モバP「なっちゃんとその後」 (40)

1作目 モバP「なっちゃんという同級生」(モバP「なっちゃんという同級生」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434111292/))
2作目 モバP「なっちゃんという担当アイドル」(モバP「なっちゃんという担当アイドル」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434292580/))
3作目 モバP「ナナ先生のメルヘンデビュー」(モバP「ナナ先生のメルヘンデビュー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434535556/))
4作目 モバP「なっちゃんと恋人ごっこ」(モバP「なっちゃんと恋人ごっこ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434708764/))
5作目 モバP「なっちゃんと後輩アイドル」(モバP「なっちゃんと後輩アイドル」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434898915/))
6作目 モバP「なっちゃん達のガールズトーク」(モバP「なっちゃん達のガールズトーク」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436281527/))
7作目 モバP「なっちゃんと俺」(モバP「なっちゃんと俺」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436613831/))

の、後日談のようなものです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445267426

凛「前回までのあらすじ」

凛「高校時代の同級生だった鷹富士茄子さんをアイドルにスカウトしたプロデューサーは、なんやかんやあって最終的に彼女と付き合うことになりました」

凛「立場上秘密の恋人関係ってことになるんだけど、ちひろさんとか、プロデューサーが担当してるアイドル達にはバレてます」

凛「それと、このSSにおける菜々さんの実年齢は29です」

ある朝の事務所


茄子「P君、P君」

P「ん?」

茄子「ふふ、呼んでみただけです♪」

P「なっちゃん、1日1回はそれやるよな」

茄子「どうしても名前を呼びたくてしょうがなくなっちゃう時があるんですよ♪」

P「……なっちゃん」ジーー

茄子「P君……」ウットリ




凛「最近さ、コーヒーのブラックも悪くないかなって思い始めたんだ」

菜々「大人ですねー」

凛「糖分は別のところで摂取できるしね。目の前のカップルからとか」ジトー

光「アタシはコーヒー自体あんまり……」

菜々「好みは人それぞれです。そんな光ちゃんには牛乳を用意してありますよ」

光「やった! やっぱり朝は牛乳飲んで丈夫な身体を作っていかないと、だよねっ」

凛「牛乳か……」

菜々「豊胸効果は直接的にはないらしいですよ?」

凛「なんで私に向かって言ったの」

P「りーん。そろそろ雑誌用の写真撮影があるから出発するぞー」

凛「あ、うん。わかった」

菜々「ナナ達はレッスン頑張りましょうね」

光「トップギアでいこう!」

茄子「私もやりますよ~」

P「よし。それじゃみんな、今日もしっかり頼む」

茄子「はいっ。……あ、P君。肩に」

凛「ほら、肩に糸くずついてるよ」サッ

P「ああ、ありがとう。凛は目がいいな」

凛「別に普通でしょ」

茄子「むー。できる女アピールのチャンスを奪われました」

菜々「そんな些細なことで悔しがらなくても……」

車で移動中


凛「プロデューサーってさ、意外と奥手だったりする?」

P「奥手? 何がだ」

凛「茄子さんとのこと。私、ふたりが付き合ったらもっといちゃいちゃするのかと思ってた」

P「してないように見えるか」

凛「うーん、確かに見てて甘々な雰囲気は時々伝わってくるんだけど。でも、抱き合ったりとか全然しないし」

P「事務所で身体的スキンシップなんて図って、誰かに見られたらとんでもないことになるからな。そこは自重しているんだ」

凛「じゃあ事務所の外ではしてるの?」

P「どこにマスコミの目があるかわからないのにできるわけないだろう」

凛「……それってさ、要はどこにいてもそういうことはしないってことだよね」

P「結局、そうなるな。なっちゃんもそれは覚悟の上だって言ってたし」

凛「ふーん。我慢するなんて大人だね」

P「本当に分別のついた大人なら、そもそもアイドルとそういう関係になったりしないさ。わがままやって凛達に迷惑かけてるんだから」

凛「私も菜々さんも光も、別に迷惑だなんて思ってないよ。茄子さんには元気よくいてほしいし」

P「……ありがとうな」

凛「どういたしまして」

凛「ところでプロデューサー。茄子さんと抱き合えなくて溜まった鬱憤はこういう本で発散してるの?」

P「え……うおっ!? お前、いつの間に俺が車の中に隠していたお宝本を!」

凛「私、目だけじゃなくて鼻も利いたりして」ニヤリ

P「うぐ……な、なっちゃんには秘密にな」

凛「このくらい許してくれると思うけど……まあ、帰りにケーキでも買ってくれたら黙っててあげる」

P「わかった、どんなケーキがいい? 蒼いケーキとか売ってたかな……」

凛「もし売ってたとしても食欲が湧く色ではないよね」

とりあえず今日はここまでです
他のSSと並行でまったり更新でいこうと考えています

昼休憩にて


光「菜々先生!」

菜々「え゛っ」

光「あれ、先生って呼んじゃダメなのか?」

菜々「だ、ダメというわけでは、あありませんけどど。どうしてそう呼ぼうと?」

光「よく宿題とか教えてくれるからさ。今日もちょっと聞きたいところがあって」

菜々「ほっ。そういう理由ならいいです」

光「そっか。なら大丈夫か」

茄子「じゃあ私も先生って呼んでいいですか?」

菜々「ナナはキャピキャピの17歳なので、JDの茄子さんに教えられることはないです♪キャハっ!」

茄子「(キャピキャピがほぼ死語になってること、教えてあげた方がいいのかな……)」

光「それでさ、凛さんにガイアのDVD貸したらハマっちゃって」

光「次はネクサスを見るって言ってたから、今日持ってきてるんだ。だから今からちょっとだけ見ないか?」

茄子「いいですよー。ウルトラマンなんて見るの久しぶりだから楽しみです♪」

菜々「ネクサス……ネクサス……あれ、ウサミンレーダーがなにやらよからぬ反応を」

光「じゃあ再生するぞー」ピッ

ガチャリ

P「ただいまー」

凛「ただいま」



光「あ、おかえり二人とも!」

茄子「おかえりなさいです」

菜々「」

凛「ちょっと待って。そこで泡吹いてる菜々さんはいったい何があったの」

茄子「それがですね。みんなで光ちゃんの持ってきたウルトラマンネクサスのDVDを見ていたんですけど……」

菜々「リコちゃんの家が……リコちゃんの絵が……」ブルブル

P「ネクサス……ああ、なるほど。光、ナナ先生は意外とホラー系苦手だから事前に注意しとかないとダメだぞ」

菜々「先生じゃないです」ムクリ

P「おお、復活した」

光「ごめんね、菜々さん。怖がらせちゃって」

菜々「い、いえいえ。ちょっと刺激が強すぎただけで、内容は面白かったですよ?」

凛「え、ネクサスってホラー系なの? 私これから家でひとりで見る予定なんだけど」

P「凛は図太そうだし大丈夫だろ」

凛「ならいいけど」

P「なっちゃんは平気だったのか?」

茄子「私ですか? はい、少し怖かったですけどだいじょう……はっ!」

P「ん?」

茄子「実は怖くて怖くて仕方ないので優しく慰めてください」

P「おーおーそうか。全然大丈夫そうだな」

茄子「むー、P君ノリが悪いですよー」プクー

茄子「そこはですね、優しい声で『俺がそばにいる』とささやき、軽く頭を撫でてそっと抱き寄せ」

P「ケーキ買ってきたけど、今食べるか?」

茄子「食べます♪」ワーイ


凛「この二人、漫才やってるの?」

光「アタシ知ってる! こういうの、夫婦漫才って言うんだ」

菜々「夫婦……孤門くんとリコちゃんはそういう関係になるものだとばかり……ううっ」

光「まだ引きずってる……」

短いですが続きは明日か明後日です
茄子さんのSS書いたからデレステのガシャ運上がったりしないですかね

別の日


菜々「さっきの収録で肩が凝っちゃって……あいたた」

茄子「大丈夫ですか? よかったらマッサージしますけど」

菜々「いいんですか? じゃあお願いしちゃいます」

茄子「はい、お任せあれ♪」ニコニコ

菜々「ほんと、年々身体が硬くなってきてる気がして……あー、そこそこ、そこ強くっ」



光「それでさ、今年の仮面ライダーは1話で死んじゃってるんだ」

茄子「それは大変ですね……生き返るためにも頑張らないと」

光「前にも1度死んじゃったライダーって結構いるんだよなあ」

茄子「むむ……私の想像以上にヒーロー番組ってシビアな世界観みたいです」

光「茄子さんも何か見ない? DVDならたくさん持ってるから」

茄子「いいですねー♪」ニコニコ

凛「………」

凛「茄子さんって、いつもだいたい表情穏やかだよね」

P「うん? まあ、そうだな。でも急にどうしたんだ」

凛「いや、特に深い意味はないんだけど。本気で怒ったところとか見たことないから、どんな感じなのかなって」

P「……凛。今お前はこう思っているだろう。なっちゃんは怒ってもあんまり怖くなさそう、と」


凛「え? う、うん。正直そう思ってる」

P「凛には俺達の昔話をしたはずだ。以前のなっちゃんは他人を寄せつけない冷たいオーラを放てるほどだったんだぞ。怒ったら怖いにきまってる」

凛「でも、それも昔の話でしょ? 今は誰にでも柔らかい態度だし」

P「いやいや」

茄子「なんの話をしてるんですか?」

凛「あ、茄子さん」

P「そうだ。この際本人に聞いた方が早いな」

P「なっちゃん。ちょっと怒ったふりしてみてくれないか」

茄子「怒ったふり……ですか? すみません、話が見えないんですけど」

凛「茄子さんが本気で怒ったら怖いかどうかって話をしてたんだよ」

茄子「はあ、なるほどです」


茄子「ではたとえとして、P君が私の大切にしているぬいぐるみの腕を故意にとった場合を想定してみましょう」

P「ぬいぐるみ趣味があったのか? 知らなかったな」

茄子「……ええ、まあ」

凛「それで、どんな感じになるの?」

茄子「実演してみましょう♪ はいP君、どうぞ」

P「お、おう。……悪いな、なっちゃん。むしゃくしゃしてたからこのぬいぐるみ壊しちまったわー許して」

茄子「今すぐ額を地面に擦り付けて土下座しなさい。踏んであげます」ギロリ

凛「怖っ」

P「完全に氷の女王モードだったな……」

茄子「締める時はしっかり締めないといけませんからね♪」

P「久々に高校時代の恐怖を思い出したよ。なっちゃんと仲良くなる前は、睨まれるたびにちびりそうになっていたなあ」

凛「えぇ……」

茄子「それは言いすぎですよー」

P「ホントだって。美人が凄むと想像以上に怖いんだぞ?」

P「特になっちゃんクラスになるとだな」

茄子「わぁ、美人だなんて照れちゃいます♪」テレテレ

凛「今の流れからほんのり甘々な空気に持っていくんだ……さすがカップル」


茄子「P君はもう少し目をキリっとさせたらイケメンになりそうです」

P「こうか?」キリッ

茄子「ぷっ」

P「おいこら、なんだ今の笑いは」

茄子「ち、違うんですちょっとキメ顔のP君が面白くてですね」


凛「……と思ったけど、あんまり甘々でもなかった。また夫婦漫才してるし」

その後


凛「結局、プロデューサーと茄子さんってどうなんだろうね」

菜々「どうなんだろうって……どういうことですか?」

凛「ああ、うん。えっと、つまり……おおっぴらにいちゃいちゃできなくて、不満とか溜まってないのかなって」

菜々「不満ですか」

凛「二人とも、基本付き合う前と同じような感じだし。パッと見た感じは平気そうなんだけど」

菜々「うーん……元々ノリのいい友達からスタートしている関係ですからね。でも」

凛「でも?」

菜々「知らず知らずのうちに、鬱憤とかが溜まっている可能性がないわけじゃないです」

菜々「というわけで、今度ちょっぴり探りを入れてみることにします!」

凛「さすが先生、頼りになる」

菜々「えへへ……って、凛ちゃんまで先生呼びしないでくださいっ」

凛「ごめんごめん」

茄子「ウサミン星って千葉にあったんですね♪」

菜々「こ、ここは地球に借りた仮の住まいです! 本当の家には線路を走る電車じゃなくて、銀河鉄道に乗って1時間です」

茄子「むむっ。一見きれいに片付いているかのように見える部屋ですが、細かいところにホコリが! これは昨日慌てて掃除した証拠です」

菜々「ナナの話を聞いてくださいよー! あとホコリ溜まってるところってどこですか、今きれいにしますから!」



茄子「でも、いきなり菜々ちゃんのお家に招待してもらえるなんてびっくりしちゃいました♪」

菜々「たまには茄子さんと二人きりでお話ししたいなって。お酒も買ってきましたし、今日はまったり楽しみましょう」

茄子「いいですねー。ところで菜々ちゃんは飲むんですか?」

菜々「ナナはジュースです。未成年なので」

茄子「やっぱり」

菜々「かんぱーい」

茄子「かんぱい♪」

茄子「久しぶりのお酒はおいしいですねー」

菜々「茄子さんはあんまり飲まないほうなんですか?」

茄子「アルコールにそこまで強くないので、次の日の午前中にお仕事とか講義がある時は控えているんです」

茄子「……そういえば、この前事務所で飲んだ時は菜々ちゃんに迷惑かけちゃいましたね。ごめんなさい」

菜々「そんなこともありましたねえ。ナナとしては失敗から学んでくれればそれ以上言うことはないです。ちなみに今日はアルコールの薄いお酒を用意しています」

茄子「お気遣いありがとうございます♪」

菜々「どういたしまして、です。……ところで茄子さん」

茄子「はい?」

菜々「Pくんとの関係についてですけど……特に問題とか、ありませんか?」

茄子「P君との? あはは、急にどうしたんですか? 普段の様子を見てもらえればわかると思いますけど、仲良くやれてますよー」

1時間後


茄子「うー、そりゃー私だってもっといちゃいちゃらぶらぶしたいですよ! でもそれがダメなこともちゃんとわかってるから困るんです!」

茄子「夕日の沈んだ事務所で二人きりになった時とか、抱きつきたくなるのをぐっとこらえているんですよっ」

茄子「時々カッコいいところを見せた時とか、思わずむぎゅーっとしたくなっちゃんです!」

茄子「なのにP君はいっつもいっつもへーきそうな顔で、『なっちゃん、きのこの山食べる?』とか言うわけですよ。私がたけのこ派なの知ってるくせに! だいたいきのこならもっと違うきのこを私は所望しま」

菜々「ストップストーップ! それ以上ぶちまけると何かよくないことになる気がします!」

茄子「むー……」ヒック

菜々「(酔わせたら想像以上に効果てきめんだった……やっぱり、不満が溜まらないわけないですよね)」

菜々「大変ですよね。茄子さんも、Pくんも」

茄子「………」

茄子「いえ。自分達で選んだ道なので、大変だろうがなんだろうが自業自得です」

茄子「すみません。お酒に任せていろいろ言いすぎちゃいました」

菜々「いいんですよ、このくらい。ナナの前でなら大丈夫です」

茄子「え?」

菜々「愚痴でものろけ話でも、ちゃんと聞いてあげます。その時だけ、ナナは茄子さんの先生です。先生だから、どーんと優しく受け止めますよ」

茄子「先生……」

菜々「たまには、頼ってくれていいんですよ」ニコ

茄子「……ふふ、ありがとうございます。やっぱり安部先生は頼りになりますね」

菜々「そうですよー? 年の功がありますから!」

茄子「いいんですか? 年の功なんて言っちゃって」

菜々「今は元高校教師の安部菜々なのでセーフです」キラーン

茄子「なるほど……なら今日は、存分に甘えさせてもらいますね♪」

菜々「はいっ」

茄子「というわけで、せっかく設定を取り払ったのなら先生も一杯」

菜々「それはダメです。お酒は一度飲むと癖になる危険性があるので」

茄子「むむ、残念です」

菜々「でもやっぱり、公に恋人としての付き合いができないのは大変ですね」

茄子「そうなんです。もちろんキスは封印しているわけですけど……うーん」

菜々「キスですか……あ、ならこんなのどうでしょう? 少し前に放送していたアニメに出ていたんですけど」

茄子「?」

後日


茄子「P君P君」

P「ん?」

茄子「その……あれ、してくれませんか?」

P「あれか? うん、いいぞ」

P「しかしなっちゃんは本当にあれが好きだな」

茄子「ふふっ、なんだか癖になっちゃうんです……ではP君、小指を」

P「ああ」

ちょん、ちょん



凛「………」

凛「あの二人、小指をくっつけて何してるの?」

菜々「唇のかわりに、小指でキスをしているんです」



茄子「P君のぬくもりが伝わってきます」

P「小指一本から伝わるのか?」

茄子「伝わるんですよ。私にだけは♪」フフ

茄子「もう少し続けますね……」

P「ああ……言われてみると、俺にもなっちゃんの体温が伝わってくるかもな」

茄子「えへへ」

イチャイチャ

凛「………」

凛「少女漫画かっ!」

菜々「仲良きことは美しきかな、ですね!」

光「小指をくっつけるだけですごく楽しそうにしてるな……凛さん、アタシ達もやってみよう!」

凛「……この事務所、私がちゃんとツッコんでいかないとダメになる気がする」



おしまい

終わりです。お付き合いいただきありがとうございました
前回から数か月経っての投稿となりましたが、後日談とか言いつつ、いつもと変わらないノリになりました
茄子さんのデレステ登場は多分正月ですかね。光の登場も待っています

普段は他のシリーズとかを書いていますが、またネタができたらこっちのシリーズも書きたいなと思っています

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