渋谷凛「魔法使い騒動」 (61)

※エロというより隠語・下ネタ多し
※つまりキャラ崩壊

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1444577277




モバP「…」ドキドキ

モバP(俺が、アパート自室のど真ん中で)

モバP(正座したまま三時間が経とうとしている)


モバP(あと10分もしないうちに)

モバP(俺の人生にとって最大のイベント)

モバP(魔法使いからのジョブチェンジが)

モバP(始まるんだ…)


モバP(一時間七万円…)

モバP(ゴムさえつければ本番OK)

モバP(そうだ…俺は呼んでしまったのだ…)

モバP(デリバリーヘルス…通称)

モバP(デリヘルを!!)ドンッ!


モバP(やべぇ…やべぇよ…)

モバP(なんだ…この緊張感…!?)ドッキンドッキン



ピンポーン



モバP「!!」ビック―ン



モバP(来た!いや、落ち着け!)

モバP(もし好みじゃない娘だったら直ぐにチェンジを申し出ないと!)

モバP(いやいや、よく考えたらそれって相手に悪くね!?)

モバP(何言ってんだ!せっかくの俺の初体験だぞ!?)

モバP(魔法使いからのジョブチェンジだぞ!?)

モバP(好みじゃない娘に散らせてどうする!?)


モバP「い、今出ます!!」


モバP(ちくしょう、こんなことならもっと先輩に聞いておけば…)

モバP(チェンジとか言われた嬢ってやっぱ傷つく?とか)

モバP(最初にアタリ引くテクニックある?とかっ)

モバP(くそぉ、もう部屋の前に嬢来てんだぞっ!)

モバP(とにかく出ないと…ええい、ままよ!)



ガチャッ!


凛「…」


モバP「」



モバP(キリッとしていながら、女性的な可愛らしさを損なわず)

モバP(危うげな幼さを残しながらも、それでも美しく、凛とした顔だち)

モバP(圧倒的ノーチェンジ…)

モバP(違ぇよ!凛だよ!!なんてこった!!)


モバP「り、りりり凛!?何でここに!?」



凛「…ちょっと、中入っていい?」



モバP(ま…まずい)

モバP(もういつ嬢が到着するかわかったもんじゃない)

モバP(この状況でもし嬢が来てしまったら…)

モバP(俺は凛にどう説明すればいいんだ!?)

モバP(は、早く追い返さないと大変なことに)


モバP「って、おい!?ちょっと待て!!」



凛「…ごめん、勝手にお邪魔するね」スタスタ



モバP(待ってくれええええ!!)


バタン



凛「…」ちょこん



モバP「…」

モバP(どうする!?どうする!?)

モバP(あれだけ待ち望んでいた嬢の到着なのに)

モバP(今はめちゃくちゃ来てほしくない!!)

モバP(齢十五の少女の存在一つで)

モバP(童貞卒業のチャイムが死刑執行のチャイムに早変わり!!)

モバP(せっかくこのオフの日にめっちゃコソ練したのに!!)

モバP(凛が来たせいで…あれ?そういえば)



凛「…」



モバP「り、凛、お前」

モバP「なんで俺ん家の場所知ってんだ…?」




凛「…」

凛「前にPさん企画書の原本取りに来た時に、ここ寄ったでしょ」

凛「私隣に乗ってたじゃん。覚えてないの?」

凛「…別に誰にも話してないから、気にしないでいいよ」



モバP「そ…そうだったか…」

モバP(そういうことかッなんて失態だ…)

モバP(やべぇ…やべぇよ…)

モバP(なんだ…この緊張感…!?)ドッキンドッキン

モバP(ちょっと前とは全く逆の緊張感になっちまった…!!)

モバP(早く何か…うまい口実を…)




凛「…」

凛「ねぇ、Pさん」

凛「さっきからずっと外気にしてるけど、誰か来るの?」



モバP「!!」ドッキーン



モバP(…どう答える?何が正解だ?)

モバP(いや待て…これはチャンスかもしれない)

モバP(人を待ってると思われているこの状況を利用しよう)

モバP(そうだ、口先の魔術を使うんだ、俺ならできる!)

モバP(だって俺まだ魔法使いだもん…!)

モバP「…実は、そうなんだ」

モバP「高校の時の同級生なんだけど、久しぶりに会わないかって」



凛「…女の人?」



モバP「お、男だ」



凛「…」



モバP「…」

モバP(凛は俺の友達付き合いの邪魔をするような娘じゃない)

モバP(パーソナルスペースを重んじてくれる素敵な娘だ)

モバP(この返答なら、空気を読んでおとなしく帰ってくれるはず)

モバP(…どうだ!?いかに!?)



凛「…」




凛「…じゃあ、やっぱり人違いだね」



モバP「…え?」



凛「ここに来るとき変な人に出くわしたんだ」

凛「アイドルとかじゃなくて、派手な格好したケバい女の人でさ」

凛「プロデューサーの部屋に行こうとしてたから止めたの」

凛「部屋間違えてますよって」

凛「で、なんかキャンセル料が欲しいとかって食い下がってしつこいから」

凛「払っといたよ」



モバP「」



凛「…」



モバP「」



凛「…」




モバP(死ねる)




凛「…」



モバP「」ドキドキ

モバP(俺が、アパート自室のど真ん中で)

モバP(凛に向かい合って正座したまま何分経っただろうか)



凛「…」



モバP(俺は今…)

モバP(最後の審判の鐘を聞くことしかできない)

モバP(罪を懺悔する憐れな囚人のよう)



凛「…」



モバP(まだだ…)

モバP(まだ慌てる様な時間じゃない)

モバP(凛だってまだ確信には至っていないはずだ…!)

モバP(会話の最適解を導き出せば…)

モバP(誤魔化しうるかもしれないんだ…!)



凛「…」



モバP(うつむいてて表情がうまく見えねぇー…)

モバP(本来なら今頃おれは魔法使いを卒業してるはずなんだろうなぁぁぁ…)

モバP(ちッくしょぉぉぉおおお)

モバP(ホントになんだよこの緊張感!?)ドッキンドッキン



モバP「り、凛」

モバP「それで、その人にいくら払ったんだ?」



凛「…なんでそんなこと気にするの?」



モバP「こ、心当たりは全然ないことだが」

モバP「もともとは俺が追い払うはずだった奴なんだろ?」

モバP「それを凛が代わりに金払って追い払ってくれたわけだ」

モバP「なら最終的にその金額を払わなきゃいけないのは俺のはずだ」



凛「…」



モバP「だろ?い、いくらだったんだ?」



凛「…別にいいよ、そんなの」



モバP「そんなことない、俺の気が済まないよ」



凛「…援交やってるクラスメイトが」

凛「本番求める人にこんだけふんだくるって」

凛「大声で喚いてた時に聞こえてきた額と同じくらい」








モバP「」

モバP(~~~~~っ!)

モバP(ぐぅ…ッい、意外と)

モバP(…い、いいパンチしてんじゃあねぇかあ…)



モバP「冗談は…やめなさい…」

モバP「ていうか、そういう額…ってことは」

モバP「凛にとっては結構な大金じゃないか」



凛「…別に平気だよ」

凛「私、結構売れてるし」



モバP「…そういう問題じゃないだろ」



凛「…じゃあ何。マジでそんな人呼んでたってこと?」キッ



モバP「ち、違う違う」ダラダラ

モバP(やっべぇマジで殺されるわバレちまったらコレ)

モバP(…ん?)



凛「…」



モバP(今まで取り繕うのに必死でよく見てなかったけど)

モバP(さっきから凛の様子、なんか変だ…)

モバP(妙に口数が少ないし、ずっと下向いてる)

モバP(そもそも強引に押しかけてくるような奴じゃないはず)

モバP(どこか…余裕がない…のか?)




P携帯<♪



モバP「ほわぁ!?」

凛「っ!」ビクッ



モバP(な、なんだ?)ピッ

モバP「も、もしもし」


『あのーお客さん、ウチの娘が変なコト言って帰ってきたんですけど…』


モバP(ぎゃあああああ!!そうだった!!!)



モバP「す、すまん、席外すそ凛!!」バッ

凛「あ…っ」


バタバタバタ!


モバP(こっちの方はもうなんとか引き下がってもらうしかないっ)

モバP(で、電話するために急いで玄関の外まで走ったけど)

モバP(大丈夫だよな!?さっきの聞かれてないよな!?)







凛「…」

ぎゅぅっ

凛「…」



…………



モバP「よし」ピッ


モバP(ようやく頭が冴えてきたぞ…)

モバP(俺が電話を切って凛の方へ向かう)

モバP(もし勘ぐった凛が通話相手について聞いてきたら)

モバP(答え方はたった一つだ)


モバP「…終わったぞ」


凛「…誰から?」


モバP「さっき言った同級生だよ。用事が出来てこれなくなったって」

モバP(これがベスト…これで俺がボロを出しさえしなければ)

モバP(俺は今日、無事に生還できる…!)

モバP(そして)



凛「…そう」ホッ



モバP(今の凛の安堵で確信した)

モバP(凛の置かれている状態は…)







モバP「親からだと思ったんだろ?」


凛「っ!?」



モバP(…やっぱりか)



凛「…わかっちゃうんだ」


モバP「伊達に凛のプロデューサーやってないさ」

モバP(ホントは気付いたのついさっきですけど)

モバP「それに、考えてみればもうこんな時間だしな」




モバP「一体どうしたんだ?」







凛「…」

凛「…喧嘩して…」

凛「家…飛び出してきた…」



モバP「…」

モバP「家出、か…」


凛「…」



凛「…Pさんは…さ」

凛「夢を追うことって」

凛「いずれやめなきゃいけないことだと思う…?」


モバP「…どういう意味だ」



モバP「まさか…」

モバP「アイドルやめろって言われたのか?」



凛「ううん、違う、その逆」

凛「トップアイドルを目指して、頑張れって言ってくれてる」

凛「でも、一番になるためには、どんなことでもやるべきだ…って」





凛「私は、そういうの、やだ…」


モバP「…」


凛「はじめはただ応援してくれただけだったよ」

凛「でも、私がだんだん売れてきて」

凛「…変装しながら家に帰るようになってからだと思う」

凛「私に、いろいろ口をだすようになった」


モバP「…」


凛「…芸能界は」

凛「夢を追うだけでやっていけるほど」

凛「優しい世界じゃない」

凛「考えを改めないと生き延びていけなくなる」


モバP「…」



凛「お金とか…潰し合いとか…」

凛「権力でのし上がる世界なんだ…って」

凛「私のこと考えて言ってくれてるのはわかる」

凛「それでも私は、そんなことしてまで一番になりたくない」


モバP「…」


凛「…『でもそれが現実なんだ』そう言われて」

凛「私は何も言い返せなかった」



モバP「…それは…」


凛「わかってるよ」

凛「そういうの使ってる子みたことあるもん」

凛「Pさんや私が頑張って取ってきた仕事が」

凛「横からかっ攫われたことだってあったよね」

凛「わかってるつもりなんだ…」


モバP「…」


凛「私とPさんが初めて会ったとき」

凛「Pさんはこう言ってくれた」


凛「誰でもシンデレラになれる」

凛「自分はシンデレラをお城に連れていく魔法使いだ」


凛「…アイドルの世界に入って」

凛「初めて自分が熱くなれるものに出会った感覚がした」

凛「ただ世の中を冷めた目で見ていた花屋の娘ってだけの私が」

凛「初めて夢と魔法の存在をを信じてみたくなった」


モバP「…」



凛「都合のいいことを言ってるって分かってる」

凛「現実が甘くないなんて百も承知」

凛「…でも…それでも私は!」




凛「たとえそんな現実でも…!」

凛「おとぎ話のシンデレラの様に」

凛「夢と魔法だけで舞踏会に出てみたいの!」




モバP「…」


凛「…」

凛「ばかだな、わたし」


P携帯<♪


モバP「!」

凛「!」ビクッ


モバP「…ご両親からだ」


凛「…」





モバP「凛」

モバP「俺を誰だと思ってる」

モバP「不可能を可能にする無敵の魔法使いだぜ?」

モバP「凛はただ、夢を抱いて前を向いていればいいんだ」

モバP(そうだ…)


モバP(俺は魔法使いなんだ…)



モバP「そのまま電話、聞いててくれな」ピッ


凛「…」


モバP「はい、Pです」

モバP「…ええ、とりあえず今、こちらで預かってます」


凛「…」


モバP「…いえ、大分落ち着いている様子なので」

モバP「直ぐにそちらの方にお送りします。はい…はい。」


凛「…」


モバP「あの」

モバP「娘さんから一部始終、聞きました」


凛「…」


モバP「自分のプロデュースがまだ至らないばかりに」

モバP「不安にさせてしまったようで、申し訳ありません」


凛「っ…!」


モバP「…でも、これだけは言わせてください」



モバP「どうか、娘さんの夢を信じてあげてください」

モバP「『これが現実』なんて悲しい言葉に」

モバP「どうか惑わされないでください」

モバP「確かにほかの事務所の人たちなら、トップに上り詰めるために」

モバP「自分たちよりも効率的な方法を選ぶのでしょう」

モバP「いま、頂点に君臨するアイドルたちは」

モバP「権力を駆使した者の方が多いのかもしれません」

モバP「でも俺はこう考えます」

モバP「権力で上り詰めたシンデレラは」

モバP「宝石やドレスで着飾っただけのシンデレラの姉妹たちと」

モバP「どう違うというのでしょうか」


凛「…」


モバP「俺は、凛を本物のシンデレラにするためにここにいます」

モバP「夢と魔法だけでも幸せを掴めることを証明するために」

モバP「俺は凛の隣にいるんです」


凛「Pさん…」


モバP「そのことを、どうか、わかってください」



モバP「ふう」ピッ


凛「…」


モバP「どーよ?かっこよかっただろう?」


凛「…かっこつけすぎ」




モバP「…ははっ」


凛「ふふふ」




モバP「ようやくいつもの調子に戻ったな」


凛「うん…ごめん、急に押しかけて」

凛「迷惑かけてばっかだ、私」


モバP「全然」

モバP「このくらい、迷惑のうちに入らないよ」

モバP「魔法使いとして当然のことだ」


凛「…そうかもねっ」



モバP(そうだよ…そうなんだよ)

モバP(俺は魔法使いなんだ)

モバP(少女に夢を見せる魔法使いが、現実に負けてどうする)

『後生大事に童貞守ってたってしょうがない』

『風俗でも何でも使ってスパッと捨てれば』

『その時こう思う』

『初体験なんてこんなものか、と』

『それが現実なんだよ』


モバP(そんな先輩の言葉に流されて俺は)

モバP(あっさりと童貞を捨てようとしてしまったんじゃないか)

モバP(そんなんでどうする…)



モバP(俺の初体験はそんなんじゃないだろ…!)



モバP「さて、帰るか?」


凛「うん、なんかすっきりした」

凛「あのさ、また嫌なことがあったら…ここ来ていい?」




モバP「…今度からは」

モバP「くれぐれもアポなしで来ないでくれな」


凛「…ふふ、わかった」




モバP「車まわすから待ってろー」



タッタッタ


凛「…」



モバP(俺だって初体験に夢を見てみるぞ!!)

モバP(むふふ!!!)


モバP(俺にだって一生を添い遂げる相手が見つかるだろう)

モバP(その娘は滅茶苦茶可愛くて、スタイルよくて、綺麗で、美しくて)

モバP(マジ俺に一途で、俺のために純潔も守っててくれてて)

モバP(ずっと傍にいてくれて、毎日ラブラブで)

モバP(俺にはもったいないくらいの絶世の美女なのだろう)


モバP(そんな彼女と永遠に結ばれた二人は、結婚初夜に)

モバP(めっちゃくちゃロマンチックな初体験をするのだ!)

モバP(風俗なんてやめだやめ!俺はトップアイドルの夢と同じくらいに)

モバP(初体験の夢も追いかける!!)ドンッ






モバP(そんな奴いねーよって?知ったことか!!)

モバP(俺は夢見る魔法使いだ!!!)ドドンッ


キッ


モバP「さぁ、乗った乗った」


凛「うん」

凛「ねぇ、Pさん」


モバP「ん?」




凛「もし、Pさんが」

凛「魔法使いをやめたいって思う時が来たら、すぐ私に言ってね」


モバP「…えっ」













凛「キャンセル料、そのとき受け取ってあげる」





おわり



こんな変なSSを読んでくれてありがとう

HTML依頼出した後は

もっともっと面白い話が作れるように修行してきます


余談

このSSを書く前に某空耳アワーの傑作選を見返して

「閃いた!次の作品のネタは『ユッキ見オナニー』だ!!!!」

「これは大爆笑SS間違いなしだぞ!!!」

と思い立ち、張り切って構想を考えましたが

見事に作品として成立しませんでした(誰か書いてください)


仕方ないのでプロデューサーにデリヘル呼ばせて

開幕から強引に笑いをとらせようとした次第です


まだまだ修行が足りません。ということで

もっともっと面白い話が作れるように修行してきます

今更かもしれませんが

このSSを読んでクソワロてくれた皆様

もしよろしければですが

↓僕の過去作でもクソワロてくれると僕としても嬉しいです

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