ピンポーンッ。そうだよ、海ほたるのところにつくってるんだよ〜」

八幡「何を」

小町「それを当ててよ」

八幡「ディスティニーランド?」

小町「おしい!」

八幡「おしいのか……じゃあUMJ」

小町「ブッブゥー!」

八幡「わかんねーよ、なんだよ」

小町「正解は……カジノパーク!」

八幡「カジノパーク?」

小町「そうだよ、国内唯一のカジノパーク!」

八幡「カジノってダメじゃなかったのか」

小町「それがね、ありになったんだって〜。海外からの旅行者が多くなったから、やっぱ必要だろって」

八幡「へぇ〜」

小町「すごいよねー、あんな場所にカジノパークなんて……小町も行ってみたいなぁ」

八幡「でもなんで海ほたるの場所に? あそこただのパーキングエリアだろ」

小町「それは小町も知らな〜い。便利だからじゃないの? 空港近いし」

八幡「まあそうだけど……」

小町「あ、それにね。電車も通るみたいだよ」

八幡「電車も? 海に?」

小町「うんっ。すごいよねー」

八幡「東京湾大丈夫かよ。そのうちなくなるだろ」

小町「うーん、でもいいんじゃないかな。海広いし」

八幡「……」

小町「あ、あとね。あのカジノパークを建設してる会社がね、あの雪ノ下建設なんだって!」

八幡「……雪ノ下建設?」

小町「うん! 雪乃さんのパパの会社だよ!」

八幡「……」

小町「まあそれだけじゃないんだけど、雪ノ下建設が主になって進めてるんだって〜」

八幡「……へぇ〜」

小町「じゃあ、そろそろ帰ろっか?」

八幡「ああ、そうだな」


小町「そーえばさ〜、結衣さんとかとはもう会わないの?」トコトコ

八幡「あー、なんかあいつがみんなを誘ってるらしいけど、なかなか集まんないんだって」トコトコ

小町「へぇ〜。――ちゃんと行くんだよ、お兄ちゃん」

八幡「っ、わかってる。さすがに失礼だからな。心配してくれたんだし」

小町「ふ〜ん♪ 前のお兄ちゃんなら『別に心配してくれなんて頼んだつもりねーよ』とか言って、絶対断ってたよね〜」

八幡「……そうか?」

小町「うんうん。お兄ちゃん成長したね〜、偉い偉い!」

八幡「……」

小町「ッ♪」


家無し1「お、おい、あんたたちっ」


八幡「ん?」

小町「えっ……」

すみません一旦ここまで
今日の21時にかけてまとめて投下します

「お……お父さん。わがままを……許してくれますか?」

「あ、あぁー……うぅ……。――許す。最後の命令だ、心に……従え」

「了解」


を見てて遅れました。すみません。今から投下します
あと補足ですが、八幡は筋肉バキバキの細マッチョではありません。普段衣服を着ているのでわかりにくいですが、筋肉ムキムキのゴリマッチョです

家無し1「あ、あんたら雪ノ下建設がなんとか言ってたよな……な?」

家無し2「ちゃんと聞いてたんだ! そのお嬢ちゃんが、パパの会社とかなんとかってな!」

八幡 (こいつら、さっきの話を……)

家無し3「し、しらばっくれても無駄だぞ! こ、こたえろよ!」


小町「……お兄ちゃん」ギュッ

八幡「小町、俺の後ろにいろ」

小町「うん……」スッ

八幡「ええ、確かに言いました。それがどうかしましたか?」

家無し1「あ、あんたら雪ノ下さんのお子さんか?」

八幡「残念ながら違います。知り合いにそういった方がいるだけです」

家無し2「なら、その知り合いに今すぐ電話しろ!」

八幡「はい? なんでですか」

家無し2「そりゃおめぇ、俺たちを雇い直してもらうためだ!」

八幡「雇い直す?」

家無し3「そうだ。俺たちは3年前、雪ノ下建設にリストラされたんだ!」

家無し1「俺なんか30年も務めてきたのによ、いきなりだったんだぜ? あんまりだろ……」

家無し2「だから電話しろ! 電話して俺たちを元に戻せって伝えろ! じゃねーと」

八幡「じゃねーと?」

家無し2「じゃねーと……あんたたちを酷い目に合わす!」キッ

小町「っ……」ビクッ

家無し1「そ、そうだ! 俺たちは本気だぞ!」

家無し3「あ、ああ!」

八幡「……」

小町「……」ギュ

八幡「……悪いが、それはできません」

家無し1「な、なんでだよ!」

八幡「知り合いといってもそれだけです。現にこの5年間、一度も顔を合わせていない」

家無し3「で、電話番号ぐらい知ってるだろ!」

八幡「知りませんよ。5年も連絡を取ってないのに、知るはずがないでしょ」

家無し1「な、なら……なんでもいいからどうにかしろ!」

八幡「と、言われてもな……」

家無し2「……お前がやらないなら、俺がやる!」

八幡「はい?」

家無し2「携帯電話を貸せ」

八幡「いや、かすわけないでしょ」

家無し2「いいから貸せ!」スッ

小町「キャッ!」

八幡「……」

家無し1「お、おい家無し2! さすがに包丁はまずい!」

家無し3「そ、そうだ。脅すだけって言っただろ!」

家無し2「う、うるせー! こうでもしねえと、こいつらわかんねーだろ!」


小町「お、お兄ちゃん……」ブルブル

八幡「ん、おい小町、どうした?」

小町「こ、こわいよ……小町こわいよ……」ブルブル

八幡「っ……」

家無し2「こんなチャンス、もうないかもしれねーんだ。ここでやるしかないだろ!」

家無し1「いや、でも……」

家無し3「……」

八幡「なあ。とりあえずそれ、しまってくれ。妹が怖がってる」

家無し2「俺たちはな……今まで頑張って働いてきたんだ。それなのに、あの会社はクビの2文字で片付けやがった……あんなに尽くしてやったのによ!」ブンッ

小町「ひゃッ!」

八幡「っ、わかった……わかったから、包丁はしまってくれって」

家無し2「今さら他の仕事になんてつけねぇ、こんなおっさんじゃな。バイトだって今は定員オーバーだ。そんな状態で何しろっていうんだよ……」

八幡「……そうだな。あんたの言う通りだ。わかったから、包丁はしまってくれよ」

家無し2「……わかって……わかってねぇーだろが!!!」

八幡「……」

小町「お、おにぃ……」ブルブル

家無し2「お前らみたいなやつに、俺たちの気持ちがわかってたまるかよっ!!」

八幡「……」

家無し1「も、もういいだろ? 家無し2。な?」

家無し2「いい? 何が! アリのように働かせられ、挙げ句の果てにはポイだぞ! それの何がいいってんだ!」

家無し3「で、でも。これ以上やったら……」

八幡「……頼む。話しはいくらでも聞くし、協力だってする。だから包丁はしまってくれ」

家無し2「うるせー! またそうやって俺に命令しやがって! お前らだ……お前らのせいで……お前らのせいだぁぁあああ!!!」バッ

家無し3「おい!」

家無し1「よせッ!」

家無し2「うわぁあああああ!!!」ダッダッ

八幡「小町下がれ!」

ダッダッダ

小町「キャーーー!!!」

八幡「っ……」グッ

家無し2「死ねぇえええ"え"ぇ!」シュッ

八幡「」スッ

家無し2「なっ!」

八幡「」ブンッ

バキッ



家無し2「あえ"ア"あ""ああぁ"ぁぃぁぁぁァ!!!」

家無し1「家無し2っ!?」

家無し3「な……な!?」

家無し2「い"でぇぇええええ"!!! うでがぁあああ"あ"!!!」

八幡「……自業自得だ」サッ

バタッ

家無し2「ぁ"……ぃ"ぇ"ぇ……ッい……うでがががが……」

家無し1「家無し2!」

家無し3「え……」ボーッ


八幡「小町、おい小町」

小町「うぅ……ぅぅ……」ブルブル

八幡「……」

スッ

八幡「……小町、お兄ちゃんにしっかり掴まってろ」ダキッ

小町「ぅ……」ギュー


家無し1「お、おいあんた! 待てよ! 家無し2はどうすんだよ!」

家無し2「い"ぃ……ぇえ"ぅ……ぁかぁあ……」

八幡「ん? 腕を折っただけだ。命に問題はない」

家無し1「う、腕だと!? お、おまえ……そんなことして……」

八幡「言っとくが、警察を呼べばお前らが捕まるんじゃないか?」

家無し1「なっ……じゃ、じゃあ……慰謝料、払えよ……」

八幡「は? 慰謝料?」

家無し1「そ、そうだ……慰謝料だ! 腕折っといて逃げるのはないよな……な?」

八幡「……」

家無し3「そうだ! い、慰謝料よこせ!」

八幡「……おい」グッ

家無し1「っ、ななんだよ……」ビクッ

八幡「命があるだけ感謝しろ。次あったら殺すぞ」ギロッ

家無し1「うっ……」

家無し3「ひ……」


八幡「行くぞ小町、ちゃんと掴まってろ」

ダッ
タッタッタ



ガチャッ

八幡「ほら小町、家着いたぞ」

小町「……」ブルブル

八幡「おい、小町?」

小町「……」ブルブル

八幡「……ちょっと待ってろ」

タッタッタ

トントントンスリスリ
ジャー

八幡「……ほら小町、飲め」スッ

小町「……」コクッ

八幡「……ゆっくりでいいからな」

小町「ん……」ゴクゴク

八幡「……どうだ?」

小町「……うん」

八幡「そうか……」


『続いてのニュースです。◯◯財閥の裏金問題が摘発されていましたが、警察の細い調査により事実ではないと確認されました……』


八幡「……」


『今日午後2時半頃、銀座二丁目の宝石店に強盗が入り……』


八幡「……」


『増大する貧富の差、ズバリ何に原因があるかと言いますとね。それは貧しい方に問題が……』


八幡「……」


『ロシアの核物理学者が、新たの核燃料の開発に……』


八幡「……」


ガチャ
スタスタ

比企谷母「っ、八幡、起きてたの?」

八幡「……まあ」

比企谷母「小町は?」

八幡「もう寝てる」

比企谷母「そう……」

八幡「……」

比企谷母「……」

八幡「……なあ母さん」

比企谷母「ん、なに?」

八幡「小町、なんかあったの?」

比企谷母「え、なんで?」

八幡「いや、妙に包丁怖がってたから……」

比企谷母「っ! 小町に何かあったの!?」

八幡「え、いや、俺が料理してる時に、手伝ってくれって包丁渡したら……」

比企谷母「何やってんの!」

八幡「え」

比企谷母「あっ……ううん、ごめん。八幡は悪くないわね……」

八幡「なんか……あったんだな……」

比企谷母「……うん」

八幡「教えろよ」

比企谷母「……」

八幡「なあ、母さん」

比企谷母「小町が、お兄ちゃんに言わないでって……だから……」

八幡「心配ならもうしてる。教えてくれないと、もっと心配することになる」

比企谷母「……」

八幡「……」

比企谷母「わかった……」

比企谷母「小町が高3になって、夏休みが過ぎたころ……あの子……襲われたの」

八幡「襲われた?」

比企谷母「……ええ。学校の帰り道、知らない男にいきなり刃物を突きつけられて……それで……」

八幡「……」

比企谷母「ちょうど近くを通った、小町の同級生が助けてくれたみたいだから、それ以上はされなかったみたいなんだけど……」

八幡「……」

比企谷母「それからあの子……刃物とか見ると、震えが止まらなくなるみたいで……」

八幡「……で、その男は? 捕まったのか?」

比企谷母「……ううん。まだ」

八幡「……」

比企谷母「でも、小町は犯人の顔を見たはずなのよ。けど、言おうとしなかった……」

八幡「なぜ?」

比企谷母「わからない……何度も聞いたけど、『大丈夫だから』しか言わなかったの……」

八幡「……その同級生は?」

比企谷母「小町のお友達らしくて、元気のいい男の子って感じだったわ。たしか、川なんとかさんっていったかな」

八幡 (川……あー、いたな。たしかそんの。ってことはあいつの弟か)

比企谷母「八幡。小町には……」

八幡「ああ、わかってる。いつも通り接するから」

比企谷母「……ありがとう、八幡」

プルルルル

結衣『はーい! もしもし〜?』

八幡「……」(あれ、これマイクどこについてんだ?……これかな?)

結衣『あれ? もしもし〜』

八幡「由比ヶ浜か?」

結衣『……えっ! ヒッキー!? どうしたの!?』

八幡「悪いなこんな夜遅く、寝てたか?」

結衣『ううん、寝てないけど……』

ダレ〜ユイー モシカシテカレシ? チ、チガウカラッ!

八幡「みたいだな……」

結衣『えっへへ〜……で、どうしたの?』

八幡「あー、ちょっと聞きたいことがあって」

結衣『聞きたいこと? なになに?』

八幡「高校の時、うちのクラスに川……川なんとかっていなかったか? 苗字に川がつく奴。女子で」

結衣『川? もしかして、サキサキのこと?』

八幡「あー多分そう。サキサキ」

結衣『それがどうしたの?』

八幡「ちょっとそいつに聞きたいことがあって、まあ細かく言うと、そいつの弟に用があるんだけど」

結衣『うんうん』

八幡「それで連絡先とか知ってるか?」

結衣『サキサキの? うん、知ってるよ』

八幡「悪いんだけど、教えてもらえないか?」

結衣『うん、全然いいよー! 後でメールに、番号とアドレス貼って送るねっ』

八幡「おう、悪いな」

結衣『いいっていいって、それぐらい。あっ、でさヒッキー!』

八幡「ん?」

結衣『まえ言ってた件なんだけど、みんな来週の日曜日なら集まれるって!』

八幡「……なんか悪いな、わざわざ」

結衣『だからいいって〜。場所はまた決まったら教えるね!』

八幡「ああ、わかった。ありがとな」

結衣『ううん。じゃあヒッキー、おやすみ〜!』

八幡「んー」


プツッ プープー

八幡「……」

ブーブー ユウガッメール

八幡「はやっ」


差出人: 由比ヶ浜 結衣
宛先: 比企谷 八幡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Re: ( ̄^ ̄)ゞ
____________________

これがサキサキのメアドだよ!
U・x・U


saki1026@evweb.ne.jp

09010260808


また今度お茶しよっ(^_−)☆

____________________


八幡 (サンキュー由比ヶ浜っと、送信。えーっと、サキサキの件は……もう遅いし、明日にするか)

次の日



プルルルル

沙希『はい』

八幡「あ、もしもし」

沙希『もしもし』

八幡「サキサキですか?」

沙希『……は?』

八幡 (あれ、おかしいな。番号間違えたか?)

沙希『あの……誰ですか?』

八幡「あ、どうも。比企谷八幡です」

ガタッ

八幡「ん?」

沙希『……あんた、なんで』

八幡「由比ヶ浜から電話番号聞いたんだけど、ちょっと聞きたいことあって」

沙希『……私に?』

八幡「うーん、正確にいうと弟に」

沙希『大志に?』

八幡「そうそう、タニシに」

沙希『……』

八幡「ん?」

沙希『……たいし』

八幡「え?」

沙希『たいし、だから』

八幡「あーうんうん。たいしに」

沙希『あいつ大学いってて今いないけど……何か用?』

八幡「あー、えっと……俺の妹のことなんだけど……伝わるかな?」

沙希『……わかった、伝えとく。けど、どうすればいい?』

八幡「どうするって、何が?」

沙希『いや、大志のメアドとか教えたほうがいい? てか、まずあんたの知らないけど』

八幡「あー、めんどくさいからいいや。会って直接話したいし。どこでもいいから場所、セッティングしといてくれ」

沙希『しといてくれって言われても……』

八幡「あ、ほんとどこでもいい。できればサイゼ」

沙希『わ、わかった……伝えとく』

八幡「ん、じゃあまた」

沙希『ね、ねえ!』

八幡「ん?」

沙希『……お、おかえり』

八幡「ああ……ただい――」

プツッ プープー

八幡「なんだあいつ……」

トントン

八幡「……小町、平気か?」

小町「うん……大丈夫」

八幡「今日は大学行かないんだろ? しっかり身体休めとけよ」

小町「うん……」

八幡「……じゃあ俺、仕事探しに行ってくるから」

小町「……お兄ちゃん!」

八幡「ん、なんだ?」

小町「昨日は、ありがと……私」

八幡「いいって。あんなの、誰でも怖いよな」

小町「……うん」

八幡「じゃあ行ってくるわ。またな小町」

小町「うん。いってらっしゃい……」

後日
サイゼリア



カランコロン

八幡「……すみません。ツレが先入ってると思うんですけど」

店員「あ、はい。何名様ですか?」

八幡「2名だと思います」

店員「2名様ですね……少々お待ちください」

八幡「あ、はい」

          ・
          ・
          ・

店員「すみませんお客様。2名様でのご来店予定はありません」

八幡「え、本当ですか?」

店員「はい。3名様のご来店予定で、先2名様が来店している席はあるのですが……」

八幡「……あ、たぶん……そこです」

店員「そうでございましたか。わかりました、ご案内します」

八幡「あ、はい。すみません」

トコトコ

店員「あちらの席でございます」

八幡「お」

店員「では、ごゆっくり」スタスタ

トコトコ

八幡「よう」

沙希「……え?」

大志「あれ? もしかしてお兄さんですかっ!?」

八幡「おう、大志。久しぶりだな。あとお兄さんって呼ぶな」

大志「久しぶりです! テレビで見てまさかとは思いましたが……めっちゃカッコよくなって帰ってきたじゃないですか! な、姉ちゃん!」

沙希「え、う、うん……」

八幡「お前も久しぶりだな。サキサキ」

沙希「うん、久し――ってあのさ、電話の時も思ったんだけど、なんでサキサキって呼んでるの」

八幡「え、違うのか?」

沙希「違わないけど……それニックネームだから。5年ぶりだからって、名前ぐらい覚えてるでしょ」

八幡「あー、悪いな川なんとか」

沙希「……川崎」

八幡「え?」

沙希「川崎沙希!」

八幡「あ、はい。川崎さん」

八幡「で、なんでお前も来たんだ?」

沙希「ダメなの?」

八幡「あ、いや……別にそういう意味で言ったわけじゃないです」

沙希「そっ……」

大志「……で、お兄さん! 俺に用って何ですか?」

八幡「あー、小町の話を聞いてさ。たしか高3のときの」

大志「あっ……小町ちゃんのことですか……」

沙希「……」

八幡「聞いたところによると、お前が助けてくれたみたいだから。礼を言おうと思って」

大志「いえ、そんな! 俺は別に!」

八幡「いやいや、俺がいないときに小町を助けてくれてありがとな。ほんと感謝してる」

大志「……俺なんて全然」

八幡「それでさ、悪いんだけど、事件のことを詳しく教えてくれないか? 犯人のことも知ってたら詳しく」

大志「……」

八幡「?」

沙希「大志。もういいじゃないの? それにこいつは仮にも、小町ちゃんの兄なんだから、全部隠さず話しなさい」

八幡「仮じゃねーよ」

大志「……はい……わかりました。じゃあ最初から全部、お話します」

今日はここまで。また明日

ごめん、ユリアン……
今から投下します

大志「その日は用事があったんで、一人で帰ってたら、突然どこからか女性の悲鳴が聞こえてきて……」

八幡「……で?」

大志「で、悲鳴の出どころは雑木林からでした。だから、中へ入って確かめようとしたんです。そしたら……」

八幡「小町だったんだな」

大志「……はい。ちょうど犯人は馬乗りの状態で、小町ちゃんにナイフを突きつけていました」

八幡「……それから?」

大志「それを見た俺は大声を出しました。犯人は驚いて、すぐさま逃げて行って……。だからその時は、それで終わったんです。あとは警察を呼んで、事情聴取を」

八幡「警察にはなんて?」

大志「いま言ったことをそのまま話しました。それ以上のことはなにも……」

八幡「……犯人の顔は見なかったのか?」

大志「えっ、あ……」

八幡「?」

大志「……」

八幡「……俺の親もな、そこを不思議に思ってるんだ。小町は顔を見たはずなのに、なぜか言おうとしないって」

大志「……」

八幡「何か理由があるんだろ? 言えない理由が」

大志「……はい」

八幡「なんだ?」

大志「……」

八幡「別に責めてるわけじゃない。ただ俺は兄として、小町の力になってあげたいだけだ」

大志「……」

沙希「……ほら大志」

八幡「……」

大志「みました……」

八幡「ん?」

大志「……犯人の顔なら見ました。でも、それだけじゃなかったんです」

八幡「というと?」

大志「犯人の正体も知ってたんです。小町ちゃんも俺も」

八幡「……どういう意味だ?」

大志「つまり……犯人と顔見知りというか……」

八幡「なっ……」

大志「犯人の名前は、カマセ イヌ。俺たちのクラスメイトだった男です」

八幡「つまり、そのカマセに小町は襲われたと?」

大志「……はい」

八幡「なぜそれを言わなかったんだ? 言えばカマセも捕まっただろ」

大志「……」

八幡「おいおい、まさかそいつを庇って――」

大志「いえ! そんなこと絶対しません!」

八幡「……じゃあなんでだよ」

大志「……」

沙希「……言わなかったんじゃなくて、言えなかったの」

八幡「は?」

沙希「そのカマセが、あの◯◯財閥の御曹司だからだよ」

八幡「◯◯財閥って、あの裏金のやつか」

沙希「そう」

八幡「それがどうしたんだ? そいつが金持ちのお坊ちゃまだからって、関係ないだろそんなの」

沙希「大有りだよ。◯◯財閥は、世界でも有数のトップ企業集団。そこの御曹司をレイプ魔呼ばわりすんだよ?」

八幡「証拠があれば逮捕できるだろ。それとも、証拠が一切なかったとでも言うのか?」

沙希「あったとしても無理。あいつを捕まえることなんてできない」

八幡「なんでだよ」

沙希「あんた本気で言ってんの? 警察も裁判官も何もかも、グルだからに決まってるじゃん」

八幡「グル? おい、それって……」

沙希「あんたはこの5年間いなかったから知らないと思うけど、今じゃ当たり前のことだよ。警察も政府の役人も、金で買われるなんて日常茶飯事」

八幡「……」

大志「小町ちゃん。襲われたとき、ナイフを突きつけられながらカマセに脅されたそうです」

八幡「……なんて?」

大志「『俺のことを言えば、お前の家族は死ぬぞ。お前の兄貴みたいにな』って……」

八幡「……」

大志「小町ちゃんも、あいつのことはよく知ってました。だから俺は『秘密にして、じゃないと家族が危ない』って、小町ちゃんに頼まれて……」

八幡「……」

大志「俺は、それを守ることしかできませんでした」

八幡「……小町は家族のことを心配して、あえて犯人の名前を言わなかったと」

大志「はい……」

沙希「小町ちゃんには悪いけど、ある意味正しい選択だったってわけ。もし訴えるようなことでもあれば、あんたの家族、終わってたよ」

八幡「……」

沙希「今の世の中じゃ、金持ちが全てなんだよ。日本の法律も働かない」

八幡「それっていいのか?」

沙希「いいわけないじゃん。でもしょうがないんだよ、そんな世界になっちゃったんだから」

八幡「……はぁ、よくわかった。ありがとな大志、話してくれて」

大志「いえ……すみませんお兄さん。俺、何もできなくて」

八幡「いいや、お前は小町だけじゃなく、俺の家族も守ってくれた。本当にありがとな」

大志「……そんな」

八幡「お前もありがとな、なんだかんだ言って助けてくれてたんだな」

沙希「っ、別に私は……」

八幡「でもそっか。この5年間でそんなに変わったんだな。この街も、日本も」

沙希「……まあね。――全部、あの大不況が原因だよ」

八幡「大不況って、3年前ぐらいに起きたっていうやつか?」

沙希「うん。あれの後、金持ちと貧乏人の差が浮き彫りになった」

八幡「……そっか」

八幡「で、ちなみに今カマセはどうしたんだ?」

大志「……あのあとも、何事もなかったように暮らしてます」

八幡「大学に行ったのか?」

大志「はい。**大学だったと思います」

八幡「そっか……」(**大学って、たしか雪ノ下のとこだよな)

沙希「……で、あんたどうすんの?」

八幡「え?」

沙希「いや、今日の話聞いた上で、これからどうするのって」

八幡「……」

沙希「まさか親にチクるとかしないよね。そんなことしたら今までの――」

八幡「さすがにしねーよ。でも、このままにしとくのもな。……そのカマセってやつの顔を一発ぶん殴るとか?」

沙希「馬鹿じゃないの。そんなことしたら、あんたが捕まるよ」

八幡「まあそうだろうな。金の力ってやつで、罪までもでっち上げられたりすんだろ?」

沙希「まあね」

八幡「そうか。どーしよーかな……」

大志「小町ちゃんには話すんですか?」

八幡「まあ、いつかはな。今はちょっと無理だが」

大志「無理?」

八幡「まあな。この前ちょっといろいろあって」

大志「そうでしたか……」

八幡「まあとりあえず、この話は終わりだ。ありがとな、話してくれて」

カランコロン


大志「ではお兄さん! また今度!」

沙希「またね」

八幡「おう、じゃあな」

沙希「あっ……ちょっとあんた」

八幡「ん?」

沙希「あの、結衣に日曜日の誘われたんだけど……」

八幡「ああ、俺のためになんかやってくれるやつか」

沙希「うん……私、いってもいいのかな?」

八幡「ん、いいだろ別に。俺に聞くことじゃないし」

沙希「そ、そっか。わかった、考えとく」

八幡「ん……あ、じゃあその時に聞かせてもらうわ」

沙希「え、なにを?」

八幡「いや、今日お前のこと全然聞けなかったから。俺の話ばっか付き合ってもらって」

沙希「なっ……別に私のことなんて……」

八幡「じゃあ、そういうことで。またな」

沙希「うん……じゃあね」


トコトコトコ

ガチャ

八幡「ただいま」

タッタッタ

小町「見て見ておにーちゃんッ! 小町、昨日のゲームで1万点とったよ!」

八幡「マジか、すげーな」

小町「でしょ〜!」ニコッ

八幡「……」

小町「……ん? どうしたのお兄ちゃん?」

八幡「いや、なんでもねーよ。小町、それあとで俺にもやらせてくれ」

小町「うんいいよ! お兄ちゃんに小町の記録抜けるかなぁ〜?」

八幡「任せろ、余裕だ」

小町「えぇ〜、ほんとぉ?」

八幡「おう、ほんとだ。――じゃあいったん着替えてくるから」

小町「あ、うん。早く来てねー」

八幡「……」スタスタ



 あんたは俺に、比企谷八幡に戻れと言った。だからあんたの言った通り、戻ろうとしたよ。


 一度は、こんな俺が元の生活に戻っていいのかとも、疑問に思った。でも、家族や由比ヶ浜、平塚先生の言葉で救われたんだ。


 みんなは俺に、生きるために犠牲は必要なことだと、わからせてくれた。


 それはまるで、今までの俺の行いを許してくれるようなものだ。
 だから決心することもできた。もとの生活に、もとの日常に、もとの自分に戻ろうと。


 けど無理だったみたいだ。今の俺に、見て見ぬ振りなんてできない。


 この街は腐ってる。汚職にまみれ、金がものをいう。正義は廃り、クソみたいな悪が蔓延っているだけだ。


 変えなきゃいけない。この街を、この国を。


 だから再び、俺はかぶろうと思う。

八幡「たしかこの石で、木目をなぞって……」

スゥ〜〜……グッ

八幡「ここか」

グイッ
カチッ

パカ…

八幡「……」

スッ


 だから再び、かぶることにする。この《仮面》を。

プルルルル


仮面『俺だ。久しぶりだな』

**「・・・・・・・・・・」

仮面『……ああ、そうだ。人を集めろ』

**「・・・・・・・・・・」

仮面『……ああ……ああ、わかった。水曜日にはこれそうか?』

**「・・・・・・・・・・」

仮面『……まだいらない。……ああ……そうだ』

**「・・・・・・・・・・」

仮面『……ああ、頼んだぞ』

プツッ プープー

仮面『……』

チョットオニィチャン! マダ〜?




八幡「ああ、いまいく」

金曜日:午前2時
とある公園



カマセ「おいDQN1。昨日のあの女の顔、覚えてるか?」

DQN1「あたりめーだろ! あんな面白い顔なんて滅多に見られねぇよ!」

DQN2「あそこに石詰め込んだらよ、『痛ぃー!』だってさ、マジウケる!」

ギャハハハ

DQN1「おいカマセ! 今日はどいつヤっちゃう?」

DQN2「俺久しぶりに*学生がいいなー!」

カマセ「うーんそうだな……いっそババアとか?」

DQN1「ギャハハハ! それまじウケる!」

DQN2「でもマジ、カマセについてきて正解だったわ。もうヤりたい放題じゃん」

DQN1「そりゃなんたって、カマセの親父さんがあの◯◯財閥のトップだからな!」

DQN2「んでんで、俺たちの犯罪を揉み消してくれるとかマジ神!」

カマセ「まあな。親父いわく、金で買えないものはないってさ。警察もヨユーで買収」

ギャハハハ

スタッ




カマセ「……あ?」

DQN1「ん? どした?」

カマセ「いや、今なんか……」


仮面『……お前がカマセ イヌか?』


DQN2「うわっ! なんだこいつどっから――」

ボキッ

バタッ

DQN1「え?」

仮面『……声を出すな。こいつのようになりたくなかったらな』

DQN2「」ダラン

DQN1「おまえ、DQN2に何しやがっ――」

ボキッ

仮面『なに、首を折っただけだ』

バタッ

仮面『……わかっただろ?』

カマセ「……あ、ああ、わかった……お、おおおとなしくする……」

仮面『……利口だ』

カマセ「な、なな何が欲しい? か、金か?」

仮面『……違う。真実だ』

カマセ「し、しんじつ?」

仮面『……そうだ、真実だ。いいか正直に話せ』

カマセ「わ、わかった。なんでも話すよ」

仮面『……よし。2年か3年ちょっと前、一人の女の子を襲ったか?』

カマセ「お、女の子? いや、お、覚えてない」

仮面『……嘘をつかないほうがいい』

カマセ「ほ、本当だって! そんなのいちいち覚えてない!」

仮面『いちいち?』

カマセ「そ、そうだ。あんたが誰のことを言ってるかわからないが、レイプなんて数え切れないほどヤってる」

仮面『……そうか、じゃあ質問をかえる。比企谷小町という名前に覚えは?』

カマセ「ひ、ひきがやこまち?……あ、ああ、覚えてるよ。高校の同級生で、その子が俺の最初の被害者だ。み、未遂で終わったけどな」

仮面『……最初の被害者?』

カマセ「そ、そうだよ。その時が初めてだったんだ。じゅ、受験のストレス発散目的でさ」

仮面『……で?』

カマセ「でって……そ、そいつ、兄貴が死んだらしくてよ。ちょっと優しくしたら、すぐなついてさ。んで、裏切って襲ったわけ」

仮面『……ほう、それで』

カマセ「え、あ、それでナイフ突きつけてヤろうとしたんだけど失敗してさ。惜しかったなぁって……」

仮面『……楽しかったか』

カマセ「そ、そりゃな。『なんで?』って必死で叫びながら泣いてたよ。あの顔は最高だったな……あははっは……はは……」

仮面『たしか、またがってナイフを突きつけたらしいな』

カマセ「あ、ああ、そうだよ。で、でもなんであんたそんなこと――」

仮面『』グイッ

カマセ「なっ!」

仮面『』ブンッ

バタッ

カマセ「ぐっ……ゴホッゴホッ!」

仮面『こうやって馬乗りになったんだろ?』グイッ

カマセ「そ……そうだけど……ちょっ! やめっ! 頼む、なんでもするから!」

仮面『ただナイフはないんだ、残念ながらな』

カマセ「お、お願いします! な、なんでもし――う"っ……」

グググググ……

カマセ「あがが……ぅぐ……」

仮面『……』ギュー

カマセ「やべで……ぐびが……ぁ"……」

仮面『痛いか? でも無理だ』

ボキッ

仮面『……』




警官「おい君! そこで何してる!」

警官「おい君! そこで何してる!」



仮面『ん?』

警官「な、なにをしてるんだ!?」

仮面『……何をしていると思う?』

警官「うっ……」

仮面『?』

警官「……」チラッ


カマセ「」 DQN1「」 DQN2「」

警官「……か、彼らは?」

仮面『死んでいる』

警官「き、きみがやったのか?」

仮面『他に誰がいる?』

警官「わ、わかった。いいか、落ち着きなさい」

仮面『落ち着いている。この上なくな』

警官「っ……と、とりあえず、手を挙げてひざまずけ。抵抗はするなよ」

仮面『ああ、もちろん』

スッ

警官「……よ、よし。――あーあー、こちら……ってあれ?」

仮面『無線で連絡を取ろうとしているのか? ならできないぞ』

警官「……ど、どうしてだ」

仮面『あたり一帯を電波妨害してるからだ。無線はもちろん、電話だって通じない』

警官「なっ……お、お前何者だ!」

仮面『何者でもない。このマスクをかぶっている以上はな』

警官「くっ……なら俺がそのマスクを剥がしてやる。いいな、動くなよ!」

仮面『ああ』

トコ

警官「……」

トコ

警官「……」

トコ

仮面『……』

警官「い、いいな。外すぞ?」ソォー


仮面『銃は構えなくていいのか?』


警官「えっ――」

仮面『』ゴンッ

スタスタスタ

傭兵A「お呼びでしょうか?」

仮面『こいつらを目立つとこに飾っとけ。そうだな……◯◯財閥のビルなんかがいい』


カマセ「」 DQN1「」 DQN2「」 


傭兵A「わかりました。この警官はどうしますか?」

警官「」

仮面『……一緒に飾っておけ。いいアクセントになる』

傭兵A「了解。――おい!」

ダッダッダ
スッ
ダッダッダ…


傭兵A「……」

仮面『……』

傭兵A「……火はつきましたか?」

仮面『ああ。派手に燃え上がるぞ』

一旦ここまで。また夜にでも
くさいセリフはほとんど、映画やドラマからパクってきたものです。見覚えのある方もいるかも

補足です
アニメにも出てきた美浜大橋、あの大通り沿いには雑木林が多く、またホームレスも実際ちらほら住んでます、たしか。
小町と八幡が襲われた稲毛海浜公園もその大通り沿いにある公園です。原作の舞台になった高校も近くにあります。

『ニュースです。今日午前5時頃、東京都千代田区◯◯財閥本社ビルの玄関付近に、計4名の男性と思われる、身元不明の遺体が発見されました……』


管理官「……と、メディアにはただの殺人事件として取り上げられているが、事態はもっと深刻だ!――警部1、状況を説明してくれ」

警部1「はい。計4名のうち、2名は身元不明ですが、残り2名は確認ができています。お手元の資料を見て下さい」

ペラッ

警部1「一人目の被害者は、カマセ イヌ。遺体発見現場でもあるビルのオーナー、◯◯財閥社長の一人息子で、**大学の3年生。死因は頸髄損傷による窒息死」

ザワザワザワ

警部1「次いで二人目の被害者は、警官。船橋警察署海神交番勤務の巡査。死因は頚動脈閉塞による脳死です」

ナンダト! ソレハホントウカ ケイカンゴロシダト?

ザワザワザワ…


警部1「詳しい死因の説明を、医師さんよろしくお願いします」

医師「はい。まず共通点は4人とも首を骨折しているという点です。顎のあたりから耳に向けて、相当強い力で捻られたのかと思われます。これにより、頸髄損傷や頚動脈閉塞を引き起こしたのでしょう。――以上です」

ソクシ? ソクシダト… ドウユウコトダ!


警部1「ありがとうございます。――また鑑識によると、指紋やその他の情報など、一切発見できなかったとのことです。おそらく、プロによる犯行かと思われます」

管理官「いいか、よく聞け! ◯◯財閥のご子息が殺されたことにより、上もピリピリしている……あまつさえ、この犯人は我々の同胞も殺した。なんとしてもこの手で捕まえるぞっ!!」

      「 「『ハイッ!!!』」 」
  
管理官「分担はさっき言った通りだ! 全員ただちにかかれ!」

ダッダッダ


先輩刑事「行くぞ新米っ! 俺たちは聞き込みだ!」








葉山「は、はいッ!」

TV『ニュースです。今日午前5時頃、東京都千代田区◯◯財閥本社ビルの玄関付近に、計4名の男性と思われる、身元不明の遺体が発見されました……』


小町「へぇ〜……」


トコ トコ

八幡「……」ヨロヨロ

小町「あ、お兄ちゃんおはよう」

八幡「ん、おはよう」

小町「もう10時だよ。夜更かしでもしたの?」

八幡「ん……まあそんな感じ」

小町「ごはんあっためて食べてね」

八幡「……ん」ヨロヨロ

八幡「……なんかさっきから同じニュースやってるな」モグモグ

小町「殺人事件だって〜、怖いね」ピコピコ

八幡「殺人?」

小町「うん。なんか4人殺されちゃったみたいだよ」ピコピコ

八幡「ヘ〜……」

小町「……」ピコピコ

八幡「……小町」

小町「ん〜、なにー?」ピコピコ

八幡「いや、なんでもない……」

とある場所



傭兵A「早速報道されましたね」

仮面『ああ、だが警察も全ては公表していないらしい。混乱を避けるためか』

傭兵A「そのようです」

仮面『どのみち、今頃血眼になって犯人を探しているだろう。警官殺しは奴らを奮い立たせる』

傭兵A「はい。――で、これからはどのように?」

仮面『まずは裏社会の悪党どもに去ってもらう。この街に2つも悪は必要ないからな』

傭兵A「おっしゃる通りです」

仮面『……例の件は調べたか?』

傭兵A「はい」

仮面『話せ』

傭兵A「……現在、東京を中心として裏社会を牛耳っているには主に3つの勢力のようです」

仮面『……ほう』

傭兵A「一つ目は日本のヤクザ、山田組。二つ目は中国マフィア、三口会。そして三つ目はロシアンマフィア、ブラドヴァ」

仮面『……日本も随分侵略されたようだ。で、状況は?』

傭兵A「はい。現在どの勢力も均衡を保っているとのこと」

仮面『……なるほど。それとつながりのある企業は?』

傭兵A「どの勢力も多数ありますが、主な資金源は◯◯財閥だと思われます。――ここまで予想した通りですね」

仮面『……だろうな』

傭兵A「この三つには既に仲間が潜伏しているので、逐次情報は流れてくるでしょう」

仮面『そうか……どのみち叩かなければ頭も出さない連中だ。まずは引きずり出すぞ、表へとな』

傭兵A「了解」

金曜日:午後10時頃
稲毛海浜公園


家無し1「おい大丈夫か、家無し2?」

家無し2「くそ、あいつ許せねー。俺の腕をこんなにしやがって……」

家無し3「……」

カサカサ

家無し2「あ? 誰かそこにいるのか?」

家無し1「ん?」

家無し3「どうかしたか?」

家無し2「いや、いま何かいた気が……」



仮面『こっちだ』



家無し2「うわッ! なんだこいつ!」

家無し3「っ!」

家無し1「だ、誰だ!」

仮面『静かにしろ。危害を加えるつもりはない』

家無し1「危害って……まずなんだよそのマスクは……」

家無し2「……あ、あんた何もんだ?」

仮面『何者でもない」

家無し1「は? 何言って……」

仮面『お前たちに仕事を頼みたい』

家無し2「仕事? 俺たちに?」

仮面『そうだ。いたって簡単な仕事だ。報酬は……そうだな、1人30万だ』

家無し1「さ、さんじゅうまん!?」

家無し2「そんなうまい話あるわけねーだろ。冷やかしは帰ってくれ」

仮面『ところがある』ペラッ

家無し3「な、なんだよそれ……」

仮面『みてわかるだろ? 1万円札だ』

家無し1「そ、それ、どうすんだよ……」

仮面『お前らにやろう。ほら』スッ

家無し2「……そ、それ受け取ったらやらねえといけないとか、そういうんじゃねーだろな?」

仮面『いや。全く』

家無し1「……」チラッ

家無し3「……」チラッ

家無し2「……ッ」サッ

家無し1「あ! おい家無し2! せこいぞてめぇ!」

家無し3「そ、そうだ! 普通は3人で分け――」

仮面『あと2枚ある』ペラッ

家無し1、2「……」ゴクリッ

家無し2「あ、あんたいいやつだな。誤解して悪かったよ……」

仮面『なに、仕事をすればもっとやる』

家無し1「その仕事ってなんなんだ? 1人30万って……」

仮面『いたって簡単だ。明日、ある場所にいてくれるだけでいい』

家無し3「ある場所?」

仮面『ああ。――おい、地図を」

傭兵A「……」スッ

家無し1「ッ!? あ、あんたまたどっから!」

仮面『気にするな』

バサッ

仮面『……わかるか? ここだ』

家無し2「……◯◯銀行本店?」

家無し1「って、ここって銀座じゃねーか」

仮面『そうだ』

家無し1「あんた無理言うな。俺たちみたいな人間が、銀座の町なんか歩けねーよ」

仮面『それは問題ない。――おい』

傭兵A「……」スッ

家無し3「なっ……またどっから……」

仮面『これを着てもらう』パカッ

家無し2「ス、スーツか?」

仮面『ああ、好きなのを選べ』

家無し1「……じゃあよ、これを着て明日、その◯◯銀行本店にただ居ればいいってことか?」

仮面『その通りだ。明日の正午ぴったりに、中にいてくれれば問題ない』

家無し3「ま、まじかよ……それだけで30万……」

仮面『もちろん前金としてもう少し払おう。その腕じゃ何かと不便だろ?』

家無し2「お、おう……」

家無し1「ほ、本当にそれだけで30万もらえるのか?」

仮面『ああ、約束する』

家無し3「……」ゴクリ

仮面『……ただし条件がある』

家無し2「条件? 今更かよ!」

仮面『なに、簡単なものだ。――あともう10人ほど人がいる。集めてもらえないか?』

仮面『説明は以上だ。何か質問は?』

家無し10「ほんとうに30万くれるんだろな!」

仮面『ああ、約束する。前金も払っただろ?』

家無し10「そ、そうだったな。へっへ」

仮面『他には?』

ネーナ… オウ、オレモネェ! オレモー

仮面『よし、なら今日はどこかホテルにでも泊まり、体を綺麗にしろ。明日、必ず正午に◯◯銀行銀座本店に集合だ』

マカセロ! ヤッテヤルゼ! サ、サンジュウマン…

仮面『……おっとその前に、明日の仕事の成功を祈って、乾杯しよう』

家無し7「乾杯?」

仮面『そうだ。――おい』

スッ スッ スッ

家無し5「ん……おい、これってビールか?」

家無し9「まじか、ビールなんか久しぶりだぜ!」

家無し11「うっひょー! キンキンに冷えてやがるぅ!」

家無し2「よっしゃー! やる気出てきた!」



仮面『さあ、乾杯しよう。成功を祈って』

    
     「 「『カンパーイッ!!!』」 」

      
グビグビ
ウメー! ヒャッハー! ハンザイテキダァ…


仮面『……』

土曜日:午前1時頃


ガチャ

八幡「ただいま……」(って、もう寝てるか……)

ア、オカエリー

八幡「ん?」

スタスタ

八幡「っ小町、まだ起きてたのか?」

小町「うん。溜まってたドラマ消費してたの。お兄ちゃんこそどこ行ってたの?」

八幡「あー、ちょっと知り合いに会いにな」

小町「知り合い? お兄ちゃんに?」

八幡「ま、まあ。一応……」

小町「ふーん……あ、そうだ。明日はお兄ちゃんの大好きなプリキュアだよ」

八幡「プリキュア? あー、たしかあったな、そんなの」

小町「そんなのって……お兄ちゃん毎回見て号泣してたじゃん」

八幡「そうだっけ?」

小町「うん。忘れたの?」

八幡「見てたのは覚えてるけど……泣いたのはな……」

小町「また見れば?」

八幡「……小町、20越えた成人男性に、幼児アニメを勧めるのはやめなさい」

小町「えー、そんなこと言って高校生の時でも見てたじゃん……」

八幡「そうだ、プリキュアで思い出した。小町、なんでプリキュアには悪者がいると思う?」

小町「え、いきなりどしたのお兄ちゃん」

八幡「いいからいいから」

小町「まあ……だってそんなの、悪者がいなきゃ始まらないからでしょ?」

八幡「そうだ。じゃあ、プリキュアが悪者を全部倒したらどうなる?」

小町「うーん……平和になるんじゃないかな」

八幡「その通り。じゃあ最後に、その悪者よりもっと悪い奴が現れたらどうなる?」

小町「えー、またプリキュアがそいつをやっつけるだけでしょ〜」

八幡「まあ、そうだな」

小町「なにお兄ちゃん。へんなの」

八幡「悪かったな、変なこと聞いて。風呂入ってくるわ」

小町「う、うん。いってらっしゃい……」

東京都内



先輩刑事「っち、一日中走って、なんの手がかりもないとはな……」

葉山「そう、ですね……」

先輩刑事「新米、たしか今回が初めての事件だったな」

葉山「あ、はい」

先輩刑事「いいか、手がかりがないからって諦めるなよ。それでも走り続けるのがデカってもんだ。わかったか?」

葉山「はいっ!」

先輩刑事「……そういえば新米。お前たしか、例の特別枠ってやつだったか?」

葉山「ええ、そうですが……」

先輩刑事「なら優秀なんだろ? 期待してるぜ」

葉山「は、はい!」


土曜日:午前8時頃


小町「あ、お兄ちゃんおはよ〜」

八幡「今日はお前が眠そうだな。あのあとずっと見てたのか?」

小町「うん、まあ。ふわぁ〜……」

八幡「ちょっとこれから出かけてくるから」

小町「うん……ってまた?」

八幡「まあな」

小町「ふーん、忙しそうだね」

土曜日:午前11時55分
銀座




仮面『予定通り集まっているか?』

『ザビー……はい、全員そろってます。ただ、慣れなれていないのか少し挙動不振です』

仮面『いいさ、いるなら問題ない。――傭兵C、準備はできてたか?』

『ザビー……はい、いつでも』

仮面『傭兵A、症状は0時ぴったりだったな』

傭兵A「はい。誤差はありますが、せいぜい2、3分かと」

仮面『逆にそっちの方がリアリティが出る。――よし、ちょうど5分前だ。はじめるぞ』

『ザビー……了解』

土曜日:午前11時59分
◯◯銀行銀座本店



家無し1「……」ソワソワ

家無し2「……」ソワソワ

家無し3「……な、なあ家無し2。俺たち、ほんとにここにいるだけでいいのか?」ソワソワ

家無し2「あの人がそう言ったんだ。大丈夫だろ、たぶん……」ソワソワ

家無し3「たぶんって……」ソワソワ

家無し1「……」

家無し3「おい、見ろよ家無し10奴。あいつ何やってんだ?」ソワソワ

家無し2「……生花食ってる」ソワソワ

家無し3「見りゃわかるよ。なんで生花食ってんだよ」ソワソワ

家無し2「知らねーよ。あいつはちょっと頭おかしいんだ。お前も知ってるだろ?」ソワソワ

家無し3「まあそうだけどよ……」ソワソワ

家無し1「……」ブルブル

家無し3「……なあ、俺たち変に思われてないかな」ソワソワ

家無し2「だ、大丈夫だ。身なりはちゃんと整えてきたはずだ。たぶん……」ソワソワ

家無し3「たぶんって……ん? おい家無し1どうした?」

家無し1「……」ガタガタ

家無し3「お、おい! 家無し1っ!?」

家無し2「!?」

家無し1「ぶっ……」ベチャッ

バタッ

家無し3「い、家無し1っ!」

キャー! チヨ、アノヒトチヲハイタワ! ダレカキュウキュシャヲヨベ!


家無し3「おい、家無し1! ど、どうなってんだよ……って家無し2ッ!?」

家無し2「」バタッ

キャーコノヒトモヨ! イソゲ!キュウキュシャヲ! イマヨンデルワ!

家無し3「な、何が起きて……うっ……」


バタッ

ミスりました。250と251の間もう1レスあります
まあ、あんま重要な部分でもないんで、このままいきます

キャーコッチモヨ! コッチモタオレタワ! キュウキュシャハマダカ!

『ザビー……始まりました』


仮面『よし……サイレンを鳴らせ』

傭兵A「はい」


ウゥ〜 ピーポーピーポー


仮面『これから救助活動を始める。この国な』

土曜日:午後0時2分
◯◯銀行銀座本店


ピーポーピ……

ダッダッダ


傭兵A「救助隊です! みなさん落ち着いてください! 患者の方はどちらへ!?」

銀行員女「こ、こっちです!」

会社員「いや、まてこっちもだ!」

傭兵A「重症な方から順に運びます! みなさんはその場で待機してください!」



ザッザッザッザ

仮面『首尾よくいけているか?」

傭兵B「はい。滞りなく」

仮面『表は傭兵Aに任せてあるから平気だろう。金庫の様子は?』

傭兵B「あと8分で開くとのことです」

仮面『よし、我々も急ぎ金庫に向かうぞ』スタスタ

傭兵B「はい」スタスタ


銀行員男「お、おいあんたら!」

仮面『ん?』

傭兵B「……」

銀行員男「救助隊の方か? こっちには患者はいないぞ。あるのは金庫だけだ」

仮面『そうか』

銀行員男「ああ……ん? 近頃の救助隊はそんなおかしなマスクをかぶるのか?」

仮面『いや』

銀行員男「まあいい、とにかくこっちには誰もいない。早く戻って――」

プスッ

銀行員男「うっ……な、何を……」ヨロヨロ

仮面『いてくれなくては困る。お前にも患者として、列に並んでもらうぞ』グッ

銀行員男「ぅぅ……ぇぁ……」ガタガタ

仮面『奴らと同じ毒を打った。もっとも、こっちは即効性だがな』

銀行員男「」バタッ

仮面『……お前、運んでおけ』

傭兵E「了解」

土曜日:午後0時10分
◯◯銀行銀座本店:金庫前


仮面『開いたか』

傭兵C「あと少しです」

仮面『……』

ガチャッ
キィーー……

傭兵C「開きました」

仮面『よし。入るだけの金を詰めろ』

傭兵B「聞いたか! 散らばれ!」

ダッダッダ


仮面『本物の救助隊がくるまであと何分だ?』

傭兵B「あと8分ちょっとかと」

仮面『なら十分だ。金を詰め込んだら行くぞ』

土曜日:午後0時18分
◯◯銀行銀座本店


ピーポーピ……

ダッダッダ


救急隊員1「救急隊です! 患者はどこ……」

ガヤガヤガヤ

救急隊員1 (我々よりも先に? いったいどこの隊員だ?)

救急隊員1「おい君たち!」

傭兵A「なんだ!」

救急隊員1「君たち、いったいどこの署から来たんだ?」

傭兵A「そんなことより患者のほとんどが瀕死だ! 急いで処置しないと間に合わなくなるぞ!」

救急隊員1「なにっ!? わ、わかった! すぐに対処する!」

傭兵A「我々は一回撤収する。これ以上患者を運べない。この場は頼んだぞ」

救急隊員1「まかせろ。もう少しで別の隊もくる」

傭兵A「よし。――我々は一度撤収するぞ! 急いで患者を運べ!」

仮面『聞いたか! 急いで患者を運ぶぞ!』


ダッダッダ

土曜日:午後3時頃
雪ノ下建設本社


『速報です。今日正午ごろ、中央区銀座二丁目の◯◯銀行銀座本店で、相次いで人が倒れるなどといった通報が入り……』


陽乃「……」


『……これにより、約10名の利用客と1名の銀行員が死亡しました。なお、テロに関連性はないとのことです……』


陽乃「……最近物騒になったね〜。ねっ、雪乃ちゃん!」

雪乃「姉さん。それよりさっきの件のことだけど……」

陽乃「あーはいはい、わかってるわよ。上に回しておくわ。――ところで雪乃ちゃん、比企谷くんには会いに行かないの?」

雪乃「……」

陽乃「ひどいなー雪乃ちゃん。会いに行ってあげればいいのに〜。比企谷くん喜ぶよ?」

雪乃「……いまさら」ボソッ

陽乃「ん? なに?」

雪乃「とにかく、用が済んだので戻ります。雪ノ下陽乃専務」

陽乃「はーい、じゃあ頑張ってね〜。建築設計部門担当、雪ノ下雪乃さん♪」

土曜日:午後6時頃
とあるビル



『ニュースです。今日正午ごろ、中央区銀座二丁目の◯◯銀行銀座本店で、相次いで人が倒れるなどといった通報が入り……』


ブラドヴァ幹部「……」
三口会幹部「……」
山田組幹部「……」


『……これにより、約10名の利用客と1名の銀行員が死亡しました。なお、テロに関連性はないとのことで――」プツッ



◯◯財閥社長「さて、見ての通り、我々の銀行でひと騒動あった」

山幹「……それが俺たちと何の関係が?」

社長「報道されてはいないものの、この裏でもう一つ事件があったことに問題がある」

三幹「?」

社長「我々の資金が奪われた。少額だが、およそ100億だ」

山幹「金が? いったいどうやって」

社長「救急隊員に紛れて侵入したらしい。監視カメラに一部始終映っていたが、詳しいことはまだわかっていない」

三幹「俺たちから金を盗んだのか? おいおいどこのバカだよそいつは」

ブ幹「そんなことはどうでもいい。問題は警察の連中だ」

ブ幹「盗まれた金から足がついたんだ」

社長「警察内部の協力者によると、盗まれた紙幣から我々のことを特定したらしい」

三幹「おい、それって……」

社長「私が君たちに協力していたことがバレれば、私は逮捕されるだろう。そうなれば、君たちの資金は根こそぎ奪われることになるぞ」

ブ幹「……」
三幹「……」
山幹「……」


社長「警察にもわかる奴はいるが、正義感に溢れたバカもいる。基本はそういった組織だ。このことが明るみに出れば、逮捕せざるを得ない」

三幹「どうすんだよ……」

社長「とりあえず、全資金を安全な場所に移した。警察もこれであとは追えないだろう」

三幹「ひと安心っていうわけか?」

社長「とりあえずはな」

山幹「……で、その盗人はいったい誰なんだ」

社長「詳細はわからないがグループによる犯行だ。今、手元に監視カメラに映った連中の写真を配る」

社長「……こいつだ」スッ

三幹「あ?」
山幹「ん?」
ブ幹「っ!」

社長「このマスクをかぶった奴が犯行グループの主犯だろう。周りの奴らはおそらく手下だ」

三幹「アメコミの悪役にいそうだな。このマスクの野郎なんていかにもって感じだ」

山幹「とりあえず賞金をかけよう。マスクの奴には100万だ」

ブ幹「いやダメだ、待て!」

× 263,264
◯ 266

三幹「どういうことだ?」

ブ幹「盗まれた金から足がついたんだ」

社長「警察内部の協力者によると、盗まれた紙幣から我々のことを特定したらしい」

三幹「おい、それって……」

社長「私が君たちに協力していたことがバレれば、私は逮捕されるだろう。そうなれば、君たちの資金は根こそぎ奪われることになるぞ」

ブ幹「……」
三幹「……」
山幹「……」


社長「警察にもわかる奴はいるが、正義感に溢れたバカもいる。基本はそういった組織だ。このことが明るみに出れば、逮捕せざるを得ない」

三幹「どうすんだよ……」

社長「とりあえず、全資金を安全な場所に移した。警察もこれであとは追えないだろう」

三幹「ひと安心っていうわけか?」

社長「とりあえずはな」

山幹「……で、その盗人はいったい誰なんだ」

社長「詳細はわからないがグループによる犯行だ。今、手元に監視カメラに映った連中の写真を配る」





社長「……こいつだ」スッ

三幹「あ?」
山幹「ん?」
ブ幹「っ!」

社長「このマスクをかぶった奴が犯行グループの主犯だろう。周りの奴らはおそらく手下だ」

三幹「アメコミの悪役にいそうだな。このマスクの野郎なんていかにもって感じだ」

山幹「とりあえず賞金をかけよう。マスクの奴には100万だ」

ブ幹「いやダメだ、待て!」

山幹「……もっと足すか?」

ブ幹「そういう意味じゃない……こいつは……」

三幹「なんだ、お前知ってるのか?」

ブ幹「あ、ああ。よく知ってる」

三幹「なら教えろ。俺がとっ捕まえてなぶり殺す」

ブ幹「よ、よせ! そんなことしたら――」



仮面『はっはっは……なぶり殺すか。そいつは面白い』トコトコ


ブ幹「ッ!」

三幹「なっ、お前どっから! おい警備はどうした!」

仮面『そこで寝てる。お昼寝中だ』

三幹「なんだと!?」

山幹「貴様……マスクの奴か」

仮面『そのとおり。お前らから金を盗んだ犯人だ』

三幹「わざわざここに来たってことは、殺されに来たんだろ?」

仮面『違う。そうじゃない』

三幹「あ?」

仮面『話をしに来た。お前達にとって、大事な大事な話だ』

三幹「話だと?」

仮面『そうだ。……ん? お前、◯◯財閥の社長か?』

社長「……」

仮面『息子は残念だったな』

社長「えっ……」

仮面『さて、それよりも、だ』

社長「ま、待てッ! 貴様なぜそれを! まだあれは公にはしていないはず!!」

仮面『そんなことはどうだっていい。話を続けてもいいか?』

社長「そんなことだと!? 貴様――」

山幹「待て社長さん、こいつの話を聞いてからにしよう。――で、なんだ?」

仮面『お前たちがこんなところに集まって……その、なんだ? 懇談会を開いてるのは、俺が金を盗んだことに原因があるんだろ?』

山幹「だとしたら?」

仮面『もしここであんたらが、この街から手を引くというならば、俺は今後一切、あんたらに危害は加えない』

三幹「は?」

仮面『だがもしそうしないなら、またこういったことを繰り返す。お前らの存在が世間に露呈されるまでな』

三幹「……っふははは! ちょっと盗みが上手くいったからって、調子に乗って俺たちまで脅すのか!? ここに本物のバカがいるぞ!」ゲラゲラ

仮面『まずいんじゃないか? あまり公にできる組織でもないだろう、お前らは。なあ社長さん?』

社長「……」

仮面『あんたの会社が、裏でマフィアと絡んでいたと判明すれば、信用もガタ落ちだろうな』

社長「……口止めするだけだ」

仮面『全市民、国民に口止め料を? 金持ちなことだ』

社長「……」

山幹「……次もうまくいくと思っているのか?」

仮面『ああ。次も、その次もうまくいく』

山幹「……」

仮面『俺の部下はみな優秀だ。精鋭ぞろいだ。お前らと違ってな』

バンッ

山幹「馬鹿にしているのか? 俺たちがお前らのことを怖がると?」

仮面『ああ怖がる。恐怖にその顔が歪むぞ、今にもな』

バッ


山幹「なっ!?」

三幹「っ!」

社長「ば、ばくだん!」ドタバタ

仮面『スイッチを押せば、俺もろともここは吹っ飛ぶ。綺麗さっぱりに、な』

山幹「じ、自分の命を犠牲にするのか?」

仮面『ああ。同時にお前らは自分のことが大好きだろ? 俺の命よりずっと』

三幹「……」

仮面『手を引くか、引かないかは別に今決めなくてもいい。だがなるべく早く決めろ、俺もそう気長ではない』

社長「……」ゴクリ

仮面『用は済んだことだし、もう行くが……おっと、そのまま動くなよ? 爆発するぞ?』

ブ幹「……」ゴクリ

山幹「……」

三幹「……」


仮面『……では返答を待っている。また会おう』

スタスタスタ

とある場所



傭兵A「で、マフィアたちはどうするとお思いですか?」

仮面『そうだな……とりあえず、ブラドヴァは手を引くだろう。あいつらは俺のことを嫌というほど知っている。あとは……」

傭兵A「あとは?」

仮面『山田組も三口会も、脅しには屈しないだろうな。もちろん、◯◯財閥もだ。あいつらは手を引きたくても引けない立場にいる』

傭兵A「なるほど……」

仮面『まあとりあえずは山田組からだ。3つの中で一番規模が小さく、扱いやすい。そうだな……火曜日にでも本家へいくか』

傭兵A「了解」

土曜日:午後9時



ガチャ

八幡「ただいま」

小町「あ、おかえり」

八幡「ん、小町も今帰ってきたところか?」

小町「うん。友達とご飯食べてた」

八幡「おう、そうだったのか……」

小町「……お兄ちゃんどうしたの?」

八幡「ん、なにが?」

小町「なんか疲れてるみたいだけど……平気?」

八幡「ああ、全然平気」

小町「……そっか」

小町「そーえばお兄ちゃん。明日結衣さんとかとご飯食べるんでしょ?」

八幡「ああ、そうだっけか」

小町「えっ、ちょっと忘れてたの?」

八幡「いや、覚えてた」

小町「ならいいけど……誰が来るって?」

八幡「ん? あー、たしか由比ヶ浜に川ナントカさん、あとは……知らん」

小町「知らんって……ちゃんと仲良くね」

八幡「はいはい、わかってますよ〜」

今日はここまで
読んでてわけわかんないところあったら言ってください
正直、書いてるこっちもわけわかんなくなっています

マスクがどんなのか、コスチュームとかあるのかの描写が欲しいぜ

>>284
わかりました。随所随所入れていきます

言い忘れていましたが、八幡の性格や考え方は、主にウィキを参考にしています。見ると尚わかりやすいかもしれません。

本編は今日の10時、11時に投下します。

あと自分でもわけわからなくなってきているので、ここでちょっと【前回までのあらすじ】的なものを。

〜これまでのお話〜

5年前の飛行機事故から奇跡的に生還した、
比企谷八幡。
一度は元の日常へ戻ろうとするも、日本の現状、街の姿を見て、この国の変革を決心。仲間を日本に呼び寄せ、計画を進めた。

手始めは、裏社会に蔓延るマフィアたちの一掃だ。
彼らの資金を強奪し、立場を危うくさせることに成功。さらに追い討ちをかけるように、彼らに脅しをかけた。


財閥の令息とかその共犯者が殺されなければならなかった理由をちゃんと公表してもらいたいな
警官は巻き添えを食っただけだけど、こじつけでいいから警察組織の腐敗に対する政治的メッセージだということも明らかにしてさ
捜査機関や司法機関が公正中立に職務を執行しないのに、自分たちの身内が殺された時だけギャースカ騒ぎすぎなのはマジムカつくし

>>295
御曹司が殺されたのも、警官が殺されたのも、全て八幡の計画のうちです。これ以上はネタバレになるので言いませんが……

わかりにくいかもですが、八幡のセリフに注目してみてください。

いや、読者の側は理由を分かっているけど、作中の一般人には罪もない青年や警察官が惨殺されたとしか認識されていない訳でしょ?
ARROWだって元カノの弁護士と協力して悪事を白日の下に晒そうと一応は頑張っていたのに、この作品の八幡はそういうアクションを
起こすよりも、ただただ悪党をぶっ[ピーーー]だけっぽかったのでちょっとね…

>>297
もし本当にそのように考えていてくださるのなら、作者としては嬉しい限りです

日曜日:朝


ブーブー ユウガッメール

八幡「……ん、なんだ……メール?」ゴロゴロ


差出人: 由比ヶ浜 結衣
宛先: 比企谷 八幡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Re: おはよう!(・ω・)ノ
____________________

ヒッキー暇?
今日は夜8時集合だけど、その前に遊ばない?
私が街を案内してあげる!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.
:*☆

____________________


八幡「この前小町に案内してもらったんだけどな。まあいいか……返信っと」ポチッ


ブーブー

結衣「ん? ヒッキーにしては早いじゃん♪」チラッ


差出人: 比企谷 八幡
宛先: 由比ヶ浜 結衣
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Re:
____________________

いいよ
____________________


結衣「えっ、どっち!?」


八幡「じゃ、小町。行ってくるわ」

小町「うん。ってあれ? 夜じゃなかったっけ?」

八幡「あー、なんかその前に由比ヶ浜が遊ばないかって……」

小町「はは〜ん、それってデート? お兄ちゃん頑張ってね〜♪」

八幡「馬鹿ちげーよ。じゃあな」

小町「うん、バイバーイ」

ガチャ

日曜日:昼前
幕張




結衣「あ、ヒッキーこっちこっち!」フリフリ

八幡「おう」スタスタ

結衣「ごめんね〜、急に誘っちゃって」

八幡「別に。暇だったし」

結衣「そう? じゃあ早速いこっか!」

八幡「ん」

結衣「ヘぇ〜、じゃあこの辺りは来たことあるんだー」トコトコ

八幡「一回だけな。小町に案内された」トコトコ

結衣「……で、どう? すっごく変わったでしょ?」

八幡「ああ、変わった。都会って感じ」 

結衣「でしょ〜♪ お店屋さんもいっぱい増えたんだぁー」

八幡「へー」

結衣「そういえばヒッキー。もう元の生活には慣れた?」

八幡「ん? あー、まあな」

結衣「そっかぁ……仕事とかは決めたの?」

八幡「え、あ、うん。バイトだけど、今土木関係のことやってる」

結衣「……どぼく……あっ、工事のお仕事か!」

八幡「……お前土木って言われて、一瞬わかんなかっただろ」

結衣「え? べ、別にそういうわけじゃないよー」アハハ

八幡「っふ……どうだかな」

結衣「なにその顔ッ! 今失礼なこと考えてたでしょー!」

八幡「別に考えてませんよ」

結衣「もー、絶対考えてたって顔だよ〜……」

八幡「……」

結衣「でもそっかー、ヒッキーが工事のお仕事かぁ〜」

八幡「なんだよ」

結衣「いやさぁー、昔は似合わかったけど、今は有りかもって」

八幡「前と違って、お前より馬鹿になっちまったからな。今はそれぐらいしかできない」

結衣「なっ! それ、私が馬鹿だったってことぉ!?」

八幡「……違うのか?」

結衣「ひどい! ヒッキーのバカ!」プンスカ

八幡「そういえばさ、今日誰くんの?」

結衣「ん? あー、えっと……まず私でしょ、あと彩ちゃんに……」

八幡 (やったぜ) グッ

結衣「それにサキサキと材木座くん……」

八幡「げっ、あいつもくんの?」

結衣「うん。誘ったら『待ってろ、我が兄弟ッ!』って言ったよ〜」

八幡「……相変わらずだな」

結衣「で、姫菜に由美子でしょ、あと戸部っっちに……」

八幡「……それ、どっちかというとお前のグループだった奴らじゃん」

結衣「えー、いいじゃ〜ん。いっぱいいた方が楽しいよ?」

八幡「まあいいけどさ……」

結衣「で、最後に隼人くん」

八幡「げ……あいつも?」

結衣「うん。楽しみにしてるって〜」

八幡「へー、葉山もくんのか……帰ろっかな」

結衣「ちょッ! ヒッキーダメだよそんなの!」

八幡「はぁ、冗談だよ……」

結衣「ほんとぉ? ちょっと本気だったでしょ〜。あ、でもね、隼人くんは仕事が忙しくて長くはいられないって」

八幡「仕事? もう入社したのか? まだ3月だろ」

結衣「えーっと、隼人くんは特別っていうか……まあ詳しい話は本人がしてくれると思うよ」

八幡「……まあどうでもいいけど」

結衣「……ねぇヒッキー?」

八幡「ん?」

結衣「ゆきのんのことなんだけどさ……」

八幡「あー、平塚先生から聞いたよ」

結衣「先生と会ったの?」

八幡「ああ」

結衣「そっか……じゃあ聞いてるよね……」

八幡「……まあな」

結衣「今日も誘いたかったんだけど、最近ゆきのんと連絡取れなくて……ごめんね」

八幡「いや、別に謝ることじゃないだろ」

結衣「……でも」

八幡「まあなるようになるだろ。もう会えないっていうわけでもないし」

結衣「……そう、だよね!」

八幡「それより飯食おう。もう昼だろ?」

結衣「あ、うん! じゃあオススメのお店あるからさ、そこいこっ!」

八幡「おう」

結衣「ヒッキーここココ!」

八幡「ん……パスタか」

結衣「うんっ。人気店だからちょっと並ぶけど、とっても美味しいんだよ!」

八幡「ふーん。なら期待して待つか」

結衣「うん! そうしてそうして!」



???「あれッ!? もしかして、結衣先輩ですか!?」


八幡「ん?」

結衣「あっ」

結衣「あっ、いろはちゃん! 久しぶり!」

いろは「お久しぶりです! 高校のとき以来ですよね?」

結衣「うん! そうだよねー、あれからあってなかったもんね〜……いろはちゃん、懐かしいなぁ〜」

いろは「はい、私もです。――で、そちらの方は……あっ、もしかして彼氏さんですか?」ニヤニヤ

結衣「えっ、違うよいろはちゃん! ヒッ――」

プルルルル

八幡「あ、ごめん。電話」

結衣「あ、うん」

いろは「……」

八幡「……」スタスタ

いろは「あの人メチャクチャかっこいいじゃないですかー! 本当に彼氏さんじゃないんですか?」

結衣「違う違う! だから――」

いろは「えー、じゃあ狙っちゃおうかなぁ〜」

結衣「へっ!?」

いろは「なーんて嘘ですよ〜。私、彼氏いますし。一応」

結衣「あはは、そっかぁー……」

いろは「じゃあ誰ですか? お友達とか?」

結衣「え? だから――」

いろは「あっ、わかりました! 今は友達だけど、絶賛攻略中とか?」

結衣「だ、だから違うっていろはちゃん!」

いろは「え〜、そんな照れなくてもいいじゃないですかぁ〜」

結衣「て、照れてないし!」

いろは「ほんとにそうですかね〜?」ニヤニヤ

結衣「ヒッキー!!!」

いろは「え?」

結衣「だからヒッキーだって! あの人!」

いろは「……は?」

仮面『もしもし』

傭兵A『少々不手際がありました』

仮面『なんだ?』

傭兵A『昨日雇ったホームレスの一人が、一命をとりとめたようです』

仮面『ほう、あの毒を飲んで生き残るとは』

傭兵A『どういたしますか? このままでは……』

仮面『いや、いい。この裏でマフィアどもが絡んでいる以上、警察も簡単には手出しできない。それに我々の存在がバレたところで、むしろ都合がよくなるだけだ』

傭兵A『では』

仮面『ああ、放っておけ。――あと例の件はどうなった?』

傭兵A『順調です』

仮面『よし、これから大量に必要となる。なるべく多く仕入れとけ』

傭兵A『わかりました。では……プツッ』

プープー

八幡「ふぅ……」

スタスタ

八幡「悪いな、話の最中だったのに」トコトコ

結衣「ううん。それより大丈夫?」

八幡「ああ、何でもない。ただの勧誘」

結衣「そっか」


いろは「……せ」

八幡「……ん?」

いろは「……せ、せん……ぱい?」

八幡「ん、おお、一色。悪かったな、挨拶が遅れて」

いろは「ほ、ほんとうに……せんぱいですか?」

八幡「まあな。だいぶ変わったから、わからなかったろ」

いろは「い、いえ……そんな……」

結衣「ねぇヒッキ〜! いろはちゃんね、ヒッキーのことメチャク――」

いろは「あーあー!!! 何でもないですー!」

八幡「ん?」

いろは「そ、それよりせんぱい帰って来てたんですねー。あははは〜……」

八幡「まあ……テレビ見てなかったのか?」

いろは「あ、いやぁー、そういう意味じゃなくて〜……」

八幡「ん?」

いろは「い、いえ、なんでもないです……」

八幡「そ、そうか……」

結衣「?」

今日はここまで
あまり進まず、すみません

投下します
0時までには全部投下しますが、ちまちま推敲しながら投下するので、まとめて見たい人は少々お待ちください

結衣「そういえば、いろはちゃんもここに?」

いろは「あ、はい」

八幡「一人で食べに来たのか?」

いろは「……いえ、とも――」


タッタッタ

イケ男「ごめんいろは! 待たせた!」

いろは「っ……」

結衣「ん?」

八幡「……」

イケ男「……って、あれ? いろは、知り合い?」

いろは「……うん。高校の時の先輩方」

イケ男「あっ、そうでしたか! はじめまして。いろはの彼氏をやらせてもらってます、イケ男です!」

結衣「へ〜、いろはちゃんの彼氏かぁ! はじめまして〜、由比ヶ浜結衣です」

八幡「どうも」(典型的な二枚目って感じだな、こいつ)

いろは「……」

イケ男「どうしたいろは?」

いろは「……ううん、何でもない」

八幡「?」

イケ男「すいません、無理言って席一緒にさせてもらって!」

結衣「ううん、全然いいよ〜。むしろそっちの方が楽しいし、ねっヒッキー!」

八幡「え? あ、おうそうだな」

いろは「……」

イケ男「でも高校の先輩かー。あの、もしよければいろはの高校時代の話、聞かせてもらえませんか?」

いろは「え……」

結衣「いろはちゃんの? いいけど……本人から聞いてないの?」

イケ男「ええ、もちろん聞いてますよ。でも第三者から見たいろはを、是非聞きたいんですッ!」

結衣「あ〜、彼女のことなら何でも知りたいって感じ〜?」ニヤニヤ

イケ男「まあ、そんな感じです///」

八幡「……」

結衣「いいかな、いろはちゃん?」

いろは「……はい。大丈夫、です」

結衣「うーん、そうだね〜……高校の頃のいろはちゃんといえばー……」

八幡「まて由比ヶ浜。俺が話そう」

結衣「えっ、ヒッキーが?」

いろは「っ!」

八幡「ああ。なんだかんだ言って、この中だと俺が一番、一色と関わっていたからな」

結衣「あー、言われてみればそうかも!」

イケ男「えっ、もしかして元彼とかですか?」

八幡「いや、そんな関係じゃない。ただのビジネスパートナー的なやつだ」

イケ男「ビジネス……はぁ」

いろは「……」

八幡「ちなみに、今の一色はどんな感じなんだ?」

イケ男「いまのいろはですか? そうですね……誰にでも優しくて、特に男子に大人気です! まあそん中で、この俺がゲットしちゃったんですがっ」テレテレ

八幡 (うわぁ……)

イケ男「まあ誰にでも優しくて、人当たりがいいって感じですね!」

八幡「そうか」

イケ男「で、高校のころはどうだったんですか?」

いろは「……」

八幡「そうだな……。――お前相変わらずだな、一色」

いろは「え?」

八幡「高校の頃もそんな感じだったぞ。男子に人気で、誰にでも優しくて。そのおかげで生徒会長もやっていた」

イケ男「えっ、いろは生徒会長だったの!?」

いろは「あ、うん……」

八幡「他に立候補がいないってぐらい人気だったぞ。特に男子に」

イケ男「へ〜、やっぱさすがだわ!」

いろは「あははは……そんなことないよ」

八幡「……」

結衣「ん〜……?」


結衣「あー、美味しかった!」

八幡「まあまあだったな」

結衣「えー、美味しかったじゃん!」

八幡「はいはい」

いろは「では先輩方、私はこれで……」

イケ男「今日はお話聞けて楽しかったです! ありがとうございました!」

結衣「いえいえ、こちらこそ〜」

八幡「……」

イケ男「じゃあいろは、また明日な!」

いろは「うん……」

タッタッタ


結衣「あれ? 彼氏さん帰っちゃったの?」

いろは「はい。昼ごはんだけの約束だったんで……」

結衣「へー、そうだったんだぁ……あっ、じゃあいろはちゃんも!」

いろは「?」

結衣「今日さ、これから空いてる?」

いろは「えっ、あ、はい。空いてますけど……」

結衣「じゃあさ、いろはちゃんも来ない?」

いろは「何にですか?」

結衣「ヒッキーのおかえり会!」

いろは「っ、先輩の?」

結衣「うん。ヒッキーが帰ってきてからさ、まだそういうのやってなかったから。みんなも呼んでるんだ」

いろは「……でも」

結衣「隼人くんとか、トベっちも来るよ?」

いろは「……いいんですかね、私参加しても」

結衣「え、なんで? もちろんだよ!」

いろは「……」チラッ


八幡「ふぁ〜」アクビ


いろは「じゃあ、参加……します」

結衣「やったー! じゃあそれまで一緒に――」

いろは「あ、いえ! お金もないんで、一旦帰ります。どこに集まればいいですか?」

結衣「うーんと、稲毛海岸駅の焼き肉屋さんなんだけど……わかるかな?」

いろは「はい。裏路地にあるやつですよね」

結衣「うん、そうそう! じゃあそこに8時に集合!」

いろは「はい、わかりました。ではまた後で」

タッタッタ

結衣「後でね〜いろはちゃん!」

八幡「……何話してたんだ?」

結衣「ん? いろはちゃんも誘ったの。今日のやつ」

八幡「あいつ彼氏とデートじゃねーのか?」

結衣「ううん。お昼食べに来ただけだって〜」

八幡「へー、変なの。でもそうか、あいつも来んのか」

結衣「あれ、やだった?」

八幡「いや、そういうわけじゃねーよ」

結衣「そっか! なら良かった!」

八幡「ん……」

結衣「でもいろはちゃん。ちょっと変わったよね〜」

八幡「そうか?」

結衣「うん。大人しくなったかな?」

八幡「いや。あれはあの時だけだろ」

結衣「そうなの?」

八幡「ああ」

結衣「そういえばさ、いろはちゃんって、そんなに人気だったっけ?」

八幡「ん?」

結衣「いや、高校のときの話。ヒッキー言ってたんじゃん」

八幡「あー、あれか」

結衣「うん。それに生徒会長だって――」

八幡「体裁を守った、ていえばわかるか?」

結衣「……ていさい?」

八幡「やっぱお前アホだわ」

結衣「なっ!? いきなりなんだし!」

日曜日:午後7時頃
東京都内


先輩刑事「っち、今日も手がかりなしか……」

葉山「そうですね……」

先輩刑事「目撃者もいないし、これといった証拠も見つからない。今回の事件は厄介だな」

葉山「はい……」

先輩刑事「そうだ。お前も知ってると思うが、昨日銀座の銀行でちょっと騒ぎがあったろ」

葉山「はい。死亡者が出たアレですか?」

先輩刑事「ああ。実はな、その銀行は◯◯財閥のグループらしい」

葉山「◯◯財閥って、あの……」

先輩刑事「ああ。今回の被害者、そしてその遺体が置き去りにされてたとこの会社だ」

葉山「……」

先輩刑事「銀行の方は事故として片付けられたから、警察は介入しなかったらしいが……」

葉山「……」

先輩刑事「謎の殺人事件に、謎の死亡事故。立て続けに◯◯財閥が絡んでやがる。なんかありそうだと思わないか?」

葉山「たしかに……」

先輩刑事「……まあそんなこと考えたってしょうがないがな。よし新米、一旦本部に戻るぞ」

葉山「はいっ……あ、先輩!」

先輩刑事「ん、どうした?」

葉山「あの、この前言った……」

先輩刑事「……ああ、そうか。今日だったか」

葉山「はい」

先輩刑事「まあどうせ捜査も進展してないだろうし、正直帰っても暇なだけだ。秘密にしといてやるから、行ってこい」

葉山「すみません」

先輩刑事「ただし酒は飲むなよ」

葉山「はい、もちろんです。では!」

先輩刑事「おう」



日曜日:午後8時ちょっと前
焼き肉屋外


八幡「やっぱ帰りたい」

結衣「ここまで来て何言ってんのヒッキー!」

八幡「だって……せめて小町呼ぼうぜ」

結衣「ちょっ……相変わらずシスコン!」

八幡「否めない」

結衣「認めたッ!?」


三浦「ゆい〜、こっちこっち!」

結衣「あ、優美子〜!――ほら行くよヒッキー!」

八幡「はぁ……」

三浦「来たね結衣……って、まさかこいつがヒキオとか言わないよね……」

結衣「え?」

八幡「あー、そのヒキオなんですが……久しぶり」

三浦「え? う、うん、久しぶり……ってあんた誰?」

八幡「は?」

三浦「こんなんヒキオのはずないじゃん! ちょっと結衣!」

結衣「あはは〜。でも優美子、ほんとにヒッキーなんだよー……」

三浦「ハァ〜?」

八幡「あの、高校の頃お世話になった比企谷八幡です。あの時はいろいろ調子のってすみませんでした」

三浦「……マジか。マジでヒキオか」

八幡「……はい」

三浦「ちょっ、あんためちゃくちゃ変わったじゃん! どうしちゃったの?」

八幡「ま、まあいろいろあってだな……」

三浦「いろいろあったて……変わりすぎでしょ」

結衣「だよね〜、私も最初思った。でも中身はヒッキーのままだよ」

三浦「へ〜……まあなにヒキオ……おかえり」

八幡「え、お、おう……」(あーしさんマジおかん)


結衣「そーえば優美子、他のみんなは?」

三浦「ん? あー、いま姫菜と戸部は中入ってなんか手続きしてる。他の連中はまだだよ」

結衣「そっか。じゃあここで待ってよっか!」

タッタッタ

彩加「ごめ〜ん、待たせちゃった!」

八幡 (天使来た!)

材木座「皆の者、待たせたな!」

八幡 (……)

結衣「あ! さいちゃんに材木座くん! やっはろー」

彩加「こんばんわ〜」

材木座「おうッ!」

彩加「あれ、八幡はまだ来てないの?」キョロキョロ

材木座「そうだな、八幡がいないぞ?」

結衣「あ、さいちゃん。ヒッキーは……」

八幡「……とつか、俺だ。俺が八幡だ」

彩加「え?」

材木座「む? むむむむぅ!?」

八幡「……なんだよ」

彩加「えー! ほんとに八幡!?」

八幡「お、おう……」

材木座「っふ……わ、我にはわかっていたぞ」

彩加「うそー、全然わかんなかった〜」

八幡「まあ、みんな最初はそうだ」

彩加「そっかぁ……でも、おかえり! 八幡!」ニコッ

八幡「おう」(ただいま、この笑顔)

材木座「おかえり! はちまんッ!」

八幡「あ、うん」

沙希「……」トコトコ

結衣「あ、サキサキ! やっはろ〜」

沙希「うん……」

八幡「……」

沙希「ねえ……一応、きたよ」

八幡「お、おう」

結衣「サキサキも会うのは久しぶりだね!」

沙希「そうだっけ」

結衣「そうだよ!」

三浦「へ〜、あんたも来たんだ」

沙希「……何、なんか文句あんの?」

三浦「別にー」

沙希「あっそ」

三浦「……」

沙希「……」

八幡 (バルカン半島)

三浦「あとは、隼人とあの子だけ?」

結衣「あ、うん。隼人くん大丈夫そう?」

三浦「うん。いま来れるってメール来た」

結衣「そっか、なら良かった」

八幡「……」

彩加「八幡すごい筋肉だね〜。触ってもいい?」

八幡「ん? お、おう。全然触れ」

彩加「じゃあお言葉に甘えて……」ニギッ

八幡「……」ギュッ

彩加「わ! 硬くなった!」

八幡「……」

彩加「すごいね八幡!」

八幡「ま、まあな」

三浦「へー、あーしにも触らせてよ」

八幡「え? いいけど……」

三浦「……」ニギッ

八幡「……」ギュッ

三浦「っ! ほんとじゃん! 硬っ!」

八幡「まあ、筋肉だからな……」

沙希「……」ツンッ

八幡「っ! な、なんだよいきなり」

沙希「別に……」

八幡「……」

結衣「えー、いいなヒッキ〜。私も触っていい?」

八幡「……いいけど」

結衣「……じゃあ触るよ?」

八幡「お、おう……」

結衣「っ……」ニギッ

八幡「……」ギュッ

結衣「キャッ!」

八幡「?」

結衣「急に硬くなったからビックリしたよ〜。えへへ〜」

八幡「そ、そうか……」

材木座「はちまーん、我も〜」

八幡「え、やだよ」

材木座「何でッ!?」

仲良し会話ウゼェと思われる方がいるかと思いますが、この先シリアス一直線なので少々お付き合いください……

いろは「すみませーん、遅れました〜!」

葉山「ごめん、待たせたかな」

結衣「あ、いろはちゃんに隼人くん。ううん、全然平気だよ」

八幡「なんだお前ら、一緒に来たのか?」

葉山「いや、偶然そこであって……って、ん?」

八幡「?」

葉山「まさか……比企谷か?」

八幡「おう。久しぶり」

葉山「……変わったな比企谷」

八幡「……ま、まあな」

いろは「……」

三浦「じゃあ全員そろったことだし、中入ろ」

結衣「うん、そうだね。トベっちとか待たせてるし!」

沙希「……」

材木座「焼肉かッ! 今日は食いまくるぞー!」

彩加「僕はあんまり食べれないかも。えっへへ」

いろは「あー、私もかもです〜」

葉山「じゃあ代わりに俺がいただこうかな」

いろは「あ、はい! 葉山先輩よろしくお願いします!」

八幡「……」

スタスタ

日曜日:午後8時
焼肉屋



海老名「あ、みんな集まったみたいだね。ハロハロ〜」

戸部「おっ、隼人くん、メチャおひさじゃん!」

葉山「おう戸部、久しぶりだな!」

海老名「あれ、ところでメインの比企谷くんは?」

結衣「いるよ〜、ほら!」

八幡「どうも」

戸部「えっ!? マジヒキタニくん!?」

八幡「まあそうだ。ヒキタニじゃないけどな」

結衣「ねー、驚いたでしょ?」

戸部「やベーわ! ちょーやベーわ!」

いろは「戸部先輩、ちょっとうるさいですよー」

葉山「あははは……」

海老名「……フヒッ」

三浦「ん? ちょっと姫菜?」

海老名「……うぉおおおおお! ハヤハチ復活キタァーー!!! しかも比企谷くんはガチマッチョだぁー!」

三浦「ちょっ、姫菜!」

八幡「……」

海老名「さあどうぞ! 二人で裸になってレスリングやってくだ――」ドバァッ

アーアーマタヤッタヨコノコハ… アハハハ…



八幡「……相変わらずだな」

葉山「……そう見えるか?」

八幡「まあ、少なくとも」

葉山「そうか。なら良かったよ」

八幡「?」

葉山「いや、そう見えるなら君も変わっていないってことだろ? 外見はともかく」

八幡「……そう、かもな」

葉山「ちょっと安心した」

八幡「……」

ワイワイ ガヤガヤ


葉山「さあみんな、そろそろ始めよう!」

葉山「じゃあ比企谷の生還を祝って!」


    「「『カンパーイッ!』」」

カンッ! カンッ! カンッ!

ワイワイワイ 
ガヤガヤガヤ


八幡「えっ、お前ら付き合ってんの?」

戸部「いやぁ〜、おかげさまでー///」

海老名「うん……///」

八幡「マジか……」

結衣「もう4年目なんだよねー! ほんとお似合いだよ〜!」

戸部「でもマジヒキタニくんには感謝しなくちゃと思ってさ! マジありがとう!」

八幡「え、なにが?」

葉山「修学旅行のことだよ。俺がみんなに話したんだ」

八幡「あー、あったなそんなの」

姫菜「私からも、ありがと比企谷くん」

三浦「ま、まあ一応あーしからも……サンキューヒキオ」

八幡「え……いや……別に」

結衣「あれ? ヒッキー照れてる?」

八幡「馬鹿。照れてねーよ」

アハハハハ…

彩加「そういえば八幡、この5年間どこにいたの?」

材木座「あ、それ我も聞きたいぞ!」

八幡「ん? あー、無人島」

彩加「無人島?」

八幡「ん。無人島で5年間暮らしてた」

彩加「へぇ〜、すごいね八幡! だからそんな筋肉ムキムキなんだね!」

八幡「……まあそうだな」

材木座「八幡、我も無人島で暮らせば痩せるか?」

八幡「ああ、痩せるぞ」

材木座「何? ならば我も――」

八幡「そして餓死するな」

材木座「なに!? 我をなめてるだろ八幡!」

三浦「……ねえ、それあーしの肉なんだけど」

沙希「別にいいでしょ、たくさんあるんだし」

三浦「は? じゃあ別のとりなよ」

沙希「あ? なんでそんな面倒くさいこと、いちいちしなきゃならないの?」

三浦「はッ?」

沙希「あッ?」


八幡「……」

いろは「はいっ、葉山先輩!」スッ

葉山「おっ、ありがとう。いろはは食べなくていいのか?」

いろは「あっ、はい。ダイエット中なんで!」

八幡「その割にはパスタ、ばくばく食ってたけどな」

いろは「なっ!」

葉山「パスタ?」

いろは「あ、いえ、なんでもないです〜」

葉山「……?」

いろは「……はい先輩、お肉どうぞ!」

八幡「おうサンキュ、って……焦げたの渡すなよ」

いろは「いいじゃないですか〜、せっかく取ってあげたんですよ〜?」

八幡「ったく……」

いろは「あっ、すみません……つい」

八幡「ん?」

いろは「……」

結衣「そういえばヒッキー。お酒飲んでるけど、平気なの?」

八幡「ああ、まあな」

結衣「すごい飲んでるじゃん……もしかして無人島にお酒あったとか?」

八幡「ん? あー、帰ってきてから練習した」

結衣「練習?」

八幡「うん。飲む練習」

結衣「へ〜……」

八幡「へー、じゃあ戸塚は看護師、戸部はスポーツメーカーの営業部か。似合ってるな」

彩加「そうかな、えっへへ」

戸部「マジ4月からバリバリ働かなきゃだわ!」

八幡「由比ヶ浜は資◯堂だっけ?」

結衣「うんうんそうだよ!」

八幡「お前は?」

沙希「わたし? わたしは……教師///」

八幡「教師か。いいんじゃないか、似合ってると思うぞ」

沙希「そ、そう?」

八幡「うん」

沙希「そ、そっか……」

結衣「ねえヒッキー、優美子すごいんだよ!」

八幡「ん?」

三浦「ちょっ、結衣!」

結衣「由美子ね、◯◯ホールディングスに就職したんだ!」

葉山「へぇ〜、それは俺も初耳だな。そっか、優美子すごいね」

三浦「べ、べつにそんなこと……///」

八幡「◯◯ホールディングス?」

結衣「うん! とにかくめっちゃ人気なの! ヒッキーも◯◯財閥は知ってるでしょ?」

八幡「っえ、あ、うん」

結衣「そこのグループっていえばわかるかな?」

八幡「……ああ、わかった。よく」

沙希「……」

結衣「すごいよねー優美子!」

三浦「だからそんなことないって……///」

八幡「……」

八幡「……そういえば、葉山お前は?」

葉山「ん、俺?」

八幡「お前はもう仕事に就いてるらしいな。由比ヶ浜から聞いたぞ」

葉山「あー、うん。まあな」

八幡「何の仕事やってんだ?」

葉山「えーっと……警察、かな」

八幡「……」

いろは「えっ、葉山先輩、警察官なんですか!?」

葉山「うん、まだヒヨッコだけど」

いろは「すごいです! なんかかっこいいですね!」

葉山「あはは……」

八幡「でもたしか警察になるには、警察大学校に行かなきゃならなかったはずだが……お前、まだ大学卒業したばっかだろ」

葉山「あー、なんていうか、おととしから導入されたシステムなんだけど、特別推薦っていうのがあってさ」

八幡「特別推薦?」

葉山「うん、まあつまり……」

いろは「葉山先輩は優秀ってことですね!」

八幡「ああ、なるほど」

葉山「う、うん。で、大学3年から並行して警察の訓練を受けてたんだ」

八幡「へー、そんなシステムができたのか」

葉山「うん。だからまだ階級は巡査部長だけど、一応俺も警察官ってわけ」

八幡「ふーん……で、今はどんなことを? パトロールか?」

葉山「いや……それがある事件を捜査しててさ」

八幡「……ある事件?」

葉山「ああ。ほら、この前起きた殺人事件。千代田区のビルに遺体が置き去りにされてた……」

優美子「え、隼人そんなことやってんの!?」

葉山「うん。まあな」

結衣「私もそれ知ってる! 4人殺されちゃった事件でしょ? あれ怖いよね〜」

彩加「僕も見たよそのニュース。医療に関わる人間として、やっぱ殺人って嫌だな〜」

姫菜「私も〜。お突き合いは大歓迎だけどね!」

八幡「……」

葉山「まあ詳しいことは言えないんだけどさ、正直全然進展してなくてね」

八幡「進展してないのか?」

葉山「うん。とにかく謎なんだ」

八幡「……」

葉山「っ、ごめんみんな。せっかくの焼き肉が、俺なんかの話で台無しに……」

八幡「いや、別にいいだろ。今食ってんのこいつだけだし」

材木座「ムふゥ!?」バクバク

八幡「でもなんで警察官に? お前の父親って弁護士じゃなかったか?」

葉山「ああ、そうなんだけど……なんか見ててられなくてさ、今の街を」

八幡「……」

葉山「比企谷だって、帰ってきて感じなかったか? ぱっと見平和で豊かだけど、裏はそうじゃないって」

八幡「……」

葉山「今のこの町は、いろんなものを犠牲にして成り立っているんだ。でもそれは正しくない」

八幡「……」

葉山「だからそれを変えたくてさ。なら一番身近なのは警察だと思って……まあ、俺一人がどうこうできる問題じゃないんだけど……」

八幡「正義だな」

葉山「え?」

八幡「お前は正義そのものだよ。高校の時もそうだったけど、お前は正義感で溢れてる」

葉山「そ、そうか? 変なこと言うな比企谷は」ハッハッハ

八幡「いいや、そうだ……」

本当はもっと書きためているんですが……今日はこの辺で。時間通りいかず、すみません
また明日投下します

そろそろ投下したいンですが、もう少しだけ
30分ぐらいから投下します

八幡「……」ゴクゴク

結衣「……」ジーッ

八幡「……ふぅ」

結衣「……ねえヒッキー、それ何杯目?」

八幡「ん? 3杯目ぐらいじゃないか」

結衣「……嘘。ヒッキーそれで6杯目だよ?」

八幡「そうだっけ?」

結衣「よくそんな飲めるね。私だってあんまお酒慣れてないのに」

八幡「んー、まあ体質だろ」

結衣「そうかな〜」

バンッ
沙希「おい! 酒持ってこい!」ヒック

戸塚「っ!?」


三浦「だからねぇ……あーしがあのときぃ……うぅぅ……」ボロボロ

海老名「あーそうだったのか〜、よしよし〜」ヤレヤレ


いろは「戸部せんば〜い! 顔キモいでぇ〜すぅ!」ベロベロ

戸部「えー……ちょ、いろはすヒドすぎっしょ〜」アセアセ


材木座「」バクバク


結衣「あはは〜、みんなすっかり酔っ払っちゃったねー……」

八幡「だな」

葉山「そろそろお開きにするか」

結衣「うん、そうしよっか〜」


日曜日:午後11時頃
駅前



結衣「ほら優美子、しっかりしてよ〜」

優美子「うぅう……私があのときぃ……」ボロボロ


結衣「……じゃあ優美子は任せて! サキサキは大丈夫?」

海老名「うん、私たちで家まで送るから安心して」

沙希「ったくよ〜、大志まだ彼女できないんだぜぇ〜」ヒック


戸部「ま、まあ……任せろっしょ!」

結衣「じゃあ、あといろはちゃんは……」

いろは「せんぱーいぃ、こっち向いてくださいよぉ〜」

八幡「……」

結衣「ヒッキー、お願いできる?」

八幡「……まあ」

葉山「悪いな比企谷。俺も手伝いたいんだけど、これから本部に戻らないといけなくてさ」

八幡「あ? 別にいいって。お前は早く犯人捕まえろ」

葉山「え? お、おう……」

八幡「戸塚は平気か?」

戸塚「うん。酔ってるわけじゃないから平気だと思う」

材木座「うぅ〜……食べ過ぎたぁ……」

八幡「……材木座、重いぞ」

戸塚「大丈夫だよ八幡! 僕以外と力あるんだよ?」

八幡「そうか……」(かわいい)

結衣「じゃあそろそろ、みんな……」

八幡「あ、ちょっといいか」

結衣「ん? どうしたのヒッキー?」

八幡「いや、なんといか……みんな、今日はありがとな。俺のために集まってくれて」

      「「「……えっ!?」」」

八幡「ん、どうした?」

結衣「いや……ヒッキーがお礼を……」

八幡「?」

彩加「も、もちろんだよ八幡!」

八幡「お、おう……?」

葉山「比企谷が素直に礼を言ったから、みな驚いてるんだよ」

八幡「ん、礼ぐらい言うだろ普通は」

葉山「ま、まあ。でも比企谷だからさ……」

八幡「そうか?」

葉山「うん」

結衣「と、とにかくどういたしましてだよヒッキー!」

海老名「うんうん。また集まろうね!」

戸部「ヒキタニくんのためなら当たり前っしょ!」

彩加「僕もだよ! どういたしまして!」

八幡「そ、そうか。なんかサンキュー」ボリボリ

葉山「……」

彩加「じゃあ僕達こっちだから、またねみんな!」

イコッザイモクザクン フグッゥ……


海老名「私たちもこっちだから……また今度ね〜」

戸部「じゃあねー隼人くんっ、ヒキタニ君ッ!」

カケル、サキサキテツダッテー ア、ヒナマッテテ〜…



葉山「幸せそうでなによりだ」

結衣「うん! ほんとそれ!」

八幡「……」

結衣「じゃあ私たちも行くねッ。優美子送んなきゃだし、じゃあね!」

八幡「ん」

葉山「うん。帰り道気をつけて」

結衣「あ、ヒッキー。またメールするから、あといろはちゃんよろしくね! くれぐれも変なことしちゃダメだよ?」

八幡「しねーよ。ほら、早くいけ……あ、おい由比ヶ浜」

結衣「ん?」

八幡「今日お前が企画してくれたんだろ。ありがとな本当に」

結衣「え……うん。どういたしまして……」

八幡「……」

結衣「……えっへへ。なんか恥ずかしいね!///」

八幡「……なんだよ」

結衣「ううん、なんでもない! じゃあバイバイ!」

ホラ、ユミコシッカリシテッ ウゥゥ…

八幡「……俺も行くわ。こいつ運ばなきゃだし」

いろは「せんぱ〜い……ヒック」


葉山「そうだな……」

八幡「……じゃ」

葉山「――なあ比企谷!」

八幡「っ、なんだよ」

葉山「お前……本当に変わってないのか?」

八幡「……」

葉山「正直、比企谷があんな素直に礼を言うなんて、思わなかったんだ。だからなんというか……変わったように見えてさ、比企谷のことが」

八幡「……」

葉山「俺は……俺自身は、今も昔も変わってない、と思う」

八幡「そ、そうか」

葉山「でも、比企谷の周りにいた人間は、お前が事故にあって以来、変わったと思うんだ……なんとなくな」

八幡「……」

葉山「結衣もニコニコ笑ってるけど……あいつもきっと苦労したと思う。雪乃、下さんだって……」

八幡「……つまり、何が言いたいんだ?」

葉山「比企谷も変わったんじゃないか? この5年間で」

八幡「……だとしても、それがどうした。人が変わるなんて、当たり前のことだろ」

葉山「ああ、そうなんだけど……なんというか、それが嫌でさ。みんな、俺の知らない人に変わっていくんだな、と思うと……」

八幡「なんだそりゃ」

葉山「……っふ、変だよな、やっぱ」

八幡「ああ、変だ」

葉山「あ、あとさ」

八幡「ん、なんだまだあんのか?」

葉山「ああ。――比企谷は嫌がると思ったんだけど、俺も葬式に参加したんだ……」

八幡「……」

葉山「君のために涙を流している、大勢の人たちを見た」

八幡「……」

葉山「だからなんだって話なんだけど……」

八幡「はぁ。もう悲しませるなって言いたいんだろ」

葉山「え、あ……そういうこと、かな……」

八幡「同じことをいろいろな人に言われた。でも俺自身、死んだわけでもないからさ、正直何のことかさっぱりなんだ」

葉山「……そうだよな。悪い、無神経な事言って」

八幡「いや、でも正しいよ。お前は正しい」

葉山「……」

八幡「さっきの問いだけど」

葉山「ん?」

八幡「変わったかどうかの話」

葉山「ああ、うん」

八幡「変わってない。俺は、5年前のままだ」

葉山「……そうか」

八幡「でも、成長してないわけじゃない」

葉山「……というと?」

八幡「この5年で自分自信が何なのか、はっきりわかったんだ。まあなんだ、アイデンティティーの確立ってやつ? それとも信念を持った、とでも言えばいいか……」

葉山「……」

八幡「葉山、お前の信念はなんだ?」

葉山「俺の?」

八幡「ああ。高校の時と変わらず、『みんな仲良く』か?」

葉山「……そう、かもしれない」

八幡「ならそれを強く持て。そう思い続ける限り、お前は俺たちにとっての正義だ」

葉山「正義?」

八幡「ああ。警察官なら必要だと思うぞ」

葉山「そう、だな」

八幡「ああ……」

葉山「そうだよな……」

八幡「……」

葉山「……」

八幡「……じゃあな、行くわ」

葉山「おう。ありがとう比企谷」

八幡「いや、なんのことない」

八幡「よし、行くぞ一色」

いろは「せんぱぁ〜い……」





八幡「じゃあ……また」

葉山「ああ……また」

トコトコ









電車


八幡「なあ一色。お前駅どこだ?」

いろは「えー、どこでひたっけぇ〜」ダラァ

八幡「ったく……なんかねーのか、場所わかるの?」

いろは「わかりましぇーん!……ヒック」

八幡「……はぁ」

いろは「んぅ……せんぱぁーい?」

八幡「なんだよ」

いろは「なんでぇー、帰ってきたんですぅかぁ〜?」

八幡「あ?」

いろは「だからぁ〜、なんで今になってぇ帰ってきたんですかぁ〜……」

八幡「……」

いろは「せんぱいにぃ〜、あんなとこ見られたくなかったんですよぉー?」

八幡「あんなとこ?」

いろは「パスタ屋さんですぅよ〜」

八幡「あー……」

いろは「せんぱいのせいですよぉ〜」

八幡「俺の?」

いろは「はぃ! せんぱいがぁー、責任取ってくれるていったのにぃー、いなくなっちゃうからぁ〜」

八幡「……そんなこといったっけか」

いろは「いひましたよぉー。責任取ってくださいねッてぇ〜」

八幡「……それお前じゃん」

いろは「でもぉ〜……だけどぉ〜……」

八幡「……」

いろは「せんぱいはぁ〜、ほん……ぉ……」

八幡「ん、おい一色?」

一色「……」スピー

八幡「……ったく、寝る前に家教えろよ」

一色「……」スースー

八幡「はぁ……」

いろは「……」スヤスヤ

八幡「……」

月曜日:未明



八幡「えーっと、エイト幡ヶ谷、エイト幡ヶ谷……っ、ここか」

いろは「……」スヤスヤ

八幡「おい、着いたぞ一色。お前のアパートだ」

いろは「……」スヤスヤ

八幡「ったく、お前んち東京にあるなら先言えよ……今からじゃ、電車もねえじゃねーか」

いろは「……」スヤスヤ

八幡「……まあいいや。で、部屋はどこだ?」チラッ

_____________________________________
| △△大学. 学生手帳          |
|名前: 一色いろは            |
|住所 渋谷区幡ヶ谷2丁目エイト幡ヶ谷201 |
|電話番号: 020-0808-0416        |
|memo__________________|
|____________________|
|____________________|


八幡「201号室か……よし」

↑見にくいけど、手帳の端っこと思って下さい

トンッ
トンッ | ̄
トンッ | ̄
| ̄

ピタッ

八幡「……っん?」

イケ男「……あっ」

八幡「お前……たしか、昼の」

イケ男「……」

八幡「もしかして、一緒に住んでるとか?」

イケ男「は?」

八幡「ん?」

↑ミス

   トンッ
  トンッ | ̄
 トンッ | ̄
  | ̄

ピタッ

八幡「……っん?」

イケ男「……あっ」

八幡「お前……たしか、昼の」

イケ男「……」

八幡「もしかして、一緒に住んでるとか?」

イケ男「は?」

八幡「ん?」

イケ男「……いろは、どうしたんすか?」

八幡「……ああ、こいつ? いや、酔い潰れちゃったから」

イケ男「……飲んでたんすか?」

八幡「まあ」

イケ男「……はぁ」

八幡「?」

イケ男「……じゃああなたがいろはに伝えてください。もう別れようって」

イケ男「……いろは、どうしたんすか?」

八幡「……ああ、こいつ? いや、酔い潰れちゃったから」

イケ男「……飲んでたんすか?」

八幡「まあ」

イケ男「……はぁ」

八幡「?」

イケ男「……じゃああなたがいろはに伝えてください。もう別れようって」

八幡「え、なに? なんで?」

イケ男「だって……あなたがその浮気相手なんでしょ?」

八幡「浮気? 誰が?」

イケ男「っ、あなたですよ。友達から聞いたんです。いろはが知らない男と、腕組んで歩いてたの見たって」

八幡「へぇ〜」

イケ男「あなたでしょ?」

八幡「は? 俺?」

イケ男「はい。今だって、いろはのことおぶってるじゃないすか」

八幡「いや、これはただ運んでただけで」

イケ男「でも2人で飲んでたんですよね?」

八幡「……待て、なんか誤解してるぞお前。俺らは別に――」

イケ男「もういいです。直接いろはに聞いてみようかと思ったけど、これでわかりました」

八幡「は?」

イケ男「なんか怪しかったんですよね、2週間ぐらい前から」

八幡「おい、だから――」

イケ男「それにお昼だって……そうか、あなたがいたから」

八幡「……」

イケ男「はぁ……噂は本当だったのか。信じた俺がバカだったんだな……」

八幡「お前、人の話聞かないタイプだろ」

イケ男「とにかくいろはは任せました。あと、さっきのことちゃんと伝えておいて下さい。――では」

八幡「え、おい、ちょっと待てって!」

タッタッタ


八幡「……なんかマズイことしたな」

ガチャ

八幡「着いたぞ一色」

いろは「ん〜……」

八幡 (これ、不法侵入とかにならないよな……まあ今さらって話だけど)

いろは「せんぱぁ〜い……」

八幡「おっ、起きたか」

いろは「んん……」スースー

八幡「……」

八幡「お邪魔しまーす……」

トコトコ

八幡「ふーん、ここがお前の部屋か。案外汚いな」

いろは「……」スースー

八幡「よいしょっと」スッ

ゴロンッ
バタッ

いろは「ん〜……」ムニャムニャ


八幡「よし、ちゃんと送ったからな。文句言うなよ」

いろは「……」スースー

八幡「……」



 ここで俺以外の男なら、間違いなくエッチな悪戯をしただろう。
 それくらい、一色ははだけていた。特に胸。



八幡「……帰るか」

月曜日:朝
自宅



八幡「……おはよ」

小町「おはよ〜。昨日何時に帰ってきたの?」

八幡「ん? 何時だったかなー、6時ぐらい?」

小町「6時って、もうそれ今日じゃん。ていうか、さっきじゃん」

八幡「いや、人を家まで送ってたんだ。酔い潰れちゃってさ。で、終電無くなったから走って帰ってきた」

小町「走って? え?」

八幡「あー、っていっても割と近く」

小町「ふ〜ん……お兄ちゃんはお酒飲んだの?」

八幡「ちょこっと」

小町「飲みなれてなかったから、美味しくなかったでしょ」

八幡「まあな」

小町「小町これから大学だから……お兄ちゃん今日用事は?」

八幡「ああ、バイトの面接いってくる」

小町「そっか、頑張ってね」

八幡「ん」

月曜日:昼
いろは宅



いろは「んんん……ぁ……」

パチクリ

いろは (……なんで私ベットに……んー、よく覚えてないや……てか今何時だろ)

チラッ

いろは「12時……もう昼じゃん……あー、頭痛いしだるいぃ……」

ペラッ

いろは「ん? なにこれ」

____________________________________
|                    |
| 起きたか一色             |
|  そしたらまず顔洗って、歯を磨け   |
| で、冷蔵庫に酔い止めのお茶入れといた |
|            から飲んどけ  |
|あと、お前の彼氏が昨日(今日)来てたぞ。|
| なんか知らんが俺のせいで変な誤解した | |     らしいから、ちゃんと話合っとけ|
|      以上、長文スマソ ハチマソ |
|追伸                  |
| お前部屋掃除しろ、汚ねー       |
|____________________________________|


いろは「……は?」

月曜日:午後
工事下請け会社



責任者「うん。体格もいいし……合格!」

八幡「ありがとうございます」

責任者「さっそく明日からでもって言いたいんだけど、手続きとかあるからさ。明後日ぐらいからでもいいかな?」

八幡「あ、はい。構いません」

責任者「よし、じゃあ明後日からよろしくね」

八幡「はい、よろしくお願いします。――あ、あの最後にもう一度聞いてもいいですか?」

責任者「ん、なんだい?」

八幡「今やってる工事って……」

責任者「うん、さっき説明した通りだよ。海ほたるのカジノパーク、そこの建設工事」

八幡「……そうでしたね、わかりました。――では、明後日からよろしくお願いします」

月曜日:午後


スタスタ

雪乃「……」

ブーブー

雪乃「……メール……誰からかしら?」

チラッ

雪乃「……由比ヶ浜……さん」

スッ
スタスタ

今日はここまで
明日、できたら投下します

>>430
シーズン1のアローみたいな動機はなさそうだもんなあ
郷土愛といえばそれだけだけど

>>436
少し仮面までの展開が早すぎたと反省しています。動機づけがおろそかでした
今日は投下できませんが、今後はやや日常(二重生活の問題)多めでストーリーを展開していきたいと思います。――ではまた明日

明日になりました
投下します

雪ノ下建設本社




陽乃「……で、他に言い訳ある?」

気弱「い、いえ……まったく……」

陽乃「そう、じゃあもういいわ。帰って辞職届けでも書きなさい」

気弱「そ、そんな!」

陽乃「あなた、自分が何したかわかってるでしょ? それぐらい当たり前だと思うけど」

気弱「……」

陽乃「この雪ノ下建設に無能は必要ないの。わかった?」

気弱「……はい」

陽乃「さ、この話は終わりよ。帰って帰って」

気弱「……お世話になりました」

トボトボ

気弱「……」トボトボ



男社員1「気弱、かわいそうだよな。ちょっとミスしただけでクビか……」

男社員2「いやぁー、でもあれは気弱が悪いっしょ」

女社員1「でもちょっと偉そうじゃない、雪ノ下専務。いくら社長の娘さんだからって……まあ専務だから偉いけどさ」

女社員2「たしかまだ30もいってなかったよね? なのに専務って、やっぱ社長のコネなのかな?」

男社員1「いや、だとしてもあの人はすごいよ。とにかく完璧に仕事するからね。偉そうに振る舞えるほどのことはしてるよ」

男社員2「そうそう。それに専務が役員になってから、会社の売り上げも上々だってさ」

女社員1「へぇ〜、そんなにすごいんだ」

女社員2「なんかちょっと憧れちゃうな〜」

男社員2「おまけに美人だしな!」

男社員1「うんうん」

女社員1「あ、わかった。あんたたち、だから専務のことを良く言うのね?」

男社員1「い、いや別にそういうわけじゃないよ。あははは……」

男社員1「あ、社長の娘さんで思い出したけど、もう一人いるの知ってるか? 専務の妹さん」

女社員2「ヘぇ〜、妹もいたんだ」

男社員1「うん。でさ、これがまたすごいらしいんだよ」

女社員1「すごい?」

男社員1「妹の方は建築設計部門いるらしいんだけど、仕事できるわ美人だわで有名なんだって。会社で噂になってるよ」

女社員1「ふ〜ん。全然知らなかった」

男社員2「俺もー」

男社員1「まあ知らないか。なんせ大学卒業したての新人さんなんだから」

女社員1「え!? ちょっとそれどういうこと?」

男社員1「ん? そのまんまだよ」

女社員1「まだ入社式してないでしょ?」

男社員1「んー、まあそりゃあ……ってか、それこそ社長のコネだろ」

女社員1「……」

女社員2「……ま、まあとにかく、姉妹そろってすごいんですね〜」

男社員1「うん。そういうこと」

男社員2「いいな〜、妹さんも美人なのかー。どっちかとでもいいから付き合いたいな〜」

女社員1「あんたじゃ無理よ」

エーソンナコトイウナヨ アッハハハ……



トントン

雪乃「失礼します」

ガチャ

陽乃「あ、お帰り雪乃ちゃん。どうだった?」

雪乃「ええ、順調よ。少し地下の工事が遅れてるみたいだけど、あと半分ってとこかしら」

陽乃「そっかー。私も水曜日視察に行くと思うけど、いよいよあと半分かぁ〜……」

雪乃「……それで、何の用? プライベートでここに呼んだのでしょ?」

陽乃「あ、うん。まあね〜」

雪乃「なにかしら」

陽乃「あー、うん。あのね、私結構忙しいじゃん?」

雪乃「……そのようね」

陽乃「専務の仕事に、お父さんの付き合いにも顔出さないとだし」

雪乃「……」

陽乃「でね、今んとこそれを一人で全部やってるんだけど、ちょっと最近キツくなって来たからさ、秘書が1人欲しくなっちゃって」

雪乃「……まさか、それを私にやれと?」

陽乃「うん……まあそういうこと。お願いできる?」

雪乃「答えなくともわかるはずよ」

陽乃「だよね〜、やっぱダメかぁー」

雪乃「姉さんに四六時中付き添うなんて、ゴメンだわ」

陽乃「あ〜、雪乃ちゃんひどーい!」

雪乃「それに私が秘書になったら、お父さんの付き合いにも参加することになるのでしょ? そんな手に乗ると思った?」

陽乃「あっはは、バレてたか」

雪乃「用はそれだけかしら? なら私は戻らせてもらうわ」

陽乃「あー、待って雪乃ちゃん」

雪乃「なに?」

陽乃「ちゃんと向き合わなきゃダメだよ」

雪乃「……なんのことかしら?」

陽乃「わかってるはず。私が言わなくてもね」

雪乃「……」

陽乃「じゃあそういうことだから」

雪乃「……」サッ

ガチャ

陽乃「……まったく、雪乃ちゃんったら」

月曜日:夜
自宅



八幡「このオムライスうまいな……」パクパク

小町「あっ、お兄ちゃん。そういえばバイトの面接どうだった?」

八幡「ん? ああ、合格したよ」

小町「おっ! よかったじゃん。これでやっとお兄ちゃんもニートじゃなくなるね!」

八幡「まあな」パクパク

小町「そういえば何のバイト?」

八幡「工事のやつ」パクパク

小町「あー、そっち系か〜。まあほどほどにね〜、体傷めないように」

八幡「ん」モグモグ

八幡「なあ小町、ゲームやらないか?」

小町「うん、いいよ。何やるの?」

八幡「これ」スッ

小町「っ、また古いセレクションを……こっちの新しいやつやろーよぉ〜」

八幡「いやでもさ、8面のボスが倒せないんだよ。だから」

小町「もー、じゃあそれ終わったらこっちね」

八幡「おっけー」

八幡「……」カチャカチャ

小町「……」カチャカチャ

八幡「……げっ、おい小町。それとるなよ」

小町「早いもの勝ちだよ〜ん」

八幡「……ったく、俺死んでも知らねーからな」カチャカチャ

小町「だいじょぶだいじょぶ。その時は小町がお兄ちゃんのこと守ってあげるよ! あっ、今の小町的にポイントたっかい〜♪」カチャカチャ

八幡「はいはい、頼みましたよ〜」カチャカチャ

小町「あ、そういえばお兄ちゃん」カチャカチャ

八幡「ん?」カチャカチャ

小町「昨日どうだったの?」

八幡「昨日? あー、まあなかなかだったな」

小町「みんなに会えた?」

八幡「ああ。相変わらずだったよ」

小町「そっか〜。よかったね♪」ニヤニヤ

八幡「……なんだよその顔は」

小町「いやさ〜、昔のお兄ちゃんはもっと捻くれてたからさっ」

八幡「そうか?」

小町「うんうん。前のお兄ちゃんも好きだけど、今のお兄ちゃんの方が小町好きかもッ」

八幡「はいはい(可愛い可愛い)」

小町「でもやっぱ、それって無人島生活のおかげだったとか?」

八幡「あ?」

小町「いやぁ〜、5年も人と接してなかったからかなぁ〜と思って」

八幡「ん、どういうことだ?」

小町「だからぁー、5年も人と接しなかったら、さすがに人肌恋しくなって……で、素直になる! みたいな」

八幡「あー、ないなそれは」

小町「ほんとかな〜」

八幡「ほんとほんと。それに無人島にはウィルソン君がいたから、一人じゃなかったしな」

小町「え、誰? ウィルソン君?……って、お兄ちゃんの他にも人がいたの!?」

八幡「いや、俺がヤシの実に顔描いて、そう名付けた。まあ無人島での、俺の唯一の会話相手だな」

小町「……」

八幡「ごめん冗談。そんな末期じゃないから」

小町「なによもうっ、本気にしちゃったじゃん……まったく」

八幡「ははは……」

小町「で、結衣さんとは?」カチャカチャ

八幡「は?」カチャカチャ

小町「だから、結衣さんとのデートだよ〜」

八幡「デート? あー……別にあれはそんなんじゃねーよ」

小町「えー、でも一緒にごはん食べたりしたんでしょ?」

八幡「まあな」

小町「もぉ〜、お兄ちゃんはそういうとこがダメなんだよ。今も昔も」

八幡「んー、なこと言われてもな……」

小町「もっと積極的にならなきゃ。結衣さん可愛いからすぐに誰かに取られちゃうよ?」

八幡「あ〜……てか、あいつ彼氏いるんじゃないか?」

小町「え?」

八幡「いや、だって5年もすれば彼氏の1人や2人ぐらいできるだろ。あいつなら」

小町「……はぁ、もうほんとゴミぃちゃん」

八幡「?」

小町「お兄ちゃんッ! 彼氏がいたらお兄ちゃんなんかに構うわけないでしょ!」

八幡「そうか? うーん、あれはなんというか……ただ俺が珍しいってだけだからだろ」

小町「は?」

八幡「あとたぶん喪失感? みたいなやつの反動的なものかと。知らねーけど」

小町「……もうだめだ。ちょっとでも変わったと思った私がバカだった」

八幡「人はそう簡単に変わんねーよ」

小町「……やれやれだよ、お兄ちゃん」

八幡「じゃあお前はどうなんだ?」カチャカチャ

小町「え? 何が?」カチャカチャ

八幡「彼氏だよ。お前も可愛い方だろ。5年も経てば1人や2人……」カチャカチャ

小町「……」カチャ…

八幡「ん? おい小町そこで止まるとドッスンに――」カチャカチャ

ピロロロ〜♪

八幡「ほら言わんこっちゃない。キノコが無駄になったじゃねーか」

小町「……」

八幡「……おい小町?」

小町「……ごめん、なんでもない」

八幡「……」

小町「ちょっと気分悪くなってきたから……お兄ちゃんあとは一人でやって」スッ

八幡「お、おい……」

小町「……じゃ」

スタスタ


八幡「……地雷踏んだか。そういえば前にもあったもんな」

ピロロロ〜♪

八幡「……くそ、また最初っからだ」

八幡「……」カチャカチャ

ブーブー

八幡「ん? メールか? そういえば今日1回も見てなかったけど……」

チラッ

八幡「っな! 着信30件に、メール40通ッ!?……新手の詐欺に引っかかったかな、俺。――とりあえず開いてみよう」


タップ

差出人: 不明
宛先: 比企谷 八幡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Re:
____________________

先輩、明日会えますか
____________________


八幡「え、誰?」

プルルルル

八幡「っ! 今度は電話か?」ドキッ

プルルルル

八幡「……しょうがねえ、でるか」

タップ

八幡「はい、もしもし……」

傭兵A『もしもし、私です』

仮面『っ……なんだお前か』

傭兵A『はい、そうですが……何かありましたか?』

仮面『いや、なんでもない。で、状況は?』

傭兵A『はい、全て順調です。明日の昼には届くでしょう』

仮面『そうか。なら明日は現地で落ち合おう。この目で最期を見届ける」

傭兵A『了解……では――』

仮面『あ、おいまて』

傭兵A『はい、なんでしょう』

仮面『俺にメールしたか?』

傭兵A『……いえ。メールはするなと、傭兵Cに言われているので』

仮面『……そうだったな。わかった、以上だ』

傭兵A『はい。それではまた』


プツッ プープー

八幡「……」

八幡「……じゃあ誰だよ。あっ、メール送り返せばいいのか。よしっ」

ポチポチ

八幡「……お前誰だっと、送信」ピロン♪


ブーブー
『新着メールが1件あります』

八幡「っ!?」

八幡「いや……いくらなんでも早すぎだろ。由比ヶ浜の並みじゃねーぞ……まあいい、開くか……」

タップ

差出人: 不明
宛先: 比企谷 八幡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Re:
____________________

一色です。それより明日会えますか
____________________


八幡「こいつ……一色か。はぁ、驚かせるなよ……」

八幡「で、何の用だ? 要件を書け要件を。――あっ、あの彼氏のことか……でも明日は無理だからな」


差出人: 比企谷 八幡
宛先: 不明 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Re:
____________________

ごめん、明日は用事があるから無理
____________________

八幡「送信っと」ピロン♪


ブーブー

八幡「……」

差出人: 不明
宛先: 比企谷 八幡
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Re: は?
____________________

何時でもいいんで、会えませんか
____________________


八幡「っ!? なにこいつ怒ってんの? いくらなんでも件名が『は?』はないだろ」

ポチポチ

八幡「……しょうがねえな。夜ならなんとかなるか……はぁ、こいつほんと何の用だよ」


差出人: 比企谷 八幡
宛先: 不明 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Re: Re:は?
____________________

わかった。7時以降ならなんとか
____________________


八幡「……送信っと」ピロン♪

次の日

火曜日:朝



小町「あれ、お兄ちゃんやけに早いね」

八幡「今日からバイトなんだ……あ、あと夜ごはんいらない」

小町「あ、うん……わかった」

八幡「じゃあ行ってくるわ」

小町「うん、頑張ってね……あっ、おにい――」

ガチャ
バタンッ

小町「……」

ここまで。また

>>483
ぶっちゃけスピーディーに限らず恋愛と家族ドラマがうざすぎた、フラッシュも右に同じ

>>485
ですよね。しかも最後はフェリシティ
いまいち共感できませんでした

すみません今日(明日の未明も)投下できません。
明日、また投下します。では

遅くなりました
投下します






三口会幹部「なに!? ブラドヴァが撤退しただと?」

◯◯財閥社長『そのようだ。これでは我々の事業も今後成り立たない』

三幹「あの野郎。マスク野郎にビビりやがって……」

社長『もうこの事業は中止にしよう。でなければ、私も……』

三幹「あ!? 一匹数が減っただけだろ! このまま続けても問題ないはずだ!」

社長『だ、だが銀行強盗の件もあるし……』

三幹「あれは政府のお偉方に大金払って黙らせたろ! そんぐらいで怖気づくんじゃねーよ!」

社長『……』

三幹「それに俺たちにはまだ山田組がいる。連中がいる限り俺たちに警察の手が及ぶはずはない」

社長『そうだといいんだが……』

三幹「とにかく事業は続行だ。いいな?」

社長『わ、わかった……』

プツッ プープー

火曜日:午前11時頃
山田組本部




ザワ… ザワ… ザワ…
 ザワ… ザワ… ザワ…


ダッダッダ


幹部「親分! 来ました、奴です!」



シーン… 



組長「おう……どれ、見せろ」

幹部「はい!――おい、もってこい!」


ダッダッダ
ボトッ
ダッダッダ

組長「……それで、こいつが例のマスク野郎か?」

幹部「はい、こいつに間違いありません」



仮面「」

組長「偽物じゃねーだろな」

幹部「はい。――顔中央部に白い手形模様、そして他は黒一色のこのマスク。間違いなく奴のものです」

組長「中身は?」

幹部「体格や、肉付きからいって間違いないと思います」

組長「そうか……」

幹部「はい」

組長「で、誰が殺したんだ?」

幹部「うちの組のもんです。新入りですが」

組長「そうか、ならそいつにようやったと言っとけ。あと約束通り100万もな」

幹部「はい、承知しました」

仮面「」

組長「……おい、聞こえるか。っていっても死人に耳はねえか。まあいい、あの世から聞いてろ」

仮面「」

組長「おめえ、俺ら山田組とその他を脅したんだってな。まったく馬鹿な奴だ」

仮面「」

組長「普通の野郎ならそんな真似しねえよ、死ぬとわかってるからな」

仮面「」

組長「まあでも、おめえのその勇気に免じて、家族には手を出さないでおいてやる。あの世から感謝することだ」

仮面「」

組長「……よし、持ってけ。犬の餌にでもし――」



ブーブーブー
   ブーブーブー

組長「あ?」

幹部「っ?」


組長「おい、誰の携帯だ。電源は消せと言ったろ」

幹部「いえ、俺のじゃ……。――おい、お前らか!」

イエ、オレジャ… オレジャナイッス オレデモ…

組長「じゃあ誰だ」


       「「『……』」」


「」ブーブー

幹部「お、親分! あれを!」

組長「あ?」


仮面「」ブーブー


組長「……こいつか」

幹部「……そのようです」

組長「おい……探せ」

幹部「は、はい!」

ガサガサ
スッ

幹部「……ありました」

組長「でろ」

幹部「……」コクリ

ピッ

幹部「……もしもし」

『……』

幹部「お、お前は!」

『……』

幹部「……だ、誰がそんなこと!」


組長「なんだ、誰からだ?」

幹部「れ……例のマスクからです」

組長「あ? こいつがそうじゃねぇのか」

幹部「……偽物だった、みたいです」

組長「……」

幹部「……」ゴクリッ

組長「……で、なんて?」

幹部「それが……」

組長「あん?」

幹部「あの……」

組長「なんだッ! 早く言いやがれ!」

幹部「お、親分と変わって欲しいと……」

組長「……かせ」

幹部「で、ですが……」

組長「かせ!」

幹部「は、はいッ!」


組長「……変わったぞ、俺だ」

仮面『……山田組8代目組長か?』

組長「そうだ。何の用だ」

仮面『死体と話は終わったか?』

組長「あ?」

仮面『あの世からではないがちゃんと聞いていたぞ。家族は助けてくれるんだってな、それはありがたい話だ』

組長「……」

仮面『驚いたか、俺が生きていて』

組長「……っふん、いいや。むしろ生きててくれて感謝する。じゃねぇと潰しがいがねえからな」

仮面『はっはっは、威勢のいいことだ』

組長「で、俺に用があるんだろ?」

仮面『ああ。その前に少し昔話をしないか?』

組長「昔話?」

仮面『そうだ……かれこれ3年前ぐらいか』

組長「なんだいきなり……」

仮面『あんたらヤクザっていうのは、もっとこう……威厳や畏怖ってものがあった』

組長「……」

仮面「また義理や人情を重んじていて、任侠をモットーとしていたはずだ』

組長「……」

仮面『でもどうした? 今じゃこう……何の貫禄も感じない。おまけには他国から来たマフィアや警察と仲良しごっこだ』

組長「……」

仮面『何をやってるんだ?……ん? 玉でも落としたか。いつからお前らヤクザは小悪党の集団に成り下がった」

組長「……何がいいたい」

仮面『つまりだ……昔のような威厳もなく、何の戒めもないあんたたちがこの国に必要かどうか聞いている』

組長「……」

仮面『どうだ、必要だと思うか?』

組長「……俺たちヤクザは社会から悪として見られてきた。それは今も昔も変わらないことだ」

仮面『……』

組長「だから、はなから世間様に必要とされてなんていねぇんだよ……」

仮面『……はっはっは。いいや、違う。それは違うぞ』

組長「あ?」

仮面『世間のことを聞いてるんじゃない。この国に必要かどうか聞いている』

組長「……」

仮面『たしかにヤクザっていうのは悪の代名詞だ。だからもちろん社会から嫌悪される存在であった』

組長「……」

仮面『だが同時に人を惹きつける何かを持っていた。悪のカリスマってやつだ』

組長「……」

仮面『だから映画やドラマなんかではあんたたちを主役にしたモノが多かったはずだ。そうだろ?』

組長「……それはあくまでも、創作の中での話だ」

仮面『そうかもしれないが似たようなモノを持ち合わせていた』

組長「……」

仮面『で、今はどうだ。金持ちと結託して、ただただ市民から金を搾取するばかり。そんな連中に何のカリスマを感じればいいと?』

組長「……時代は変わる。今じゃ金が全てだ。俺たちはその波に乗っているだけで――」

仮面『ならばヤクザを名乗らなくてもいいはずだ。一般企業にでも鞍替えしろ』

組長「……何代も続いたこの山田組を終わらせると? 馬鹿か、それこそできるはずねーだろが」

仮面『そうだ、そこが問題なんだ。いつまでも悪にすがりつき、裏社会に居座っている』

組長「……」

仮面『それがダメだ。悪は常に恐れられなきゃいけない』

組長「……」

仮面『お前たちはそんなことも忘れ、悪者の座にいる。なんともおこがましい奴らだ』

組長「……てめえ、なにが言いてぇんだ」

仮面『悪者として失格だ。貴様ら全員、その場から降りてもらう』

組長「あ、降りるだ? おめえが俺たちをどうこうすると?」クスクス

仮面『そうだ。何かおかしいか?』

組長「……はははは。ああ、おかしくってたまらねえよ」

仮面『?』

組長「お前にも仲間がいるみてぇだが、こっちは規模が違う。何万、何十万といったレヴェルだ」

仮面『……』

組長「そいつら全員を相手にできると? おめえら強盗団が立ち向かえると?」

仮面『……』

組長「数を考えろ、数を。どうしたって無理だ、多勢に無勢だ。わかるか?」

仮面『……少し勘違いしてるようだな』

組長「あ?」

仮面『我々の目的は貴様らを陥すことにあって、全滅ではない。要は組が機能できなくなればいいんだ』

組長「だったらなんだ」

仮面『……人を殺すのに一番手っ取り早い方法はなんだと思う?』

組長「は?」

仮面『まずは頭を狙う。人殺しに限った話じゃない。何事においても定石のはずだ』

組長「っ……てめえ、いったい何を」

仮面『……そろそろだな。――悪いが話は終わりだ。グズグズしていると火薬がシケてしまう』

組長「火薬?」

仮面『さらばだ組長。もう会うことはないだろうがお前との会話、案外楽しかった』

組長「あ、おい待て!」

仮面『せめてもの礼だ。一族みな、苦しまず逝かせてやる。灰も残らないぞ』

組長「なにを……おいッ! まだ話は終わってねえぞ! 待ちやが――」

プツッ プープー

組長「……」

幹部「く、組長?」

組長「……っ! まさかあいつ!?」

チラッ


仮面「」チッチッチ…


組長「ッ!!! おい早くその死体をすて――」



            . -‐ニ ̄ニ‐- . ゴォォォォ!!!
       _/           \_
 =二 ̄ /               ',  ̄二=
     ̄7'' ―― ___ ―― 戈 ̄

 ―― 从,,i ;         `. 、 .尢r―――
      /\じ'jl|此ト=メ i;_,,爻,,i| 刈ゞメ
       ``‐ヾ:;!Iヅ 〃!iメト辷-" ^

山田組本部近く




ボォゥゥゥォッォ…


仮面『これで山田組もおしまいだ』

傭兵A「はい。それにブラドヴァも既に撤退しました。残りは三口会だけですね」

仮面『ああ』

傭兵A「どのようにとお考えで?」

仮面『……三口会に関しては手を出さない』

傭兵A「というと?」

仮面『我々が手を出さなくてもどうにかなるということだ』

傭兵A「……なるほど、そのための今まででしたか」

仮面『そういうことだ』

すみません今日はここまで
あまり進んでいませんが……また明日

すみません、今日は投下できそうにありません。
明日のこの時間、まとめて投下致します。

10時ぐらいに投下し始めます
11時を目安に終わらせたいです

投下します
が、案の定多くなってしまいました。11時目安とかほら吹きましたが、多分もっとかかります。推敲もあるんで……では――

TV『速報です! 指定暴力団山田組の本部、その他支部で相次いで爆発が起こっているとの情報が入っています。繰り返しお伝えします。指定暴力……』



先輩刑事「はは〜、こりゃあ公安の連中が忙しくなるぞ」

葉山「爆発って……テロでしょうか?」

先輩刑事「さーな、だが明らかに山田組を狙ってやがる。他のマフィアどもの仕業か、それとも……」

葉山「マフィア?」

先輩刑事「ああ。この街にいるクソ野郎は山田組だけじゃねーぞ。中国の三口会、ロシアのブラドヴァとかな」

葉山「そんなに……」

先輩刑事「まあ昔みたいに表立って行動してるわけじゃねーみたいだがな。薬物の売買や裏金投資とかぐらいだろ」

葉山「そうだったんですか」

先輩刑事「ああ、この爆発は三口会の仕業だと思うが……こんな規模でかくやられちゃ山田組もとうとうおしまいだな」

葉山「……でもそれっていいことじゃないですか?」

先輩刑事「ん?」

葉山「いや、だって街からマフィアみたいな悪党が消えれば、より平和になるってことですよね」

先輩刑事「んー、まぁ見かけはな。でも実際には――」

葉山「?」

先輩刑事「……いいやなんでもない。それより俺たちもそろそろ行くぞ。休憩は終わりだ」

葉山「あ、はい。了解です」

TV『速報です! 指定暴力団山田組の本部、その他支部で相次いで爆発が起こっているとの情報が入っています。繰り返します。指定暴力……』


三口会幹部「……」


プルルルル プルルルル
ガチャ

三幹「……なんだ」

社長『き、きみもニュースを見てるだろ。や、山田組が……』

三幹「ああ、見てる……」

社長『も、もう事業は中止だ。これ以上はさすがに無理がある』

三幹「……」

社長『山田組の後ろ盾だってもうないし、君たちと私の会社だけでやっていくのは不可能だ……』

三幹「……」

社長『それに君もわかっているはずだ。次狙われるのは我々のうちどちらかだぞ』

三幹「……だったらなんだ。返り討ちにすればいいだろ」グッ

社長『そ、それが通用できない相手だと今日わかったろ。あのマスクは尋常じゃない。ブラドヴァが恐れるのも無理はなかった』

三幹「……」プルプル

社長『私は海外へ高飛びする準備を進めている。きみもはやく国へ帰るんだ。わかったな』

プツッ プープー

三幹「……」プルプル




三幹「このまま帰れるかよ……クソがッ!」バンッ

ガシャンッ

ロシア




首領「……で、メソメソ帰ってきたと」

ブラドヴァ幹部「しょ、しょうがなかった……相手があのマスクだったんだ!」

首領「……それは本当なのか? あいつは死んだと聞いていたが」

ブ幹「ほ、本当だ。あの白い手は間違いない」

首領「……」

ブ幹「……」ゴクリッ

タッタッタ

首領「ん?」

コソコソ

首領「……なに、山田組が?……わかった。下がれ」

スッ

ブ幹「……?」


首領「……山田組が壊滅したそうだ」

ブ幹「!?」

首領「お前の言った通り、どうやら本当のようだな」

ブ幹「……だ、だろ?」

首領「お前の件だが……今回は不問にしといてやる」

ブ幹「っ!」

首領「だがこのことが組織全体に知られ渡るのもあまりいいことじゃない。混乱を招くからな」

ブ幹「あ、ああ。そうだな……」

首領「いいか、これはお前と、お前の部下たちだけの胸にしまっとけ。決して他言するな。わかったな?」

ブ幹「……」コクリ

首領「よし、下がれ」

ブ幹「……」

サッ



首領「……はぁ、マスクか。厄介な奴が現れたもんだ、まったく……」










火曜日:午後6時半
渋谷





いろは「……」



「……」キョロキョロ


いろは「……あっ、せんぱいこっちです」

八幡「ん、おう一色」

スタスタ

八幡「悪いな遅れて」

いろは「いえ、私が無理に誘ったのが悪いんで」

八幡「そ、そうか……でもなんで渋谷なんだ?」

いろは「え?」

八幡「いや、他に場所ならいくらでもあっただろ。わざわざこんな人が多いところ選ばなくても……」

いろは「えっと……気分、ですかね〜」

八幡「っ、気分かよ」

いろは「あははー……」

八幡「まぁ、とりあえずここじゃなんだし、どっか店入るか」

いろは「あ、はい。そうですね」

八幡「って言っても俺、渋谷よくわかんねーからな……なんかあるか? 手軽な店」

いろは「う〜ん……じゃあ――」

八幡「おっと、酒は禁止な。またお前運びたくねーし」

いろは「なっ!」

八幡「ん?」

いろは「……わ、わかりました。じゃあもうスタバでいいですよね」

八幡「あ、うん」

いろは「ならはやくいきましょう」スタスタ

八幡「……お、おう」トコトコ

スターバックス




八幡「……ふぅ。で、なんだよ?」

いろは「はい?」

八幡「いや、話があるから呼んだんだろ?」

いろは「あ、はい。そうでしたね……」

八幡「……」

八幡「――っと、その前に」

いろは「?」

八幡「一色、お前俺と話すの緊張してるのか?」

いろは「えっ、なんでですか?」

八幡「なんかおとといから思ってたけど、妙に会話がむず痒いというか……」

いろは「……」

八幡「確かに見てくれは変わったけど、中身は案外変わってないぞ」

いろは「……まあ確かにちょっと今の先輩は危ないですけど」

八幡「危ないってなんだよ」

いろは「でもそんなんじゃないです」

八幡「……じゃあなんだよ」

いろは「いえ……これは私自身の問題なんで」

八幡「……そうか。まあいいや」

八幡「じゃあ本題に入るか。で?」

いろは「あ、はい。――あの、おとといはありがとうございました。酔った私を家まで送ってくれて」

八幡「あー、そんなことか。いいよ別に」

いろは「いえ、本当にありがとうございました。先輩と私の家、結構離れてましたよね?」

八幡「まあな」

いろは「なのにわざわざ……すみません」

八幡「だからいいって」

いろは「……でも先輩」

八幡「ん?」

いろは「……まさか部屋まで入ってくるとは思いませんでした。どういうことですか、あれ?」ニコォ

八幡「ぁ……」(目が笑ってませんよ、一色さん)

いろは「?」ニコォ

八幡「……あ、あれはしょうがないだろ。お前ベロンベロンに酔っ払ってたから、俺がベットまで運んでやったんだ」

いろは「だからって女の子の部屋に入って、しかも親切に感想まで残さなくたっていいんじゃないですか〜?」ニコォ

八幡「……まぁ……実際汚かったし」

いろは「っ! あ、あれはあの時だけだったんですよ! たまたま散らかってただけで……」

八幡「飲みかけのペットボトルとか、弁当のゴミとか?」

いろは「ぐっ……あ、あれもたまたまで……」

八幡「ふーん」

いろは「と、とにかくこれからは勝手に入らないでくださいよ!」

八幡「いや、入らねーよ。てかそんな機会もうあるかもわからんし」

いろは「……」

八幡「……まさかこれだけのために呼んだんじゃないだろうな」

いろは「……そんなまさか。もう一つあります。彼氏の件です」

八幡「あっ……あ〜、あれはなんというか……本当に申し訳ない」

いろは「いえ、別にいいんです。もう」

八幡「彼氏はなんて?」

いろは「……別れました」

八幡「え?」

いろは「だから、別れました。あのあと電話で話して、そのまま別れて……まあ最後に振ったのは私ですが」

八幡「おい、それはダメだろ。誤解だったんだから」

いろは「……」

八幡「信じてくれるかどうかわからんが、俺も弁解しに行くよ。俺のせいでこうなったわけだし」

いろは「……いえ」

八幡「今からでもいいからあいつ呼ぼうぜ。なんなら家まで行って……」

いろは「いえ、もういいんです」

八幡「……いいって何が」

いろは「だから、もう別れたままでいいんですって」

八幡「それってどういう……」

いろは「正直、イケ男とは遊びだったというかなんというか……とりあえずキープしといたって感じで」

八幡「……」

いろは「だからこのまま別れてもいいんですよ。また新しいの見つければいいですし」

八幡「……おまえ、あいつの気持ちは?」

いろは「気持ち?」

八幡「ああ。少なくとも、あいつは本気だったぞ。本気すぎて気持ち悪かったが」

いろは「……」

八幡「それをお前は遊びだの、キープだの……それだけで済ませて終わらせるのか?」

いろは「……」

八幡「……いくらなんでも酷いだろ。あいつの気持ちも考えてやれよ」

いろは「……」

八幡「……」

いろは「……せんぱい、変わりましたね」

八幡「あ?」

いろは「前のせんぱいだったら『あー、別にいいんじゃね』とか『うわ、ひで〜』で終わってましたもん」

八幡「……」

いろは「なんていうか、よく喋るようになりました……若干ウザいです」

八幡「(ウザいって)……まあ、この5年間誰ともしゃべらなかったからな。溜まってんだろ」

いろは「……とにかくもういいんです。イケ男とは」

八幡「……」

いろは「……」

八幡「じゃあ、あれはほんとか?」

いろは「……あれって?」

八幡「そのイケ男が言ってたんだが、お前が違う男と腕組んでたって」

いろは「え、なんですかそれ?」

八幡「ん、違うのか?」

いろは「はい。まったく心当たりありません」

八幡「じゃあ見間違いか……なら、なおさら――」

いろは「たぶん、見間違いじゃなくて嘘です」

八幡「は?」

いろは「私、大学ではアイドルみたいな存在で……だから人気なんですよ、特に男子から」

八幡「……」

いろは「まあそのせいで私の取り合いがあるみたいな?」

八幡「うわぁ……」

いろは「なんですかその反応。もしかして、疑ってます?」

八幡「いや、別に……」

いろは「とにかくそういうことです。で、フリーになった私とあわよくばって考えてたんでしょう。実際前にもそういうことあったんで……」

八幡「……なんか大変だな、お前」

いろは「まあ……」

八幡「……」

いろは「……」

いろは「……軽蔑、しますか?」

八幡「は?」

いろは「今のこんな私見て……軽蔑、しますか?」

八幡「なんで」

いろは「だって……」

八幡「……」

いろは「……」

八幡「……なんかよくわからんが、別に軽蔑まではしてないな。若干引いたが」

いろは「そう、ですか……」

八幡「まあ、俺がとやかく言うことじゃないし、これはお前の問題だ」

いろは「……」

八幡「だからお前が解決しろ。俺はもう何も言わない」

いろは「……」

八幡「……ってことだ。この話はおしまい。他になんかあるか?」

いろは「……です」ボソッ

八幡「ん?」

いろは「ズルいです……」ボソッ

八幡「ん?」

いろは「……ズルいですよ……せんぱい」

八幡「な、何がだよ……」

いろは「あの時、私の気持ち変えといて突然いなくなっちゃうなんて……」

八幡「え、いや、それは」

いろは「わかってます、わかってますけど……」

八幡「……じゃあなんだよ」

いろは「それでも、もうちょっとなんか……こう……」

八幡「?」

いろは「もう……なんでもないです……」

八幡「……」(??????)

八幡「……そういえばお前、あのあと葉山とはどうしたんだ?」

いろは「……葉山先輩ですか? 別に、何も」

八幡「何もないわけないだろ、あんなにアタックしてたのに」

いろは「本当に何もないですよ」

八幡「……」

いろは「何か言いたそうな顔ですね」

八幡「だってお前、葉山好きだったじゃん。大好きだったじゃん。焼肉の時も、媚び売ってたじゃん」

いろは「……」

八幡「?」

いろは「なんというか……私の知ってた葉山先輩は違ったというか……」

八幡「は?」

いろは「とにかく葉山先輩とは何もありませんでした」

八幡「……」

いろは「なんですか?」

八幡「いや……意外とあっさりしてんな、と思って」

いろは「……しょせんそれぐらいだったんですよ。今も、昔も……」

八幡「……」(なんか一色の話、終始グダグダだな。結局なにが言いたいのか、肝心なところがわかんねーんだよ……)


いろは「……先輩、最後に一つ、いいですか?」

八幡「ん、なんだ?」

いろは「ちょっと待って下さいね……」ポチポチ

八幡「ん?」

プルルルル ガチャ

いろは「あ、もしもし?……うん、うん……うん、もういいよ」

八幡「?」

いろは「うん、じゃあお願い……プツッ」

八幡「……なんだよ?」

いろは「先輩、さき謝っときますね。本当にすみませんでしたっ」ペコリ

八幡「は?」

トコトコ

友1「あ、いろはー! これが新しい彼氏ィ〜?」

いろは「あ、うん。そーだよっ」キャピキャピ

八幡「え」

友2「うわっ、めっちゃイケメンじゃん。やっぱすごいね〜いろは」

いろは「ううん、そんなことないって〜」

八幡「おい、一色これはいったい――」

友1「あ、どうもNew彼氏さんっ。一色の友達でーす」

友2「同じくぅ〜」

八幡「は、はぁ……」

友1「じゃあ日曜日よろしくお願いしまーすッ」

友2「お願いしまーすっ」

八幡「はぁ?」

いろは「……」ニコニコ

友1「用も済んだことだし、行こっか友1」

友2「うん。じゃあまた明日ね、いろは〜」

いろは「うん、またね〜」フリフリ

トコトコトコ

八幡「なんだったんだ今の……おい一色」

いろは「あっはは……」

八幡「お前まさか……だからこんなとこに呼びだしたのか?」

いろは「あー、はい……そうです」

八幡「はぁ……もうなんかだいたい予測つくけど……日曜日ってなんのことだよ」

いろは「いや〜……実はですね……」


八幡「はぁ〜!? トリプルデート???」

いろは「はいッ、前々から約束してたんですけど〜」

八幡 (まさかそこまでとは……)

いろは「私昨日別れたじゃないですか〜。で、そうすると行く相手がいなかったんでー」

八幡「行くなよ」

いろは「そんなことできませんよ〜。私のメンツが潰れちゃうじゃないですかーっ」

八幡「知らねーよ。潰れろよ」

いろは「うわ、ひどっ……まあとにかく、その日だけ先輩は私の彼氏(仮)っていうことで」

八幡「は? ふざけんな。なんで俺がお前の彼氏なんかに……」

いろは「そもそも先輩のせいで彼氏と別れることになったんですよねぇ〜。なら先輩にも責任あるんじゃないですかぁー?」

八幡「いや、それは……」

いろは「?」

八幡「それは誤解をとけばいい話だろ。今からでも遅くはないはずだ」

いろは「いえ、もういいです。なんか面倒くさいんで」

八幡「面倒くさいって……」

いろは「それに先輩との方が気楽でいいですし……とりあえずそういうことで」

八幡「俺の意志とかないの?」

いろは「ないですね」

八幡「……」

いろは「えっへへ〜♪」

八幡「っ……だいたいよ、トリプルデートってなんだよ。聞くだけで吐き気するわ」

いろは「そうですか? 今じゃ普通だと思いますけど」

八幡「いや、いかにもリア充のやることだろ。てか、リア充の中でも頭のよろしくない奴がこぞってやりそうだな」

いろは「ん〜、そうですかねー……」

八幡「とにかく却下。無理だ無理」

いろは「えーっ! そんなのこっちが無理ですよ〜! もう約束しちゃったじゃないですか〜」

八幡「風邪でもなんでも言い訳つけろ」

いろは「ダメですよ〜。友1と友2は大学でも数少ない友達なんですからー……あっ」

八幡「……」

いろは「と、とにかく断れません……あっはは」

八幡「……あのなぁ」

いろは「はい……」

八幡「高校のときはお前に付き合って、あれこれ手伝ってたけど今は違うんだよ。わかるだろ?」

いろは「いえ、わかりません」

八幡「は」

いろは「だって先輩ニートですよね?」

八幡「……ニートじゃねーよ」

いろは「えー、じゃあなんなんですか〜?」

八幡「フリーター」

いろは「どこが違うんですかぁ?」

八幡「ニートは働いてない。フリーターは働いている。以上」

いろは「でも結局暇ですよね?」

八幡「暇じゃねーよ。フリーター舐めんな」

いろは「え〜、そんなこと言われてもー」

八幡「とにかく自分でなんとかしろ。もうお前も大人だろ」

いろは「……」

八幡「そもそも俺じゃなくてもいいだろ。お前男子に人気なんだろ? なら適当に選んでさ」

いろは「……だって先輩が」ボソッ

八幡「あ?」

いろは「……せんぱい、あのこと由比ヶ浜先輩に言っちゃいますよ?」

八幡「あのこと?」

いろは「はい。私、覚えてたんです。泥酔した私の身体に〜、先輩があんなことこんなことぉー……」

八幡「まてまてまて、してません、してませんよ。だいたいなんで泥酔してたのに覚えてんだよ」

いろは「してないって、証明できるんですか?」

八幡「っ……」

いろは「ん?」ニコッ

八幡「た、たしかに……はだけた胸元から覗くブラとあれが絶妙なバランスでマッチして一瞬淫らな衝動に駆られたが――」

いろは「なっ!? 何見てるんですかッ! 先輩のエッチ! 変態!! 痴漢!!!///」

八幡「ちょ、一色。マジでやめろって。周りからの視線が」

ジーッ

八幡「……」ゴクリッ

いろは「……///」

八幡「と、とにかく、一度は思ったが俺は断じてそんなことしてない。そこらの猿と一緒にするな」

いろは「……でも証明できませんよね」

八幡「……」

いろは「どうしますか? 今すぐメールでも電話でもしますよ?」

八幡「……っふん、やってみろよ。それこそ俺がやったという証拠なんて――」

ピッポッパッ プルルルル
ガチャ

いろは「……あ、もしもし警察ですか? 今ここに――」

八幡「ごめんなさい嘘ですやめて下さい」

スッ

いろは「……じゃあ?」

八幡「やりますよ。やればいいんだろ」

いろは「はいッ! お願いしますね、せんぱいっ!」ニコッ

八幡「……くそ」

八幡「で、どうすりゃいいの」

いろは「うーん……そうですね、仲の良いカップルって感じで演じてもらえればオッケーですっ」

八幡「はぁ〜……そんな経験ないからわからないんだが」

いろは「あー、そうでしたね。先輩の場合は」

八幡「……」

いろは「じゃーあ〜……うーん……どうしますか?」

八幡「……無口キャラでいいんじゃないか。したら俺、何も喋らないから」

いろは「喋らないのはどうかと思いますが……それいいですよ」

八幡「……はぁ〜。だいたい友達なら断れるだろ、友達ならな」

いろは「っ……そ、そうですかね〜」

八幡「俺も知らねーけどよ」

いろは「……」

八幡「とにかく、日曜日だけでいいんだよな、彼氏のふりは」

いろは「ええ、まあ。次のデートまでには新しいの探しとくんで」

八幡「あー、はいはい。早くそうしてくれ」

いろは「……」

八幡「じゃあもう帰るわ。用ないだろ」

いろは「あ、はい。あの……先輩!」

八幡「あ?」

いろは「今日はありがとうございました」

八幡「もういいよ別に」

いろは「あ、あの私……」

八幡「……」

いろは「……いえ、なんでもありません」

八幡「ああ、そう。じゃあ詳しいことはメールで伝えてくれ。――あと」

いろは「?」

八幡「一色、手を貸すのはこれで最後だからな。俺がこれからもいるなんて、限らないんだから」

いろは「え、あ、はい……」

八幡「じゃあな」

スタスタ


いろは「さよなら……?」

火曜日:午後9時頃
自宅



TV『ニュースです。今日午前11時頃、指定暴力団山田組の本部及び支部で、相次いで爆発が起きたことに関し……』

八幡「……」


トテトテ

小町「あ、おにぃーちゃん。帰ってきてたんだ」

八幡「ん」

小町「ご飯は?」

八幡「食べてきた」

小町「そっか……。――あ、そのニュース!」

八幡「ん?」

小町「いやぁ〜、小町の大学の近くにも山田組の事務所があったみたいでさ〜、授業中おっきな音が聞こえたんだー」

八幡「っ……大丈夫だったか?」

小町「うん。全然平気だけど、そのあと消防車とか警察とか来て授業どころじゃなかったなぁ〜」

八幡「そっか……悪いな」

小町「ん? なんでお兄ちゃんが謝るの?」

八幡「いや……なんとなく」

小町「ふーん、変なお兄ちゃん」

八幡「……」

小町「そういえばお兄ちゃん。バイトどうだった?」

八幡「ん? あー、まあまあだな」

小町「っ、まあまあって何よ……」

八幡「まあまあ疲れた」

小町「あー、そうゆうこと」

八幡「うん」

小町「なんの工事やってんの?」

八幡「ん?」

小町「工事関係のアルバイトなんでしょ?」

八幡「うん」

小町「やっぱ道路の工事とか?」

八幡「……っふ、聞いて驚くなよ小町。なんと海ほたるのカジノパーク建設工事だ」

小町「え、マジでお兄ちゃん!?」

八幡「おう、マジだ」

小町「すっごーい! ねえねえ、今なかどうなってんの?」

八幡「え、あー、それはだな……秘密だ」

小町「え〜、なんでよ」

八幡「企業秘密っていうか……とにかく口止めされてる」

小町「へんなのー」

八幡「まあ後のお楽しみっていうことで。それに完成したやつ見た方がいいだろ」

小町「……うん、それもそうだね」

八幡「おう」

小町「お兄ちゃん、明日もバイト?」

八幡「おう」

小町「そっか。頑張ってね〜」

八幡「ん」

小町「じゃあおやすみ〜」

八幡「おやすみって、もう寝るのか?」

小町「ううん、でももう部屋からでないから」

八幡「あ、そう。おやすみ」

小町「うん、おやすみ」

トットット





八幡「……そろそろだな」

とある場所




###「まさかこんなことが起こるとは……これでは山田組もおしまいですね」

***「長きにわたるヤクザの歴史も幕を閉じたといえるか。組長及びその他幹部が全員亡くなったのだからな」

・・・・・・「それで警視総監殿。まだ爆発の真相はわかっていないんですか?」

警視総監「はい。一切も」

###「ふむ……さて、どうしましょうか。これでは国民の不満が高まる一方です」

***「どうにかして国民に弁明しなければな。デモ運動など起こったらたまらんぞ」

・・・・・・「……そうだ! この事件の発端を他マフィアグループにあると公表するのはどうでしょうか?」

***「というと?」

・・・・・・「山田組と他マフィア勢の争いによって、今回のことが生じたとなれば国民も納得がゆきます!」

あ、やば。上二つミスです
特に重要なことじゃないですが、名前の部分が……

とある場所




###「まさかこんなことが起こるとは……これでは山田組もおしまいですね」

***「長きにわたるヤクザの歴史も幕を閉じたといえるか。組長及びその他幹部が全員亡くなったのだからな」

・・・「それで警視総監殿。まだ爆発の真相はわかっていないんですか?」

警視総監「はい。一切も」




###「ふむ……さて、どうしましょうか。これでは国民の不満が高まる一方です」

***「どうにかして国民に弁明しなければな。デモ運動など起こったらたまらんぞ」

・・・「……そうだ! この事件の発端を他マフィアグループにあると公表するのはどうでしょうか?」

***「というと?」

・・・「山田組と他マフィア勢の争いによって、今回のことが生じたとなれば国民も納得がゆきます!」

***「なるほど……だがそれでは我々と彼らの関係が……」

###「――ならばこういうのはどうでしょう? マフィアたちの仕業にして国民に公表すると共に、警察が彼らに対し一斉捜査を仕掛けるのです」

***「……ん? なぜそんなこと?」

###「お忘れですか? ◯◯財閥とマフィアグループのマネーロンダリングですよ」

・・・「ああ、あの銀行強盗の件ですか?」

###「そうです。あれを隠すために、我々は山田組とその他マフィアから賄賂を受け取りました」

・・・「そうでしたね」

###「ですが賄賂の事が世間にバレるとまずいことになります。だからその元を潰してしまい、なおかつ国民の不満を払拭してしまう、という算段です」

***「……ちなみに具体的にはどうやって?」

###「そうですね……マネーロンダリングの事実を捜査の際に発見したことにして……」

・・・「ふむふむ」

###「そこから◯◯財閥社長とマフィアグループを一斉検挙、というのはどうでしょう?」

・・・「いいですね! そうすればマフィアたちも一掃できますし……一石二鳥です!」

***「うむ、いい案だと思うが……我々も奴らとつながりがあるのを忘れてはいかんぞ。一応、彼らも大切な小遣い稼ぎなんだ」

###「そうですが……山田組亡き今、正直かれらと交渉する必要もないと思います。それよりも今は事態の打開と、信用の回復が先決です」

***「たしかにそうだが……」

・・・「汚職の件もひっくるめて、この案は実に適していると思いますよ」

警視総監「……少しよろしいでしょうか」

・・・「ん、なんでしょう?」

警視総監「先ほどのマフィアグループに関してですが、ブラドヴァは日本から撤退したという情報が入っております」

・・・「なにっ!? それは本当でしょうね?」

警視総監「……はい。間違いありません」

***「となると、この国にいる主だったマフィアは中国の三口会のみということか」

###「はい、さらに都合がよくなりました。今回の騒動を三口会の仕業とすれば、全てがうまくいきます」

・・・「そうですね。これで我々の賄賂問題を解決、且つ国民の信用を高めることができます」

***「……奴らも良い収入源だったのだがな、こうなってしまった以上背に腹は変えられないか」

***「よし、警視総監くん。今すぐ三口会及び◯◯財閥への一斉捜査開始せよ。そして歯切りの良いところで例の情報を流せ」

警視総監「……わかりました」

・・・「情報さえ流れればあとはかれらを検挙できます」

###「そしてそのことを国民に公表すれば……」

***「我々の汚職とともにマフィアも消し去ることができ、警察及び我々の信用も高まる。うむ、完璧だな」

・・・「ということです、警視総監殿。急ぎことに当たって下さい」

警視総監「……」コクリ




傭兵A「……ということだ」

傭兵B「なるほど……じゃあ、あの強奪は金目的じゃあなかったんだな?」

傭兵A「ああ」

傭兵C「さすがといったところですね。我々のボスは」

傭兵A「当たり前だ。あの方は全てを見通した上で行動している」

傭兵B「まあそこまではいいとして……でもなぜ警官まで殺したんだ?」

傭兵A「……それはまだ私にもわからない。だが、それもあの方の計画なのだろう」

傭兵C「まあ、考えられる手としては注目を集めるということですね」

傭兵B「ん?」

傭兵A「というと?」

傭兵C「ほら、警察が◯◯財閥の社長さんを逮捕するんでしょ? ならあらかじめ注目を浴びせとけば、現在の行動具合とかある程度把握できるんじゃないですか?」

傭兵B「おお、そう言われてみればそうだな」

傭兵A「でも果たしてそれだけか……何か別の理由が……」

傭兵B「まあとにかく、今は任務に集中しよう」

傭兵A「それもそうだな。――よし、全員配置につけ」

       「「『ハッ』」」


傭兵A「略奪だ。手を抜くなよ」

ダッダッダ

もうだめだ……自分で読んでてわけわかんない
まだあと半分ぐらい書き溜めているんですが、明日投下します。では

補足です
わかってる方もいらっしゃると思いますが、例の銀行にはマフィアたちの『汚れた金』が預金されていました。
『汚れた金』とは薬物売買などで稼いだ違法なモノで、そのまま一般銀行に預金すると警察にばれてしまいます。

だからマフィアたちは◯◯財閥と手を組み、自分たちの金を預けていました。これがマネーロンダリングです。

ちなみに◯◯財閥はこの金を使って、さらに利益を得ていたという感じです。どっちにしろばれたら逮捕。
この辺は正直どうでもよかったんで、あんま気にしなくても大丈夫です。長文すみません

一連の(八幡が起こした)事件について、不明な点があったらおしゃって下さい
ネタバレになるもの以外、なるべくお答えします

投下します

水曜日:午前1時
空港


社長「……」スタスタ

スタスタ

社長「……」スタスタ

スタスタ

社長「……」クルッ

ダッダッダ
バッ

社長「っ!」

警察「◯◯財閥社長さんですね。警察です」

社長「な、なんのようだ。私はこれから海外へ出張に行かなきゃいけないのだが……」

警察「三口会とのマネーロンダリングについて、詳しい話をお聞かせくれませんか?」

社長「なっ! なぜそれを!」

警察「はい?」

社長「あ、あれはちゃんと……か、金を……」

警察「なんのことでしょう?」

社長「き、貴様ら、裏切ったのか!」

警察「……とにかく、話は後ほど署の方で」

社長「ぐっ……ぅ……」

中華街



スタスタ

警察「三口会幹部の方ですね?」

三口会幹部「ん、誰だお前」

警察「警察です」

三幹「……警察だと? 何の用だ」

警察「あなた方に、山田組連続爆発事件並びに◯◯財閥とのマネーロンダリング行為の容疑がかかってます」

三幹「っ!? まて、なんだそりゃ!」

警察「存じあげた通りです。署までご同行を」

三幹「ふ、ふざけんじゃねーぞ!」

警察「……」クイクイ

ダッダッダ
ズラズラ

三幹「なっ……」

警察「あなた方組織の仲間も、すでに署へとお連れしています。どうかご同行を」

三幹「っ……はめやがったな、ちきしょう……」


警視庁



警視総監「――それで、状況は?」

副総監「はい。◯◯財閥社長、三口会の幹部及び構成員含めて検挙し終わりました」

警視総監「そうか」

副総監「マスコミにはなんと?」

警視総監「三口会の捜査を検討している、とだけ伝えておけ。――時間を経て私が記者会見を開き、事実を国民に公表する」

副総監「わかりました。準備させておきます……」

水曜日:午前5時


TV『続いてのニュースです。昨日午前11時頃起きた山田組連続爆破事件に対し、警察は中国マフィア・三口会による犯行として捜査を進めている、とのことです……」


仮面『で、実際の状況は?』

傭兵A『はい。すでに社長及び三口会の幹部、構成員は全員検挙したようです。国民への公表も時間の問題かと』

仮面『わかった。引き続き監視を行え』

傭兵A『了解……プツッ』

プープー

八幡「……ここまでは順調か……さてと」

トットット
バッ

小町「っ!」

八幡「ん?」

小町「げっ、お兄ちゃん!」

八幡「……なんだ小町、そんな慌てて。てか起きるの早いな」

小町「え、あははは……そうかな〜」

八幡「しかもどうしたんだ。そんな格好して」

小町「いや、ちょっと早く起きたからランニングでもしようかなーっと……」

八幡「ランニング?」

小町「う、うん。まあね」

八幡「ふーん……俺バイトだから先行くけど、今日大学は?」

小町「あ、えーっと……昨日の騒ぎでおやすみ」

八幡「……そうか。――まあ、ってことで行ってくるわ」

小町「う、うん。いってらっしゃ〜い」ニヘラッ

八幡「お、おう」

ガチャ

水曜日:午前7時
カジノパーク



責任者「はーい、みんな集まって〜」パンパンッ

ゾロゾロゾロ


責任者「じゃあみんな今日もよろしくね〜。安全第一で取り掛かってちょうだーい」


ハーイ ウーッス リョウカイデース…


責任者「それと今日から入る、バイトの比企谷くん。まだ初心者だからみんな色々と教えてあげて」

八幡「比企谷です。よろしくお願いします」


ハーイ ヨロシク〜 ホゥ、ナカナカホネガアリソウダ…


責任者「はい、じゃあ解散。各自仕事に取り掛かってー」

ゾロゾロゾロ

八幡「あの……俺はどうすれば」

責任者「あ、君はね、とりあえずまだ慣れてないと思うから、適当に機材とかを運んでくれる?」

八幡「あ、はい。わかりました」

責任者「詳しいことは他の人に聞けばいいから、とにかくお願いね」

八幡「はい、了解です」

ガラガラ

八幡「……」

ガラガラ

八幡 (あー、地味だ……)

ガラガラ

八幡 (そういえばこれ……どこ持ってけばいいんだろ)

ガラガラ

八幡「あの、すみません」

「お?」

八幡「これ、どこに運べばいいですか?」

「あー、それはあっちだな。B区画の端っこ」

八幡 (げ、マジかよ。B区画ってずっと向こうじゃん)

「ん、どうした?」

八幡「あ、いえ。ありがとうございます」

「おう、頑張れよ」

八幡「はい」

ガラガラ

八幡「……」

ガラガラ

八幡 (ふーん、なるほど。中はこんな感じになってるのか……)

ガラガラ

八幡 (でもやっぱ全体図がないとわからないな……)

ガラガラ

八幡「……まあとりあえずこれ運んでからにするか」

ガラガラ



ガチャ
スッ

雪ノ下「1、2時間で戻ってくるから、あなたはここで待ってなさい」

運転手「わかりました」

雪ノ下「じゃあよろしく」

バタンッ

スタスタ
ピタッ

雪ノ下「……へー、だいぶ出来上がってるじゃん。正面ゲートも完成してるようね」キョロキョロ

「あっ」

課長「あっ、お待ちしておりました!」タッタッタ

雪ノ下「あら、課長さん」

課長「わざわざご足労ありがとうございます。今日は視察でいらっしゃいましたね」ペコペコ

雪ノ下「ええ、まあ」

課長「どうです? だいぶ完成してきたでしょう?」

雪ノ下「そうね。それにもうゲートも完成してるみたいだし」

課長「はい、ゲートに関してはもう完璧と言ったところです」

雪ノ下「そう……じゃあ早速案内をしてもらえないかしら?」

課長「はい、わかりました。……っとその前に」

課長「その前にお茶でもいかがですか? 美味しい海ほたる名物を用意してあるんですよ」

雪ノ下「……そういうのいいわ。それよりもとっとと案内してくれない?」

課長「え、あっ……はい。わかりました。ではこちらへ」

雪ノ下「……」

スタスタ



課長「A区画は大体8割ほど完成しております。で、ここB区画の完成度がだいたい4割程度です」トコトコ

雪ノ下「そう」トコトコ

課長「は、はい……」トコトコ

雪ノ下「そういえば地下の方はどうなってるの? 遅れてるみたいだけど」トコトコ

課長「あ……いえ、大した問題じゃないんですが……」トコトコ

雪ノ下「何かしら?」トコトコ

課長「少々地盤に問題がありまして……」トコトコ

雪ノ下「地盤?」トコトコ

課長「はい。なんというか……計算より地盤の強度が……」トコトコ

ガラガラガラ

課長「っ!」ピタッ

雪ノ下「ん?」トコトコ


――「あ」
雪ノ下「え」

バンッ

雪ノ下「きゃっ!」

バタッ

雪ノ下「っ……いたたた……」

課長「だ、大丈夫ですかっ!」

雪ノ下「ええ……まあなんとか」

――「すみません。怪我はありませんか?」

雪ノ下「っ……」

――「あ、あの……お怪我は――」

課長「君! なんてことを!」

――「え……あ、すみません」

雪ノ下「……いいわ課長さん。下がってて」

課長「で、ですが」

雪ノ下「私は平気よ。それよりこの人に言いたいことがあるから」

課長「わ、わかりました……」

雪ノ下「……で、あなた、何してたの?」

――「……いえ。すみません、本当に」

雪ノ下「すみません? 答え方が間違ってるわ。私はあなたに、何をしていたのか聞いているの」

――「あ、えっと……機材を運んでいました」

雪ノ下「そう……機材を運んでいたの。じゃあなぜ機材を運んでいるのに、人とぶつかったの?」

――「それは……」

雪ノ下「ちゃんと周りを見ながら、気をつけて運ばなかったのかしら?」

――「……」

雪ノ下「あなた工事をなんだと思ってるの? 下手したら命を奪われる危険な仕事なのよ?」

――「……はい」

雪ノ下「ちょっと不注意すぎるんじゃない?」

――「……す、すみません」

雪ノ下「すみませんって……本当にそう思ってるかしら」

――「……あ、はい」

雪ノ下「っ……」



責任者「ど、どうも申し訳ありません! 彼は今日入ったばっかの新人で……私の教育不足でしたっ!」

雪ノ下「教育不足もなにも、だいたい目が見えるのるかどうかも怪しいわ。なぜこんな人採用したの?」

責任者「そ、それは……」

課長「責任者さん、こういったいい加減な男を雇われても困るんですよ」

責任者「す、すみません……」

雪ノ下「全く……きて早々嫌な目にあったわ……」ハァ

課長「申し訳ございません。私がもう少し注意して案内を……」

雪ノ下「いいわよ別に。そもそもこの人がぶつかったんだもの」

――「……」

雪ノ下「あーあー、服も汚れちゃったじゃない。ねえ、これどうしてくれるの?」

――「……」

雪ノ下「はぁ、口もきけなったのかしら?」

課長「きみ! 謝罪の一言ぐらいないのか!」

――「……」

課長「まったく、これだから最近の若いもんは……あ、いえ。別に貴女のことを言っているわけじゃないですよ!? こいつのことを言っているんです!」

雪ノ下「……」

責任者「あ、あの……」

雪ノ下「ねえあなた、いい加減何か喋ったらどうなの?」

――「……」

課長「おい、聞いているのか!」

――「……じゃあ、あの」


雪ノ下「あら、やっと口を開いたわね。何かしら?」



――「トイレ、いってもいいですか?」



雪ノ下「……は?」

課長「なっ……」

責任者「あわわわわ……」

――「あー、いえ。決して話が長かったからってわけじゃないですよ。ただじっとしてたら寒くなってしまいまして」

課長「こ、こんなときに何をいっているんだ君は!」

――「こんなときって言われても……しょうがないでしょ」

課長「だからって時と場合を考えるだろ!」

――「漏れそうなときに時と場合をかんがえろと?」

課長「っ!」

責任者「ちょっ、漏れそうなの!?」

――「いえ別に、そこまででは」

課長「き、貴様……」

雪ノ下「……」

――「まあこれも生理的現象なので、しょうがないというか……」

  「だからいっていいですか、トイレ」

  「説教の続きはその後からでも……」

雪ノ下「ちょっとあなたね、そろそろ自分の立場を――」

責任者「ひ、比企谷くん! いい加減にしなさい!」






雪ノ下「……え?」

責任者「幾ら何でも、その態度はないでしょ!」

雪ノ下「え、ちょっと……」

八幡「……まあ、そうっすね。すみませんでした」

課長「な、なにを今更謝ってるんだ!」

八幡「でもなんていうか、あなたたち相当ウザいですね」

責任者「なっ……」

課長「き、貴様! ウザいだと!?」

八幡「はい。だいたいそっちの不注意でしょ、さっきのって」

課長「な、なんだと……」

八幡「だってあんな風にいきなり飛び出されたら、機材運んでる俺も避けることはできませんよ」

課長「っ」

八幡「ここ、下手したら命を奪われる危険な仕事の現場なんですよね。ならあなたたちも気をつけるべきだったのでは?」

責任者「ちょっと比企谷くん!」

八幡「はい?」

責任者「だとしても、もっと謝まり方があるでしょ!」

八幡「はい、謝ったじゃないすか。最初はちゃんと。なのにこの人がグチグチいったんでしょ」

責任者「っ……」

八幡「……」

雪ノ下「……あなた、比企谷八幡っていうのね」

八幡「ん? あ、はい」

雪ノ下「そう……」


責任者「ほ、本当に申し訳ありませんでしたっ! この度はうちの比企谷がとんでもない失礼を!」

八幡「でへぺろ★」


課長「っ……どうやら本人は反省していないようですが……。責任者さん、こいつの対応はわかってますよね」

責任者「……はい」

課長「じゃあ今すぐにでも――」

陽乃「課長さん、それに責任者さん。少し彼を借りるわね」

課長「え」

責任者「あっ……あの、それはどういう……」

雪ノ下「彼に直接教えたいのよ。世の中の厳しさというものを……」

責任者「っ……」

八幡「……」

雪ノ下「来なさい比企谷くん。付いてきて」

八幡「……へい」

トコトコ

課長「……っふん、あいつ終わったな」

責任者「……」ゴクリッ

ニーナ「こんにちわ」

楽「おう」

リディ「やあ」

カツ「やあ」

誠「やあ」

キーファ「よう!」

アルガス「ふんっ!」

矢口「どーもぉ〜!」

紫豚「いやぁ!」

スカイラー「Hi」

光彦「HA!HAHA!!」

すみません、続けます


トコトコトコ
ピタッ

雪ノ下「……ここでいいわ」

八幡「……」キョロキョロ

雪ノ下「最後に何か言いたいことある?」

八幡「ん? あー、えっと……今日の給料出ますかね。一応働いたんで、ちょこっと」

雪ノ下「……」

八幡「……」

雪ノ下「……っふふ、ふふふ」クスッ

八幡「?」

雪ノ下「……あーはっははは! もうダメぇ〜!!」ゲラゲラ

雪ノ下「比企谷くんチョーウケる〜! 全然変わってないじゃんー!!」ゲラゲラ

八幡「は」

雪ノ下「あっはははっははは……んっ……私だよ私。覚えてない?」

八幡「……ええ、知り合いは少ない方ですが……覚えてませんね」

雪ノ下「ひどいな〜、覚えてないだなんて。あんなに仲良かったのにー」

八幡「……俺に仲の良い人なんていましたっけ?」

雪ノ下「うーん、いたんじゃないかな〜。雪乃ちゃんとか?」

八幡「……」

雪ノ下「もうわかったよね比企谷くん。ほら、お姉さんだよっ」

八幡「……」

陽乃「美人で巨乳の女子大生、雪ノ下陽乃。覚えてるでしょ?」

八幡「……ああ、お久しぶりです」

陽乃「なにそのリアクションー。傷つくな〜」

八幡「そうですか? 普通だと思いますが」

陽乃「もっとこう『わあー! 陽乃さんだー!』とか、そういうのないの?」

八幡「何を期待してるんですか……」

陽乃「もう、そのひねくれっぷりも相変わらずだね〜。ちょっと攻撃力増した気がするけど」

八幡「はぁ」

陽乃「でも全然わかんなかったよ〜。責任者ちゃんが名前呼んだ時、あれっと思ったんだよね〜」

八幡「そうですか」

陽乃「うん。変わったねー比企谷くん。見違えたよ」

八幡「……まあ。雪ノ下さんも変わりましたね」

陽乃「え、私?」

八幡「はい。なんというか……仕事のできるダメ上司、って感じで……」

陽乃「あっはは、そんな風に見えた?」

八幡「はい。それに喋り方も」

陽乃「あー、あれね〜。まああれはなんというか……仕事での顔ってやつ。つまり外面?」

八幡「あー、なるほど」(つまり普段の雪ノ下さんか)

陽乃「私、今結構偉い立場にいるからさ、ああやって人と接するのが常なんだ。いつもの私じゃこういうの向いてないでしょ?」

八幡「まあ、そうかもですね」

陽乃「だからごめんね、さっきは嫌な態度とっちゃって」

八幡「あ、いえ……」

八幡「ああしないと部下に軽く見られちゃうからさ。ね? 許してくれると嬉しいな」

八幡「全然いいですよ。むしろすみませんでした。事故とはいえ、ぶつかったのは事実ですから」

陽乃「ううん。君の言った通り、あれは私の不注意だったよ」

八幡「あと、失礼な態度も」

陽乃「それも私のせいでしょ? 君が謝ることないよ」

八幡「……ですが……じゃあ、おあいこってことで」

陽乃「うんっ、そうだね。そうしよ!」

陽乃「でも君がまさかこんなとこにいたなんて……偶然でもあえて嬉しいよ」

八幡「あー、はい。どうも」

陽乃「そっかー。ここでアルバイトしてたんだ〜……」

八幡「まあ。それも今日限りですけどね」

陽乃「ん、なんで?」

八幡「さっきのことですよ。雪ノ下さんだって俺をクビにしなきゃ、メンツを立てた意味がないでしょ?」

陽乃「あー、うん。そうだね〜……」

八幡「……」

陽乃「ん〜、でもそっかぁー。比企谷くん大きくなったねー」

八幡「……まあ」

陽乃「ふーん……うんうん、いいかもっ」

八幡「はい?」

陽乃「うん、全然ありあり。むしろいける♪」

八幡「あの……雪ノ下さん?」

陽乃「はい、ってことで君はクビね」

八幡「……あ、はい。わかりました。ではまた」スッ

陽乃「はい、ちょっと待ったー。で、正式に雪ノ下建設が雇います」

八幡「は?」

陽乃「比企谷くん、今日から私の秘書になりなさい」



八幡「……はい?」

八幡「あの……言ってる意味がわかりません」

陽乃「ん〜? そのまんまだよー。秘書になって、今日から私のサポートをお願い」

八幡「だからその意味が……」

陽乃「ってことで、その作業着は脱いでスーツに着替えてちょうだい。早速今日から仕事だよ」

八幡「……あの、せめて説明してくださいよ。なんで俺があなたの秘書に?」

陽乃「えー、だって比企谷くんって結構優秀な方でしょ? 君なら秘書ぐらいできるんじゃないかな」

八幡「買い被りすぎですよ。秘書なんてやったことないですし」

陽乃「まあじゃあその体格だし、ボディーガードなんかでもいいからさ。ね? 給料弾むよ?」

八幡「……というか、だからなんで俺なんですか」

陽乃「ん?」

八幡「秘書もそうですけどボディーガードとかって、そういった会社から雇うもんでしょ。なのに素人の俺を雇うとかありえません」

陽乃「んー、特に理由はないかな。ダメなの?」

八幡「ダメなのって……ダメでしょ」

陽乃「もぉー、細かいことはいいんだよ、とにかくお願いね」

八幡「ちょっと、俺に拒否権は?」

陽乃「ないっ。断るならさっきのことで訴えちゃうよ〜?」

八幡「……はぁ。あなたといい、あいつといい、脅しがうまいものですね」

陽乃「ん? まあとにかくよろしくね〜、比企谷くんッ」




責任者「あ、あの、それで比企谷くんは……」

陽乃「もちろんクビに決まってるじゃない。私にその権限はないけど……あなた、わかってるわよね?」

責任者「……はい」

陽乃「……部下思いなのはいいことだわ。でも、判別がつく人を雇ってくれないとこちらとしても困るのよ」

責任者「……わかりました。以後気をつけます」

陽乃「お願いね。――あっ、それと」

責任者「……はい、なんでしょう?」

陽乃「彼の作業着、見せてもらえないかしら」

責任者「彼って……比企谷くんのですか?」

陽乃「ええ、そうよ」




八幡「……」トコトコ

責任者「あ、比企谷くん!」

八幡「はい」

責任者「……わかってるよね」

八幡「はい……すみません迷惑かけて。短い間でしたがお世話になりました」

責任者「……確かに、さっきのことは君に非がないかもしれないけど、社会っていうのはそういうものだからさ」

八幡「はい、今後俺も自重します」

責任者「うん……頑張ってね、応援してるから」

八幡「はい、すみませんでした。では」

トコトコ




陽乃「じゃあそろそろ戻るわ」

課長「あ、はい。お気をつけて」

陽乃「ええ。それとあなたのことはよく伝えておくから、今後とも頑張ってちょうだい」

課長「は、はい! ありがとうございます! もちろんです!」

陽乃「……」スタスタ

課長「お気をつけて〜!」


ガチャ
スッ
バタンッ

陽乃「ごめんなさいね、無理な注文言って」

運転手「いえ、お安い御用です」

ガサゴソ

陽乃「……っと、これね」

運転手「はい。LLで良かったのですよね?」

陽乃「ええ、問題ないわ。……うんいいじゃない、彼に似合いそうね」

運転手「……彼?」

陽乃「そうよ。私の新しい秘書」

運転手「あっ、なるほど。そのための……」

ノロノロ

八幡「……あっ」



陽乃「比企谷くーん! こっちこっち!」フリフリ

八幡「……」タッタッタ


陽乃「はーい、じゃあ乗って乗って〜」

八幡「……あの、最後にもう一度いいすか?」

陽乃「ん、何?」

八幡「なんで俺なんすか?」

陽乃「え〜、だから――」

八幡「雪ノ下と何か関係があるのでは?」

陽乃「……」

陽乃「……まあ、ないとは言えないけどね」

八幡「……」

陽乃「でもほんと、ほとんど理由なしだから。ほら、たまにあるでしょ? 特にそういうわけでもないのに、何か買いたいと思っちゃうこと」

八幡「はぁ……」(ねーよ)

陽乃「ねっ、だからそういうことにしておいて」

八幡「……わかりました」

ガチャ
バタン




八幡「あの」

陽乃「?」

八幡「これってどこ向かってんすか?」

陽乃「そんなの、もちろん本社だよ。雪ノ下建設の」

八幡「はぁ……いきなりですか」

陽乃「もっちろん! 今日からって言ったでしょ?」

八幡「そうですけど……はぁ」

陽乃「あ、そういえば比企谷くん。――はいっ」スッ

八幡「これは?」

陽乃「スーツだよ、比企谷くんの」

八幡「……」

陽乃「ワイシャツもTシャツも、ちゃんとあるから……。――ん? どうしたの?」

八幡「めっちゃ高そうとかそういう感想は抜きにして、これどうするんですか?」

陽乃「え、それはもちろん着替えてちょーだい」

八幡「……ここで?」

陽乃「うん。会社にその服で行くのは第一印象として良くないからね〜」

八幡「ここ、車ですよね?」

陽乃「うん。別に男の子なら容易いことでしょ?」

八幡「……」

陽乃「あっ、もしかして比企谷くん私のこと気にしてるとかぁ〜? もぉー、相変わらず可愛いなぁー君は〜♪」

八幡「……」

陽乃「でも大丈夫、私そういういちいち気にしないから」

八幡「あの……だから俺が気にするんですけど」

陽乃「いいじゃんいいじゃん! パパッと着替えちゃってよ、パパッと!」

八幡「はぁ〜……じゃあ目を瞑ってて下さい」

陽乃「えー、なんで? よく見れば比企谷くん筋肉ムキムキじゃん。あの頃とは大違いだな〜」

八幡「……まあ」

陽乃「だから別に恥ずかしがることないんじゃない? むしろ自信持った方がいいよ」

八幡「はぁ……そういう問題じゃないんですけど……とにかく見ないでください」

陽乃「もー、わかったよぉ、あっち向いてる。ほら早く着替えて」

八幡「……はい」

ヌギヌギ ヌギヌギ…

ウッフフ…
チラッ

陽乃「っ!……」

ヌギヌギヌギヌ…

八幡「……っと、終わりましたよ」

陽乃「おっ、意外と似合ってるじゃん」

八幡「というか、よく俺のサイズわかりましたね」

陽乃「あー、まあそれは簡単だよ〜。作業着のサイズ見ればだいたいね」

八幡「あー、なるほど」

陽乃「……」

八幡「ところで、秘書ってなにやるんですか?」

陽乃「んー? 私のスケジュールの管理とかかなぁ。後でそういったのまとめ渡すから、それでやってちょうだい♪」

八幡「やってちょうだいって……俺がスケジュール組んだらメチャクチャになると思いますよ」

陽乃「あー、その時は私がやるからいいよ」

八幡 (なら最初から自分でやってくださいよ)

陽乃「あ、そろそろつくよ〜」

八幡「はい」

陽乃「比企谷くん。君に関しては全部私の方から話すから、あんま口出さないでね♪」

八幡「あ、はい」

キィーーー…ピタッ

陽乃「よし、ついたよ比企谷くん」

八幡「……」

ガチャ

陽乃「ようこそ、雪ノ下建設へ〜……なーんちゃって♪」

雪ノ下建設本社
1階玄関入り口



陽乃「……」スタスタ
  
八幡「……」キョロキョロ

陽乃「……ほら、比企谷くん。キョロキョロしないっ」ボソッ

八幡「あ、すみません」ボソッ


部長「あ、専務。お疲れ様です」ペコッ

陽乃「お疲れ様」

部長「現地視察どうでしたか?」

陽乃「まあ、予定通りには完成しそうね。よくやってる方だわ」

部長「そういっていただけると我々としてもありがたいです。――あの、ところでそちら方は?」


八幡「……」ビシッ

陽乃「私の新しい秘書よ」

部長「な、なるほど……一見ボディーガードかと思いましたよ」

陽乃「まあ、兼ボディーガードってとこかしら」

部長「えっ……」

陽乃「ふふ、冗談よ。私の命を狙う人なんていないもの」

部長「あっ、そ、そうですよね。あははは、専務はご冗談がうまいこと」

陽乃「まあね。――じゃああなたも仕事頑張って」

部長「あ、はい。では」

陽乃「行くわよ、八谷(はちや)」

八幡「はい」(え、はちやって俺のこと?)

スタスタ

区切りが悪いですが、今日はここまで。
いろいろすみませんでした

>>723

もしかするとスレまたぐかな?

>>724
全然またぐかと、申し訳ない

仏の顔も3度までってね(頑張って下さい待ってます)

仏の顔も3度までってね(頑張って下さい待ってます)

11:15頃から投下します。すみません



そういえば、ルミルミって高3ですね……

32階




陽乃「じゃじゃーん! ここが私のオフィスぅ〜」

八幡「へー、広いですね」

陽乃「でしょ〜♪ 私ほどの役職になると、オフィスも広いのよー」

八幡「専務でしたっけ。よくまあそんな……」

陽乃「ん? あー、昇進が早すぎるって?」

八幡「……はい」

陽乃「まあコネもあるけど、ほとんど私の実力だよ。結構私ってこの会社に貢献してるんだ〜」

八幡「へ〜……」

陽乃「あれ、もしかして疑ってる〜?」

八幡「いえ、全くもってそういうわけじゃないです」

陽乃「そう? ふーん……私って、意外と比企谷くんに買われてたりして」

八幡「というか、あなたたち姉妹のことですから……。独立して、会社を立ち上げてても不思議には思いませんよ」

陽乃「えー、ちょっとそれは言い過ぎ。私でもさすがに無理だよ〜」アッハハ

八幡「一人じゃダメでも、二人で協力すればできなくもないと思いますが」

陽乃「……うっふふ♪ その場合、二人で協力ができればの話だけどねっ」

八幡「まあ、そうですね」(ということは、関係は相変わらずか……)

八幡「で、さっきの八谷って俺のことですよね」

陽乃「うん。そだよ」

八幡「言い間違えた……わけでもないようですが」

陽乃「まーね〜」

八幡「……」

陽乃「……えーっと、比企谷くん。私の秘書でいるときは、八谷ヒキオを名乗ってくれないかな?」

八幡「八谷ヒキオ?」

陽乃「うん。君の実名を使うと、いろいろと問題があるからね〜」

八幡「ああ……なるほど」

陽乃「――私の家族も君のこと知ってるし……まあ、お父さんたちは反対しないと思うんだけど……」

八幡「……雪ノ下ですか」

陽乃「うん」

陽乃「雪乃ちゃん、実はこの会社で働いてるんだ」

八幡「え、雪ノ下が?」

陽乃「うん」

八幡「4月まで、まだ何日かありますよね。なんでもう……」

陽乃「それはあれよ〜。コネよ、コネ」

八幡「……」

陽乃「で、もし私が君を雇ったこと知ったら、きっと雪乃ちゃん怒ると思うし」

八幡「……」

陽乃「そしたらますますややこしくなるでしょ? だからね」

八幡「……なら雇わなければいいでしょ」

陽乃「もー、だからそれはさっきも言ったでしょ?」

八幡「ですが……」

陽乃「それにちょっと期待してるんだ。君には」

八幡「期待?」

陽乃「うん」

八幡「……」

八幡「……はあ、まあそれはいいとして、少し安直すぎませんかね」

陽乃「ん、何が〜?」

八幡「俺の名前ですよ。八谷ヒキオって、隠す気0じゃないですか」

陽乃「えぇ〜、そうかなぁ♪」

八幡「……ったく」

陽乃「あっ、ちなみに私のことは専務か陽乃さんでお願い。呼び捨てでも構わないよ〜♪」

八幡「いえ、じゃあ専務で」

陽乃「え〜、つれないなぁ」

八幡「秘書の俺が呼び捨てっておかしいでしょ」

陽乃「そう? 結構好きよ。そういう秘密の関係みたいなの♪」

八幡「……」

陽乃「じゃあ仕事では専務、プライベートは陽乃さんで」

八幡「あ、はい。わかりました……って、プライベートもですか?」

陽乃「そうだよ。秘書だもん」

八幡「そういう秘書なんですか?」

陽乃「ん? なんだと思ってたの?」

八幡「てっきり業務上の秘書かと」

陽乃「そんなわけないよ〜、比企谷くんは私専属の秘書だよ?」

八幡「……はぁ、それもう執事じゃないですか」

陽乃「あー、まあ似てるかも。――なにぃ? 嬉しくなさそうだね〜」

八幡「当たり前でしょ」

陽乃「えー、ひどいな〜。こんな美人なお姉さんの、せ・ん・ぞ・く 秘書になれるんだよ?」

八幡「相手があなたですから」

陽乃「っ……比企谷くん、ちょっと冷たくなったんじゃない?」

八幡「そうですかね」

陽乃「うん。目もなんとなく変だよ」

八幡「これは元々です」

陽乃「そうかな〜? 前とはまた違う気がするけど……まあとにかく、ちょっと可愛くなくなったなぁー」

八幡「はぁ……というかそもそも、こんなごつい男を可愛いとかやめてくださいよ」

陽乃「あー、まあそれもそうだね」

八幡「はい」

陽乃「じゃあカッコイイとか?」

八幡「……もうなんでもいいです」

八幡「で、専務。俺は何をやればいいでしょうか?」

陽乃「あー、そうだったそうだった。君、パソコン使える?」

八幡「まあ」

陽乃「どのくらい?」

八幡「ある程度は。専門的なことは無理です」

陽乃「じゃあ大丈夫っ。そっちのパソコン好きに使っていいからさ、それで私宛のメールとかまとめたりしてくれない?」

八幡「わかりました」

陽乃「ある程度終わったら、ついでに今日一週間の予定もそっちに送るから、それもまとめてちょーだい♪」

八幡「……はい、わかりました」

カチャカチャカチャ



八幡「……そういえば、雪ノ下は元気ですか」カチャカチャ

陽乃「ん?」

八幡「ここで働いてるんでしょ?」

陽乃「あー、雪乃ちゃんね。うん、元気よ」

八幡「そうですか」

陽乃「なにー、心配してくれてるの〜?」

(伏線含めて)少し構成を変換したいところが出てきました。
ですので申し訳ありませんが、今日はここまで(眠い)
火曜日に投下します

申し訳ありません。
3度目の正直です、投下します


八幡「いえ、俺じゃなくて由比ヶ浜が」

陽乃「あー、ガハマちゃんか……」

八幡「……」

陽乃「君は心配してないのかね?」

八幡「……別に」

陽乃「ふ〜ん……まあでも、元気すぎて困ってるんだよねー、正直なところ」

八幡「え?」

陽乃「いやさ〜ぁ、必死に仕事してるというか、とっても頑張ってるというか……」

八幡「……別にいいことじゃないですか、それって」

陽乃「うーん、比企谷くんわかってないね〜。5年も経ったから忘れちゃったかな?」

八幡「?」

陽乃「文化祭のことよ」

八幡「……」

陽乃「今の雪乃ちゃんはあんな感じ。一人で黙々と頑張って、そしていまだに私の背中を追ってる」

八幡「……」

陽乃「……ねえ比企谷くん。雪乃ちゃんに会いたい?」

八幡「俺ですか?……というか、雪ノ下が俺に会いたくないんじゃないすか」

陽乃「え、なんで?」

八幡「それはわかりませんが……」

陽乃「……へぇ〜」

八幡「……」

陽乃「君もわかってるんだ」

八幡「はい?」

陽乃「雪乃ちゃんが比企谷くんに会いたくないって、わかってるんでしょ?」

八幡「……まあ、なんとなく」

陽乃「ふーん……」

八幡「……」

陽乃「あの子はね、君がいなくなった日から何も変わってないのよ」

八幡「……」

陽乃「君の知ってる、可愛い雪乃ちゃんのまま……」

八幡「……そう、ですか」



言い忘れてました
ここから見やすいように
葉山関連の話は◇
八幡関連の話は◆
で、分けていきたいと思います。よろしくお願いします。





とある警察署




警視総監『……それで、このマスクの男が?』

社長「そうだ。金を奪い私たちを脅したうえに、山田組を壊滅させた犯人だ」

警視総監『にわかには信じられんが……』

社長「本当だ! こいつが全ての元凶だ! こいつさえいなければ……」

警視総監『……しかし、不注意だった君たちにも責任はあるはずだ』

社長「それはそうだが……でもだいたい、マネーロンダリングの件はあんたたちに大金を払ったろ! なのに――」

警視総監『山田組が壊滅したんだ、状況は変わる。それに我々の全てが汚職にまみれているわけじゃない』

社長「っ……」

警視総監『感のいい警官も中にはいるし、同時に買収できない警官もいる』

社長「……」

警視総監『そしてなにより、君も知っての通り、上には絶対逆らえない』

社長「……そうだな」

警視総監「……」

社長「そうだったよ……」

警視総監『他に、何かあるか?』

社長「……あ、あと、この男が息子を殺した可能性がある」

警視総監『息子? 君の息子とは、あのカマセイヌのことか?』

社長「そうだ」

警視総監『なぜそう言える』

社長「奴はあの殺人事件の被害者に、息子が含まれていることを知っていた……」

社長「犯人、もしくは警察の関係者じゃない限り、そのことを知るはずがないだろ? まだマスコミにも発表してないのだから……」

警視総監『……』

社長「それに奴が我々の集まりに現れたとき、外にいた警備が全員殺されていたんだ」

警視総監『……奴がやったのか?』

社長「わからない……だがそのほとんどが、首をへし折られていた」

警視総監『……』

社長「そう、わたしの息子が殺されたように、だ……」

社長「たのむ、奴を捕まえてくれ。じゃなきゃ……じゃなきゃ次は私の番だ!」

警視総監『……その点は安心してくれ。警察の保護下にいる以上、手は出させない』

社長「いや、ダメだ! あの山田組をいとも簡単に殺った男だぞ! それだけじゃ安心できない……」

警視総監『……』

社長「だいたい私が海外へ逃げようと思ったのも、あんたたちからじゃない!……そう、あの男からだ! だから――」

警視総監『わかった、近日中に君を本庁まで護送する。全警察の要だ。そこなら安全だろ?』

社長「あ、ああ。いいだろう……」

警視総監『そういうことだ。ではまたな……プツッ』

プープー

社長「……」

留置所




三口会幹部「おい! ここから出しやがれ!」バンバンッ


「うるさいぞ!」


三口会幹部「……クソォ、裏切りやがって……タダじゃおかねえからな……」


「……」






カチャカチャカチャ……



陽乃「ん〜っ……。――どう終わった?」

八幡「……ええ、まあ」

陽乃「どれどれ〜……わっ、すごい! 全部終わってるじゃん!」

八幡「はい。スケジュールも一週間分は完成してるんで、あとで見ておいてください。……こんな感じでいいすか?」

陽乃「うんうん! もう最高だよっ!」

八幡「お役に立てたなら幸いです」

陽乃「八谷を雇って正解だったな〜♪ この調子でよろしくねっ」

八幡「……はい」

陽乃「じゃあそろそろお昼だし……ご飯でも――」


プルルルル…


八幡「……すみません。ちょっといいですか?」

陽乃「うん、全然構わないよ。あっ、もしかして彼女かなぁ〜?」

八幡「では」

タッタッタ


陽乃「……無視かい」

ガチャ

仮面『もしもし』

傭兵A『情報が入りました。どうやら警察は、社長を今いる署から本庁まで護送するようです』

仮面『そうか……例の公表よりも前になりそうか?』

傭兵A『いえ、まだそこまでは』

仮面『……なるべくその後になるよう取り計らってくれ。前では意味がない』

傭兵A『了解』

仮面『それと三口会の連中はどうだ?』

傭兵A『留置所で拘留中とのこと』

仮面『……そうきたか、案外簡単にことが運べそうだな』

傭兵A『はい』

仮面『毒薬の残りは?』

傭兵A『奴ら全員を始末するだけの量は残っています』

仮面『よし、ならそちらも頼んだぞ』

傭兵A『了解です。では……』

仮面『――っと、待て』

傭兵A『はい、なんでしょう』

仮面『傭兵Cに変わってくれ、頼みたいことがある』

傭兵A「わかりました……ガチャ」

仮面『……以上だ』

傭兵C『了解。では今すぐにでも作らせていただきます』

仮面『ああ、頼んだぞ』

プツッ プープー

仮面『……』




陽乃「何を頼んだの?」

八幡「げっ! 雪ノ下さん!」

陽乃「なにーその反応は〜、なんか怪しいなぁ〜」

八幡「ぅ……」

陽乃「もしかして、聞かれちゃまずいことだったのかなぁ?」

八幡「い、いえ別にそういうわけじゃ……」

陽乃「で、何頼んだの?」

八幡「え? あ、ちょっとAmazunで買い物を……」

陽乃「買い物? 今?」

八幡「は、はい……予約してたものが入荷したみたいだったので……」

陽乃「ふ〜ん……まあいいや。それよりお昼いこっ」

八幡「あ、はい。わかりました……」




トコトコ

陽乃「何食べる〜?」

八幡「なんでもいいですよ。この辺のお店、よくわかんないんで」

陽乃「う〜ん、じゃあ牛丼とか?」

八幡 (牛丼……)

陽乃「じゃあラーメンにしよっか!」

八幡 (ラーメン……さっきからチョイスが……)

陽乃「一人ではなかなか入りずらいお店があったんだよね〜」

八幡「ええ……いいですよ」


トコトコ

陽乃「ここここっ。あ〜、やっぱ混んでるかぁー。ちょっと並ぶけどいい?」

八幡「はい、構いませんよ。でも雪ノ下さんってラーメンとか食べるんですね」

陽乃「なに、私のことをなんだと思ってるのぉ?」

八幡「……いえ、別に。一般的な女性かと」

陽乃「ふーん……まあそういうことにしといてあげる」

八幡「……」

陽乃「ところで比企谷くん。このあとなんだけどさ、一回社長に合わないといけないんだよね」

八幡「社長って、雪ノ下さんのお父さんですか?」

陽乃「うん、秘書を雇ったことを伝えにね」

八幡「わかりました」

陽乃「父とは面識ないよね?」

八幡「はい」

陽乃「じゃあ平気か……問題はお母さんかな」

八幡「?」

陽乃「いやー、私も言われて気づかなかったからたぶん平気だと思うけど……お母さん、結構鋭いからなー」

八幡「はぁ……」

陽乃「母とは会ったことあるでしょ?」

八幡「はい。2、3回ほど」

陽乃「うーん、それなら大丈夫かな。まあバレても雪乃ちゃんにさえ伝わらなきゃいいんだけど……」

八幡「……」

陽乃「あっ、席空いたよ! まずはラーメン食べてからにしよう!」

八幡「あ、はい……」






陽乃「以外とまずかったね〜、人気の割には」

八幡「まあ……ちょっとコッテリし過ぎでしたね」

陽乃「だよね〜、失敗かなー……あっ」

八幡「?」

陽乃「そういえば比企谷くんって、日本に帰ってきてから静ちゃんと会った?」

八幡「ええ、まあ。一度だけ」

陽乃「へー、そっかぁ〜……」

八幡「変わらず元気そうでしたよ」

陽乃「……私もここ何年か会ってないからなー。……なんか会いたくなってきちゃった。ついでに美味しいラーメンも食べたいし」

八幡「はぁ……」

陽乃「ってことで八谷。静ちゃんとのご飯をセッティングしといて」

八幡「え? いきなりですか?」

陽乃「うん。そのための八谷でしょ?」

八幡「そうですけど……」

陽乃「あ、もちろん比企谷くんも一緒だよ。わかった?」

八幡「はぁ、わかりましたよ専務。あとで連絡しときます……」

陽乃「違うよ比企谷くん〜。今のはプライベートの予定だから、専務じゃなくて陽乃さんでしょ?」

八幡「……」(メンドクセー)

陽乃「あとさあ、金曜日の夜空いてる?」

八幡「……空いてますけど、遠慮しときます」

陽乃「え、まだ何も言ってないじゃん」

八幡「だいたい想像がつくんで。どうせ食事のお誘いでしょ」

陽乃「どうせってなによどうせってぇ〜……いいじゃないせっかくなんだから。私の奢りよ?」

八幡「なおさら遠慮しときます」

陽乃「えー、なんで〜?」

八幡「……」

陽乃「あ〜、もしかして女の子には奢られたくないとか?」

八幡「はい?」

陽乃「へ〜、比企谷くんってそういうプライドも持ってるんだー」ニヤニヤ

八幡「いえ、プライドとかそういうのじゃなくて……ただ遠回しに嫌と言ってるだけですよ」

陽乃「っ、ちょっと〜、それもう遠回しでもなんでもないじゃなーい」

八幡「とにかく遠慮しときます」

陽乃「もぉ……じゃあ八谷に命令するわ。金曜の夜、私に付き合いなさい」

八幡「……その八谷って人、めちゃくちゃ可哀想ですね」

陽乃「そう? 美人な上司に仕えて幸せだと思うけど?」

八幡「……はぁ」

陽乃「さーて、お父さんもそろそろ帰ってきてることだし、行こっか」

八幡「帰ってきてる?」

陽乃「うん。今日県議会があったからね、午前中」

八幡「あー、雪ノ下のお父さんって県議会議員でしたっけ」

陽乃「そーだよ〜、いまだにねー」

八幡「すごいですね」

陽乃「まあお父さんだからね〜、それにお母さんもいるし」

八幡「ん?」

陽乃「あ〜、えーっと私と比企谷くんみたいな関係だよ。お父さんの秘書がお母さんって感じ」

八幡「なるほど」

陽乃「お母さんは秘書としても優秀だからね〜」

八幡「秘書としても、ですか」

陽乃「うん、まあね」

八幡「……」

陽乃「……あはは、とにかく行くよ♪ 八谷ヒキオのお披露目だ〜っ」

八幡「……」

トコトコ



雪ノ下建設本社
45階



雪ノ下母「……です」

雪ノ下父「なるほど、わかった」

雪ノ下母「その後、昼食会には三◯重工の――」

トントン


雪ノ下父「ん?」

雪ノ下母「……社長、よろしいですか?」

雪ノ下父「ああ、構わないよ」

雪ノ下母「――どうぞ、入って」



「失礼します」

ガチャ
スッ

雪乃「……」

雪ノ下母「っ、あら雪乃」

雪ノ下父「ん……」

雪乃「すみません。お忙しいところ失礼します」

雪ノ下父「……いや、平気だよ。それより何かあったのか、雪乃」

雪乃「はい、少し話したいことがありまして」

雪ノ下父「はなしたいこと?」

雪乃「カジノパークの件です」

雪ノ下父「カジノパーク? 何か問題でも?」

雪乃「いえ、大したことではありません。ただ……」

雪ノ下父「ただ?」

雪乃「……社長、ご提案があります。――私を、海ほたるカジノパーク計画の主任の座に就かせてください」


雪ノ下母「ちょっと雪乃……それってどういう……」

雪乃「そのまんまの意味よ、母さん」

雪ノ下母「あなた、自分が何を言ってるかわかってるの?」

雪乃「ええ。十分承知してるわ」

雪ノ下母「っ……」

雪ノ下父「……話なさい」

雪ノ下母「あなた。でも雪乃は――」

雪ノ下父「話を聞くだけでもいいじゃないか」

雪ノ下母「……」

雪ノ下父「話してみなさい。雪乃」

雪乃「……はい」

雪乃「恐れながら、今の主任を任せられている課長は能力不足です」

雪ノ下父「……それはなぜだ?」

雪乃「実行力が決定的に足りません。あれよこれよと周りに振り回され、計画の進みに支障をきたしています」

雪ノ下父「……カジノパーク計画の現在の進行度は?」

雪乃「計画通り、5割です」

雪ノ下父「なら――」

雪乃「ですが、それは全体を数値化しただけです」

雪ノ下父「と、いうと?」

雪乃「確かにA、B区画ともに順調でしょう。特にA区画は予定より早いです。しかし地下の工事が遅れています」

雪ノ下父「地下?」

雪乃「はい。その地下の遅れを、A区画の完成度が数値で補っているだけということです」

雪ノ下父「そうか、なるほど……遅れとはどのくらいなんだ?」

雪乃「わずかなものです。が、地下の遅れは今後さらに加速するかと」

雪ノ下父「なぜだ?」

雪乃「それは地盤の強度の計算に誤――」


トントン


雪ノ下父「ん?」

雪乃「……」

雪ノ下母「……すみません、後にしてもらえますか?」


「あれ、今忙しい?」


雪ノ下母「その声は……陽乃?」


「うん。あ、お母さん? ちょっと話したいことがあるんだけど」


雪ノ下母「ちょっと今は……」

雪ノ下父「ちょうどいい、陽乃にも聞いてもらおう。課長をカジノパーク計画の主任に任命したのは陽乃だからね」

雪乃「……」

雪ノ下母「そうね。――陽乃、入りなさい」

ガチャ

陽乃「失礼しまーす……って雪乃ちゃん!?」

雪乃「……姉さん。どうしたのそんな驚いて?」

陽乃「お、驚くよ。雪乃ちゃんがここにいるなんて……」


「どうかしました?」


陽乃「っ……」

雪ノ下父「ん?」

雪ノ下母「あら、もう一人誰かいるの?」

雪乃「……?」

陽乃「あー、えーっと、前々から言ってた秘書の件なんだけど……」

雪ノ下父「秘書? そういえば一人欲しいと言っていたね」

陽乃「うん。それが決まったから報告しにきたの。でも今ちょっとまずかったかな? ならまた改めて――」

雪ノ下父「いや、いいよ。入りなさい」

陽乃「……いいの? なんか大事な話の最中だったみたいだけど」

雪ノ下父「陽乃の秘書になるならこの件を聞いておいたほうがいいだろう。――な、いいだろ雪乃」

雪乃「ええ、私は構わないわ」

雪ノ下父「そういうことだ。入りなさい」

陽乃「じゃ、じゃあ……」




陽乃「比企谷くん、はいれだって」

八幡「あ、はい、わかりました。では――」

陽乃「でもちょっと待って。実はね、雪乃ちゃんもいるんだよ」

八幡「え、雪ノ下が?」

陽乃「うん。ミスったー、まさか初日で鉢合わせるとは。しかもこんなところで……」

八幡「まあ同じ会社にいる以上、いつか顔を合わせることになるだし……」

陽乃「そうだけどさ……」

八幡「なら別にいいんじゃないですか? 今でも」

陽乃「うーん……でも雪乃ちゃん、君のことに関しては敏感だし……」

八幡「……」

陽乃「ボロ出ちゃったら一発でバレちゃうよ?」

八幡「あー、それに関しては大丈夫です」

陽乃「え?」

八幡「シナリオは考えています。だから安心して下さい」

陽乃「そ、そう? ならいいけど……」




「失礼します」

スッ

雪ノ下父「おお……」
雪ノ下母「まぁ……」
雪乃「……」


陽乃「紹介するね、今日から私の秘書になってもらう八谷ヒキオくん」

八幡「八谷ヒキオです。よろしくお願いします」

申し訳ありません限界です(眠い)

なんども嘘を重ねてしまい、すみませんでした。
これからは日にちを決めずに投下したいと思います。もちろん十分書き溜めてから


あとちなみに、推敲の終わった書きダメは、今回投下したのと同じくらい残っています。ですので、今日の9……

ではまた


>>1
って過去作何かある?

風呂入ったらすぐ投下します

>>879
ありません。が、文章を書くのは初めてではないです

投下します
ロシア語、中国語のわかる方、温かい目で見てもらえると嬉しいです

雪ノ下父「おお、君が陽乃の……どちらかというとボディーガードといった感じだね」

雪ノ下母「ええ……体格がいいのね」

雪乃「はちや……ひきお……?」


陽乃「まあ兼ボディーガードってことで。――どう? いいでしょお父さん、お母さん」

雪ノ下父「ああ、陽乃が選んだのなら私は構わないよ……」チラッ

雪ノ下母「……」

雪ノ下母「……八谷さんと言ったわね。秘書歴は何年かしら?」

八幡「0です」

陽乃「……」

雪ノ下母「……陽乃?」

陽乃「えっと……確かに秘書はやったことないみたいなんだけど、でもすごい優秀なんだよ?」

陽乃「さっきだってね、ほんの1、2時間で一週間分のスケジュール作っちゃったんだから」

雪ノ下父「ほぉ、それはすごいな」

八幡「いえ……」

雪ノ下母「でもね、陽乃。スケジュールを整理することだけが秘書の仕事じゃないの。管理もできなくちゃ」

陽乃「それも平気だよ。きっと彼ならできるって」

雪ノ下母「……なぜそんな自信満々に言えるの?」

陽乃「え? それは……」

雪ノ下母「……」

雪ノ下母「八谷さんといったわね」

八幡「はい」

雪ノ下母「あなたについて、少しお話を聞かせてもらえないかしら?」

八幡「自分について、ですか?」

雪ノ下母「ええ、そうよ」

陽乃「お、お母さん?」

雪ノ下母「陽乃がそんなにも褒めるのだから、きっとあなたには魅力があるのね」

八幡「いえ、決してそのようなものは……」

雪ノ下母「でも残念だけど、私はあなたとは初対面だから、あなたのことはわからないのよ」

八幡「それは……そうですね」

陽乃「ええ、だから自己紹介してもらえない? あなたのこれまでについて、是非聞かせてもらえるかしら?」

八幡「……」

陽乃「お母さん、それはあとで書類にして提出するから――」

雪ノ下母「いいえ、彼の口から聞きたいわ。書類になんていくらでも嘘をつけるでしょ?」

陽乃「それはそうだけど……」

雪ノ下母「でも、本人から発せられる言葉には虚偽の限界がある。そうよね陽乃」

陽乃「……」

雪ノ下父「んー……なにもそこまでしなくてもいいんじゃないか? 陽乃が決めたことなんだし……」

雪ノ下母「陽乃の秘書になるってことは、仕事以外のことも管理するのよ?」

雪ノ下父「ま、まあそうだが……」

雪ノ下母「疑ってるわけじゃないけど、心配なのよ。秘書歴0の彼にそれらが務まるのかどうか……」

雪ノ下父「うむ……」

雪乃「……」

八幡「……わかりました。お話しましょう」

陽乃「え、ちょっとひき――」

八幡「ざっとですが自己紹介を含め、私のこれまでをお聞かせします」

陽乃「っ……」

雪ノ下母「ええ、お願いね」

八幡「はい」

陽乃「……」

雪乃「……」ジーッ


八幡「それではまずはじめに、年と出身地から……」

八幡「年は22。生まれは横浜で、育ちも横浜です。で、中学の頃から父の都合により、海外を転々としていました」

雪ノ下母「あら、そうなの……ちなみに、どちらへ?」

八幡「ロシア、中国、フランスなんかにです」

陽乃「ぇ……」

雪ノ下父「ということは……」

八幡「はい。英語はもちろんのこと、ロシア語や中国語、フランス語なんかも嗜んでおります」

雪ノ下母「それはすごいわ。5ヶ国語も話せるなんて」

八幡「いえ、褒められるほどのことでは。――ロシアで高校を卒業した後は、フランスについ最近まで暮らしていました」

雪ノ下母「フランスに?」

八幡「はい」

雪ノ下母「そこでは何を?」

八幡「5年間、フランスの軍に入隊しておりました」

陽乃「な……」

雪ノ下母「っ!」

雪ノ下父「ぐ、ぐん?」

雪乃「……」

陽乃「ちょっ、いくらなんでも……」ボソッ

八幡「と言っても担当はほぼ雑務です。主に上司の身の回りの世話を。ですので秘書歴は0ですが、そういったことなら何年か経験があります」

雪ノ下母「そ、そうだったの……」

雪ノ下父「ぐ、軍隊か……すごいな……」

八幡「で、契約終了とともに日本へ帰ってきて、今に至ります」

八幡「ざっとこんな感じです。あとは……そうですね、日本での免許は持ってませんが、車の運転なんかも出来ます」

陽乃「……」

雪ノ下父「……そ、そうか。八谷くんはなんというか……すごい経歴の持ち主だね」

八幡「いえ」

雪ノ下父「と、とにかく彼ならいいんじゃないか? 娘の安全も守ってくれそうだし……」

雪ノ下母「けど……。――そういえば、陽乃とはどこで?」

陽乃「えっ……」

雪ノ下母「つい最近までフランスにいたのでしょ? ならどこで陽乃と?」

陽乃「そ、それはねお母さん――」

八幡「合コンです」

陽乃「ごっ」

雪ノ下母「ごうこん?」

すみません、明日も投下するんで今日はこの辺でお願いします。先に風呂入ったのが間違えでした……z

明日は嫌だ
今日がいい
今日お願いします

雪ノ下母「ならどこで陽乃と?」
陽乃「そ、それはねお母さん――」
八幡「強姦です」
陽乃「ごっ////」
雪ノ下母「ごうかん?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月27日 (火) 23:53:53   ID: c00yDQRq

続きハヨ

2 :  SS好きの774さん   2015年11月03日 (火) 00:17:20   ID: bnKmsK4j

期待しています!
続きが楽しみです!

3 :  SS好きの774さん   2015年11月06日 (金) 00:50:06   ID: tbOKQfZG

無理せずがんばれー!

4 :  SS好きの774さん   2015年11月07日 (土) 21:55:23   ID: Zu8IOy_1

程よい感じで進めてくれ

5 :  SS好きの774さん   2015年11月08日 (日) 18:39:24   ID: 829pPC6V

気になって一気に読み進めてしまった
続き期待

6 :  SS好きの774さん   2015年11月09日 (月) 01:26:56   ID: 0c91odZf

消えんなよ

7 :  SS好きの774さん   2015年11月09日 (月) 08:22:27   ID: XdAOIhqg

面白い!ゆっくりでもいいから完結させてくれ

8 :  SS好きの774さん   2015年11月09日 (月) 16:05:07   ID: 438MnqJS

あくしろよ(土下座

9 :  SS好きの774さん   2015年11月14日 (土) 21:56:26   ID: cyuOqTYi

683で吹いたw

10 :  SS好きの774さん   2015年11月14日 (土) 23:39:58   ID: ctS5sDYf

新感覚の俺ガイルssだな

11 :  SS好きの774さん   2015年11月15日 (日) 00:05:26   ID: XpV74ylE

↑むしろ俺ガイルssから逸脱している気が
面白いからいいけど

12 :  SS好きの774さん   2015年11月19日 (木) 06:02:10   ID: vnmfW90f

主楽しみにしてるぜ

13 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 01:42:39   ID: fzJbIgdi

おもしろい!!
この五年でなにがあった気になるけどそれ含めて楽しみです!!

14 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 04:05:35   ID: Yjl74Hzz

面白い。あくしろ。

15 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 04:13:10   ID: iN-X1NQn

超期待

16 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 05:16:04   ID: _18Mhvd5

めっちゃ期待してる

17 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 12:37:39   ID: c_scbJY4

897 合コンはビックリ!!!

18 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 13:31:29   ID: teXLjY2M

面白すぎです!
続き早く見たい

19 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 13:32:50   ID: 6k9CQUmA

ごうかんクソワロタwwww

20 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 20:33:36   ID: ST6rsfIz

続き早く

21 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 20:39:36   ID: HZ5nou7N

これは面白いね。完結だけはしてくれよ

22 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 23:51:47   ID: lq7A5Gjk

失踪だけはやめてくれー

23 :  SS好きの774さん   2015年11月24日 (火) 01:23:36   ID: XGm3L8bL

これおもしろい

24 :  SS好きの774さん   2015年11月25日 (水) 00:30:27   ID: vr_Rvuy4

続きが早く見たいです!

25 :  SS好きの774さん   2015年11月25日 (水) 16:31:40   ID: MZXdKC74

Arrow を思い出す。 何年間無人島で暮らしていて、中国人に保護される。ちょっとシスコンで、帰ってきてからは無人島で鍛えた弓の技術で闇の企業を殺害して行くダークヒーロー。この作品好きだし このssもよく出来てて好き

26 :  SS好きの774さん   2015年11月27日 (金) 01:31:21   ID: Zfy9NMQ8

続きを求む!

27 :  SS好きの774さん   2015年11月29日 (日) 16:42:57   ID: PuPusT22

面白かった

28 :  SS好きの774さん   2015年11月30日 (月) 23:59:19   ID: iLRxD7tU

すげーおもしろい

いいssに出会ったぜ

29 :  SS好きの774さん   2015年12月03日 (木) 09:01:29   ID: xalgMPV0

がんばってくれーーーー

30 :  SS好きの774さん   2015年12月05日 (土) 16:09:02   ID: g0c19BwM

次スレどこだよ

31 :  SS好きの774さん   2015年12月06日 (日) 06:01:51   ID: yVmtKBjq

頑張ってくれ

32 :  SS好きの774さん   2015年12月10日 (木) 16:32:42   ID: IREleexl

続き求む!!

33 :  SS好きの774   2015年12月11日 (金) 11:28:32   ID: m-EcQ5g_

続きはよー

34 :  SS好きの774さん   2015年12月13日 (日) 16:08:48   ID: eER8uqE9

めちゃくちゃ面白い!続きはよ

35 :  SS好きの774さん   2015年12月23日 (水) 22:23:05   ID: FP1B33Bn

続きまだですか?
お忙しいと思いますが完結してください(((o(*゚▽゚*)o)))

36 :  SS好きの774さん   2015年12月23日 (水) 23:16:44   ID: _tPuXONw

はよー

37 :  SS好きの774さん   2015年12月28日 (月) 14:21:23   ID: YZdQ5XYW

リザレクションに似てる気が・・・

38 :  SS好きの774さん   2016年02月17日 (水) 00:33:33   ID: nEpwOOiP

コードギアスっぽい

39 :  SS好きの774さん   2016年02月22日 (月) 20:38:34   ID: gS5xnqDh

失踪すんなし

40 :  SS好きの774さん   2016年04月10日 (日) 04:54:55   ID: kz2GLEUg

ふざけんなまたエタんのかよ、こう言うのもうほんといいからss書かんとけや
完結させる気がないならいっそ
最初にモチベ落ちたらエタらせるとか書いとけカス時間返せや

41 :  SS好きの774さん   2016年04月12日 (火) 17:34:36   ID: Wii_6hVF

続き~

42 :  SS好きの774さん   2016年05月25日 (水) 05:55:53   ID: HeNWq2iP

またエタってしまったか

43 :  SS好きの774さん   2016年05月28日 (土) 10:12:45   ID: 6Smbr9Gp

なぜベストを尽くさないのか…

44 :  SS好きの774さん   2016年05月29日 (日) 03:14:51   ID: c7L2UArx

君はッ!読んでいる僕たちのことをッッ!!考えているのかッッッ!!!!

45 :  SS好きの774さん   2016年06月06日 (月) 18:53:30   ID: TWuQTEma

ここまできたなら頑張ってほしい

46 :  SS好きの774さん   2016年07月06日 (水) 00:36:40   ID: Qd4Y70EO

スッゲー気になるから、続きを頑張って書いて欲しい

47 :  SS好きの774さん   2016年07月31日 (日) 13:04:02   ID: 3p5WlUwc

まじ気になる。続きはよ

48 :  SS好きの774さん   2016年08月18日 (木) 02:37:35   ID: yAZh3JjY

ふたりぼーっちー
アローアローアロー

49 :  SS好きの774さん   2016年09月05日 (月) 11:13:05   ID: uB8y3HC7

はやくーん

50 :  SS好きの774さん   2016年10月29日 (土) 21:43:59   ID: s_Bx-pXT

最後までやれカス

51 :  SS好きの774さん   2016年11月24日 (木) 22:37:06   ID: 1ZgAc-2U

嗚呼見たい

52 :  SS好きの774さん   2016年12月12日 (月) 11:50:11   ID: ZPqCYpnt

あくしろよ

53 :  SS好きの774さん   2017年07月26日 (水) 03:44:56   ID: WP_gAzhv

続けて欲しいが今さら無理か。

54 :  SS好きの774さん   2017年10月12日 (木) 00:18:16   ID: I1WZlyMY

抵抗する拳で

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