ヒトカゲ「カゲ!」男「……は?」 (12)


男「……」

ヒトカゲ「カゲェ♪」トテトテ

男「……」スタスタスタ

ヒトカゲ「カ、カゲ?カゲェ!!」タタタタ

男「……」スタスタスタ

ヒトカゲ「カゲカゲー!カ───」ドテッ

男「……」スタスタスタ

ヒトカゲ「……カ、ゲ……カゲーーー!!」ビエーーン

男「」ピタッ


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男「……ただいま」ガチャ

妹「おー、おにーちゃんおかえ、り………」

ヒトカゲ「……」ギュウッ

男「……」靴ヌギヌギ

妹「……お兄ちゃん。その頭にしがみついている生き物は?」

男「……ヒトカゲのヒノマルだ。今日から家で飼う」スタッ

妹「……聞きたいことが一気に溢れすぎて、なにから聞けばいいのか……とりあえず、ヒトカゲってなに?」

男「何ってお前……ポケモン知らないのか?」

妹「知ってるよ、ゲームでしょ?さっきゲンシグラードン捕まえたよ」

男「ならわかるだろ?そのポケモンに出てくるヒトカゲだよ」

妹「そうじゃなくってぇ!なんで現実にヒトカゲがいるのかって聞いてんのよぉ!?」

男「俺だって知らん。道歩いてたらいたんだ。そんで、なんか懐かれた。ウチで飼う。OK?」

妹「OKなわけあるか!」




男「いや、落ち着け妹よ。俺だって混乱してるんだぜ?だってコンビニから帰る途中に、尻尾の燃えているオレンジ色のそこそこでかいトカゲもどきみたいな生物がいるんだから」

妹「字面でみると中々クレイジーな状況ね……」

男「いやー、不安になったよ。もしかしたら俺がおかしくなったのかと思ったけど、頭に乗せてたらみんな不審な目で見てたから、皆にも見えてるんだって安心した」

妹「いや、充分頭のおかしい光景ではあるけどね」

男「とにかく、こいつ腹減ってるみたいだから、なんか食わせてやりたいんだよ」

妹「ヒトカゲって何食べるのよ……」

男「トカゲだから……ミミズとか?」

妹「うげっ……っていうかそんなのうちにあるわけ無いじゃん」

男「だよなー……仕方ない、生肉を食わせてみるか」

妹「なんか、食べて欲しいような、欲しくないような……」



ヒノマル(ヒトカゲ)「カゲー♪」モソモソ

男「俺の夜食……」

妹「結局食べれたの魚肉ソーセージだけだったね」

男「まぁ、餌がこれだけで住むならありがたいな」

妹「ヒノマルー、美味しい?」

ヒノマル「カゲカゲー!」

妹「……なんかさ、ポケモンってリアルに見るとそんな可愛くないっていうか………」

男「そりゃそうだろ?ピンク色の髪の女の子はアニメだと可愛いけど、現実でいたらかなり痛々しい、みたいなもんだ」



妹「……っていうか飼うって、寝る時どうすんの?」

男「あ?そんなもんお前一緒の布団に……」

ヒノマル「カゲ?」キョトン

シッポ『』メラメラ

男「……どうしよう?」


──────


「いやぁ!来ないでぇ!!」

??「……つるのむち」

ウネウネ

ガシィッ

「ひっ……!!」

ビリビリビリ

「い、いゃぁぁ!だ、誰か助けっ───もごぉっ!?」

ウネウネウネウネ

「むぐっ……いゃぁ……!」

??「くく……さぁて、お楽しみの時間だ……」ペロリ






男「いやー、尻尾の火って燃え移らないんだなー。よかったよかった」モグモグ

ヒノマル「かげー♪」モソモソ

ニュース『───昨晩、女性が何者かに暴行を受けました。女性は「大量の触手を操る化け物に襲われた」と供述しており……』

妹「触手の化け物だってー。なんかエロ同人誌みたいだねー?」

男「朝飯中にそういうことを言うんじゃありません」モグモグ



妹「それじゃ、行ってきまーす!」

男「あーい……さて、俺もそろそろ…あっ」チラッ

ヒノマル「カゲ?」キョトン

男「……ヒノマル、俺はちょっと出かけてくるけど、留守番できるか?」

ヒノマル「カゲッ!」ビシィッ

男「おー、そーか偉いなー。今日は高級な魚肉ソーセージを買ってきてやろう」ナデナデ

ヒノマル「かげー♪」




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