【ラブライブ】海未「本屋に行きましょう」 (33)

更新遅め
短編
ほのぼの

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SS初投稿です
掲示板に触れること自体が初めてなので、不慣れですがお付き合いください

――書店内――



店員「ありがとうございました」

海未「ふう、つい買いすぎてしまいました」

今日は日曜日。学校もμ'sの練習も休みで丸1日休みなので行きつけの本屋に来ています

海未「いろいろと目移りしてしまったとはいえ衝動買いもほどほどにしないといけませんね」

海未「しかし気になっていた小説も買えました。1人だと自分のペースで店内を周ることができるので悪くないですね」

今日、本当は穂乃果と一緒に来る予定だったのですが、急に家の手伝いをすることになり行けなくなった――と連絡がきました

本当ならそこで行くのを止めることもできたのですが、貴重な休みの日を有意義に使いたいと思ったので1人ですが足を運ぶことにしました

ありがとうございます

しかし1人で来て正解だったかもしれませんね
おかげでゆっくり買い物ができたのですから……
穂乃果と一緒だとあちこち振り回されて、自分の行きたいコーナーにも行けないですからね


海未「思っていたより早く用事が済んでしまいましたね」

スマホを取り出し時間を確認する
時間はまだ2時半を過ぎたところでした

海未「さて……これからどうしましょう」

帰っても宿題は済ませてありますし、特にすることもないですね

家にいても読書するくらいですし……

だったら久しぶりに喫茶店でお茶を飲みながら本を読むというのも悪くないですね


海未「おや?」

海未「あれは……凛ですね」

凛「…………」

海未「立ち読みをしているようですが、こちらには気付いてないみたいですね」

凛「なるほど……」フムフム

海未「……っ!」

海未「なんと……!あの凛が真剣に何かを読んでいます……!」

珍しいです!いつもは漫画ばかり読んでいるはずのあの凛が……

いったい何を読んでいるのか気になります……

海未「本来、立ち読みはあまり良くないのですが普段めったに本を読まない凛がいったい何を読んでいるのか……」

海未「好奇心には勝てません!」

海未「後ろからのぞき見るくらいなら大丈夫でしょう」

凛「…………」

海未「いったい何を……!」

ザッザッザ

海未「読んでいるのでしょう!?」

チラ



ね こ の き も ち


にゃーん





海未「…………」

凛「にゃはぁぁぁ// 可愛いにゃぁぁぁ// 」

海未「…………」

海未(凛、可愛いです……)


海未「今日は声を掛けずに帰りましょうか」

海未「あんなに幸せそうに立ち読みされたら声も掛け辛いです」


海未「あ、そういえば凛がここにいるということは……」

真姫「…………」

海未「やっぱりいました」

真姫「…………」キョロキョロ

海未「店内であんなにキョロキョロして……」

海未「不審者ですか……」ハア

真姫「…………」スッ

海未(あ、何か手に取りました)

真姫「やっと見つけた」

海未「少女漫画、ですか……」

真姫「ヴぇぇぇぇ!う、海未!?」

海未「真姫が少女漫画に興味があったなんて意外です」

真姫「べ、別に// これはちがうの……// 」

真姫「本来は少女漫画を買うつもりはなかったの!//」

海未「はあ……」

真姫「べ、別に、たまたまテレビを付けたらドラマが流れてて、たまたまそれが面白くて、たまたまそれの原作があって、気になったから買いに来た訳じゃないの//」

海未(聞かなくても全部話してくれましたね……)

真姫「お願い、みんなには秘密にしてて」

海未「別に秘密にすることでもないと思いますが……」

真姫「いいえ!特に凛には……」

海未「凛……ですか……」

真姫「凛、漫画のこととなるとうるさいから……」

海未「なるほど、そういうことなら分かりました……ただ……」

真姫「ただ、何?」

海未「凛に秘密にしたいんですよね?」

真姫「そうよ」

海未「凛ならあなたの後ろにいますけど……」

真姫「えっ」

凛「真姫ちゃん海未ちゃん!こんなところで奇遇だにゃ」

真姫「り、凛!?ちょっと、くっつかないで!ていうかいつからいたの!?」

凛「ヴぇぇぇぇ――のあたりから!真姫ちゃんの話し声大きいから一発で分かったにゃ」

真姫「えええっっ」

海未「お二人は一緒じゃなかったのですか?」

凛「違うよー」

凛「ほんとはかよちんと真姫ちゃんと一緒にお出かけしようと誘ったんだけど2人とも用事があるからーって断られちゃったの」

凛「あれ?それならなんで真姫ちゃんここにいるの?」

真姫「そ、それは……(汗) 」

凛「あれ?真姫ちゃん、その手に持ってるものって……」

真姫「あっ」

凛「にゃはは~ん?凛分かっちゃったよ。漫画が欲しかったんなら素直にそう言えばいいのに」

凛「真姫ちゃんは恥ずかしがり屋さんにゃー」

真姫「べ// 別にたまたまテレビを付けたらドラマが流れてて、たまたまそれが面白――」


――以下略

凛(聞かなくても全部話してくれたにゃ……)

凛「ふうん、でも真姫ちゃん」

真姫「何よ」

凛「凛、その漫画全巻持ってるよ」

真姫「…………」ピクッ

凛「貸してあげてもいいんだけどなー」

真姫「本当!?」

凛「でも今日は真姫ちゃんに用事があるって嘘付かれたからなー」

真姫「……あ」

凛「凛傷ついたにゃー」ニヤニヤ

海未(凛がだんだん希に毒されてきていますね……)

真姫「それは……ごめんなさい」

凛「…………」ニヤニヤ

海未(見事に悪いところだけ吸収しましたね……)

真姫「今度お礼にラーメンでも奢ろうと思ったんだけど……」

凛「にゃ!?」

真姫「凛に悪いことしたのに、そのうえ漫画まで貸してもらおうなんて流石に虫が良すぎ――「行くにゃ!」」

真姫「え!?」

凛「貸してあげるにゃ」

真姫「え、でも――」

凛「もー、そういうことは早く言ってほしいにゃー♪」

海未(今のは、真姫が折れたのか……凛が折れたのか……)

凛「そうと決まったら早速凛の家に行くにゃー」

真姫「今から!?」

凛「そうにゃ、善は急げにゃ」

真姫「ちょっ……凛!引っ張らないで!」

海未(仲が良いですね)

凛「何してるの?海未ちゃんも行こう?」

海未「私も……ですか!?」

凛「あ、もしかして忙しい?」

海未「いえ、ではご一緒させてもらってもいいですか」

凛「いいよー、じゃあ行くにゃー!」

海未「わっ、ちょっと凛、引っ張らないでください!」

―凛の家―

その後、引っ張れるかたちで凛の家にお邪魔させてもらいました

特に何かをする訳でもなく私は読書していただけですが……

海未(私、凛の部屋に入るのは初めてなんですが……)

そんな言葉を交わす間ありませんでした

凛はお菓子と飲み物を運んでくると、真姫に約束の漫画を渡してそのまま自分の世界に入ってしまいました

真姫もつられるように漫画を読み始めてしまいました

海未(まあ、わざわざ言うことでもありませんね)

真姫は凛に借りた漫画を食い入るように読んでいます

凛は買ったばかりのねこのきもちを読んでいます
けっきょく買ったのですね……


私も先ほど買ったばかりの小説を読むことにしました

そういえばこうして静かな時間を過ごすのは久しぶりですね


3人一緒にいるのに話すこともなく各々が自分のしたいことをしている

でも悪い気分という訳ではありません

むしろ一緒にいるというだけで十分満ち足りている感じ

沈黙が重くないというのは今みたいな時のことをいうのでしょうか

そんな不思議な感覚に思わず笑みがこぼれてしまいます

真姫「なにニヤニヤしてるのよ」

不意に声をかけられ真姫と目が合う

見られてましたか……

海未「真姫も読みながらニヤニヤしてましたよ」

真姫「何見てるのよ」

海未「おあいこです」

真姫「そうね……」

お互いクスっと小さく笑い合う

それだけ交わして真姫はまた手元の漫画に目線を落とした

また凛の部屋が静かになる

やっぱり笑みがこぼれてしまいます



気がつくと穂乃果からメールが届いていました

一緒に行けなくてごめんね――と謝りのメールでした

私も大丈夫ですよ――と返す
それと今の状況を報告しました


海未「穂乃果が今からここに来たいと言ってますがどうしますか?」

真姫「え、穂乃果も来るの?」

凛「穂乃果ちゃん?もちろんオッケーだよ!」

穂乃果『本当!?ありがとう凛ちゃん』

真姫「そうね、じゃあついでにほむまんでも持ってきてもらおうかしら」

穂乃果『その声は真姫ちゃん!高坂穂乃果 了解しました、待っててね真姫ちゃん!』

海未「では気を付けて来てくださいね」ピッ

真姫「私たちの声にいちいち反応しなくていいのよ……」

凛「きっと嬉しいんだよ」


騒がしくなるわね、とめんどくさそうに言った真姫の顔はどことなく嬉しそうでした


しかし少し寂しそうでもありました……

たぶんも真姫も私と同じことを考えてるのでしょう

3人とも穂乃果が来ることにワクワクしている

ただ、この静かな時間がもう少し続いても良かったと――

そう思ってしまう



今から穂乃果が来る

嬉しいけど――少し寂しい――



海未「まあ今から準備するみたいですし穂乃果が来るまでもう少し時間はあると思いますが」

真姫「私はキリのいいところまで読むことにするわ。穂乃果が来たら本を読む暇なんてないだろうし……」

海未「同感です」


穂乃果が来たらにぎやかになるんでしょうね

きっと私たちのことなんかお構いなしに話し掛けてくるんでしょうね

そう考えると自然とまた笑みがこぼれてしまいます

さっきまでとは違う笑みがこぼれる


穂乃果が来たら本を読む暇なんてないだろう――
ふと、真姫の言葉が頭をよぎる

全くです、穂乃が来たら本なんて読ませてくれないでしょう

だから今だけ――あと少しだけ静かに過ごさせてください


凛「にゃんにゃにゃんにゃにゃん♪」

凛は音楽を聞いているかのようにノリノリでねこのきもちを読んでいます
いや、見ている と言った方がいいでしょうか?まあこの際どちらでもいいです

海未「今日も平和ですね」



終わり!

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