猫耳幼女「おい、おまえ」男「え?」(13)

男(これは夢か?それとも幻か?)

男(目の前には○学生と思われる全裸のょぅι゛ょが……)

猫耳幼女「おい」

男「……どわっ!」ビクッ

猫耳幼女「おまえだ。そこのおまえ」

男「な、なんで服着てないんだよ!なに考えてんだよ!」

猫耳幼女「ふく?」

男「そう、服だよ!服!」

猫耳幼女「服……」

猫耳幼女「…………」

猫耳幼女「服ってなんだ?」

男「……は?」

猫耳幼女「なんだこれは。動きにくいぞ」

男(今日体育の授業があってよかった)

猫耳幼女「ムズムズする。落ち着かない。脱ぎたい」

男「我慢しろ」

猫耳幼女「それに……」クンクン

猫耳幼女「くさい」

男「汗臭くて悪かったな」

男「で、俺になんか用か?」

猫耳幼女「人を探してるんだ。協力してほしい」

男「暇だからいいけど」

猫耳幼女「すまん、助かる」

男「誰を探してるんだ?名前は?」

猫耳幼女「わからない」

男「じゃあ性別は?」

猫耳幼女「わからない」

男「えーっと……大体の年齢は?」

猫耳幼女「わからない」

男「わからないことだらけじゃねえか!」

猫耳幼女「だから困っている」

男「とにかくなんでもいいから思い出してみろよ」

猫耳幼女「それができれば苦労はしない」

男「本当になにも憶えてないのか?思い出の一つぐらいあるだろ」

猫耳幼女「思い出……」

猫耳幼女「…………」

猫耳幼女「あ」

男「思い出したのか?」

猫耳幼女「頭を優しくなでてくれた。スベスベしてて温かかった」

男「それだけ?」

猫耳幼女「それだけだ」

男「悪いことは言わん。無理だ。あきらめろ」

猫耳幼女「ムリじゃない。スベスベしてて温かい手の人を見つければいい」

男「バカかおまえは。スベスベしてて温かい手の人が世界に何億人いると思ってんだよ」

猫耳幼女「がんばる」

男「ったく、付き合ってらんねーよ」

猫耳幼女「別にムリに付き合わなくてもいい」

猫耳幼女「それに一人は慣れている」

男「…………」

男「勝手にしろ!」

ガチャッ

妹「おかえりお兄ちゃん」

男「おう」

妹「服着替えたら早く降りてきてねー。もうご飯できてるから」

妹「えへへ~今日はお兄ちゃんの好きな唐揚げなんだよ!」

男「今日はいいや」

妹「え?」

男「食欲ないから」

妹「そ、そっか」シュン…

男「ごめんな」

妹「ううん。ラップしておくからお腹空いたら食べてね」

男「うん」

バタンッ

妹「…………」

妹(今日のお兄ちゃん、どうしたんだろう?)


~男の部屋~

男「…………」ゴロリ…

猫耳幼女『別にムリに付き合わなくてもいい』

猫耳幼女『それに一人は慣れている』

男(じゃあなんでそんなに寂しそうな顔するんだよ)

男(意味わかんねーよ)

男「くそっ!」ガスッ!

枕「ボフッ」

○ ○ ○ ○

ゴミ袋「ガサゴソ」

猫耳幼女「あんぐ……はむはむ」

猫耳幼女「……ゲプッ」

猫耳幼女(いつになっても変わらない。いつだってわたしは一人ぼっちだ)

猫耳幼女(だから一人には慣れている)

猫耳幼女「…………」

男『で、俺になんか用か?』

男『暇だからいいけど』

猫耳幼女「…………」ジワ…

猫耳幼女「ぐすっ……」

猫耳幼女「うっく……うぇぇ……」

猫耳幼女(なんだ?どうして目から水が?)

男『ったく、付き合ってらんねーよ』

男『勝手にしろ!』

猫耳幼女(どうしてとまらないんだ!)

猫耳幼女「ひっく、とまれ……とまれぇ……!」グジグジ

サラリーマン「お嬢ちゃんだいじょうぶ?どこか痛いの?」

猫耳幼女「うっく……ぐす」

サラリーマン「ああーこんなに目が真っ赤になってどうしたの?おじさんになんでも話してごらん」

猫耳幼女「たすけてくれ……ひっく、目から、水がとまらない……」

サラリーマン「それは涙っていうんだよ」

猫耳幼女「なみだ……?」

サラリーマン「悲しいことがあったときに目からお水が出てくるんだよ。それが涙」

猫耳幼女「わたしは……そんなに弱くない」

サラリーマン「そうだね、お嬢ちゃんは強い子だ。よく頑張ったね」

サラリーマン「ほらハンカチで顔をふきなさい」

フキフキ

サラリーマン「落ち着いたかい?」

猫耳幼女「ありがとう、おまえいいやつだな」

サラリーマン「ところでお嬢ちゃんはこんな時間にお外でなにしてるのかな?」

猫耳幼女「聞いてくれ。頼みたいことがあるんだ」

サラリーマン「まあまあ、その前に新しい服が欲しくないかい?」

猫耳幼女「服……?」

サラリーマン「そのダボダボで汗臭い……失礼、その体操服よりもかわいいお洋服をおじさんが買ってあげるよ」

猫耳幼女(あいつも言っていた。服を着た方がいいと)

猫耳幼女「わかった」

サラリーマン「じゃあ、おじさんの車に乗って。ほらほら」

バタンッ

ブロロロロロ

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