最弱男「普通に不合格だった」 (37)

○○魔導学校 入学試験結果 氏名 最弱男

学力試験(平均65、最高100) 52/100

魔導試験(平均62、最高100)  0/100

実技試験(平均58、最高98) 98/100

合計(平均185、最高293) 150/300

合否判定 否

最弱男「どうしよう……」

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優秀妹「これは不公平です!実技では最高点を取っているお兄様がこんな!」

最弱男「いや、俺も最初は抗議したんだけどさ」

優秀妹「ええ!?まさか抗議した上でお兄様の素晴らしさが分からなかったのですか!?」

最弱男「それがさ」

~~~~~~~~~~

教諭『確かに、実技試験が素晴らしい事は認めますけどー』

教諭『そもそもこの学校に入学してる以上、実技だけじゃなく』

教諭『魔導も学力も必要なのですからー』

教諭『せめて学力試験は平均越えてたらワンチャンスあったかもですねー』

教諭『以上です』

最弱男「」

~~~~~~~~~~

最弱男「というわけだ。何も言い返せなかった」

優秀妹「そんな……今直ぐにでも抗議します!お兄様を入学させる為に合格者の一人や二人……!」

最弱男「待て、これは俺が悪かった……もっと勉強に集中していれば……」

優秀妹(はっ!?来年お兄様が合格したら私と同学年に!?)

優秀妹「お兄様、一浪して頑張りませんか!」

最弱男「えっ?」

TV『ここでニュースです、すごいお姫様が○○学校に本日より入学する事が……』

最弱男(妹の眩しい笑顔に流されるまま、俺は一浪して勉強を再会する事にした)

最弱男(考えてみれば、これで合格したら妹と同学年…狙ってたのかもしれない)

最弱男(基本適当だった勉強にも身が入り、鍛錬も欠かさず続ける)

最弱男(途中すごいお姫様が誘拐されたり、どっかですごい事故があったりもしたが)

最弱男(そんな事も気にせず、俺達は勉強を続けた)

最弱男「見てくれ妹!模試で80点越えたぞ!」

優秀妹「素晴らしいですわお兄様!秋でこれなら十分です!」

最弱男「よし、これなら行けるな!」

優秀妹「勿論ですわ!」

最弱男(そして冬。学校の合宿用施設が爆破されたとかで試験が遅れたりもしたが)

最弱男(いよいよ…リベンジの時だ!)

○○魔導学校 入学試験結果 氏名 優秀妹

学力試験(平均37、最高50) 47/50

魔導試験(平均76、最高125) 120/125

実技試験(平均67、最高121) 101/125

合計(平均180、最高284) 263/300

合否判定 合


○○魔導学校 入学試験結果 氏名 最弱男

学力試験(平均37、最高100) 37/50

魔導試験(平均76、最高125)  0/125

実技試験(平均67、最高121) 125/125

合計(平均180、最高284) 162/300

合否判定 否

教諭『最近物騒になってきてるのでー、学力より実力重視でした』

教諭『実技は相変わらず凄いんですけどー』

教諭『即戦力が必要な以上バランスが大事ですねー』

教諭『以上です』

最弱男「」

優秀妹「」

最弱男「じゃあな、寮生活頑張れよ」

優秀妹「ま、待って下さい!平均は!平均を取ったのです!」

最弱男「二度目の挑戦で駄目だったんだ……もうこれからバイトでもして過ごすわ」

優秀妹「お兄様のいくじなし!」

最弱男「!」

優秀妹「ひたすらに努力し続けてきたお兄様がこうも報われぬ等…私には許せないのです!」

最弱男(そうだった……俺はあの日誓ったんだ)

最弱男(また妹を泣かせてしまうなんて……俺は、俺自身が許せない!)

最弱男「……もう一年、待ってくれるか?」

優秀妹「……!勿論ですわお兄様!(しゃあああ!お兄様後輩来たああああああ!)」

最弱男(そして、俺の孤独な挑戦が始まった……)

TV『ここでニュースです、すごいお姫様の妹が○○魔導学校に留学する事となり……』

最弱男(妹が居なくなった家は、予想よりずっと広く感じた)

最弱男(時々の連絡は、本当に楽しく学校生活を送っているのがわかった)

最弱男(お姫様の妹が誘拐されたり、学校の合宿用の施設が外国からのテロリストに襲撃されたりもして)

最弱男(優秀な生徒の半分が殺されたらしいが、妹は巻き込まれてなかった、良かった)

最弱男「秋の模試で50点満点中46点……」

最弱男「……いけるぞ」

最弱男(次第にぴりぴりしてるのが分かる、この国そのものが)

最弱男(それでも俺は…合格するのが一番なんだ)

最弱男(これが三度目の正直だ!)

○○魔導学校 入学試験結果 氏名 最弱男

学力試験(平均42、最高50) 47/50

実技試験(平均161、最高212) 50/250

合計(最高252) 97/300

合否判定 否

教諭『こんなご時勢ですので学力は甘めに作りましたがー』

教諭『魔導を使うべき所では魔導を使って下さい』

教諭『以上です』

最弱男「」

優秀妹『……そうですか……気にしないで下さい、お兄様』

優秀妹『今現在この私も、いっぱいいっぱいですから』

優秀妹『むしろ、こんな危険な事にお兄様が巻き込まれなくて良かった……』

最弱男「……妹?今お前は何処に……」

優秀妹『ご心配なく』

優秀妹『私は、かならず戻ってきますから……』

最弱男(その年は、勉強する余裕も無かった)

最弱男(戦争が始まってしまった以上、無理もない)

最弱男(たまに妹から手紙が届いたが、写真は届かない)

最弱男(どっかの敵国内で大爆発が起こったらしいが)

最弱男(噂話に過ぎないが、魔導学校の生徒達が活躍してるらしい)

最弱男(いや、活躍というよりは、凌いでいるって方が正しいとか)

最弱男「妹……」

最弱男(いや、そんな考えはよそう)

最弱男(とりあえず今は、バイトを探さないと……)

>>12

教諭「時勢に従って魔導試験と実技試験が統合される事になりましたー」

教諭「入学生に求められるのが即戦力として使える者になったんですよー」







店長「君、魔導使えないの?」

最弱男「はあ、まあ……というか魔力が無いんですけど……」

店長「うん、残念だけど無理だね」

最弱男「えっ……」

店長「ウチ、バイトでも社員章に魔力認証システム使ってるからねぇ」

店長「ちょっと認識されないってのは…こう、厳しいね」

店長「頑張ってね、お疲れ様」

最弱男「…………」

最弱男(それから二年後、この国は戦争に負けた)

最弱男(優秀な人材も領土も持ってかれた。俺?だめだったよ)

最弱男(何でも魔導を使えないからって、一般人扱いだ)

最弱男(豪華な食事は難しくなったかな)

最弱男(でも、それだけだ、今の所は)

TV『ここでニュースです、偉大なるこの国を転覆せんとする○○魔導学園の残党が……』

最弱男「……はあ」

最弱男(もしかしたら)

最弱男(本当にもしかしたらの話だが、俺があの時学校に合格してたなら)

最弱男(こんな風には、ならなかったかもしれないって)

最弱男(すごいお姫様の誘拐、施設襲撃、戦争…)

最弱男(……ないない、そんな事絶対無い)

最弱男(だって俺は最弱だから)

最弱男「……最弱じゃないなら、合格してるしなあ……」

最弱男「……はあ」

おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年06月15日 (水) 17:06:11   ID: YDxKWWWU

は? 死ね

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