幸平創真「買い換えちゃおっかなー」(51)

創真「いやでもこずかいも少ねーしやっぱ無理か」

恵「どうしたの創真くん?」

創真「お、田所か」

恵「さっきチラッと買い換えようかなって聞いたんだけど何を買い換えるの?」

創真「いやさー俺今カブ乗ってんじゃん?それを売って中型免許でも取って新しいバイクでも買おうかなと思ってさ」

恵「そ、そうなんだー」

創真「これでも色んなところのバイクを調べてみたりしたんだぜ」ペラペラ

創真「何度も通って本当はダメなんだけど大型を跨がせてくれたくれたディーラーもあったな」ペラペラ

創真「やっぱ跨ると感じるんだよな。こう俺の魂がレシプロ運動してるのをさ」ペラペラ

創真「一番しっくり来たのはスズキのイントルーダー800だな」ペラペラ

創真「あのイカレタと思うファンの音。800ccとは思えない落ち着いたアイドリング。アメリカン特有の重厚感」ペラペラ

創真「そして脳ミソを叩き起こしてくれる加速。ありゃもう惚れ惚れするね」ペラペラ

創真「もちろんキャブレター仕様だ!」ドンッ

恵「そう、なんだ・・・」

創真「実はあのカブを買った時もちょっとこだわってな」ペラペラ

恵(や、やばいべ。全く話についていけない)

恵(そもそも会話になってないべさこれ)

創真「そんでさー店のおっちゃんと話して一緒に探し回ったんだよ」

緋沙子「バイクと聞いて!」バンッ

創真「おー新戸じゃんか。新戸もバイク乗んのか?」

恵(ここでまさかの新戸さんだべさ)

緋沙子「久しぶりだな幸平。いや、正直乗らないが食戟のソーマでバイクssを作るのに私以外知識があってもおかしくないキャラがいなかったからな」

緋沙子「私に白羽の矢が立ったようだ」

創真「ま、確かにうちの学校でバイク乗ってるのってそんなにいないんじゃないか?」

緋沙子「良くも悪くも良家の出が多いからな。通学も黒塗りの車で来る者がほとんどだ」

創真「確かに入学の時も高そうな車ばっかだったなー」

緋沙子「ところで幸平。先程スーパーカブの話をしていたな」

創真「してたけど」

緋沙子「何年式だ?」

創真「驚くなよ?06年式だ」

緋沙子「いいチョイスだな」ニヤリ

創真「ああ少し11年式と迷ったんだがやっぱりカブはキャブレターじゃないとな」

緋沙子「中国産なんて怖くて乗れたもんじゃないからな」

創真「全くだ。俺も最初はとりあえず買うかの精神で店に行ったらおっちゃんによく調べてからまた来なって言われちまったぜ」

緋沙子「良い店の主人に会えたのだな」

創真「その時は原付くらいとっとと売ってくれよと思っていたけど極星寮に戻って動画やリコールのニュースを見たら怖くなってな」

創真「今思えばあれがバイクに興味を持ったきっかけだったのかもしれない」

恵「あ、あのー」

創真「どうした田所?」

恵「いや、新戸さんは1人でここに来たの?」

緋沙子「いえ、何時いかなる時も主の傍を離れるわけにはいかないのでえりな様はそこにいらっしゃいます」

えりな ボー

創真「めっちゃ状況呑み込めてませんて顔してんな」

緋沙子「大丈夫だ時期に覚醒する」

恵(なんかいつもに比べて薙切さんに対して雑だべさ)

緋沙子「それより何に買い換えるつもりなんのだ?」

創真「それがいいバイクが多くてよーぶっちゃけおすすめがあれば教えて欲しいくらいだ」

緋沙子「ふむ。私たちの年齢の場合買えるバイクよりも取れる免許の方が問題だ」

創真「そうなんだよ!おかげで400cc未満に限られちまうんだよ!」

緋沙子「時に幸平。お前ホンダ中か?」

創真「そんなことはないな」

緋沙子「予算は?」

創真「コミコミで30万弱ってところかな」

緋沙子「となるとほぼ中古確定だな。用途は?」

創真「通学とたまに遊びに出るときに使いたいなーって感じだな」

緋沙子「スクーターはどうだ?」

創真「絶対に嫌だ!」

創真「悪いがあれをバイクと呼びたくはない!」

創真「長すぎる車軸距離!太い車幅!そして何よりも低い車高!」

創真「曲がる度にガリガリと削れる音が幻聴で聞こえるくらいだ!」

創真「なにより許せねえのは海にでも出てイカ漁でも始めんのかっていうくらいのわけのわからない電装だ!」

緋沙子「落ち着け幸平」

創真「す、すまねえ」ハァハァ

緋沙子「話を聞く限りでは乗り手が悪いのであってスクーターに罪はないように思えるが」

創真「違うんだよ新戸」

緋沙子「なにがだ?」

創真「俺は真っ先に選択肢にスクーターが出るのが嫌なんだよ」

緋沙子「ど、どうしてだ?」

恵(あー本格的についていけんくなりそうだべ)

創真「俺はバイクってやつは生活の足であって遊びの足でもあると思ってんだよ」

緋沙子「・・・話を聞こうじゃないか」

創真「なに。目的地に行くだけならいくらでも方法がある」

創真「電車、バス、車、船そして飛行機。こんなにもあるんだぜ?」

創真「だけどかつて3ない運動を受け、それでも消えなかったバイク乗りたちの心は何だったと思う?」










創真「遊び心だ」

緋沙子「!」

創真「遊び心なんだよ結局」

創真「俺は人に迷惑をかけなければ大いにバイクをいじってもいいと思ってる」

創真「カウルを取ろうがサスペンションを変えようがライトをLEDにしようが買い手の勝手だ」

創真「それが大人も子供楽しめる趣味で足のバイクってやつじゃないか!」

創真「親に学校果ては世間にまで冷たい目を向けられ。持っているだけで不良のレッテルを張りつけられ」

創真「それでも消えなかった心こそがバイクなんだよ!」

創真「ビバワンオフパーツ!ビバボアアップ!ビバ軽量化!」










創真「ただし改造マフラー、てめーはダメだ」

創真「だいたいあんな奴らがいるからバイク=バカのイメージが改善されないんだよ」

緋沙子「しかし改造マフラーなら普通のバイクでも、それこそネイキッドやスーパースポーツの方多いんじゃないか?」

創真「ああ、そいつらも等しくボケッカスだな」

緋沙子「ならなんで!」

創真「だから言っただろう?遊び心なんだって」

創真「あんな動くソファーみたいな二輪車でどうやって遊ぶんだよ」

創真「そもそもあんなので山や峠、サーキットなんて行けないだろ」

創真「バイクなんて走るための遊びだ」

創真「それにスクーターに限ったことじゃないがデザインに遊び感がない!」

創真「シート下の収納スペースに後付けの収納スペース」

創真「収納収納収納。そんなに物積みたきゃトラックでも乗ってろ!」

緋沙子「幸平創真よ。お前の意見聞き入った」

創真「おおありがとうな新戸、俺だけ喋っちまってよ」

緋沙子「気にするな。けどスクーターに限らずネイキッド、アメリカン、オフロード、スーパースポーツどれも既存の形が完成形のようなものだ」

創真「まあそうなんだけどさー」

緋沙子「特にスーパースポーツやツアラーは空力学的にどれも近い形になってしまってもしょうがないだろう」

創真「違うんだよこうせめてエンジンくらい色々あってもいいじゃんかよ?」

緋沙子「ふむ、CBXのように6気筒とかか?」

創真「それもいいけど今まで色んなエンジンがあったけどたくさん淘汰されてきたじゃん?」

創真「なんか個性がないくてさーバイクに」

緋沙子「個性的なエンジンのバイクか」

アリス「個性的なエンジンのバイクと聞いて!」バンッ

恵(まさかの3人目だべさ)

アリス「こんにちは幸平くん」

緋沙子「ア、アリス嬢!」

創真「おー薙切じゃんか」

アリス「もーこの私が出来てその反応はないんじゃんくて!」プンプン

創真「そんなことより何しに来たんだよ?」

アリス「まあまあ随分な物言いね幸平創真くん」

アリス「いいこと?どんな形であれ工業製品にはその国の特色が出るの」

アリス「またそれは工業技術が確立されていない黎明期なんて顕著に表れるのよ」

創真「なんだ薙切もバイクの話をしにきたのか」

アリス「しに来たなんてものではないわよ」

アリス「見なさい我がデンマークの国産バイクを!」

創真「デンマークにバイク会社なんてあったけか?」

緋沙子「ま、まさか伝説の」

アリス「Nimbusよ!」


創真「うおっなんだこれ!」

緋沙子「なぜ日本にあるのだ」

アリス「お母様に言って輸送してきてもらったのよ」

創真「これもしかしなくても空冷だろ?冷却とか大丈夫なのかよ」

緋沙子「どう見てもダメだろ、本物の“直列4気筒”だぞ」

アリス「それが大丈夫なのよ」

創真「嘘だろ」

アリス「こんな風の当たらない空冷エンジンでも普通に運転出来ちゃうのよ」

アリス「そう、デンマークの冷たい空気ならね」

緋沙子「なるほどデンマークの年間最高平均気温は約8.5℃!むしろこの形でなければ十分な十分なパフォーマンスを発揮するための熱を保てないというわけか」

創真「年間最高平均気温8.5℃とか人が住むところじゃねえな」

アリス「おかげで日本じゃ冬以外は夜しか走れない何て言われてるけどね」

アリス「ま、このエンジンの配置と約750ccの排気量が相まってガソリンが凍っても走るっておじいちゃんが言っていたわ」

創真「いや、ガソリン凍ったら人死ぬだろ」

アリス「どう?この素晴らしい現代バイクにはない無駄をすべてそぎ落とした姿!」

アリス「リヤなんて気休めの程度のタペットスプリングよ」

創真「これいつのバイクだよ」

緋沙子「60年には営業中止になっているから簡単に考えて世界大戦の1次2次あたりのバイクと考えていいはずだ」

アリス「そもそもサイドカーが付けやすくするための縦置きエンジンともいわれているわ」

創真「ああ、昔はバイクって言ったら遊びや趣味って言うより軍用だもんな」

緋沙子「そうだな。ちゃんと前線から後方の機動部隊に配備されて兵卒から将校の足として大活躍していたらしいからな」

アリス「でも750ccもあって20馬力くらいしかないんだけどね」

緋沙子「改めて現代の工業技術に驚かされるな」

創真「その通りだな」

創真「暖気楽だろうなこれ」

アリス「あんまりやり過ぎるとエンジンがむしろ傷んじゃうのよ」

緋沙子「あのエンジンが調子よくないときってどうするんですか?」

アリス「毎回毎回エンジンをバラしてピストンやヘッドの当たりを調整するしかないわね」

創真「維持費いくらかかんだよ」

緋沙子「ふー、珍しいものを見れたな」

創真「ああ、多分もう見れないんじゃないか」

緋沙子「ところが日本人で購入した人もいるらしい」

創真「マジかよ!」

緋沙子「だが日本で購入したのかそれとも海外で購入したのかはわからん」

創真「日本人も色んな所に住むようになったからな」

緋沙子「どうだ1つ買ってみたら」

創真「高校生じゃなくて社会人でも無理だわ」

えりな「ひさこー」

創真「お、状況を飲み込み始めたみたいだな」

緋沙子「どうされましたかえりな様?」

えりな「ひさこーここどこー?」

緋沙子「そんなことよりお腹が空いておりませんか?ドーナッツがありますよ」

えりな「ドーナッツたべりゅー」

緋沙子「では手を洗ってきましょう」

えりな「はーい」トテトテトテ

創真「・・・アレ本当に薙切か?」

緋沙子「2次創作ならあんなもんだろう」

創真「そ、そうか」

緋沙子「ではクラシックバイクは無理ということだな」

創真「さっきのはどっちかっていうとヴィンテージって感じだけどな」

緋沙子「そう言えばイントルーダーだいいと言っていたな」

創真「あの時居なかったのに何で知ってんだよ」

緋沙子「そうなるとやはり」

創真「無視されるのは嫌だけどアメリカンといえば」

創真「インディアンだな」
緋沙子「ハーレーダビットソンだな」

緋沙子「・・・」

創真「・・・」

緋沙子「おぉぅん?やんのかてめえ?」

創真「はっ!ハーレーとかいう名前だけのバイク屋と違ってこっちは歴史があるんだよ!」

緋沙子「アメリカがwwww歴史wwwww」

創真「・・・」

緋沙子「建国wwww200年wwwww」

緋沙子「wwwwwwwww」

創真「経営不振でbuellのエンジン供給止めたくせに」ボソッ

緋沙子「!?」

創真「なにがハーレー三拍子だよそんなわけ分かんねえのセットした本人以外わかるかっての」

緋沙子「ちょっと待て!三拍子の方はどうでもいいが経営不振でbuellを切ったわけではない!」

創真「ふざけんな!あんないいチューニングメイカー切りやがって!エリック爺さんがどんなつらい思いをしたと思ってんだ!」

えりな「ひさこーお手々きれいにしたよー」トテトテトテ

緋沙子「しょ、しょうがないだろう!こっちだって商売でやってるんだから!リスクよりリターンが少なくなれば当然の選択だ!」

えりな「ひっ!」

えりな「ひしゃこがおこった・・・」

緋沙子「ち、違いますよーえりな様ー」

えりな「ご、ごめんなさい」グスン

創真「あー泣かせたー」

緋沙子「うるさい!えりな様、私はえりな様に怒鳴ったわけではありません」

えりな「ほんとう?」

緋沙子「もちろんです!どうしてえりな様を怒鳴る通りがありましょうか。私が怒鳴ったのはこの計算のできない男です」

創真「おい」

えりな「じゃあドーナッツ食べていい?」

緋沙子「もちろんです」

えりな「わーい」

緋沙子「さ、召し上げってください」

えりな「いただきまーす」モグモグ

緋沙子「ふー」

創真「・・・」

緋沙子「何か言いたそうだな?」

創真「いや、ハーレーってなんかいいバイクあったけかなーって思ってさ」

緋沙子「ほうほう。どうやら本当に私と喧嘩がしたいようだな」

創真「事実いいのって昔のバイクしかなくね?」

緋沙子「それを言うな」

創真「ま、世知辛いもんだよなバイクって」

緋沙子「安くしようにも高性能な三元触媒でどうしても高くなってしまう」

創真「昔はよかったじゃないけど俺が今乗ってるカブの年代くらいがピークって感じがするな」

緋沙子「ピークは80~90年代じゃないか?」

創真「そうじゃなくてさ、エンジンの性能と環境への配慮とかが釣り合ったのがだよ」

緋沙子「なるほどな」

えりな「ドーナッツおいしい」モグモグ

創真「・・・」

緋沙子「・・・」

創真「なんか、悪かったな」

緋沙子「こちらこそ言い過ぎたすまない」

創真「今思ったら中型でアメリカンはねーよwwwww」

緋沙子「そうだなwwww乗ってるやつがいたら見てみたいものだwwww」

創真「wwwww」

緋沙子「wwwwww」

創真「で、結局どうするか」

緋沙子「いっそスーフォアでいいんじゃないか?」

創真「いや、車検がさきついんだよ」

緋沙子「とはいっても3万円くらいだぞ?」

創真「高校生にはきついって。ましてやうちの学校でだぞ?」

緋沙子「バイトの余裕も厳しいだろうからな」

創真「アメリカンは排気量的なしだしスクーターは嫌だ」

緋沙子「ずいぶんな食わず嫌いだな」

創真「うーんなんかいいのあったけかなー」

緋沙子「あ、ケッチなんてどうだ?250の方」

創真「殺す気かよ。バイク的にも整備費的にも」

緋沙子「言っておくがケッチ250は幾分か乗りやすい方だぞ?他のに比べればだが」

創真「あのあたりのKawasakiなんて乗りたくねえよ」

緋沙子「それもそうだな」

美作「アメリカンと聞いて!」バンッ

創真「それに今時2stなんてやってらんないだろう」

緋沙子「だがあの加速はロマンだぞ」

美作「・・・無視?」

緋沙子「同じ250ccクラスになるとグラブマンとかどうだ?」

美作「おーい?この漫画唯一のバイク乗りですよー」

創真「でも単気筒だからなー」

美作「おーい?幸平―」

緋沙子「だがあの軽さで30馬力だ。さぞかし楽しいバイクだろうな」

美作「おーい?緋沙えもーん」

創真「でもなー30万じゃいいの買えないんじゃないか?」

美作「おーい?ゆっきー」

緋沙子「それで、さっきからなんだそこのデカいの」

創真「だとよ美作」

美作「お、おう。ここで俺に来るんだな」

緋沙子「本来なら話を振るのも面倒だがしょうがないから好きに話していけ」

創真「ま、どっちにしてもアメリカンはないけどな」

美作「言ってくれるじゃねえか幸平よ」

緋沙子「そもそもお前はどこのバイクを乗っているのかわからないからこの話にはあまり入れたくないのだ」

創真「そんなわけでYamahaのドラッグスター400って言うことで話を進めてくぜ」

美作「いいだろう俺のドラッグスター400のいいところを教えてやろう」


美作「まずは冬だようが夏だろうがガソリンさえ入っていれば絶対にエンジンがかかる!」

緋沙子「FIなら当然だな」

美作「太いタイヤとライダーの重量を合わせれば300kg!これにより高速走行での安定度が抜群」

創真「それに対して馬力は30馬力正直物足りないどころか高速走行に入るための道路に入るのもためらうP/Wだな」

美作「そしてもちろんアメリカンの醍醐味空冷!」

緋沙子「あのプラスチックみたいなエンジン回りか」

美作「そしてなんとYamahaだからできるオーナーズサポートも充実!」

創真「もはやバイクの長所じゃない上にそのくらいどこの会社もやってる」

創真「わかっていたけどやっぱアメリカンはないな中型で」

緋沙子「全くもってガソリンの無駄遣いだ」

美作「ぐぬぬぬぬ」

創真「結局どうすっかなーバイクの買い換え」

緋沙子「いっそボアアップで済ましていいんじゃないか?」

創真「でもカブはあの排気量がいいんだよなー」

美作「wwwwww」

緋沙子「なっ、なんだいきなり笑い出して」

美作「原付がwwwwwバイクwwwww」

創真「・・・」

美作「原動機付wwww自転車がwwwwwバイクwwwww」

緋沙子「・・・」

美作「げひゃwwwあひひゃwwww」









緋沙子「オラァッ!」グチャァァッ!!

美作「どぅふっ!」

創真「新戸、お前・・・やきう民みたいな蹴りを人にするなよ」

緋沙子「いいかそこの腹をけられてうずくまっているストーカー予備軍」

美作「ぐふぅ」

緋沙子「ぐふぅじゃない。ちょっとおもしろい返事をすれば謝ると思ったかこのキューティクルゴリラ」

緋沙子「いいか?原付を馬鹿にするのはバイクの歴史を冒涜するのと同じなんだ」

緋沙子「そのあたりを同じ霊長類のよしみで教えてやる」

緋沙子「そもそもバイクという発想はそれこそかのレオナルド・ダ・ヴィンチがすでに持っていたなんてなんて言われている」ペラペラ

緋沙子「13世紀には内燃機関としての概念は確実に存在していたし、ダ・ヴィンチの手稿に内燃機関の利用法が記されていたからな」ペラペラ

緋沙子「そして19世紀中頃に現在のヨーロッパあたりでこの内燃機関は大きく成長をし始めたのだ」ペラペラ

緋沙子「しかし、悲しいことにまだまだ工業技術が追い付かずに出力・回転数ともに粗末なものだった」ペラペラ

緋沙子「それこそ回転数は1000回転を超えればすぐに焼き付きを起こすし馬力も1馬力にも満たないくらいだった」ペラペラ

緋沙子「徐々に技術的蓄積を積み重ねよってついに二桁の馬力を出せるようになる」ペラペラ

緋沙子「実際には最初の世界大戦を経て高出力エンジンの開発が急務になったのが個人的には大きな影響だと思う」ペラペラ

緋沙子「そして日本の敗戦後とあるスピード狂いの壮年の男性が日本に国産の二輪車を作り出そうと言い始めた」ペラペラ

緋沙子「それまで他の会社は海外のバイクをコピーして作っていたのが現状の上、コピーする際も相手の会社から“出来やしないよ”何て言われたほどだ」ペラペラ

緋沙子「だが今日見る世界のバイクメーカーを席捲する4大メーカーはすべて日本の会社だ」ペラペラ

緋沙子「いいか?世界中探しても日本のように50ccという小排気量のバイクを作っているのはかなり珍しいのだ」ペラペラ

創真(長え)

緋沙子「つまり何が言いたいのかというと」

緋沙子「小排気量のバイクこそが技術の粋と言えるのだ!」ドンッ

創真「喉乾かないか?そんなに喋ってたら」

緋沙子「言っておくがお前の原動機付自転車について話してやったのだぞ」

創真「ま、馬力中や排気量中は黙って放っておくのが無難だからな」

緋沙子「ちなみに現行の15年式のスーパー・カブは3.7馬力」

創真「単純にリッター計算すると74馬力だな」

緋沙子「お前の薬中流れ星とほとんど同じなんだよこのボゲ!」

美作「うぅ・・・排気量中なんていうけどお前らだって中型アメリカンを馬鹿にしてるじゃないか」

緋沙子「話のオチがついたときに横から割って入って無視してやっているのに帰らず調子に乗ったお前が悪い」

緋沙子「大体原付をバカにしたお前から言わせれば私はブーメランを投げているような発言が多いように見えるだろうがな」

緋沙子「何事にもその思想に対する要求とそれに応える設計と性能というものがある」

創真「また長くなる感じか?」

緋沙子「すぐに済む。例えば400ccのオフロードバイクWR400があるとしよう」

創真「なにそれ欲しい」

緋沙子「恐らく多くの者が逝って帰らぬものになってしまうだろう。これは要求と性能ががよく調和されると思われる一例だ」

美作「ドラッグスターはなあ、低排気量のおかげで燃費もいいしアメリカン特有の低回転のおかげで疲労も少ない」

美作「ドラッグスターの何がいけないんだ!リーズナブルな値段で高校生から大学生さらには初心者と広いニーズに応えているじゃねえか!」

創真「いや、狭えよ」

緋沙子「お前は弁当対決で幸平に負けたアリス嬢か!」

緋沙子「そもそもアメリカンとは広大な北アメリカを移動するために手を放しても真っ直ぐ進むくらいのバイクが求められたはずだ」

緋沙子「これは美作昴、貴様が先に言った高重量、低回転さらに長い距離を走るために低燃費が求められる」

美作「なら何がいけないんだ」














緋沙子「生まれながらの排気量中の国が400ccのアメリカンなんて欲しがるわけねえだろうが!」

美作「た、確かに!」

緋沙子「付け加えて日本でアメリカン乗る者なんて定年後の年金を持て余した体力のない御老体ばかりだ」

創真「すげー偏見だな」

緋沙子「少しくらい値が張った方が返済意欲が持てて長生きする理由にもなる」

緋沙子「なにせ片足が棺桶にはまってしまっているんだからな」

美作「なんて暴言だ」

緋沙子「よって日本ではハーレーが推奨されている」

創真「結局ハーレーageかよ」

緋沙子「ロードホッパーなんて最高ではないか」

創真「しかもチューニングメーカーだし」

緋沙子「さて、とりあえずこれでアメリカンもなくなったな」

創真「ま、大型ならアメリカンが好きなんだけどな俺は」

緋沙子「そもそも幸平の乗りたいイントルーダー800は52馬力だ。いかに馬力中や排気量中が愚かな論争をしているかを体現しているな」

創真「話を元に戻すと結局どうすりゃいいんだ?」

緋沙子「ここは無難にvtr250でいいんじゃないか?」

創真「あれはなー・・・」

緋沙子「言いたいことは良いバイクだぞ?壊れない上に壊れにくく何より壊れないことで有名なホンダだ」

創真「2stの純正パーツが少ないことでも有名なホンダなのはいいんだけどよー」

緋沙子「どうした?プロトタイプには金をかければいいと思ってるホンダのどこが嫌なんだ?」

創真「できれば今持ってるやつとは違うバイク会社がいいんだよなー」

緋沙子「なるほど、最近片手間でバイクを作ってる感があふれ出ているホンダは嫌なわけか」

緋沙子「となると気持ち悪いスズキはないとしてヤマハか?」

創真「ヤマハもなー」

緋沙子「なんでだ?昔のようにを色を変えただけのモデルチェンジ営業は最近してないぞ?」

創真「確かにMT-09やMT-07それに新型のYZF-R1のデザインはすげーと思ったよ。実は前のデザインの方が好きだけど」

緋沙子「ならなぜだ?」

創真「結局中型しか乗れないじゃん俺」

緋沙子「あっ・・・」

創真「やっぱこうさー高校生的には中型で遊べるラインナップが欲しいわけで」

緋沙子「確かに新商品はすべて大型二輪だな」

創真「そうなんだよなー」

緋沙子「カワサキはどうだ?」

創真「バイクで緑はねえよ」

緋沙子「それもそうだな・・・」

創真「こりゃ国産バイクは無理かねー」

えりな「ひさこードーナッツなくなったー」

緋沙子「では今度はこちらのエクレアをどうぞ」スッ

えりな「わーい」

創真「本当は俺もbuellとか乗りたいんだけどさーどっかのハーレーダビットソンがエンジン供給止めちゃうから」

緋沙子「また掘り返すのかお前は。いいだろEBRがあるんだから」

創真「確かにEBRとしてエリック爺さんは復活したさ!でもなあれはもうbuellじゃないんだよ!」

緋沙子「社名のことか?」

創真「違えよ!ホイールベースのことだよ!」

緋沙子「あーそれか」

創真「いいか俺がエリック爺さんに求めるのはコンパクトでじゃじゃ馬なバイクだ!」

創真「buellの頃のバイクと言ったらあの小さなバイクにゴン太のタイヤ!あれこそ日本人にぴったりなバイクなんだよ!」

緋沙子「ゴンタ?」

創真「ごんぶと!どう聞き間違えてんだよ新戸」

緋沙子「確かにEBRのフラッグスーパースポーツバイク1190RXはホイールベースが表記されてないが全長2040mm」

創真「もうね、ただのバイクと同じくらいなのよね」

緋沙子「ホンダCBR1000RRが全長2080mmの車軸間1410mmだからな」

創真「スズキが2045に対して1415。ヤマハは2055の1405これじゃあどう頑張っても1300代にはなってないんだよな」

緋沙子「ちなみにbuellの一番小さい車体は1924mmで1320mmだからいかに小さいかがわかるな」

創真「ぶっちゃけ250ccクラスの大きさだからな」

緋沙子「NSR250Rが1340mmだからな」

創真「なんと伝説のマグナ50と同じ車軸間だからな」

緋沙子「もうXB12Rが小さいのかマグナが大きいのかわからなくなってしまうな」

創真「ま、買えても乗れないんだけどな」

緋沙子「いっそ海外のメーカーを探してみるか?」

創真「いやいや絶対高いだろ」

緋沙子「海外のバイクといえば・・・」

タクミ「海外のバイクと呼ばれて!」バンッ

創真「インドだな」

タクミ「へっ?」

緋沙子「となると葉山アキラか?」

創真「いや、あいつスパイスが盛んの熱帯の国なだけでインドって決まったわけじゃないぞ?」

緋沙子「大丈夫だろssだし。それにスパイスが盛んてなんだ?」

タクミ「ちょっと待て逃げるつもりか幸平!」

創真「いや、今400㏄未満のバイク探してるからイタリアはまた今度な」

タクミ「アプリリアのRS50があるじゃないか!」

緋沙子「2stは無しの方向になったからもう無理だな」

タクミ「くっ!それじゃあRS4-125はどうだ!?」

創真「高くて買えねえよ」

タクミ「じゃあじゃあ・・・」

緋沙子「そもそもイタリアでまともなバイクメーカーなんて無いに等しいだろうが」

タクミ「世界のドゥカティがあるじゃないか!」

緋沙子「あんなわけのわからん中途半端な排気量の物ばっか作ってる会社など知らん」

創真「そうそう、それになんだよ1299panigaleって排気量をサバ読むのはこの業界じゃよくあることだけど1285㏄ってお前何がしたいんだよ?」

緋沙子「川崎のZX-6Rの636cc版並に訳がわからん」

タクミ「そ、それは公道を走るにあたって中低回転のトルクを稼いでより街乗りをしやすくるために」

創真「スーパースポーツに乗りやすさ求めるくらいなら乗んじゃねえよ」

緋沙子「全くだ。899panigaleも同様にさっさとナナハンにしてSSTに参加しろ」

創真「くだらねえ意地張ってんじゃねえっての」

タクミ「くっ・・・!」

創真「さて、この調子じゃ葉山は出てこなささそうだからこっちから向かいに行くか」

緋沙子「突然お邪魔して問題ないだろうか?」

創真「大丈夫だろ。美味いクッキー出してくれるぜきっと」

緋沙子「ならいいのだが」

創真「ところで薙切はどうすんだ?」

緋沙子「あれを見ろ」スッ

恵「・・・」

えりな zzz

創真「おーまるで猫みたいに田所の膝の上で寝てんな」

緋沙子「せっかく寝ているのだ起こすのも何だろう」

創真「そっか」

緋沙子「ところでインドのバイクで中型となるとLMLくらいしか思い浮かばないんだが」

創真「それを葉山に聞きに行くんだろ?」

緋沙子「そうか、なるほどな」

創真「そんじゃあ田所あとよろしくー」

緋沙子「よろしくお願いします」ペコリ

タクミ「待て幸平!NCRのMillona16はどうだ!」


創真「中型って言ってんだろうが!話聞け!」

タクミ「クッソ!なんてことだ!」

恵「・・・」

恵「こうして後に残ったのは膝の上に薙切さん」

恵「床に四つん這いになって悔しがっているタクミくん」

恵「状況に追いつけなかった私だけとなった」

えりな zzz

恵「・・・」

恵「どうしてこうなったべさ?」

えりな「んふふドーナッツ」zzz

恵「重い」



御粗末

お疲れさまでした

最後に一言添えさせていただきますと夏冬問わずにバイクを乗る際にはフルフェイスに長袖長ズボンで乗りましょう

革ツナギなら言うことなしです。ヘルメットもフルフェイス以外は顎から下が事故を起こした際になくなってもしょうがないと思ってください

では最後までお付き合いありがとうございました

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