【艦これ】提督「那智のプライドを徹底的に打ち砕く」 (109)

ーとある鎮守府ー

チュン チュン……

提督「zzZ……もうたべりゃれない……」



那智「起きろ貴様ーーーーーーーーーーー!!!!!!」ガンガンガンガン!!



提督「ななななんだ! 敵襲か!!」ガバッ

那智「何時だと思っている!? 〇六〇〇、とっとと起きて執務を始めるぞ!」

提督「えぇ……でも始業は〇八〇〇からじゃ……」

那智「それまでに各施設の解放及び点検があるだろう! さっさと軍服に着替えて飯を食べろ!」

提督「ふぁい……」ファ~

那智「返事は『ハイ!!』だ!! それでも上官か!!」ピシッ

提督「ハイイイイ!!」




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………………

提督「(……オレの嫁さんは厳しい。めちゃくちゃ厳しい)」

那智「それでは本日の執務を開始する。まずは昨日大本営に送った沖ノ島沖哨戒の報告に対する返答だが――」

提督「(元より那智は軍人らしく規律を重んじる性格だった。だが大きな任務を終えて帰った時、彼女がMVPに認められた時などは、晩酌を交わしたり多少の羽目を外すくらいの気のおけなさがあった。そんな風にずっと一緒の歩むうちに彼女に惚れた俺は、もっと心打ち解ける仲になるべくケッコンカッコカリを申し込んだのだ)」

那智「――つまり大本営としては、我が鎮守府に継続的に哨戒を行わせる方針が――」ペラペラ

提督「(……が、ケッコンしてからというもの『一海軍司令官の妻となった以上、これまでよりさらに厳格な補佐官として精進せねばならん』とかなんとか言い出した那智は、鬼軍曹のように厳しく俺の勤務態度、私生活の規範を取り締まるようになってしまった)」

那智「――おい、聞いてるのか貴様?」

提督「は、はい!! 今日の天気は快晴であります!」

那智「寝ぼけるな! ええい、歯を食いしばれ! 私が目を覚ましてやる!」ガタッ

提督「えっ、ちょっと待――はぶぅン!!」バチィン

――食堂にいけば……

提督「カツカレーうめぇ」モグモグ

那智「こら、ほおばって食べるな! 行儀が悪いだろう!」

提督「だって足柄のカツ美味しいし……」ハムハム

那智「そんなだらしのない顔を部下に見られたらどうするんだ!? ほら、こぼれて軍服にカレーがついてるではないか! 白いんだから目立つんだぞ! それにもっとよく噛んで食べないと消化がだなー!」ガミガミ

提督「ふぇい……」



――甘味処にいけば……

提督「間宮さーん、デラックスパフェを」

那智「普通のアイスクリームを一つだけ」

提督「アイエエ!? ナンデ!?」

那智「昨日も夜中に隠れて羊羹を食べていただろう! 毎日毎日菓子ばかり食いおって! 大体軍の司令官がデラックスパフェなど恥ずかしげもなく頼むな! 贅沢だぞ!」

提督「お前だって昔は『あ~ん』してあげたら嬉しそうに『お前に食べさせてもらうと甘さもデラックスだ……なんてな///』とか言ってたじゃねーかよ!!」ギャース

那智「な、それは、昔の話だ! 今そんなことをしたら鎮守府中の笑いものだろうが! 少しは今の自分の立場というものを考えろ!!」ギャース

間宮「……あのー、結局ご注文は?」



――寝床にいけば……

提督「那智……今夜は寝かさないぜ」キリッ

那智「すまんが明日は連続で出撃する予定なのでな。というか貴様も提督なのだから私の出撃計画くらい把握しているだろう。疲労をためるわけにもいかんし今夜はパスだ」バサッ

提督「えっ」

那智「zzZ……」

提督「…………構うかァ!!」バッ

那智「ぬん!」ドゴッ

提督「アッフン!」轟沈

………………

提督「も う 我 慢 の 限 界 だ !!」

提督「俺はもっと気軽に那智と暮らしたいだけなのに!! いったいなぜこんな生活を強いられているんだ!!」

提督「もうゆるっさねぇからな那智よぉ……こうなったら俺がお前を調教してやる!」

………………

――――――

―――



ー鎮守府 秘密の地下室ー

那智「――……んぅ、こ、こは?」パチ

提督「――みなさん、ご無沙汰しております。妙高型2番艦 専属調教師の提督と申します」

那智「貴様……? 何を……ん、な、なんだこれは?」ジャラ

提督「起きてるかお前? オォン? おお良いじゃんかよその手錠。似合ってんぜ?」

那智「貴様、なんのつもりだ!? 私は任務を終えて、入渠していたはずでは……!」

提督「おぅ、俺が連れて行くっつってな。大破して気絶してたお前をここに連れてきたってわけだ」

那智「何を考えている? さっさとこれを外せ! 足まで縛り付けおって……!」ジャラジャラ

提督「まだわからねぇのかぁン? 今からお前、俺の犬になんだぜ?」

那智「遊びのつもりか? 今なら許してやるぞ」

提督「――いまからお前のプライドを粉々にする」

那智「……な、に?」

提督「『那智のプライドを徹底的に打ち砕く』……こう言ったんだぜ、なっちゃん」

那智「誰のことだそれは」

提督「お前じゃい!」

提督「いつもいつも俺に偉そうなこと言いやがって……従順になるまでやるからなオイ?」

那智「下らん。何が目的だ?」

提督「もっとイチャつきたい」

那智「……は?」

提督「お前厳しすぎィ!! なんだよケッコンしてから急に厳しさ倍増しちゃってさぁ! 俺はもっとなっちゃんと心穏やかに過ごしたいんだよォ!」ダンダン

那智「っ……し、仕方ないだろう! 私はお前と結ばれた唯一の艦なのだぞ! 私がしっかりしていなければ、他にもお前を慕っていた連中に示しがつかんのだ!」

提督「それは正論! でも俺たちの個人的な感情はどうなるんだよ!?」

那智「我々は軍人だろう! 個人の感情より軍の団結を優先すべきだ!」

提督「畜生!! 何一つ言い返せねぇ!! お前は本当に立派な艦娘だ!! ケッコンしてよかった!!」

那智「ならこの手錠を外せ!」

提督「嫌だ!」

那智「……そんなに私と馬鍬りたければ、今度時間を作って相手をしてやるから」

提督「……ほんとぉ?」

那智「あぁ。それも妻としての役目だからな」

提督「やったぜ。」

那智「だから手錠を外せ」

提督「嫌だ」

那智「なっ……!」カチン

提督「那智と公にイチャつけないのは別として、前々から思ってたんだよ。お前はちょっと我慢しすぎなんじゃないかって」

那智「どういう意味だ」

提督「お前は自分の欲求を抑え過ぎだ。さっきも言ってたけど、自分と軍を天秤にかけたら、脊髄反射的に軍に意志を傾けるだろう」

那智「む…………」

提督「そのプライド……立派だと思う。そういうストイックなとこに俺が惚れこんだのも事実だ。でもな、それだけじゃいつまでも『那智自身』の幸せにならないと思うんだ」

那智「私の……」

提督「自分の好きな時に起きて、自分の好きな時に好きなものを食べて、自分の好きなことをして、好きな人と愛し合う……周囲の目や不和を気にするプライドがある限り、那智はこんな生活をすべて我慢して経験しないままだ。俺としてはもう少し、人並みの幸せを知ってほしいと思う。お前は俺の妻で……俺が一番愛する人なんだから、さ」

那智「……提督……」

提督「だから調教する」ピシッ

那智「まて、その帰着は何かがおかしい。なんだその鞭は」

提督「お前の培ってきた誇りとか恥じらいの意識を取り除くには一筋縄じゃいかんだろうからよォ……まぁ安心しろ。段々気持ちよくなってくるぜこれが」ピシッ

那智「断る! くっ、外せ!!」ガシャガシャ

提督「逃げようとすんじゃねぇよ~。ここは工廠のさらに深くにある誰も知らない倉庫なんだぜ~? 助けなんかこねぇんだよぉ~」

――調教第一日目

提督「まぁ俺もいきなり鞭打って躾けようなんてマネはしない。ところで那智」

那智「……なんだ」

提督「今日は連続出撃で大破するまで頑張ってきたみたいだな。褒めてやるぞ~」ナデナデ

那智「あぅ……よ、よせ! 別に褒められるようなことはっ……」

提督「じゃあなんで顔をそむけるんだ? ホントは嬉しいんだろ? 『提督、よろしくお願いします』って言ってみな!」ペチペチ

那智「ふん、誰が言うものか!」

提督「なんだお前その顔は……反抗的なツラしやがって」ペチペチ

那智「褒めるくらいならさっさと入渠させろ」ツーン

提督「マジムカつくな~コイツは……口もふさいでやるか~?」グイッ

那智「っ……ん、んむぅ!?」ムチュ

提督「……んぷはぁ。久しぶりの那智の唇だぜぇ。たまんねぇなオイ?」

那智「っこの……ムードの欠片もないな。変態め」

提督「おっ、なっちゃんはムードのある接吻をご所望でしたかな? んん?」

那智「……」イラッ

提督「さて那智さん、出撃後腹減んないっすか?」

那智「……別にこの程度、問題ない」

提督「まずここにさぁ……鶏肉と竹串、あんだけど」スッ…

那智「!!!」

提督「焼いてかない?」

那智「七輪と団扇まで……そんなものどこにあった?」

提督「ここ古い倉庫だからな。ごちゃごちゃと色んな道具置いてあんだよなぁ……さて、どうする? 食いたい?」

那智「……ふ、そんなものでこの那智を釣れると思っているのか?」

提督「しょうがねぇな……じゃあ俺が食うか」

那智「!!」

提督「炭火を起こして、鶏肉を串に……あぁ~いい肉だねぇ。モモに皮、砂肝。おっとボンジリまであるぞ」

那智「っ……」

提督「鳳翔さん秘伝の特製タレを刷毛で塗って……焼いていきましょうね~」ジュジュジュ

那智「くっ……」

提督「あぁ~いい匂い……那智も嗅ぎたいだろ? ほらほら」パタパタ

那智「(う……炭火の香り、脂とタレが溶けあった濃厚な甘い色と音…………い、いかん! これは奴の罠だ!!)」

提督「いーい色になってきましたよ那智さん! さて刷毛でさらにタレを塗って、じっくりと」ジュジュジュ

那智「(負けん……この程度の誘惑には!)」

提督「んん~……いい感じに焼き目もついてきた。そろそろ食うか」ホカホカ

那智「……!」

提督「まずはモモから……ほふ、ほは。んん~! 柔らかい! そしてジューシー! 鳳翔さん特製タレの甘辛味と合わさって最高だ!」

那智「……いちいち解説するな」

提督「いやぁだってホントに美味いんだよ! やっぱり焼き鳥はいいよな~。焼き立てでまだ熱い肉汁が滴ってるんだぜ? おら、見ろよ見ろよ」ホコホコ

那智「……」ジュルリ

提督「涎垂らしてんじゃねぇぞお前オォン?」

那智「!! こ、これは……」

提督「あーんして」

那智「えっ」

提督「ほら。あーんだよ」

那智「……………………」アーン

提督「焼き鳥だからな? 串から肉を抜くように横から食うんだぞ?」

那智「っ………」イー

提督「ほれ」ベチョ

那智「!? あつ、あっふ!」

提督「ほらほら早く肉抜かないと~」グイー

那智「ぐ、あふっ、ほふっ! んぐ……」モグモグ

提督「あーあー頬っぺたにタレが付いちゃって……美味しいか?」

那智「は、ほふ……あぁ、鳳翔のタレだからな。貴様が焼いたというのが癪だが」モグモグ

提督「口の減らねえ奴だなぁ~んっとによぉ~」

提督「さて……あ~砂肝もうめぇなぁ。こりこり食感が食欲をそそる」

那智「……」

提督「……那智。あーんしてみ?」

那智「……くっ……」アーン

提督「目、閉じてみな?」

那智「ん……」パチ

那智「…………」

那智「………………」

プシッ

那智「?……………………?」パチ

提督「んぐんぐ……あ~ビールとボンジリ気持ちいぃ~♪」ゲフッ

那智「!!? き、貴様、何を」

提督「あ? 焼き鳥っつったらビールっすよビール! キンキンに冷えてるゾ~?」

那智「う……なぜ私に食べさせない!?」

提督「ん? 俺『あーんしてみ?』って言っただけだよ? あげるなんて一言も言ってないよ?」

那智「なっ……こ、この腐れ根性の卑劣漢めが……!」

提督「やだなぁ、俺は普通に飯を食ってるだけなのによぉ~。別に那智に食べさせてもいいんだぜ? ただし……」

那智「な、なんだ……」

提督「『お願いアナタ。アーンして食べさせて』って俺におねだりできたらな」

那智「ばっ……言えるかそんな甘ったるいことを!!」

提督「じゃああげない」モグモグ

那智「あっ……!」

提督「あぁ~うっめぇな~ビールゥ」ゴクッ!ゴクッ!

那智「く……ぅ……」

提督「……そーれ、ジューシーな鶏皮だぞ」ホカホカ

那智「!」アー

提督「あげない」ヒョイ

那智「ッ!!」ガチン

提督「ほらほら早く言わないと俺が全部食べちゃうぞ~?」モグモグ

那智「…………フ、よかろう」

提督「ん?」

那智「貴様がそういうつもりならとことん付き合ってやる。私は絶対貴様の狡い誘惑になど屈さぬがな」

提督「あ、ふーん……そう。まぁそれは別にいいんだけどぉ~……」

那智「……?」

提督「俺知ってるんですよぉ~?」

那智「な、何の話だ」

提督「那智さんが管理してる、間宮券と伊良湖券の枚数台帳…………あれ『架空』でしょ?」

那智「! そ、そんなわけないだろう!」

提督「しらばっくれなくてもいいじゃないですかぁ~。誰にも気づかれないうちに毎回毎回ちょっとずつ枚数改竄して、毎回毎回チケットを溜め込んでたわけだぁ?」

那智「……何の話だかわからんな」

提督「俺、調べちゃったんですよ。みんなに配ったチケットの枚数と、実際に支給されていた枚数…………全然違ったんですよねぇ?」

那智「!! そ、それは、その……」

提督「アッハッハ……まぁ那智さんがその分俺にも甘味を奢ってくれてたわけだから、俺は別に怒ってないんですよぉ? ただ那智さんがあんまり頑固な態度とっちゃうんなら……俺って結構、怖いですよ?」

那智「ま、待て! わかった! わかったから!」

提督「ほう? じゃあ……言ってみな?」

那智「…………お………………っく……」ブルブル

提督「やれやれ、これじゃせっかく積み上げてきた信頼が台無しだぁ……」スッ

那智「待って! 言う! 言うから……もうあんなことしないから!」

提督「何を言うんだ?」

那智「…………お、ねがい」

提督「もっと声を出してホラ」

那智「お、おねがいアナタッ! あ、あ、アーンして…………食べさせて……」ブルブル

提督「(……あぁ^~)」

提督「よかろう。ほら、あーんしてごらん? 那智」

那智「…………んぁ。むぐ……」モグモグ

提督「よぉーしいい子だなぁ……やればできるじゃないか。ほら」ヒョイ

那智「……んぁ」

提督「『私は本当は甘いものが大好きな悪い女です』」

那智「え……」

提督「言うんだよ」

那智「……わ、私は、本当は甘いものが、大好きな……悪い女です」

提督「『酒癖も悪く偉そうなことばかり言ってきましたが』」

那智「酒癖もわ……ま、まて! 酒癖は貴様の方が悪いだろう!」

提督「なにぃ?」

那智「貴様はバレていないと思ってるんだろうがな。先週の酒の席で酔いつぶれた羽黒に襲いかかったそうじゃないか?」

提督「……ななななななななんのこったよ(すっとぼけ)」

那智「私が貴様の上官としての面子を保つために敢えて見逃してやってほしいと頼み込んだから、姉たちも見て見ぬふりをしたのだ。それを棚に上げて貴様は……!」

提督「うるせぇ! 那智が相手してくれねぇからこっちだって下半身がビンビンでいらっしゃったんだよ!」

那智「フン、そんな理由でほかの艦娘たち……あるいは上層部が納得するのかな? 近年増加する海軍司令官の風紀の乱れ……提督殿に対する罰則はさぞ厳格化する流れにあろうな?」

提督「……」

那智「……」

提督「……お互いバレたらまずいですよねぇ? だからこれはそう……取引ですよ那智さん」

那智「別にかまわんが? そら言ってやろう。私『も』酒癖が悪く偉そうなことばかり言ってきましたが?」

提督「……『その焼き鳥を食べさせてくださいお願いします』」

那智「その焼き鳥を食べさせてくださいお願いします。そら言ったぞ」

提督「(ぬおおおおおこんなはずでは……!)オラ! ちゃんと二本咥え入れろよぉ~!?」

那智「言われずとも」モグモグ

那智「で、いつになったらこれを外す気だ?」ジャラ

提督「外さねぇよ? 従順になるまでやるっつったろぉ?」

那智「私はすでに重巡洋艦だ。外せ」

提督「屁理屈言うんじゃねぇ! まぁ今日のところはこれくらいにしといてやるが……明日からは基本的なSMプレイをお見せしてやるからな? ちょっと眠ってろお前」

那智「フン、毎晩添い寝をせがんでくる貴様が一人で寝られるのか?」

提督「うるせぇ!」バタン!






提督「……」

提督「……やっぱ寂しいかも」



――調教二日目

ー秘密の地下室ー

那智「ZZzz……」コクリ コクリ

ザッバァ!!

那智「ッぶぁ!!? ぶっほ……な、なんだ!?」

提督「おはようマイハニー」

那智「き、貴様……ん? 昨日の損傷が……」ツルッ

提督「高速修復剤ぶっかけた。傷は完全回復だ」

那智「フン、ようやく解放する気になったか。やはり昨晩は寂しくて眠れなかったのか提督殿?」

提督「そうだよ。だから今からその寂しさを埋める」

那智「なに……?」

提督「さて今回用意したものはこちら」ドン!

那智「なんだそれは……姿鏡か? そんな馬鹿でかいものをわざわざ持ってきたのか」

提督「……調教にまず必要なものが何かわかるか? それは『反抗心』だ。最初から従順な者に調教など施す必要がない。肉体はされるがままでも心は抗おうとする……そんな人材としてはお前は最高の素質があるってことだな、那智」

那智「博識ぶった口を……何が言いたい?」

提督「つまりだ。その抗おうとする心さえ折ってしまえばいいんだよ……そしてそのために最も有効な薬は、『羞恥心』。この鏡はお前の羞恥心を映し出してくれる道具ってわけだ」

那智「……どうせ下らぬことを考えているのだろう。さっさと終わらせろ。そしてこの手錠を外せ」

提督「まま、そう焦んないで。まずは今の自分の姿をじっくりとみてもらおうか」

那智「(……傷は治っているが、直に修復剤を浴びたせいで体が濡れ鼠だな。服が、肌に張り付いて……)!!!」

提督「気づきましたかぁ……? いま那智さん……下着つけてないでしょ? 俺、昨日のうちにこっそり剥ぎ取っておいたんですよぉ」←(那智ブラ&パンツ)

那智「こ……いつの間にっ……!」

提督「乳首……おっとついでに下の毛も、ばっちり服の上から見えちゃってますよぉ? アッハッハ……なんか芸術的」

那智「……ふ、普段から貴様には見せている体だ。今更この程度、なんてことはない!」

提督「確かに、夫婦になってから直に見る機会は多いけどな。でも普段鎮守府内を歩いて回って……みんなに見てもらってる『軍服姿の凛々しい那智』が、綺麗な乳首まで見せちゃってるんですよ? これって、勲章ですよ……」ジロジロ

那智「そ、そんな説明をするな! 小賢しいやり方だっ」

提督「ふーん……こうしてみると那智さんって……いいケツしてますよねぇ?」ナデリ

那智「!」ビクッ

提督「あれ? もしかして那智さん……お尻で感じちゃってるんですかぁ?」ナデリナデリ

那智「ふざけるな! 気安く触るんじゃない!」

提督「そう。わかった」スッ

那智「!……わ、わかればいい。こういう状況でなければ私は別に……」

提督「いんや。触るなて言われた以上は触らないことにする。見るだけにしとくわ」

那智「……? 何を考えている?」

提督「別に……今言った以上のことは何も?」

ウロウロ…

――十分後

ウロウロ…

提督「……」ジー

那智「……さっきから歩きながらジロジロ見るだけではないか。ネタ切れか?」

提督「ん? いや、そんなこと……ないよ?」ジー

那智「ふん、精々ない知恵を絞りだすがいい。普段だらしのない貴様が私の羞恥心など刺激できるわけがなかろう」

提督「……」ジー



――三十分後

ウロウロ…ウロウロ…

提督「…………」ジー

那智「……おい、何か話したらどうだ。いい加減ただ見られるのもうんざりなんだが」

提督「大丈夫だよ。修復剤ってのは後の予防のためなのか中々自然には乾燥しないようにできてるらしいから、あと5・6時間くらいはびしょ濡れのままだし……保温性も高いから風邪も引かん」ジー

那智「そんな情報は要らん。貴様が何もしないのならさっさと解放しろ。夫の酔狂にいつまでも付き合うつもりはない」

提督「……人が『恥』を感じる理由って知ってる?」ジー

那智「……?」

提督「他人の『視線』なんだよ。自分は誰かに見られている、そう思った時に人は自分を悪く見せないように格好つけるらしい。逆に言えば、他人の視線が気になる奴ほどプライドが高い証拠ってことだ」ジー

那智「ほう……たまには理にかなったことを言うものだ。それがどうした?」

提督「今のお前、ビデオカメラでずっと撮ってるから」ジー

那智「……え」ピク

提督「気づかなかった? この姿鏡の側面、隠しカメラがついてるんだよ。青葉から没収しといたのがこんな時に役立つとは」ジー

那智「そっ――まさか貴様!?」

提督「別にどっかに生放送してるわけじゃないぜ? 大丈夫だって安心しろよ」ジー

那智「私の痴態を撮って……どうする機だ!?」

提督「そうだなー……お前のことを尊敬している駆逐艦の子達に今のお前の姿を見せると、どうなるんだろうな?」ジー

那智「……そんなものを公開した時点で貴様の人生は終わりだ。私だって……」

提督「なーんて冗談だよ……お前のこんなきれいな姿を他のヤツに見せるわけないだろ? お前のこの、感度のいいケツも!」パシン!

那智「ぅあっ!?」ビクッ

提督「綺麗なおっぱいも!」モニュ!

那智「ぁくっ!!」ビクンッ

提督「そうやってエロい声で喘ぐ口もッ!」ムチュ

那智「んふぅっ!?」チュウウゥ

提督「はぁ……お前が本当に見せたい相手にだけ見せればいいんだ……」ナデリ…

那智「っは……はあ、ぐ……!」

提督「ま、俺は見せたくなくても見るんだけどな」ジー

那智「っし、趣味が悪いぞ!」

提督「お前を選んだ俺の趣味は最高だと思うぞ? こうしてお前の体を見ているとなおさらなぁ……?」ジー

那智「……よ、よせ……そういうのはっ……」

――1時間後

ウロウロ… ウロウロ…

提督「……」ジー

那智「……お、おい」

提督「なに?」ジー

那智「いい加減胸ばかり観察するのをやめろ……」モジモジ

提督「じゃ胸はやめる」ジー

那智「あ、だからと言って下を見るな! 下はダメだ!」モジモジ

提督「なんで?」ジー

那智「なんで、って、そんなところ、見るものじゃない……っ」モジモジ

提督「あのさぁ……心なしか那智の股間がヒクヒクしてる気がするんだけど」ジー

那智「そ、それは……」モジモジ

提督「トイレかな?」ニコッ

那智「! ……あ、あぁ……そうだ。昨日から貴様のせいでこのままだからな」

提督「いいよ、別にしても」ニコ

那智「やけに素直だな…………まさか尿瓶に出せなどという気ではなかろうな」

提督「まさかぁ。しませんよそんな下世話なこと」ニコニコ

那智「そうか……なら、早くこいつを外してくれ」ジャラ

提督「外さねぇけど?」ニコニコ

那智「……ぁ?」

提督「外さねぇけど?」ニコニコ

那智「呆けるな! 外さねば便所に行けんだろうが!」

提督「だから、別にしてもいいよ? ここで」ニコニコ



那智「……っば、馬鹿を言うな!! 汚れるだろうが! 早く外せ!!」

提督「汚れたら拭いてやるから。俺と那智の仲だ、キニスンナ」

那智「そういう問題ではない!!」

提督「じゃあどういう問題?」

那智「だから!! ……そういうのは、人前ですることではっ」モジモジ

提督「だから俺は気にしないって~」ニコニコ

那智「私が気にするのだ!!」

提督「へぇ……つまり恥ずかしいわけだな? いいこと聞いたっぽい~」スッ

那智「まっ…………何だ、それは」

提督「これ? 毛筆。書類仕事でもよく使ってるじゃん」

那智「そんなもので何………………………っ」ピクン

提督「察しの良い奴は好きだぞ那智。想像するだけで跳ね上がるなんて、やっぱ好きなんすねぇ~」チョイチョイ

那智「や、やめろ! 今それをやったら本当に洒落にならん! ほかの頼みなら何でも聞いてやるから!!」

提督「……へぇ~、何でも聞いてくれるんだ?」

那智「そうだ! なんでも聞く! なんなら性的なことでもやってやる! だからそれは止せ!!」

提督「まず那智さぁ。勘違いしてるみたいだけど……」

那智「な、何をだ……?」

提督「“頼む側”なのはお前の方なんだよなぁ」

コショ

那智「あはぁあっ!?」ビクン

提督「首筋だけでこの反応。敏感肌すねぇ~」

那智「くっううぅ……! やめ、やめろ、本当にそれはダメだ……!」

提督「まぁ俺だって鬼じゃない。体の先から刺激してやっからなぁ~……手袋とブーツ、靴下は脱がして差し上げよう」スポスポ

那智「あ、あ、やめろ!! やめろと言ってるんだ!!」

提督「まだ反抗的な態度だなぁお前~。お仕置きしてやる!」サワサワ

那智「ふ、あっ、あん! あああぁっぁ手! 手は、あっあっはあっ」ジャラ! ジャラ!

提督「暴れんな! 暴れんなよ……いいぞ。次は足柄……じゃない。足からだ」コチョコチョ

那智「あああっめ、いやっ、やめ、やめろおおおおお!! ああっああんんあああああっ!!!」ジタバタ!!

提督「いてっ、暴れんなって! 蹴られる! 蹴られる!」サワサワサワサワ

那智「やめっ! やめてえええええ! はっああああ、ああぁぁ!!」ジタバタ! ジタバタ!

提督「それ、太ももにかけて最後の一発くれてやるよホラ!」コショコショコショコショコショ

那智「ダメ、だ、っめええ! いや、や、あああっひはああああああっあっああぁぁ!!」

チョロッ

提督「お」

那智「あっ、あっやめ、だめっあっ」チョロロ…

ピシャッ プシャッ シャアアアァァ……

提督「あ~あ~。あんなに我慢したのに……おしっこ出ちゃったなぁ那智?」

那智「っく、う……うぅ……う」チョロッ チョロッ…

提督「大丈夫。ちゃぁんとふき取ってあげますからねぇ……? はい、足上げて~」グイッ

那智「ふっぐ……ッ馬鹿者……最低だッ……ううぅ」ポロポロ

提督「生理現象なんだから、むしろ当たり前だよなぁ? でも頑張って耐えたんだなぁ……偉いぞ~なっちゃん。よーしよし」ナデナデ

那智「だまれっ……もう、満足だろう……さっさと外してくれ……」 

提督「外さねぇけど?」ニコ

那智「えっ……」

提督「外さねぇけど?」ニコニコ

那智「な、なぜだ……! もう充分だろう!」

提督「従順になるまでやるっつったよなぁ? お前さんまだ普通に俺に反抗できそうだから……あ、そうだ」

那智「!」

提督「那智さぁ……二日前まで便通がないって言ってたよなぁ?」ニコ

那智「……ま、待て、それは流石に、本当に汚……」

提督「ヘーキヘーキ。妻の下の世話くらい任しとけって。ヘーキだから」ニコ

那智「え、おい、貴様ほ、本気か……?」

提督「おし……じゃケツ出せぇ!」グイ

那智「やっ、待て! そんなこと今急に言われても出ない! 無理だ!」

提督「無理かわかんないだろ! なんだってお前はそうケツに対して根性がねぇんだ!」パシィン!

那智「ひたっ!? やめろ、尻を叩くな!!」

提督「やっぱりまだ元気じゃないか……さぁ妻よ、これを見よ」スッ

那智「それは…………なんだ……?」

提督「無知な那智ってのはカワイイねぇホントに。まぁそこがいいところでもあるんだが……これは俗に言うイチジクカンチョウや」キュポ

那智「!!」

提督「御託はいいな? よし、じゃあぶち込んでやるぜ!」

那智「ま、まって! いきな――んぐぅっ!?」

提督「いまね、お尻の穴の中に入ってるよ。わかる?」チュ~

那智「こ、こんなもの、入れて、大丈夫、なのかっ……? あっ」ビクン

提督「べつにいいっしょ(適当)」

那智「な、なんか……お腹の中、が……変だ……ぎゅるぎゅる、して」

提督「よし……じゃあ漏れないようにお尻の穴をきゅっと閉じておくんだ」

那智「う、く……」キュッ

提督「そう、いい子だねお前本当に……なかなか従順になってきたんじゃない?」

那智「ふ、ざけろ……誰が貴様みたいな変態に屈するものか……!」キッ

提督「(嘘でも『もう従順です』って言っとけば少しは楽になるかもしれないのに……ま、これならまだ耐えられそうだな)」←(楽にするとは言ってない)

――八分十秒後

那智「ぐっうう……!!」グルルル…!

提督「お、来たかぁ!」

那智「お、おい……本当に……するのか……? うっ……」ギュルルルル…

提督「あぁ。ここで俺に尻を向けたまま排便しろ。俺がちゃんとケツの穴から那智のウンチが出てくるのを見ててやる。しっかり撮影もしている。」

那智「……っ……くぅッ……!」

提督「(耐えてるなぁ……が、座薬入れて我慢できる便意でもあるまい。もはや那智に選択肢はないのだ)」

那智「……お、おい……」ガクガク

提督「ん?」

那智「こ、こんなことをしても……私は……貴様の、妻で、いて、いいのか……?」

提督「……那智」

那智「だって……き、汚いだろう……こんな……情けない姿をさらして……貴様とて、幻滅するだろうっ……」

提督「何言ってんだよ。いつか俺だって爺になったら、所構わずウンチ垂れ流すようになるかもしれないんだぜ? お互い見せるのが遅いか早いかだけの違いなんだよ」ギュッ…

那智「提督……うぐっ……!」ギュルルル

提督「お互い墓まで持っていく秘密を共有してる。だったらウンチの一つくらいなんだ……ウンチだって那智の一部なんだ。だから遠慮なくウンチしていいんだぞ」

那智「……そういう言葉を連呼するんじゃないっ……!」グルルル

提督「うんちくは似合わねえってか。困りましたねぇ」

那智「っ……も、で、出ちゃうっ……!」ブ ブビッ!

那智「!!」ギュッ

提督「なに、屁だって生理現象だ。思い切り出すんだ!」

那智「で、でもっ……く」ブリュ

提督「……ちゃんと全部出せたら、少し楽にしてやるからな? おら、ちゃんと気張るんだよ」パシィン!

那智「あいまっ! 叩いたら! あっ――」ボピッ

ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブブッチッパ!チチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! 

――ッポン!

那智「――っか、はぁっ、あっ、は、はぁはぁ……」クタ…

提督「おお……ドバーッと出たな。足にも少し付いちゃったなぁ」フキフキ

那智「あっ……き、貴様の体に飛ばなかったか……?」

提督「ちょっと手に付いたかなぁ……ずいぶん溜めてたんだなぁオイ?」

那智「す、すまん……」

提督「でもちゃんと全部出したんだな。おしっこもウンチも。偉いぞ~」ナデナデ

那智「(……くそっ……なぜ私はこんな異常な環境に拘束されて、めちゃくちゃに身も心もかき回されているのに……)」

提督「どうした? まだ出したいのか?」ナデナデ

那智「貴様、その撫でている手は……付いていないだろうな」

提督「ちゃんと拭いたよ~ホントホント。いい子だぁなっちゃんは……」ナデナデ

那智「(なぜ……私は今この状況に安心感を抱いてしまっているのだ……!)」


提督「さて……全部出したらちょっとだけ楽にしてやるって約束だったからな」ガチャ

那智「(あ……手錠が外れた)」

提督「那智も少しは俺の言うこと聞いてくれるようになってきたから」

那智「やっと終わりか……」

提督「終わらねぇよ? こんなんで済むと思ってんの?」ガチャン!

那智「おふっ……な、なんだこれは!?」ガチャガチャ

提督「見ての通り首輪だよ。そこの柱に鎖が繋いであるから逃げらんねぇからなぁ?」ジャラ

那智「……いつまで続ける気だ」ハァ

提督「おう、その余裕面が懇願の表情に変わるまでだっつーの。俺がいつまでもお前に優しくしてやると思ったら大間違いだかんなぁ!?」

那智「……好きにしろ」プイ

提督「頭にきました。今に見てろ~俺なしじゃ生きられない体にしてやっからなぁ~?」

那智「もう……なっている」ボソ

提督「ナヌ?」

那智「おい、先にこの床を綺麗にしてくれ。さすがにこれでは不衛生だ」

提督「おっ、そうだな」

那智「私は端っこで休む。掃除は『頼む』ぞ」

提督「(…………あれぇ~? おかしいな~思ってたのと違うぞ~?)」ゴシゴシ…

――調教三日目

提督「――悶絶艦娘調教も佳境に入ってまいりました」

那智「貴様……私がいない間の執務や艦隊の運用はどうなっているのだ?」

提督「那智は働き過ぎで休養を要するってことで、お前の穴埋めはほかの艦娘に任せてるよ。妙高型姉妹は根が真面目だからすぐ信じてくれたぜぇ~? へへへ……」

那智「思っていたより性格が悪いな、貴様」

提督「だが実際のところ最近のお前は心にゆとりがなかったのも事実だ。妙高達も心配していたんだぞ? 気づいてなかったろ」

那智「……で、この状況が休養だとでも?」

提督「補給をさせて、修復もして、排泄もきちんとさせた。すべて夫婦の共同作業で、だ。これが休養でなくてなんだというのかね?」

那智「そのやり方がおかしいのだ。今の貴様にはそんな恥も外聞もなかろうがな」

提督「そんなことはないさ。昨日の様子をほかの誰かに見せたくないっていう外聞くらいはあるぜ?」カチッ

  『ダメ、だ、っめええ! いや、や、あああっひはああああああっあっああぁぁ!!』
  『ピシャッ プシャッ シャアアアァァ…… 』

那智「あっ……悪趣味だぞ貴様!!」

提督「失礼な。こんな健気におしっこを漏らす那智を愛しく思う俺は良い趣味してるよホント」

那智「ほ……本当に誰かに見せたりしてないだろうな」

提督「見せたら俺も死ぬ。というか見せたくない。これは俺だけが知ってる那智なんだから……なぁ?」

那智「貴様……そんなに私から誇りを奪いたいのか」

提督「そうだよ。俺に対してだけはその意地っ張りなプライドを払拭してもらう。そのための調教だかんなぁ?」

那智「……暇人めが」

提督「で、昨日は視覚的に自分からも他人からも見られる恥ずかしさを思い知ってもらったわけだが」シュル

那智「今度は何――おい、なんで目を隠す?」

提督「今日は色んな感覚を奪われる体験をしてもらいますよぉ~? っていうかお前、目隠ししても反抗しなくなってきたな」

那智「別に暗闇など恐るるに足りん。夜戦のようなものだ」

提督「フーン。じゃ口も利けなくしてやる」ガチッ

那智「んふぉ! おい、あんあほえあ!?」モガモガ

提督「口枷だよ。呼吸はできんだろ? ついでに鼻にも洗濯バサミを挟む」

那智「ん! ふんーふんー!」ジタバタ

提督「取ろうとするんじゃねぇ! おらっ、服も全部脱ぐんだよ」ブチッ!

那智「ふー! ふー!」ジタバタ

提督「くそうここまで暴れるとは……縛らなきゃ!」


――百十四秒後


提督「おーおーいいザマだなおい。首も繋がれ手足も縛られ、できるのは俺の命令を耳で聞くことだけ……まるで犬だな!」

那智「ふんーむーうー!」

提督「何言ってるかわかんねぇ。ちゃんと人間の言葉使えよぉ~? あそうだ写真撮っとくか」パシャ!

那智「!! おーんー!!」

提督「あぁ~いいねぇ! 普段あんなに凛々しいなっちゃんがこんな無防備なあられもない姿になって、情けない喘ぎ声だして……恥ずかしくないんですかぁ?」パシャ パシャ

那智「あえおえいあおおおえう~!!」ジタバタ!

提督「(やばい……この絵面、想像以上に興奮する……)」

提督「さて、いまからお前には」
那智「んんん~~! いいあえんいいお~!!」ジタバタ!
提督「……犬のようにおr」
那智「おあいいんんん~! いあんおええおんんおお!! んあえんあ~!!」ジタバタジタバタ

提督「静かにしろオラァ!!」パチィン!!

那智「んあっ!!?」

提督「お前は犬なんだよぉ! 俺はお前のご主人様だ! 言うことをきくんだわかったかぁ!!」パチィン!

那智「ふあっ!!」ビクッ

提督「わかったのかって聞いてんだYO!!」パシィン!!

那智「あ!! ああっは! あはひはひは!!」コクコク

提督「よぉし……言うことをちゃんと聞く子は好きですよぉ~?」ナデナデ

那智「ん……っ」ビクビク

提督「じゃあ……試練を与えましょう」ジャラ

那智「……?」

提督「今、お前の首輪だけを外した。今からお前は目も見えない鼻も利かない状態で、離れたところにいるご主人様を見つけ出すんだ。わかったか?」

那智「んん……ふー……」コク

提督「よし。周りに危ないものは置いてないから安心しろ。ただし……もし出口を探そうとなんてし始めたら……わかってるな?」パチィン!

那智「んふ!? うん! うん!!」コクコク

提督「良い子だねぇなっちゃんは。さて、じゃあご主人様はちょっと向こうへ行っちゃいますよぉ?」スッ

那智「ん……」ハァハァ

提督「那智ー。こっちだぞ」

那智「! ん……んっ……」ズリズリ

提督「芋虫みたいに必死に這いずってきてくれちゃって……那智は可愛いなぁ」

那智「んふ……っ、ふぅ、ふぅ」ズリズリ

提督「ほら、もう少しだ。こっちこっち」

那智「んー……んっ、ふぅ! ふぅ! んっ!」ズリッ ゴン

提督「よーし、よくここまで来れたな。偉いぞ~流石は妙高型二番艦だ」

那智「!……っふ、うぅ……」フー フー

提督「じゃあ、ご褒美だ。俺を見つけるたびに少しずつ体を自由にしてやろう。まずは手だけな」シュル…

那智「!」

提督「『ありがとうございます』は?」

那智「え……ぁ、あいあほ、ほはいあふ……」

提督「そうそう……ご主人様にはちゃんとお礼を言うんだぞ。こんなにだらしなく涎垂らしちゃって、しょうがない子だなぁ?」フキフキ

那智「んふぅ……んん……」ドキドキ

提督「さてもう一度だ。今度はちょっと遠くに行くからな~?」

那智「……んふ……んぅ」ハァハァ

ナチー コッチー

那智「!」ペタペタ

コッチダヨー

那智「!? んん……」ペタペタ

ナチー コッチコッチー

那智「ふあ……おほ? おほいいんんあ……?」

イイヨ! コイヨ!

那智「へえほふ! おほあ!?」ペタペタ…



提督「(俺が歩き回って動いてることに気づかず、声だけを頼りに四つん這いで必死にはい回る那智……最高やな!)」

那智「ふぅ、ふぅ……」ハァハァ

提督「なーっちゃん。ここ」

那智「! ふっ……んぅ!」ペタペタ ゴン

提督「提督、大発見! よーしよし、よく見つけてくれたな~。お前も嬉しいダルルォ?」ナデナデ

那智「んほ……ほぇ」ポタ…ポタ…

提督「またこんなに涎垂らして……だらしねぇな?」フキフキ

那智「あふ……ふあん……」

提督「那智もこんなに頑張ったんだから、提督サービスして足と口を両方解放しちゃうよ」シュルシュル

那智「ん、ぶあ、ずずっ、んく……はぁはぁ」

提督「……何か言うことは?」

那智「……あ、ありがとうございます」

提督「そうだ……お前は良い犬だな?」

那智「……」

提督「返事ィ」

那智「は……はい」

提督「何? 俺は『お前は良い犬だな?』って聞いてるんだよ」

那智「はい……」

提督「『お前は良い犬だな?』って聞いてんの!!」パチィン!!

那智「は、あ、わ、私は、良い犬で、す」ビクビク

提督「んっふっふ……『わん』って言ってみな?」

那智「な……」

提督「あ?」

那智「……わん、わん」

提督「おぉ~。いいねぇホントにいい犬だねお前は。じゃあもう少し頑張るか?」

那智「い、いや……」

提督「なんで犬が人の言葉しゃべってんだぁ? おかしいだろぉ?」

那智「……わん」

提督「そうかそうか。頑張るか?」

那智「わん……」

提督「じゃあ首輪つけてやる。犬はその方が安心するもんな?」

那智「…………わん」ジャラ

提督「良い犬はな~……呼ばれなくてもすすんでご主人様のところまでくるもんだ。そうだろ?」

那智「わん……」

提督「そこの柱にな、鎖を繋いでやるからな。目隠ししたまま俺のとこまでくるんだ。そしたら鼻も解放してやるからな?」ジャラ

那智「目は……いたっ!?」パチン!!

提督「誰が声出していいつったオラァ!? 犬が勝手に吠えちゃダメだろぉ!?」

那智「わ……わん」

提督「無駄吠えは躾けなきゃダメだな? じゃあ俺がおいでって言ったら来るんだ。それまで『待て』できるな?」

那智「わん」

提督「よぉしいい子だ。ちょっと待ってくださいよぉ……」

那智「……」

提督「……」

那智「…………」

提督「……よし、おいで那智」

那智「わ、ん…………」ペタペタ ジャラ

提督「おーよしよし……見えないってのは怖いねぇ? んん? 怖くない? いいよ普通に言ってごらん?」

那智「こ、怖い……です」

提督「そうかそうか。でもな、俺がよしよししてるときは大丈夫だからな? 那智が良い子にしてくれたらたくさんよしよいしてあげるからな」ナデナデ

那智「はい……ありがと、ございます」

提督「いやいい子になってきたねぇ……じゃあ次はこのボーキサイトを投げるからな? ちゃんと『口で』持ってくるんだぞ?」

那智「は……わん」コク

提督「それっ!」カコォン

那智「っ……」ペタペタ

提督「そうだ。口で咥えんのが犬の特権だよなぁ?」

那智「……はむっ……ふっ、ふっ……」ペタペタ

提督「欲しいか? このボーキサイト。欲しけりゃ食っていいぞ」

那智「……あむ」

提督「おいおいおいおいおい犬の分際で手なんか使っちゃうわけ? まだお仕置きが必要みたいですねぇ~……」パチィン!

那智「ひ……むぐ! むぅ!」モグ

提督「そうだよ、犬なら床に置いて口で食べなきゃ。これこそ犬の食通だな!」

那智「ふっ……うぅ……」ポロポロ

提督「……那智、そろそろ目隠し取ってほしいか?」

那智「……わん」コク

提督「お願いしてごらん。普通にしゃべっていいから」

那智「……目隠しを取ってください」

提督「『お願い』してごらん?」パチィン!

那智「いたっ……取ってくださいお願いします」ポロポロ

提督「よかろう」シュル…

那智「……うぅ……」ポロポロ

提督「泣いてても可愛いなぁ那智は……ほら、ちゃんといい子にできたからな。よしよししてあげよう」ナデナデ

那智「すんっ……えっぐ……」

提督「なぁ那智……こいつを見てくれ。どう思う?」カチッ

那智「!!」

  『ふあ……おほ? おほいいんんあ……?」』
  『イイヨ! コイヨ! 』
  『へえほふ! おほあ!?』

那智「あ……え、えぇっ……!?」///

提督「こんなに頑張って俺のこと探してくれてたんだよ? 嬉しいぜ」

那智「わ、わた……こんなの……け、消してくれ!」

提督「へぇ……犬なのにご主人様に命令するのか?」チラチラ

那智「っけ……消してください、お願い……お願いします!」

提督「ふーむ……心がこもってない感じがするなぁ。どうしよっかな~……もうちょっと、犬っぽく言ってくれたらなぁ」チラチラ

那智「く……消して……ください…………わん」

提督「ん? なにを? 『犬の那智がご主人様を探している映像を消してください』って言ったの?」

那智「……犬の、那智……がご主人様を探している映像を、消して、くださいわん……」

提督「よかろう」カチッ ウィーン

那智「うぅ……ありがとうございます」

提督「だいぶわかってきたじゃないか。やればできる!」ナデナデ

那智「わん……」

提督「そんななっちゃんにはご褒美だ。明日ここから出してあげよう」

那智「! ほ、本当だな!」

提督「嘘はつかない。必ず出してやる。だからそれまであとちょっとだけ、その恰好のまま……『待て』はできるな?」

那智「わん!」

提督「良い反応してんねぇ! ホントに……提督はね、キミみたいな素直な子が大好きなんだよ!」

――その日の夜

那智「(……やはり、よく考えるとおかしい。いや考えなくても、今こんな場所で首輪をつけられて裸のまま放置されているというのは確実におかしい)」

那智「(正気になれ那智……あのような限定的かつ非日常的な環境に追い込まれて、一時の戦術的敗北をきしただけなのだ)」

那智「(ここは一つの戦場だったのだ! あの変態糞提督との戦いの場……私があのような……お、おかしな状態になったのも、精神的大破状態に追い込まれてしまっただけの話……)」

那智「(つまりこの環境から脱出し、普段から私の権威が保たれている鎮守府に戻れば、ここでの出来事はさながら産廃ペンギンのごとく闇に葬られるはず!)」

那智「(幸いにも奴は油断し、明日にはここから解放すると約束した……それだけは間違いない。あれで、交わした約束は何があっても守る男だ)」

那智「(あとは数刻の間、完全に奴の犬になった演技でもすればよい。一度状況が元鞘に収まれば、あとはどうとでもなる……奴にこれまでの仕返しをたっぷりとさせてもらおうじゃないか!)」




――提督’sROOM

提督「(……とか考えてんだろうな、那智のことだ。まだ心の底では俺に報復してやろうと息巻いてるに違いない)」

提督「(でも那智さん……大人の世界って、怖いですよねぇ?)」

――調教最終日

ー秘密の地下室ー

提督「やぁマイスウィートフラッグシップ。いい子にしていたか?」

那智「……わん」

提督「はっはっは、ずいぶんと殊勝になってきたじゃないの。俺の作戦は成功だったみたいだな?」

那智「(あまり急激に懐いても不自然に思われる……ほどほどに心折れた演技をしておくか)」

那智「ほ……本当にここから解放してくれるんだな?」

提督「もちろんだ。ちゃんと約束は守る……軍人として当たり前だよなぁ?」

那智「あ、ありがとうございます。じゃあ……お願いします」

提督「ただし、俺からも最後に一つだけ。一つだけ言うことを聞いてもらえるかな?」

那智「……どんな内容だ」

提督「今日は第一艦隊も朝から近海哨戒に出撃中、そのほかの艦隊もみんな遠征か買い出しに出払ってる。ここを出ても鎮守府は今、正真正銘もぬけの殻なんだ」

那智「……おい、ま、まさか……」

提督「相変わらず察しがいいねぇ。那智が元の服に着替えるまでの間だけでいいんだ。“今のその恰好”で……少しだけ散歩しないか?」

那智「(くっ……何かあるだろうとは予想していたが、まさか外まで出歩けなどと…………いや。こいつがそう言うならば間違いなく鎮守府は今現在無人なのだろう。ならばさっさと自分の服を取り戻してしまえばいいんだ。その後ならいくらでも状況をひっくり返せる)」

那智「…………約束だぞ。私が服を着たらその場でこの首輪も外してくれ……くださいわん」

提督「あぁ、約束するとも……では行こうか? なっちゃん」ジャラ…

ー工廠裏ー

ギィィィ……

提督「さぁ、この階段を上ったら工廠の裏側だ」

那智「……っ」

提督「おいどうした? 早く来ないか」ジャラ

那智「ま、待て……流石に、は、裸で外を出歩くのは、その、覚悟が……」ドキドキ

提督「しぶるのはいいですけどぉ、モタモタしてたら誰かが遠征から帰ってくるかもしれないですよぉ~?」

那智「う、ぐ」

提督「あとさっき誰もいないとは言ったけど、流石に別棟の防衛待機班は常駐してるからな? 外にいると誰かの望遠鏡に映っちゃうかもよ~?」

那智「そ、それを早く言え!! 本棟には誰もいないんだろうな!?」

提督「大丈夫だって安心しろよ。テイトク ウソ ツカナイ」

那智「な、なら早く行くぞ!」

提督「おいおい、散歩だぞ? 走っちゃ散歩にならないでしょうが……犬なら犬らしく、四つん這いで飼い主についてきなさい」ジャラ

那智「ぁぅ……ううぅ……」ペタン…

那智「(この変態め……戻ったら覚悟しておけよ……!!)」

ー鎮守府内ー

提督「なんだか新鮮だと思わない? ケッコンしてからお前は執務と出撃ばっかりで、ふたりっきりで鎮守府を歩くことって無かったよな~」

那智「新鮮だとも……こんなわけのわからない状態自体」ペタペタ

提督「あれ~? おかしいね、なんか今散歩してる犬がしゃべったような気がしたね?」

那智「……わん」

提督「こう、日常の中に非日常が入り込むと興奮するよね。いつも那智がキリッと姿勢よく歩いてる執務室前の廊下を、今は素っ裸で四つん這いになって歩いてる……なんか芸術的。そう思わない?」

那智「わ、んっ……」

那智「(は、早く……執務室にさえ戻れば……軍服さえ着れば……!)」ペタペタ

提督「――おっと、気づけば執務室に着いたな。さぁお入りなっちゃん。」

那智「!!」

バンッ!!



――執務室

提督「ははは、そんなに引っ張るなよぉ~トイレか?」ハハハハ

那智「(くっ……どこだ私の服は!? ここではないのか!?)」

提督「あ、もしかして服探してる? せっかちだなぁなっちゃんは。いいよ、手綱は外してやるから自由に歩いても」カチャ

那智「!」ダッ

提督「やー、それにしても今日もいい天気。港の様子もはっきり見えるね……よいしょ」ギシ

那智「(……ない! くそっ、隠されたか!? 寝室か!?)」バンッ!

提督「十○○○……そろそろ第六駆逐隊の子達が帰ってくる頃かなぁ?」

那智「(ない! ないぞ!! なぜだ!?)」ガサゴソ!

提督「お、帰ってきた帰ってきた。那智~いま第六駆逐隊が戻って――」

那智「どこだ!? 私の軍服をどこへやった!!? 教えろ早く!!」ガバッ

提督「屋上で干してるけど」

那智「………………な、に?」


提督「洗濯して屋上で干してるけど。取りに行ってもいいよ? もうすぐ暁たちが遠征の報告にここまでくるけど」


那智「な……馬鹿を言うな!! 取って――取ってきてくれ!! 早く!!」

提督「ふーん……そういう言い方しちゃうんだ」

那智「もうそんなことを言ってる場合ではない! もうお遊びは終わりだ!! あいつらが戻ってくるまでに――」

提督「俺は、ちゃんと約束したよ。お前が服を着たら首輪も外して解放する、と」

那智「それがどう、し…………」

提督「那智もさぁ……ちゃんと約束したよなぁ? 『元の服を着るまでの間だけ“今のその恰好で”散歩する』って」

那智「そ、それは――違う! 違うんだ!!」

提督「何が違うんだよ。ちゃんと説明してごらん。何か間違った約束をしていたなら俺もここでお前の首輪を外して服も取ってきてやるぞ?」

那智「だからっ……! だ、から……っ」

提督「なんだ。はっきり言ってみなさい」

那智「……わ、私は……約束……しま、したっ……」ブルブル

提督「そうだな。俺もちゃんと約束は守る。お前と交わした約束だからな」

那智「……ぅ……く……!」

提督「どうする? 俺はもう何も拘束しない。どんな作戦行動を取っても構わないが」

――コンコン  

  『しれーかん? 遠征の報告にきたわよ!』

提督「おーう、入っていいぞ」

那智「!!」バッ

ガチャ

雷「ただいま司令官!」

暁「はい、今日の報告書。毎度同じ内容ばっかりで嫌になるわ!」

提督「はは、そう言うなよ。お前たちがいないと軍の運営が滞っちゃうくらいなんだから」

那智「……っ」プルプル

響「レディーにはこういう役割も必要ってことさ」

電「なのです!」

暁「わかってるけど……たまには那智さんみたいに想いっきり前線に出て戦いたいわ」

雷「流石に秘書艦って感じよね。戦艦の人たちと肩を並べて旗艦をつとめてるくらいだもん。尊敬するわ」

那智「!!」

提督「そうかそうか……駆逐艦からも尊敬される存在なんだな、俺の嫁さんは」ニコニコ

那智「…………っ」ブルブル

電「そういえば那智さん、大丈夫なのですか? ここ最近ずっと顔を見ないのです」

響「しばらく療養中と聞いてるけど……」

提督「心配はいらないよ。もうすっかり元気になってるから……なんなら今すぐにでも顔を出せるくらいにな?」チラ

那智「……!!」ブンブンブン

暁「そうなの? なら呼んできなさいよ。みんな心配してるんだから」

提督「そっかぁ~。どうしよっかなぁ~?」チラチラ

那智「~~~!!」ブンブンブンブンブンブン

響「? そこに何かあるのかい?」

提督「ん~? ……………………いや、なんでもないよ。後でみんなのとこにも顔を出させるから、安心しなさい」

雷「それならいいけど。じゃあ私たちいったん補給してくるわね?」

提督「おう、お疲れ様。また後で遠征指示出すからな~」

暁「もう、ほどほどにしといてよね?」

バタン…

提督「……だってさ、那智?」ギシ…

那智「………」ギュ

提督「……どうした? 何かして欲しいなら、言ってみな?」

那智「…………で……さぃ……」

提督「もう一回、俺に聞こえるような声で……な?」

那智「や、くそく……まもっ、守れないです……ごめんなさい……」ボロボロ

提督「……それで?」



那智「っふ……服……私の、服を……取ってきでください……おねがっ、ひぐ……おねがいじまずっ……ごしゅじんさま……!」



提督「(堕ちたな)」


――――――

―――



――翌日

ー母港ー

吹雪「やっぱり那智さんが帰ってきてくれてよかったですね!」

陸奥「なんだかんだで最高翌練度、最古参の指揮があるとやりやすいものね」

龍驤「いやホンマ病み上がりとは思えへんわ。いきなり全戦MVPかっさらっていきよるし。もしや提督と秘密の特訓でもしてたんとちゃうやろな~?」ワハハハ

那智「……」

吹雪「……あのー、那智さん大丈夫ですか? まさかどこか被弾して……」

那智「い、いや。別に問題はないんだ」

提督「――おーう、みんなご苦労様」テケテケ

那智「!!」ピクッ

陸奥「あら、わざわざお出迎え?」

提督「妻の回帰出陣だったからな。大活躍だったそうじゃん。褒めてやるぞ~なっちゃん!」ナデナデ

龍驤「(げ! この流れはまた『いちいち無駄なことをしにくるなー!』からの夫婦漫才コースかいな……!)」

那智「っ……」///

龍驤「……あれ?」

陸奥「那智? 今日はやけに素直に撫でられてるのね」

那智「! も、もういいだろう! 早く報告書をまとめるぞ!」ダッ

吹雪「あ、那智さんそれなら私がやっておきますから先に入渠~!!」

龍驤「……提督、ホンマになんかやったんか?」

提督「なんのこったよ」

――食堂

提督「やっぱ足柄のカツカレーうめぇな」モグモグ

那智「おい、あまりがっつくなみっともない」

提督「ん~? そんなにみっともないか?」

那智「っ……ほ、ほどほどにしておけよ。全く……」



加賀「……あの子、少し休んでから丸くなったわね」ガツモグバク

赤城「そうですね……以前は私たちの食事の量まで注意してくるくらい厳しかったのに……それにつけても美味しいですねこのカツカレー」ガツモグバク

加賀「ええ本当に」ガツモグバク



――甘味処

提督「今日は俺がおごってやるから遠慮すんな。ほい、あーん」

那智「……んぁ」モグ

提督「あぁ^~これがやりたかったんだよ。あーん」

那智「貴様は恥という概念を知らんのか……んぁ」モグ



間宮「(那智さんが……なんかしらないけど提督に従順になっている……一体何が!?)」



――寝床

提督「(ふふふ……那智、もはやお前が俺に対して振りかざすプライドなど、もはや一片も残されてはいまい。誇りを捨てて俺に屈服した瞬間、貴様のカカァ天下体制も同時に崩壊したのだッッ!!)」

提督「ここまでするのに苦労したぞ那智……今宵の夜戦は一味違うぜぇ?」キリッ

那智「っ……ま、待て!」

提督「ん? よもや嫌とは申しますまいな?」

那智「い、いやそうではないんだ。ただ……」モジモジ

提督「なんだよ。言ってごらん?」

那智「今日からは普通に……互いになんの遠慮もない、ただの“夫婦”として……愛し合ってくれないか?」キュ…

提督「!!!」ピカーン



提督「行くぞォ!! 我、夜戦に突入す!!」バッ


――五十一分四秒後

提督「ふぅふぅ……」ゼェゼェ

那智「ふ……流石、溜め込んでいたというだけあって、中々粘るではないか」ハァハァ

提督「当たり前でしょうが……もう俺はお前のご主人様なんだぜ?」

那智「ふふ……そうか。ではご主人様……よろしければ、もう一戦いかがだろうか?」シュルリ…

提督「ほう……その意気やよし! じゃあぶち込んでやるぜ!」

 我、夜戦に突入す!!



――三十六分四秒後

提督「ぜぇはぁ……」ゼェゼェ

那智「はぁ……なんだ、久しぶりだと、やはり、私も……熱くなってきたなぁ……?」ヌルリ

提督「うっ……ま、まぁ待て那智。こちらも連戦を続けると燃料も弾薬も切れる構造でな?」

那智「奇遇だな……ただし私は艦娘だ。貴様とは積載量が違う。よもや……自分の犬を、妻を。満足させられることさえできない無能……否、“不能提督”であったなどと、夫が艦娘たちの間で噂される日が来ようとは……」チラ

提督「あったまきた。覚悟しろよぉ? 死ぬ寸前まで絶頂させてやるからなぁ!」

 我、夜戦に突入す


――四十五分四十五秒後

提督「もう……もっ、むぅりぃ……あぁああ……」チーン

那智「私はまだ満足していないぞ? ほら、口を開けて……んちゅ……」ピチャ

提督「いやぁ……もう、十分堪能したよ……」

那智「もっと私の中に注ぎ込んでもらわないと私は満足できないのだが? 私を死ぬ寸前まで絶頂させるのではなかったのか?」

提督「いやもう、勘弁してくれ……」

那智「……なぁ、知っているか提督殿?」

提督「え……?」

那智「重巡は“夜戦”になると能力が跳ね上がるんだ……そして、夜の海では『マグロ』がよく釣れるらしいぞ?」

提督「ま……待て! もう俺のタンクはすっからかんで――」



那智「さぁ――マグロ解体ショーの始まりと行こうか、ご・主・人・様?」ニタァ…

提督「あ、あ、あああああああああああああああもうやだああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」



   ワレ ヤセン二 トツニュウ ス



――その翌日から、今度は提督が那智に対して物理的に引き腰になり、結局二人の上下関係はそれほど変わることはなったという。



   艦!

じゃ、俺ギャラもらって帰るから……

クッソヒマなホモ提督は

提督「あれはもしや大破した艦娘!?」ヲ級「ヲ……」

でもついでに読んで、どうぞ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月25日 (日) 15:38:40   ID: FfpGyKIv

絶望的に汚い

2 :  SS好きの774さん   2015年10月25日 (日) 19:48:51   ID: UuuiaxSq

ありがと那智!

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