春香「あの、プロデューサーさん」 (98)

初投稿です(大嘘)

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春香「えーっと…ここかな」

ピンポーン

春香「…………」ソワソワ

カチッ

『山』

春香「へ?」

『山と言えば?』

春香「か、川?」

ガチャ

P「よし、入れ」

春香「なんですかこの流れ」

P「いや、やりたかっただけ」

春香「は、はぁ…」

P「ほら、寒いから早く入ってくれ」

春香「あ、はい」

バタン

P「靴は適当に脱いでおいてくれ」

春香「は、はい…」

春香(適当にって言われても…これだけ綺麗だと適当に出来ないんだけど…)

P「おーい、まだかー」

春香「あ、今行きます!」

パタパタ

春香「おおー…ここがプロデューサーさんのお部屋…」

P「なんだ?気になるものでもあるか?」

春香「いえ、結構お洒落な雰囲気だなーと…」

P「そうか?」

春香「はい、大人って感じがします」

P「ふーん…やっぱりみんなそう思ってるのか…」

春香「…んっ?ちょっと待ってください?」

P「なんだ」

春香「みんなって、誰のことですか?」

P「ん?美希とか、亜美真美とか…」

春香「えっ!?私が一番乗りじゃなかったんですか!?」

P「おう」

春香「がーん…なんだかショックかも…」

P「なんだっていいだろそんなこと、それより教えてくれよ」

春香「ああ、はい。じゃあちょっと荷物置かせてくださいね」

P「おう」

パタパタ

ドサドサ

P「……ずいぶん大荷物だな」

春香「えへへ、まあ着替えとか色々持ってきましたから」

P「は?着替え?」

春香「え?お泊りじゃないんですか?」

P「え?」

春香「え?」

P「ちょっと待て、本気で泊まるのか?」

春香「…えっ、私お母さんにお泊りしてくるって言っちゃったんですけど…」

P「そうか……なら何も言うまい…」

春香「あのー、ご迷惑でしたらこの話はなかったことに…」

P「いや、いい。気にするな」

春香「でも…」

P「迷惑じゃないから大丈夫だ、プロデューサーに不可能はない」

春香「そ、そうですか…」

P「しかしあれだ、食材とか何も用意してないから困ったな」

春香「あっ、いえいえ!お構いなく…」

P「そんなこと言ったって食わなきゃ辛いだろ。夕方あたりに買い物行くぞ」

春香「ん…はい」

P「さてと…もう準備は出来たか?」

春香「はいっ、バッチリです!」

P「よし、なら台所向かうぞ」

春香「はーい」

パタパタ

春香「しかし珍しいですね」

P「何がだ?」

春香「プロデューサーさんがお菓子作り教えてくれだなんて」

P「そうか?」

春香「いえ、男の人ってあんまりそういうの好きじゃないのかなーってイメージがですね」

P「まあ…確かに」

春香「誰かに作ってあげたりするんですか?」

P「そんなところだ」

春香「へぇー…もしかして、大切な人だったり…」

P「そうだな」

春香「むっ…言い切りますね」

P「日頃世話になってる人だからな、そのお礼がしたいんだ」

春香(日頃お世話になってる人…?社長かな…?)

P「さあ、やるぞ」

春香「あ、ちょっと待ってください」ゴソゴソ

P「?」

春香「じゃーん♪」

P「…なんだそれ」

春香「エプロンですよ!エプロン!」

P「…その柄は?」

春香「猫の足あとです!お揃いですよ!ほら!」ムフー

P「……………」

キュッ

春香「意外と似合う…」

P「よし、やるぞ」

春香「あ、はい。えっと、お菓子作りですよね」

P「ああ」

春香「なら最初から難しいことするのもアレですし…クッキーから始めましょうか」

P「それ、お前が得意なだけじゃないのか?」

春香「えへへ、バレました?」

P「まあ、教えてもらう側だから文句は言わないけど…それで、まずは何をすればいいんだ?」

春香「はい、ここに室温に戻したバターがあります」

P「こんなにあるのか」

春香「お菓子とカロリーは…避けて通れない道なので…で、これを泡立て器で混ぜます」

P「こうか」カチャカチャ

春香「……はい、ちょっと手を止めてください」

P「?」

ザーッ

春香「こうやって、何回か砂糖を分けて入れる必要があるんですよ」

P「へえ…これまたすごい量だな」

春香「お菓子は…砂糖が不可欠ですから…」

P「そんなに気にすることか?」

春香「むっ、プロデューサーさんは乙女心が分かってないですね」

P「そりゃそうだろ、男なんだし」

春香「むむむ…言い返せない…」

P「こんなもんか?」

春香「そうですね、じゃあ次は卵黄を入れましょう」

P「わかった」

パキッ

ボト

春香「わあ、片手で割れるんですね」

P「割れないのか?」

春香「はい、私、手が小さいので」

P「どれどれ」スッ

ギュ

春香「ファッ!?」

P「あー…確かにな」

春香「あ、あの、プロデューサーさん」

P「ん?」

春香「その、いきなりこういうことをされるとびっくりしちゃうと言いますか…」

P「ああ、悪い。そうだな、春香も女の子だもんな」

春香「なんですかその今まで女と思ってなかったみたいな発言」

P「で?次は何をすればいい?」

春香「ああ、えっと…バニラオイルを数滴入れます」

ポトッ

P「こんなに少なくていいのか?」

春香「はい、多少味と風味を付ける程度なので」

P「ふーん…こんなものでも、一つ足りないと味が変わるもんなのかねえ…」

春香「そうですね、やっぱり結構変わりますよ」

P「…思ったよりお菓子を美味しく作るのって面倒なんだな」

春香「あはは…まあ、趣味でやってることなので」

P「………もう昼前か」

春香「え?あ、ほんとだ」

P「お前が来たのが11時ぐらいだったか。そろそろ昼飯も作らないとな」

春香「クッキーはどうします?」

P「昼飯と一緒に食べりゃいいだろ。プロデューサー特製ランチ、同時上映☆春香クッキーだ」

春香「うわっ、すごい微妙なネーミングセンス」

P「昼飯何がいい?何もないから適当にあるもので炒飯でも作るか」

春香(すごいスルースキル…)

春香「というかプロデューサーさん、料理出来るんですね」

P「まあそうじゃなきゃ一人暮らしなんて出来ないからな」

春香「結構自分で作ったりしてるんですか?」

P「そうだな、基本毎日作ってるけど面倒な時とか疲れた時はコンビニで買うか何も食わずに寝てる」

春香「朝昼晩?」

P「ああ。俺がいつも弁当持ってきてるの知ってるだろ?」

春香「あ、あれプロデューサーさんが作ってたんですか」

P「誰が作ってると思ってたんだ?」

春香「お母さん」

P「お前俺をどんな奴と思ってんだ」

春香「そっか…朝昼晩全部……はっ」

P「?」

春香「プロデューサーさん!もし私と結婚したら、プロデューサーさんは家で家事をしてていいですよ!私が稼いでくるので!」

P「やだよ」

春香「なんで!?」

P「そもそもお前と結婚するのが嫌だ」

春香「はぁ!?JKですよJK!?花のJKですよ!!」

P「そのJKと結婚したら俺が社会的に死ぬだろ」

春香「私が二十歳になってからでいいですから!」

P「その時俺もういくつだよ…おっさんじゃねえか」

春香「ならいつ結婚してくれるんですか!!」

P「しないと言っている」

P「さて、先の話より今やることをやろうか」

春香「上手く話題を逸らして……はい、次は小麦粉をふるいにかけまーす」ドザッ

P「ゆっくりでいいのか?」トントン

春香「はい、これを入れたらヘラで混ぜます」

P「結構手間がかかるな…」

春香「もう少しで終わりますから、頑張りましょう!」

P「…そうだな」

P「出来たぞ」

春香「ではこれをラップに乗せて……」

P「これぐらいか」ストン

春香「はい、丸めて冷蔵庫に入れましょう」

P「おう」ガチャ

春香「………ん?」

P「なんだ?」バタン

春香「プロデューサーさんの冷蔵庫……ジュースばっかりじゃないですか」

P「ああ、美味しいからな」

春香「そ、そうですね…」

P「? それがどうかしたのか?」

春香「あ、いえ、なんでもないです」

春香(意外と子供っぽいところがあるんだよねえ…)

P「あとは冷えるまで待つのか」

春香「そうですね、しばらく」

P「…………」

春香「……あ、あの」

P「ん?」

春香「さっき、自炊してるって言ってましたよね」

P「ああ」

春香「そのぉ…他に、作ってくれる人とかいないんですか?」

P「彼女がいるかってことか?」

春香「は、はい」

P「それならいない、今は仕事が恋人だからな」

春香「そ、そうですか…へぇ〜…」

P「そもそもこんな性格の奴気に入る人間なんていねーよ」

春香「そこまで卑下しなくても……わ、私は好きですよ?プロデューサーさんのこと」チラッ

P「うん」

春香「……………」

P「……………」

春香「……………」

P「……………」

春香「……………あれっ?」

P「どうした?」

春香「え?ちゃんと意味伝わってますよね?」

P「おう」

春香「こう、友人とか親友とかじゃなくて恋愛的に好きだって意味で言ったんですよ?」

P「おう」

春香「え?リアクション薄すぎじゃないですか?」

P「いや、だってお前のこと恋愛対象として見てないし」

春香「はぁ!?なんで!?」

P「さっきも言っただろ、年下には興味ねえの」

春香「据え膳食わぬは男の恥って言うじゃないですか!プロデューサーさんのいくじなし!バカ!アホ!ゴミ!クズ!カス!」

P「社長に言ってクビにしてもらうぞ」

春香「すみませんでした」

春香「はぁ…なら無駄なあがきだったってことですね…」

P「そういうことだな」

春香「………なんか、すごい喪失感」ズーン

P「…そんなに落ち込まれると申し訳ないんだが」

春香「ならお付き合いしてくださいよ…」

P「…あのなぁ、お前はアイドルなんだから」

春香「そんなこと分かってますよぅ……だから、私が引退するまで待っててほしいんです…」

P「……その時までに他の人を好きになってるかもしれないぞ」

春香「はい」

P「それでもいいのか?」

春香「はい」

P「はぁ……わかった、努力するよ」

春香「やったー!!」

P「現金なやつだな…」

P「もうそろそろいいんじゃないのか?」

春香「そうですね。冷蔵庫開けますよ」

P「あ、もう昼飯も一緒に作るからクッキーは一人でやっておいてくれ。手順はメモしてていいから」

春香「はーい、とは言っても型とって焼くだけなんですけどね」

P「オーブンこれな」

春香「はい」

バタン

P「よし……適当に作るか…」

春香「期待してますね」

P「程々にな」

パタパタ

春香「生地はオーブンに入れたし、ご飯作るから向こうで待ってろって言われたけど……」

春香「………やることがないなあ」

春香「……お?これは……」

バサッ

春香「プロデューサーさんが普段使ってる背広…!」

ボフッ

春香「うひへへへ……プロデューサーさんの匂いだぁ…」スンスン

P「春香、でき………」

春香「あ」

P「……………」

春香「……………」

ピッ

P「もしもし、警察ですか?あのすいません、自分の部屋に変態アイドルが入り込んでるんですけど」

春香「わあああああ!??ストップ!!ストッププロデューサーさああああん!!」

P「冗談だよ、さすがに警察なんて出たらめんどくさいからな」

春香「で、ですよね…ハハ…」

P「でもあの変態行為はどうかと思うぞ」

春香「はい…ごめんなさい…」

P「俺はいいけど、あんまり人前でやるなよ。どんな目で見られるか分からんからな」

春香「え?は、はい」

ジュワッ

P「やべ、焦げる」ダッ

春香「……別に怒ってるわけじゃないんだ…」

P「お待ちどう」

カタッ

春香「おおー…すごい美味しそう…」

P「とりあえずキムチがあったからキムチチャーハンで」

春香「とりあえずって、かなり本格的じゃないですか」

P「まあ、よく小鳥さんに褒められてたからな」

春香「小鳥さんに手料理?」

P「え?あ、ああ、あの人、時々頼んでくるから作ってあげることがあるんだよ」

春香「ふーん……」

P「さあ食おうぜ、冷めるだろ」

春香「はーい」

P「レンゲがないからスプーン。どれがいい?」スッ

春香「えっと……ふ、フクロウので…」

P「よし、なら俺はコウモリのだな」

春香「あの、プロデューサーさん」

P「なんだ?」

春香「前々から思ってたんですけど、プロデューサーさんって結構お茶目なところありますよね」

P「お茶目?俺がか?」

春香「はい」

P「どこが」

春香「そんな動物柄の食器集めたりする人、珍しいと思うんですよ」

P「え…?いや、いるだろ…」

春香「少なくとも私はプロデューサーさんしか知りません」

P「嘘だろ…可愛いのに…」

パク

P「……んー」

春香「……あ、おいしい」

P「ちょっと味が薄いな」

春香「そうですか?十分美味しいですよ」モグモグ

P「いや、キムチの辛味でどうにかなると思ってたんだが…誤算だったな」

春香「こだわりますねえ」

P「ちゃんとお前を満足させたいからな」

春香「…………!」キュン

P「…夜に挽回するか」

春香(この人を好きになってよかった…)

春香「はー美味しかった…」

P「腹膨れたか?」

春香「はい……あ、そうだ。もうクッキーも焼けてますよ」

P「そうか、なら持ってくる」

春香「あ、私も行きます」

パタパタ

P「狭いんだが」

春香「でへへ、二人っきりの空間ですね」

P「…………」スッ

ジュワァ

春香「ああ゛っつ!!」

P「おー、焼けてる焼けてる」

春香「…………」

P「どれ、味のほどは…」スッ

サク

P「………うん、美味い」

春香「ほんとですか?」

P「ああ、やっぱり焼き立ては違うな」

春香「えへへ、私と一緒に住めば毎日焼き立てが食べられますよ?」

P「…………」

春香「なんで無視するんですかー!!」プンスカ

P「ご馳走様でした」

春香「ふぅ…食べたら眠くなってきましたね…」

P「猫かお前は」

春香「ちょっとだけお昼寝してもいいですか?」

P「太るぞ」

春香「お昼はいいんですよお昼は…」ゴロン

P「もう寝る気マンマンじゃねえか」

春香「おやすみなさーい…」

P「うわ、だらしねえな」

P「……本でも読むか…」

春香「……………」

春香(ククク……スカートで来た甲斐があった!)

春香(寝返りをうったフリをして、さりげなくパンツを見せる作戦!)

春香(チラチラ見える私のパンツにプロデューサーさんはムラムラ間違いなし!そして我慢出来なくなったプロデューサーさんは私を押し倒してえええええ!!!)

春香(完璧だ……いける!いけるわ春香!!)

春香「…………んんー」ゴロ

春香(この辺かな…さて、プロデューサーさんの反応は…)チラ

P「…………」ペラッ

春香(ダニィ!?)

P「……………」ペラッ

春香(見向きもしないだとォ!?あ、ただ見えてないだけなんじゃ…よーし)ゴロ

春香(これでどうだ…!)チラッ

P「……………」ペラッ

春香(なん……だと……)

春香(こうなったら最終奥義を使わざるを得ない…)

春香(そぉい!!)

ゴロン

春香(女の意地とプライドを捨てた秘奥義!パンツ丸出しフォーム!)

春香(ふふ…これならさすがに…)チラッ

P「……………」ペラッ

春香「は?」

P「え?」

春香「……………」

P「……………」

春香「プロデューサーさん」

P「お、おう。というか起きてたのか」

春香「ホモなんですか?」

P「は?」

春香「ホモはよくないですよ」

P「え、あ、ああ…お前がそう思うのなら俺は何も言わないが」

春香「プロデューサーさんがホモという話です」

P「は?」

春香「よくないですよ」

P「いや、俺ホモじゃないんだけど」

春香「プロデューサーさんがホモなら私は男になります」

P「何を言ってるんだお前は」

P「というかお前、寝ないならゲームでも付き合ってくれよ。退屈で仕方ないんだよ」

春香「ゲーム?何するんですか?」

P「何がいい?」

春香「ブラッドボーン」

P「渋いなお前」

春香「ガスコイン神父強いですよね」

P「そ、そうだけど…いや、ブラッドボーンは一人用だから何か別のにしてくれ」

春香「じゃあ、無難にマリカで」

P「わかった」カチッ

春香「プロデューサーさんの家、色んなゲーム機がありますね」

P「まあやりたいゲームいっぱいあるからな」

春香「そういえばプロデューサーさんってめちゃくちゃ有給使う人でしたね…」

P「当たり前だろ、使わなきゃもったいない」

春香「その休みにゲームをしていると?」

P「そんなところだな。ほれ、コントローラー」

春香「あ、はい」

〜〜〜

P「うおっ!?誰だこんなところにバナナ置いたの!?」

春香「わたしです」

P「お前かよ!やべえ一位が…」

春香「ヤッヒィイイイイwwwwww」ガツン

P「てめえええええ!!!」

春香「イエエェェェ!!一位ですよ一位!!私が!!いっちいぃーーーーー」ドヤアア

P「クッソムカつく顔しやがって…お前が男だったらボコボコにしてるわ」

春香「おやぁ?負け惜しみですかぁ???ん??」

P「うぜえ…」

春香「それはさておき、どうします?全カップやりましたけど」

P「あー…別のゲーム……ってもうこんな時間か。買い物行くぞ」

春香「えー、もうちょっとやりましょうよ」

P「来ないと飯抜きにするぞ」

春香「行きます行きます!」

P「ほら、後ろ乗れ」

春香「自転車で行くんですか?」

P「嫌か?」

春香「嫌じゃないですけど、二人乗りって禁止されてるんじゃ…」

P「そんなの誰も止めねえよ、クッション敷いてるから痛くないだろ?」

春香「…それもそうですね。よいしょ」ギシ

P「よっと……うわ、重い」

春香「むっ、それ私乗せて言います?」

P「お前最近グルメ番組でよく食ってただろ、その分重くなってるんじゃないか」

春香「あー!またそんなデリカシーのない発言を!!」

P「こら、揺らすな!危ないだろうが!」

春香「プロデューサーさんが悪いんですよ!ほら!」ギュッ グイグイ

P「わかったわかった、謝るから!勘弁してくれ!」

スーパー

P「さて……着いたはいいが、献立を何も考えていなかったな」

春香「んー…鍋とかでいいんじゃないですか?」

P「鍋か…そうだな、最近冷えてきたしそれでいくか」

春香「やったー!塩鍋にしましょう塩鍋!」

P「いや、カレー鍋だろ」

春香「は?」

P「は?」

春香「…………」

P「…………」

春香「塩鍋」

P「カレー鍋」

春香「塩鍋」

P「カレー鍋」

春香「シメのラーメンが美味しいんですよ?」

P「チーズカレーリゾットの方が美味いだろ」

春香「あ、それいいですね。カレー鍋にしましょう」

P「お前…意志が薄弱すぎるだろ…」

春香「実は昨日美希と塩鍋食べたんですよね」

P「ならなんで言ったんだよ」

春香「いえ、美味しかったので」

P「欲望に忠実だな…」

P「じゃあ俺具材買ってくるから、なんか好きなもん持ってきていいぞ」

春香「ほんとですか!?やったー!」パタパタ

P(子供かよ)

P(……さて、肉団子の素材集めるか…)

スッ

P(生姜…)

スッ

P(鶏肉…)

スッ

P(軟骨…)

パタパタ

春香「プロデューサーさーん!これ買ってもいいですかー?」

P「ん、なんだ」

春香「おやつカルパス」

P(おっさんかよ)

P「お前…将来酒で身体壊すなよ」

春香「そういえばプロデューサーさんってお酒飲まないんですか?」

P「弱いからな」

春香「へー…じゃあワインでも買って行きましょうか」

P「人の話聞いてたか?」

春香「プロデューサーさんを酔わせれば既成事実が…」

P「瓶でヒートアクションかますぞ」

春香「ひえぇ…こわ…」

P「さて、買うもん買ったし帰るぞ」

春香「えー、試食のウィンナー食べて行きましょうよ」

P「貧乏性だなお前…そんなことしないでも金持ってるんだからもっと良いの買えるだろ」

春香「私の財布、お母さんが管理してるので…」

P「え、マジ?億以上稼いでるの全部親に行ってるのか?」

春香「はい…」

P「まあまだ高校生だしな…それが妥当か…」

春香「えー、でもそれってずるくないですか?私だってやりたいことくらいありますよ」

P「たとえば?」

春香「プロデューサーさん買収」

P「人の想いはプライスレス」

春香「チッ」

P「ほら、後ろ乗れ」

春香「はーい」ギシ

P「もう陽が沈みかけてるな…帰る頃にはいい時間か」

春香「……ふふっ」

P「どうした?気でも狂ったか?」

春香「むっ、ひどい!ムードもへったくれもないですね!」

P「ムード?」

春香「いえ、なんだか…青春みたいだなって思って…」

P「……青春か…」

春香「プロデューサーさんもなにか、思い出とかあります?」

P「……いや、友達とバカやってた記憶しかねえ。こんな感じで」グラグラ

春香「うおわっ!?うわわわ!ちょっ、危ないですってばぁ!」ギュ

P「楽しかったなーあの頃は…」グラグラ

春香「ぬおおおお!??おおっ、おおおお!!??」

春香「…………」

P「いや、ほんと悪かった」ペタペタ

春香「いたたた!ならもっと優しくしてくださいよ!」

P「そう言われてもな、消毒は染みるもんだろ」ペタペタ

春香「ぐおおお…痛みが増していく…」

P「はい、これで終わり」ペタッ

春香「はぁー…まさか本当に転ぶとは…」

P「お前のドジが自転車にも移ったんじゃないのか?」

春香「プロデューサーさん、ほんとに反省してます?」

P「してるしてる。今度お詫びに高い飯奢るから」

春香「むぅ…まあ、期待しておきます」

春香「さっき高いところって言ってましたけど…大丈夫なんですか?」

P「何がだ?」

春香「いえ、お金のこととか」

P「ああ、これでもお前ら抱えてるからな。それなりにもらってるぞ」

春香「へー…どれくらいですか?」

P「家庭を持てるぐらいには」

春香「結婚しましょう」

P「なぜそうなる」

涼ちんなんだよなあ…

P「というか、くだらんこと言ってないでさっさと風呂入ってこい」

春香「もう沸いてるんですか?」

P「さっき入れといた」

春香「そうですか……はっ」ピコーン

P「なんだ」

春香「これはまさか、先にシャワー浴びてこいよとかそういうのでは!??」

P「ないからはよ行け」

春香「あっ、さては残り湯をごくごくする気ですね!?プロデューサーさんの変態!」

P「おたまアッパーされたいか」

春香「はいすいません!」ダッ

バタン

春香「はあーあ、プロデューサーさんってば全然振り向いてくれないんだから…」

春香「よいしょっと…」チャプ

春香「はぁ〜生き返るわぁ〜…」

春香「…………」ブクブク

春香「……プロデューサーさん、やっぱりホモなのかな…」

春香「…………よーし」

春香「こうなったら強硬手段に…」

『誰がホモだって?』

春香「うえぇ!?プロデューサーさん!?」

『わざわざ忘れてたタオル置きにきてやったんだが、いらないか』

春香「じょじょじょ冗談です!タオル置いてかないでください!」

『はぁ…わかったよ』

バタン

春香「……壁に耳あり障子に目あり…」

春香「上がりましたよ〜」ホカホカ

P「ん、おお…どちら様ですか?」

春香「あーひっどい!!私がリボンしか個性ないみたいな反応しないでくださいよ!!」

P「ソーリー」

春香「絶対本気で謝ってないですよねそれ」

P「まあまあ、鍋食おうぜ。腹減ってるだろ」

春香「あ、もうできてるんですね」

P「ちゃんと野菜も食えよ」

春香「はーい」

春香「うむむ…やっぱりプロデューサーさんの料理は美味しい…」モグモグ

P「お前…結構食うのな…」

春香「へ、そうですか?」

P「6割ぐらいは俺が食うと思ってたんだが…もうお前が6割食べてるぞ」

春香「…ま、まだ入りますよ」

P「フォローになってないぞ」

春香「いえ、美味しかったもので、つい…」

P「そうか、ならいいが…そろそろリゾット作るぞ」

春香「あ、はい」

ゴトッ

P「お待ち」

春香「うわー…美味しそう…」

P「一応2合分入れたが…足りるだろ」

春香「いやー、やっぱりこの時期はこういうのが美味しく感じますからね。つい食べてしまいます」

P「そうか、もうそんな季節か……」

春香「だんだん肌寒くなってきましたねえ」

P「……近付いてく冬の足音に」

春香「時の早さを感じている?」

P「待ち続けたあの場所に君は」

春香「二度と来ないと知っていても〜♪」

P「はは、相変わらず歌は微妙だな」

春香「なんで!?」

春香「はぁー…お腹いっぱい…」ゴロン

P「食ってすぐ寝たら太るぞ」

春香「だいじょーぶですよ1日ぐらい…」ゴロゴロ

P「うわ、だらしねえ…」

春香「ふぁあ……私もう眠いです…」

P「そんなにか?なら寝ていいぞ」

春香「え、プロデューサーさんの布団でですか?」ワクワク

P「いや、この前美希が泊まりに来た時に使った布団があるからそれで」

春香「……そうですか」ムスッ

P「なんだ、そんなに美希が嫌いか」

春香「いやまあ、ライバル的な意味ではそうですけど」

P「女同士の仲ってこえーな」

春香「ですよね、私もそう思います」

P「そうだ、お前明日は昼からだろ」

春香「へ?あ、はい」

P「俺朝から仕事あるから、家出る時鍵閉めといてくれ」

春香「は、はぁ…」

P「これ、合鍵」チャリ

春香「………!?」

春香(ここここれはプロデューサーさんの通い妻になるチャンスなのではわわわ…)チラッ

P「あ、鍵は明日事務所で俺に返してくれればいいから」

春香「ですよねー」

P「え?」

春香「こっちの話です…」

P「飯は適当に作っておくから、皿は置いといてくれ」

春香「はい…プロデューサーさん、大変なんですね」

P「ん、そうか?」

春香「私以外のみんなのスケジュールも全部頭に入れてるんですよね?それでみんなに付き添えるように自分の予定も調整してるなんて…」

P「慣れればそうでもないぞ」

春香「…すみません、忙しいのになんだかお邪魔しちゃって」

P「謝るなよ、俺が呼んだんだから。それにお前といると楽しいから迷惑にも思ってないぞ」

春香「へっ」ドキン

P「んじゃ、また明日な」

バタン

春香「…………///」カァッ

ボフボフ

春香「ぷ……」

春香「プロデューサーさんが……」

春香「わ、私といると楽しいって…」

春香「…………///」カァアア

春香「きゃー!!きゃー!!プロデューサーさんがー!!私といると楽しいってー!!!」ゴロンゴロン

春香「わっほい!!わっほい!!!」ゴロンゴロン

P「うるせえ!さっさと寝ろ!!」

バタン

春香「…………」

春香「…怒られちゃった」

春香「はぁぁぁ………でも幸せ…」

春香「このまま寝よう…幸せな夢を見よう…」

春香「プロデューサーさんと私の未来の……ふえへへ…」

春香「…………ぐぅ」

〜〜〜

春香「………う〜……」ムク

春香「……あれ…ここ、どこ…?私の部屋じゃ……」

春香「…………」


春香「……ああ、そうだ…プロデューサーさんのうちに泊まったんだった……」

ゴソゴソ

春香「プロデューサーさん、もうお仕事行ったかな…」ガチャ

春香「プロデューサーさーん?」

シーン…

春香「………いないか」

春香「…………ん?」

春香「これは…」ピラッ

オムライスです。
お好みでケチャップをかけて食べてください。

春香「……なんで敬語なんだろ……」

春香「……で」

春香「このクッキーはなんだろ…?」

ヒラヒラ

春香「あ、紙が……」

スッ

春香「………?何か書いてる…」

春香へ

いつもありがとう。
プロデューサーより

春香「…………!」

スッ

ゴソゴソ

春香「…………」サク

春香「……おいしい……」サクサク

春香「えへへ……」

春香「……やっぱり、プロデューサーさんを好きになってよかった…」

劇終
ちょっとしたら依頼出してきます

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