海未「UTX学院に山頂アタックです!」 (26)

穂乃果「急にどうしたの海未ちゃん?」

海未「そのままの意味です」

ことり「屋上にいきたいのかな、なら手続きして中に…」

海未「いえ、よじ登ります」

ことり「ええ!?壁をよじ登るってこと!?」

穂乃果「何言ってるのさ海未ちゃん、気は確かなの!?」


海未「――何故山に登るのか、そこに山があるからだと人は言いました」

穂乃果(なんか急に語りだした…)

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海未「私は常々『山頂アタックです!』と言いながらも、その実、山の景色、風情、情感に心を奪われ…」

海未「いつしか挑むという姿勢を忘れて、ただの物見遊山気分で登山を続けていました」


ことり(凛ちゃんから死ぬ目にあったって聞いたけど…)


海未「ですが!それではダメなのです!登山は戦い!山頂アタックとは頂上に挑み、山に、そして己に克つこと!!」

海未「そしてその山はすぐ近くにある!!スクールアイドルの頂上に立つA-RISE…」

海未「彼女らの居城UTX学院…それこそが、今私が挑むべき大きな山…!!」

海未「まさに頂点をかけた…山頂アタックです!!!」クワッ



穂乃果(海未ちゃんどうしちゃったの?頭おかしくなっちゃったの…?)ヒソヒソ

ことり(作詞が難航して壊れちゃったんだよ、弓道に生徒会に勉強にも真面目だから…)ヒソヒソ

海未「では行ってきます」

穂乃果「まってまってよ!?こんなビルよじ登るなんて絶対無理だってば!!」

ことり「全面ガラス張りで取っ掛かりもほとんどないよ?どうやって登る気なの?」

海未「これで十分です」スッ

穂乃果「ええっ、滑り止め付き軍手に安全靴!?だから無理だって!!垂直なんだよ!?」

海未「問題ありません」ピトッ ヨジヨジ…

ことり「えええ!?ほんとによじ登ってる…どうなってるの…?」

海未「敵を知り己を知らば百戦危うからず…この山(ビル)の構造、材質を把握していればどうということはありません」ヨジヨジ

穂乃果「絶対そういう問題じゃないよ…海未ちゃんがとうとう人間辞めちゃった…」グスン

海未「では、行ってきます!」キリッ ヨジヨジ

ことり「うわぁ…かつて無いほど生き生きした顔だよ、もう誰にも止められないよぉ…」

海未「」ヨジヨジ…





穂乃果「すごい…もう5階辺りまでいってる」

ことり「スパイダーマンみたい」

穂乃果「というか警備員とかはなにしてるのかな?」

ことり「わかんないけど…仮に来ても絶対やめないだろうね」

穂乃果「ヘタしたらμ’s解散なんだけど……あれ?」

ことり「どうしたの穂乃果ちゃん?」

穂乃果「あの6階にいるのって…」





英玲奈「」





ことり「あ、英玲奈さんだね。窓際に立ってるけど…」


穂乃果「窓に手をかけたよ。見かねてあそこから海未ちゃんを入れてくれるのかな?」

英玲奈「」




バンッ! スゥ… バンッ! スゥ…




穂乃果「めっちゃ勢いよく窓開け閉めしてるぅうううう!?」

ことり「これ完全に海未ちゃん狙いだね!!勢いよく開けて振り落とそうって腹だよね!?」




英玲奈「あー今日もいい天気だなー」バンッ! スゥ… バンッ! スゥ…




穂乃果「し、白々しいっ!これ『まさか人が張り付いてるとは知らなかった』パターンだよぉ!!!」

ことり「でも客観的に見て明らかに海未ちゃんのがおかしいからとっても合理的!!!」




海未「くっ」




穂乃果「うみちゃぁーーん、もうやめようよーーー!!こんなの誰も得しないよぉおおお!!!」

ことり「でも海未ちゃん、障害があるほど燃えるから…」

穂乃果「その情熱を作詞に向けようよ海未ちゃぁあああんん!?」

スゥ…




海未「」ソー…




バンッ!




海未「はっ」ガシッ




ことり「ああっ、フェイント!!上手いこと手を伸ばし誘い出したところで窓に手をかけたっ!!!」

穂乃果「あくまでも冷静!!でもビルよじ登ってる時点で正気の沙汰じゃないのにぃ!!!」




英玲奈「くっ…」グイッグイッ


海未「…」ガッシリ ヨジ…ヨジ…

ことり「一気に英玲奈さんの前まで登った!!」

穂乃果「海未ちゃんもういいよ!!そのまま中に…」




海未「ふんっ!!!」バキィッ!!




穂乃果「殴ったぁああああ!!??顔面を殴り飛ばしちゃったよぉおお!!??」

ことり「ンミチャアなにしてんのぉおおお!!!!」」




英玲奈「」グッタリ


海未「」ヨジヨジ…




穂乃果「何事も無いようにまた登り始めた……もうめちゃくちゃだよぉ…」

ことり「山頂アタックを邪魔する者には容赦ないんだね…」

穂乃果「今はもう海未ちゃんがμ’s最大の障害だよ…」

海未「」ヨジヨジ…




穂乃果「もう13階までいっちゃったね」

ことり「22階建てだからもう半分いったんだね」

穂乃果「ほんと凄いよ海未ちゃん…凄すぎて今後の付き合いを考えるレベルだよ…」

ことり「せ、せめて私たちは友達でいようよぉ」

穂乃果「そんなこと言ったって……ってああ!!」




あんじゅ「」




穂乃果「今度は15階にあんじゅさんがっ!?」

ことり「も、もしかしてまた振り落とすんじゃ…」

穂乃果「いやいくらなんでも15階から落ちたら死んじゃうよぉ!?」

ことり「6階でも死ぬと思うけど…」

あんじゅ「」カチャ…




穂乃果「あれ、普通に開けてくれた…も、もしかして今度こそ普通に入れてくれるの!?」

ことり「ああ、よかった…!なんで英玲奈さんがあんなことしたかわかんないけど、あんじゅさんは違うんだね!!」

穂乃果「あんじゅさんマジ天使だよぉ」ウルウル

ことり「あんじゅだけにね!」チュンチュン




あんじゅ「」ズルズル…




ことり「…あれ、窓際になんか持ってきたよ?」

穂乃果「何あれ…、ポリタンク?あと…」




あんじゅ「」シュポシュポ ビチャァァ…




穂乃果「なんかシュポシュポするやつで液体まき散らしてるぅうううう!!??」

ことり「明らかに海未ちゃん狙い!!すべり落とす気だよぉ!?マジ堕天使!!!」

あんじゅ「ピカピカにしなくっちゃ♪」シュポシュポ ビチャビチャ



穂乃果「またしても白々しいっ!!『窓掃除してただけです』パターン突入だよぉ!!」

ことり「汚れを油で落とすなんてどっかで聞きかじった知識で乗り切るつもりだね、マジ策士!!」




英玲奈「オ…オゴっ……おごごっ……!?」ビチャビチャ ガクガク




穂乃果「うわあああ窓際でノビてる英玲奈さんにもダメージが!?」

ことり「やめてあげてっ、海未ちゃんと一緒に大切なメンバーも死んじゃうよぉ!?」




海未「くっ」ズズ…




ことり「もうだめだ、このままじゃ滑り落ちちゃう…」

穂ん果「うみちゃぁーーんん!もうごめんなさいして入れてもらいなよぉおお!!」

海未「…ふんっふんっ」グワングワングワン




穂乃果「海未ちゃん!?突然ヘッドバンキングしてどうしちゃったの!?いよいよ本格的に気が狂っちゃったの!?」

ことり「ああそんな………ってあれ、ちょっとまって!これは…」




ビタンッ ジュ… ビタンッ ジュゥ…




ことり「振り乱した髪で油を吸い取ってる!!!」

穂乃果「うそぉ!?」




あんじゅ「くっ…」シュポシュポ ビチャビチャ


海未「ふんっふんっふんっ」グワン ジュゥ…




穂乃果「ほ、ほんとだ……海未ちゃんの髪どうなってんのさ…?」

ことり「体質からすでに人間辞めちゃってたんだね…」

シュポ… スカッスカッ




あんじゅ「あ、あら…?」スカッスカッ




穂乃果「ああっ、あんじゅさんの油攻めが止まった!?」

ことり「シュポシュポにありがちなどこかから空気が抜けてうまく吸い込めない現象だね!」




海未「」ヨジ…ヨジ…


あんじゅ「…っ」グイグイ…




ことり「ポリタンクから直接流し込む気だよ!」

穂乃果「英玲奈さんごと道連れに一片の迷い無し!!もうだめだぁ!?」




あんじゅ「う~ん、う~ん…っ」プルプル




穂乃果「あ、でも重くて持ち上がらないみたい、マジ非力!可愛い!!」

ことり「そうこうしてる内に海未ちゃんが…」

海未「」ガシッ


あんじゅ「ひっ」


海未「」ニッコリ




海未「ふんっ!!!」バキィ!!




穂乃果「殴ったぁあああ!?」

ことり「もう手馴れたもんだね…」(呆れ)




あんじゅ「」グッタリ


海未「」ヨジヨジ




穂乃果「ああ、海未ちゃんが遠くに行っちゃう…色んな意味で」

ことり「もう学校で顔を会わすこともないかもね…」(遠い目)

穂乃果「はは……もうこうなったらやけくそだよ、最後まで海未ちゃんを見届けよう…」

海未「」ヨジヨジ




穂乃果「もうすぐ屋上だね」

ことり「なんだかんだで凄いことに変わりは無いし、私実はけっこうドキドキしてるんだぁ」

穂乃果「…穂乃果もだよ、まさに言葉通りのスーパー幼馴染だね」

ことり「ンミチャぁあああああと一息だよぉおおおおお!!!」

穂乃果「がんばれえええええあと面会には必ず行くからねぇえええ!!!」




海未「む」ヨジ…



ツバサ「」デェェェェン





穂乃果「ああっ、屋上のふちにツバサさん!!」

ことり「やっぱり邪魔しにきたの!?」

ツバサ「」ニコッ




穂乃果「…あれ、なんだか優しい笑顔」

ことり「もうイジワルしないのかな?」




海未「」ガシッ


ツバサ「」ニコニコ スッ…




穂乃果「ふちに手をかけた海未ちゃんに手を差し伸べたよ、これって…!」

ことり「ここまでの健闘を讃えて迎えにきてくれたんじゃないかな?」

穂乃果「さすがA-RISEのリーダーツバサさん!格が違うや!」

ことり「というより今更すぎるけどなんで今まで邪魔してきたんだろう…?」




ツバサ「」ニヤニヤ スゥ…


海未「!?」

穂乃果「あれ、海未ちゃんの様子おかしくない?」

ことり「でも遠くてよく見えないよ…」

穂乃果「そうだ、スマホのカメラを拡大して見てみよう!」スマホポチポチ

ことり「穂乃果ちゃんあったまいー!」

穂乃果「へへ、この機転がどうして海未ちゃん止めるときに生かせなかったのか不思議でしかたないけどまあいいや!」

穂乃果「さてさて、どんな感動の瞬間が…」




ツバサ「」ニヤニヤ クイッ


海未「くっぅぅ…」プルプル…




穂乃果「ってふちにかけた指を一本一本外しにいってるぅうううう!!!???」

ことり「あわわ……これあかん、完全にサイコパスの行動ちゅん……っ」ガクブル

穂乃果「ニヤニヤしながらやる辺りもう常軌を逸してるよぉ…結局A-RISEも変人の集まりだったよぉ…」ガクブル

ツバサ「」ニヤァ クイクイ


海未「ぅぅぅぅ…」プラーンプラーン




ことり「もう左手小指しか残されてないよぉ…っ」

穂乃果「小指で踏ん張れる辺り海未ちゃんも狂人だけど今は些細な問題!!このままじゃ…」

ことり「負けないでうみちゃぁあああああんん!!!」

穂乃果「ファイトだよ海未ちゃぁああああああん!!!」




ツバサ「」スー…


海未「…ふんっ」グワンッ


ツバサ「!?」サッ




穂乃果「あ、ヘドバンして髪で攻撃をっ!?」

ことり「でも届いてないよぅ!!」

穂乃果「いや、これはまさか…!」

ビチャッ




ツバサ「うあぁぁぁぁ目がぁあああああ!!??」




穂乃果「髪に残ってた油を飛び散らした!?」

ことり「上手い!!油断を誘っての目つぶし攻撃!!!」

穂乃果「油だけにね!!」




海未「はっ」グイッ ストン




穂乃果「やったぁ!!その隙に屋上に上りきったよ!!!」

ことり「凄い凄い!!やったね海未ちゃぁん!!!」

ツバサ「くっ…さすがね海未さん」ヨロヨロ


海未「…」


ツバサ「私たちの妨害をかわし、あなたは頂上に着いた。見事だわ」


海未「私ひとりの力ではありませんよ」


ツバサ「ふふ、そっか。あなた達の絆、まさに本物ね」


ツバサ「私たちの負けよ、あなたは正真正銘この頂点を…




海未「ふんっ!!!」バキィ!!




穂乃果「あーやっぱりやっちゃうかー」(達観)

ことり「もう二度も三度も同じことだよ」(麻痺)

海未「私はやりました!山頂アタック成功です!!!」ガッツポーズ




穂乃果「やったね海未ちゃん!!もうわかったからはやく逃げてぇええええっ!!!」

ことり「感動をありがとう!!黄昏てないではやくそこから逃げてぇえええっ!!!」」






海未「2人とも、しっかり見届けてくれたのですね…」シミジミ

海未「ふふ、あなた方の応援無しには到底不可能でしたよ」

海未「そしてライバルであるあなた方の行動も、私に発破をかけてくれました」チラッ




ツバサ「…ふっ、効いたわ」グッタリ

海未「ありがとう、A-RISE。ありがとう、私の、最高の幼馴染」

海未「この調子で、ラブライブも私たちが頂点に…








警備員「あー君、もういいかな」


海未「あっ」







穂乃果「あっ」

ことり「あっ」

海未は逮捕されかけたが



レクリエーションの一環だとツバサに説明され、事なきを得た



その後、誰かが撮っていたビル登り動画がネットにアップされるや



その勇ましい姿に人気は爆発



女子高生を中心に空前の登ビルブームが幕を開けた…!






海未「さあ、次はクライスラービルに山頂アタックです!!!」クワッ

ツバサ「あら、じゃあ私たちはエンパイアステートビルを上りきって頂点に返り咲くわ」クスクス



10人「もうやめてぇえええええええ!!!!!!」

おわり

ごめんなさい>>10の最後は穂乃果です

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