【Fate】士郎「スカイリム?」【TES】 (28)

士郎(揺られて……蹄の音……車輪の音……馬車?)

士郎「う……」

レイロフ「よう、やっとお目覚めかい?」

士郎「ここは……」

レイロフ「国境を超えてスカイリムさ、最も、最悪の国境超えだろうけどな」

士郎「スカイリム?」

レイロフ「お前、見たところブレトンでもノルドでも無さそうだな……レッドガードにしちゃ色白だし……」

士郎「はい?」

レイロフ「そうか!アカヴィリから来たんだな!」

士郎「??」

レイロフ「……もしかして、自分がどういう状況かわかってないのか?」

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ロキール「無理もない、だいぶ強く頭をやられたみたいだからな……お前も災難だったな、こいつらストームクロークのせいで俺達まで逮捕されちまってるんだからよ」

士郎「逮捕?!俺悪いことしてないぞ?!!」

ロキール「通りがかった道の近くに、偶然こいつらのアジトがあったんだとさ、こちとらあの盗んだ馬でさっさと逃げてた途中だってのに」

帝国兵「おい!私語は慎め!」

士郎(取り敢えず話はこの人達に合わせておくとして……なんでこんなことになってんだ……?)

~回想~

遠坂「パソコンなんてわかるかぁーっ!!てりゃあっ!!」

ルビー「ちょっ?!私でPCをぶん殴るのはへぶっ!」

士郎「と、遠坂!PCだってタダじゃ……」

遠坂「知るかコンチクショー!!」ガッス!

ピカッ

ルビー「あら、これはマズイですねぇ~パソコンの回路と私に宿る魔法の片鱗がうま~くあわさっちゃいました~」

士郎「なっ!?」

ルビー「ちょーど士郎さんの足元にちょーど士郎さんがすっぽり収まりそうな次元の穴が開いちゃいましたねぇ」

遠坂「目が!目があぁ!!」

士郎「なんでさああぁぁぁぁ…………」

~回想終了~

士郎「なんでさ……」

ロキール「それで……こいつはどうしたんだ?」

レイロフ「おい、言葉に気をつけろ!お前はかのウルフリック・ストームクロークに話しかけているんだぞ!」

ウルフリック「ウウ……」

ロキール「ウルフリック?!ウィンドヘルムの首長の?!反乱軍リーダーの?!?!ってことは俺達は……」

レイロフ「そうだな、ほぼ間違いなくソブンガルデが待ってるだろうさ」

士郎「ソブンガルデ……」

レイロフ「アカヴィリ人にゃ馴染み無いだろうがね、勇敢なノルドが死後に行く場所さ」

ロキール「おいおいマジかよ……!」

パカパカ

帝国兵「これはテュリウス将軍!」

テュリウス「うむ、準備はできているのか?」

帝国兵「滞りなく」

サルモール男「まったく、タロス信者はこれだから野蛮なのですよ……」

レイロフ「将軍に……サルモールの糞エルフどもめ……!」

士郎(詳しくはわからないけど……どうやら帝国とサルモールとかいうのの連合と反乱軍が戦争しているのか?)

レイロフ「糞っ、このロープさえ無ければ今すぐにでもボコボコにしてやるのに!」

ロキール「マーラ様ディベラ様キナレス様アカトシュ様!とにかく神様助けて!!」

レイロフ「昔、ここの女の子にゾッコンだったことがあってね……よくジュニパーベリー入りのはちみつ酒で乾杯したもんさ……」

ガタガタガタン

ロキール「おい……!なんで止まるんだよ!」

士郎(魔術は……いや、人が見てるし……)

レイロフ「死ぬ前くらい気骨を見せてみろよコソ泥、なんにせ、ここで終わりさ」

帝国軍隊長「名前を呼ばれた者から前に出なさい」

ハドバル「ウィンドヘルム首長、ウルフリック・ストームクローク」

ウルフリック「……」

レイロフ「あなたと共に戦えた事に感謝を、ウルフリック首長」

ハドバル「リバーウッドのレイロフ」

レイロフ「昔からよく喧嘩したもんだよ、なぁハドバル?」

ハドバル「黙って行け!」

ハドバル「ロリクステッドのロキール」

ロキール「お、俺は違う!馬は盗ったが、反乱軍じゃない!」

隊長「その馬は帝国軍の馬よ、我々の馬を盗むのは当然重罪よ」

ロキール「嘘だろ?!くそっ!!」ダダッ

隊長「囚人が逃げたぞ!射手!!」

シュッ、ピウッ

ロキール「うっ……!」ドサ

士郎「なっ!?」

ハドバル「次、そこの……」

士郎「……」

ハドバル「アカヴィリからこんな時にスカイリムに来るなんてな……死体を届けるのは難しいかもしれないが、せめて手厚く葬ってやろう」

士郎「……」

士郎(人が死んだのに……目の前で……確かに盗みはしたけど[ピーーー]ことはなかったんじゃないのか?)

士郎「くそっ……」

テュリウス「いい姿だなウルフリック、このヘルゲンにもお前の支持者は居るだろうが、そいつらの目の前でお前の首を落とし、帝国の勝利を宣言してやる」

ウルフリック「グゥッ……!」

テュリウス「時代は変わった、古い考えではどうにもならんのだよ……」

司祭「では、処刑の前に八大神の儀式を……」

ストームクローク兵「八大神だと!?タロスの祝福が無いなら儀式など不要だ!」

司祭「……では、そのように」

ストームクローク兵「我らが父祖の歌が聞こえるぞ、帝国の犬どもには聞こえないだろうがな!」

処刑人「ふっ!」ザシャ!

士郎(また1人……俺には何もできないのか?!)

グオォォォ

ハドバル「今の音は?」

テュリウス「どうということはない、続けろ」

隊長「はっ、仰せの通りに」

ハドバル「次はお前だアカヴィリ人、抵抗するな」

グオォン

士郎(またあの音……?って、そんなこと考えてる場合じゃない!今はうつ伏せで手元は見えないし、急いでナイフを投影して紐を切らないと!)

士郎「投影、開始(トレース・オン)」ボソ

射手兵「なんだあれは?!」

隊長「どうした?!何が見える?」

帝国兵「く、雲の中だ!雲の中に……!」

バサッバサッ

ドラゴン「ぐおおおぉぉ!!」

ドォン!

処刑人「うお!?」

士郎(よし、切れた!今だ!!)ダッ

帝国兵2「囚人が逃げたぞ!」

帝国兵「囚人に構ってる暇は無い!あのドラゴンをどうにかしないと!!」

レイロフ「こっちだ!走れ!!」

士郎「うおぉっ!!」ダダダダッ!

バタン!

レイロフ「なんなんだ一体!?まさか伝説の……?」

ウルフリック「伝説なら良かったんだがな……これは現実のようだ」

士郎「こうしてる間にも……!」

レイロフ「無茶だアカヴィリ人!ドラゴンに立ち向かうなんて自殺行為だ!」

ガラガラ!

レイロフ「まずい!上か!?」

ドラゴン「ヨル、トール、シュル!!」ゴオォォォォ!!

レイロフ「アカヴィリの……えっと……」

士郎「俺は士郎でいい!とにかくどうにかしないと……!」

レイロフ「そうかシロウ、とにかく逃げることが先決だ!近くの要塞に応援を頼む必要がある!」

士郎「お、おう!」

レイロフ「さっきドラゴンが開けた穴から外の宿屋のベランダに跳べ!とにかく生きてここの情報をだれかに届けるなくては!」

士郎「わかった!レイロフ……だっけ?無事でな!」

レイロフ「タロスの加護があらんことを、さぁ行け!」

士郎「たあぁっ!!」ダンッ

士郎「っぐぅ」ダァン

士郎(足を気にしてる場合じゃない!とにかく前へ!!)

ハドバル「こっちだ!囚人!」

士郎「アンタは……!」

ハドバル「いいから来い!死にたいのか!イスミールにかけて何もしない!」

士郎「!」ダダダッ

ハドバル「無事か?囚人。この際脱走は大目に見てやる、アンタは善人そうだしな」

士郎「そりゃどうも……」

ハドバル「とにかく、1人でも多く生き延びさせる義務が俺達帝国軍にはある、一緒に逃げるぞ、走れるか?」

士郎「大丈夫だ、俺もこんなとこで(元の世界に帰る前に)死ぬわけにはいかない」

ハドバル「あっちの砦が見えるか?ひとまずあの砦に避難する。ドラゴンの炎からは守ってくれる筈だ」

士郎「わかった!」

ハドバル「あと……もしストームクロークから攻撃されるようなことがあれば反撃するんだ。俺と一緒に居るおかげで奴らからはだいぶ恨まれてるみたいだからな……殺しにかかってくるだろう」

士郎「そんな……逆に殺さなきゃころされるってことか?!」

ハドバル「このタムリエルの戦争に巻き込んで済まない、アカヴィリ人……辛いかもしれんが、そんなに甘い世の中じゃない、わかるだろ?」

士郎「…………わかった、でも、戦う意思が無い奴は助ける!それでいいか?」

ハドバル「わかった、もしそんな奴が居たらな……よし!行くぞ!」ダッ

士郎「おう!」ダダッ

オチツケ!ダイジョウブダ!
クソッ!キイテルノカ!?

ハドバル「よし、あとちょっとで……」

レイロフ「ハドバル?!生きていたとは驚きだな」

ハドバル「レイロフ!この帝国を裏切った裏切り者め!そこをどけ!」

士郎「喧嘩してる場合じゃないだろ?!」

レイロフ「俺は脱出するぞハドバル、今度は止めないだろうな?」

ハドバル「止めやしない、止めやしないさ」

士郎「喧嘩なら生きて帰ってからやればいいだろ!二人とも砦の中に!!」

レイロフ「……ここはシロウに免じて協力してやる、次会ったら今度こそ殺してやる」

ハドバル「それは……確かに、1人でも人手はあった方がいいしな……ドラゴンが来ないうちにさっさと行こう」

~ヘルゲン、砦内部~

ハドバル「シロウ……とか言ったか?逃げ込んだのは俺達だけみたいだな」

レイロフ「剣は使えるか?鎧も装備した方がいいかもしれないな」

士郎「まあ、ある程度心得はあるよ」

レイロフ「ハドバル、俺の命は保証してくれるんだろうな?」

ハドバル「そっちこそ、お仲間と合流した途端背中からザックリいかないだろうな?」

士郎「ま、まぁまぁ……俺が二人を見張っておけばいいんだろ?」

レイロフ「それが一番だろう」

ハドバル「ところでシロウ、魔術の心得はあるか?」

士郎「えっ?!」

ハドバル「俺達ノルドはあまり使わないが、もしこの先エルフどもが居たら炎や雷が飛び交うことになるからな」

士郎(もしかして、この世界では魔術は一般的なのか?)

士郎「け、剣を作り出す魔術だけは……」

レイロフ「それじゃ、俺達とあまり変わらんな……仕方ない、行くぞ」



レイロフ「これは……」

ハドバル「共倒れか?」

死体の山「」

士郎「ひどい……」

レイロフ「帝国もストームクロークも……みんな死んでやがるな」

ハドバル「死んでしまえば敵も味方も関係無い、己の信念のために戦った立派な戦士だ」

士郎(なんか、男らしい人達なんだなノルドって)

レイロフ「それにしても不自然だな、完全に相打ちになるなんて……」

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