【FateGO】マシュ「ジャンヌさん、よろしくお願いします!」 (73)

FateGOのSSです
多少のオリ設定、キャラ崩壊がありますので苦手な方はご注意ください
次レスから投下開始します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445005841


 カルデア


マシュ・ジャンヌ「「ただいま帰還いたしました!」」

ぐだ男「『疲れた……』」

ロマン「お疲れ様。大浴場がまだ開いてるから、使いたかったらどうぞ」

ぐだ男「『マシュたちから先に入ってきていいよ』」

ジャンヌ「ありがとうございます、マスター」

マシュ「そんな、先輩を差し置いて私が先に入るなんて……」

ぐだ男「『じゃあ一緒に入る?』」

マシュ「えっ!? そ、それは……まだ私たちには早いのではないでしょうか」


ぐだ男「『冗談のつもりだったんだけど……』」

マシュ「し、失礼しましたっ」

ジャンヌ「親交を深めるために同じ湯船に浸かるというのは良いアイデアだと思いますよ。私も激しい戦闘の後には、ジルといわゆる『裸の付き合い』をしたものです」

ロマン「は、裸の付き合いだって!? その話、もう少し詳しく聞かせてもらっていいかな?」

ぐだ男「『ドクターが想像してるような意味ではありませんよ』」

マシュ「互いに一糸纏わぬ姿でいても気まずくならないような、非常に親密な関係であるということです」

ぐだ男「『それもちょっと違うかな……』」

ダヴィンチちゃん「本音で語り合えるような関係、つまり心を裸にして付き合えるような関係のことだね」


ジャンヌ「そうなのですか? 私は単に共に水浴びをする程度の意味だと思っていたのですが……」

ロマン「……その言葉、件の彼が聞いたら落ち込むだろうね」

ダヴィンチちゃん「男女でやましい感情なしに裸を晒せる関係なら、本来の意味と同じようなものだろう。深く考える必要はないよ」

ジャンヌ「なるほど、勉強になりました。ありがとうございます」

ぐだ男「『疲れてるから今日はいいよ。2人で入ってきたら?』」

マシュ「はい、分かりました」

ジャンヌ「では行きましょうか、マシュ。実は私、貴女とも『裸の付き合い』をしてみたかったのです」

マシュ「ええ。私も貴女と話したいことがあります」


ロマン「……ダヴィンチちゃん。大浴場のセキュリティってどこの管轄だったっけ?」

ダヴィンチちゃん「うん? 一括で私の工房になってるが、それがどうかしたのかい?」

ロマン「くそ、やっぱりそうだよなあ!」

ぐだ男「『ドクター……』」


 大浴場


ジャンヌ「すごいですね、これほど大きな湯船を見たのは初めてです!」

ジャンヌ「さあ、まずは身体を洗いましょう。それが銭湯の作法と聞きました」ゴシゴシ

マシュ「はい、私もこれほど大きな……いえ、何でもありません」

マシュ「(すごい……まるで生きてるみたい)」

ジャンヌ「どうかしましたか?」

マシュ「本当に何でもありませんから。お背中をお流しします、ジャンヌさん」

ジャンヌ「お願いします、マシュ」


ジャンヌ「ふう……いい湯加減ですね。身体の疲れがとれるようです」カポーン

マシュ「サーヴァントである私たちには疲労という概念はないと思うのですが……」

ジャンヌ「気分ですよ、気分。あまり難しく考えないことです」プカー

マシュ「はあ……」チャポ

マシュ「(やはり脂肪は水に浮くのですね……)」

マシュ「み、水の中だとやはり、その、楽になりますか?」

ジャンヌ「え?」

マシュ「いえ、すいません、冗談です……」

ジャンヌ「……ああ。胸の話ですか? そうですね、浮力を受ける分多少軽くはなりますが、元から大した負荷にはなっていませんから」


マシュ「そんなはずありません! ジャンヌさんほどのものをお持ちなら、きっと毎日肩凝りや乳揺れに悩まされているはずなんです!」

ジャンヌ「慣れればどうということはありません。ジルなども布を巻いて揺れを抑えるべきだと何度も忠告してくれましたが、どうにも息苦しくて、結局やめてしまいました」

マシュ「……ジャンヌさんは、その、ジル・ド・レェさんのことは、どう思っていたのですか?」

ジャンヌ「……とても、頼れる人でした。私のような小娘を、最後まで信じきってくれた人」

ジャンヌ「私がいなくても、ジルがいなくても、結局歴史には何も変わりはなかったのかもしれません。それでも、彼とともに戦場を駆けた日々は、とても尊いものだったと思います」

マシュ「……とても、大切な人だったのですね」

ジャンヌ「はい。ついぞ初恋というものを知ることはできませんでしたが、傍からすれば私たちはそういう関係に見えていたのかもしれませんね」

マシュ「ご本人は必死で否定されそうですけどね」


ジャンヌ「本当に生真面目な人でしたから」クスリ

ジャンヌ「……ところで、マシュのお話をそろそろ聞かせていただきたいのですが」

マシュ「い、いえ。やはり大したことではありませんから、又の機会ということで……お先に失礼しま、きゃっ」ザブン

ジャンヌ「大丈夫です、笑ったりしませんから。さあ」ギュー

マシュ「わ、分かりました! 話します、話しますから放して下さい……!」ジタバタ



 ――――――――


ジャンヌ「盾役として不安を感じている?」

マシュ「はい。ご存知とは思いますが、私のスキルは全体防御バフ、無敵&NP付加、リレイズです。加えて宝具は全体防御バフ&ダメージカット。ステータスもHPよりの平均型」

マシュ「つまり、スキルと宝具を使ってしまったら、後はただの置物になってしまうのです」

ジャンヌ「置物だなんて、あまり自分を卑下してはいけませんよ」


マシュ「事実ですから。せっかくの全クラス中唯一の弱点なしという特性も、無駄に場に留まり続けてパーティの火力を削ぐ結果にしかなりません」

マシュ「これだけ防御系スキルを持っているのに、さらに攻撃にまで秀でたいと言うつもりはないんです」

マシュ「何が言いたいのかと申しますと、ヘイト集め……『ターゲット集中』スキルを習得し、防御面でパーティのサポートができるようになりたいのです」

ジャンヌ「新スキル獲得、ですか。私たちサーヴァントのスキルは、生前の技術や逸話を元にして生み出されるもの。よって、一朝一夕に手に入れることは難しいのではないでしょうか」

マシュ「……やはりそうですよね。ジャンヌさん、相談に乗っていただいてありがとうございました」

ジャンヌ「待ってくださいマシュ。『一朝一夕に』は難しいとは言いましたが、絶対に無理だとは言っていません」

マシュ「じゃ、じゃあ……」

ジャンヌ「きっと何か方法があるはずです。他のサーヴァントたちにも聞いてみましょう」

マシュ「はい!」



ゲオルギウス「おや、こんばんはマシュ、ジャンヌ。こんな時間に私に何の用ですかな?」

ジャンヌ「実は、貴方に教授していただきたいことがあります」

マシュ「かくかくしかじか」

ゲオルギウス「……なるほど。これは難しい注文だ。サーヴァントに新たなスキルを身につけさせる方法とは」

マシュ「やはり、不可能でしょうか?」

ゲオルギウス「ふーむ、確かに他者にスキルを教授するスキルというものは存在します」


マシュ「本当ですか!?」

ゲオルギウス「ですが、無論私はそのようなものを持ち合わせてはいませんし、私の知る限りでは現在のカルデアにそのスキルを持つサーヴァントはいないでしょう」

ゲオルギウス「私の持つ『守護騎士』やレオニダスの持つ『殿の矜持』はどちらも、生前の逸話がスキルへと昇華されたもの。これらを現代でおいそれと会得することは至極困難です」

マシュ「そうですか……ありがとうございました。この御礼はまた後日に」

ゲオルギウス「お待ちなさい。方法がないとは言っていませんよマシュ。貴女は『被虐体質』というスキルをご存知かな?」

マシュ「被虐体質……?」

ジャンヌ「なるほど、それなら何とかなるかもしれませんね! やはり、貴方に相談したのは正解でした、ゲオルギウス」

ゲオルギウス「何の。礼には及びません」



マシュ「すいません、件のスキルについて説明をお願いしたいのですが……」

ゲオルギウス「これは失礼。被虐体質とは……端的に言いますと、相対者はそのスキルの保持者を攻撃せずにいられなくなるスキルです」

マシュ「苛めたくなる、ということですか」

ゲオルギウス「まあ、そういうことになるでしょう。ただ、これはマイナススキルに近いものです。保持者の近くにいるだけで、周囲の人間は貴女を攻撃したくなり、その衝動はどんどんエスカレートしていく」

ゲオルギウス「本人にはもちろん、周りの人間にも悪影響を与えるスキルです。あまり思いつめず、別の方法でパーティに貢献することを考えてもよいと思いますよ」


マシュ「ご忠告ありがとうございます。でも、私はどうしても先輩の力になりたいんです」

ゲオルギウス「……分かりました。無理に止めることはしません。幸運を祈ります」

ジャンヌ「さしもの竜殺しも、恋する女の子には敵いませんか?」

ゲオルギウス「竜は倒されるべきものですが、少女は守るべきものです。力や信仰でねじ伏せることなどはしませんよ。彼女が望むのなら、私は全力で援助するのみです」

ゲオルギウス「……ふむ。被虐体質とは少し異なりますが、話を聞いておくべきサーヴァントがいますね」

マシュ「どなたですか?」


スパルタクス「女子供であろうとも、そこに叛逆の意思があるのなら私の同輩に違いない。さあ、剣を取れ! そして圧政者を打ち負かすのだ!」

ブーディカ「はいどうどう。今は叛逆はいいの。……それで? スパルタクスに話があるって?」

マシュ「はい。込み入った話になりますので詳細は省略しますが……」

ジャンヌ「マシュはどうすれば皆にいじめてもらえるのかを知りたいそうです」

マシュ「えぇ!? 違います、私そんなこと……」

ジャンヌ「被虐体質を身につけるとはそういうことではないのですか?」

マシュ「そ、そうですけど……」

ブーディカ「皆にいじめてもらいたいって、こりゃまた難儀な相談だね」


スパルタクス「叛逆の悦びとは、これ即ち圧政からの解放である。従って、圧政に耐えることこそが叛逆の始まりである」

ブーディカ「マシュはね、どうすれば周りから圧政を受けられるのかを知りたいんだって」

スパルタクス「体制への不満は隠しこそすれ押し殺すものではない! 内に蓄えた怒りを、最高の機会に爆発させなければ叛逆は成し得ないのである」

ブーディカ「自分に正直になればいいって言ってるみたいだね」

マシュ「しかし、私には先輩たちへの不満などありません」

スパルタクス「真の自由などこの世には存在しない! 世界は圧政と闘争に満ちている。弱き者のために戦い続けることこそが私の願いである」

ブーディカ「うーん……意外とマシュをいじめたがってる人はそのへんにいたりするのかもね?」

マシュ「でも、カルデアには私に意地悪をされるような方はいません」


ブーディカ「そりゃそうだよ、いい子だもん。いや、だからこそいじめたいって奴もいるのかな。でも周りの目とかが気になっておおっぴらにできないのかも」

マシュ「では、カルデアの皆さんが、私をいじめるのは当然のことであるという共通認識を持てばいいということですか?」

ブーディカ「まあそうなればスキル獲得の第一歩になるだろうけど……本当にいいの? きっと辛いよ?」

マシュ「はい。これも全て先輩のためですから」

ブーディカ「そっか。マシュがいいなら私は何も言わない。ただ、何かあったら私のとこに来なよ。胸くらいは貸してあげるから」

ジャンヌ「それで、具体的にどうするつもりなんですか、マシュ?」

マシュ「はい、それは――――」


 ぐだ男ルーム


ジャンヌ「本当にいいんですか?」

マシュ「はい、よろしくお願いします」

ジャンヌ「こんなことをしても、スキルを獲得できるとは限りませんよ?」

マシュ「千里の道も一歩からです。小さな努力を積み上げていけば、きっと成果は実るはずです」

ジャンヌ「……分かりました。貴方の覚悟、しかと受け止めました。行きますっ」

マシュ「はい!」


 バチンッ!


マシュ「っ…………!」ビクン!

ジャンヌ「す、すいません! つい、力加減が……」

マシュ「だ、大丈夫です……問題ありません……もっと、強くても平気です……私の耐久はAランクですから……」

ジャンヌ(本当に大丈夫なんでしょうか……)


 ――――――――


マシュ『聖人と名高いジャンヌさんに私をいじめたいと思わせることができれば、きっとカルデアの大半の方は私をいじめたくなるはずです』

マシュ『これからジャンヌさんには何らかの方法で私をいじめていただいて、どんな反応をしたときに一番いじめたくなったかを調べて欲しいんです』


 ――――――――


ジャンヌ(後遺症が残りにくいお尻ぺんぺんという形でマシュを折檻することにしたのですが、この光景は傍から見たら何とも倒錯的というか……)

マシュ「ジャンヌさん、次お願いします!」

ジャンヌ(……いえ、これは彼女自身が望んだこと。ならば、私は迷う必要などない。ただ、マシュのお尻を叩き続けるだけ!)

ジャンヌ「分かりました。では、行きます!」


 バチィンッ!


マシュ「っ…………!!」ビクンビクンッ!

ジャンヌ「だ、大丈夫ですか?」

マシュ「はぁ、はぁ……だ、大丈夫、です、……もっと、強くしてください……っ!」プルプル

ジャンヌ「…………」ムラッ


 バッチィンッッ!!


マシュ「――ッ! ――――ッ!!」ビクビクンッ!


ジャンヌ「大丈夫ですね?」

マシュ「は、はい……大丈夫」


 バッッヂィンッッ!!


マシュ「――――――ッッ!! すいません、もう少し、弱く」

ジャンヌ「大丈夫ですね?」

マシュ「え、ちょっと、待、」


 バヂンバヂンッ!!


マシュ「ッッ――――!!」
 
ジャンヌ「大丈夫ですね?」

マシュ「ま、まってください、せめて、休憩を」


 バッッヂィンッ!!


マシュ「~~~~~~っ!! いや、いやだ、はなして」

ジャンヌ「服の上からでは十分な折檻にはなりませんね。お尻を出してください」グイッ

マシュ「あっ……!」


ジャンヌ「真っ赤になっていますね。すごく痛そうです」サワサワ

マシュ「っ……はい、とても痛いです。ですから、少し休憩を」

ジャンヌ「サーヴァントに休息など不要なのではないですか?」


 バチンッ!!


マシュ「ッ…………!!」

ジャンヌ「全く、何ですかこの可愛らしいお尻は! 小ぶりなのにぷりっとして張りがあって! こんなに叩きがいのあるお尻は初めてです!」


 バチンッ!!


ジャンヌ「どうしたのですか、急に黙りこくって! シールダーなのでしょう? この程度で音を上げていてはメイン盾など務まりませんよ!」


 バッチンッ!!


マシュ「っっ…………!! いたい……いたいよう……」ポロポロ

ジャンヌ「――――はっ、私は一体何を……マシュ!? どうしたのですか、泣いたりして!?」

マシュ「ジャンヌさんがぶったからです……」グス

ジャンヌ「私が……マシュのお尻をこんなになるまで」 

ジャンヌ「すいません、お薬をもらってきます!」ダッ



 ――――――――


マシュ「……あの、薬でしたら自分で塗れますから、その……んっ」

ジャンヌ「いえ、マシュはそのまま伏せていてください。私がやります」ヌリヌリ

マシュ「はあ……」

ジャンヌ「すいません、私の筋力がBランクだったばっかりに……」

マシュ「いえ、多分そういう問題ではないかと」

ジャンヌ「最初はきちんと自制できていたんですが、マシュが健気に痛みを堪えている姿に不覚にも我を忘れてしまいまして……」

マシュ「我を忘れて……もしかして!」

ジャンヌ「わ、私が確認します……!」

マシュ「…………」ドキドキ

ジャンヌ「おめでとうございますマシュ! 新しいスキルが増えていますよ!」

マシュ「本当ですか!? その、効果の方は……?」


ジャンヌ「えーと、『敵の攻撃対象になりやすくなる』……確定ではないということですね」

ジャンヌ「しかし、まだランクはE+ですから、これからの鍛錬次第で効果が増大することは十分に考えられますよ」

マシュ「はい! ジャンヌさん、ご協力ありがとうございました! 今後も引き続きよろしくお願いします!」

ジャンヌ「こちらこそ、見識を増やすよい機会になりました。それとマシュ、自分でしておいてなんですが、サーヴァントとて痛みとは無縁ではありません」

ジャンヌ「マスターを思いやる気持ちも分かりますが、もう少し自分を大切にすることを覚えなくてはいけませんよ」

マシュ「自分を大事に……分かりました、努力します」

ジャンヌ「ええ。これほど早くスキルが開花するということは、元々貴方には素質があったということです」

マシュ「素質、ですか?」


ジャンヌ「はい。E以下のごくごく低いランクだった被虐体質が、今の私との特訓でスキルとして機能するレベルにまで引き上げられたのでしょう」

マシュ「なるほど。そういうことだったんですね」

ジャンヌ「ですから、これからも特訓を続ければ、ゆくゆくはパッシブスキルではなく、アクティブスキルとして被虐体質が機能するランクになる可能性は十分にあります」

ジャンヌ「それまでの道のりは長く険しいものだと思いますが、私も貴方を全力でサポートしますから安心してください」

マシュ「はい、よろしくお願いします!」



 ――――――――――――


ジャンヌ「はあ……私としたことが、何ということでしょう。マシュをいじめるのに夢中になって泣かせてしまうなんて……」トボトボ

ジャンヌ「ああ、マシュ……私と別れたときも、少し足取りがぎこちなかった……よほど痛かったのですね」

ジャンヌ「次の特訓までに、肉体的苦痛を伴わない方法を考えておかなければなりませんね……」

ジャンヌ「…………」

ジャンヌ「(ああ、神よ。私をお許し下さい。何と罪深いことを考えてしまったのでしょう)」

ジャンヌ「…………」

ジャンヌ「(怪我をしなければセーフ……つまり血が出なければセーフ……ならば何も問題はないのでは……)」

ジャンヌ「い、いけませんいけません! 何と罪深い! 私は最低です!」ガンガンガンガン!


ぐだ男「『どうしたのジャンヌ。頭を壁に打ちつけたりして』」

ジャンヌ「はっ、マスター!? すいません、お見苦しいところを……」

ぐだ男「『何かあったのなら話してみてよ。相談に乗るからさ』」

ジャンヌ「はい、実はかくかくしかじか」

ぐだ男「『……ジャンヌはマシュにそういうことをしたいの?』」

ジャンヌ「とんでもありません! そのような罪深き行い、考えるだけでも恐ろしいというものです」

ぐだ男「『よく分からないけど、多分マシュなら嫌がらないんじゃないかな?』」


ジャンヌ「そういう問題ではありません。仮にマシュがそのようなことを望んでいたのならば、その誤ちを正して差し上げるのが私の役割です」

ぐだ男「『その割には楽しそうにお尻を叩いてたね』」

ジャンヌ「はうっ! み、見ておられたのですか?」

ぐだ男「『外まで聞こえてたよ』」

ジャンヌ「ああ……何ということでしょう……」

ぐだ男「『まあ、戦闘に支障がない範囲でならお好きにどうぞってことで』」

ぐだ男「『マシュもジャンヌと仲良くなれて嬉しそうだったし』」

ジャンヌ「ち、違うのですマスター! 私は貴方の思っているようなサーヴァントでは……!」

ぐだ男「『分かってる分かってる』」

ジャンヌ「マスタ――――!!」


 つづく

これにて今回の分の投下は終了です
明日の夕方頃にラストまで書ききって投下したいと思います
読了いただきありがとうございました

お待たせしました
ラストまで一気に投下いたします


 数日後


ランサー「よう嬢ちゃん! 今日も相変わらずいい尻してるじゃねーか!」ペロン

マシュ「ひゃあっ……!」ピクッ

ランサー「お? 何だかいつもより反応がいいな。いい人でも出来たか?」

マシュ「ち、違います……!」

ランサー「はっはっは、照れるなって!」スタスタ

杖兄貴「よう嬢ちゃん。今日の尻の調子はどうだ?」サワッ

マシュ「ひぅっ……!」ピクンッ

杖兄貴「……な、何か悪かったな。ランサーの俺の分も謝っとく。すまん」

マシュ「お、大人の対応をしないでください――!」

マタ・ハリ「おはようマシュ。おっぱいの調子はどう? ……うん、上々ね♪」モミモミ

マシュ「どこの調子を見てるんですか、んっ……」ピクッ


マタ・ハリ「若いっていいわよねー。特別な努力もしなくてもお肌はつやつやだしハリがあるし、本当羨ましい……」サワサワ

マシュ「お、おへそはダメですおへそは! や、ちょっ、くすぐったい……です……!」ジタバタ

マタ・ハリ「若さと涙は女の三種の神器よ? 使えるうちにしっかり使っておかないと、後で後悔するから気をつけなさいね♪」

マシュ「後の一つは何なのですか?」

マタ・ハリ「うふふ、知りたかったら今日の夜、私の部屋に一人で来なさい。たっぷり身体に教えてあげる♪」

マシュ「え、遠慮させていただきますっ」ダッ

マタ・ハリ「あらあら。マシュにはまだ早かったかしら?」

アーチャー「全く……あまり余計なことを教えるな。アサシン」


ぐだ男「『何の話をしてたの?』」

マタ・ハリ「うふふ、ナ・イ・ショ♪」

ぐだ男「『気になるなあ……』」

アーチャー「やめておけマスター。女の会話に首を突っ込んでもいいことはないぞ」

マタ・ハリ「そうそう♪」

ぐだ男「『まあアーチャーがそういうなら』」

アーチャー「しかし、近頃サーヴァントたちのマシュへのセクシュアル・ハラスメントが目に余るな。マスター、何か対策を講じるべきではないか?」

マタ・ハリ「セクハラだなんて。無粋な言い方しないで頂戴。ただのスキンシップよ。スキンシップ♪」


ぐだ男「『マシュも嫌がってるようには見えないし、いいんじゃないかな?』」

アーチャー「ふん、どうだか……ちょうどいいところに来た。ルーラー、君からも少し言ってやってくれ」

ジャンヌ「はい? 何か私に御用でしょうか」

アーチャー「最近マシュが他のサーヴァントたちによるセクハラの対象になっていることを憂えている。聖人である君にしてみれば、これは許しがたいことだろう」

ジャンヌ「……なるほど。事情は了解いたしました。しかし、それはある意味、彼女自身にとって喜ばしいことなのです」

アーチャー「セクハラされることが彼女の喜びだと? マスター、彼女にはそういう趣味があるのか」

ぐだ男「『寡聞にして存じません』」


ジャンヌ「いえ、そうではありません。実はかくかくしかじか」

アーチャー「何? 君が夜な夜なマシュを性的に責め苛み、周囲から虐げられることを良しとするように調教しているだと?」

ジャンヌ「そ、その解釈の仕方には悪意しか感じませんっ!」

アーチャー「冗談だ。しかし、事実を歪曲した覚えもない」

ジャンヌ「ぐっ……」

アーチャー「……ふむ、要は彼女はタンク役が出来るようになりたいのだな」

ジャンヌ「まあ、かいつまんでいうとそうですね」

ぐだ男「『知らなかった……』」

マタ・ハリ「気を落とすことはないわ、マスター。女は嘘をつくものだから」

ぐだ男「『それ、あんまりここでは大きな声で言わないでね』」

五次鯖はクラス名で呼ぶのが癖になっていたのですが、分かりづらいとのご指摘を受けたので改善しました


エミヤ「しかし、ものの数日の鍛錬でサーヴァントが新規にスキルを獲得できるとは思えん。気のせいではないのか?」

ジャンヌ「……はい。彼女はまだ、自らのスキルを確認することができません。ですから、ついその場しのぎで嘘を……」

エミヤ「……そんなところだろうと思っていたよ」

ぐだ男「『じゃあ、マシュがセクハラを受けるようになったのは……?』」

ジャンヌ「実は、私の方から先にお願いを……」

マタ・ハリ「急に私の部屋に来て、『明日からマシュへのスキンシップを過剰にして欲しい』なんて言い出すから、何事かと思ったわ」

エミヤ「呆れてものも言えないとはこのことだ。全く、聖処女の名が泣くぞ」


ジャンヌ「はい……全ては私の不徳の致すところです……」

エミヤ「ランサー……クー・フーリンたちにも同じことを頼んだのか?」

ジャンヌ「いえ、あの人たちは元から自発的にされていたので」

エミヤ「そうか……」

ぐだ男「『嘘なら嘘って早く言ってあげたら?』」

ジャンヌ「それは……そうするべきだと分かってはいるのですが……」

マタ・ハリ「喜んでるマシュを見てると……ってことね?」


ジャンヌ「そうなります……」

エミヤ「しかし、下手に浮かれさせたまま実戦に出られても困る。そのせいでマスターに危害が及んだとなれば、一番辛いのは彼女だぞ」

ジャンヌ「返す言葉もございません……」

ぐだ男「『ちょっといいかな』」

ジャンヌ「はい、何でしょうか」

ぐだ男「『マシュはターゲット集中スキルを獲得しないとパーティに貢献できないって思ってるんだよね?』」

ジャンヌ「はい。そういうことです」

ぐだ男「『なら、今のままでもマシュは十分戦力になってるってことを教えてあげればいいんじゃないかな?』」

エミヤ「ふむ、当然の帰結だな」


ジャンヌ「それはそうですけど……」

ぐだ男「『なら話は簡単だ。ちょっとマシュと会ってくる』」

ジャンヌ「あ、マスター!」

エミヤ「ここはマスターに任せておけ、ルーラー。彼女のことは、彼が一番よく分かっている」

マタ・ハリ「そうそう。彼の口から言えば、マシュも納得するわよ」

ジャンヌ「……すいません、マスター。この借りはいつか必ず……」

エミヤ「……ところで、具体的に君はマシュとどんな鍛錬をしていたのか気になるのだが」

マタ・ハリ「私にも聞かせてくれない?」


ジャンヌ「お二方のご想像にお任せいたします」

エミヤ「つれないな」

マタ・ハリ「もう、照れるような年じゃないでしょ?」

ジャンヌ「私はまだ未成年です!」

エミヤ「…………そういえばそうだったな」

マタ・ハリ「ちょっと意外ね」

ジャンヌ「ど、どうして顔を見合わせるんですか――――!」


 談話室


ぐだ男「『マシュ。ちょっといいかな』」

マシュ「あ、先輩。どうしたんですか、息を切らしたりして」

ぐだ男「『君に話があるんだ。二人きりになれるところがいい』」

マシュ「二人きり、ですか? はい、分かりました。では先輩のお部屋などが」

槍兄貴「よっ、頑張れよお二人さん!」

若兄貴「ちゃんと勃たせてやれよ、シールダー!」

マシュ「ち、違います! そんなんじゃありませんー!」


アルトリア「……いつ、どこでどう召喚されようと変わらないのですね、ランサーは」

メドゥーサ「同一人物ですし、当然といえば当然のことなのですが」

杖兄貴「ったく、困ったもんだぜ」

アルトリア「貴方のことなんですが……」

清姫「皆さん何をそんなに大騒ぎされているのでしょう?」

エリザ「た、ただの事務連絡なのに、子犬ったら紛らわしい言い方しちゃって、ねえ?」

清姫「その通りですわ。旦那様(マスター)が私以外の女とどうこうなるなんて、ありえませんもの」

清姫「で・も、万が一ということもありますし、一応後をつけておこうかしら」スッ


タマモ「それはならん! ここを通りたくば、私を倒してから行くがよい!」バッ

タマモ「ただし、倒したからと言って通れると思ったら大間違いである!」

エリザ「(……?)」

清姫「……よく分かりませんが、タマモと戦っても私に勝ち目はありませんからやめておきます」

エリザ「(ほっ……)」


 ――――――――


 マイルーム


マシュ「それで先輩。お話というのは……」

ぐだ男「『マシュは最近悩んでることとかない?』」

マシュ「悩んでいることですか? いえ、以前はありましたが、今は特には」


ぐだ男「『どんな悩みだったの?』」

マシュ「そんな、先輩にお話しするようなことではありませんから。どうかお気になさらず」

ぐだ男「『いや、聞かせてほしい』」

ぐだ男「『マシュのことをもっとよく知りたいんだ』」

マシュ「私のことを……ですか?」

ぐだ男「『これからきっと、聖杯探索はさらに厳しいものになると思う』」

ぐだ男「『だから、いざって時に命を預ける相手のことはちゃんと知っておこうと思って』」

ぐだ男「『そうじゃないと、後悔することになってしまうかもしれないから』」

マシュ「……でも、先輩には私より強くて頼れるサーヴァントの方々がたくさんいるじゃないですか」

ぐだ男「『え?』」


マシュ「スキルを使い切ったら置き物になる私なんかより、もっとずっと優秀な人たちが」

マシュ「だから、先輩の傍にいるのは、そういう人たちの方が、いいんじゃないかって……」ポロ

マシュ「あれ? すいません、どうして、涙なんか……!」ゴシゴシ

ぐだ男「『……ああ。マシュの言う通りだ』」

マシュ「……!」

ぐだ男「『盾役ってだけでも、デオンやゲオルギウス先生、レオニダスといったサーヴァントがいる』」

マシュ「…………」


ぐだ男「『特にデオンは強敵だ。自前で回避とタゲ取りと弱体解除ができるとなると、もうマシュに勝ち目はない』」

マシュ「うう……」

ぐだ男「『でも、デオンじゃダメなんだ』」

マシュ「え?」

ぐだ男「『デオンだけじゃない。ゲオルギウス先生でもレオニダスでもジャンヌでも、他のサーヴァント全員ひっくるめてもそうだ』」


ぐだ男「『僕が最初に出逢ったのは君だ。だから、一緒に戦うのは君じゃないとダメなんだ』」


マシュ「先輩……!」

ぐだ男「『だから、何も悩むことなんかない。君は君のままでいい』」

ぐだ男「『……そんなに泣かなくても』」

マシュ「すいません……すいません……! でも、涙が、勝手に……!」


マシュ「不思議です、涙には変わりがないのに、さっきよりずっと温かい……」

マシュ「人間は、悲しいとき以外にも涙が出るんですね……」

ぐだ男「『それじゃ、そろそろ行こうか。あんまり長々といると皆に怪しまれる』」

マシュ「……その前に、お手を拝借してもよろしいですか?」

ぐだ男「『?』」


 ギュッ


マシュ「談話室に行くまで、こうさせてください」

ぐだ男「『サーヴァントなのに、マスターに命令するの?』」

マシュ「今だけは、私はシールダーのデミ・サーヴァントではなく、ただのマシュ・キリエライト……というのはダメですか?」

ぐだ男「『冗談だよ。いいに決まってる』」

マシュ「……! ありがとうございます!」


ぐだ男「『待った』」

マシュ「え?」

ぐだ男「『……このまま外に出るのはマズいな』」

マシュ「どうしてですか?」


エリザ『ね、ねえ、いいじゃない別に。大丈夫よ、子犬がマシュとどうこうなるわけないんだから』

清姫『はい。しかし、こればっかりは自分の目で見なければ信用できませんから』

清姫『それに、事務連絡にしては少々長過ぎると思いませんか?』

エリザ『さ、さあどうかしら? きっと、すごく込み入った話なのよ』


清姫『それなら後ろめたいことは何もありませんね。出てきたところを捕まえましょう』

清姫『一体マシュと何の話をしていたのか、一言一句漏らさず教えていただかなくてはいけませんから』

エリザ『ああ、もうこの分からず屋――――!』


ぐだ男「『このまま出て行ったら間違いなく殺される』」

マシュ「……先輩。私が先に行きます」

ぐだ男「『やめるんだマシュ! 死ぬ気なのか!?』」

マシュ「そんなつもりはありません。先輩と『裸の付き合い』をするまでは、私は絶対に死にませんから」

ぐだ男「『いや、だからそれそういう意味じゃないんだってば』」

マシュ「泣き腫らした目でここを飛び出して行けば、きっと清姫さんも納得してくれるはずです……行きます、先輩! また後で会いましょう」ダッ

ぐだ男「『マシュ――――!!』」



 ――――――――


ダヴィンチちゃん「結局マシュの嘘も清姫には通じず、怒り狂った彼女を取り押さえるために一悶着も二悶着もあったわけだけれど」

ダヴィンチちゃん「まあ、それはまた別のお話ということで」

フォウくん「フォウ!」



 おわり

これにて完結です
読了いただきありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom