雪乃「比企谷君は結婚相手にいくら資産を持っていてほしいのかしら?」八幡「30億円」 (97)

雪乃「30億円以上なんてあなたの身の丈に合わない額ね、片腹痛いわ」

八幡「言うだけならタダだろうが、ほっとけ」

雪乃「大卒のサラリーマンの生涯賃金の平均が3億円強と言われているわ、大卒サラリーマン約十人前じゃない」

八幡「正直、働かずにのんびりそこそこ贅沢しながら死ぬまで暮らせるのは憧れる」

雪乃「あなたみたいな男にそんな大金を携えて来る女なんて私以外にいないわよ」

八幡「それもそうだな…って、え?」

雪乃「本当はもっとせびられると思っていたのだけれど、あなたにしては謙虚な額面ということで感謝してあげるわ」パチンッ!

ザッザッザッザッ!

黒服「お納めください」ドサドサッ!

八幡「え?え?え?」キョロキョロ

▼八幡は30億円を手に入れた

黒服「それでは」ペコリ

八幡「あ、どうも」ヘコヘコ

ザッザッザッザッ!

雪乃「お望みの30億よ、どうかしら?一瞬にして億万長者になった気分は」

八幡「お前これ…え?」
雪乃「あらいけないわ、これだけのお金を運ぶのは辛いわよね」パチンッ!

ザッザッザッザッ!

黒服「失礼致しました比企谷様、こちらが30億円を入金済みの通帳と印鑑、キャッシュカードで御座います。ひとまず暗証番号は今年度で御座います、クレジットカードとしてもご利用頂けます、ちなみに限度額は御座いません」

八幡「な、何回もすみません!」ペコペコ!


黒服「いえいえ、こちらの不徳の致す所がありましたので、それでは」ペコリ

ザッザッザッザッ!

雪乃「さあ比企谷君、改めて問うわ、億万長者になった気分はどうかしら?」

八幡「……」ダラダラダラダラ

雪乃「あら?顔色が良くないわ、まるで大金を手にしてどうすればいいのか分からない顔色ね」


八幡「その通りだよッッ!」クワッ!

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雪乃「それはさておき八幡」スッ

八幡「は、八幡…?」


雪乃「これであなたは私のモノよね?」ニコッ


八幡「あ」


雪乃「恐らく婿養子になるからそこは我慢してちょうだい、あ・な・た?」

八幡「うーん…」バタッ!

雪乃「嬉しさのあまり失神したようね」パチンッ!

ザッザッザッザッ!

黒服「お呼びでしょうか雪乃様」

雪乃「彼を私の家まで連れて行ってちょうだい」

黒服「かしこまりました、雪乃様のご自宅の表札に八幡様のお名前も足しておきますか?」

雪乃「お願いするわ」


黒服「かしこまりました」ペコリ

八幡「うう……」

雪乃と八幡のおうち

八幡「はうああっ!?」ガバッ!

雪乃「いきなり倒れたから心配したのよ、大丈夫?」

八幡「あ、ああ…なんかお前が黒服の人達を呼んで30億円くれる夢を見てな」

雪乃「これを見なさい」つ通帳


八幡「ん?一、十、百、千、万、十万…夢じゃ無かったあああああ!」

雪乃「結婚相手には30億円の持ち出しが条件だったのよね?」ニコニコ

八幡「あんなもん冗談に決まってんだろ!どうすんだこんな大金!?」

雪乃「冗談…?」ジロッ

八幡「な、なんだよ」ビクッ

雪乃「私はあなたが言うから30億円を用意したのよ?それを今更冗談で済ませる気?」

八幡「いや、あの…」

雪乃「足りないなら70億円追加してキリよく100億円にした方が良いかしら?」

八幡「東城会が仁義なき戦い始める額じゃねえか!」

雪乃「その東城会が何かは知らないのだけれど、あなたは30億円あれば結婚してもいいと言って、私はきちんと30億円用意したわ、その時点であなたは私のもので私はあなたのものよ?分かる?」
八幡「えらいこっちゃで桐生ちゃーん…」

雪乃「慣れない大金を手に入れて混乱しているようね、ひとまずあなたの実家から必要な物を持ってきなさい」

八幡「いいのか?帰って」

雪乃「今日中に戻らないならあなたに迎えを寄越すわね」

八幡「わ、分かった」ソソクサ

雪乃「いってらっしゃい、あなた」

八幡「い、いってきます…」

実家

八幡「ただいまー…」

小町「ちょっとお兄ちゃん!雪乃さんに何したの!?いきなり黒服の人がやってきてお兄ちゃんが雪乃さんと婚約したって言って大金置いて行ったんだけど!」

▼比企谷家は30億円手に入れた

八幡「事の始めはだな」カクカクシカジカ

小町「お兄ちゃんもこんなバカみたいな大金貰っちゃったの!?」

八幡「俺の場合口座に入れてくれてたけどな」フフン

小町「なに得意気になってるの!?一般市民が手に入れていい金額じゃないよ!」

八幡「なー」

小町「なー、じゃないでしょ!お父さんとお母さんもこれ見たら倒れちゃうよ!」

八幡「俺も倒れた倒れたwwwうwwwけwwwるwww」

小町「笑ってる場合かぁ!」クワッ

八幡「つっても下手に返すと30億円PON☆とくれるようなヤバい連中なら俺なんか簡単に消されそうだしな、まばたきする間に皆殺しに出来るだろうし」

小町「皆殺しって比企谷家丸々ピンチじゃん!」
八幡「とりあえず雪ノ下の様子見をしてから立ち回らないとマジでエラいことになるだろうしな、今日は必要な物だけ取りに帰ったんだよ」

小町「あ、余裕と思ったけどお兄ちゃん恐怖が一周して開き直っただけなんだ」

八幡「金が怖いなんて初めてだわまったく」

小町「お父さんとお母さんは小町に任せて」

八幡「おう」

雪乃と八幡のおうち

八幡「ただいま」

雪乃「早かったわね」

八幡「お前な、家にあんな大金をキャッシュで置いて行くなよ」

雪乃「あれはあなたが運ぶのは辛そうにしていた現金をあなたのご実家へ送って差し上げただけよ」

八幡「リビングの面積のほとんどが諭吉フィーバーしてただろうが、一瞬札束が多すぎてインテリアかと思ったわ」

雪乃「親孝行には困らなくなったわね」

八幡「あんな大金逆に親不孝だよ!」

雪乃「ふふふ」ニコニコ

八幡「ふふふ、じゃねえよ!」

雪乃「それより、あなたに聞きたいことがあったの」

八幡「え?」

雪乃「子供は何人欲しいのかしら?」

八幡「は?」

雪乃「一姫二太郎とは言うのだけれど、私達揃って二人兄妹、姉妹じゃない?」

八幡「あー、そういやそうだな」

雪乃「私達も子供は二人でいいわよね?」

八幡「気が早えよ!俺まだ17才!」

雪乃「こういう話は先に決めておいても損は無いわよ」

八幡「実質金で買われたような俺に決定権あんの?」

雪乃「いいかしら八幡、お金とはあくまでも手段であって、私はあなたに値段が付いたから買ったというわけではないの」
八幡「え?そうなの?」
雪乃「あなたが結婚相手に求める物がお金では無いのなら、私はそれをクリアして見せるわ」

八幡「それなら胸が」


ザクッッ!

雪乃「私だって人間なのよ?不可能なことだってあるわよ、あなたも不可能なことはあるでしょう?」ニコニコ

八幡「おまっ…包丁投げるなよ…」ガタガタ

雪乃「当てないわよ、その位は出来るわ」ニコニコ

八幡(怖ええええ!)ブルブル

雪乃「何か要望があるなら『胸』意外でお願いね?」ニコニコ

八幡「はい…」ガクガク

雪乃「ふんふんふふん♪」ペラッ

八幡「…」

雪乃「ふふふふふふん♪」ペラッ

八幡(何でこんな楽しそうなんだこいつ)

雪乃「あなたと一緒にいるからよ」ペラッ

八幡「!?」

雪乃「あなたの考えている事くらいお見通しよ」ペラッ

八幡(ファミチキ下さい)

雪乃「ファミチキ?何かしらそれは」キョトン

八幡「本物だこいつ!?」

雪乃「コンビニの商品なのね」

八幡「そういうこった」
雪乃「コンビニで思いついたのだけれど、せっかく比企谷君は大金を手に入れたのだから買い物してみない?」

八幡「買い物?欲しい物無いぞ?」

雪乃「わ、私があなたとデートしたいのだけれど…」モジモジ

八幡「!」ドキッ

雪乃「欲しい物がないのなら仕方ないわよね」モジモジ

八幡「欲しい物はないが、何でも買えるっつう贅沢気分は味わってみたいな」

雪乃「すぐ支度するわね」ウキウキ

八幡(大金寄越しといてそういうとこは遠慮するんだな…)

雪乃「八幡とデート♪」イソイソ

結衣「ゆきのんゆきのん!!ヒッキーとエッチするとお金がもらえるんだって!」

雪乃「」

千葉市街

八幡「うーん、いまいち実感湧かねえな」

雪乃「欲がないのね」

八幡「あるのはあるけど、いざ大抵の物が手に入るとなるとどうすればいいか分からん」

雪乃「そういうものかしら?」

八幡「お前みたいなナチュラルボーンの金持ちでも毎日高いもん漁ってるわけじゃねえだろ」

雪乃「というよりは資産の運用を考えるわね」

八幡「ん?つまり更に資産を増やしたいってことか?」

雪乃「そうよ」

八幡「あー、身内の先を考えるとそうなるのか」
雪乃「あなたは好きにしなさい、もうあなたの資産よ」

八幡「そこなんだよなあ」

雪乃「私はあなたとこうしているだけでも楽しいわ」

八幡「悪いけど俺は天文学的な数字の通帳を渡されていっぱいいっぱいだからな?」

雪乃「嫌でも慣れるわよ」

八幡「とりあえず飯食って帰るか」

雪乃「分かったわ」

雪乃と八幡のおうち

八幡「ふう、ただいま」
雪乃「ただいま、まさか普通にファミレスで食事をするなんて思わなかったわ」

八幡「すまん…」

雪乃「謝ることはないわ、色んなお店を知らないのは当然だもの」

八幡「大金があっても俺の感覚じゃな」

雪乃「あなたらしくていいと思うわ」

八幡「そうか?」

雪乃「そうなのよ、私からすればね」

八幡「はあ…俺の家にも大金がブチ込まれたし、使い道が益々思い付かん」

雪乃「無理に使う必要はないわ、どこかできっと役に立つわよ」


八幡「それもそうか」


雪乃「そうよ」

翌日学校

八幡(端から見れば、金があるからって高い時計や靴、カバンなんかで着飾ってないと普通の17の少年にしか見えないよな。

しかしながら俺はぼっちで、目立つ事を嫌う質だからその手の装備は好まない、今の所持金も二千円だし)

戸塚「八幡八幡」ツンツン

八幡「戸塚」キリリ

戸塚「ちょっとお札持ってない?」

八幡「え、あ、ああ、あるぞ千円札二枚」

戸塚「ちょっと小銭が重くてさ、両替してほしいんだけどダメかな?」ジャラジャラ

八幡「別にいいぞ」つ千円札

戸塚「ありがとう八幡」ジャラジャラ

八幡「マッ缶買うのにちょうどいいからこっちとしても助かる」チャリン

戸塚「大分財布が軽くなったよ、ありがとうね八幡!」

八幡(戸塚マジ天使)

結衣(さいちゃんヒッキーと話せていいなー)

放課後

八幡「なあ雪ノ下」

雪乃「雪乃」

八幡「?」

雪乃「あなたも来年には雪ノ下姓なのよ?妻を名字で呼ぶつもり?」

八幡「いや、出川哲郎も嫁に出川って名字で呼ばれてるし…ダメ?」

雪乃「本気でそれでいいと思う?」ゴゴゴゴ

八幡「いいえまったく」
雪乃「それなら名前で呼びなさい」

八幡「ゆ、雪乃…」

雪乃「大きな声で」

八幡「雪乃」

雪乃「もっと大きく」

八幡「雪乃!」

雪乃「ブラジルの人にも聞こえるように!」

八幡「ゆきの」

ガラガラ!

結衣「ごめーん!優美子と話してたら遅くなっちゃった!」

八幡「ブラジルの人ー!聞こえてますかー!」アセアセ

結衣「何してんのヒッキー?」

雪乃「きっと世界の中心で愛を叫んでいたのよ」シレッ

八幡(この野郎…)

結衣「ブラジルの人に向けなくてもいいのにねー」

雪乃「そうね」ペラッ

八幡(助けて下さい!)

結衣「人来ないねー」

八幡「いつもの事だろ」
雪乃「パソコンにも新着はないわね」カチカチ

八幡「何もないのは平和の証拠だろ、喜んで然るべきじゃね?誰も悩みなし、掛ける手間なし、最高じゃねえか」

結衣「なんで喜んで怒るの?」

八幡「何言ってんのお前?」

雪乃「然るを叱ると思ったようね」

八幡「然るべきってのはな、そうなって当然、当たり前って意味なんだよ」

結衣「おおー!そうなんだ!」ポンッ!

八幡「こいつのアホさは叱るべきじゃね?」

雪乃「由比ヶ浜さんなのだから然るべきよ」

結衣「絶対バカにされた!」ムキー!

結衣「ふんだ、どうせヒマだろうしもう帰る!」プンプン

八幡「あーあ、いじけた」

雪乃「明日には元通りよ」

八幡「だろうな」

雪乃「私もきっと愚かだったのね、友情はお金では買えないことを由比ヶ浜さんに教えられたわ」

八幡「札束見せつけても納得いかなけりゃ『はい』とは言わんやつだろうな」

雪乃「あなたもでしょう?」

八幡「あん?」

雪乃「本当は30億円なんていらない癖に、手早く私が用意して少し脅したから受け入れたんでしょう?」


八幡「金に物言わせて嫌な現実を見ざる、余裕があるから貧乏だと愚痴を言わざる、財力に見合った華やかな服で着飾るためには渡りに船だったよ」


雪乃「あなたをモノにするためなら安いと思ったの」

八幡「俺に30億、俺の実家に30億、合計60億つぎ込んでもか?」

雪乃「嘘の値札を下げられる前に買い叩けたのよ、人に価値は付けられないと言う言葉の通りよ、値札が無い限りお金は使えないもの、すぐに飛び付くわ」

八幡「金持ちの道楽ってのは酔狂なもんなんだな」

雪乃「私にとっては嘘偽りなく渡りに船だったわ、あなたの優しい嘘とは違って」

八幡「んじゃ、嘘がバレたついでに30億没収だな」

雪乃「しないわよ」

八幡「おいおい」

雪乃「あなたを30億円で買った以上、それを返されると縁の切れ目になるじゃない」

八幡「円の切れ目とも言うな」

雪乃「逃がさないわよ、あ・な・た?」ニコッ

八幡(小町、抵抗したけどお兄ちゃん名字が雪ノ下になりそう、比企谷姓の系譜はお前に任せた)

雪乃「私達も帰りましょう」

八幡「おう」

雪乃「その前に」ズイッ

八幡「?」

雪乃「…」ダキッ

八幡「お、おい」ドキドキ

雪乃「私はあなたのものよ…そしてあなたは私のもの、たまにはこうして甘えたり甘えられたりしたいわ」スリスリ

八幡「…」

雪乃「由比ヶ浜さんにも姉さんにも見せられない、あなたにしか見せない私の悪い癖よ」ダキダキ

八幡「あー…俺だけじゃなくなったわ」

雪乃「!?」バッ!

静「…」ワナワナ

八幡「…」

雪乃「」

静「ちくしょうめえええええええ!うわあああああああん!」ダダダダダダ…

八幡「誰かもらってやれよ…誰もいないなら愛人にした方がいいか…?」ボソッ

雪乃「もう一度言ってみて?」ゴゴゴゴ

八幡「ひっ!」ビクッ

雪乃「私というものがありながら、愛人がどうとか聞こえた気がするのだけれど、もう一度さっきの言葉を言ってみて?」ゴゴゴゴ!


八幡「何でもありません!」

雪乃「そう、それならいいの」ニコニコ

八幡「浮気はダメだよな!」アセアセ

雪乃「ええその通りね、もし浮気なんかされようものなら…」

八幡「ものなら…?」

雪乃「…消すわ」ポツリ

八幡「!」ゾッ

雪乃「泥棒女を跡形もなく、ね」ニコニコ

八幡「あわわわわわ…」ガタガタガタガタ

雪乃「ふふふふ」ニコニコ

八幡と雪乃のおうち

雪乃「お金の使い方?」
八幡「色々考えたけど、どうも思いつかなくてな」ポリポリ

雪乃「趣味を作るとかじゃだめなのかしら?」

八幡「お前はいいのか?」

雪乃「え?」

八幡「仮に趣味のサークルやら同好会に参加したとしよう、人が集まる中でお前みたいな物好きが俺をロックオンしたらどうなる?しかも金を持ってると来たもんだ、獲物はうら若いクソガキだから手玉に取るのは簡単だ」


雪乃「罪には罰よ、泥棒女には死あるのみね」

八幡「そういう黒い話を作りたくないから聞いてるんだろ!」

雪乃「そうは言っても私は主人の財布を握る方針は採らないわ」

八幡「俺が頼んでも?」

雪乃「しないに決まってるでしょう、あなたが自由に使える30億円だからこそこの生活は成り立つのよ?」

八幡「庶民にはヘビーな金額だな30億…」

雪乃「提案としては、一・二着位はドレスコードをパスできる服を買っておけばいいと思うわね」
八幡「なるほど、明日見てくるわ」

雪乃「私も行くわ」

八幡「いいのか?」

雪乃「というよりあなた、その手のお店を知っているの?」

八幡「あ」

雪乃「ほら見なさい」クスクス

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月01日 (日) 10:45:05   ID: Oca44Git

新しくておもしろい!

2 :  SS好きの774さん   2015年11月02日 (月) 00:54:48   ID: jD-ezvE4

俺も30億円欲しい

3 :  SS好きの774さん   2015年11月03日 (火) 23:59:28   ID: lOWe8SrI

面白い!

4 :  SS好きの774さん   2015年11月15日 (日) 11:21:34   ID: R6jkmiIA

指パチンクソワロス

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