兄「妹がなついてくれないんだ」(68)

兄「今までほとんど会ったこともなかった、血の繋がりもない男だから無理もないかもしれないけどさ……」

友「まあ無理もないだろ。ただでさえ難しい年頃なんだろ?」

兄「ああ……それにもともとかなり引っ込み思案な性格みたいでな」

兄「ましてや、自分の母親を亡くした直後だし……」

友「親を亡くしたのはおまえも同じだろ?今は無理するな」

兄「ああ……笑っちゃうよな、父と息子でずっとやってきて、やっと母親ができる、それに妹もできると思ったら、また二人暮らしなんて……」

友「ストップ、それ以上考え込むな」

兄「……悪い」

友「いや、俺も余計なこと思い出させちまった。すまない」

兄「はー……」トボトボ

兄(ここは親父と住んでた家、これから四人家族で住む予定だった家……)

兄(結局また、二人暮らしか……)

兄(しかも、今度は親父とじゃない)

兄(数えるほどしか会ったことのない、ほとんど他人同然の妹と……)

兄「ただいまー」

妹「あ……」

兄「……ただいま」

妹「お、おかえり……なさい……」

兄「ん、ただいま」

妹「…………」

兄「遅れてごめんな、すぐ夕飯作るから」

妹「だ、大丈夫……です……」

妹「し、失礼します……」タタタ

兄「…………」

兄「やっぱりすぐ部屋に行っちゃうんだよな……」

兄「…………」

兄「料理も、バリエーション増やさなきゃダメだな……」

兄「ちょっとは手の込んだもの、作れるようにならないと」

コンコン

妹「はっ、はい……」ビク!

兄「夕飯できたぞ」

妹「わ、わかりました……」

兄「…………」モグモグ

妹「…………」モグモグ

兄「もう学校には慣れたか?」

妹「っ……は、はい……」

兄(驚かせちゃったか……)

兄「友達とか、できたか?」

妹「……まだ、少しだけです……」

兄「そっか、焦らないようにな」

妹「はい……」

兄「妹はいい子だから、すぐ友達いっぱいできるさ」

妹「はい……」

妹「ごちそうさまでした……」

兄「ん、お粗末さま」

妹「…………」カチャカチャ

妹「…………」ジャーゴシゴシ

兄(まとめて洗うからいいって、何回か言ってるけど……遠慮してんのかな)

支援

兄「妹、風呂わいたぞ」

妹「い、いえ……先にどうぞ……」

兄「え?いいのか?」

兄(この年頃ならお父さんの入った後のお風呂なんてとか言うんじゃ……)

兄(しかも俺はお父さんどころかほぼ他人だもんな……)

妹「どうぞ……わたしはあとでで大丈夫ですから……」

兄「ん、わかったよ」

しえん

こういう妹もいいな。支援

兄「あがったぞ」

妹「あ……はい……」

兄「ゆっくりあったまってこいよ」

妹「はい……」スタスタ

妹「ふう……」スタスタ

兄「お、あがったか」

妹「あ……はい……」

兄「一緒にテレビでも見るか?」

妹「いえ……もう眠いので……」

兄「ん、そうだな、中学生にはちょっときついか」

妹「ごめんなさい……」

兄「いや、大丈夫だよ。おやすみ」

妹「おやすみなさい……」

パタン

兄「……今日もだいたいいつもと変わらず、か」

翌朝

妹「…………」トントン

兄「気を付けてな」

妹「はい……」

妹「いってきます……」

兄「いってらっしゃい」

パタン

兄「さて、俺も急がなきゃ」

友「よお」

兄「ああ、おはよ」

友「朝からうかない顔だな」

兄「いつも通りだよ」

友「いつも通りか……」

兄「ああ……」

キーンコーン

兄「ふう、終わった」

友「おい、兄」

兄「なんだ?今日はもう帰らなきゃいけないんだ」

友「これ」スッ

兄「ん?」

兄「遊園地のチケット?」

友「ああ、やるよ」

友「妹ちゃんと一緒に遊んでやんな」

兄「あ……」

友「なんだよ?なんの為にわざわざ二枚渡したと思ってんだ?」

兄「いいのか?」

友「どうせ俺にゃあ一緒に行く相手なんかいないしなぁ」

兄「ありがとな」

友「いいよ」

兄「いつか彼女できるさ、おまえなら」

友「うるせーやい、今すぐほしいわ」

兄「ははは」

兄「ただいま」

妹「あ……おかえりなさい……」

兄「ただいま」

妹「はい……」

兄「…………」モグモグ

妹「…………」モグモグ

兄「なあ、妹」

妹「は、はい……なんですか……?」

兄「明日、遊園地いかないか?」

妹「え……」

ちょっと気になるのはなんでそんなにid変わってるのかだな
支援

スマホか何かから書いてんじゃね

はらへるわ

兄「あ、なんか用事あったか?」

妹「いえ……そうじゃないです……」

兄「じゃあ、嫌か?」

妹「…………」

兄「…………」

妹「…………」フルフル

兄「よし、じゃあ明日は遊園地だな」

妹「はい……」

翌日

兄「着いたな」

妹「大きいです……」

兄「今日は楽しもうな」

妹「はい……」

兄「妹はどんなのに乗りたい?」

妹「こ、こわいの……は……」

兄「こわいのは?」

妹「だ、ダメ……です……」

兄「ん、じゃあ適当にまわって、ゆったりしたの探すか」

妹「はい……」

妹「あ……」

兄「ん?」

妹「…………」

兄「あの舟みたいの、乗りたいか?」

妹「…………」

兄「遠慮しなくていいんだぞ」

妹「…………」コクン

兄「よし、いこう」

係員「どうですかみなさん、舟で行く水の上の旅は」

兄「けっこう揺れるな……」

妹「……っ……っ」ユラユラ

兄「大丈夫か?」

妹「あ……」

妹「はい……大丈夫です……」

続けろ

係員「ありがとうございましたー」

兄「よっと」

兄「ほら、妹」スッ

妹「あ……」

妹「ありがとう……ございます……」

兄「そろそろ昼飯にするか」

妹「あ、はい……」

兄「あの店でいいか?」

妹「はい……」

兄「いただきます」

妹「いただきます……」

妹「…………」モグモグ

兄「うまいか?オムライス」

妹「おいしいです……」

兄「どれ」パク

妹「あ……」

兄「うん、うまいな」モグモグ

妹「…………」

兄「あ、ダメだったか?」

妹「いっ、いえ……そうじゃ……」ブンブン

兄「ほら、俺のカレーやるから」

妹「あ……」

妹「…………」パク

妹「…………」モグモグ

兄「どうだ?」

妹「おいしいです……」

兄「よかった」

妹「…………」

妹「あ……」

兄「ん?」

妹「あれ……」

兄「メリーゴーランドか」

妹「乗りたい……です……」

兄「よし、乗ろう」

係員「それでは動きまーす」

妹「…………」

兄「でも、妹が自分から何かしたいって言ってびっくりしたな」

妹「あ……」

兄「いいんだぞ、今だけじゃなくて、いつでも遠慮しないで」

妹「…………」

妹「……さんと」

兄「え?」

妹「お父さんと……乗りたいって思ってたんです……ずっと……」

兄「…………」

妹「わたしは……お父さんと話したことも、ありませんでしたから……」

兄「……ごめんな、俺は兄で」

妹「いっ、いえ……そういう意味じゃ……ないです……」

兄「わかってる、冗談だよ」

妹「はい……」

兄「ゴーカート、乗ってみないか?」

妹「ゴーカート……」

兄「小さいドライブみたいな気分だぞ」

妹「ドライブ……したいです……」

兄「よし、いこう」

ブオーン

兄「どうだ?妹」

妹「は、速い、です……」

兄「あ、すまん、飛ばしすぎたか」

妹「でも、楽しいです……」

兄「……うん、よかった」

全力支援

係員「ありがとうございましたー」

兄「さて、次は」

妹「あ、あの……」

兄「ん?どうした?」

妹「…………」

兄「遠慮しないで、言っていいんだぞ」

妹「……今の……」

兄「ん?」

妹「今の……もう一回……乗りたいです……」

兄「……うん、わかったよ」

兄「ちょっとここで待っててくれ」

妹「……?はい……」

兄 タタタ

妹「…………?」

兄「ほら、アイス」スッ

妹「あ……」

妹「ありがとう……ございます……」

兄「うん、あまいな」ペロ

妹「…………」ペロ

妹「おいしいです……」

兄「よかった」

兄「もうこんな時間か……次が最後になっちゃうな」

妹「…………」

兄「妹、あれ乗らないか?」

妹「観覧車……ですか……?」

兄「うん、いいか?」

妹「はい……」

妹「わあ……」

兄「すごいな」

妹「すごいです……夕焼け……」

妹「わあ……」

兄「…………」

兄(このまま、喋りかけないほうがいいだろうな)

兄(夕焼けに夢中だ)

係員「ありがとうございましたーまたお越しくださいませー」

兄「はー、なんかあっという間だったな」

妹「はい……」

兄「やっぱり楽しいと、時間が過ぎるの早く感じるな」

妹「はい……」

兄「俺はすごく楽しかったけど」

妹「はい……」

兄「妹はどうだった?」

妹「あ……」

妹「…………」

兄「…………」

妹「楽しかったです……すごく……」

兄「……よかった」

妹「はい……」

妹「だから……その……」

兄「ん?」

妹「…………」

兄「なにか、言いづらいことなのか?」

妹「いえ……大丈夫です……ちゃんと言います……」

兄「…………」

妹「…………」





妹「……お兄ちゃん……」

兄「……うん」

妹「お兄ちゃん……また、連れてきてほしいの……」

兄「……うん」

妹「すごく……楽しかったから……」

兄「……うん」

妹「今まで、避けるようなことしてごめんなさい」ペコ

兄「いいよ」

妹「これからも、わたしの家族でいてください」

兄「当然だろ」

兄「おまえは俺の、妹なんだから」

妹「あの……」

兄「なんだ?」

妹「手……つないで帰りたい」

兄「それも、お父さんとやりたかったこと?」

妹「…………」フルフル

兄「ん?」

妹「お兄ちゃんと……したいこと……」

兄「……そうか」

支援だぜ

兄「夕飯、なにがいい?」

妹「……お兄ちゃんの、食べたいものでいい」

兄「いいのか?」

妹「うん……わたしも、手伝うから……」

兄「……それじゃ、頼むよ」

妹「うん」

兄(これなら、やっていけるよな)

兄(二人だけに逆戻りしちゃったけど、それでも)

妹「お兄ちゃん……どうしたの?」

兄「ん?いや……」

兄「なんでもないよ、妹」



おわり

乙でした

読んでくれた人ありがとう

乙乙
でもなんか物足りない、できればもっとください



だけどもっと頑張って欲しい


よかったよ

(´;ω;`)ブワッ



(´;ω;`)ブワッ

よかった


でた、続き催促


いいものを読ませてもらった

こういう短く綺麗にまとめられたのも実にいいものだ


これは良かった

ひまつぶし速報からきますたw

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