凛「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝】 (354)



もし天使のような存在が空から落ちて


この世界で生きるとしたら


悪い事もたくさんしてしまうと思うのです


純粋すぎて、どんな色にでも染まってしまうのではないか、と……





…何それ? どういう意味?


いえ、ふと……


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445011860


「偶像喰種」シリーズの外伝です。デレアニが終わったのでこちらも書き始めることにしました。


モバP「クール属性ですね?」ちひろ「いいえ、グール属性です」

↑とは世界観およびキャラ毎の喰種設定も異なるのでご注意ください。



第一作
【アイマス】響「教えて、教えてよ。自分の中に誰がいるの?」【東京喰種】
【アイマス】響「教えて、教えてよ。自分の中に誰がいるの?」【東京喰種】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430488825/)

第二作(並行して執筆中)
響「まだ空っぽな明日は、限りなく黒に近いグレイ」【偶像喰種】
響「まだ空っぽな明日は、限りなく黒に近いグレイ」【偶像喰種】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439088444/)


#01[笑顔]



「こんばんはー!」



凛(ーー始まりは、私が店番を任されてた時にやって来た)



「わあ、素敵……!」

「ちょっと私には、贅沢だったかな……」

「こっちも素敵……こっちも……ううーん、でも~!」


凛(ーー家族で経営してる花屋にやって来た、1人の女の子)

凛(ーーとても嬉しそうな顔で花を選んでた女の子は……私と同じ匂いがした)

凛(ーーこの子も『そう』なんだって、すぐに分かった)


「贈り物です! ……って言っても、自分用なんですけど……」

「……でも、私にとってすっごく嬉しい記念日なんです!」


凛(ーー声をかけて話を聞くと、その子は本当に嬉しそうな顔で笑っていた)

凛(ーー『私と同じ立場のはずなのに、なんでこんなに嬉しそうな顔が出来るんだろう』)

凛(ーーそう思ったけど……)


「本当に、ありがとうございました!」

「私、頑張ります!」


凛(ーーその子に何があったかは聞かなかったけど)

凛(ーーたくさんのアネモネを抱えて)

凛(ーー何かを期待して、希望にみちあふれたような笑顔の彼女を見ていたら)

凛(ーーこんな笑顔の出来るあの子を少し羨ましい、って思って)

凛(ーー出来ることなら)

凛(ーーあの子は、ずっとあんな風に笑えていたらいいな……なんてことも)



凛(ーーそんな、らしくない事を思ってた)


1レスだけだけど今日はここまで。

基本はアニメの流れに沿うけど細かい所はちょこちょこ弄っていく予定です。

ちょっと待って
グール属性の人なの!? マジで!?

>>6
そだよー


凛(ーー次は、警察に誤解を受けた時だった)



凛(ーー何もしていないのに変な誤解をされて、警察に補導されそうになった)

凛(ーー警察に捕まったら本気でまずい事になるかもしれない身だから、何とか逃げようとして)

凛(ーーそんな時、私を助けてくれた人がいた)


凛(ーーでも、そいつの目的は……)



「私、こういう者ですが……」

「アイドルに、興味はありませんか……?」



凛(ーー何だ。私に声をかけたの、勧誘目的だったんだ)

凛(ーー当然、断った)

凛(ーーアイドルなんて訳の分からないもの、興味なんて無かったし)


凛(ーーそれに……)



凛(ーー私じゃ無理だよ)



凛(ーー人前で踊る仕事なんて、危険すぎる)





凛(ーーだってーーーーーーーーーー)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛「ちょっと……いきなり何なのアンタ」

「そんな足出しちゃってさァ、いいから来いっての……」ニタニタ

凛「やめてってば……離してっ!」

「遊んでくれよぉ! 折角カワイイんだからさあ……」

凛「……」ハァ





ギョロッ


ズパッ





「……あ
え?」ゴトン


凛「……あんたムカつく」ギョロ


凛(ーーだって私ーーーーーーーーーー)



凛「んっ、ぷ……」


モグ

グチッ

ブチッ


凛「んく、んぶ……」


ゴリッ

グチャリ

ジュルッ


凛「……ぷは」


凛「……御馳走様」





凛(ーーだって私……)

     グール
凛(ーー"喰種"だし)

一旦ここまで。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ねー凛ー、部活何にするか決めたー?」

「吹奏楽部入らないー? 凛、音感すごくいいもん!」


凛「……ええと……」

凛「ゴメン、私は部活入るつもりないんだ」


「えっ? 凛部活やんないの!? 一生に一度の高校生活なのに!?」

「もったいなーい!」


凛「……ごめんね。家の手伝いとかしなきゃいけないからさ」


「そっかー……大変だね凛も」

「残念だなー……」



ツギダレサソウ? ジャア・・・





凛「……」


凛(……部活、か)

凛(っ……駄目駄目。部活なんて入ったら人との関わりが増えて"喰種"だってバレやすくなる)

凛(……)



『アイドルに、興味はありませんか』



凛(……ましてや、アイドルなんて)


凛「……はぁ」

凛(帰ろ。変なこと考えすぎて変なボロ出す前に)ザッ


ナニアレー

デカイー

フシンシャー

ワウッワウッ


凛(……?)チラ







武内P「……」ジー



凛「……」

凛(何でいるわけ……?)



ーーーーーーーーーー


P「名刺だけでも、受け取っていただけないかと……」


ーーーーーーーーーー


P「話を聞いていただきたいのですが……」


ーーーーーーーーーー


P「名刺だけでも、受け取ってはいただけないでしょうか」


ーーーーーーーーーー


凛「……」ハァ

凛「……だから、アイドルなんて興味ないって。何度来ても一緒だってば……」

凛「それに……」


凛「あんただって『匂い』で分かってるでしょ。私だって、あんまり目立つと不味い立場なんだから……」ヒソヒソ

凛「……それはあんただって同じだと思うんだけど。通報されたらどうすんの……?」ヒソヒソ


P「……申し訳、ありません。以後気を付けます」

P「……しかし、せめて名刺だけでも……」スッ



ガシッ


P「えっ」

凛「あっ」



警官「ちょっと君。通報があったんだけど、一緒に来てもらおうか」グググ

P「……いえ、自分は別に……」

凛「……あー……」ガク

警官「じゃあ今この子に何しようとしてたんだ? いいから来なさい」

凛「っ……ああもう!」タッ



パシッ



凛「違うんです! この人は……!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~某喫茶店~


カランカラン

イラッシャイマセー


P「コーヒーを二つ、お願いします」


カシコマリマシター



凛「……ここは?」

P「私達が使っている会合場所の一つです。スタッフも"喰種"ですから、ある程度は周りを気にせず話が出来るかと」

凛「ふーん……」



客1(喰種)「いやー、あの『ブルードーベル』が本当にアイドルをやってるなんてな……丸くなったもんだよな」

客2(喰種)「それを言うなら『隻眼』もだろ? どうやってスカウトしたんだよあんな怪物……」



凛「……はぁ。てっきり私の鼻がおかしくなったのかと思ってたんだけど」



凛「やっぱりあんたも"喰種"なんだ」



P「はい。先程は庇っていただき本当にありがとうございました」ペコリ

凛「あれで今まで正体がバレなかったのが不思議だよ……私も一度危なかったし、あんまり人の事言えないけどさ」ハァ

P「……申し訳、ありません」


凛「……それで何? この『シンデレラプロジェクト』って言うの、もしかして"喰種"のアイドルを集めて作ってるとでもいう訳?」

P「はい。現在、募集人数の14名のうち12名が既に決定しています」


凛「……は? ちょっと待って、それ全部"喰種"?」

P「例外が一人いますが……"喰種"で構成されたグループと言って間違いはないかと」


凛「……」ポカーン



凛「……はっ。いや、待って待ってちょっと待って……」

凛「何考えてるのその12人……12人もアイドルになろうとか考えてる喰種がいるとか……」

P「CPに限らず……346プロに在籍する180名程度のアイドルのうち、約半数が"喰種"です」

凛「はあああっ!?」ガタン



P「」ビクッ

凛「……ごめん。つい動揺して……」ストン


ここまで。最初は346プロ全員"喰種"にしようと考えてたけど、調べてくうちにシリアスの出来ない子や喰種設定そのものが不可能な子(珠美とかドナキチとかパンキチとか)がざくざく出てきたので765と同じく人間喰種混合にしました。

さて問題です。

『ブルードーベル』
『隻眼』
『CPの例外』

一体誰のことでしょう?

あと、武内PおよびCPメンバーは何赫でしょうか?

良ければ皆さんの予想を教えてください


凛「……で? 私も"喰種"だから、とりあえず勧誘しようって思ったってこと?」

P「いえ、そういうわけでは……」

凛「じゃあ何。そもそも、私の何を見てアイドルになれって言ってるわけ?」

P「……それは……」



P「……笑顔です」



凛「……は?」

凛「笑顔って……私、あんたの前で笑ったことあったっけ?」


P「いえ、今はまだ……」


凛「……適当言ってるなら帰るよ」ガタン

P「! あのっ……!」

凛「……何?」


P「……ひとつだけ、聞いてもよろしいですか」

P「あなたは、今ーーーーー」





P「ーーー今、楽しいですか」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カランカラン

アリガトーゴザイマシター


凛「……」フイ


スタスタスタスタ





凛(ーー楽しいこととか、夢中になれることとか……)

凛(ーー"喰種"にそんなもの持つ余裕なんてない)



『いま楽しいって……どういう意味?』


凛(ーー学校へ行って勉強する。将来の役に立つ知識を若いうちから身につける。ある程度交友関係を広げて、人脈を増やす)

凛(ーーそれは、まともな暮らしをするために必要になってくる生活の一部だと私は思う)

凛(ーー普通に学校に行って、普通に就職して、普通に『人間ごっこ』をする)

凛(ーーそれでいい。どこまで行けるかなんて分からないけど、普通に暮らせるなら幸せな事にかわりはない……って思う)


『って言うか……それ、あんたに関係ある?』


凛(ーー父さんと母さんが必死になって手に入れてくれた、まともな『人間』らしい生活)

凛(ーー私は"喰種"の中でも、すごく恵まれてるんだと思う。"喰種"は、文字も読めないような暮らしをしているのがほとんどだから)



『……それは分かりません』


凛(ーー生活に必要なもの、将来を生きるために必要なもの。今の私の生活には全部揃ってる)

凛(ーー住む家も、人並みの服も、食事も、家族も、学校も、勉強も)

凛(ーーだから、これ以上望むことなんてない。父さんと母さんに感謝して、今を生きられればそれでいい)


凛(ーー分かってる。これでいい。贅沢を言わないで、じっと平穏に暮らせていたら……これ以上は、望む必要なんて無いんだって)





凛(ーー分かってる)



『……ただ……』



凛(ーーでも)





凛(ーーそれでも、たまに思ってしまう)



『ただ……あなたは今、夢中になれる何かを』


凛(ーー下校途中に部活で汗を流している人たちを見て、たまに思うんだ)

凛(ーー何かに一生懸命に打ち込んで、前だけを見ている真剣な表情)

凛(ーー力を振り絞って体を動かし、弾む呼吸と流れ落ちる汗)

凛(ーー隣に並び同じところを見て、共に駆けていく仲間)


『心を動かされる何かを』


凛(ーーそして、理想が叶ったときの)

凛(ーー顔が緩んでこぼれる笑顔)


『持っているのだろうか、と』

『気になったものですから……』


凛(ーー人間は、生活に必要なこととは別に……『何か』に全力で挑んでる)

凛(ーー将来や今を生きることには関係ないことで、汗を流して笑ってる)

凛(ーー楽しんでる)


凛(ーーたまに思うんだ)

凛(ーー私もあんな風に……)





凛(ーー『何か』に夢中になれたらって)








『……あんたには関係ない』


凛(ーーでも、無理なんだ)

凛(ーーあの中に入ったら……必要以上の人との関わりが、いらない関わりが増えてしまう)


『コーヒーご馳走様。美味しかったよ』

『……でも、もう話しかけて来ないで。私はアイドルになんてなる気はないから』


凛(ーー"喰種"は、人に正体を知られてはいけない。知られてしまえば、通報されて終わり)

凛(ーー法は"喰種"を守ってくれない。バレたら最後、CCGの捜査官に殺されてしまう)

凛(ーー何もかもが終わる。積み上げたものが、全部崩れ落ちてしまう)


『次来たら、その時はあんたを喰うから』



『……それじゃ』


凛(ーーだから、そんな余裕なんてない)

凛(ーー"喰種"は、ひっそりと生きるしかない)






凛(ーー心の底から笑うことなんて、出来ない)


今日はここまで。


渋谷言う

あんたを喰うよ

次来たら


武内Pを知る周りの客は「この子、喰うとか本気で言ってんのかな……」とか思ってました。

ブルードーベルって原作のブラックドーベルのパロディ?
じゃあ東京喰種世界のキャラはいないのか


~翌日~


凛「お母さん、ハナコの散歩行ってくるね」



凛(ーーあれから丸一日。あの人の言葉が、全然頭から離れなかった)

凛(ーー夢中になれる何か。心を動かされる何か)

凛(ーーあの人についていったら、私も出会えたのかな)


凛「……はぁ」

ペシッ


凛(ーー駄目駄目。今の生活は手放せないって言ったでしょ)

凛(ーー下手に動いて自滅なんて、バカらしい)


凛(ーーでも)

凛(ーーそう言えば)


『"喰種"で構成されたグループと言って間違いはないかと』

『346プロに在籍する180名程度のアイドルのうち、約半数が"喰種"です』


凛(ーーあの人の言葉を信じるなら……)

凛(ーーそんなバカが、90人もいるんだ)



凛(ーーその"喰種"たちは……何を考えてアイドルになろうって、考えたんだろう)

凛(ーー全員、今日の命が危ないほどお金や食事に困ってた?)

凛(ーーそれはそれで、アレな集まりだと思うけど……)


ハナコ「キューン」

凛「あ、ごめんねハナコ。散歩いこっか」


凛(ーーまあ、そうでもないと)

凛(ーー全てを失う危険があるのに、アイドルなんて出来るわけがないよね……)


「……あれ? このお店って……」


凛(ーー例えば)

凛(ーーこの間店に来た、良い所のお嬢様っぽかった喰種とか)


「……なにか……?」


凛(ーー少なくとも、あんな風の喰種が考えるようなことじゃ無いよね)



凛「じゃあ、行ってきまーーー」クルッ





卯月「!」

P「……」





凛「……」


卯月「……わあっ! じゃあ、あなたが!」







凛「…………へ?」


今日はここまで。

>>39そうですね。カズオとか、個人的に気に入ってるストーリーにあんまり絡まないサブモブくらいしか原作キャラは出さない予定です。

ドナキチやパンキチから食べ物設定はそのままということは
イチゴフェチのありす、紅茶好きの桃華、お米大好き茜、ラテアート(ミルク)藍子、ビールがぶ飲み友紀も喰種から外れるのか。
他に外れそうなの誰かいたかな


…あくまで個性に強く結びつきすぎてる食べ物嗜好ですね。除外するのは。
>>46で挙げられた中に少なくとも一人、喰種設定にしてる子がいます。

勿論、それ以外の理由でも喰種から外す子はいるんだけれども。


さっき友達にプロットまとめるのに付き合ってもらって書く意欲が湧いてきたので、もうちょい続き書きます。

>>44の書き直しから。


卯月「……わあっ! じゃあ、あなたが!」







凛「…………えぇ?」


~公園~


卯月「えへへ……」ナデナデ

ハナコ「♪」


卯月「可愛いワンちゃんですね!」

凛「ああ、うん……」

卯月「あの、お名前聴いてもいいですか?」

凛「……ハナコ」

卯月「ハナコちゃんですか! 私は島村卯月って言います! あの時はお花選んでくれてありがとうございました、ハナコちゃん!」

凛「あっ、ハナコは犬の名前で……」

卯月「ええっ!? あ、あわわ、ごめんなさい!」

凛「う、うん……」





凛(ーーまさか)

凛(ーーこの子が12人のうちの1人だとは思わなかったよ……)


卯月「……えっと! それじゃああなたのお名前は……ひゃあああっ!?」ビクッ

凛「…………」スンスン

卯月「え、ええっ? ど、どうしたんですか!? ええと、その、ハナ……お花屋さん!?」

凛「……やっぱり、匂いはするよね」スンスン





凛「……」キョロキョロ

卯月「?」キョロキョロ

凛「……うん、近くに人はいない。小声で話せば大丈夫だね」フゥ


凛「島村さん……だっけ。やっぱり"喰種"だよね」ボソッ

卯月「え? は、はい! そういうお花屋さんも……」コソ

凛「渋谷凛だよ。そう、私も"喰種"」

卯月「やっぱり!」パアッ



卯月「CPの事はプロデューサーさんから聞いてましたけど……本当に"喰種"のアイドルグループなんですね!」

凛「……ん?」

卯月「渋谷さんみたいなカッコいい人がメンバーだなんて! 他にはどんな人がいるんでしょうか!」

凛「……えっ?」

卯月「渋谷さん! 一緒にアイドル、頑張りましょうね!」

凛「……あっ」


卯月「?」キョトン

凛「ご、ごめんね。私、アイドルをやるつもりはなくて……」

凛「毎回そう言ってるのに、あの人が」


卯月「へ?」キョトン







卯月「ーーーーーえええええええええええっ!?」


今日はここまで。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


卯月「……」アセアセ

凛「……」ジー

卯月「……?」チラ

凛「……」ジー

卯月「……!?」フイッ

凛「……」ジー

卯月「……」ウーン

凛「……」ジー

卯月「……」ハッ

凛「……」ジー

卯月「!」ピコーン

凛「……」ジー


凛(ーーゆるい雰囲気や礼儀正しい言葉遣い)

凛(ーー健康そうで清潔感もある匂いから、すぐに分かる)

凛(ーーこの子は間違いなく、恵まれてるタイプの"喰種")

凛(ーー親か親しい人からすごく愛されたから穏やかでいられて)

凛(ーー家や経済面からみれば、私よりも富んでる)


凛(ーー間違っても、危険を冒さなきゃいけないほど生活に困ってる"喰種"じゃない)

凛(ーーなのに)



凛(ーーなんでこの子、アイドルなんかになりたがるんだろう)


卯月「あっ……あの!」

凛「!」ハッ


卯月「あ、あれ見てください!」ビッ

凛「あれ……あのピンクの髪のギャル?」

卯月「そっ、そうです! あの子は城ヶ崎美嘉ちゃんって言って、あの子も"喰種"でアイドルをやってるって聞いてます!」

凛「ふーん……あの子が」


凛(城ヶ崎美嘉、か)

凛(この子よりは俗って感じはするけど……)

凛(でも、野蛮かって言われるとそんな風には見えないよね)


卯月「あ、ほら! 他にも今映った小梅ちゃんとかまゆちゃんもそうなんです!」

卯月「他にも紗枝ちゃんとか藍子ちゃんとか、輝子ちゃんや川島さんも……」

凛(片目隠れの子とリボンの子のことかな……? あとは……)

凛(……って!?)


凛「ちょっと!」ガシッ

卯月「ムグッ!? むーむむー!?」モゴモゴ

凛「さっきから声が大きくなってるよ……! 誰かに聞かれてたらどうするの!?」ヒソヒソ

卯月「!?」ハッ


パッ


卯月「ど、どどどどうしましょう渋谷さん!? わたしのせいで皆があああ!」オロオロ

凛「落ち着いて! 大丈夫、今人はいなかったみたいだから……!」キョロキョロ

卯月「あ、そ、そうなんですか……?」

卯月「……よ、良かったあぁぁぁ……」ホッ


凛(……この子本当に"喰種"?)


卯月「うう、ごめんなさい……なんとか渋谷さんと話したくて話題を探してたら、あとちょっとで大変な事に……」

凛「……ああ。そっか、私が一言も喋らなかったから」

凛「ごめん……ええと、島村さん。変な緊張させちゃって」

卯月「いっ、いえいえ! 私の方こそ焦らせちゃってごめんなさい!」

卯月「えっと、何とか渋谷さんと仲良くなりたくて話題を探してたら、あとちょっとで……」

凛「さっきと言ってることがほとんど同じだよ」

卯月「へ? わ、わあっ! そうでした! えーとえーと他に話すこと……」ワタワタ

凛「……」


凛(ーー匂いは確かに"そう"だけど、本当に"喰種"らしくない)

凛(ーーこういうタイプ、実際に会ったらイライラすると思ってたんだけど)

凛(ーーでも)



凛(ーー嫌いじゃないかも)



凛「……くすっ」

卯月「?」

凛「クスッ、ふっ、ふふふっ」フルフル

卯月「!」

卯月「……えへへ。渋谷さんが笑ってくれて、すごく嬉しいです!」


凛「……凛」

卯月「へ?」

凛「渋谷さんじゃなくて、『凛』でいいよ。名字で呼ばれるのはちょっと堅苦しいかなって思ってたし」

卯月「! は、はい! よろしくね凛ちゃん!」

凛「うん。……ええと」

卯月「わたしも『卯月』って呼んでください!」

凛「……うん」





凛「よろしくね、卯月」


今日はここまで。次で第1話の範囲終われるかな?

うづりんとか言うちゃんみおハブは邪道だと思ってたけど、書いてみると案外悪くないね
この初々しい感じ好きよ

ああそうだ。

今回喰種だと判明したアイドル達の赫子予想も、できれば聞かせてください

「できれば」は少し変か…

よければ聞かせてください


凛「……それで、さ」

卯月「はい!」

凛「何で卯月はあの人と一緒にいたの?」

卯月「……はい?」

凛「あの人とはどういう関係? まさか……」


凛(この子、もしかして騙されてアイドルをやらされようとしてるんじゃ?)

凛(……あり得るよね。卯月なら騙されそう)


卯月「えっ、ええっ!? わ、私とプロデューサーさんはそんな関係じゃないですよ!?」ワタワタ

卯月「あの人は私のプロデューサーさんなんです! それだけで特別な関係ってわけじゃ……!」

凛(何か質問の意味を間違って受け取られた気がする……)


凛「……別に恋人関係だとか思ってたわけじゃないよ」

凛「卯月さ、あいつに騙されてアイドルやらされようとしてるんじゃないかって思って……」

卯月「騙されて?」

凛「……うん」


凛「だってさ、あの人……何か変でしょ」ピッ

卯月「プロデューサーさん、ですか?」チラ

凛「うん……」


P「……」

バウッバウッ

オジチャンワルイヒトー?


凛「毎日来て、『アイドルになりませんか』って。それだけ」

凛「不審者に間違われたりとか……」

卯月「あ、あはは……」


凛「選ばれた理由も『笑顔』としか言われてなくって……」

卯月「ええっ!?」

凛「え?」

卯月「わ…私も同じこと言われて……」ジワ

凛「えっ……」


凛「ああっ……! でも私、卯月の笑顔は本当の理由だと思う……」アセッ

卯月「そ、そうでしょうか……」ドヨーン

凛「うん」

卯月「うう……」グスン


卯月「……いいんです! それでもプロデューサーさんは」

卯月「私の長年の夢を叶えてくれる人かもしれないから!」


凛「……夢? アイドルになるのが?」

卯月「はい!」

卯月「……えへへ」ニコニコ


凛「……」


凛「あのさ」

卯月「はい!」

凛「ずっと気になってたことがあったんだけど」

卯月「なんでしょうか?」


凛「卯月はさ……」





凛「どうして、"喰種"なのにアイドルになりたいの?」





卯月「……"喰種"なのに?」

凛「うん」



凛「……だって、アイドルって人前に出る仕事でしょ?」

凛「目立つことをしたら、それだけ正体がバレやすくなってしまうし」

凛「それはそのまま、白鳩に殺される危険が高くなるってことだし……」


凛「見てなんとなく分かるんだけどさ。卯月は多分、いい家の生まれでしょ?」

凛「大人しくひっそりと生きてたら、満足した生活が出来るはずなのに」

凛「未知の世界に踏み入れるような危険な事、する必要なんてないはずなのに……」


凛「答えて、卯月。なんで卯月は、危険な事のはずなのに……」



凛「なんで卯月は、アイドルになりたいの?」


卯月「それは……」

凛「……」

卯月「……」ウーン



卯月「……危険って言われたら、確かにそうなのかも知れません」

卯月「凛ちゃんの言う通り、私はすごく恵まれてる"喰種"なんだと思います」

卯月「パパに愛されて、ママに愛されて。今まで何不自由なく生きることが出来て」

卯月「それこそ、アイドルになる事がすごく勿体ない事ってくらいに……」


凛「……」



卯月「……でも、夢だったんです」



凛「夢……?」

卯月「はい」


卯月「すごくちっちゃい子供のころ、テレビでアイドルが歌っているのをたくさん見てきました」

卯月「私の見たアイドルは、キラキラしたステージの上に立って、素敵な衣装を着て」

卯月「それが、まるでお姫様みたいで……」

卯月「あっ……あんな風になれたらいいなって……!」



鈴帆『 ただの アイドルで よかんだなッ!!?? 』パッ



卯月「……あー……」

ちょっと訂正。



凛「夢……?」

卯月「はい」


卯月「すごくちっちゃい子供のころ、テレビでアイドルが歌っているのをたくさん見てきました」

卯月「私の見たアイドルは、キラキラしたステージの上に立って、素敵な衣装を着て」

卯月「それが、まるでお姫様みたいで……」

卯月「あっ……あんな風になれたらいいなって……!」



鈴帆「ただの ファラオで よかんだなっ!?」パッ



卯月「……あー……」

すまん……もっかい。


凛「夢……?」

卯月「はい」


卯月「すごくちっちゃい子供のころ、テレビでアイドルが歌っているのをたくさん見てきました」

卯月「私の見たアイドルは、キラキラしたステージの上に立って、素敵な衣装を着て」

卯月「それが、まるでお姫様みたいで……」

卯月「あっ……あんな風になれたらいいなって……!」



鈴帆『 ただの ファラオで よかんだなっ!? 』パッ



卯月「……あー……」


卯月「ええと……正直、どう言うお仕事がアイドルの仕事なのか、私もよく分かってないんですけど……」

卯月「でも、夢なんです」


凛「……!」

卯月「養成所に通って、頑張ってレッスンして、いつか大きな舞台に出ることを夢見て……」

卯月「同じ研修生の子達に"喰種"はほとんどいなくて、その子達も皆やめちゃったんですけど……」

卯月「私、ずっとなりたかったんです。キラキラしたアイドルに、ずっと憧れていたんです」


卯月「こんな身体の私でも、アイドルになりたいって夢があって」

卯月「ずっと待ってました。アイドルになって、キラキラした何かになれるんだって」

卯月「そう信じて、ずっと頑張ってきて……」


卯月「……だから!」スクッ


タッ

タッタッタッ


卯月「プロデューサーさんが私を見つけてくれて、すごく嬉しかったんです!」


ヒョイ


卯月「プロデューサーさんは、私を見つけてくれたから……」


卯月「きっと私は、夢を叶えられるんだなって」








ニコッ



卯月「ーーーそれが、嬉しくて!!」







凛「ーーーーーーーーーー!!」ザワッ





凛(ーーたった今見た、卯月の笑顔)

凛(ーー卯月が見せた、満面の笑み)

凛(ーー卯月は、私と変わらない"喰種"のはずなのに)

凛(ーーそれでも)





凛(ーー初めて知った)


凛(ーー"喰種"でも、こんな風に笑えるんだ)


ワンッワンッ


卯月「あっ」

凛「……えっ?」

凛「あっ……こら! ハナコ!」タッ


フリフリ


P「……」スッ

凛「あ、ありがとう……」


P「……」





P「……君が」


凛「……」


P「君が自分の運命のせいで、何処にもいけないと思っているのなら」

P「それでも尚、君が夢中になれる何かを探しているなら」



P「一度、踏み込んでみませんか」





P「そこにはきっと、今までとは別の世界が広がっています」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛「……」ボフ



『きっと私は、夢を叶えられるんだなって』


『それが嬉しくて!!』



『自分の運命のせいで、何処にもいけないと思っているのなら』


『それでも尚、君が夢中になれる何かを探しているなら』


『一度、踏み込んでみませんか』


『そこにはきっと、今までとは別の世界が広がっています』



凛「……」ギュウ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~翌日~


カランカラン


卯月「あっ!」

P「……!」



凛「……」





凛「……ごめん、一晩じゃ決められなかった」

凛「今の生活が大事ってだけじゃなくて。これは、父さんと母さんが必死になって手に入れてくれたものだから」

凛「……でも」


凛「もし、ここに夢中になれる何かがあるなら、捨てたくない」

凛「アイドルに夢中になれるかも知れないのなら、その可能性を諦めたくない」

凛「だから、勝手な事を言ってるのは分かってるけど……」





凛「ーーー渋谷凛、15歳」


凛「私にアイドルを体験させてください」

凛「アイドルが何なのか、アイドルがどんな風に輝けるのか、私に見せてください」





凛「……お願いします」ペコリ


卯月「あ……」チラ

P「……」スック



P「ありがとうございます、渋谷さん」



卯月「!」パアッ

卯月「凛ちゃんっ!」タタッ


凛「……まだ決めたわけじゃないけど……とりあえずよろしくね、卯月」

卯月「はいっ! こちらこそ!」

凛「……うん」フフッ





凛「ーーーで、あんたが私のプロデューサー……」

凛「……になるかも知れない人?」


P「はい。よろしくお願いします」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





凛(ーー自分の生まれた運命を)


凛(ーー自分の身体を、呪いながら生きていた)


凛(ーーこんな身体に生まれた私は、何かに夢中になる事を諦めて)


凛(ーーずっと、人の目を気にしながら)


凛(ーーただひっそりと生きていられれば、それで幸せなのかなって思っていた)






凛(ーーでも、もし何かを見つけられるのなら)


凛(ーーたとえ私達でも)







凛(ーー踏み込んだ先で、こんな笑顔を生み出せるような世界があるのならーーー)











凛(ーーー踏み出してみようって思ったんだ)










今日はここまで。宣言通り第1話範囲を終了させることが出来ました。

アイマスとしてはアニメ通り即決で行きたかったんだけど、喰種としてはそう簡単に踏み出せるようなものじゃないよなあ……と思ったので、
凛ちゃんにはまだ少し迷ってもらうことにしました。


今後は基本的にはアニメの内容をなぞりつつ、しかしところどころで変更を加えて進めて行こうと考えています。
デレアニの展開は結構ばっさりとカットしていくことが多くなると思うので、ご了承ください。

では、第2話以降もよろしくお願いします。


#02[開花]


凛(ーーアイドルという道を知って、その世界に足を踏み入れて)

凛(ーーそして私は、たくさんの人間や喰種と出会った)


凛(ーー色んな出会いがあったけど……その中に3人、特に私にとって大きな存在になる喰種がいた)



凛(ーー1人は、プロデューサー)

凛(ーー何を考えているのか分からない人だけど、その誠実さはなんとなくわかる)

凛(ーー私に、『道』を示してくれた喰種)


凛(ーーもう1人は、卯月)

凛(ーー少し抜けてるけど、素直で努力家で、一緒にいるとあたたかい気持ちになれる子)

凛(ーー私に、とても素敵な『笑顔』を見せてくれた喰種)


凛(ーーそして、もう1人)

凛(ーー遠慮なんて言葉を知らないみたいに、人の心にずかずかと入って来た子)

凛(ーーそして私と、卯月や、これから出会う皆)

凛(ーーそれと、後に出来るファンの皆との『絆』を作ってくれた喰種)



凛(ーーその子の名前はーーーーー)





「ふっふっふ……」


「ーーー時は来た!」


~346プロダクション~


卯月「わあ……!」

凛「……!」


凛(……思ってたより規模の大きい会社だ)

凛("喰種"を匿っているんだから、もっとひっそりしたものだと思ってたけど……)


卯月「何だかお城みたいです!」

凛「内装も凄い……」

「シャンデリアなんて、今時見ないよねえ」

卯月「うん!」

凛「……ん?」



卯月「……あれ?」


「あっ! お疲れ様です! 新人アイドルのーーーーです! よろしくお願いしまーす!」

オツカレサマー

ガンバレヨー


凛「今の子の『匂い』は……」スンスン

卯月「ですよ、ね……?」

凛「……知り合い?」

卯月「い、いえ……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


卯月「案内によると……」

凛「この部屋だね」コンコン


ガチャ


卯月「! すごい景色……!」

凛「30階、なんだよねここ……」


「へえー、なんかクールな感じだね♪」

凛「あっ」

卯月「また!?」


「にひひー、ビックリさせてゴメンね!」

凛「う、うん……」

卯月「だ、大丈夫です!」


「多分新人さんで、同じ"喰種"だよね?」

「私も今日からアイドルになるからさ! よ、ろ、し、くっ!!」ガッシ

凛「ちょっ……ええっ?」

卯月「よ、よろしくお願いします!?」





凛(ーー初めて出会った時からそうだった)

凛(ーーものすごく馴れ馴れしくて、初対面なのにまるで知り合いみたいに話しかけてきて)

凛(--いきなりボディタッチまでしてきて)


凛(ーープロデューサーや卯月とはまた違った意味で、『この子は本当に"喰種"なのかな』と思ったんだっけ)


バタン


P「おはよう御座います」

凛「! おはようございます」

卯月「おはようございます!」


P「すでに3人とも、揃っていたみたいですね」

凛「……3人」チラ

卯月「そろって……?」

「ふふん」ニコニコ



卯月「!」

卯月「じゃ、じゃあこの子が3人目の!」

P「はい、ご紹介します」


P「こちらは渋谷さんに次いで、当プロジェクトの最後のメンバーとなる方です」

P「名前は……」

「……」ニッ





「本田未央、高校1年! 赫子は甲赫!」





未央「ーーーよろしくねっ♪」


今日はここまで。

ようやく未央の登場と彼女の赫子の種類まで書けました。未央は何赫にするか結構迷ったんだよねえ

わりかし早く決まった凛と卯月の赫子は、近いうちに書けると思います。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


未央「ほうほう……じゃあやっぱり、2人が『島村卯月』ちゃんと『渋谷凛』ちゃんでいいんだね!」

卯月「はい♪ よろしくお願いします、本田さん!」

未央「未央でいいよー、よろよろー」


未央「んで、こっちのクールな子が『渋谷凛』ちゃんでいいのかな?」

凛「そうだけど……」

未央「ふむ。……ぶっきらぼうながら、溢れ出るオーラ。只者では無いと見た!」

凛「えぇ……?」


ちひろ「未央ちゃんは欠員補充の二次オーディションで合格しました。相当な幸運をお持ちですね♪」

未央「わっはっは、アイドルの神様に愛されちゃったかな?」

未央「ちなみにちなみにー、合格理由は私がスポーツ万能の学園のアイドルだからかな? かな?」


P「笑顔です」


未央「……どうも? 笑顔、笑顔ねえ……」ウーム


未央「んー、まあいいや! それよりそれよりお二人さんっ!」

未央「プロフトークでもしない? 私、高1の甲赫なんだけど! ほいしまむー!」

卯月「しまむー!? あっ、今年で高2になりました! 尾赫です! 凛ちゃんっ!」サッ

凛「高1も甲赫もさっき聞いたよ。……私も高1。羽赫だよ」

未央「おー、いいねえ羽赫に尾赫! シュバッと動ける羽赫にバランス性能の尾赫! どっちも羨ましいっ!」

凛「そういうものかな……」

卯月「えへへ、ありがとうございます♪ でも甲赫も、なんだか騎士みたいでかっこいいですよ?」

未央「そーお? さっすがお姉さん、ちゃんと私のこともフォローしてくれるねえこのこの~」

卯月「お姉さんですっ♪」

凛「……年上だったんだ。同い年だと思ってた」

未央「……」


未央「……ホントだ!? しまむー年上!? 年下だと思ってた!」

卯月「ええっ!?」

凛「やっぱり年上に見えないよね……」

卯月「凛ちゃんまでえっ!?」


ワイワイ

キャイキャイ



P「……」

ちひろ「さっそく仲良くなってますね、3人とも」

P「はい。このまま、他のメンバーとも上手くやってもらえれば何よりです」

ちひろ「シンデレラプロジェクト、幸先がよさそうですね」

P「……ええ。そうあって欲しいと、思います」



未央「あっ! お二方は何赫ー?」

ちひろ「あら♪ 私は尾赫ですよ?」

P「……甲赫です」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日はここまで。5人の赫子の種類だけ書いておきたかった。羽赫しぶりんの画像ください。

今まで複数のss作者が同じこと言ってるけど、やっぱり亜美真美とか未央とか、お喋りなパッションタイプはすごく書きやすいね。


あと、おまけとしてグール属性の方で書いていたちひろの話も載せておきます。


ーーー


P(……ところで、CCGの支部にて貼られていた手配書に、こんな喰種の情報があった)

P(そいつはとにかく金儲けをしたがる貪欲な喰種であり)

P(その時所属していた会社の仲間相手に財布試しと称し、ドリンクの売買と金の尽きた奴の捕食を繰り返していた)

P(捕食する際に用いる鬼を模した仮面と、悪魔の尻尾を思わせる先端の尖った尾赫という組み合わせより、奴はこう呼ばれているらしいーーーーー)



ちひろ「プロデューサーさん、スタドリはいかがですか?」

P「ハイヨロコンデ!」



P(ーーーーー『オニアクマ』とーーーーー)


ーーー


こっちでも同じようなことしてるのかは秘密。モデルはもちろんオニヤマダ。

全員スカウトかと思ったら未央はオーディションなのか
喰種だけ募集とかは出来んだろうし採用無しのつもりだったオーディションに偶然喰種が混ざったのか、それとも人間を採用するつもりだったのか

>>127
あまり深く考えていたわけじゃなく結構穴があるかもしれない設定なんだけど、CPのオーディションは一次二次ともに人間・喰種混合(完全に喰種だけを募集するのはキツいと判断したため)で行っています。
そこで人間は、ちょっと言い方悪いけど怪しまれない程度に難癖付けて落としてます。

あとの本編でもうちょっと言及するつもりですが、346プロの存在や特徴は大手プロダクションであること、そして全国で(あくまで喰種の間では)大々的にスカウトを行っているということもあり喰種の間でも意外と有名です(凛が知らなかったのは単に芸能関係に興味が無かったから……と思っていただければ。ちょっと無理があるかもだけど)。
なので、オーディションに応募してくる喰種も結構いるんですね。346の喰種アイドルのうち誰がオーディション合格組で誰がスカウト組かは、デレステコミュの状況と大体同じだと思ってください。

例外についてはネタバレになるので後程。


こんなところでしょうか? ……納得できないところがあればご指摘願います。

大々的に喰種関係で行動してるってことはアイドルだけじゃなくて美城一族をはじめ従業員の大半は喰種かな
あんていくじゃなくて月山財閥みたいな感じか


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


未央「……へー! なんとなく学年聞いちゃってたけど、2人とも学校には通ってるんだ!」

凛「うん。私は中学からで、それまでは父さんと母さんに教えてもらってたけどね」

卯月「家が裕福なので……!」

未央「うんうん、学校に入れてくれた親御さんには頭が上がらないよねー。感謝感謝~」スリスリ


凛「……だからこそ、アイドルをするかどうかは慎重に決めないとね」

未央「えっ? ……あ、そっか。しぶりんは正確には『体験』だったっけ」

凛「そうだよ。もし断った時にはもう1人探す手間が増えるから、その分迷惑をかけることは分かってるけど……」

凛「……それでも、父さんと母さんが私のために手に入れてくれた生活の事を考えると、即決は出来なくて」


卯月「凛ちゃん……」

未央「そっかー……」



未央「……"喰種"にとってはそういうものなんだ」ボソッ


凛「? 何の話?」

未央「!? こ、声に出てた!? いやいや何でもないアハハハハ……」ポリポリ

未央「それよりプロデューサー! 他のメンバーはどんな子達? 今どこにいるのかな!?」パッ

凛「……そう言えば」

卯月「ここには来ないんですか?」



P「……他のメンバーについては後程」


P「皆さんには、その前に……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


未央「レッスンかあ。グー……いけないいけない、私達でもレッスンはやるんだね」コホン

卯月「身体能力だけの問題じゃないですからね! それに、上達していくのは楽しいですよ?」

未央「おおー、いいねいいねー! そう考えると楽しみ!」

凛「……」


凛「ねえ」

未央「ん? どったのしぶりん?」

凛「しぶりんって……まあ、いいけど」


凛「あのさ、さっきから気になってたんだけど」

未央「なになに?」

凛「……ごめん、ここ外だからあとで聞くね」

未央「???」




                        グール
凛(ーー"喰種"にとってはそういうものなんだとか、私達でもとか)

凛(ーーこの子の言ってることって、卯月とは違う意味で"喰種"らしくない気がする)

凛(ーーどっちかと言えば……)



凛(ーーまるで、"喰種"について知ったばかりの人間みたい)


未央「あっ!」

卯月「どうしました……ああっ!?」

凛「?」


千枝「なんだか、気持ちが軽くなってきました……!」

春菜「メガネトークのおかげですかね!」

比奈「結局、メガネトークって何なんスか……?」

紗理奈「やっぱり5秒もたなかったわねー」


ワイワイキャッキャ


未央「……今の見た見た!?」

卯月「はい! ブルーナポレオンです!」

凛「……やっぱり、あの人たちアイドルなんだ?」

未央「そうだよ! あの場にはいなかったけどもう1人、リーダーの川島瑞樹って人もいるんだ!」

凛「へぇ……」


凛(全員人間……346プロって、本当に人間と喰種が混じってるんだ)スンスン

凛(……)



凛(……『川島』?)

凛(……何処かで聞いたことのあるような気が……)


卯月「? 凛ちゃん、どうしましたか?」

未央「しぶりーん?」

凛「! ごめん、今行くから」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛(ーーその後私達3人は、346プロのトレーナーによってダンスレッスンを受けた)

凛(ーー"喰種"だったから体力だけはあったけど、初めてだったこともあって思うように動くのには少し苦戦した)

凛(ーー唯一養成所に通っていて、一番経験が豊富なはずの卯月が一番ドジを踏んでいるように見えたのは……触れない方がいいかな)


凛(ーーちなみに、そのトレーナーも"喰種"だった)

『今日は初めてだから緩くしておくが、"喰種"の体力は人間とは段違いだからな!』

『それ相応にきついのを用意しておくから、楽しみにしていろよ!』

凛(ーーなんて言われて、2人とも抱き合って震えてたっけ)


今日はここまで。

ちなみに、トレーナー四姉妹は全員赫子の種類が違います。とりあえず上から羽赫、甲赫、鱗赫、尾赫。
本来、喰種は両親どちらか、つまり二種類の赫子のどちらかもしくは両方しか発現できませんが、
この四姉妹はちょっぴり家庭環境が複雑なのです。

かなりどうでもいい裏設定です。


>>129そうですね! イメージは月山財閥で書いてます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


未央「……っぷはー! 疲れたあああ!」ドサッ

卯月「初めからハードでしたね……!」グター

凛(こんなに疲れたのは初めてかも……)フー


未央「あー、お腹すいちゃったらどうしよう。コーヒーで我慢するしかないのかなあ」

凛「……それなら、さっきもらったドリンクを飲んでみたらいいんじゃないかな」ゴソ

凛「ほら。ちひろさんからサービスでもらった……」

卯月「エナジードリンク!」


ーーーーーーーーーー


ちひろ『千川ちひろです。このプロジェクトを様々な面からサポートしますので、よろしくお願いします♪』

ちひろ『では私から、ささやかながら……』ゴソゴソ


ちひろ『完全な食事の代用は出来ませんが、"喰種"でも問題なく飲めるドリンクです』

ちひろ『頑張ってくださいね♪』






ちひろ『え? 何で出来ているのか、ですか?』

ちひろ『……知らない方がいいと思います♪』


ーーーーーーーーーー


凛「原料は誤魔化されたけど……やっぱり人体由来の成分なのかな」

未央「ま、とりあえず飲んでみよう!」カシュッ


グビッ


未央「……美味いっ!?」

卯月「本当です! コーヒーとは全然味が違うのに……!」

凛「食事は別に、ちゃんと摂らなきゃいけないみたいだけど……確かに、これならレッスンも乗り切れそうだね」

                         グール
未央「……いやー。しかしこんなに美味しいドリンク、私達だけで飲んじゃっていいのかね」

卯月「仕方ないですね。原料が原料ですし……あっ」クンクン

凛「……」シー



早苗(人間)「あ゛ー、久々にきついレッスンだったわあ……」ヨロヨロ

雫(人間)「牛乳、飲みますかー?」

裕子(人間)「私のサイキックマッサージで元気にしてあげます!」ムンッ



未央「(……何処かで聞かれちゃうかも知れないし、ここで喰種の話はしないほうがいいかもね)」ヒソヒソ

卯月「(室内なら安全でしょうか……?)」ヒソヒソ

未央「(CPルーム以外では止めといた方がいいんじゃないかなー)」ヒソヒソ


凛「(そうだね。プロデューサーにも聞いてみよう……)」チラ

凛「……えっ?」

未央「どしたのしぶり……うえっ!?」

卯月「へ? ……へ?」



裕子「はい! サイキックパワーウォーターです!」バーン

早苗「ただのエナドリでしょ。もらうけど」ゴクゴク

早苗「……ぷはー! ちょっと元気出たー!」

雫「良かったですねー」



NGs「「「…………」」」





NGs(((ーーーホントに何で出来てるの!?)))


今日はここまで。喰種はスタドリも飲めます。

今回はあくまでブラックジョーク的なネタでしかないので、適当に流しておいてください。

Paって美味しそうな子多いよね。ユッコとかユッキとか茜ちんとかとときんとか槙原さんとか。甘すぎずジューシーな肉質って感じ。

Paはわりと人間率高めです。今後の展開にあんま影響しないくらいの軽いネタバレだけど、↑は全員人間設定。


未央「……うんっ! 気にするの止めよう! 見なかったことにしよう!」

卯月「はっ、はい!」

未央「さーてとレッスンも終わってお次は何をーー……ん?」


凛「? どうしたの?」

未央「……いや……」ピッ


『エステルーム』


凛「ここ、会社だよね……?」

未央「私達も使えるのかな?」

卯月「さあ……」

未央「んー……よし!」ピーン



未央「ちょっと入ってみよっか♪」タタッ

卯月「あっ……未央ちゃん!?」タタッ

凛「えっ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……もう、何が秘湯巡りよ。あんなの登山よおー……」

「危うく遭難しかけたわ……」

「まあ、"喰種"だからそこまで疲れるわけじゃないけど……」


シャッ


うづみお「「……あっ」」


「ん?」


卯月「…か、か、かかかかかか」



未央「ーーー川島瑞樹いいいいいいいいっ!?」





瑞樹「あら、新人の子?」


凛「何やってんの2人とも……」ヒョコ

未央「こらっ渋谷殿! 不敬でござるぞ! 控えおろー!」セイザー

卯月「おろー!」セイザー

凛「何そのノリ……」


凛「……」クンクン

凛「この人もアイドルなの? 同じ"喰種"みたいだけど」

未央「口を慎みなされよしぶりん! この方は346プロの看板アイドルの1人にして! ほい島村殿!」

卯月「えっ!? え、えっと! 今をときめくブルーナポレオンのリーダーであるお方!」


うづみお「「川島瑞樹であーーーーーる!!」」

瑞樹「はーい♪ 皆のアイドルまだまだこれからの28歳、川島瑞樹ですっ! イエイっ♪」ブイッ


凛「……もしかして、緊張でおかしくなってる?」


瑞樹「ふふっ、何だか面白くてかわいらしい子が入って来たわね♪」

未央「あ、ありがとうございます! 本田未央です!」

卯月「島村卯月ですっ!」

凛「……渋谷凛です」


凛(川島瑞樹、か。この人がさっきのブルーナポレオンの……)

凛(……ん?)


凛「ねえ、卯月」

卯月「? 何ですか?」

凛「あのさ。さっき会ったブルーナポレオンの4人って……」



凛「……全員、人間じゃなかったっけ?」


卯月「あっ! そ、そう言えば!」

未央「あれ? しぶりん知らなかったの?」

凛「普通思わないよ。人間と喰種が同じユニットを組んでるなんて……!」


瑞樹「あら、そうかしら?」ヨッコラセ

凛「えっ?」

瑞樹「凛ちゃん、だったっけ? ビックリするのも分かるけど……」





瑞樹「346プロには結構多いのよ? 人間と喰種のアイドルユニット」


凛「!?」

卯月「そうなんですか!?」

未央「ほ、本当だったんだ……」


瑞樹「まあ、入ったばかりの"喰種"はしばらく"喰種"だけのユニットで活動するんだけど……」

瑞樹「慣れてくると、自分の意志で人間との混合ユニットを結成できるようになるの。正体は隠したままって条件はつくけどね」


未央「おおおっ!? どんなの!? どんなユニットがあるの……あるんですか!?」ズイッ

瑞樹「こーら、話してあげるから落ち着きなさい」アハハ


瑞樹「例を挙げるなら……まずは『メロウ・イエロー』。『イエローリリー』の名前の方が有名かしら?」


有香(人間)「押忍! 今日のライブも気合い入れて行きましょう!」

法子(人間)「上手く行ったらドーナツでお祝いしようね!」

ゆかり(喰種)「素敵な音色を奏でて行きましょう♪」


瑞樹「次に……美嘉ちゃんは知ってるわよね? あの子も入ってる『セクシーギャルズ』」


里奈(喰種)「唯っちお疲れちゃーん♪ ごほーびにアメちゃんあげるぽよー☆」

唯(人間)「わお! 里奈ちゃんマジ気がきくう!」コロン


瑞樹「もう1つ有名なのを挙げるなら……『カワイイボクと142's』」

瑞樹「あと、これは正確にはバラエティのチームだけど『カワイイボクと野球どすえチーム』もそうね」


幸子(人間)「押さないでください! 絶対に押さないでくださいね!?」

輝子(喰種)「フヒ……有名なフリ……」

小梅(喰種)「みんな……ここで押すこと……望んでる……」

友紀(人間)「行くよー行くよー飛び込まないなら全力で押しに行くよー!」

紗枝(喰種)「ほな皆で力を合わせて行きますえ~」

友紀「おー!」

しょうこうめ「「お、おー…!!」」

幸子「どうして一致団結してるんですかねえ!?」


未央「おおー…!!」

卯月「346プロじゃ、人間も喰種も仲良しなんですね……!」

凛「……それってすごく危ないんじゃ……」


瑞樹「わかるわ。私も入ったばかりの頃は、同じこと考えてたもの」

瑞樹「でも……そうねえ……うーん……」



瑞樹「……この346プロはね。思っていたよりもたくさんのもので溢れてるの」

瑞樹「とりあえず、346プロや色んなアイドルを見て回ってみて。きっと期待で胸がいっぱいになるわ」


未央「うんっ……うん!」ガバッ

未央「ねえしまむー! しぶりん! 今から探検しようよ! 探検!」

うづりん「「探検?」」

未央「こんな大きな会社なんだよ! きっと私が知ってるより色んなアイドルや施設がいるんだって! ほらっ!」ギュッ

卯月「! はいっ!」

凛「う、うん……?」


未央「お話してくれてありがと瑞樹さん! ちょっと楽しんでくるね!」

卯月「あっ、ありがとうございましたー!」

凛「……お邪魔しました」


瑞樹「はーい、いってらっしゃーい」ヒラヒラ



瑞樹「……」


瑞樹「……ふふっ。今度はすごく純粋な子達が入って来たなあ」





瑞樹「美城へようこそ。楽しんでいってね、新しいお姫様たち」


今日はここまで。

幸子は当初喰種設定で行こうと考えていましたが、
人間設定の方が魅力が生かせそうだと思いなおし人間のままにしました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛(ーーあの後3人で廻った346プロは、想像以上に広い世界だった)

凛(ーーさっきのエステルームやサウナみたいな、様々な設備だけじゃなくて)

凛(ーー本当に人間と喰種が色んな所で入り混じって)

凛(ーー協力して仕事をこなしていたり、レッスンに精を出していたり)

凛(ーーまるで当たり前のように、写真や肖像が並べられていたり)


凛(ーーそして、何より驚いたことは)



凛(ーー出会ったり見かけたりした"喰種"が全員、満面の笑顔だったこと)



凛(ーーもし正式に、アイドルになることを決めたなら……)

凛(ーー私も、こんな笑顔が浮かんでくるようになるのかな)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~346カフェ~


未央「いやー、夏樹さんのギター凄かったねー!」

卯月「かっこよかったです!」

凛「……」ボー


未央「? どしたのしぶりん、ボーっとしちゃって」

卯月「大丈夫ですか凛ちゃん?」

凛「えっ? あ、ごめん」ハッ


凛「何か……思っていたより、すごくて」



卯月「ああ! すごく分かります! こんな立派なプロダクションでアイドルを出来るなんて、本当に夢みたいで……!」エヘヘ

未央「いやー、あんな凄い人達と同じ舞台に立てるなんてね! 誰からアプローチかけてみよーかなーっと」ニヒヒ

凛(……そっちじゃないんだけど……)


未央「……っと。そろそろコーヒー来るかな?」


「お待たせしました! ご注文いただいた346ドリップ・ナナスペシャル3つですっ!」カチャ

未央「おっ、来た来た! いただきまー……美味っ!?」

卯月「とっても美味しいです!」

凛「ホントだ……」


「ありがとうございます! でも、コーヒーだけじゃないんですよ!」

「今は臨時でバイト……まあ、コーヒーの腕を買われて良く働かされゲフンゲフン働かせてもらってますが!」


「ある時は346カフェのメイド!」ビシッ

「(……ある時は人の目を欺き暮らす1人の"喰種")」ボソッ

「しかしてその正体は!」


菜々「ウサミン星からやって来た歌って踊れる声優アイドル、安部菜々です! キャハッ☆」ブイッ


未央「うわキt……コーヒーウマー」ズズズ

卯月「オイシーデスー」アセッ

凛(こんな"喰種"もいるんだ)ズズズ


菜々「……あれっ!?」


ここまで。

菜々さんのコーヒーは346プロで一番の美味しさを誇るという裏設定があります。


凛(ーーあとは……一つだけ)

凛(ーーちょっとだけ、驚いたことがあったんだっけ)



凛「……ん」スンッ

凛(あれ? 今の匂い……『どっち』だろ)スンスン

凛「……あの人かな」ボソッ


未央「ん? 誰々?」ヒョコ

凛「あそこの背が高い女の人。あの人もアイドル?」

未央「背の高い……」キョロキョロ



「おはようございます」

P「……おはようございます」



未央「……おおっ!?」


凛「有名な人?」

未央「有名どころじゃないよ! あの人は『高垣楓』!」

未央「その幻想的な美と高い歌唱力をもって『歌姫』と称えられる、346プロのトップオブトップだよ!」


未央「……さらに言うと……ちょっと耳貸して」コソッ

凛「?」

未央「囁く程度なら大丈夫だよね? うん」キョロキョロ


未央「(……私もウワサ程度に聞いただけなんだけどさ)」

未央「(……あの人……)」





未央「(『隻眼』なんだって)」





凛「? せk」ムグッ

未央「おおっとお! あああ後で質問は受け付けるから!?」ガクブル

未央「あーえーとプーロデューサー! プロデューサーって高垣楓と知り合いなのー!? もしかしてプロデューサー大物ー!?」アセアセ

P「同じ事務所ですから。それより、遅刻ですね」

卯月「すみません!」

未央「あ、あははは……」

凛「……ごめんなさい」



凛(ーー結局その時は、あまりにもビクビクしていて聞けなかったから、これは後からプロデューサーに聞いた話)


凛(ーー"喰種"は本来、人間と子供を作る事が出来ない)

凛(ーー母親が喰種の場合は、子供を栄養だと勘違いして吸収してしまうから)

凛(ーー母親が人間の場合は、栄養が足りなくて衰弱死してしまうから)


凛(ーーそれでも『奇跡』が起きて、人間と喰種のハーフが生まれてくることがある)

凛(ーーその子供は『雑種強勢』によって純粋な喰種よりもずっと優れた形質を持ち)


凛(ーーそして、『片側だけ』に『赫眼』が発生する)



凛(ーーゆえに、人間と喰種の子供は『隻眼の喰種』と呼ばれる)


凛(ーーそして……346プロには今まで、たった一人だけ『隻眼の喰種』が存在した)

凛(ーーそれこそが…………)





凛(ーー高垣楓)





凛(ーー初めて会ったとき、人間と喰種の混じった……奇妙な香りがした女の人)

凛(ーーとても綺麗な人だった)


凛(ーーそして、私達3人は)

凛(ーー色々な人や喰種と出会った346プロの探検が終わった私達は)


凛(ーー『初めての仕事』に向かう事になった)


今日はここまで。

『隻眼』とは高垣楓のことでした。美玲と小梅でもそれやりたかったけど、いい使い道が思い浮かばなかったのでナシにしました。
だから小梅ちゃんにはグール属性の方で大暴れしてもらいました。白滝小梅は書いててすごく楽しかったです。

これで今明かすべき設定は大体明かせたかな?

この楓さんはどっちの親が喰種だ…後さり気なく美玲喰種確?

原作でもそうだったけど隻眼は悪いイメージがついてんだな
だいたい梟のせい

>>172
隻眼の喰種は基本、父親が喰種という設定にしています。
母親が喰種でも子供が産まれるのかどうかは明言されていないので……

>>173
少々誤解を与えているように思ったので、ちょっと補足。
未央は楓さんに悪感情を抱いているわけではなく、単に恐れ多くてビビってるだけです。
原作の隻眼とは違い、喰種の間では「畏怖」というより「畏敬」の念を抱いている方が多いといったところ。喰種バージョンの有馬特等と考えた方が分かりやすいでしょうか?
喰種としての(同族間の)知名度に関しても、ほとんど正体の分かっていない原作とは違いかなり有名な方です。
ただし元々興味のない凛、温室育ちで世間に疎い卯月は知りませんでした。

そして本編の楓さんが実際はどういう人かと言うと……ここは本編でしっかり書きたいので伏せます。

あまりにもビッグな人なので、うかつに楓さんについて喋ると
それだけでヤバい事になるんじゃないかと未央は必要以上にビビッてました。でも楓さんについて話して聞かせたいという欲もあった。
根は小心者の未央ならではの反応ということを意識して書きました。


本編で説明するとテンポが余計に悪くなると判断したので、この場で予備知識として補足させていただきました。


本作の世界観については大体説明し終えたと思うので、
ここまでで何か分かり辛いところがあれば、ネタバレにならない程度にお答えします。




「「「宣材写真?」」」



P「はい。今後、皆さんの紹介に使うための写真を、これから撮影します」

P「出来れば、所属を決めていただいた時のために渋谷さんにも取り組んで欲しいのですが……」チラ


凛「……分かった。ごめんね、まだ決められなくて」

P「いえ。元々その体でお話を受けていただいたのですから、慎重に考えて下さい」


P「……そして」

凛「?」

未央「おっ?」

卯月「何でしょうか?」



P「他のメンバーとの顔合わせも、同時に行ってもらいます」


ごめん、ちょっとだけ変更。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「「「宣材写真?」」」



P「はい。今後、皆さんの紹介に使うための写真を、これから撮影します」

P「出来れば、所属を決めていただいた時のために渋谷さんにも取り組んで欲しいのですが……」チラ


凛「……分かった。ごめんね、まだ決められなくて」

P「いえ。元々その体でお話を受けていただいたのですから、慎重に考えて下さい」


P「……そして」

凛「?」

未央「おっ?」

卯月「何でしょうか?」



P「他のメンバーとの顔合わせも、同時に行ってもらいます」



未央「おおっ! ようやくご対面ですな?」

卯月「とっても楽しみです!」

凛「確か……全部で14人だから、あと11人いるのかな」

P「ええ、その通りです」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『……最後に、1つだけ注意してほしい事があります』

『撮影現場のスタッフには、"喰種"だけでなく人間の方々もいらっしゃいます』

『ですので、スタジオだけでなく控室でも"喰種"の話題は厳禁……それを肝に銘じておいてください』



凛(ーーそう言われて通された部屋には、多くの機材と、喰種と人間が入り混じった十数人くらいのスタッフ)

凛(ーー別のアイドルが使うって聞いた、ハートの形をしたオブジェ)

凛(ーーそして、その奥のもう一つのスタジオに)



「あれあれ~?」

「あっ、残りのメンバー?」

「ねえねえ、お姉ちゃんたちってシンデレラプロジェクトの仲間ー!?」



凛(ーー"喰種"の少女達がいた)



「赤城みりあです! これで全員集合だね! 嬉しいな!」


「やっほー! あたし、城ヶ崎莉嘉! 中学一年だよ! 仲良くしようね☆」


「前川みくにゃ! よろしくにゃん♪ みんなは何キャラで行くの?」


「にゃっほーい! きらりだよー! みんなよろしくにぃ☆」


「新田美波です。メンバーの中では、ちょっとだけお姉さんになるのかな?」


「Меня зовут Анастасия.…えっと、アーニャって呼んでください」


「はじめまして、三村かな子です。さっきスタッフの皆さんに、手作りのお菓子を差し入れてきたんですよ♪」


「…多田李衣菜。ロックなアイドル、目指してます」


「あ、あの……緒方、智絵里、です。よっ……よろしくお願いします!」


「クックック……我が名は神崎蘭子。血の盟約に従い、我と共に魂の饗宴を奏でん。宴の始まりぞ」


「……ん……ふああ……双葉杏……よろしく……zzz」



凛(すごく個性的な子達だな……)

凛「……」スンスン

凛(本当に"喰種"ばっかりなんだ……!)


P「島村さん、渋谷さん、本田さん。こちらの11名が、シンデレラプロジェクトのメンバーとなります」

卯月「はっ、はい! 島村卯月です! えっと、頑張ります!」

未央「本田未央、高校1年! 未央って呼んでね!」

凛「渋谷凛です。私は……」


莉嘉「これで全員!?」

みりあ「14人あつまったね!」

みく「じゃあ、これでいよいよ……!」



P「いえ。正確には、渋谷さんはまだ『体験』の段階です」


「「「……えっ?」」」


みりあ「黒のお姉ちゃん、まだアイドルになったわけじゃないの?」

莉嘉「えー! なんでなんでー!? お姉ちゃんも一緒にアイドルやろうよー!」

みく「……この子が入るかどうか決めるまで、みく達はアイドルできないってこと?」


P「はい。渋谷さんが候補を辞退した場合を考慮して、皆さんの活動はまだ待っていただくことになります」

P「渋谷さんは元々、こちらからのスカウトを受けて下さった方なので……彼女にアイドルの仕事を見てもらい、その上で所属の是非を聞くことになります」


みく「……」ムッ

李衣菜「スカウトって……もしかして特別待遇、ってやつ?」

かな子「じゃあ、もし……えっと、その子が『やっぱりCPに参加しない』って言ったら……」


P「……その時はもう1人、改めて選出する形になります」


智絵里「そ、それじゃあ……」

美波「もし凛ちゃんに…その、アイドルが合わなかったら、私達は……」


P「……もう少しだけ、プロジェクトの開始を待ってもらうことになります」


莉嘉「ええーっ!?」

アーニャ「アー…私達、まだアイドル、なれないですか?」


P「……申し訳、ありません」

凛「……」


みく「……ちょっと待つにゃ」

P「!」


ツカツカツカ


みく「ねえ。みく達は、あとどれくらい待てばデビュー出来るの?」ズイ

P「それは……分かりません」

みく「じゃあ、みく達はずっとデビュー出来ないって事? なんで先に来たみく達が、後から来た1人の都合で待たされなきゃいけないの?」ズイッ

P「っ……」

みく「おかしいにゃ。みく達、ずっとデビューを楽しみにしてたにゃ」

みく「『みく達でも』アイドルになれるって聞いたから、346プロなら夢を叶えることが出来るって聞いたから、ここまで上京してきて」

みく「オーディションを受けて、合格した時はめっちゃ嬉しくて……」

みく「ずっと諦めてた夢が目の前に現れて、ようやく踏み出せるって思ってたのに……」


みく「ねえ、教えてよ。みくはあとどれくらい、デビューを待たなきゃいけないの?」


P「……申し訳ありません。しばらく待って下さい」

みく「……っ」ギリッ


みく「渋谷凛チャン、だよね」クルッ

凛「!」

みく「さっきから黙って突っ立ってるけど……教えてよ。アイドル、やる気あるの? ないの?」

凛「……」


凛「……分からない」

みく「分からないって何? 凛チャンが迷ってれば迷ってるほど、みく達は待たされることになるんだけど?」

みく「先に来たのはみく達なのに……! スカウトされた側だからって、あんまりいい気にならないで欲しいにゃ」

凛「……」


卯月「り、凛ちゃん……!」オロオロ

きらり「み、みくちゃん! 落ち着いてえ……!」

李衣菜「……でも、みくちゃんの気持ちも分かるよ。理不尽って言うか……」

智絵里「このままプロジェクトが始まらなかったらどうしよう……!」

杏「杏はそれでもいいけどね」

莉嘉「ううー…!」


凛(……ちょっと覚悟はしてたけど。やっぱり待たせるって事になると、イメージは悪くなる……か)

凛(大丈夫。本当に大事な決断だから、ちゃんと考えなきゃいけない。焦っちゃ駄目)

凛(愛想が悪いのは自分でもわかってる。だから、嫌われるかもしれないってわかってて、この選択をしたんだから……)



凛「…分かってる。分かってて、まだ決めてない」

凛「すぐに決められることじゃないから」



みく「」イラッ


卯月「あっあの……!」

P「ま、前川さん……!」


みく「…自分勝手もいい加減にーーーーー!」





未央「ーーーちょおっと待ったあああああッ!!」





「「「!!?」」」ビクッ


みく「なっ、なに? えっと……未央チャン? 大声出してビックリするにゃ……」アセッ

未央「もー、ダメだよしぶりんそんな言い方じゃー!」


智絵里「えっ……?」

かな子「言い方?」


凛「……なに?」

未央「ちゃんと言わなきゃダメだよしぶりん! しぶりんってさ、迷ってるのは家族のことを考えてのことでしょ?」

みく「えっ」


未央「あー、えーっとさ! 場所が場所だからあんまし詳しくは話せないんだけど……」

未央「私達の場合、有名になった時のリスクが……ね?」

未央「しぶりんの場合、安心して育てる環境を作るのに、お父さんとお母さんがすごく苦労したらしいから尚更……だよね?」


みりあ「……あ! そっかー!」

莉嘉「あー…それならしょうがないかあ。アタシもお姉ちゃんのことがあったし」


未央「……えっと。ま、まあ? みくにゃんの苦労も分かるし、怒るのももっともだし……」チラ

未央「だからー…そのー…怒りを鎮めて下さるとー……」オソルオソル

みく「……」フイ


みく「……家族のこと考えて迷ってるなら、そう言って欲しいにゃ」プクー





みく「……ごめんね凛チャン。勝手とか言って……」シュン


凛「えっ……あ、謝るのはこっちだよ。待たせてるの分かってて、決めてないのは確かだし……」

凛「……こっちこそ、ごめん」


きらり「…うっきゃー! 仲直り出来てよかったにぃ☆」

智絵里「え、えっと…凛ちゃんが大変だってことは分かったから、私達のことはあんまり気にしなくていいよ…?」

美波「家族を巻き込むかもって考えたら、怖いよね。その気持ち、よく分かるよ!」

杏「ゆっくり考えれば考えるほど、杏は楽できるから、じっくり考えなよー」

蘭子「我はしばし翼を休めん……」


かな子「よ、良かったあ……早速仲間割れが起きちゃうのかと思ったから……」

アーニャ「ニエーナヴィシチ……キライ、ならなくて良かったです」


きらり「…みーくちゃん。」

みく「……なに?」

きらり「みくちゃんが一生懸命だってことはみんな分かってるから!」

きらり「焦らなくてもだいじょーぶ、Pちゃんならちゃんと、きらり達をアイドルにしてくれるにぃ☆」

きらり「ねっ?」


P「……はい。いつになるか、具体的な事は言えませんが……必ず、皆さんをデビューさせます」

P「ですから、もう少しだけ待っていてください」


みく「……うん。よろしくにゃ」

卯月「私も、一緒に待ちますよ!」

みく「……ありがと。きらりチャン、卯月チャン」


李衣菜「……」キョロキョロ

李衣菜「お、いたいた。未央ちゃーん!」タタッ

未央「お、おう……」プルプル

李衣菜「さっきの未央ちゃん、なかなかロックだったよ! あんなピリピリした空気に割り込めるなんてさ!」

未央「う、うん……アリガト……」プルプル



李衣菜「……どしたの? さっきからプルプルしてるけど」

未央「……りーな」プルプル








未央「さっきの空気が怖すぎて今わたし足が生まれたてのバンビ」

未央「そろそろ立てない。肩貸して。プリーズ」



李衣菜「……ええー……」


ここまで。

書く側の技術不足でギスギスするのが唐突だったり他にも色々描写に問題があったと思う。
不満を抱かせるような描写だったりキャラの扱いだったりしたら本当に申し訳ない。

NGのうち1人に出来て残り2人に出来ないことのうち、まず未央について書きたかっただけだったんです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


みりあ「みりあもね、お父さんとお母さんが大好きなの!」

みりあ「だから、お父さんもお母さんも、それから今度産まれる妹も、みりあがみーんな笑顔にしてあげるんだ!」

莉嘉「莉嘉はお父さんとお母さんいないけど……でも、お姉ちゃんが大好きだよ! お姉ちゃんみたいなアイドルになって、一緒に踊るんだー☆」

凛「うん。すごく良いと思う」フフッ

みりあ「それでそれで! いーっぱいお友達作るんだよ!」

凛「友達……」

凛「……」チラ



みく「甘いにゃ! インパクトを残すにはこう! にゃあっ!!」

卯月「が、頑張ります! にゃあ!!」


李衣菜「ねえ未央ちゃん。そろそろ重いよ」

未央「待ってりーなもう少し……」ガクガク

李衣菜「どんだけビビッてたの?」



凛(……友達、か)


凛(ーー本田未央。すごく馴れ馴れかったり、お調子者だったり、ビビりだったりして表情がすごく豊かな子)


卯月『3人一緒に撮影……ですか?』

P『……はい。このボールを使って、思い思いに遊んでみて欲しい、と』


凛(ーー何か隠しているようなこともあって、正直最初は胡散臭さも感じていたけど……)


未央『よっしゃ! しまむートス!』

卯月『ひええっ』ベフッ

未央『しぶりん! スパーイク!』

凛『……ふっ!』バシッ

卯月『! すごいです!』

未央『しぶりん、ナーイス!』

凛『…ふふっ』クスクス

未央『おおっ! いい笑顔!』


凛(ーー根っこを見れば、すごく単純で、普通にいい子なのかもしれない)


未央『いいよいいよー、流石は合格理由が笑顔のわ・た・し!』

卯月『私もです! 合格理由、笑顔ー!』

凛『それしか言わないから……』

未央『えっ』



『『『……ぷっ』』』


『『『ーーーあはははははははは!!』』』



凛(ーー3人でやった346プロの探検も、今の撮影も、とても楽しいから)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「それでは最後に、全員で写真を撮りまーす!」


凛「えっ……私、入っていいの……?」

未央「いーのいーの、しぶりんも一緒に撮りたいんだからー♪」

みりあ「うんっ!」

きらり「おっすおっす☆」

みく「……ダメだったら撮りなおすだけだし、別にいいと思うにゃ」

凛「……そっか。ありがと」



「では撮りますよー! はい笑って笑ってー!」


凛「ねえ」

未央「ん? どしたのしぶりん?」

凛「…さっきはありがとう。未央」

未央「ああ、いいっていいって! 困ったときはお互いさま!」

未央「……お? 何気にしぶりんから名前を呼んでくれたのは初めてかな?」

凛「……かもね」クスッ


凛(ーーもし、私がアイドルを始めることになったとして)

凛(ーーその時、卯月や未央と、一緒にアイドルが出来るなら)

凛(ーーすごく楽しそうだなって思ったんだ)

凛(ーーその光景を想像するだけで、なんだかすごく楽しくなってくる)


凛(ーーだから)



凛「ねえ、未央」

未央「ん?」





凛「あとで、話いいかな」

凛(ーーだからこそ、聞いておかないといけない)


~CPルーム~


未央「それでそれで? この未央ちゃんを呼び出した理由は何かななにかな?」

卯月「私も付いてきて良かったんですか? 他の子から離れるように移動しちゃいましたけど……」

凛「……今考えれば、卯月は連れて来る必要なかったかも」

卯月「ええっ!?」

未央「その仲にもはや理由はいらない……ニコイチならぬサンコイチってところか……!」

卯月「わあっ! それなら嬉しいです!」



凛「……話、戻していいかな」

未央「アッハイ」

卯月「ど、どうぞ!」


凛「卯月。未央」

卯月「はい!」

未央「ん?」


凛「今日、卯月と未央と一緒に346プロを探検して、一緒に遊んで、一緒に写真撮影して……」

凛「……すごく楽しかった。もしアイドルを始めるなら、卯月と未央と一緒にやりたいなって思うくらい、2人といるのが楽しかった」

凛「もっと、2人と仲良くなりたいって思った」

卯月「! 凛ちゃん……!」

未央「…ちょ、ちょっとしぶりん、大好き発言が直球過ぎない? いくらなんでも照れちゃうな~……」



凛「だからこそ、未央にはちゃんと聞いておきたいんだ」

凛「……今日1日ずっと感じてた、未央への違和感について」


卯月「……違和感?」

未央「……あー……」


未央「わかっちゃう? なるべく、私なりに"喰種"らしくしてようって、思ってたんだけど……」

凛「うん」


凛「教えて、未央」

凛「喰種の事情をあまり知らなかったり、喰種同士のやり取りに必要以上に怯えてたり」

凛「未央は"喰種"にしては、仕草や反応がいちいち人間みたいに見えるんだけど……」



凛「未央は、一体何者なの?」


凛(ーーハッキリと疑問を突きつけると、未央は少しだけ気まずそうにしながら)


未央「……分かった。今日1日一緒にいた仲だし、しぶりんとしまむーには教えるね」

未央「他の子には私から話すから、2人の口からはなるべく言わないでほしいかな」

未央「理由は……今からの説明で分かると思うから」


凛(ーーそして、やっと語りだした)


未央「……私、ね」







未央「ーーー家族が全員、『人間』なんだ」







卯月「えっと……家族が人間ってもしかして、高垣楓さんみたいな……」

未央「いやいや、私自身は純粋な"喰種"だよ~。『今の』お母さんから聞いた話だけど、『生みの』両親もちゃんとした喰種なんだってさ」


凛「……育ての親が、ってこと?」

未央「そ。『今の』お父さんとお母さん、『生みの』お父さんとお母さんと仲が良かったらしくてさ」

未央「『生みの』方はまあ、例にもれず白鳩に殺されちゃったらしいんだけど、残された私をお父さんとお母さんが引き取って育ててくれた」

未央「兄ちゃんと弟も人間でさ。一家のうち"喰種"は私だけだったんだけど……それでも皆、私のことを大事にしてくれたんだ」


凛「だから"喰種"について疎かったんだね」

未央「そーそー。『野蛮な子にしたくない』って、"喰種"とはほとんど関わらせてくれなかった。だから、人を殺したこともなくて」

未央「家族の一員として扱ってくれるのは嬉しかったけど……」

未央「でも、それは何だか……"喰種"としての私を否定されてる気分だった」
       ミ シ ロ
未央「だから、ここの話を聞いた時……色んな"喰種"と友達になって、どんな"喰種"がいるのか、本当に"喰種"が野蛮なやつばっかりなのか」


未央「それを知りたくて、ここでアイドルをやりたいって……そう思ったんだ」


未央「……ま、他にも理由はあるんだけどね。アイドルになりたいって思った理由」



凛(ーーその言葉を最後に、未央の説明は終わった)

凛(ーー抱いていた疑問は、ほとんど解消できた。未央が"喰種"について疎かったのも、"喰種"に怯えていた節があったのも)

凛(ーー未央が『人間として育てられていた』からなんだ)



未央「いつかね。しぶりんやしまむーや、他の"喰種"のみんなを、家族の前に連れてきて……」

未央「『"喰種"は決して怖い生き物じゃない』って思ってもらうのが、私の夢の一つなんだ」



凛(ーーこの台詞が、一番よく印象に残るものだった)

凛(ーーその時の未央も、いつもみたいに笑ってたんだけど……)


凛(ーー表情はいつもより少し、寂しそうに見えたんだっけ)


ここまで。
未央の秘密を明かすのは少しだけ先の予定だったけど、あんまり引っ張る設定でもなかったので早めに出させてもらいました。

未央のモデルは東京喰種小説版一巻『日々』に登場する喰種『桃池育馬』です。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛(ーー当たり前のように、トップアイドルとして活躍している喰種)

凛(ーー人間と喰種が、一緒に夢を目指しているユニット)

凛(ーー人間と喰種のハーフ)

凛(ーー…人間に育てられた喰種)


凛(ーープロデューサーに導かれて、卯月に魅せられて踏み込んだ世界)

凛(ーーそれは今まで想像すらしなかったぐらい新鮮で、とても深い世界だった)


凛(ーー…人間で思い出したけど)

凛(ーーCPの全員で、写真撮影をしたあの時……)



『では撮りますよー! はい笑って笑ってー!』

『……』スンスン

『……?』



凛(ーー写真を撮るために身を寄せ合ったとき)

凛(ーーほんの少しだけ、『人間の』匂いがしたんだっけ)

凛(ーー"喰種"が密集してたからか、あんまりにも微かな匂いで……多分、私じゃなきゃ気付かなかったんじゃないかな)

凛(ーー鼻には自信がある私でも、あの時まで気付かなかったけど……)


凛『……は? ちょっと待って、それ全部"喰種"?』

P『例外が一人いますが……"喰種"で構成されたグループと言って間違いはないかと』


凛(ーーそう言えば、シンデレラプロジェクトには『例外』が一人いるって、プロデューサーも言ってたっけ)

凛(ーー"喰種"の匂いが強くて、誰から人間の匂いがするのか分からなかったけど……)





凛(ーー『例外』って、誰のことだったんだろ)

凛(ーー"喰種"と直接口には出さなかったけど……あんな話、『例外』の前でして良かったのかな)



凛(ーーまた明日、プロデューサーに確認してみようかな)


ここまで。とりあえず第二話範囲終了です。

仲良かったらしい育ての親が「喰種は野蛮」って言ってるってことはちゃんみおの両親けっこう凶暴な喰種だったのかな


~おまけ 346プロ1階探検中~


凛「……あれ」

未央「ん? どったのしぶりん?」

凛「いや……ここの部屋なんだけどさ」

卯月「?」

凛「何か……変な匂いするな、って思って」スンスン

うづみお「「匂い?」」


ガチャ

未央「それで、この部屋の何処にしぶりんセンサーが働いたのかね?」

凛「ええと……多分、この壁……壁?」スンスン

未央「壁? ……どれどれ」サスサス

卯月「普通の壁に見えます……よね?」サスサス

凛「でも、ここから"喰種"みたいな匂いがするんだけど」スンスン

未央「……なんだろね?」


ガチャ

「あれ? おねーちゃんたち何やってんの?」

NGs「「「!!!」」」


卯月「えっと……どちら様ですか?」

莉嘉「城ヶ崎莉嘉だよー☆ って言うか、おねーちゃんたちこそ誰?」

莉嘉「匂いで"そう"って分かるけどさ、『肉壁』の前で何やってたの?」


凛「肉壁?」

莉嘉「……あっ! もしかして、おねーちゃんたちがウワサの新入り?」

莉嘉「346プロはね、"アタシ達"にしか入れないような部屋を地下に作ってるんだー☆」

莉嘉「そこで"ご飯"をもらって食べたり、"護身術"を学んだり、あとお勉強とかもするんだよ!」


未央「……えーと、つまり」
   グール
凛「"私達"専用の部屋、ってこと?」

莉嘉「そーだよー☆ ちょっと待っててね、今開けるから」スッ


ギョロッ


メキッ


ドスッ

             コレ
莉嘉(尾赫)「…肉壁はね、"赫子"に反応して開くように出来てるんだよ」
      カグネ
莉嘉「材料も同じ。しばらくしたら勝手に閉じるから、おねーちゃんたちも早く入って!」タタッ


未央「おっ……おう!」タタッ

卯月「は、はいっ!」タタタッ

凛「……」タタッ


凛「……」チラ

肉壁「」ウネウネ

凛(…さっきまで、本当にただの壁みたいだったのに)

凛(346プロってこんな技術もあるんだ……)


未央「…ね、しぶりん」コソッ

凛「? 何?」

未央「さっき莉嘉が言ってたことだけどさ。『お勉強』って何のことだろ?」

凛「えっ?」

未央「『食事』も『護身術』も分かるんだけど、『お勉強』って何の隠語なのかなー…って」

未央「ほら、ただの勉強ならさ。わざわざ人間が入れないような部屋に行くようなことかな?」

未央「も、もしかして……何か、すごくエグい事を教えてるとか……」


凛「……いや、勉強って多分……」

莉嘉「ついたよ! ほら入って入ってー☆」

凛「……まあ、見れば分かると思うよ」

未央「う、うん……?」スッ


凛(何でか分からないけど、本当に"喰種"の事情に疎い子だな)

凛("喰種"が『勉強』を人間に隠れてする理由なんて、決まってるのに)

凛(……そっか。346プロはこの事にも配慮してくれてるんだ)


莉嘉「みんなー! 差し入れのコーヒー持ってきたよー☆」





拓海「智絵里! すまん、ここの計算どうやって解くんだったか!?」

里奈「マジ無理……あたま痛くなってきたぽよ……」

智絵里「が、がんばってください……! 計算なら、ちゃんと教えますから……!」



ワイワイガヤガヤ

シシルイルイ





未央「……え?」

莉嘉「アタシは今年中学校に入れてもらえたけど、それまではここでお世話になってたんだー☆」

未央「……」



未央「…文字通り『勉強』なのっ!?」

凛「当たり前でしょ。"喰種"は学校に行ってなくて読み書きすら出来ないのがほとんどなんだから」


今日はここまで。

バラエティで一般常識まで答えられなかったら怪しまれるからね。東京喰種読んでたり高校地理で識字率について習ってると、義務教育を受けられる日本人は本当に恵まれてるんだなって思うよ。

莉嘉は美嘉がアイドルをやっていたので、本人がアイドルを始める前から346の教育を受けることが出来ていました。

さらっと混じってるけど智絵里もともと346関係者なのか

>>225

智絵里はプロジェクトに加入することが決まってから勉強会に参加することが出来るようになりました。
プロジェクトでは莉嘉だけがCP加入前から、姉の身内であるという理由で勉強を見てもらえてます。

この二人は学校に行かせてもらえるような身寄りがいなかった(あくまで偶像喰種での設定)ため学校に行っておらず、よって独学で知識を得ており知識にムラがあったという設定です。莉嘉は原作のニシキが一番近いかと。
あと書き忘れてたけど、輝子も同じ理由で勉強会に参加しています。

独学でも教えられる立場にあるのかさす智絵理
まず2人喰種確定か

>>228
計算に関しては、ですね。理系は得意だと聞いたので…

逆に自分の名前以外の漢字など読み書きに関しては相当弱く、かな子などが読み仮名をふってあげなければ本を読めないくらいなので、今必死に勉強しているという設定にしました。あくまで偶像喰種での設定。

ここのところは後の方で書けるかも。


本編第二章についてようやく一区切りできたので、これからはこの外伝の執筆に集中します。


#03[隔壁]


~島村家~


卯月「それでね、どうしようって思ってたら未央ちゃんがフォローしてくれて……!」

島村母「そうなの? 凛ちゃんも未央ちゃんもすごく良い子じゃない! そんな子達なら、安心して卯月を任せられるわ~」

卯月「ママ!? 任せるって何!? わたしお姉さんなんだよ!?」

島村母「あんたは無理してお姉さんぶらなくてもいいの。折角、頼れるお友達が出来たんだから♪」

卯月「もー!」


卯月「……ねえ、ママ」

島村母「? どうしたの、卯月?」


卯月「さっき話した凛ちゃんなんだけどね。凛ちゃん、今アイドルを始めようかどうか、まだ決めきれてないみたいなの」

島村母「そう……卯月の話からすると、やってみたいとは思ってるみたいね」

卯月「うん……」


卯月「それでね。凛ちゃんが迷ってる理由が……あの……お父さんとお母さんのことらしくって……うう……」モジモジ

島村母「それで卯月も、私とパパに迷惑かけてないか気になったって事ね」

卯月「うっ」ドキーン


島村母「もう、考えつくのが遅すぎるわよ。スクールに入るときに思い至ってくれれば、私もちょーっと反対したかも知れないのに。そんなこと考えもしないでアイドルやりたーいってばっかり言うんだから」クスクス

卯月「だ、だってぇ……」オロオロ

島村母「あー懐かしい。今でもハッキリ覚えてるわよ?


『パパ、ママ! 私、アイドルになりたい! テレビの女の子みたいにキラキラした衣装を着てステージに立ちたい!』

『そのために、レッスンしたいの! 絶対正体は隠すから、お願い! 行かせて!』


……だっけ? あんまりキラキラした目で言うもんだから、逆に大丈夫なんじゃないかって思っちゃったじゃないの」


卯月「学校とそう変わらないかなって思ったんだもん……」ムゥ


島村母「ふふっ。大丈夫、卯月はちっちゃいころからちゃんと学校に行かせてたんだし、本当に大事な秘密はちゃんと守れる子って知ってるわ」

島村母「おまけに346プロは"喰種"のアイドルがたくさんいるんでしょ? それなら卯月がドジ踏んじゃっても、周りの子がフォローしてくれるわよ」


島村母「それに、親って言うのは子供に寂しい思いや窮屈な思いなんてさせたくないものなの。学校じゃ人間ばっかりで寂しい思いさせてるんだから、やりたい事やらせてあげないとね」

島村母「だから、卯月がそんな事気にする必要なんて無いの。ママもパパも、卯月に笑ってくれることが一番の幸せなんだから」

島村母「卯月の面倒は凛ちゃんと未央ちゃんが代わりにやってくれるから、心配しなくていいのよ」


卯月「ママ……」

卯月「……」



ハッ



卯月「……もーーーーーっ!! だから私の方がお姉さんなんだってばー!」

島村母「はいはい。今日も346プロに行くんでしょ? 早くご飯食べちゃいなさい」


卯月「ううー……」モグモグ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


短いけど今日はここまで。

:re4巻の月山パパの独白は個人的に結構好き。

一応この先の展開ネタバレになるし白けるかなとも思って、言おうかどうか迷ってましたが、
あんまり早いうちからハラハラさせるのも良くないかなと判断して、先に話すことにします。


偶像喰種外伝は前後編構成であり、前編はシリアス展開、鬱展開などはほとんどありません
なので前編やってるうちは安心してお読みください


~本田家~


未央「これとこれと……あ、これも入れてかないと」ゴソゴソ

「未央ー! ちょっと来なさーい」

未央「あっ……はーい!」タッ



未央「お待たせ! いやー、アイドルって身支度も気を遣わなきゃいけないから大変ですなあ~♪」

未央「今日はちょっと遅くなるかもだけど、ご飯は好き嫌いしないで食べなYO……ん?」


本田父「……」

本田母「……」

本田兄「……」

本田弟「……」


未央「……あれあれ? みなさん御揃いでどうしたんですかな?」


本田母「……ねえ、未央」

未央「えっ、な、何お母さん? 私何か悪いことしたかなー?」

本田兄「そうじゃない。お前も分かってるだろ」

未央「え、えっとー……」

本田弟「誤魔化さなくていいよ。姉ちゃんがすごく気にしてる事だって、すぐに分かるし」

未央「き、気にしてなんか……」

本田父「……未央」


本田父「今からお前に渡すのは、お前に頼まれた通り……」



「先生から回してもらえる『最後の食事』だ」



未央「……」


未央「……うん、そうだね。もう知り合いのお医者さんからご飯を回してもらう必要なんて無いからさ。じゃあもう断ろうって思ってさ」


本田母「先生も仰ってたけど……本当に、これで最後にしていいの?」

未央「うん! 自分で食事を調達できない"喰種"には、346プロから手当をもらえるんだって」

未央「ちゃんと自さ……えーと、人を殺さないで回収したものだから安心して食べられるよ」

未央「だから……」



未央「みんな、もう私のために罪を犯さなくていいんだよ」

未央「……今までごめんね。もう、そんな必要ないから」



本田家「「「…………」」」チラ



コク



本田母「未央」

未央「ん?」ガシッ


ダキッ


未央「お、おおお!!?」


未央「ちょ、何なのさー!? 一家で抱きしめにかかるなんて、いくら未央ちゃんが"喰種"でも潰れ……」

本田兄「関係ない」

未央「……えっ?」


本田兄「関係ねーよ。お前が人間でも"喰種"でも」

本田父「そうだ。親友にお前を託された時から決めていた。どんな事があっても、『家族』として未央を育てると」

本田母「迷惑だなんて思う必要は無いの。私たち皆、あんたが自慢の娘に育ってくれて誇らしいだけなんだから」

未央「じ、自慢!? そ、そっかなー……」



本田弟「……姉ちゃん」ギュウ

未央「! ……どしたの?」

本田弟「……一回しか言わないからね。俺、姉ちゃんが"喰種"でも人間でも……」



本田弟「姉ちゃんは大好きな家族だから。嫌いとか怖いとか、思ってないから」



未央「……!」


未央「……もう」

未央「自慢とか誇らしいとか大好きとか、普段はそんな事言わないクセに……!」グスッ


ギュッ


未央「私も、みんな大好きだよ。お父さんもお母さんも、兄貴も、あんたも」ナデナデ

未央「……みんな、大好きな家族だよ。私もそう思ってるから」ニヘ







パッ


未央「ーーーそれでは未央隊員! 本日よりアイドルとして、立派な勤めを果たして参りますぞ!」ビシッ

未央「ーーー行ってきます!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日はここまで。とりあえず卯月と未央の家庭事情に触れたかっただけでした。

>>215『野蛮』は少し言い過ぎでしたね。未央の生みの両親は普通に温厚な喰種です。
ただ喰種の世界は危険であることは確かなので、人間側の価値観による判断で、喰種にあまり関わらないように育てたという設定です。
原作でニシキを共喰いしようとしてたチンピラ喰種みたいなのに関わらせたくなかったって感じ。

あと、このちゃんみおも料理ができる設定です。チキンカレーとか兄弟によく作ってあげてました。


~346プロ~


P「渋谷さん。本日は貴重な時間を割いていただき、本当にありがとうございます」ペコリ

渋谷父「いえ……こちらこそ、娘がお世話になっています」ペコリ

凛「……」


凛(ーー宣材写真の撮影から数日後。私は父さんと一緒に、プロデューサーから346プロについての説明を受けていた)

凛(ーーそのほとんどが私にとっては既に聞いたことのあるものだったけど……親子で内容を共有するのは、まあ大事だと思う)

凛(ーー私達は"喰種"なんだから、それは更に重要な事になる)


渋谷父「それにしても……うちの娘がいつまでも待たせて、本当にすみません」

凛「……う」

P「いえ。勧誘したのは私の方ですし、これは重要な選択です。熟考すべき問題ですから」

渋谷父「……ええ、その通りですね」


渋谷父「ところで、正体が人間にバレた時のペナルティは? 口頭でも確認させて下さい」

P「……承知しました」コホン

P「ですが……前知識として、まずは346プロについて簡単に説明させて下さい」





凛(ーーここからプロデューサーに、346プロの経営システム、そして会社やアイドル自身の責任について、私にも分かるように簡単に説明された)



凛(ーー『346プロダクション』のトップは"喰種"じゃない)

凛(ーー346プロを経営している『美城家』は、"喰種"の優れた面に注目し利用している『人間』の一族)

凛(ーーCCGの目を盗み、すごく昔から"喰種"と様々な取引をしていた美城は、芸能事務所を立ち上げるとき"喰種"たちに改めてアプローチをした)


凛(ーー"喰種"は人間よりはるかに身体能力や感覚器官が優れてる)

凛(ーーだから美城にとって"喰種"は、芸能において複雑なパフォーマンスを短時間で習得でき更に比較的低賃金で雇うことの出来る優秀な人材……喰種材? として)

凛(ーーそして"喰種"にとっては言うまでもなく、資金源や情報源、もしくは食事の配給や教育、あとは学校への入学に必要なお金の負担みたいなサービスを提供してくれる後ろ盾として)

凛(ーー互いを自分の利益のために利用するという、一種の共生関係を築いてきたみたい)


P「ーーーよって、私達"喰種"の346プロでの立ち位置は、あくまで『被雇用者』となります」

P「反発を防ぐため社内での"喰種"の権利はきちんと保障されており、賃金においては互いの了解を得た上で人間より低いものの、仕事や休暇の面において人間との差はありません」

P「……ですが、その規定は『人間側に正体を露見させていない』事を最低条件として定められています」


渋谷父「つまり……『会社のルールとして、絶対に美城家以外の人間に正体をバラすな』と」

P「はい。当プロダクションは"喰種"と人間によるユニット結成を許可していますが、それはあくまで、同ユニットという近しい関係においても『条件』を守る能力があると審査された方にのみ付与される権利となります」

P「アイドル、そして私のような職員を問わず、この規定に違反した者への処分は……」



P「当人と346プロダクションの間に交わされていた契約の、一切の破棄」

P「……即ち、『346プロからの追放』となります」



渋谷「尻尾切り……と言う事ですね」

P「その通りです」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日はここまで。

高木社長の個人的な厚意で成り立ってる765プロとは違い、346プロはあくまで「商売」として喰種と協力関係にあります。という設定。

ひどいツッコミ所があれば今のうちに言っていただけると助かります

ツッコミどころっていうか質問だけど
なんでちゃんみおは喰種関係に疎いのにしまむーやしぶりんの知らなかった隻眼の噂とかを知ってたの?


>>255
未央は『喰種の常識』について馴染みがないだけで、情報自体は事前に結構調べてきてます。

情報の入手方法については、彼女自身は普通の喰種なので、一話で凛とPが話した喫茶店など喰種が正体を隠さずに話をするいくつかの場所に通って
コーヒーを飲むふりをしつつ周りの話を盗み聞きしたり、

コミュ力を生かして:reのクインクス仮面捜査みたいにボロが出ない程度に聞き込みを行ったりしてました。

自分の特異性がバレてしまうためあんまり深入りは出来なかったのですが、隻眼の噂を知るには十分だったって感じですね。
ちなみに346プロについてもこの方法で知りました。

そして凛は周囲の喰種との関わりを意図的に最低限に抑えていて、喰種社会の著名人についても調べる気がなかったため知らなかったといった所です。

とりあえず「芸能界に興味がない日本人と興味があって調べてたけど日本の風習に慣れていない日系外国人」みたいなイメージで書いてました。


あと卯月は一応、隻眼について話くらいは聞いています。
ただ、隻眼であるなしに関わらず卯月にとっての高垣楓は「憧れのアイドル」という印象が強いため、
温室育ちということもあって隻眼であることにはさほど重要視していませんでした。
卯月もまた、未央とは違う意味で喰種の常識に疎い子です。

こっちはよくある「世間知らずのお嬢様」と言った所。


……こんなところでしょうか?

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira096466.jpg
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira096467.jpg
似てる気がする


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P「ーーー説明は以上です。何かご質問はありますか?」

凛「何かある? お父さん」

渋谷父「……いや、疑問に思っていたことは全部解決しました。簡潔で分かりやすい説明をありがとうございます」

P「いえ、それほどの事では……」


凛「……」



P「ご質問が無いようでしたら……」

P「……すみませんが、最後に一つだけ心に留めておいていただきたい事があります」


P「勧誘した私が言える事ではないのは重々承知の上で話します」

P「先程説明した通り正体が露見した"喰種"は、完全に346プロダクションから切り捨てられてしまいます」

P「プロデューサーとして秘密を守るための手は尽くさせていただきますが、いざと言う時は『そうなってしまう』と言う事を頭にいれておいて下さい」

P「渋谷さんと御家族には……その上で慎重に考えて欲しいのです」


凛「……」


凛「……あのさ」


P「? はい」

凛「プロデューサー、言ったよね。『夢中になれる何かを探しているのなら、踏み込んでみませんか』って」

凛「『そこにはきっと、今までとは別の世界が広がってる』って……」

P「……はい」


凛「……なのに」


P「……?」

渋谷父「……」



凛「……何でもない。帰ろ、お父さん」

渋谷父「……ああ。今日はありがとうございました」ペコリ


P「! い、いえ、こちらこそ貴重なお時間を割いていただきありがとうございました」ペコリ


凛「……」スタスタ



凛(ーー帰り道、お父さんはこう言っていた)

凛(ーー『私達のことを気にする必要は無い。本当にしたい事があるなら、"親に迷惑"だなんて思う必要はない』って)

凛(ーーでも、『行きなさい』とは言ってくれなかった)


凛(ーー…それで良いと思う。お父さんに『行け』って言われても、きっと納得できないままアイドルを始めて)

凛(ーーそしていつか、後悔してしまうかもしれないって思うから)

凛(ーー自分で進むことを決めないと意味がないって思うから)


凛(ーー分かる。私は『アイドルをやってみたい』って思ってる)

凛(ーーアイドルになったら何処にいけるのか、この目で確かめたいって思ってる)


凛(ーーもし私が人間だったら、卯月と出会った時点で、プロデューサーにああ言われた時点で、アイドルになることを決めていたかも知れない)

凛(ーー何となく感じた、新しい何かへの期待だけで、走り出すことが出来たのかも知れない)


凛(ーーでも、私は"喰種"だから)

凛(ーー最初の1歩を踏み出すには、『なんとなく』じゃ足が重すぎる)



凛(ーーだから)





凛(ーーひと押しでいい)

凛(ーーあとひとつだけでいいから、背中を押してくれるものが欲しい)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~CPルーム~


P「……」カタカタ


ガチャ


P「?」



今西「やあ。調子はどうかね?」

P「! 今西部長。何か御用でしょうか」

今西「なに、大したことではないさ」



今西「ただ渋谷君の件について、君は彼女の答えを待っていると聞いてね」

P「……」


今西「私は2、3度顔を合わせた程度だが……君が『来てくれ』と一言いえば、彼女は断る子じゃないと思ったんだがね?」

P「……ええ。私もそう思います」


P「しかし、これは渋谷さんの問題です」

P「渋谷さんがアイドルをすると決意したなら、私はその道を守るために手を尽くします。ですが……」

P「渋谷さんに説明した通り、いざ問題が起こってしまえば全責任を彼女自身が負わなければなりません。私が代わりに責任を負う事は出来ません」



P「それだけの危険性を孕む道です。私が無責任に押し込んでいい世界ではありません」



今西「……」


今西(……昔の君なら『もし正体がバレたら』なんて考えず)

今西(『私が絶対に守ります』くらいは言っていただろうに)


今西(『あの件』のトラウマは、まだ君を無口な車輪に押し込めてしまっているんだね)


今西「……なるほど、君の言いたいことは分かった」

今西「しかし、このまま待つだけでは渋谷君にもメンバーの完成を待っている前川君たちにも良くないと思うよ。焦らせるつもりは無いが、上もいつまでも待ってはくれまい」

今西「あと一つ、渋谷君の判断を後押しするイベント……くらいは入れてもいいのでは無いかい?」


P「はい。ですから、待たせてしまっている前川さん達のためにも……こちらに御協力をいただこうかと」

今西「おお! どれどれ……?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日はここまで。

なかなか進まなくて申し訳ない…

今西部長はどちらなのだろう…
もし喰種なら
・細いレイピアの様な甲赫の赫子
・赫者で、纏った赫子をパージすると素早さが増す
みたいな感じかな?ww

>>268
喰種ですね。赫子は甲赫と鱗赫どちらにするか迷い中です。
特に重要な設定と言う訳でもないので、この場で明かします。

追記。ちなみにマスクは銀戦車のアレをイメージしてます。本当どうでもいい裏設定です。


~翌日 CPルーム~



「「「 ーーーえええええええええっ!!!? 」」」



未央「え、ちょ、プロデューサー!? それほんと!?」

P「はい。あちらの責任者に掛け合って、許可をいただきました」

李衣菜「あああ会いに行っていいんですか!? そそそそんな人達に!?」

みく「りーなチャン、そんな驚き方する子だったのかにゃ……」



アーニャ「でも、Удивление……驚き、です」

杏「杏は家で寝てたかったけどねー……」


杏「って言うか、いいの? 杏たち新入りが……」



「現役のアイドルたちに会いに行くなんて」



今西「ははは、今更何を言うんだい? 君達だって、これから彼女たちと同じ道を歩むんじゃないか」

P「各々のアイドルとしての自覚を持っていただくために、皆さんには一度、現在活躍しているアイドルの方々と触れ合っていただこうかと」

ちひろ「また"喰種"がアイドルをすることに気後れがある方も少なくないようなので、ここで気を引き締めてもらうと言う目的も兼ねています」



みく「気後れ……」チラ


未央「そ、そっかあ」アセッ

蘭子「我が魂より出でる鎖を断ち翼を広げるため、か」

きらり「うゆぅ……」

かな子「そう考えると緊張してきたなあ……」

智絵里「ど、どうしよう……」

美波「気後れかあ……確かに、『私なんかが』って考えてたことはあったかも」


みく「……」



みく「気に入らないにゃ」ボソッ



李衣菜「? みくちゃん、何か言った?」

みく「……何も言ってないよ」フイ

李衣菜「……? そう?」


みりあ「みりあすごく楽しみー! ねえねえプロデューサー、みりあたち、どんなアイドルに会えるの!?」パアア

莉嘉「……あっ! 確か、今度のライブの舞台裏でお話するって言ってたよね!? もしかして……!」キラキラ

P「はい。城ヶ崎さんの予想の通りかと」



P「城ヶ崎美嘉さん、十時愛梨さん、日野茜さん」

P「佐久間まゆさん、小日向美穂さん、輿水幸子さん」

P「白坂小梅さん、川島瑞樹さん、そして高垣楓さん」



P「CPの皆さんには、以上の9名と顔合わせをしていただく事になりました」


卯月「え、えええええええっ!?」

未央「ちょ、何それ!? ビッグネーム中のビッグネームじゃん!?」

杏「いいの? 確かその面子、人間も混じってるよね」

P「……だからこそ、です」

杏「? まあ、いっか」


卯月「すごいです! 凛ちゃん、私たち楓さん達に直接会えるって……!」

凛「……」

卯月「……あれ? 凛ちゃん?」


凛「……えっ? あ、ああ、ごめん卯月。ちょっとビックリしてただけ」

卯月「そうですか? ……楓さんってミステリアスな人に思えるけど、本当はどんな人なんでしょうか!? 小日向美穂ちゃんや城ヶ崎美嘉ちゃんまで……すごく楽しみです!」

凛「はしゃぎすぎだよ、卯月」


凛「……」





凛(プロデューサー……説明中に何回か、私の方を見てた)

凛(……『アイドルをするかどうか、ここで実際に見て決めろ』って事?)

凛(もしそうなら、直接言ってくれて良かったのに……迷ってる私に気を遣ったのかな)


凛(……そうだよね。いつまでもうだうだと迷い続けるわけにはいかないんだ)

凛(決めた。もし高垣楓たちに会って新しく『何か』を感じることが無かったら、アイドルにならずに今までの生活を続ける)

凛(でも、もし『何か』を感じることがあったら……)





凛(その時は……!)





P「……では次に、ライブの日程等について資料を配布します」

P「当日に外せない予定がある方は、解散後に私のところまでーーーーー」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



凛(ーーそして、数日後)

凛(ーー会場には大勢の観客と9人のアイドル。そして……)

凛(ーーCPのメンバー全員が集まった)


今日はここまで。

明日は:re5巻と東京喰種JAILシナリオ本の発売日です!

読み返して、卯月の楓さんに対する認識について>>174>>256で逆のことを言ってたことに気が付きました。

>>256の設定で進めます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


P『CPの皆さんには、スタッフの手伝いとして会場に向かっていただきます』

P『内容は備品の整理やタイムテーブルの管理の一部など、なるべく先輩方に触れられる場所での仕事ですので……各々、アイドルがどういったものなのか学んでください』

P『また宣材写真の撮影と同じく……いえ、今度はスタッフだけでなくアイドルにも人間の方がいらっしゃいますので、より"秘密"の厳守を心がけて下さい』


凛(ーーそう注意されて、私達は高垣楓達の楽屋に通された)

凛(ーーこの場所には何度か……花屋の仕事で通りかかった事がある)

凛(ーーでも今日ここに私が来たのは、花屋としてじゃない)

凛(ーーただのお手伝いとしてかもしれないけど……)


凛(ーーアイドルとして、ここに来たかもしれないんだ)


~出演者控室前~


凛「……この扉の向こうに……」

未央「いるんだね。高垣楓や城ヶ崎美嘉が」

卯月「物販のお手伝いの時に、写真を撮らせていただいた事はありましたけど……」

未央「えっ? しまむー、直接会った事あるんだ!?」

卯月「は、はい! で、でもあの時はただの一般人でしたから……アイドルの先輩として会うのはこれが初めてで……!」

未央「そ、そうなんだ……! うわ~、緊張してきた! 深呼吸深呼吸……すーはーすーはー」

卯月「あうう……考えだしたら私も緊張してきました…!」

凛「大げさじゃない?」


みく「未央チャン、卯月チャン。入口に突っ立ってるとみく達も入れないにゃ」

杏「会うだけなんだしそんなに肩肘張る事ないんじゃない?」

美波「あはは……先陣を切るのが辛いなら、私達から入った方がいいかな……?」

未央「おっ……おう! そうだねゴメン! よし入るぞー……!」

卯月「ノックからのこんにちは……あれ? おはようございます? 確か芸能界の挨拶って……よし!」


うづみお「「……よしっ!」」

未央「いざっ!」グッ


ガチャ


美嘉「ちょっとー? 誰だか知らないけど入り口前で何くっちゃべってんのー」ヒョコ


未央「ヒギャアアアアアアアア!?」

卯月「おおおお早う御座いますううううう!?」


蘭子「ぴいっ!?」

智絵里「ひっ……」

かな子「わわっ!?」

きらり「にょわっ!?」

李衣菜「うひゃあっ!?」

みりあ「みりあもやるー! ワーーーーーっ!!」



美嘉「えっ……えっ?」

莉嘉「お姉ちゃん、新人驚かしちゃダメだよー?」

杏「出鼻挫かれただけで卯月ちゃんも未央ちゃんもビビり過ぎだよ」

みく「しかもその叫びで更に何人かビビってるし」

アーニャ「……シトー?」

美波「ご、ごめんなさい……」


凛「……おはようございます」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


美嘉「……あー、そういう事だったんだ! あははカワイイじゃん!」ケラケラ

まゆ「うふふ♪ 初々しくて良いですねぇ」

小梅「何か……事件が起こったのかと思った……」

愛梨「何もなくて良かったです~」

幸子「ま、そんな反応をしてしまうのも当たり前ですね! なんたって、ボクがいるんですから!」

美穂「で、でも気持ちは分かるよ! 私もアイドルを始めたばっかりで先輩に会おうとした時は、同じくらい緊張したから……!」

茜「いいシャウトでした!」


卯月「驚かせてしまってすみません!」

未央「お、御見苦しいところをお見せしました……」


瑞樹「……あら? この間の子達じゃない」


凛「は、はい」

卯月「あの時はエステに勝手に入ってしまってすみませんでした……」

未央「あっ! あの後の探検楽しかったです! いろいろ教えてくれてありがとうございました!」


まゆ「? もう会ってたんですか? 何のお話をしてあげたんでしょう?」

瑞樹「偶然に、だけどね。内容は……色々と」

まゆ「……ああ、そっちの……」


美嘉・小梅(あー…)

幸子・美穂・茜・愛梨「「「 ? 」」」


P「改めて御紹介します。本日、皆さんのサポートを担当することになったCPのメンバーです」


凛「よろしくお願いします」

みく「よろしくにゃ!」

みりあ「よろしくお願いしまーす!」

「は、初めまして……」「よろしくねー☆」「煩わしい太陽ね!」


瑞樹「はーい、皆よろしくねー♪」

まゆ「わざわざ手伝いに来てくれて、ありがとうございます」

美嘉「こーら莉嘉。挨拶はちゃんとしなさい」


P「…そして、こちらの皆さんが……本日のライブに出演するアイドルの皆さんです」

凛「……っ」ゴクリ


凛(ーー瑞樹さんには既に会った事あるけど……ほとんどが初対面だ)


幸子「輿水幸子です! 今日はカワイイボクをしっかりとその目に焼き付けていってくださいね!」

美穂「こ、小日向美穂です! あんまり緊張にしなくてもいいですよー……!」

茜「日野茜です! 皆さんも一緒に、全身全霊、全力で走っていきましょう!」

愛梨「十時愛梨です♪ こんなにたくさんの子が見に来てくれるなんて、とっても嬉しいです~」


凛(ーーこの4人は人間。そして……)


瑞樹「はーい、川島瑞樹です♪ スタッフとして頑張るだけじゃなくて、お客さんとしても楽しんでいってちょうだい!」

小梅「白坂小梅……です。皆に、悲鳴をあげさせたいな……」

まゆ「佐久間まゆです。知りたいことがあったら"何でも"聞いて下さいねぇ?」

美嘉「やっほー、城ヶ崎美嘉だよ★ いつ話しかけてもいいから、アタシ達からしっかり学んでいってね!」


凛(ーーこの4人は"喰種")


未央「よ、よろしくお願いします……」チラチラ

卯月「が、頑張ります……!」キョロキョロ

凛「……すごい……」

幸子「フフーン! 当然です! なんたってボクは世界一カワイイですから!」

凛「えっ? あ、ああ、はい」

幸子「……何ですその反応!?」



凛(ーー『すごい』って言ったのは、別のことだった)

凛(ーー正面から見比べて、ハッキリと分かったんだ)

凛(ーー立ち方とか、喋り方とか、私達に見せる表情とか)

凛(ーーこの場では人間も"喰種"も、何にも違いがないってこと)

凛(ーーそんなの全然関係なくて、ただ……)


凛(ーーただ、同じアイドルとしての表情を皆が浮かべているんだ)


凛(ーー本当に、匂いが無いと判別できないくらい)


凛(……あれ?)


凛「……高垣楓さんは?」

卯月「えっ? ……あっ!」


美嘉「そーいえば、楓さんって今何やってるの?」

瑞樹「お饅頭食べてたわよ。この間の温泉ロケの御土産だったかしら」

幸子「皆さんが来たから急いで食べてる感じでしたけど……楓さーん? いつまで食べてるんですかー」ヒョコ

「……終わりました。すぐ行きますね」



凛「っ……!」ピリッ

凛(ーー高垣楓。346プロ一の歌姫と呼ばれてるアイドル)

凛(ーーそして……346プロにたった1人だけ存在していた、天然の『隻眼の喰種』)

凛(ーー遠くから見ただけだったけど、この独特な匂いを嗅ぐだけでその姿を思い出す)

凛(ーーアイドルとしても"喰種"としても特別な存在。それが高垣楓)


凛(ーーその人が、今目の前に……!)




楓「……皆さん、初めまして」

楓「高垣楓です。今日は来てくれて、本当に……」

楓「……あら?」


CP「「「………」」」アゼン



瑞樹「……楓ちゃん」

楓「何ですか瑞樹さん?」





瑞樹「……お饅頭の食べカス、ついてるわよ」





楓「……」

楓「……拭いてくれますか?」

瑞樹「いい大人なんだから自分で拭きなさい!」

幸子「全くですよ! 先輩の威厳が台無しです!」

楓「台無しでも問題なし……ふふっ」ドヤァ

瑞樹「うるさい!」

美穂「み、皆!? 楓さんはすごい人だよ!? 本当はすごい人だから!」


ワーワーギャーギャー



凛「……」


凛「……何これ」


今日はここまで。

これ書くときに調べて初めて知ったんだけど、他者紹介って身内や目下の者から先に紹介するんだね……


あと、このssにおいて天然の隻眼は人間の食事が出来る設定にしています。

……頼むからエトさんは不味いのを敢えて食ってるって設定は来ないでくれよ……!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


卯月「ずっ……ずっとファンでした! あと去年は写真撮らせてもらってありがとうございました……!」

美穂「写真……あっ! もしかして去年の冬の物販の子?」

卯月「! 覚えててくれたんですか!?」

美穂「えへへ、そっかぁ……アイドルになれたんだね! おめでとう!」

卯月「はいっ! 島村卯月、頑張ります!」


未央「うわ、うわー……! 日野茜が目の前に! 生日野茜だー!」ニギニギ

茜(生?)

茜「始めまして未央さん! これからは共に全身全霊でアイドルを駆けぬいていきましょう!」

未央「お、おー!」

茜「私からの選別です! 一緒に行きますよー! せーのっ! ボンバァー!」

未央「ぼ、ぼんばあああ!!」


みく「えっと……」キョロキョロ

小梅「あ……みくちゃん……だっけ……?」

みく「! は、はいっ! 前川みくにゃ!」

小梅「ね、猫キャラ……かわいい……ね。"私達"にとっても……アイドルは…楽しい、から……頑張って……ね」

みく「……!」パァァ

みく「はいにゃ! みく、いっぱいアイドル頑張るよ!」ビシッ


幸子「お、いい気合いの入れようじゃないですか! まあ、ボクのカワイさには負けますけどね!」フフーン

みく「……」ピク

幸子「ま、精々頑張って……あれ? みくさん?」

みく「……ふんっ」スタスタ

幸子「あれ!? ちょ、どこ行くんですか!? ボク何か気に障る事言いましたか!?」


小梅(……幸子ちゃんの言葉が刺さっちゃう子なのかな)


P「…………」


ワイワイキャイキャイ

ヨロシクーヨロシクオネガイシマスー


凛「……」フー

「やっほー★」

凛「? あっ……」クルリ

美嘉「渋谷凛ちゃんでしょ? アタシにとっては久しぶりだね★」


凛「? 何処かで会ったっけ……?」

美嘉「この間の宣材写真の撮影だよ! アタシ、途中から見てたんだ」

美嘉「本当はその時、一緒に撮影してたアンタ達3人をバックダンサーに欲しいなって思ってたんだけど……」

凛「バックダンサー? ……私と卯月と未央を?」

美嘉「うんうん! ただアンタ達のとこのプロデューサーに掛け合ったら」


P『すみません。渋谷さんに関しては未だアイドルを始めるかどうか選んでいただいている最中です』

P『ですので、彼女の意志を無視して表舞台に出すのは……』


美嘉「って断られちゃってね」


凛「……ごめん。私が迷ってるせいで、卯月と未央のチャンスまで奪っちゃって……」

美嘉「いやー……断られた後に思い直したんだけど、いきなり新人を大舞台に乗せたら逆に調子乗らせてたかもしんないしさ」

美嘉「どっちが良かったかなんて分かんないって! ……そ、れ、よ、り!」



美嘉「ちょっと時間ある? 2人きりで話したいことあるんだけどさ」

凛「……?」


一旦ここまで。

金木準特等のデザインめちゃくちゃ好みよ


凛(ーーその後、私は城ヶ崎美嘉に連れられて二人きりになった)

凛(ーー場所は開けた庭園。小声で話せば、誰かに話を聞かれる前に接近に気付けそうなところ)


美嘉「ほい。このコーヒー、アタシの奢りね★」

凛「あ……ありがとう」


凛(城ヶ崎美嘉……だっけ。卯月と未央がよく話題にしてたし、莉嘉と同じ苗字だったから結構印象に残ってる)

凛(…そっか。あの子が言ってた『お姉ちゃん』って……)


凛「もしかして……莉嘉のお姉さん?」

美嘉「そうそう。まあ、苗字一緒だし気付くよね!」


凛(……あれ? そう言えば莉嘉って……)


莉嘉『莉嘉はお父さんとお母さんいないけど……でも、お姉ちゃんが大好きだよ!』

莉嘉『お姉ちゃんみたいなアイドルになって、一緒に踊るんだー☆』


凛「……ねえ。…えっと、城ヶ崎さん」

美嘉「美嘉! 呼び捨てでいいよ?」

凛「……美嘉? 写真撮影の時に莉嘉から聞いたんだけど……親いないの?」

美嘉「あー……」


美嘉「……うん、いないよ。"喰種"なら良くあることだけど、莉嘉がホントにちっちゃい頃に2人とも死んじゃってさ」

美嘉「それからは莉嘉と一緒に野良犬みたいな生活しててさ。……あはは懐かしい!」


凛「…じゃあ、美嘉がアイドルを始めたのはお金に困ってたから?」

美嘉「それは読者モデルの方! 346はそっちもやってたし、とりあえず生活費稼ぐのと綺麗な服買いたかったのとで始めたの」

美嘉「最初は普通に小遣い稼ぎしてまともな服買って……案外、ゴミ箱から拾ったファッション雑誌の知識でもやっていけるもんだね。あはは」

凛「……逞しいね……」

美嘉「妹の前じゃカッコイイお姉ちゃんでいたいじゃん★ 弱音なんて吐いてる暇ないって!」


一旦ここまで。

城ヶ崎姉妹はすごく育ちがいいんだろうけど、個人的に2人での野良犬生活がすごく絵になると思う。

この話の中でも美嘉莉嘉の両親は良く出来た人という設定にしてます。

今夜もうちょい更新する予定です。


凛「……あのさ」

美嘉「ん?」

凛「美嘉がアイドルを始めたのは何で? それも莉嘉のため?」

美嘉「んー、それもあるかな。モデルより待遇いいし、莉嘉に教育受けさせてあげられるし。アタシは独学で勉強してたけど、アタシも莉嘉も学校に通えるようになるなんて思ってなかったな。あと住む家もしっかり保障されちゃって」

凛「……それ『も』って……莉嘉のためだけじゃないんだね」

美嘉「うん」





美嘉「……なってみたかったんだ」


美嘉「綺麗なお姫様に、さ」


美嘉「アタシも女の子だしさ。働くのもモデルやるのも、やっぱり綺麗な服を着たいってのが大きい理由だった」

美嘉「だから、街のテレビとかでアイドルを見るたびに結構惹かれてたんだ」

美嘉「…モデルやってたし、ルックスには自信あったよ?」

美嘉「でもさ。アイドルになって舞台の上で踊って……お姫様みたいになれるのは、『普通の』女の子だけ」

美嘉「アタシみたいな血塗れの化け物には高望みかな……って。アイドルになろうなんて本気で考えた事なんて無かった」


美嘉「それがスカウトされちゃって、ここまで上ってきちゃうなんてね!」

美嘉「だから……」



美嘉「今、すっごく楽しいし嬉しい」

美嘉「応援してくれるファンの皆にも、仲間たちにも」

美嘉「『素敵なアイドルにしてくれてありがとう』って気持ちでいっぱいなんだ……!」


凛「……」

美嘉「…で、アンタの話なんだけどさ。中々踏ん切り付かないんだって?」

凛「…うん」

美嘉「……」


凛「でも、今回のライブで決める」

美嘉「!」


凛「卯月に魅せられて、プロデューサーに手を差し出されて、未央に連れまわされて」

凛「踏み出してみたいって思った。新しい世界がどんなものか、知りたいって思った」

凛「"喰種"の私でも、思いっきり走れる場所があるのなら、思いっきり走りたい」

凛「……怖いのを振り切るには、あと一歩。あと一つだけ、あればいい」


凛「だから、もし今回の……美嘉達のライブで『何か』を感じることがあったら……」

凛「私、アイドルをやるよ。ーーーこの翼で、何処までも走れるか試してみたいから」

美嘉「……」


美嘉「……ぷっ。アッハハハハハハ!!」

凛「!?」ビクッ


美嘉「アハハハハごめんごめん!」

美嘉「なーんだ、内緒話する必要ないくらい惹かれちゃってるんじゃん★」スック

美嘉「適当にアイドルの魅力をレクチャーしてやろーかなって思ってたけど、そんなもの必要ないくらい燃えちゃってるしね」ポンポン


凛「美嘉……」

美嘉「しっかり把握したよ。後はアタシたちが頑張って、アンタの憧れた世界をデコってやるだけだってね」


美嘉「…CPの皆と一緒に、ちゃんと見ててよね」



美嘉「アンタの憧れた世界、しっかり魅せてあげるから★」


今日はここまで。次の更新で第三話を終わらせる予定です。

これ書いてる間ずっとナッツクラッカーが頭の中にちらついてました


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛(ーーそして、幕は開いた)

凛(ーー美嘉や高垣楓たちは、スポットライトに照らされた煌めくステージに立っていて)

凛(ーー私たちはそれを、薄暗い舞台の下から見ていた)


凛(ーーモニターに詰め寄って見入る"喰種"の私は、まるで……)



凛(ーー光の届かない地の底から、眩い地上を見上げているような気分だった)




凛(ーーそんな地の底から見えた景色はーーーーー)





楓『ほんの少し前、私達は……』

幸子『お姫様に憧れるだけの、普通の女の子でした』

まゆ『眩しいお城、素敵なドレス、優しい王子様……』

瑞樹『それは、自分にとって遠い夢だとずっと思っていて』

茜『でも、ある時!』

愛梨『運命の出会いがあって』

美穂『私たちは、魔法をかけてもらいました』

小梅『それは……とても素敵な魔法……!』





凛(ーーその時)

凛(ーー時計の音が聞こえた気がした)






お願い シンデレラ


夢は夢で終われない


動き始めてる





輝く日のために!






ワアアアアアアアアアアアアッ!!!


凛(ーー見ていた14人全員が、目を輝かせていた)

凛(ーー私も、その一人)



凛(ーーそれは、思っていた以上に魅力的なステージで)

凛(ーー人間だとか、"喰種"だとか、そんなの関係なく)

凛(ーーステージの上にいる全員が、『お姫様』だった!)



凛(ーーだから、思わされたんだ)


凛(ーーその時だけは、それまでの悩みとか、迷いとか、全部吹っ飛んで)

凛(ーーこれが、身分違いな願いでもいいから。不相応な願いでいいから)

凛(ーー強く、本当に強く思わされたんだ)





楓『この魔法は、私達だけのものじゃない』

美嘉『会場のみーんなが!』





凛(ーー私も……)











凛(ーーーーー私もあんな風に輝きたい!)










『王子様に』


『シンデレラに』





『なれるから!』





ここまで。

セリフのパート分け、これであってる?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『ーーーそうか。お前はアイドルになりたいんだな』

『いいさ、私と母さんの事は気にするな。前にも言っただろう?』


『それに……』



『ずっと思っていた。娘に、こんな狭い世界でじっとさせたままでいいのかとな』



『凛。行きたいって思ったんだな。アイドルをしたいって心の底から思ったんだな』

『なら、行きなさい。父さんと母さんは、凛を全力で応援するからな』



『ーーーお前には立派な翼がある。それは父さんにとっても母さんにとっても、自慢の翼だ』

『だから、思う存分翔んでいきなさい』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛「……」




凛「ーーー渋谷凛、15歳。改めて、よろしくお願いします」




P「……本当によろしいのですね、渋谷さん」

凛「うん、もう決めた。アンタが私のプロデューサーだよ」

凛「……これからよろしくね、プロデューサー」

P「はい。よろしくお願いします」


凛(ーーお父さん。お母さん)

凛(ーーありがとう。私が一歩踏み出すことを許してくれて)


卯月「凛ちゃん! 凛ちゃんが来てくれて、私すごく嬉しいですっ!」

未央「しぶりーん! 一緒にあのすごいステージを作ろっ!」

凛「うん。よろしくね、卯月、未央」


凛(ーー私、前を向いて走ってみるよ)

凛(ーー隣で走っていたい仲間もできたから)


みく「全く……一時はどうなることかと思ったにゃ」

みりあ「でもでも! 凛ちゃんが仲間になってくれて、みりあとっても嬉しいよ!」

美波「これからよろしくね、凛ちゃん」

莉嘉「これで本当に全員集合だね☆」


P「はい。これで正式に……」





P「シンデレラプロジェクト、始動です」





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                       グール
凛(ーー人の肉を喰らい、人に追われる怪物……"喰種")

凛(ーーそんな存在に生まれてしまった私は、静かに生きるしかないのかなって思ってた)

凛(ーーずっと暗いところで、死ぬまで人の目を気にして、ひっそりと生きて……)


凛(ーーでも、そうじゃないのかも)

凛(ーー"喰種"にだって、輝く権利はあるのかもしれない)

凛(ーー全力で走っていい場所があるのかもしれない)


凛(ーーそう思った)

凛(ーーだから、決めたんだ)

凛(ーーまずは、この道を……思いっきり走ってみようって)
















凛(ーーそして私は、走り始めた)















凛(ーーこの決断を死ぬほど後悔することになるのは、まだ半年以上先の話)


これにて第三話範囲終了です。

次回はアニメ5~7話範囲をまとめてやっていく予定です。


#04[人間]


~346カフェ~


シュンシュンシュン

コポポ

カタッ


菜々「……できました! ナナ特性ドリップコーヒー、お待たせしました~!」

みく「おおっ! 待ってたにゃ!」


菜々「冷めないうちにどうぞ、みくちゃん♪」

みく「うん! じゃあ、いただきまーす……」


ズズッ


みく「ん~~~~っ!! やっぱり菜々チャンのコーヒーは絶品にゃあ!」

菜々「ふっふっふ……長年のバイト生活で洗練されたコーヒーの技術、喜んでもらえて何よりです!」

みく「こんなにおいしいコーヒーは飲んだことないにゃあ……菜々チャン、どれくらい練習したらこんなにおいしく淹れられるの?」

菜々「ふふん、それはもう十年以上……ハッ!? い、いや、秘密ですっ! 具体的には言えないですけどとにかく長い間! ナナは17歳!」

みく「?」


菜々「ま、まあ、今から練習し続けたらみくちゃんにも美味しいコーヒーが淹れられるようになりますよ……そ、そんなことより!」


菜々「最近はどうですか、みくちゃん? お仕事頑張ってます?」

みく「……うん。みく、ちゃんとお仕事やってるよ。……着ぐるみの手伝いとかだけど」

菜々「おっう……」

菜々「……えっと。CPはこの間、正式に始まったって聞いたんですけど……?」

みく「うん、始まったにゃ。……でも、CDを出すかどうかは決まってないの。プロデューサーからは何も聞かされてないにゃ」

菜々「……そうなんですか……」

みく「……」シュン

菜々「……」フゥ


菜々「みーくちゃん」ポン

みく「? 菜々チャン?」

菜々「そんなに暗い顔しなくても大丈夫ですよ! みくちゃんのネコちゃん、ナナはとっても可愛いって思いますもん!」ナデナデ

みく「……そう?」

菜々「はいっ! みくちゃんならきっと、近いうちにデビューできますって! 何てったって、今ウワサのCPに選ばれたみくちゃんなんですから!」

みく「……そっか」



スック


みく「……うん! そうにゃ! みく、頑張るにゃ!」

菜々「いよっ! その意気ですよみくちゃん! 下積みは無駄にはなりませんから!」

みく「ありがと菜々チャン! コーヒー、ごちそうさまにゃ!」タッ


タッタッタッ……


菜々「……」

菜々(……みくちゃん)



菜々(……なんだか、今日は無理してるみたいだったな……)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



みく「……」タッタッタッ

みく「……」ピタ


みく(……慰めてくれて、本当にありがと。菜々チャン)

みく(……でもね。みく……最近、すごく不安なの)

みく(プロデューサーが何を考えてるか、よく分かんなくなって……)


みく(川島さんやまゆチャンたちのライブに行って、CPが本格的に始まって……)

みく(プロデューサーはみくに、色んなお仕事を持って来たにゃ)

みく(小日向美穂のお手伝いとか、十時愛梨のお手伝いとか……)

みく(莉嘉チャンや蘭子チャンとかには、こんなに偏ったお仕事を渡してないはずなのに……)


みく(……ねえ、プロデューサー)





みく(ーーーなんでみくは"喰種"なのに、人間のお手伝いばっかりさせるの?)


今日はここまで。

菜々さんが膝枕させてくれるなら半喰種化手術(失敗の可能性あっても)受けてもいいかなと思う今日この頃。

まあ、喰種化手術を成功させる方法はあると思うんだけどさ。
あれ、手術成功者に共通点があるっぽいんだよね


…すみません、ちょっと予定を変更して
アニメ5~7話範囲は一旦飛ばすことにしました。
飛ばした分は後の話で補完するなど、何らかの方法で挟もうと考えています。

それと同時に、簡単な予告だけ入れてこのスレは一区切りさせることにしました。
2月頭に新スレを立てて続きを書く予定です。

なので、>>333-336は読み飛ばしてください。


外伝予告2





凛『ーーねえ、プロデューサー』

P『? どうしましたか、渋谷さん』


凛『プロデューサー、前に言ってたよね。「CPには一人『例外』がいる」って』

P『……』

凛『例外ってどういう意味?』


P『彼女を『例外』と称したのは、彼女がシンデレラプロジェクトで唯一"純粋な喰種"ではないからです』

凛『……人間なの?』

P『いえ。人間とも言い切れない方です』


P『高垣楓さんのお話は既に聞いていますか?』

凛『うん。"喰種"と人間の子供……生まれつきの『隻眼の喰種』だって……』

凛『……まさか』


P『はい。おそらく、渋谷さんの考えている通りかと』

P『CPを結成する前において、高垣さんは346プロで唯一の隻眼の喰種 『でした』 』

P『そして、CPの結成において……』


凛『……もう一人、346プロに来た。それがあんたの言う『例外』……』

P『はい。その通りです』





凛『……誰?』


P『…………』











P『神崎蘭子』










P『神崎さんは、シンデレラプロジェクト結成を期に346プロへ迎え入れた新しいアイドルの一人であり……』





P『人間と喰種の間に生まれた……『2人目の』隻眼の喰種になります』










外伝 another side


蘭子「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」


2月10日以降 公開予定


急な事ですが、予定を少し変更して別スレで続きを執筆することにしました。

本当はデレアニ5~7話の範囲をなぞって続きを書いていく予定だったのですが、
プロットをまとめているうちに「長くなるな」と思ったので、一旦飛ばそうと思い至りました。
急な変更です。困惑させてしまったらすみません。

飛ばした話は後々回想として挟むなど、話のテンポが良くなるよう配慮して組み込んでいこうと考えています。


話の内容自体は予めプロットを立て、今のところその通り進んでいますが、今のような執筆予定の急な変更は、作者の都合でこれからも何回か起きると思います。
自分語りになってしまいますが、作者は長い予定を予め立てるのがとても苦手なので、その場その場でテンポ維持のため調整が入り、
当初の予定と大きく食い違う構成になってしまうことが多々あると思います。


ややこしい作者とそのssですが、どうか暖かい目で見守ってください。どんな形であれ絶対に完結させます。


ここまで読んでいただきありがとうございました。2月にまた復活する予定です。


尚、前に「偶像喰種外伝は前後編に分ける」と言いましたが、
今回の凛編とこれから書く蘭子編を合わせて外伝前編という扱いになります。


つづき。

なので次回もまだシリアス展開はありません。


~おまビアン~


『もしみりあが半喰種だったら』



「試食だ!」ズプッ

「んー……」クンクン


ペロッ


「ーーーーー!」

「トレ★ビアーーーン★」

「何だこの味はァ!!」

「舌の上で!」

「深く絡み合う!」



美嘉「ハァァァァァァァモニィィィィィィィ!!」



莉嘉「テメェの肉でも喰ってろよクソロリコン」

乙、外伝からさらに派生とはたまげたなあ…
このスレはそのまま残すの?

完結まであと5年くらいかかりそう(小並感)

>>350
流石にそこまでかかんないと思う…!
長くても…最長…二年くらい…多分

>>349
次のスレを始めた時に残ってたら誘導は貼りますが、基本的にはこれでもう落とす予定ですね。
派生というか分割です。

すまないあげてた

外伝その2です。

蘭子「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝2】
蘭子「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455055200/)

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