妹「お兄ちゃんっ!お風呂に河童が!」兄「…はぁ?」(13)

妹「お兄ちゃんっ!大変っ!お風呂に覗き魔が出たのっ!」

兄「な、なんだと!?どんなヤツだ!?」

妹「それが……全身緑色で……」

兄「……え?」

妹「その……河童なの……」

兄「……はぁ?」

妹「本当なのっ!河童が出たのっ!」

兄「……河童さん、来てんの?」

妹「え」

知り合いかよ

兄「あ~、どもども、河童さん」

河童「あっ、すいません……お風呂、借りてます」

妹「ちょっと……お兄ちゃん……?」

兄「来るなら、一言連絡して下さいよ?」

河童「いや~、すいません……携帯、水没しちゃって」

兄「……家が水中だから?」

河童「ハイ!いつもの事っす!」

兄「アッハッハ」

河童「アッハッハ」

妹「………」

兄「……今日、天狗さんは?」

妹「……天狗!?」

河童「ゴルフっすよ……ゴルフ……」

兄「かぁ~っ、羨ましいですねぇ~!」

河童「しかも、ツチノコさんと……」

兄「マジっすか!?ツチノコさんと!?」

妹「ツチノコ!?」

兄「河童さんも、行けばいいじゃないですか?」

河童「いや~、相手がいないっすよ……」

兄「……麒麟さんとか、誘えばいいじゃないですかぁ?」ニヤニヤ

河童「……バ、バカ言わないで下さいよ!」アセアセ

妹「……キリン?」

河童「あっ、お嬢ちゃん?首の長いキリンじゃないよ?あのビールのヤツのキリンね?」

兄「……あっ、ビール持って来ましょうか?」

河童「ありがとうござーっす!」

兄「それじゃあ、取ってきますね?」

河童「お願いしまーっす!」



妹「………」

河童「………」

妹「………」マジマジ

河童「……お嬢ちゃん、河童は見るの初めて?」

妹「えっ……?あっ、初めてです……」

河童「最近都会にはあんまりいないからね?」

妹「そう……ですね……」

河童「あっ、でも写メはやめてね?」

妹「………」

河童「………」

妹「………」

河童「……お皿、触る?」

妹「……えっ?」

河童「ほら、だから……僕のお皿……」

妹「ひぃっ……いいです……!」

河童「遠慮する事ないよ、ほら……ほら……」

妹「ひいぃ……ひいぃ……」ガクガク

兄「河童さ~んっ!ビール持って来ましたぁ~!」

河童「あっ、本当?ありがとう」

妹(た、助かった……)

兄「ついでに……ほら?胡瓜も持ってきましたよ……?」

河童「わぁ~、凄~い!ありがとう~!」

兄「……おっ、そうだ?妹よ、河童さんの皿を触らしてもらえよ?」

妹「……えっ?」

妹「いいっ……!私、いいよっ……!」

兄「……何、言ってんだ?ご利益があるんだぞ?すいません……河童さん、お願いします」

河童「いいよ~。ほら、触って~?」

妹「いいっ……!いいですっ……!」

兄「……何、言ってんだ?来年、受験だろうが」グイグイ

妹「ひいぃ……」

河童「あっ、受験なんだ~?じゃあ、もっといいお皿、持ってきたらよかったかな?」

兄「いえいえ……大丈夫ですよ、河童さん……ほれ、妹!早く触れっ!」グイグイ

妹「ひいぃ……ひいぃっ……!」

兄「おいっ!おい妹っ!」
妹「ひいぃ……ひいぃ……」

兄「妹っ!起きろっ!起きろ!」ペチペチ

妹「ひいぃ……ひいぃ……えっ……?」パチッ

兄「どうしたんだ、妹?随分、うなされてたぞ?」

妹「えっ……えっ……?」

妹「お兄ちゃんっ……!」

兄「おっ、おっ……どうした妹よ……」

妹「お兄ちゃんのお友達に、河童いないよね!?」

兄「……えっ?」

妹「お兄ちゃん、河童と友達なんかじゃないよね!?河童はうちにお風呂に入りに来ないよねぇ!?」ボロボロ

兄「……何を言ってるんだ妹よ」

妹「うぅ……」グスッ


兄「お兄ちゃんは、童貞引きオタニートだ。友達なんていない」


妹「あっ、そっか」


おわり

えっ

早っ! 乙"

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