メタナイト「ここが私の鎮守府か」吹雪「デラックスです!」 (1000)

※ss初心者なのでお見苦しい所が有るかもしれません

※艦これ、星のカービィのクロス二次創作ssです。
実際のキャラクターとは少しずれるかもしれないので注意

※このスレは2スレ目です、少しストーリーがあるので前スレから見るのをオススメしま

前スレ
メタナイト「ここが私の鎮守府か…」【艦これ】
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1444559359

今居る艦娘紹介

古参順

吹雪、木曾、白雪、朝潮
響、五月雨、龍田、深雪
千歳、赤城、古鷹、夕張
山城

コツ、コツ、コツ

静寂な道路に一人の足音だけが響く

その足音はとある建物の前で止まり、かわりに

「ここね…」

と、金髪女性の言葉が響く

「待ちきれずに急いで来ちゃったけど…大丈夫よね、多分」

そう言い終わると建物の門の横にある門番妖精の所へ行く

「はい、許可証」

そう言って妖精に許可証を見せる

\OK!/

「ダンケ」 ニコッ

そう言うと女性は門をくぐっていく

「さてと…」

「ここが新しい鎮守府ね…」
コツコツ…
門をくぐった後しばらく歩いて鎮守府玄関にたどり着く
「…?」

「…やけに静かね?」

女性が前に居た鎮守府は常に皆慌しく動き回っていたのだが女性が見る限り周りには慌しく動き回る人影は無い

トタタタタタ…

吹雪「あ、いたいた!」トタタタタ…

「?」くるっ

気付くといつの間にか外から1人の女の子が駆けてきていた

吹雪「こんにちは、新しく配属された人ですよね?私この鎮守府の秘書艦吹雪です」

そう言って吹雪はペコリとお辞儀する

「グーテンターク、私はベテラン鎮守府から配属されたビスマルク型戦艦のネームシップ、ビスマルク、よろしくね」

ビス「やけに鎮守府が静かだけど…何かあったの?」

吹雪「あぁ、今日お休みの日なんですよ」

ビス「休みって…全員?」

吹雪「そうですよ?」

吹雪は不思議そうに首を傾げる

ビス「凄いわね、前の鎮守府じゃ考えられないわ…」ボソリ

吹雪「どうかしました?」

ビス「いえ、なんでも無いわ、ところで提督は?挨拶しておきたいのだけれど」

吹雪「あ、はい、こっちですよ」

そう言って吹雪はまた外に出ようとする

ビス「外にいるの?」

不思議そうに尋ねるビスマルクに対して吹雪は笑顔で答える

吹雪「はい!今外で缶蹴りしてるんですよ」

ビス「へ?」

目を丸くするビスマルクに対して吹雪は笑顔でビスマルクの手を引いていく




白雪「あ、帰ってきた」

五月雨「随分長いトイレだったねー」

吹雪「ごめんごめん、お客さんが来て迎えに行ってたの」トテテテ…

しばらく歩いていると3人の人影が見え吹雪は駆け寄っていく

朝潮「あの人がですか?」

吹雪「そうだよー」

話し合う駆逐艦達の元へビスマルクは歩み、お辞儀する

ビス「グーテンターク、私はベテラン鎮守府から配属されたビスマルク型戦艦のネームシップ、ビスマルク、よろしくね」

それにつれて3人もお辞儀する

白雪「白雪です、よろしくお願いします」

五月雨「五月雨です、こちらこそよろしくです!」

朝潮「朝潮型1番艦朝潮です、よろしくお願いします」

ビス「えぇ、よろしく…ところで…提督はどこかしら?」

ビスマルクは辺りを見渡すが空き缶が一つ転がってるだけで他に人影は無い

吹雪「そういえば…司令官はどうしたの?」

朝潮「司令官なら他の用事があると言って鎮守府に入って行きましたよ」

吹雪「えぇぇ!?ど、どうしよう、すいません、すぐに探しますからっ!」

吹雪は朝潮からの答えに驚きアタフタし始めるがビスマルクがそれを制す

ビス「いいわよ、せっかくの休みで遊んでたのを更に邪魔する訳にはいかないわ、自分で探すから大丈夫よ」

そう言ってビスマルクは鎮守府へ戻っていく

吹雪「あーうー…悪い事しちゃったなぁ…」

落ち込む吹雪に白雪が声をかける

白雪「仕方ないよ、吹雪ちゃんは知らなかったんだから」

吹雪「…ありがとう白雪ちゃん」

五月雨「それにしても美人でしたねー」

白雪「そうそう、なんというか海外艦特有のオーラみたいなのを感じたよね」

五月雨「感じました感じました!憧れちゃいます…」

吹雪「…ふふ」

楽しげに会話をする中不安げな朝潮が口を開く

朝潮「…あの」

五月雨「どうしたの朝潮ちゃん?」

朝潮「…ビスマルクさんは司令官の容姿を知ってるんでしょうか」

五月雨「あ」

白雪「あ」

吹雪「…しまったぁ…」

>>1でなんか名前がおかしいから一応変えてみました>>1です

誰も待っていなかったかもしれませんがまた暫くよろしくお願いします

感想、本編に関する雑談、全然オッケーです、>>1の生きる糧となります

ビス(さて…どこにいるかしら)

ビス(噂の英雄さんは!)

鎮守府の中をワクワクしながら周りを見渡す

ビス(先日の大規模作戦で1人、敵深海凄艦の正体を暴き、自分の艦娘の為、戦場まで飛び出したと聞いたわ…)

ビス(それに前のベテラン鎮守府の第1艦隊のみんなは救出の際に彼を見たと聞いたけど皆かっこ良かったと口を揃えてたし…深海凄艦に対して圧倒的な強さで攻撃する暇も与えなかったと聞くわ…)

ビス(…流石に後者は信じられないけど、余程のイケメン!そして強さ!楽しみだわ!)

そう考えながらビスマルクは提督を探しながら鎮守府を歩き回って行く





メタ「3の四に桂馬」

響「ん」

パチンッ

響は提督に指示された様に打つ

響「はい、王手」

山城「んんんん…!」

余裕の響に対して山城は唸りながら将棋の駒を見つめる

ビス(あら、あれは…)

ビスマルクが廊下を歩いた先には少し広い休憩所があり2人の艦娘が将棋をしていた

ビス(あれは響に…扶桑によく似た格好…多分山城ね)

ビス(確か扶桑によろしく伝えといてと言われたけど…)

山城「桂馬を銀でとるわ…」

山城は恐る恐る駒を動かす

パチンッ

メタ「飛車を4の七へ」

響「ん」

パチンッ

響「王手」

山城「んぐぅぅぅ…!」

ビス(忙しいそうね後にしときましょう、それにしても前の鎮守府の響はクールな子だったけど…)

響をちらりと見るビスマルク、響は提督を膝に乗せ後ろから抱き締めるように椅子に座っている

ビス(ふふ…あんなに大事そうに人形抱えて…ここの鎮守府の響は可愛らしいわね…)

少しほっこりしたビスマルクは提督を探す為に邪魔しない様、静かに移動していった

パチンッ

響「はい、積みだよ」

山城「待った!」

響「駄目」

山城「不幸だわ…」

項垂れる山城に対して響は嬉しそうに微笑む

響「やったね司令官」

メタ「まだまだだな山城」

提督の発言にカチンときたのか山城は提督を睨む

山城「そもそもそっちは2人じゃない、卑怯だわ!」ギロリ

しかし響は慌てずゆっくり喋る

響「2人と言われても私は司令官に指示された通りに駒を動かしただけだよ」

山城「むぅ…じゃあもう一局よ!」

納得いってないのか山城は食いついてくる

メタ「仕方ないな、後一局だけだぞ、この後多摩と約束があるからな」

提督がそう言うと山城と響が駒を直していく

山城「今度は負けないわよ…」

ビス「ここは…食堂ね」

暫く探し回ったビスマルクは食堂にたどり着く、チラリと自分の腕時計を見ると針は3時を示していた

ビス「1500ね…ちょうど小腹が空く頃だけれど…もしかしたらいるかもね」

そう呟きながらビスマルクは扉を開けてる

ガララ…

しかし食堂には誰も居らず静まり返っている

ビス(…ハズレ…)

少し期待していたのかビスマルクはがっかりした様子で戻ろうとする

「……」

「……」

ビス「…ん?」

帰ろうとしたビスマルクの耳に微かに喋り声が聞こえる

ビス(奥に誰か居るのかしら…)




龍田「ふんふんー…」

コンコンッ

龍田「あら?」

キッチンを片付けていた龍田の耳に何かを叩く音が聞こえる

龍田「…何だ提督ねー」

音のする方を見ると提督が外から窓を叩いていた

龍田「はいはい、あけますよー」

ガラガラ…

バサァ…

翼をはためかせて提督は窓から入り翼をマントに戻しながら呟く

メタ「すまない龍田、山城に食いつかれて少し急いでいてな」

龍田「また手を抜かずに返り討ちにしたんでしょう?たまには手を抜いてあげたらどうですかー?」

龍田は冷蔵庫を漁りながら提督に目をやる

メタ「断る」

龍田「そう言うと思ったー…よいしょ」

龍田冷蔵庫から大きなバスケットを取り出して提督の方へ戻る

ビス(…あ、あそこに誰か居るわ)ヒョコッ

ビスマルクは食堂からキッチンを覗き込む、すると1人の艦娘が誰かに話しかけてる姿が見える

ビス(あれは…確か天龍の妹の龍田…だったかしら、誰に話しかけて…)チラリ

ビス(…!?)

龍田の向いには提督がマントを羽織って立っている

ビス(あれは…さっき響が抱えてた人形…もしかして…)

ビス「ゴクリ…」

思わず生唾を呑み込み、ビスマルクの頬を汗がつたる

ビス(龍田…1人で人形に話しかけて…っ!)

ビス(は、恥ずかしいっ!私も時々オスカー人形に話しかけたりするけど…側から見ると恥ずかしいっ!)

ブワッと一気にビスマルクから汗が吹き出始める

ビス(…戻りましょう、このまま見続けても、私も龍田も得しないわ…)

少し悲しい気持ちになりながらもビスマルクは食堂を後にする



龍田「はい、どうぞ」

そう言って龍田はバスケットを提督に渡す

メタ「すまないな、急いでいるからこのまま失礼する」

そう言って提督は窓バスケットを抱えながら窓から飛び出ていく

龍田「いえいえー、大物期待してますよー」

出て行った提督に手を振る、暫くして窓を閉めた後に龍田は呟く

龍田「さてー、釣れなかった時用の出前の準備ー…出前の準備ー…」

小ネタに登場済みの艦娘纏めました


秋月(2回)、不知火、金剛、筑摩
足柄 、加賀、春雨、暁、雷、電
夕立、時雨、鈴谷、那智 、天龍
58、磯風、あきつ丸 、扶桑(台詞なし)
大鯨、日向、利根、長10cm砲ちゃん

一度登場済み、本編に出ている艦娘は選ばれにくいので悪しからず

みなさんお待たせしました

待っていないかもしれませんが…更新します

太陽が傾き出した頃鎮守府の端の堤防の上に3人の人影が見える

深雪「司令官おっそいなー…」

多摩「気長に糸を垂らして待つにゃ…」

赤城「でもお腹が空きました…」

3人は堤防の上から釣り糸を垂らして魚と提督が来るのを待っていた

多摩「…む」ピクッ

ザバァ!

多摩「ゲット…」

深雪「あー、また多摩姉ぇかぁ…」

赤城「やっぱりお上手ですねぇ」

多摩「ふふ…」

多摩は麦わら帽子を傾けドヤ顔で魚をバケツに入れる

多摩「…」チラッ

多摩のバケツには結構な数の魚がいる

多摩「…」チラッチラッ

2人のバケツも見てみると赤城のバケツには数匹、深雪のバケツには一匹入っている

多摩「…」

深雪「…なんだよぅ」

多摩「元気出すにゃ…」

深雪「」イラッ

深雪「今にいっぱい釣り上げてアッと言わせてやるから覚悟してろよぅ!」

赤城「どうどう…落ち着いて落ち着いて…」

深雪「むぐっ」

声を荒げていた深雪の頭の上に突然何かのしかかる

メタ「どうした深雪、そんなに腹が減ってたのか」

多摩「あ、提督…」

メタ「すまない、待たせたな」

そう言って提督はマントからバスケットを取り出す

赤城「おそいですよ!もう!」

赤城は素早くバスケットを受け取り中身を確認する

赤城「わぁ、サンドイッチですか」

サンドイッチを見ると途端に笑顔になる

メタ「龍田に頼んで作って貰った、どうだ釣れてるか?」

多摩「大物がまだ…あむ…んむんむ…」

赤城「私はまあまあでふ、んぐんぐ」

2人はサンドイッチをつまみながら呟く

メタ「深雪はどうだ?」

深雪「…」

深雪は黙ったままムスッとして釣竿を見つめている

メタ「ん?…あぁ…」

提督はバケツを見て察する

メタ「よし、多摩より先に大物を釣り上げて見返してやるか」

そう言って深雪の頭を撫でる

深雪「…ん、やってやる」

多摩「負けないにゃ…」

赤城「ふふふ…」モグモグモグモグ

ビス「いない…」ズーン

ビスマルクは食堂を出た後も提督を必死に探すも見つけられていなかった

ビス「はぁ…」

しょんぼりして廊下を歩いていると窓の外に人影が見える

ビス「ん…?あれは…」

よく見ると堤防に3人、釣りをしているのがわかる

ビス「…釣りか…良いわね…この鎮守府だけ戦争が起こってないみたい…」

前の鎮守府との違いを感じつつ眺めていると、深雪の頭に何か乗っている事に気付く

ビス「ん…あれは…また人形?なんなのかしらあの人形、響と龍田も同じ物を持ってたし…流行ってるのかしら?」

不思議に思いつつ、ふと目を堤防から横にやると工廠が目に入る

ビス「工廠…もしかしてあっちにいるかも…」

そう呟くと彼女はゆっくりと工廠に向かい歩き出した






\深雪スペシャルゥゥゥ………/

\釣れたぁぁぁぁぁ……………/

ビス「ここね…」

ビスマルクは油と鉄のにおいで充満している建物に入る、中は以外とスッキリしており妖精達がトコトコと歩き回っている

ビス「誰かいるかしら…?」キョロキョロ




「………」ボソボソ

「………」ボソボソ

ビス「ん、奥から会話が…」

ビスマルクは声のする方へ向かってそろっと覗き込んで見ると3人、艦娘達が会話をしているのが見える

ビス「……え?なにあれ?」

艦娘達と同時にビスマルクの視界には巨大な銀色のロボットが湯気を噴き出し稼働してる姿が入ってくる

ビス「え?え?」

夕張「よし!こんな感じですかね…っと!」パタンッ

夕張「よいしょっ」スタッ

夕張はロボットの背中の外殻を閉じ、ロボットから飛び降りる

夕張「すみません、付き合わせちゃって」

夕張はゴーグルを外しながら古鷹と千歳に呟く

古鷹「いいですよ、暇でしたし」

千歳「私も他の皆さんの役に立つなら全然大丈夫ですよ」

そう言って2人はにこやかに言葉を返す

夕張「あはは、そう言って貰えれば助かります」


\釣れたぁぁぁぁぁ………/


夕張「ん?」

古鷹「深雪ちゃんの声…釣れたみたいですね」

夕張「ですねぇー、今日の夕飯が楽しみです」

千歳「所で夕張さん」

夕張「ん?なんですか?」

千歳「本当にパワーアップしたんですか?ヘビーロブスター…」チラッ

千歳はヘビーロブスターを見るが見た目には変化はない

夕張「んー、そうですね、なら実際にちょっと稼働させてみましょうか、テスト運行もしないといけませんし…ちょっと提督呼んできますね」タタタッ

そう言うと夕張は早足で工廠を出て行く

しばらくして夕張が提督を片手に帰ってくる

夕張「連れてきましたー」タタタッ

メタ「いい所だったんだが…」

提督は夕張に掴まれながら残念そうに呟く

千歳「あらら…提督すいません…」

古鷹「もう!夕張さん!」

夕張「あはは…ごめんね提督、早く動かしてみたくて…」

そう言いながら夕張は提督を離す

メタ「…まぁ、いい…それで、どうなんだ?」

提督はヘビーロブスターを指差す

夕張「はい、今からお見せしますよぉ!」

ポチッ

ブシュゥゥゥ…

夕張の手にある起動ボタンを押すとヘビーロブスターは蒸気を噴き出し稼働し始める

古鷹「いつ見ても迫力ありますね」

千歳「そうですね」

2人が見つめる中ヘビーロブスターは壁に向かって動き出す

夕張「ヘビーロブスター出航用意ーっ!」

ポチッ

ポチッ

夕張がボタンを押すと目の前の壁が開けていきそこから海が見える

ザブゥン!

ヘビーロブスターはそのまま海に出て軽快な動きを見せる

古鷹「わぁっ」

夕張「ふふん、どうです?以前よりずっと機敏に動くでしょう、小回りが利くようにしてスピードも増しました」

メタ「ふむ、凄いな」

感心する提督を他所に夕張はニヤニヤする

夕張「まだまだこんなもんじゃ無いですよ、今回の目玉はこれです!」カチッ

千歳「おぉぉ!」

夕張がコントローラを操作するとヘビーロブスターの背中が開き中から艦載機が飛び出してくる

メタ「なっ…!?」

夕張「これぞ、千歳さんに手伝って完成させた演習用ヘビーロブスター改の実力です!」

夕張「おーほっほっほ!」

古鷹「その高笑いは似合わないですよ」

夕張「ガハハの方が良かったですかね?」

くだらない会話をする中提督は驚きを隠せなかった

メタ「凄いな…」

そしてもう1人驚きを隠せなかった人物がいた



ビス「えぇぇ…なにあれ…」

困惑するビスマルクの頭にふと、前の提督の話が浮かぶ

ビス「もしかしてこれが強督が言っていた事…!?」

ぽわわわわん…

〜〜〜回想〜〜〜

強督「では、よろしくお願いしますね」

ビス「わかったわ、プププ鎮守府ね」

強督「そうです、くれぐれもベテラン鎮守府の名を汚さない様に」

ビス「わかってるわよ、私を誰だと…」

強督「あともう一つ、貴方には別の仕事を与えます」

ビス「…?」

強督「プププ鎮守府の偵察…いわゆるスパイです」

ビス「すぱい?」

強督「えぇ、そうです、プププ鎮守府にはなにか…大きな秘密があるんです…あくまで私の感なんですがね?」

ビス「大きな秘密?」

強督「貴方にはそれを調べて頂きたい、何も無ければそれはそれで良いですから」

ビス(面白そう…)

ビス「わかったわ!私に任せなさい!」

ぽわわわわ…

〜〜回想終了〜〜

ビス「い、急いで連絡を…」

ビスマルクは慌てて通信機を取り出す

プルルルル…プルルルル…

強督「はい、ベテラン鎮守府の強督で…」

ビス「私よ!ビスマルクよ!」

強督「あぁ、ビスマルクさんですか、なにかあっ」

ビス「大変よ!実は……っ!?」ガバッ

ふと後ろに気配を感じ振り返る

ビス「…なんだ…人形か…さっきまであったかしら?」

ビスマルクの後ろには今日色んな場所で見てきた人形があった

ビス「…まぁ、いいわ…」

気にせず会話を続けようと通信機に再び向き直す

ポンッ

ふと、ビスマルクの方に手が置かれる

ビス「え…?」

メタ「なにをしているんだ?」

ビス「くぁwせdrftgyふじこlp!?」

この後ビスマルクは夕張、古鷹、千歳に縛りあげられて自白させられました


終わり方があっさりしすぎ

どんな風に尋問されたのかkwsk

>>67
グダグダ続くよりいいかと

>>68
メタ「もっと体を痛めつけなければ…」



さぁ、久しぶりにドロップ募集

2-2でドロップ可能な艦娘でプププ鎮守府に来てほしい子

※安価では無いので選ばれない場合があります、ご了承ください

期間は明後日まで

頼みがあります、深海のほうはギャラクティックナイトが提督になってラストバトルはメタナイトはいつもの格好になって一騎討ちというのをお願いしたいです。無理でしたらやらなくてもいいです

>>71
残念ながらもうラストは決まってますので…申し訳ない

小ネタで出ると出にくいとかあるかな
利根が見たい

>>73
本編の方ではそういった事は無いです

更新行きまぁす!


吹雪「司令官、艦隊帰投しました!」

キリッとした顔で吹雪は元気よく提督部屋に入る

メタ「あぁ、ご苦労」

提督は先日の処罰で書類を書き続けるビスマルクの頭の上で答える

ビス「………」カキカキ

吹雪(目が死んでる…)

メタ「で、どうだった」

吹雪「あ、はっはい!無事『柳輸送作戦』成功しました!多摩さんと五月雨ちゃんが小破で入居中です!」

メタ「わかった、それでそっちが新しく来た艦娘か?」

吹雪「はい、こちらは…」

吹雪が紹介しようとしたところで新しく来た艦娘はズズイッと胸を張り自分で自己紹介を始める

利根「吾輩は利根である! 吾輩が艦隊に加わる以上、もう、索敵の心配はないぞ!」

メタ「利根か、私がこの鎮守府の提督、メタナイトだよろしく頼む」

そう言って提督はすっと手を差し出す

利根「うむ!よろしく頼むぞ!」

利根は提督の手を取り握手する

ビス「人の頭の上で握手しないで」

利根「ふむ、それにしても…」

握手を終えると利根はジロジロと提督を見る

メタ「どうした」

利根「吹雪から聞いてはいたが…おぬし…」

利根「本当に小さいのぅ…」

メタ「」

利根「よくそれで提督業ができるのう」

吹雪「」



シィィィィン……



利根「ん、なんじゃ?どうした?静まりかえって」

吹雪「…ちょ…」

吹雪「利根さんんん!!何言ってるんですかぁ!?」

吹雪は慌てて利根に詰め寄る

利根「な、なんじゃ、どうした」

ビス「…ぐっ…くくっ…」

ビスマルクは必死に笑いを堪えているのか手が震えた書類の文字がブレている

利根「なんじゃもしかして小さいの気にしてたのか?」

察した利根は提督の頭にポンッと手を置く

利根「気にするな!確かに小さいくて頼りないが大事なのは中身じゃ!」ポンッ

メタ「」

ビス「ひ、ひっ…くくっ…もうだめ…お腹痛い…くふぅっ…!」プルプルプル

吹雪「利根さんんんんん!!」

利根「すまんすまん、つい本音が…」

メタ「…」

吹雪「もうっ!利根さんってば気を付けて下さいよ!!」プンスコ

吹雪は怒って利根を叱る、そこへ落ち込んでいるのか少し俯いた提督が声をかける

メタ「…吹雪」

吹雪「は、はい!?」

メタ「そんなに私は頼りないだろうか…?」

吹雪「え、あ、いやぁ…」

提督の質問に吹雪は言い淀み視線を逸らす

メタ「…そうか…」

提督は察したのか完全に俯いてしまう

吹雪「あぁっ!すいませんっ!」ワタワタ

利根「そもそもどうやって提督になれたんじゃ?」

利根は首を傾げ提督に質問する

メタ「…それは」

バァンッ!

提督が話そうとしたところで部屋の扉が開き1人入ってくる

「その話、私も混ぜてください!」

これにて今日の更新終わり

2-2ドロップは利根に決まりました、重巡仲間だよ、良かったね古鷹

本当は不知火と利根で凄い迷いました…スパッツか…ふとももか…難しい選択だった…

選ばれなかった皆さんすいませんでした、沢山のリクエスト希望ありがとうございました

そして次回の更新から過去話!メタナイトが提督になれたきっかけが明らかにぃぃぃ!!そして、初期からいたけど全然話に絡めてこれなかったあの人がっっっ!!

「その話、私も混ぜてください!」

声のした方を見ると1人の女性が立っていた

吹雪「あ、明石さん!」

メタ「帰って来たか」

明石「はいっ!無事本土から木曾さん共に帰って来ました!」

そう言ってビシッと明石は敬礼する

メタ「うん?明石…お前雰囲気が…少し変わったか?」

明石「あっ!わかっちゃう?わかっちゃいます!?」

そう言って明石はクルクル回ってみせる

明石「実は本土で工作艦として生まれ変わってきましたぁ!これからもよろしくお願いします提督ぅ!」

そう言って明石は提督を抱きしめる

メタ「むぐぅ」

吹雪「ち、ちょっと明石さん!」

慌てて吹雪は明石から提督を引き剥がす

吹雪「もう!提督潰れちゃいますよ!」

明石「大丈夫ですよー、ね、提督」

メタ「大丈夫だがあまり抱き着かれても困る…」

明石「あらら…すいません…」ペコリ

利根「ところでさっきの話はどうなったのじゃ」

利根が呟くと明石が待た話に勢いよく食い付いてくる

明石「あ、そうですよ提督!私も関係あるんだから話に混ぜてくださいよ!」

メタ「…落ち着け、ちゃんと混ぜてやる」

そう言って提督はビスマルクの頭から少し大きい方の机に移動する

メタ「ほら、席に着け」

提督の言葉に促され皆席に着く

メタ「お茶を頼む」パチンッ

提督がつぶやき指を鳴らすと提督のマントから妖精達がゾロゾロと出てくる

利根「お、おぉ?凄いのう!手品か?」

カチャカチャとお茶の準備をしていく妖精達を利根は楽しそうに見つめる

メタ「気に入られてしまってな…」

コポポ…

人数分のお茶が注がれると妖精達はやりきった感と共に提督に敬礼する

メタ「ありがとう」

提督がそう呟くと妖精達は提督のマントへ戻っていく

メタ「さて…最初から話すなら…まずは私がこの世界へ来た理由と方法…大彗星、ギャラクティック・ノヴァについて説明しないといけないな…」

吹雪「大彗星…」

利根「ぎゃらくてぃっくの・ぁ?」

これにて今日の更新終わり

初期からいたけど話に絡めて無かったのは明石さんでしたー、地味に吹雪と同時期から鎮守府にいる古参組みです

メタ「そうだ、『ミルキーロード』の7つの星々…君達で言う『太陽系』の惑星を繋げると現れる巨大な機械仕掛けの彗星だ」

「………?」




利根「ん?…ん?」

ビス「巨大な機械仕掛けの彗星…?」

話が突拍子過ぎてか明石以外首を傾げる

吹雪「司令官…」

メタ「どうした」

吹雪「惑星を繋げるって…?」

メタ「ふむ…星座と言う物があるだろう、あの様な感じに星と星の間を1本の線を繋げる様に渡って行くんだ」

吹雪「はぁ…」

吹雪は今だ良くわかって無いらしく気の抜けた返事を返す

メタ「そして大彗星ノヴァは『願いを一つ叶えてくれる』」

「………」



利根「ん!?」

ビス「願いを叶える!?」

吹雪「な、なんでもですか!?」

メタ「あぁ、そして私は星々を繋げノヴァに願いを叶えて貰った」

利根「な、なにぃ!?」

提督の発言に皆食い入る様に提督に詰め寄る

利根「それで!なにを叶えて貰ったのじゃ!」

メタ「まぁ落ち着け」

提督は詰め寄る皆を手で制しお茶を一口飲む

メタ「…私は『強くなりたい』そう願ったんだ」

それを聞いた皆はキョトンとする

ビス「…そ、それだけ?」

メタ「あぁそうだ」

利根(小さくて頼りなさそうじゃからのう…)

吹雪(司令官…やっぱり自負して…)




〜〜〜回想〜〜〜

メタナイトの周りを7つの星が回り輝いていく

カッ

7つの星が輝いて無くなると共に巨大な機械仕掛けの彗星が現れる

ノヴァ「READY・>」

※彼女達はメタナイトの強さを知りません

このスレに捧ぐ
http://i.imgur.com/vhMCe95.jpg

>>187
ひょぉぉぉおい!?リアルで変な声を上げてしまったんだがぁ!?

嬉しすぎて涙ちょちょぎれるでぇ!!ありがとうございますぅぉぉお!!

ss書いてて良かった…

ノヴァ「アナタの・ねがいを・ひとつダケ・かなえて・さしあげマス・・・>」

メタ「私の願いは、もっと強くなりたい事…身体も精神も!」

メタ「この私に相応しい…修行の場を与えてくれ!」

ノヴァ「OK>では・いま・アナタの・たすけを・ひつようと・しているセカイへ・・・>」

ノヴァ「・・・3・2・1・GO!>」

メタ「ッ!?」

ノヴァのカウント共にメタナイトの身体は光に包まれ、そして姿を消してしまう

ノヴァ「・・・」

そしてノヴァも跡形も無く何処かへ消えてしまう





ザバァン!!

不思議な浮翌遊感が無くなると共に急に塩辛い水の中へと落とされる

メタ「ぶはっ!?」

慌てて水面へと浮上する

メタ「…ここは…?」

どうやら海のど真ん中に落とされた様で周りには一切海以外見当たらない

メタ「…何処へ飛ばされた…?」

※修行の場を欲したのは、既にメタナイトがいた世界にはメタナイトに相応しい相手が居ないから、つまりギャラクティックナイトを倒した後だからです

ザバァァァ…

静かな海の上を一隻の船が通っていた

その甲板には4人の人影があった

榛名「出ませんね、深海棲艦」

明石「影も形もありませんね」

明石の言う通り周りには海以外なにも見当たらない

T督「まぁ、この辺りは本土に近いから…」

大淀「大丈夫そうですし榛名さん休んでいたらどうですか?」

そう大淀が言うと榛名はブンブンと首を振る

榛名「そんな、榛名は休憩なんか貰わなくても大丈夫…」

しかし榛名が最後まで言い切る前にT督が止める

T督「嘘をついたらダメ、昨日からずっと見張り続けてるじゃないですか、休んで下さい」

榛名「し、しかし…」

榛名は心配そうに他の3人を見る

明石「深海棲艦を見たらすぐに伝えますから…」

大淀「むしろ、いざという時に榛名さんが疲れて動けないって方が危ないですから…」

榛名「…そうですか、なら…」

そう言って榛名は船の中へ入っていった

甲板の上はT督、明石、大淀の3人になり榛名の代わりに見張りを続けていた

大淀「しかし新しく出来た鎮守府の下見ついでに本土近海の安全確認なんて…面倒ですね」

明石「まぁまぁ、私達が着任する鎮守府だし、安全確認もついでだからいいじゃない」

つまらなそうにする大淀を明石がなだめる

T督「しかし…鎮守府が出来ても指揮する者が居ないと意味をなさないんですけどねぇ…」

大淀「常に人手不足ですからね、特に艦娘の指揮を任せるとなると難しいですから…」

明石「そう考えるとT督も凄い人なんですよねぇ」

そう呟き明石はT督を見ると、T督は照れ笑いを浮かべる

T督「ははは、そんなこと無いですよ」

大淀「駆逐艦には怖がられてますけどね」

T督「ははは…はぁ…」

大淀の発言にT督は乾いた笑いをし、項垂れる

明石「あー、あの顔怖いですよねー、修羅の顔ですよアレ」

大淀「艦娘達を想って作成を考えてくれてるのは分かりますが…アレは…」

T督「仕方ないでしょう、昔から考え事してたらなっちゃうんですよ…」

そう言ってT督は落ち込んでしまう

明石「あらら…」

大淀「言い過ぎましたかね…」

T督「そんなに怖い顔かなぁ…」

明石と大淀は落ち込んでるT督に寄り添い慰める

明石「大丈夫ですよ、普段は」

大淀「一部の人には人気ありますから」

T督「ひどいよ2人とも…」

大淀「でも実際榛名さんはT督の事大好きじゃないですか」

T督「まぁ…それは…」

ガクン

突如船が突然大きく揺れる

明石「きゃっ!?」

T督「なんだっ!?」

慌てて3人は海の方を見る

大淀「船下に陰が!」

T督「なっ…潜水艦か!?」

見ると船下からススス…と陰が動いて離れていく

明石「深海棲艦です!」バッ

明石が指差す方にはイ級が三匹船に向かって進んで来る姿が見えた

T督「榛名!」

T督は榛名の名前を呼ぶが一向に船から出てくる気配が無い

T督「…っ!榛名!大丈夫かっ!?」

不審に思ったT督は急いで船の中へ駆け込む

T督「榛名!」

船の中、ベッドがある部屋まで来ると部屋の中から榛名の声がする

榛名「T督!」

T督「榛名、無事か!」

榛名「はい!しかし…」

T督「開けるぞ…っ!?」

T督が扉を開けようとしてもビクともせず開かない

榛名「さっきの揺れで扉が歪んでしまって開かないんです!」

扉が開かず焦るT督の耳に大淀の声が届く

大淀「T督!早く!もうそこまで来てます!」

T督「くそっ!明石の工具を取ってくる!待ってろ!大淀!操縦士に船をイ級から離す様に言え!」

そう言ってT督は明石の部屋に工具を探しに駆け出す

大淀「はい!明石!見張り頼みます!危なくなった逃げて!」

明石「私はいいからはやく!」

明石に言われ大淀は急いで操縦室へ行く

明石「はやくはやく…!」

明石が見張る中、イ級達はどんどん船に近づいて来る

明石「ヤバイヤバイヤバイヤバイ」

どんどん近づくに連れ明石の中に恐怖と焦りが溢れ出てくる




イ級の目が明石を捉える




明石「ひっ」

逃げようとするも足が動かず尻餅をついてしまう

ザバァァァ!!

イ級は飛び跳ね、イ級の影が明石にかかる

明石「いやぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!」

恐怖で明石は思わず目を閉じ叫ぶ










スタッ

コツ

コツ

コツ

メタ「怪我は無いか?」

明石「…ふぇ…?」

いつまで経ってもイ級は降ってこず、代わりに聞いたことの無い声が聞こえ明石はゆっくり目を開く

目を開くとそこには一頭身のボールの様な物が立っていた

明石「え…な…なに…?」

明石は状況が全く分からず混乱する

メタ「余程怖かったのだな…」

明石「」ビクッ

まさか目の前の球体が喋ると思わず明石は固まってしまう

メタ「…これで拭くといい」スッ

明石「え…あ…」

メタナイトがハンカチを差し出すと明石は、いつの間にか自分が涙を流している事に気づく

明石「…」

明石「あ、ありがとう…」

明石は恐る恐るメタナイトからハンカチを受け取る

メタ「気にするな…さて…」

メタナイトは明石にハンカチを渡すと海の方へ振り返る、そこにはイ級が二匹、今にも襲いかかろうとしていた

メタ「後二匹…」

明石「え…?ひっ!?」

明石もイ級に気付き思わず後ずさる

メタ「…そこでじっとしていろ」

そう言ってメタナイトは小さな鞘から剣を引き抜く

バリバリバリ!!

剣を引き抜くと雷の様な光と音が響き剣が姿を表す

メタ「すぐ片付く」

※ここから先はBGMを聴きながら読むとお楽しみいただけるかもしれません

推奨BGM:メタナイトの逆襲

ザバァァァ!

再びイ級の一匹が飛び跳ね、襲いかかってくる

明石「うぅっ…!?」

明石は恐怖で言葉も出なくなってしまった

しかし

メタ「隙だらけだな」

そう言ってイ級に向かってメタナイトも跳ぶ

スパァン!!

メタナイトが少し動いたかと思うと次の瞬間にイ級が縦に真っ二つに裂ける

グンッ!

メタナイトは素早く空中で小さく弧を描くようにイ級の側面にまわり、そのまま蹴りを入れ真っ二つになったイ級を海へ吹っ飛ばす

バシャァァァ!

明石「ふ…はぇ…?」

明石は異様とも言える光景に涙が止まりキョトンとなる

メタ「むっ」

もう一匹、イ級が海から船に向けて砲塔を構える

グンッ!キィィィィ……ン

メタナイトは海の上を飛沫を上げながらイ級へと飛ぶ

ドォン!

イ級は砲撃を放つ

クンッ

メタナイトは弾をスレスレに上に避ける

そのままメタナイトは弾の真上から剣撃を喰らわせ海へ叩き落とす

パァン!バシャァァァ…

イ級の目の前には大きな水飛沫が上がりなにも見えなくなる

イ級「…!?」

次の瞬間、イ級の身体は裂け、目の前には裂けた水飛沫と、その裂け目の先にメタナイトがいた

メタ「…脆い」

>>219
なるほど
荒れてしまうのは良くないし、また忘れた頃にでもそっと置こうかな
>>1と皆さんがのんびり出来るのが一番

>>220
お気遣いありがとうございます!
私が忘れた頃にビックリさせて嬉しがらせて下さい!

そして今日は珍しく朝更新するよ、この後一日中寝るからねっ!

メタ「なにか…力を感じたんだが…気のせいだったか…」

メタナイトはあまりの手応えの無さに少し落胆しながら船へ戻る

ザバァァァ!

メタ「!」

突然メタナイトの背後から水飛沫の音が聞こえる

メタ「なっ…!?」

振り返ると先程斬り裂いたイ級が元に戻っておりメタナイトに向かって飛びかかっていた

メタ「くっ!」

スパァン!

イ級は後少しというところで再び切り裂かれ吹っ飛ばされる

メタ「…なんだ?確かに斬り裂いた筈だが…」

明石「ひぃぃ!!」

不審に思うメタナイトの耳に明石の叫びが聞こえる

メタ「まさか…っ!?」

船の方を見ると先程と同じように倒した筈のイ級が二匹、船に向かって襲いかかっていた

メタ「くそっ!」

バサッ…キィィィィ…ン

メタナイトは羽を大きく広げ物凄いスピードで船へと向かう

明石「助けてぇ!!」

イ級達は叫ぶ明石に砲塔を構える

明石「いやぁ!!」

ドォン!ドォン!

明石の叫びも虚しくイ級達は明石目掛けて砲撃する

明石(あぁ…撃たれた…)

バサッ!

死を覚悟する

メタ「間に合えっ!」

シュタッ!

メタナイトは弧を描くようイ級達を迂回して飛び明石の目の前へ着地する

メタ「ふっ!」

キィンキィン!!

ドボォン!

メタナイトが剣を振るうと弾は弾け飛び海へと吹っ飛んでいく

明石「…はへぇ…?」

呆気に取られる明石を他所にメタナイトは焦っていた

ザバァ…

メタナイトの視界には先程、二度までに斬り裂いたイ級がまた元に戻ってこちらに向かって来るのが見えた

メタ「…感じた力はこれか…奴ら…再生する様だな…どうすれば…」

どうするか悩む間にもイ級達はどんどん距離を詰める








T督「撃てぇぇぇえぇぇ!!」

榛名「主砲!砲撃開始っ!!」

ドォン!

榛名の砲撃と共に次々とイ級は轟沈していく

メタ「…再生しない…?」

明石「助かった…」

T督「こっちだ!」グイッ

明石「!?」

安堵する明石を背後からT督が引っ張り、メタナイトから距離を置く

明石「な、なんですかT督?」

T督「大丈夫か明石!新種の深海棲艦か!?榛名!」

榛名「はい!」

榛名はメタナイトに向けて砲塔を構える

メタ「………」

明石「ま、待って下さい!その人は深海棲艦じゃないです!」

慌てて明石は榛名とメタナイトの間に割って入る

T督「なに…?」

明石「この人は命の恩人です!」

T督「どういう事だ…?」

この後、明石は今まであった事を出来るだけ事細かく伝えた

T督「そ…」

T督「そうだったんですかぁ!ありがとうございます!うちの明石を助けて下さって本当にありがとうございます!」

T督はメタナイトと手を取るとペコペコと謝る

T督「私はこの娘達の提督をやっているT督と言うものです!名は何と言うんですか!?」

食いつく様に聞いてくるT督に少し動揺しながらもメタナイトは答える

メタ(この娘達…?)

メタ「メタナイトだ」

T督「メタナイトさん!何か、何かお礼をさせて下さい!」

そこへ明石も割って入ってくる

明石「わ、私からも何かお礼を!」

メタ「む、むぅ…」

突然の事に戸惑うメタナイト、それを榛名は疑いの眼差しで見ていた

榛名(T督は人が良すぎです…)

榛名(あんな作り話を信じるなんて…)

榛名(あんなに小さいのに深海棲艦達を相手に剣一つで太刀打ちできるわけありません!)

榛名(恐らく明石さんもT督も新種の深海棲艦に騙されているんです!)

榛名(榛名が何とかしなくては!!) ダダッ

榛名「むぅぅ!」ガシッ

明石「わっ!?」

T督「!?」

メタ「!」

榛名はいきなりメタナイトを掴むと空高く放り投げる

榛名「えぇぇい!」ビュッ

明石「榛名さん!?何やって…」

榛名「話が本当なら撃たれても大丈夫ですよねっ!」

そう言って榛名は砲塔を、まだ空高く放り出されたメタナイトへ構える

T督「やめろ!榛名!」

榛名「対空射撃、発射!」

ドォン!

寝すぎて変な時間に起きちゃった

因みにイ級のサイズはアニメサイズです、そりゃ榛名も信じないよね

後、200レス小ネタはキリのいい所で書きます、前スレの>>1000もキリのいい所で着任しますから待っててね

空高く放り投げられたメタナイト、そのまま空中高くどうしようか悩んでいた

メタ(…どうやら彼女には信じて貰えなかったようだな…)

メタナイトは先程の戦闘を思い出す

メタ(先程のピンク髪の女性の反応からするに…戦った奴は、かなり脅威的な存在だったか…?)

メタ(だとすると奴らを倒した彼女もかなりの手練れ…)

メタ(…こちらが敵対して無いと分からせかつ、実力を認めさせなければ…)

メタ(さて…どうするか…)

メタ「………」

メタ「ふっ!」

スパァン!











T督「榛名!何をしてるんだ!」

榛名「T督こそ何を間に受けてるですかっ!あんな小さいのが…いたっ」コツン

コロコロ…

空から何か落ちてきて榛名の頭に当たる

T督「なんだ?」

拾い上げると星型の金属で、更に空から複数降ってくる

コツンコツン…コロコロ…

榛名「な、なんですか…?」

メタ「君が先程放った弾だ」シュタッ

榛名「…へ?」

気付くといつの間にか甲板にメタナイトは帰って来ていた

榛名「こ、これが先程私が放った弾と…?」

メタ「そうだ」

榛名「………」

メタ「私は別に君達に危害を加えようとは思っていない」

明石「そうですよ!私の命のを救ってくれたんですよ!」

ムスッとする明石とメタナイトに対して榛名は申し訳なさそうに謝る

榛名「…疑ってすいませんでした…」ペコリ

続けてT督も謝る

T督「すいませんでしたメタナイトさん…」

メタ「わかって貰えれば構わないさ、所で一つ聞きたいんだが…この星は何と言う名だ」

奇妙な質問をするメタナイトに対してT督は不思議そうに答える

T督「え…星の名…ですか?地球ですが…」

メタ(地球…聞いたことが無い…それに先程の生物…やはりここは…)

メタナイトは暫く考え込んでから口を開く

メタ「いきなりこんな事を言うのも何だが…」

メタ「私は別世界から来た…と言ったら信じるかね?」

T督「別世界…??」

メタナイトはここまでに起きた事、ギャラクティック・ノヴァの事、騎士として強くなるためにここに来た事を伝えた

T督「な、なるほど…別世界の人だったんですね…」

明石「かっこいい…」

メタ「他にも色々と聞きたいんだが…先程の奴らは一体なんだ?」

メタナイトの発言により場は重くなる、そして榛名が真剣な表情で語り始める

榛名「先程の生き物は深海棲艦」

メタ「深海棲艦?」

榛名「はい、この世界での脅威的な存在です、奴らは数年前、突如として現れました」

榛名「深海棲艦にはあらゆる武器が通じなく、人類は瞬く間に海全域を支配されてしまいました…」

メタ(なるほど…だから…)

メタ「…ん?しかし先程は君が…」

榛名「名乗り遅れました、榛名と申します、実は私は人間では無いんです」

メタ「なに…?」

榛名「私は『艦娘』と呼ばれる存在で、唯一、深海棲艦に対抗出来る存在なんです」

メタ「艦娘…」

榛名「はい、私達なら深海棲艦を倒す事が出来るのです、しかし、私達は倒す力を持っていてもその力を存分に発揮出来る訳ではありません…」

少し残念そうな表情を浮かべる榛名をT督がフォローするように会話に入ってくる

T督「そんな彼女達をサポートし、まとめ上げ充分に力を発揮させる、それが私、提督なんです」

メタ「なるほど…」

メタナイトは暫く考え込んだ後に呟く

メタ「…面白い…中々良い修行場だ…」ボソッ

T督「どうしました?」

メタ「決めたぞ」

メタ「私も提督になる」

〜〜回想終了〜〜

メタ「その後、彼の助けもあって提督になれた…と言う訳だ」

明石「懐かしいですねぇ…」

懐かしむ明石を他所に、他の3人は儚い目で提督を見つめていた

利根「………」

吹雪「………」

ビス「………」

メタ「その後帰ってきた大淀も大変だった…」

明石「あぁ、あれは大変でしたねぇ…」

懐かしい会話を楽しむ明石と提督、その陰で3人はコソコソと会話ん始める

利根(のぅ…吹雪…ビスマルク…)ボソボソ

ビス(なに?)ボソボソ

吹雪(なんですか?)ボソボソ

利根(提督の奴…あまりにも話を盛りすぎじゃないかのぅ…)

吹雪(流石に信じ難いですよね…あの身体でイ級三体って…)

利根(そもそも艦娘では無いが深海棲艦に傷をつけるのは無理なはずじゃ…あらゆる武器でも弾かれてしまうからのぅ…)

吹雪(榛名さんがトドメをさしていますし、司令官の戦闘部分だけ作り話かと…)

ビス(さっき貴女達が頼りないとか言うからあんな作り話始めたのよ!)

利根(や、やはりそう思うか…?)

ビス(今度から優しく接してあげなさいよ!気にしてるんだから!)

吹雪(明石さんなんて話し合わせてあげてますもんね…)

吹雪「……」

吹雪「…そんな事があったんですね!流石司令官です!」

ビス「見直したわ!」

利根「吾輩もそんな提督を持てるとは鼻が高いぞ!」

メタ「そ、そうか…?」

提督は何処か恥ずかしそうにお茶を飲んだ

利根(今度から気を付けんとのぅ…)

過去話編終わり!

変な所で信用ないね、メタナイトさん…

次は小ネタ挟みますよん


人(?)柄はともかく戦闘力の面は完全に見た目だけで舐められるだろうな
艦娘の誰かと模擬戦(と言う名のガチバトル)するとか深海棲艦を倒すとかして実力を見せつけたりすれば話は別だが

そっと置いておく
http://i.imgur.com/Z1WwfDF.jpg

>>274
ありがてぇありがてぇ…こんな事あったなぁ、懐かしい…自分もこんな絵心欲しいなぁ…

これより小ネタを投下していきます、小ネタは本編とは関係無いので誤解しないようお願いします…

小ネタでは全艦娘がいる程でします

メタ「どうだ、美味いか?」

秋津洲「とっても美味しいかも!」ゴクゴク

提督と秋津洲は中庭でお茶会を開いていた

メタ「秋津洲が居てくれて助かった、貰った茶菓子が1人では食べきれなくてな…」

秋津洲「私とってもラッキーかもー!」もぐもぐ

メタ「ははは、まだあるから焦らず食べなさい」ゴクゴク

提督も嬉しそうにゆっくりとお茶を飲む

秋津洲「わぁい!」

チュンチュン…

中庭は小鳥がさえずり、木漏れ日が溢れ静かに風が吹いていた

メタ「…良い天気だ…」ゴクゴク

秋津洲「優雅な一時過ごしちゃってるかもー」ゴクゴク

そんな二人の視界に長門と武蔵がこちらを見ながら話し合っている姿が目に入る

メタ「…?」ゴクゴク

秋津洲「どうしたんだろ?」

メタ「さぁ…二人もお茶が欲しいのかもしれないな」

二人が不思議がっていると長門と武蔵が真剣な表情で歩いて来る


秋津洲「あ、二人ともこっちに来るかも?」もぐもぐ

長門「提督!頼みがある!」

長門は提督の前まで来ると真剣な表情で提督を見つめながら膝を着く

メタ「どうした…?」

長門「私を…」

秋津洲「?」ゴクゴク

長門「私を女にしてくれ!」

秋津洲「」ブフッ

後、今週は忙しくてなかなか更新出来ないかも知れません、申し訳ない

皆さん暫く間隔を開けてすいませんでした、再開します!

秋津洲「ゲホッゴホッ!」

メタ「だ、大丈夫か?」サスサス

吹き出した秋津洲の背中を提督は心配そうに摩る

長門「大丈夫か?」

秋津洲「だ、大丈夫かじゃないよ!いきなり何言い出すの!」

武蔵「そうだぞ長門、ちゃんと順を追って説明しないと提督も困ってしまう」

長門「そ、そうか…すまない提督…」

秋津洲と武蔵に言われて長門は申し訳なさそうに謝る

メタ「気にするな」

秋津洲「まったく…昼間から何言ってるの…びっくりするかも…」

秋津洲「………」

秋津洲「…いやいや!昼間じゃなくても問題かも!」

喚く秋津洲を提督はなだめる

メタ「落ち着け秋津洲、長門説明してくれ」

長門「あぁ…この前『鎮守府ランキング』が掲示板に掲載されたのを覚えているか?」

メタ「青葉が鎮守府にいる奴を色々なジャンルでランキング表にしたあれか?」

長門「あぁ………」

武蔵「………」

急に二人は口を開かなくなり項垂れてしまう

メタ「どうした?」

秋津洲「…あぁ、なるほど、わかったかも」

メタ「?」

秋津洲「あのね、ランキングの一つに『男らしさ』ってジャンルがあってね…」

メタ「…あぁ…」

なんとなく察した提督に長門と武蔵は口を開く

長門「…2位だ」

武蔵「…3位」

メタ「なるほどな…」(1位の人)

長門「私は…私達はもっと女らしくなりたいんだ!」ガシィ

長門はそう叫びながら提督を持ち上げ揺らす

メタ「しかしししし、そんなランキング気にしなければ良いじゃ無いかかかか」ブルブルブル

そういう提督を今度は武蔵が揺らしながら叫び出す

武蔵「そうは言うがな、やはり気にしてしまうんだよ!私の姉の大和なんて『憧れる女性』ランキング1位だぞ!」ガシィ!

長門「陸奥は2位だ!妹にこんな差を付けられてはビッグ7の名が廃る!」ガシィ!

メタ「揺らすなななななな」ガクガクガク

長門「男らしいなんて嫌だぁぁぁぁ!」





秋津洲「二人共秋津洲よりはマシかも」

『頼りない人』ランキング1位

秋津洲「でもどうして提督に相談するの?」

不思議がる秋津洲の言葉に長門と武蔵は反応して提督を離す

メタ「グフッ」ドサッ

武蔵「それはだな、今、お茶を飲んでいた二人が優雅だったからだ!中々に女性らしい時間の過ごし方だったぞ!」

提督を拾い上げて撫でながら秋津洲は呆れたように呟く

秋津洲「え、それだけ?と言うか二人共姉妹に聞けば…」ナデナデ

長門「聞ける訳無いだろう!」

武蔵「恥ずかしい!」

秋津洲(変な所で意地っ張りかも…)ナデナデ

メタ「うぅ…」

秋津洲「大丈夫?」ナデナデ

メタ「頭がシャッフルされた…クラクラする…」

長門「さぁ!早く私にも女性らしい時間の過ごし方を教えてくれ!」

そう言って長門は、また提督を掴みにかかる

秋津洲「駄目っ!提督は優しく扱ってあげなきゃ駄目かも!そもそも、そういう所が女性らしくないかも!」

そう言いながら秋津洲は提督を大事そうに抱きしめる

長門「なっ…そ、そうだったか…!」ガーン

武蔵「確かに私達は慌て過ぎて他かもしれない…」

長門「ど、どうすれば…」

落ち込む二人、そこに誰かの声が響く

「その話!乗らせて頂きますわ!」

俺も秋津洲に撫でて貰ったり抱きしめて貰いてぇなぁ…

武蔵「むっ!?」

長門「だ、誰だ!?」

謎の声に4人が辺りを見渡すと二階の窓が開いており、中に人影が見える

「お答えしますわ!」

その人影は窓から中庭へ勢いよく飛び降りる

「とぉぉおぉおぉぉぉ!」クルクルクル

空中で綺麗に3回転して着地しポーズ決める

熊野「私こそ『憧れる女性』ランキング17位に輝いた熊野ですわ!」キラーン

武蔵「なんだ…熊野か」

長門「微妙な数字だな」

熊野「え、えぇ…反応薄いですわね…」

熊野は反応の薄い二人に対して落胆する

秋津洲(私は十分びっくりしたかも)

熊野「ま、まぁ良いですわ、気を取り直して…」

熊野は何処からかティーカップを取り出すと、お茶会用のティーポットで優雅にお茶を注ぎながら喋り続ける

熊野「先程のお話し聞かせていただきましたわ!私が提督の代わりにお二人を女性らしくさせて差し上げますわ!」

言い終わると共にお茶も注ぎ終わり、右手にカップ、左手にカップ用の小皿を持ち決めポーズをとる

熊野「ふふっ」キラーン

武蔵「…」

長門「…」

メタ「…」

秋津洲「…」

熊野「決まりましたわ…」

長門「…そ、そうか助かる…」

熊野「任せて下さいまし!」

そう言って熊野は胸を張る

武蔵「じゃあ早速教えてくれ!」

熊野「まずはですね…」

三人が話し込んでいる中、提督と秋津洲はまた優雅にお茶会をしていた

メタ「助かったな…」ゴクゴク

秋津洲「これからどうなるか楽しみかも」ゴクゴク

秋津洲が見ていると突然熊野が膝を着く

熊野「…っ!」ガクッ

それに気付いたのか提督は慌てて駆け寄る

メタ「どうした!」

熊野「すいません提督…先程の着地で足が…私もまだまだですわね…」

そう言いながらやせ我慢するかの様に微笑む

メタ「言ってる場合か!早く入渠してこい!運んでやるから捕まれ!」

熊野「はい…ありがとうございます…提督…」ニコッ




熊野「と、こんな感じに殿方には少し弱味を見せると言う方法もあります」スクッ

熊野はそう言いながら何事も無く立ち上がる

メタ「」

長門「なるほど…」メモメモ

武蔵「勉強になる…」メモメモ

熊野「まぁ、お二人は先にオシャレを覚えた方が良いかも知れませんわね」

長門「ふむ…」

メタ「」

秋津洲「提督、はい」

つ【ハリセン】

メタ「助かる」







熊野「いっーーー!!」

熊野「たぁぁぁぁ!!」 完

胸を張ってる熊野を背後から揉みしごきたい…何をかは言わないが…

これにて小ネタ終了、ちょっと終盤展開早すぎたかな…反省、次の小ネタは500レスで

次から本編ですが今回は珍しく前の明石達と昔話をしていた続きから始まります

本編開始しますが…今までもありましたが、かなり自分設定が出てきますのでご了承下さい

後、少し史実ネタが出ます

吹雪「じゃあ行ってきますね」

バタン

先程の過去話の後、吹雪は利根に鎮守府の案内をする為部屋を出ていった

ビス「さて…私も書類終わらせましょ…」

ビスマルクも机に戻り書類整理の続きをする

提督のマントから出てきた妖精がお茶を片付ける中、明石と提督は話を続けていた

メタ「ところで明石、木曾は結局どうなった」

その提督の問いに明石はあまり良い顔をしない

明石「………」

メタ「…駄目だったか」

明石「…はい、復帰は無理かと」

メタ「…そうか…」

その言葉に提督は項垂れる

明石「本土の設備なら…どうにかならないかと思ったんですが…」

メタ「…木曾は今…」

明石「…正規の手順で解体されなかったので、今彼女は『艦娘』でも『人』でもあり…」

メタ「…どちらでもないと…言っていたな…」

明石「はい、『艦娘』の様に海の上を走れはしないし装備を扱えません、しかし入渠で傷も癒えますし、『人』ではあり得ない力があり頑丈です」

明石「それ故に彼女は『人』として生活は出来ませんし『艦娘』としても生活は出来ません…」

メタ「…どうにかならないのか…」

明石「艤装があれば解体も出来ますし『艦娘』としての生活に戻れるんですが…艤装は装備とは違い一人一人違う物なんです」

明石「『艦娘』の命と深く繋がっており、使っている本人の成長と比例して艤装も成長していきます、なので同じ『木曾』の艤装でも替えにはなりませんし、ちゃんとした解体でないと繋がりを断てません」

メタ「………」

明石「…どうにも出来ません…」

メタ「…今、木曾は…?」

明石「…ここに来る前に部屋へ送ってきました」

メタ「そうか…」

明石「それと…昔の事を思い出してしまった様で…」

メタ「昔…?」

不思議そうにする提督、明石はビスマルクには聞こえない様小さく提督に呟く

明石「……沈んだ時の記憶です……」

メタ「…!」

明石「…今回の状況と重なってしまった様で酷く精神が不安定で…かなり滅入っている様です…1度会われた方が…」

メタ「…そうだな…」





多摩「ふぅ…いい湯だったにゃ…」

入渠を終えた多摩は自室に戻りに廊下を歩いていた

ガチャ

多摩「にゃ…?」

軽巡寮の廊下、一つの部屋から誰かが出て行くのが見える

多摩「…あれは…木曾?」

部屋から出てきた木曾は、そのまま多摩とは反対の方向へ歩いていく

多摩「本土から帰って来たのかにゃ、木曾ー!」

多摩が声を掛けるも気付かないでそのまま階段の方へ姿を消す

多摩「…にゃ…?」

不思議に思った多摩は木曾を追いかけ、階段の手前まで来る

キィ…

上の方から扉を開く音が響く

多摩「…屋上…?」

コツコツコツ…

多摩は木曾を追う様に階段を上っていく

キィ…キィ…

上ってみると、屋上への扉が半開きになっており、音を立てながら開いたり閉まったりを繰り返している

多摩「…木曾…?」

キィィ…

ゆっくりと扉を開くと眩しい日光が照りつけ、気持ちのいい程晴れた青空が目に入る

さやさやと風が吹いており木曾が髪をなびかせて立っていた

柵の向こう側に

木曾「…多摩姉さん…久しぶり」

木曾は多摩に気付いたのか微笑みながら喋りかける

多摩「…木曾、何やってるにゃ、危ないからこっちに…」

木曾「復帰は無理だと言われたよ」

木曾の顔から微笑みが消え目から生気が無くなる

多摩「!」

木曾「上の連中にボロクソに言われたよ…」

木曾「『なぜ生きて帰って来た』ってな」

木曾はゆっくりと柵から手を離す

多摩「木曾!待って!」

木曾「『よくノコノコと帰って来られたな』『維持費も馬鹿にならないんだぞ』『兵器は兵器らしく戦って壊れろ』………」

ブツブツと木曾は死んだ目で呟き続ける

木曾「…姉さん」

木曾は多摩に笑いかける

木曾「久しぶりで悪いけどまたさようならだ」

多摩「木曾っ!」

多摩は木曾へと駆け出す

木曾「じゃあな」

多摩がたどり着く前に、ゆっくりと木曾は後ろに倒れていき

落ちた

今日からイベントですね!(今日から出来るとは言ってない

明日からはイベントで更新遅くなるかもしれません、ごめんちゃいね

と言うわけで更新します

多摩「木曾ぉぉぉ!!」

ガシャ!

勢い良く柵にぶつかりながらも多摩は木曾へ手を伸ばす

しかし多摩の手は虚しく空を切る

多摩の視界には目を閉じ、静かに木曾が落ちていく姿が見える

多摩「木曾ぉぉぉおぉぉ!!」



ガシャァン!!

多摩「!」

多摩「提督!」

木曾が落ちていく中、多摩の真下の部屋から提督が窓を破って飛び出してくる

メタ「間に合え…っ!」

提督は落ちていく木曾めがけて急降下する

メタ「間に合え…間に合え…間に合え…っ!!」

パシッ!

地上2m、提督が木曾の手を取る

メタ「く…っ!!」

咄嗟に木曾の腕を引き、自分と木曾の位置を入れ替え、提督が下側になる

バサッ!

提督は大きく翼をはためかせ落下スピードを抑え、羽で木曾を包み込む

ドサッ!

メタ「グハッ!!」

スピードを殺しきれず、提督は激しく地上へ叩きつけられてしまう

メタ「…ぐ……は…あぁ…き、木曾…大…丈夫か…?」

木曾を包み込んでいる羽を開くと、木曾は目を閉じたまま気を失っていた

メタ「……息は…あるな…」

明石「提督ー!!」

多摩「木曾ぉぉぉ!!」

軽巡寮から明石と多摩が走って出てくる


〜〜〜〜〜〜


木曾「………」

木曾が目を覚ますとベッドで横になっていた

木曾「…」

木曾はゆっくりと体を起こす

明石「あ、起きましたね」

声のした方をみると明石が湯気の出たコップを片手に壁にもたれかかっていた

木曾「…俺は…」

木曾はゆっくり手を開いたり閉じたりしながら呟く

多摩「提督が助けてくれたにゃ…」

木曾の隣りのベッドに腰掛けながら多摩が呟く、提督も多摩の頭に乗っかっており木曾を見つめていた

メタ「…」

木曾「…またおまえか」

木曾「またお前なのかっ!!」

ガバッ!

多摩「木曾!?」

木曾は多摩の頭から提督を奪い取り睨みつける

木曾「なんなんだよ!なんで助けるんだよ!」

明石「木曾さんやめて!」

木曾「なんであの時沈ませてくれなかったんだよ!」

メタ「……」

木曾「なんで戦場で死なせてくれなかったんだ!俺はあの時死ぬべきだったんだ!」

ぽたっ

木曾の瞳から涙が落ち、提督の仮面に落ちる

多摩「…木曾」

木曾「戦えない俺なんか必要ない!誰も見ちゃくれない、誰も相手をしてくれない!」

木曾「みんな俺を捨ててどっかに行ってしまう!誰もいない!誰一人!俺は…っ…俺は…っ…!」

木曾「"また"一人になるのは耐えられないんだよ!」

木曾は涙を流したまま俯き、震えた手で掴んでいた提督を離す

木曾「…もう…嫌なんだよ…」ポロポロ…

メタ「………」

スタッ

提督はベッドから降りゆっくり歩いていく

メタ「木曾」

木曾「…」

メタ「ついて来い」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

コツコツ…

鎮守府の廊下を提督に続き木曾、多摩が歩いていく

ガチャッ…

多摩「…ここは…」

メタ「私の自室だ」

部屋の中は和風で統一されており、畳にちゃぶ台、壁には色々な武器が飾られていた

メタ「待ってろ」

提督は壁に飾られた武器の位置を次々変えていく

多摩「…?」

ポンッ!

多摩「わっ…なんにゃ…?」

提督が位置を変え終わると、何もなかった場所に天辺に星が3つついた縦長な黒い穴が出現する

メタ「こっちだ」

そう言って提督は穴へ姿を消す、それに続く様に木曾と多摩も穴へと入っていく

多摩「なに?この部屋…」

穴を抜けるとドーム状の部屋へたどり着く

メタ「私が普段鍛錬している場所だ」

提督は部屋の真ん中に置いてある人形を片付けながら呟く

木曾「…それで、なんで俺をここに連れてきた」

メタ「…」

ヒュッ

キッ、イィィン……

提督は腰に携えていた軍刀を抜くと木曾の前へ放り投げ地面に突き立てる

木曾「…?」

メタ「抜け」

そう言いながら提督はマントを羽織りながら素早く回転し始める

回転しながどんどん細くなっていき、1度細い白い線になったかと思うと、次の瞬間には紫の線に変わる

回転が終わると提督帽は無くなりマントが紫に変わっていた

メタ「勝負だ」

木曾「…勝負?」

メタ「そうだ」チャキ

メタナイトはもう一つの剣を取り出し剣先を木曾に向けながら話を続ける

メタ「私と一対一の勝負をしろ、貴様が勝てば死ぬなりなんなり好きにしろ」

多摩「提督!?なに言ってるにゃ!」

メタ「だが私が勝ったら私の言う事を聞け、わかったな?」

木曾「………」

木曾は無言で目の前にある刀を見つめる

多摩「提督!止めるにゃ!艤装がないからって艦娘相手に勝てるわけない!木曾も止めるにゃ!提督まで巻き込むつもり!?」

木曾「…ぐっ…」

木曾も気がひけるのか苦しそうな表情で刀を見つめ続ける

メタ「どうした、止めるのか?」

メタ「…そんなものか」

木曾「…なに?」

メタナイトの言葉に木曾はピクリと反応する

メタ「貴様の意思はその程度かと言っているだ」

メタ「所詮目立って皆に構って欲しかっただけか」

木曾「………」

木曾「…なんだと…」

木曾「…おまえ…」

メタ「他人を殺せぬ奴が自分を殺せる訳ないだろう」

メタ「やはり貴様は口だけの…」

カチャッ

木曾が刀を手に取る

多摩「木曾!駄目!」

多摩の声も虚しく木曾は刀を引き抜く

木曾「おまえが知った口聞くんじゃない!」

木曾「あの戦いを…あの戦争を…」

木曾は刀を振りかざして斬りかかる

木曾「知らないおまえなんかに、俺の気持ちが分かるわけないんだぁぁぁぁ!」

ブンッ!!

多摩「っ!」

咄嗟に多摩は目を閉じる

キィン!

激しい金属がぶつかり合う音が部屋に響く

多摩「…え?」

ゆっくりと多摩が目を開くと、木曾の攻撃はメタナイトの剣によって防がれていた

木曾「な…!?」

メタ「終わりか?」

木曾「っ!!」

キィン!

メタ「私まで届いてないぞ」

木曾「ぐっ!ふっ!」

キィンキィン!!

多摩「…嘘…艦娘の攻撃を正面から…」

常人ではあり得ない木曾の斬撃をメタナイトは易々と防ぐ

木曾「くそっ!」

メタ「弱いな」スッ

木曾「!?」

メタナイトは腕が一瞬消えたかと思える程素早い斬撃を木曾へ向ける

木曾「やばい…っ!」

木曾は直感で素早く防御する

ガキィン!!

木曾「うぁっ!?」

防いだものの斬撃の威力は恐ろしく木曾の身体は思わず後退する

メタ「まったくもって弱い、話にならないな」

多摩「………」

多摩(嘘にゃ…あり得ない…艦娘が…)

多摩(ただの斬撃に後退させられるなんて…)

少しばかりよろけながらも木曾はメタナイトを睨みつける

木曾「俺が弱い…?…当たり前だ!私は兵器としてもう必要な…」

メタ「兵器としてじゃない」

メタ「人として弱いと言っている」

木曾「…人として?」

メタ「ほらどうした、手が止まってるぞ」クイクイッ

立ち尽くしてる木曾にメタナイトは剣をクイクイッと振る

木曾「…うるさい!」ブンッ

キィン!

木曾「意味の分からない事を言うなっ!」

木曾は力任せに刃を押し付け、刃と刃が重なりガチャガチャと鳴る

木曾「ぐっ…ぐぐ…!俺は船なんだ!兵器なんだ!」

木曾「いまさら人だなんて…!」

メタ「…なら何故死にたがる」

メタ「兵器は自殺などしない」

メタ「貴様が自殺をしたがるという事は兵器ではなく人という証拠じゃないのか」

木曾「そ…それは…」

言い淀む木曾に対してメタナイトは剣を弾いて後ろに一歩さがる

メタ「………」

メタ「…確かに私は昔の木曾を知らない」

木曾「…!」

メタ「昔あった戦争も知らない…だが…」

メタ「今の木曾なら知ってる」

メタ「確かに昔の木曾は船だった、兵器だった…しかし今は違う、私はそう思う」

メタ「昔と今は違う、同じになるかは本人次第だ」

木曾「…同じさ…」

メタ「………」

木曾「…俺は…木曾だ…軽巡の木曾だ…」

木曾「…人じゃない」

木曾「戦え無い私は…誰からも必要なんか…」

チャキッ

メタ「…そうか…」

項垂れている木曾に対してメタナイトは剣を構える

メタ「…ならば私が楽にしてやろう」

ズッ…

メタナイトのから発する気迫が別の物になるのを木曾は感じる

木曾「…何だって?」

メタ「どうせ死にたがっていたんだろう?私が楽にしてやる」

シュッ

木曾「っ!?」

メタナイトは木曾との間を一瞬で詰めていくつもの斬撃を浴びせる

ズバババ!

木曾「ぐぁぁ!?」バァン!

木曾は咄嗟に防御の姿勢をとるも防ぎ切れずに吹っ飛ばされて壁へ激突する

木曾「ぁ…かはぁ…っ!?」

ズッ…ズズッ…

木曾は立っていられずに壁にもたれかかる様に倒れてしまう

メタ「…」

コツ…コツ…

メタナイトはゆっくりと木曾へと近づいていく

木曾「…あ…はぁ…はぁ…」

メタ「…」

木曾「…はは…お前がこんなにも強いとは…知らなかったな…」

メタ「…」スッ

メタナイトは静かに木曾の首元へ剣をかざす

木曾「…」

木曾はゆっくりと目を閉じる

そしてメタナイトは剣を振り下げた

ガキィン!

木曾「…?」

木曾が目を閉じていても斬撃がいつまでもこずに、代わりに金属がぶつかり合う音が聞こえる

木曾「なんだ…?」

木曾がゆっくりと目を開くと、そこには見慣れた背中があった

木曾「…多摩姉さん!?」

多摩は艤装をしており砲塔で斬撃を防いでいた

多摩「提督…何をしようとしているのかわかってるの…?」

多摩は普段深海棲艦に対して向ける視線をメタナイトに向ける

多摩「木曾を殺すなら多摩からにして!」

そして砲塔の先をメタナイトに構える

木曾「やめてくれ多摩姉さん!多摩姉さんは関係無いんだ!」

多摩「関係無くなんてない!」

多摩「木曾は兵器である前に…多摩の可愛い妹なんだから!」

木曾「!」

多摩「死ぬだなんて言わないでよ!誰も必要として無いなんて言わないでよ!」

ポタポタ…

多摩の目からは涙が溢れ床に落ちていく

木曾「…多摩…姉さん…」

多摩「みんな木曾の事が大好きなんだよ!?秘書艦もしていて、かっこよくて!多摩の自慢の妹なの!」

多摩「なのに勝手に一人で決め付けて!勝手に死のうとして!」

木曾「…」

多摩「いい加減にしてよ!」

多摩「木曾は…木曾は多摩が姉じゃない方が良いの…?多摩が木曾の事嫌ってると思ってたの…?」

木曾「…そんな事は…」

多摩「じゃあ頼ってよ!甘えてよ!」

多摩「一人で抱え込まずにさ…相談してよ…」

多摩「私は貴方の姉なんだよ…?」

そう言って多摩は木曾の方へ向き直る

木曾「…ごめん多摩姉さん」

多摩「…」

多摩「…いいよ、許してあげる」

そう言って多摩は木曾を抱きしめる

多摩「…」ギュ

木曾「…俺が一番わかって無かったんだな…」

木曾「…自分の事なのに…」ポロポロ

木曾も涙が溢れて震える声で話し続ける

木曾「…うぁ…」

木曾「うぁぁぁぁあぁぁ…!!ポロポロ









メタ「…さてと…」

メタナイトは剣をしまい、格好もいつも通り白マントに提督帽をかぶり木曾へと近づく

メタ「一対一と言うルールだったが…破ったから其方の負けだな」

木曾「………」

多摩「ごめん提督、許してあげて、木曾だって辛かったの…昔の事で…」

メタ「駄目だ」

多摩「提督!!」

木曾「いやいいんだ多摩姉さん…」

木曾は声を荒げる多摩を抑える

木曾「…迷惑かけたからな…」

メタ「…」

木曾「責任はとるさ…」

メタ「そうか…なら…」

メタ「私の秘書になってくれ」

木曾「………は?」

木曾は予想だにしていなかったのかポカーンとした顔にぬる

メタ「お前がいない間大変だったんだぞ、吹雪が代理で秘書をして…」

木曾「………」

メタ「吹雪一人じゃ書類が整理仕切れなくてな、もう一人代理で書かせているんだがな…」

木曾「………」

メタ「そいつも難しい日本語が分からなくてな…困っていたんだ」

提督は木曾へと手を差し出す

メタ「だからまた秘書に戻ってくれないか」

木曾「………」

木曾「…ははは…」

木曾「…いいぜ…」

木曾は力強く手を取る

木曾「俺とお前の仲じゃないか!」

ポタポタ…

木曾「…あ…」

多摩「木曾…また…」

木曾の目からは涙が溢れる

木曾「…なんか…力が抜けて…」

多摩「…木曾」

ギュ…

多摩は強く木曾を抱きしめる

木曾「多摩姉さん…」

メタ「先に行ってるぞ…」

提督は静かに背中を向けて部屋を出ていく

多摩「提督!」

メタ「…」

多摩「…ありがとにゃ」

メタ「…」

コツコツ…

木曾「…ありがとう多摩姉さん」

多摩「…もう大丈夫にゃ?」

木曾「あぁ…」

提督が出て行って暫くして木曾は泣きやむ

多摩「よいしょ…立てる?」

多摩は手を差し出す

木曾「…あぁ…ありがとう」

ぱさり

木曾「あ…」

木曾の眼帯が切れたのか床に落ちる

木曾「あぁ…落ちた…」

木曾は落ちた眼帯を拾おうと手を伸ばす






ドロリ






木曾「…ん…?」

木曾は右眼に違和感を感じて軽く擦る、すると黒い液体の様な物が手に付いていた

木曾「…なんだ…これ…?」

ボトリ

木曾の右眼から黒い球体の様な物が床に落ちる

木曾「…は…?え…?」

多摩「どうしたにゃ…?」

ギョロリ

木曾から出てきた球体は目を開き木曾を見つめ返す

木曾「俺の…右…え…ぁ…?」






「ギギギギギ……」

メタ「…ふぅ」

提督は自室に戻るとちゃぶ台の前に座り指を鳴らす

パチン

すると提督のマントに住む妖精達がお茶の準備をしだす

メタ「…なんとかなったな…」

メタ(あの時…多摩が助けに入ると思いあんな事を口走ってしまったが…後で謝っておくか…)

\準備デキター/

メタ「ん…?」

気付くとちゃぶ台の上にはお茶と羊羹が並んでいた

メタ「これは…」

\サービス!/

メタ「ははは…そうか、ありがとう」

提督は羊羹を小皿に分けて妖精達にも差し出す

メタ「私だけでは勿体無い、君達も食べるといい」

\わぁぁぁぁ!/

妖精達は喜びながら羊羹に群がっていく

メタ「ふふ…」ズズズ…

提督はお茶を飲みながら二人が出てくるのゆっくり待った





「うわぁぁぁぁぁ!!」


メタ「!?」ガタッ

\ウワァァー!/

提督は悲鳴を聞きつけると勢いよく先程の部屋へと飛び出していく、その勢いでちゃぶ台の上を妖精達がコロコロ転がっていった

メタ「どうしたっ!?」

多摩「提督!」

木曾「俺の右眼が!俺の右眼がぁぁぁぁあ!!」

多摩は錯乱している木曾を抑える様に抱きしめている

多摩「木曾から…木曾から…」

多摩は震える手で部屋の奥を指差す

メタ「なに…っ!?」

「ギギギギ…」

メタ「ツ級…!?」

そこには深海棲艦、軽巡ツ級が立っていた

木曾「俺の…俺のあぁぁ!?」

メタ「ぐ…!」

トンッ

木曾「」カクン

提督は木曾に手刀を当てる

多摩「提督!?」

メタ「気絶させただけだ…多摩、艤装を構えろ」

ツ級死すべし

チャキッ

提督は先程木曾が使っていた刀を拾い構える

ツ級「ギギギギ…ギギ…」

多摩「…提督…おかしいにゃ…」

多摩は佇んでいるツ級を見て呟く

メタ「どうした?」

多摩「あいつ…艤装がない…」

メタ「なに…?」

よく見るとツ級には艤装がなく何処か力無い様に見える

メタ「あれは…」

そして片手には刀を持っていた

ツ級「…ギ…ギギ…」

次の瞬間、ツ級の腕がありえないほどに伸び斬撃を飛ばしてくる

ヒュッ!

多摩「うにゃ!?」

腕は多摩の真横を通り過ぎ木曾へと襲いかかる

メタ「ぐっ!」

キィン!

刀が木曾の顔面スレスレの所で提督が弾き飛ばす

メタ「気を付けろ!奴の狙いは木曾だ!」

多摩「うにゃあ!!」

ドドン!!

多摩はツ級に向かって砲撃を飛ばす、しかし

ニュルリ

多摩「!?」

ツ級の体はありえない方向に曲がっていき砲撃をギリギリでかわしていく

多摩「なにあのツ級…普通じゃない!」

メタ「くっ!」

ダンッ!

提督は大きく翼を広げて一気にツ級の懐へと入る

ツ級「ギギギ…」

メタ「うらっ!」

キィン!

提督はそのまま斬撃を浴びせる、しかし謎の力により弾かれてしまう

メタ「なにっ…!?」

多摩「提督駄目にゃ!深海棲艦には艦娘以外あらゆる武器は弾かれて意味無いの!」

ツ級「ギギギギ…」

ヒュッ!

提督はツ級からの斬撃を避け、片手を腰にあるもう一つの剣へやる

メタ「そうだったな…なら!」

バリバリバリバリ!!

提督が剣を鞘から引き抜くと激しい光と音が響きわたる

メタ「これなら…っ!?」

ツ級「ギィィィイィィ!!」

多摩「な、なに!?」

提督が斬りかかろうとしたその時ツ級はいきなり叫び出し体を震わせる

メタ「なんだっ!?」

提督は一旦距離を開けて様子見をする

ツ級「ィィィイギギギ!!」

ツ級「………」

ドサリ

サァァァ…

ツ級は大きく叫んだ後力無く倒れ、黒い霧の様になっていき跡形も無く消えてしまう

多摩「…え?え?」

メタ「…消えた…?」

今日は、ゆ◯式のBlu-raybox見ながらモンスターなハンターをするので更新は無いぞよ、明日も無いぞよ


後、もうすぐ500レスなので小ネタに出て欲しい子をいつも通り募集します

※安価では無いので選ばれない場合があります、まだ出てきてない子の方が選ばれやすいです、そこらへんはご了承下さいな

こちらが既に小ネタに登場済みの子達です

秋月(2回)、不知火、金剛、筑摩
足柄 、加賀、春雨、暁、雷、電
夕立、時雨、鈴谷、那智 、天龍
58、磯風、あきつ丸 、扶桑(台詞なし)
大鯨、日向、利根、長10cm砲ちゃん
長門、武蔵、秋津洲、熊野

木曾「…ん?」

木曾は目を覚ますとベッドで横になっていた

木曾「…」ムクリ

明石「あ、起きましたね」

声のした方を見ると明石が壁にもたれかかりながらコーヒーを飲んでいた

木曾(デジャヴを感じる…)

多摩「木曾大丈夫?」

木曾「…姉さん」

横のベッドには頭に提督を乗せた多摩が座っていた

木曾「…俺は…確か…」

木曾は記憶を辿りながら右眼の方へゆっくりと手を動かす

木曾「…右眼…」ハッ

そして木曾はあの時の事を鮮明に思い出す

木曾「俺の!俺の右眼はどうなった!?」

多摩「き、木曾!?どうしたの?右眼がどうかしたにゃ…?」

木曾「…は…?」

騒ぐ木曾に対して周りの3人は不思議な顔をして木曾を見る

木曾「多摩姉さんは見ただろう!?俺の右眼がボトリと落ちたのを!」

多摩「き、木曾?」

明石「木曾さん落ち着いて…」

木曾「落ち着けるか!今俺はどうな…」

メタ「木曾」

騒ぎたてる木曾に対して提督は手鏡を差し出す

メタ「見てみろ」

木曾「………」

騒いでいた木曾なピタリと止まり手鏡を見てゴクリと喉を鳴らす

木曾「………っ!」

震える手で手鏡を手に取り自分の顔を見てみる

木曾「…ある」

手鏡を見ると、そこには普段眼帯を付けている右眼が金色に輝いていた

木曾「…あれ?確かに右眼が…」

多摩「きっと悪い夢でも見たにゃ」

明石「随分とうなされてましたからねぇ」

落ち着いた木曾を見て二人はほっとする

木曾「夢…?…確か俺は…」

多摩「提督との決闘の後、多摩に泣き付いてそのまま泣き疲れて寝ちゃったにゃ」

木曾「そ…そうだったのか…」

多摩「ここまで運ぶの疲れたにゃ」

木曾「す、すまない…」

木曾(あれは…夢…だったのか…?)

多摩「………」


〜〜〜〜少し前〜〜〜〜



多摩「え、木曾には黙ってろ?」

メタ「そうだ」

倒れた木曾を明石の所まで運んだ提督と多摩は小さな声で話し合っていた

明石「身体的には何の問題も無いんです…しかし精神状態に問題が発生する怖れがあります、あまり負担をかけては…」

メタ「それに謎が多すぎる、あまりにも不安要素が多い…また深海棲艦が出てこないとも限らないからな…話すにしてもある程度分かってからだ…」

多摩「にゃ…」

メタ「他の奴にも話すな、木曾は私の秘書として近くにつかせておくからきにするな」

多摩「…分かったにゃ」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

明石「大丈夫そうですね」

木曾「あぁ、大丈夫そうだ…」

提督との決闘の傷はすっかり癒えて木曾はベッドから降りる

明石「まったく…あんまり無茶しちゃダメですよ提督ー、ちゃんと手加減してあげないと」

メタ「…あぁでもしないと止められなかった」

明石「提督は不器用ですねぇ」

メタ「ふん…木曾、明日から秘書、頼むぞ」

木曾「あぁ、わかった」

メタ「今日はゆっくり休め…多摩」

多摩「にゃ」

多摩は提督を乗せたまま部屋を出ていこうとする

木曾「待ってくれ!」

メタ「ん?」

多摩「にゃ?」

木曾「俺を弟子にしてくれ!」

メタ「は?」

多摩「へ?」

明石「え?」

メタ「で…弟子?」

木曾「あぁそうだ!」

驚いている提督に対して木曾は真剣な表情で提督を見る

木曾「…さっき見た夢の話しなんだが、俺はお前に、何か恐ろしい物からおまえが守ってくれている夢を見たんだ…」

メタ「…!」

木曾「俺は確かに一人じゃ無い…だけどな…守られてばかりは嫌なんだ!」

木曾「頼む!」

メタ「…」

メタ(…少しは木曾の自信に繋がるか…それに私もいずれは元の世界に戻らなければならならない…なら…)

メタ「わかった…良いだろう」

木曾「本当か!?」

メタ「あぁ…明日の早朝に私の部屋に来い…」

木曾「ありがとう!ありがとう提督!」






次の日


多摩「……提督…」

メタ「…」

多摩「木曾は今日から秘書だよね?」

メタ「…あぁ…」

多摩「じゃあ何で朝からボロボロで入居行きしてるにゃ!」バン!

メタ「…すまん」

メタ(キツくやり過ぎた…)


また次の日からちゃんと秘書に戻りました

これにて『木曾自殺編』終了ー

次は小ネタ挟んでからの前スレ>>1000の子導入行きまっせー!

自分設定しまくりだけど楽しんで読んで頂けてるか不安だわぁ

>>500レスにはちょっと早いけど句切りが良いので小ネタ挟みますねー

ちょっと早い季節ネタだけど許してね

※小ネタでは全艦娘が居る設定です

〜真夜中の鎮守府〜

暗い鎮守府に一つだけ灯りのついた部屋、その部屋で3人はとある計画の準備をしていた

メタ「準備は出来たか…?」

照月「万全です」

陸奥「大丈夫よ」

メタ「よし…」

そう呟くと提督は、白いモコモコが付いた赤い帽子を被り、長10cm砲ちゃんの頭に乗る

長10「!」

メタ「これよりクリスマスプレゼント作戦を決行する!」

宣言する提督に二人は小声で小さく拍手をする

照月「わー」パチパチ

陸奥「わー」パチパチ

メタ「すまないな二人共手伝わしてしまって」

陸奥「いいわよ、提督一人じゃ大変だし…何より楽しそうだし」

そう言いながら陸奥はクリスマスコスのスカートをふりふりさせる

照月「私も気にしてないですよ、そもそもサンタを知らなかったですし」

メタ「…」

陸奥「…」

照月「…あれ?どうしたの?二人共黙って…」

メタ「後でクリスマスケーキ、食べよう」

照月「え、本当ですか!?やったぁ!あ、タッパー持って来ていいですか?秋月姉にも食べさしてあげたいの!」

陸奥「うぅ!」ポロポロ

メタ「秋月の分もケーキ準備するから…持って来なくていい…」

照月「やったぁ!提督ありがとう!…提督なんで泣いてるの?」

メタ「なんでもない…なんでも…」

照月「?」

メタ「さて、ついたな」

3人は駆逐艦寮の前に着く、部屋の灯りは全て消えており皆寝付いているのが分かる

メタ「照月、表を」

照月「どうぞ」スッ…

メタ「すまない」

照月「ちゃんとバレないよう、そこはかとなく聴き出しました」

提督が表を広げると駆逐艦の名前とその下に欲しい物の名前が表記されていた

メタ「よし行くぞ…」


〜〜〜〜〜〜〜


メタ「さて、次は…弥生か」

そう言いながら提督は一部屋の前に立ち止まる

陸奥「確か卯月と同室ね」

照月「えぇっと欲しい物は…」ガサガサ

照月が表を確認すると『可愛い兔の手袋』と書いてある

メタ「手袋か…」

照月「うーちゃんは『wiiU』って言ってましたね」

メタ「却下」

陸奥「そうよねぇ…」

メタ「少し高価過ぎるな…許せ卯月」

そう言いながら提督は静かに部屋の扉を開ける

ガチャ…

部屋の中は真っ暗で弥生と卯月の寝息のみが聞こえる

メタ「よし…見張り頼む」

陸奥「はいはい」

メタ「行くぞ照月」

照月「了解です」

提督は長10cm砲ちゃんから降り、照月は探照灯に黒い幕を被せた物に電源を入れて薄暗い灯りをつけ、二人はゆっくりと部屋に入って行く

パタン


真っ暗な部屋を照月の探照灯が照らす

弥生「すー…すー…」

提督はゆっくりと二段ベッドに近づくと照月に『上を頼む』と手振りで合図する

照月「」コクリ

登る照月に対して提督は下の方に寝ている弥生の頭元の靴下を手に取る

カサ…

メタ「…?」

靴下にプレゼントを入れようと手に取ると一枚の紙が入っていたのか床に落ちる

メタ「…」ぺラッ

『本当は弥生もwiiUが欲しいです』

メタ「………」

提督はそれを見ると無言のまま紙に書き足していく

メタ「…」カキカキ

『ベッドの下、二人で仲良く使いなさい、他の者には内緒だぞ』

そう書き込むと兔の手袋と一緒に靴下に入れる

メタ「…」チラッ

照月は卯月に気付かれないよう慎重にしているのかまだ降りてきていない

メタ「…」ササッ

それを確認した提督は素早くマントからwiiUを取り出すとベッドの下に隠す

その後に照月がベッドから降りてくる

照月「」ピシッ

メタ「」コクリ

照月が終わった合図を出すと静かに二人共部屋を出る

パタン

照月「ふぅ、今回も無事成功です」

陸奥「お疲れ様」

照月「はい…だけどうーちゃん悲しみますかね…wiiUじゃなくて」

メタ「仕方ない、一人だけ贔屓する訳には行かないからな」

照月「そう…ですね」

メタ「さぁ、次に行くぞ」

陸奥「次は霰ちゃんと霞ちゃんの部屋…だけど」

メタ「ふむ…」ガサガサ

プレゼント表を確認して見ると霞の欄だけ空白になっている

照月「すいません…聞き出せませんでした…『なによ?クリスマスプレゼント?いらないわよ、そんなもの』の一点張りでして…」

陸奥「うぅーん…まぁあの子はそう言いそうね…」

メタ「…仕方ない、霰だけ渡すか、照月プレゼントと探照灯を」

照月「はい」

照月は返事と共に提督に手渡す、すると提督はゆっくりと部屋に入って行く

照月「私は…?」

メタ「今回は一人だけだ、照月も見張っていてくれ」

パタン

メタ(…さて)

提督は探照灯で照らされた薄暗い部屋を進んで行く、しばらくして二段ベッドが目に入る

霞「………」スヤスヤ

下のベッドの霞を見ると靴下が用意されておらずいつも通りに寝ている

メタ(…ふむ)

次に上の霰を見ると枕元に靴下が用意されており中に紙が入っていた

メタ「…」スッ

『私は抱き枕が欲しいです』

メタ(…裏か)クルッ

『霞は『星のプププリキュア』の変身セット欲しがってるよ』

メタ(…やはりか、日曜は毎朝間宮に見に来てるからな…)

提督は霰のベッドに抱き枕をそっと置いた後、マントから変身セットを取り出し霞の枕元に置く

メタ(なかなかバカにならない値段だったからな、予想が外れなくて良かった…)

提督は心の中で安堵しながら部屋を出て行く

パタン

プププリキュアってどの局で見れますか?

>>481
チャンネルD.D.D.

やっほー、みんな元気?ポポだよ!今日はみんなで遠足!

お外で食べるお弁当は格別だよね!あれ?僕のお弁当が無い!大変!みんなのお弁当も無くなっちゃった!

悪夢魔王ナイトメアの仕業ね!変身!キュアティンクル!悪い夢なんか食べちゃうよ!

星のプププリキュア!毎週日曜朝マルハチサンマルより放送中!見てねー!

星のフームたんもよろしくね!

メタ「次は子日と初春か」ガサガサ

提督は既に小慣れた様に表を見ながらプレゼントを用意していく

照月「準備大丈夫です」

メタ「陸奥」

陸奥「了解」

陸奥が見張りに着くのを見て提督達は部屋に入って行く

二段ベッドの前に着くと慣れた手つきで合図を出し合う

メタ(上を頼む)ササッ

照月(了解)サササッ

照月が上に登って行くのを見て提督も下に寝ている子日の枕元による

メタ(子日のプレゼントは…)

カサ…

プレゼントを入れようと靴下を確認すると紙が一枚中に入っており提督はそれを手に取る

メタ(…駆逐艦は皆大体入れているな…)チラッ

『サンタさんの正体が見たいな』

メタ(!)

子日「…ふっふっふ…そこにいるのね…」

紙を確認した後、提督はいつの間にか子日の目が開こうとしているのに気付く

メタ(まずい…!)

子日はムクリと起き上がると同時に提督に向かって襲いかかる

子日「くらいなさい!子日アタッ」ガバッ

メタ「フン!」トンッ

子日「がっ」

子日「」バタリ

提督は子日アタックを回避すると同時に子日の首元に手刀を喰らわせる

照月「て、提督!?何かあった…」

メタ「静かにしろ、声を出すな」

照月「あ、んん…」

照月は慌てて口を閉じ降りてくる

メタ(プレゼントは大丈夫か?)サササ

照月(は、はい、無事置いてきました)ス、ススッ

メタ(子日をベッドに戻す、手伝ってくれ)ササッサササ

照月(り、了解)スススッ

その後提督は子日を無事ベッドに戻しプレゼントも忘れる事無く靴下に入れて退散した

パタン

メタ「危なかった…」

照月「大丈夫ですか?」

陸奥「なんか音がしたけど何かあったの?」

メタ「実はな…」

メタ「よし、ついたな」

照月「え、灯りついてますよ」

3人は駆逐艦寮のプレゼントを終えて次に軽巡寮に来ていた

陸奥「だれか見回ってるのかしら?」

陸奥が言う様に灯りは廊下を動く様に移動している

メタ「大丈夫だ行くぞ」

そう言って提督は寮に入って行く

〜〜〜〜〜〜〜〜

寮に入ってしばらく歩いていると廊下の向こう側から灯りが動いて近づいてくる

照月「提督、ばれちゃいますよー…」

陸奥「隠れる所無いわよ、どうするの?」

メタ「大丈夫だ」

困惑する二人に対して提督は気にせず進み続ける

照月「大丈夫かな…」

陸奥「…あら、あらあら…なるほど」

灯りが近づくにつれ、陸奥は灯りの主が誰か気付いたのか安心する

ウィィィ…

照月「え、これは…」

照月「小さいヘビーロブスター?」

照月が言う様に向こう側からは提督と同じ位の大きさのヘビーロブスターがやって来る

\侵入者ハッケン/

メタ「ご苦労」

\ブゥゥゥン…/

\提督、認識シマシタ/

\オツカレサマデス/

ウィィィ…

ミニロブスターは提督と判断すると再び見回りに戻っていく

陸奥「なに?あれ」

メタ「夕張が作った見回り用のミニロブスターだそうだ、元は川内対策だったらしいが…軽巡寮で暫く使用して問題無い様なら他の寮にも導入する予定だ」

陸奥「ふぅん…」

メタ「さぁ、行くぞ」

メタ「次が…球磨だな」

陸奥「球磨ちゃんは確か1人部屋よね」

照月「え、そうなんですか?多摩さんと同室と思ってました」

メタ「多摩は木曾と同室だ」

照月「あ、そういえばそうでした」

メタ「今回も1人部屋だから私だけ行こう、見張り頼んだ」

照月「了解しました」

陸奥「気を付けてー」

パタン

暗い部屋を提督はゆっくりと進んでいく

メタ(…さてベッドはこっち…)

「ふっふっふー…きたクマ」

メタ(!?)バッ

ベッドに向かっていた提督の背後から不意に声が聞こえ提督は勢い良く振り返る

「今クマ!照射ぁ!」

「あいよー」ビカァァァァ

メタ「グゥッ!?目が…っ!」ヨロッ

勢い良く振り返った所で提督の向かい側から強い光が当てられ提督はよろけてしまう

「確保クマァァァ!」ガバッ

メタ「ぬわぁぁぁぁ!!」





照月「今何か聞こえませんでした?」

陸奥「そぉ?特に何も聞こえ無かったけど」

照月「気のせいかな…」

最近リアルが多忙で全然更新出来ない…

皆さん待たせてごめんなさい、明日は
多分更新します、きっと…うん…

「ふっふっふー、作戦成功だクマァ」

「流石球磨っち、やるねぇ」

メタ「…」プラーン

提督は捕まった後縛られ宙に吊るされていた

メタ「…なんのつもりだ球磨、北上」

提督に呼ばれた2人はニヤニヤと笑っている

北上「もー、そんな怖い顔しないでよぉ、とって食べる訳じゃ無いんだからさ」

球磨「まぁまぁ、怒るなクマ、それにしても、提督の事だからコッソリプレゼント配ってると思ったけど、大当たりクマね」

北上「ねー」

顔を見合わせる球磨という北上、提督はどうにか抜け出せないか動く

メタ「ぐぅ、まだ配り終えてないんだ、早く離…」プラプラ

球磨「そんな頑張ってる提督にプレゼントだクマ!」

逃げ出そうとしている提督に対し球磨は笑顔でプレゼント箱を差し出す

メタ「なに…?」キョトン

球磨「クマァーン!」パカッ

勢いよく球磨が蓋を開けると中には新しい軍靴が入っていた

メタ「これは…」

戸惑っている提督に対して球磨と北上は少し、はにかみながら話し出す

球磨「これは球磨型みんなからのプレゼントクマ」

北上「私たちが来る前に木曾がお世話になったらしいから、そのお返し」

球磨「多摩もお世話になったらしいクマ、だから今日お返ししようと計画を練ってたクマ」

北上「ちょい照れくさいけど…まぁ…姉妹としてね、お礼言わなきゃだし…ありがとね」

球磨「これからもよろしくクマ、提督」

球磨はにこやかに、北上は少し照れくさそうに笑う

メタ「お前達…ありがとう…」

提督は少し俯きながらもしっかりお礼を告げた

メタ「…ふふ、しかし別に捕まえ無くてもちゃんと受けt」

球磨「じゃあ今度は私たちがプレゼント貰う番クマ」ガシッ

メタ「…ん?」

球磨はにこやかに提督の身体に掴みかかる

メタ「…あぁ、お前達のプレゼントならそこの袋のn」

北上「あぁ、大丈夫大丈夫、物は要らないから」ザッ

そう呟きながら北上は提督の前で構える

北上「ちょぉぉぉぉっとだけ仮面の下見せて貰うだけでいいから」

メタ「………」

メタ「なにぃっ!?」

メタ「ば、な、やめろ!離せ球磨!」

暴れるク提督を球磨はしっかりと掴んで離さない

球磨「まぁまぁ、減るもんじゃないクマ、気にするなクマ」

北上「そうそう、気にしない気にしないー」

そう言いながら北上はニヤけながら提督に近づいていく

メタ「やめ…」


メタ「ぬわぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁ!!」




照月「…また、今何か聞こえませんでした?」

陸奥「そぉ?特に何も聞こえ無かったけど」

照月「気のせいかなぁ…?」


※軽巡寮は某夜戦バカ対策で防音対策は完璧です

メタ「はぁ…はぁ…危なかった」

照月「…何があったんですか、部屋の中ボロボロですけど」

照月が部屋の中を見ると嵐があったのかと言うぐらいに部屋がグチャグチャで、その中に球磨と北上が倒れていた

陸奥「おーい」ペチペチ

球磨「」

北上「」

陸奥「だめね、これ」

メタ「…ほっとけ、行くぞ」

そう言うと提督はプレゼントを2人の頭元に置き、長10cm砲ちゃんに飛び乗る

照月「はぁい…」

照月(…気になるなぁ)




メタ「さて…空母寮だが…」

陸奥「全然灯りついてるわね」

\ヒャッハー/

照月「…うわぁ」

空母寮はほぼ全室灯りが点いており、ざわざわと騒がしい

メタ「…ここからは照月が見張り、陸奥が付き添ってくれ」

陸奥「はいはい…」

照月「了解です」




メタ「次が飛鷹と隼鷹だ……が」

陸奥「…扉開けっぱなしね」

キィ…キィ…

飛鷹と隼鷹の部屋は扉が開いたまま風に揺れていた

\うふふ、うふふふ、うふふふふふふ/

照月「…変な笑い声聞こえますよ」

メタ「…陸奥、気を付けろ」

陸奥「…えぇ…」

陸奥は神妙な顔つきになると袋を持ち提督について行く

パタン

部屋の中は灯りが点いておりビールのカラ缶などが床に散らばっている

メタ「かなり飲んでるな」

陸奥「お酒臭い…」

「うふふふ」

メタ「」ビクッ

陸奥「」ビクッ

2人が部屋の荒れてさに呆気にとられていると不意に笑い声が聞こえてくる

「うふふふ、まだいけるじゃない、うふふふふ…」

声のする方を見ると姿見の前でドレスを着た飛鷹が楽しそうに笑っていた

飛鷹「うふふふ、うふふふ」クルクル

陸奥「あらら、顔真っ赤、かなり酔ってるわね、あれ」

メタ「隼鷹…はいないな、飛鷹もこちらに気づいてなさそうだ、今の内にプレゼント置くぞ」

陸奥「はぁい…それにしても綺麗なドレスね、あれ」



メタ「よし、陸奥、終わったか?」

陸奥「えぇ、大丈夫よ」

メタ「よし、次に…」

飛鷹「うふふふふ…うふ…うぅぅぅ…」ポタポタ

暫く回りながら笑っていた飛鷹だが急に立ち止まり泣き出してしまう

飛鷹「ぅぅぅぁぁぁ…あ"ぁ"ぁ"ぁ"…」ボロボロ

陸奥「…提督、あの」

メタ「慰めないぞ」

提督は振り向かずに部屋を出て行く

陸奥「でも…」

メタ「彼女が欲しいのは慰めじゃない」

陸奥「……」

メタ「…早く平和な海にしないとな」

陸奥「えぇ、そうね」

メタ「よし、ここがラストだ」

陸奥「ふぅ、なかなか大変だったわね…」

照月「…ネムィ…」うつらうつら

メタ「あと少しだ、我慢してくれ」

照月「ぁぃ…」フラフラ

陸奥「急ぎましょ」

メタ「そうだな、照月、見張りを頼んだぞ」

照月「…ぅん…」コクリ

提督と陸奥は急いでプレゼントの準備をして部屋へと入る

パタン

部屋へ入った一歩目

…ギシ

陸奥の足元から床が軋む音が聞こえる

メタ(…陸奥、足音)サササッ

陸奥(ご、ごめんなさい)サササ

二歩目

…ギィィ

メタ(……)チラッ

陸奥(…私重いのかしら)ウルッ

陸奥は俯き涙目になってしまう

メタ(床が痛んでるんだな、陸奥のせいじゃない)ばっ、バババ

陸奥(…本当?)ススッ

メタ(あぁ、私だけ行こう、プレゼントをくれ)ばっ

陸奥(…)スッ

陸奥は悔しそうにプレゼント袋を提督に渡して部屋を出て行く

メタ(さて…)

提督は音を立てないよう慎重に進んでいく

メタ(この部屋が落ち着くと言っていたから許したが…やはりちゃんとした部屋に移した方がいいだろうか…)

雲龍「…すぅ…すぅ…」

メタ(幸せそうに寝ているが…この間は豪華な食事で胃もたれ起こしていたな、部屋も少しぐらい狭い方が落ち着くと言っていたが…)

雲龍「あぅ…沢庵…」

メタ(…このままではいけない気もするが…無理に変えるのも…うぅん)

メタ(…せめて今度いい家具をと思っていたんだが…置く場所もないな)

メタ(…)

メタ(とりあえずプレゼントを入れて終わらせるか)

そう考えながら提督は靴下に大量の間宮券を入れた

ガチャ

メタ「終わった…あぁ」

陸奥「しー…静かに」

メタ「…長い間付き合わせてしまったからな」

照月「…すぅ…すぅ…」

メタ「陸奥、頼めるか?」

陸奥「えぇ、大丈夫よ」

メタ「それとこれを」スッ

陸奥「あら…」

メタ「メリークリスマス」

陸奥「…ありがとう、提督おやすみ」

メタ「あぁ、おやすみ」

後日……

弥生「…眠くなんかないよ…眠くなんか…夜遅くまでゲームなんかしてないよ…」うつらうつら

メタ「没収」

弥生「」ガーン





霞「なによこれ!こんなのガキじゃあ無いんだから着るわけ無いでしょ!」

メタ「似合うと思ったんだが…」

霞「ふざけないでよ!バカじゃ無いの!?付き合ってらんないわ!」

バタン!




霞「………以外と…悪く…ない…」クルクル




子日「サンタ見た気がするんだけどなぁ、いつの間にか寝ちゃってたの」

メタ「ほぅ、どんな奴だった?」

子日「うーん、小さかった」

メタ「」






球磨「どうクマ、新しい靴は」

メタ「あぁ、ぴったりだありがとう」

北上「ほら、ね、私の勘冴えてたでしょ?」

球磨「むぅ、負けたクマ…」

メタ「どうゆう事だ?」

北上「実はさ提督の足のサイズ知らなかったんだよね」

メタ「よくそれで靴を買ったな…」





飛鷹「あー…頭痛いわ…」

メタ「…」

飛鷹「…どうしたの、私の顔に何か付いてる?」

メタ「…いや…飛鷹は美人だなと思ってな」

飛鷹「…変な事急に言わないでよ、頭に響くわ…」

メタ「…ふふ、すまない、今日も頑張るか」

飛鷹「そうね…その前にお水飲ませて」



メタ「良かったのか?間宮をご馳走して貰って」

雲龍「…えぇ、間宮券、1人じゃ使いきれないから」

メタ「悪いな」

雲龍「…元は貴方のでしょ?」

メタ「なんのことだかわからないな」

雲龍「…ふふ、そういう事にしてあげる」

これにて小ネタ終了ー

本当はグラーフも書いてたんだけど間違えて上書きして消しちゃった…

また今度と言う事で

さぁ、クリスマスだ…材料集めなきゃ…

今日から休みな>>1です、皆さん大変お待たせしました、更新していきます

幼督「やぁ」

メタ「…」

幼督「久しぶり」

加賀「失礼します」

提督がいつもの様に提督部屋で書類を書いていると急にドアが開き見知った顔が見える

メタ「…はぁ…」

木曾「…茶、用意するぞ」

2人をみて提督はため息、木曾はお茶を用意し始めた

幼督「なんだい、会って早々ため息だなんて、幸せが逃げるぞ?」

メタ「…来る時はアポを取れと何回言えば分かるんだ…」

提督はそう呟きながら顔をしかめる

幼督「良いじゃないかべつに、君と私の仲だろ?」

加賀「すいませんいつも急に…」

メタ「…まぁいい、座れ」

幼督「ん」

幼督、加賀は提督に促され客人様椅子に座る

木曾「ん、茶だ」コトッ

幼督「ありがとう」

加賀「ありがとうございます」ズズッ

加賀(美味しい…)ズズッ

メタ「…さて」

提督は書類を切りのいい所で終わらせ自分も客人様の椅子に移動する

メタ「今回は何の用出来た?」

幼督「なんだい、用が無いと来ちゃいけないのかい?」

メタ「無かったら来ないだろう」

幼督「そんなことないさ、こう見えて私は君の事好きなんだ」

加賀「ブッホォ!?」ブッー

木曾「」グッショリ

幼督の突然の発言に加賀は吹き出してしまう

木曾「…」

加賀「げほっげほ!ごめ、げほっ!」

幼督「私より背の低い提督なんて君以外いないからね」フフン

メタ「」イラッ

メタ「用が無いなら帰れ」

幼督「冗談さ冗談、実は引き取ってもらいたい艦娘がいてね」

メタ「なに…?」

加賀「げっほ!うぇっ!」

木曾「…着替えてくる」

提督と幼督、加賀は一緒に引き取ってもらいたい艦娘の所まで移動していた

コツコツ…

幼督「初めて頭に乗せたが…どうだい、居心地は」

メタ「他と変わらない」

幼督「お、駄目だぞ、女の子の頭に乗っといてそんなこと言ったら」

幼督「私だったから良かったがほかの子には言ったらダメだぞ」

メタ「…」

コツコツ…




幼督「おーい、降りてきなさい」

たどり着いた先は鎮守府の入り口、車が止めてあり幼督が声をかけると2人、艦娘が降りてくる

「よいしょ…」

「待ちくたびれちゃった」

幼督「この2人だ」

メタ「一度に2人もか」

幼督「色々理由があってね…とりあえず2人共挨拶を」

「…?挨拶って…誰にですか?」

「ここの提督連れてくるって言ってたけど…どこにいるの?」キョロキョロ

車から出てきた2人は不思議そうに辺りを見渡す

メタ「…言って無かったのか…」

幼督「2人の反応が見たくてね」ニヤニヤ

加賀「性格悪いですよ」

「…誰と会話してるんですか?」

「そもそもその頭の人形は何?」

幼督「こらこら、人形だなんて言ったら駄目だぞ、ここの提督さんなんだから」

「……」

「…ぷっ」

「あははは、何言ってるの、そんなわけな」

メタ「私がこの鎮守府の提督、メタナイトだ」手振り

「「うわぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁ!?」」

幼督「落ち着いたかい?」

「は、はい…」

「お"ぅ…」

しばらく2人は混乱していたものの、ある程度落ち着きを取り戻したのか深呼吸する

幼督「じゃあ改めて自己紹介」

秋月「は、はい、秋月型防空駆逐艦、一番艦、秋月、ここに推参致しました!」

島風「ん…駆逐艦島風です、スピードなら誰にも負けません、速きこと島風の如しです」

メタ「よろしく」

島風「…ふん」

メタ「?」

幼督「あー…実は引き取ってもらいたい理由がこれでね?彼女、島風は自分より遅い人の下にいたくないそうで…」

島風「なんで私が遅い方に合わせなきゃならないの?みんなが速くなればいいのに!」

秋月「島風ちゃん!落ち着いて、落ち着いて…」

幼督「…とまぁこんな感じなんだ…」

メタ「なるほど…秋月は?」

幼督「彼女は島風に唯一出来た友人でね、彼女と一緒じゃないと嫌だと言われたもので」

秋月「すいません…」

幼督「まぁ君なら大丈夫だ」

パタン

幼督はそう言いながらいつの間にか用意されていた車に乗る

幼督「加賀、出して」

メタ「あ、おい」

幼督「じゃあまたー」フリフリ

ブロロロ…

メタ「…」

島風「…」

秋月「…」

メタ「…まぁ、よろしく頼む」スッ

島風「………」

提督が握手しようと手を差し伸べるも、島風は無言でそれを見つめるだけで握手をしない

秋月「し、島風ちゃん…」オドオド

島風「……チビ」

メタ「」←グサッ

秋月「ちょ…島風ちゃん!?」

島風「そんなにちっさいのに提督務まるの?」

メタ「」←←グサグサッ

島風「…あぁー、嫌な鎮守府来ちゃった、どうせ提督がこんなのだし、この鎮守府の艦娘も遅いに決まってるよ…」ハァ…

メタ「」ワナワナ

秋月「ちょっと言い過ぎだよ島風ちゃん!確かに小さいけど!」

メタ「」←←←ドスッ

メタ「ぐふっ」ドサッ

提督は思わず地面に手を付いてしまう

島風「あ、止め刺した」

秋月「あ、え、あぁ!?ご、ごめんなさい!つい…」ワタワタ

メタ「な、なるほどな…幼督が手を焼いた理由もわかる…」フラフラ

提督はフラフラしながらもゆっくりと立ち直る

島風「無理しなくてもいいのに」

メタ「島風っ!」ビシィッ

提督はジト目で見下している島風に対して指差し名を呼ぶ、秋月はハラハラしながら2人を見つめる

秋月「あぁぁ…」ハラハラ

メタ「貴様、自分より速いやつなら言う事聞くそうだな」

島風「そうだよ、いるわけないけど」フフン

メタ「ならこの鎮守府の艦娘にも速さでは負けないと」

島風「…どういう意味」

メタ「…この鎮守府の艦娘と勝負しろ、負けたら私の指揮を聞いてもらうぞ」

島風「…私が勝ったら?」

メタ「…私がなんでも命令を聞いてやろう」

秋月「ちょっと提督!?」

島風「やるやるやるやる!」

秋月「…あぁぁぁ…」頭抱え

メタ「決まりだな」

島風「やっほぉぉぉ!」ぴょんぴょん

秋月「…提督、言っときますけど島風ちゃんめっちゃくちゃ速いですよ…?」

メタ「知らないな、私は自分の艦娘を信じているんでな」

島風「で、で、で?何で勝負する?かけっこ?海上レース?」

メタ「勝負内容は…」







メタ「グルメレースだ!」

次の日

明石「さぁ!始まりました!プププ鎮守府、グルメレース大会ぃぃい!」

\わぁぁぁぁぁ!!/

明石「解説役は私、明石と提督、そしてこの鎮守府初の戦艦山城さん!古参組の1人、白雪さん!この4人でお送りしまぁす!」

\イヤッホォォォオォォ!/

山城「どうも」

白雪「よろしくお願いします」

メタ「…」

明石「さて提督、今回のグルメレースどういう展開になるでしょうかね?」

メタ「…」

明石「予想外な展開でワクワクドキドキがあると良いですね!」

メタ「…いや、既に予想外な展開なんだが…」

提督が辺りを見渡すと、いつの間に用意したのか、いつも書類を整理している司令室が司会会場の如く改造されている

壁には幾つものモニター、解説役用の机、沢山の妖精観客

明石「私と夕張さんで張り切って用意させていただきました!」

そう言いながら明石はマイクを片手に眼を輝かせている

メタ「…」

明石「さて、今回優勝すれば提督がなんでも命令を聞いてくれるそうですがどうなんですか?」

そう言いながら明石はマイクをグイグイ提督に向ける

メタ「確かに言ったがあれは島風に…」

明石「なんとぉぉ!本当だったようです、提督も太っ腹ですねぇ!」

山城「よく言えるわよね、私だったら絶対に言わない」

白雪「なるほど、だから朝潮ちゃんあんなに張り切ってたんだ」

メタ「いや、だからあれは島風に対して言った訳で全員には…」

明石「おっとぉ!スタート地点にいる千歳さんと連絡が取れたようです、千歳さーん!」

メタ「おい」

明石が千歳を呼ぶと壁のモニターの一つが映り千歳が映し出される

千歳「どうもー、スタート地点の千歳ですよー」フリフリ

千歳はニコニコと笑いながらマイクを片手にカメラに向かって手を振る

明石「千歳さん選手の皆さんの方はどんな感じですか?」

千歳「そうですね、皆さんやる気満々です、体調管理も完璧のようですね、今にも走り出しそうです」

明石「なるほどなるほど、ところで千歳さん、今回の『グルメレース』詳しいルールなどを私恥ずかしながら知らないのですが…」

山城「よくそんなので解説役になろうと思ったわね…」ボソッ

千歳「はい、会場にいる妖精さん達にもわからない人が居ると思いますから説明させていただきますね」

千歳「簡単に言うなら早食い競争とかけっこを混ぜ合わせたようなものですかね、選手の皆さんにはこの鎮守府全体をぐるっと一周する感じにレースをしていただきます」

千歳「しかしただのレースじゃありません、コースの途中にはいろんな料理が並んであります、料理を完食する毎にポイントが入っていき、最後にゴールした時、1番ポイントがある人が優勝になります」

千歳「コースの途中には2つのチェックポイントがありそこを早く通過すると多くのポイントが得られます、勿論早くゴールした人にもです」

千歳「つまりいかに多く、且つ早く食べてゴールを目指すか、これが『グルメレース』です」

明石「なるほどなるほど…」

白雪「むずかしそうですね…」

千歳「ポイント配分は…」

料理:1点

チェックポイント
1番:3点
2番:2点
3番:1点

ゴール
1番:5点

5番:1点

千歳「と、こんな感じです」

山城「食べてポイント稼いでも遅いと意味ない…速くても食べられてポイント稼がれてたら意味がない…難しい所ね」

千歳「因みに料理は妖精さんの特殊ラップに包まれてるので出来立てホヤホヤな状態ですよー」

千歳「因みにこちらが今回のコース図です」

千歳は大きな鎮守府の地図にルートが書かれているボードをカメラに映す

千歳「まずこのスタート地点、食堂から玄関を抜けて運動場に行きます」

千歳「運動場を一周してそのまま駆逐艦寮へ、ここで第一チェックポイントです」

千歳「そのまま駆逐艦寮を抜けて軽巡寮、重巡寮も抜けて工廠前まで行きます、ここで第二チェックポイント」

千歳「そしてそのまま工廠を通り過ぎ海へ移動します、そこから演習場を抜けて再び陸へ、そしてそのまま司令室に行けばゴールです」

山城「なかなか長い道のりね」

白雪「大変ですね」

説明が終わり、ボードを片付ける千歳に艦載機に乗った妖精が一人近ずいてサインを出す

\OK/

千歳「あ、大丈夫?うん…うん…分かったわ、どうやら選手達の準備が済んだようです!」

\ざわっ/

千歳の発言により会場の妖精観客は騒がしくなりだす

千歳「あ、きました!」

ガラッ

食堂の扉を開けて選手達が続々と入ってくる

\おぉぉ…/

選手達が入場すると共に会場がどよめく

千歳「1…2…8、全員いますね」

明石「千歳さん、スタートとの前に選手紹介してもらっても大丈夫ですか?」

千歳「わかりました、まずは…この人!」

千歳が示す方向へとカメラは移動していく

千歳「我らが秘書艦!木曾さんです!」

木曾「よろしく頼む」

\わぁぁぁぁぁ/

モニターには木曾が映り出され会場が盛り上がる

千歳「続いて!秘書艦補佐も忘れちゃいけません!この鎮守府最初の艦娘!吹雪ちゃんです!」

吹雪「えへへ、どうも…」

\わぁぁぁぁぁ/

千歳「続いてこのグルメレース大会が開催される発端を作ったこの人、島風ちゃん!」

島風「やっほー」

\だれー?/

島風がモニターに映し出されると妖精観客達がどよめきだす

\だれー?/

白雪「昨日新しく来た駆逐艦の子ですよ」

\なるほどー/

千歳「続いて4人目、駆逐艦代表、朝潮ちゃん!」

朝潮「よろしくお願いします、頑張ります」ぺこり

\わぁぁぁぁぁ/

千歳「続いて軽巡代表、夕張さん!」

夕張「…」

千歳「…」

\………/

\どっ/

憂鬱そうな夕張に対して会場の妖精達は笑い始める

夕張「笑わないでよ!私だって自分が遅いくらい知ってるんだから!」

\………/

\どっ/

夕張「むぅぅ!今に見てなさいよ!」

千歳「あらら…き、気を取り直して!続いては重巡代表、利根さん!」

利根「ん、よろしく頼むのじゃ」

\わぁぁぁぁぁ/

千歳「次が戦艦代表、ビスマルクさん!」

ビス「よろしく頼むわ」

\わぁぁぁぁぁ/

千歳「そして次が最後の選手紹介、空母代表、赤城さんです!」

ゴゴゴゴゴゴ…

\ざわっ…/

山城「…モニター越しでもわかるわね」

白雪「はい…恐ろしい程の気迫を感じます」

赤城「皆さん、今日は正々堂々真剣勝負で行きましょうね」ニコッ

赤城の笑顔はいつもの様に可愛らしく、それでいてどこか鬼気迫るものがあった

メタ「あそこまで本気の赤城は始めて見るな…それ程までに勝って叶えたい願いがあるのか…?」

山城「ふん、所詮たらふく食べてやるとか考えてるだけでしょ…」

山城がそう呟いているとモニターのカメラが動いて選手全員を移す様な形になる

千歳「さて、では選手達に参加した理由を聞いて見ようかと思います、木曾さんは何故参加なされたんですか?」

木曾「秘書艦だからな、参加できるイベントなら参加しなければダメだろう」

千歳「なるほど…吹雪ちゃんも?」

吹雪「一応秘書艦補佐ですから」

千歳「なるほどね、島風ちゃんは提督からの勝負に乗ったからだから…朝潮ちゃんはなんで参加したの?」

朝潮「はい、勝てたら司令がなんでも聞いてくれると聞いて飛んできました!」

千歳「だと思った…夕張さんは?」

夕張「多摩と龍田にジャンケンで負けたから」

千歳「…」

千歳「…と、利根さんは?」

利根「古鷹にジャンケンで負けたからじゃ」

千歳「…」

千歳「…」チラッ

ビス「…私も山城に負けたからよ」

千歳「…えぇ…なんで皆嫌々参加してるのよ…」

夕張「…そりゃぁ」チラッ

利根「彼奴がいるからのぅ…」チラッ

ビス「勝てる気しないわ」チラッ




赤城「ふふっ」ドドドドド

千歳「はぁ…まぁ、そうよねぇ…仕方ない、とりあえずスタートの準備しましょ…」

そう言って千歳とカメラ妖精はどこか行ってしまう

朝潮「皆さん最初から諦めてたらだめですよ!」

カメラが移動したのを見て朝潮は諦めてる3人(夕張、利根、ビスマルク)に対して喝を入れる

朝潮「何事も最初から諦めてたらそこで終わりですよ!」

夕張「…と言ってもねぇ?」

利根「赤城のオーラを見てみぃ」チラッ

赤城「」ゴゴゴゴゴゴ…

利根「あれではまるで修羅じゃ」

ビス「そもそも朝潮はどうやって勝つつもりなのよ?」

朝潮「あ、え、あぅ、そ、それは…」

ビスマルクに反論されて朝潮は困った様に黙り込んでしまう

木曾「方法はある」

朝潮「木曾さん!」

戸惑う朝潮を見かねたのか木曾も会話に入ってくる

夕張「え、あるの?」

木曾「それはだな…」

白雪「全然チャンスはあると思いますよ?」

山城「本当?」

カメラが移動してモニターが一旦映らなくなった解説会場では白雪と山城が話し合っていた

白雪「多分赤城さんは1番最初に食べ始めますよね?」

山城「そうね」

白雪「で、食べてる最中に他の人は抜けて行きます、で、しばらく距離をあけて…」

白雪「その後皆さんが赤城さんに抜かれない程度に赤城さんの分まで食べて行けばいいんじゃないですか?」

白雪「元々赤城さんもそこまで足が速いって事も無いですし、ある程度食べた後なら尚更でしょう」

山城「…なるほどね、沢山食べれるなら沢山残さなければいい訳ね」

白雪「そういう事です、まぁ全体でどれ位料理があるかにもよりますけどね…」





木曾「と、言うわけだ」

利根「なるほどのぅ」

ビス「無理ではないわね」

朝潮「ね?ね?言ったでしょう?諦めてたらそこまでって!」

夕張「…ちょっと頑張ってみる?」

夕張(今ちょうど欲しい工具があるし…勝ったら提督に…)

利根「…そうじゃな!」

利根(勝ったらどうするかのぅ…旅行にでもするか)

ビス「やりましょう!」

ビス(勝ったら提督にギャフンと言わせましょ)

最近更新遅くてすいません…

新年早々体調崩してました、これからはなるべく早く更新します



メタ「ギャフン」
ビス子「フフン(ドヤァ」

かわいい

赤城「まだですか?」ドドドドド

千歳「あ、今準備できたとこよ」

千歳「妖精さん」

千歳が妖精に伝えると妖精達は各々の持ち場につく

千歳「それでは皆さん、スタートラインに沿って並んで下さい」

ぞろぞろ…

明石『さぁ、いよいよ始まろうとしています…』

白雪『なんだか私まで緊張してきました…』

一人、妖精が旗を持ってスタートラインの横にくる

\位置について/

白雪『』ゴクリ…

\用意…/

\スタート!/

バッ!

妖精が旗を掲げると共に一斉に選手達は走り出す

島風「お"うっ!」

明石『おーっと!はやい!島風選手初っ端から全力だっー!』

メタ(…余程体力に自信があるか、考え無しに突っ走ってるか…)

ガラッ!

山城『1番最初に食堂を抜けて廊下に出たわね』

木曾(流石に速いな…だが最初から飛ばし過ぎだな後半でバテる…!?)

ゴゥッ!

走っている木曾を物凄いスピードで一人駆け抜けていき、島風に続いて食堂を抜けて行く

木曾「は…」

白雪『二番目に食堂を抜けたのは…!?え!?あ、赤城さん!?』

モニターには島風にも負けないスピードで駆け抜けていく赤城が映し出される

山城『…』

白雪『…』

山城『…いやいやいや…え?』

ビス「なにあの速さ!?」

利根「普通じゃないぞ!」

木曾「ぐぅっ!」

ダダダッ

明石『赤城さんに続けて木曾さん、朝潮ちゃん、ビスマルクさん、利根さん、夕張さんの順で廊下に出て行きます!』

朝潮「は、はやいぃぃ…っ!」

夕張「あの速さはおかしいでしょっ…!」

赤城「ぬぐぅぅぅ!!」ドドドドド

明石『お…おぉ…!?』

山城『島風に追い付くわよ!?』

島風「…えっ?」

赤城「っぁぁあぁあ!!だぁぁぁぁぁ!!」

赤城が雄叫びを上げると同時に島風を追い越す

明石『ぬ、抜いたぁぁぁぁ!!』

メタ『なんだと!?まさかあいつ…!!』

赤城(もって…っ!私の艤装!!)

走っていく赤城の艤装は明らかに無理をしており大量の煙を吐き出している

夕張「あのままじゃ艤装が壊れちゃうわ!」

そうやって全力で走っていく赤城の前に1つの机が見える

白雪『あっ、あれは最初の料理…!』

山城『ラーメンだわ!』

廊下の曲がり角、そこには1つの机と椅子が置いてあり机の上にはラーメンが置いてあった

明石『赤城さんはやい!ラーメン一直線だぁぁぁ!!』

島風「私を追い抜くなんて…そんなの許さないんだから!」ダダダッ

白雪『島風ちゃんも負けじと走ります!』

島風はスピードを増し、赤城と並走する様な形になる

山城『赤城も赤城だけど…島風も凄いわね…』

ビス「どんどん離されちゃうわ!」

利根「大丈夫じゃ、島風はあのままだと体力切れ、赤城はラーメンに食い付く」

利根が言う様に島風は曲がり角へ、赤城はラーメンの方へと少しずつズレていっている

朝潮「その間に追い抜かないとですね!」

木曾「そうこう言ってる間に彼奴ら曲がり角だ!」

木曾が言う様に赤城、島風は曲がり角へ

メタ『…おかしいぞ』

明石『え?どうしたんですか?』

メタ『赤城が一向にスピードを落とさない』

提督の言う通り赤城はすでにラーメンの目の前なのにいまだに全力で走り続けている

島風「そのままラーメンに突っ込んじゃえ!」

島風はそう言い残して曲がり角を曲がり玄関の方へと走って行く

赤城「っつあぁぁ!!」

ダンッ!

明石『あぁっ!?』

なんと赤城はそのままの勢いで椅子を踏み台にしラーメンを飛び越える

朝潮「えっ!?」

利根「まさか…」

バリィィン!!

赤城はそのままラーメンを飛び越えた後窓ガラスを突き破り外へ飛び出していく

赤城「」ズサァァァ

赤城「」ダダダッ

赤城はそのまま何事もなかったかの様に運動場を目指して走っていく

明石『』

白雪『』

山城『』

メタ『窓が…』

木曾「…赤城が…食べ物を…見過ごした…!?」

ビス「そ…そんな…ありえない…」

利根「…」

利根(こりゃ無理じゃな…)

君らは赤城をどうしたいんだ…(困惑

木曾「…ふ、ふふふ」

木曾「はははは!」

不意に木曾は走りながらも笑い出す

朝潮「え、えぇ…どうしたんですか木曾さん」

木曾「いいぞぉ!血が騒いできた!こうでなくちゃ面白くない!」

ダンッ!

木曾はそう叫び赤城同様椅子を踏み台にし窓から飛び出していく

朝潮「えぇ…」

山城『どうしちゃったの、あれ』

明石『あー、艤装が無くなって、もう随分経ちますからね、出撃出来てなかったから色々溜まってたんじゃないですか?』

山城『なるほどね、納得』

明石『何処ぞの誰かさんは手を抜かないですしねぇ』チラッ

メタ『…』

白雪『木曾さんに続けて朝潮ちゃん、ビスマルクさん、夕張さんが窓から運動場へ…って、あれ?利根さんは?』

窓から次々に艦娘達が出て行くも、利根だけでてこずにゆっくりと椅子に座っていた

利根「…ありゃ勝てん、諦めてゆっくりと食べるかの」

ペリリ…

利根はそう呟きながらもゆっくりとラーメンのラップを剥がしていく

明石『おーっとぉ!?利根さん戦意喪失かぁ!?ゆっくりとラーメンを食べ始めました!』

赤城「」ピクッ

明石の言葉に赤城はピクリと眉を寄せる

赤城「…」ギュル…

赤城「…だ、駄目!駄目よ私!」ブンブン!

赤城(目先の誘惑に負けたら駄目!なるべく量が少なく、且つ食べるのに時間が掛からないものを食べていかないと…!)

赤城(勝って…勝ってあの願いを叶えて貰うんですから!)

赤城(そう…あれはビスマルクさんが来てすぐの事…)


ぽわわわわん…

〜回想〜

カキカキ…

メタ「…そこ、間違えてるぞ」

ビス「え、どこよ」

メタ「そこだ」指差し

ビス「…あ」

司令室、ビスマルクは提督を頭に乗せながらもスパイの罰として書類整理をさせられていた

ビス「…なんで私がこんな事を」

メタ「口より手を動かせ」

ビス「…はいはい」

コンコン

ふと、扉をノックする音が聞こえる

メタ「いいぞ」

ガチャ

赤城「失礼します、提督宛に手紙が届きましたよ」

そう言いながら赤城は持って来た封筒を提督へ差し出す

メタ「ん、助かる……ふむ、ベテラン鎮守府からか」

ビス「えっ」

メタ「まぁ、お前の事についてだろうな…」

ピリリ

提督はその封筒を開けていき、ゆっくりと読み始める

シュルッ

すると封筒の中にまだ何か入ってたのか一枚のカードが出てくる

赤城「あれ?何か落とし…まし…」

赤城がそれを拾い上げると自然とカードの文字が見えてくる

[本土間宮プレミアカード]

赤城「こっ…これは…っ!?本土間宮が食べ放題になる…伝説の…っ!?」ガクガク

メタ「ふむ、詫びの印らしいな」

赤城「ください!」

メタ「却下」

赤城「」ガーン


〜回想終了〜

赤城「必ず勝ってみせます!!」

ダッシュ!

次からage注意する時、語尾に『ゾイ!』を付けたらあんまり怖くならずに注意出来るんじゃないか…?

と、思った>>1であった

更新するゾイ!エスカルゴン!

赤城「ぬぁぁぁ!!」ズァァァア

明石『あぁっと!赤城さんはやい!1番に運動場トラックに到着しました!』

白雪『この後トラックを一周して駆逐艦寮へ行くと第一チェックポイントですね』

赤城「よし!このまま…っ!?」

赤城は戦慄した、トラック一周がどれほど困難な物かを一瞬にして感じ取ったのだ

赤城「これは…っぁ!?」

赤城の視線の先、トラック一周に沿って大量の料理が並んでいたのだ

赤城「」ゴクリ

思わず喉がなる

赤城「…ぐっ!」ダッ

赤城(駄目っ…!これ以上見ていると駄目になる!…せめてもう少し後ろとの距離があればっ…!)

赤城「」チラッ

木曾「」ダダダッ

赤城が後ろを見ると距離は少しあるが木曾が追いかけてくるのが見える

赤城「くっ!」

赤城は多くの誘惑に耐えながらもトラックを回り始める

山城『赤城がトラックを回り始めたわね』

白雪『あ、島風ちゃんも玄関から出てきましたね、木曾さんに続けてトラックへ向かってます』

島風「なんで私より先に外にいるの!?」

赤城「はぁっ…はぁっ…!」

ポタ…ポタ…

明石『それにしても赤城さんはやいですね、汗も凄い量です』

メタ『あれは汗じゃない』

明石『え?』

メタ『ヨダレだ』

赤城「ぐぅぅうぅっ!」ダラダラ

赤城は大量のヨダレを流しながらもトラックを回り続ける

山城『ふっふふ、な、なにあれ、凄い顔してるわよ…くく…』

メタ『笑うなっ!』

山城『』ビクッ

白雪『』ビクッ

メタ『赤城は今、多くの誘惑に襲われているだろう』

メタ『それを耐えながらも1つの勝利を目指して走っている、そんな彼女を笑う権利などない!』

メタ『私は今の彼女が美しいと思える程だ!』

白雪『提督…』

山城『…ごめんなさい』

メタ『分かればいい』

赤城「あと…少しっ…!」

赤城はなんとか耐えきりもう少しでトラック一周し終わる所まで来ていた

他の皆もトラック一周し始めており所々で食べ始めている者もいた

木曾「ズルルル…」焼きそば

朝潮「あつつ…」グラタン

ビス「あ、美味しい」ピザ

赤城「…」

赤城「……」ギュルル…

赤城「………」ゴクリ

赤城「…っは!?駄目駄目!」

赤城(今のうちに距離をとってそこで食べなければ!今食べ始めるとそのまま他の料理も食べてしまうわ!)

赤城「鋼の艤装は(誘惑と)戦う為にぃぃ!」

そう叫びながらも赤城はトラックを抜けるため走る

ふわっ

赤城「!?」

唐突に赤城の鼻にいい匂いが

赤城「」バッ

そして赤城は"つい"その匂いに釣られ匂いの先を見てしまう

赤城「あ…あぁっ…!?」

じゅぅぅぅ…

赤城の視線の先には音を立てて鉄板の上で焼けるステーキと一人の女性が居た

間宮「あ、赤城さんこんにちは」

赤城「あああああああああ!?!?」

明石『あーっと!?赤城さん足が止まった!あと少しでトラックを抜けるというところで止まってしまいましたっ!』

赤城「な…なん…なんで…」

間宮「やっと私出番が来たんですよー、初期からずっと居たのに出番が無くて…」

そう言いながらも間宮はゆっくりとステーキを焼き続ける

赤城「あ…あぁっ…」

ポタッ…ポタッ…

赤城の口からヨダレが地面に垂れていく

間宮「ほら、提督や皆さんお料理上手でしょう?だから皆さんあまり来てくれなくて…」

間宮「明石さんや大淀さんも出番が結構最初からあったのに…まったくもぅ…」

じゅぅぅぅ

赤城「あぁぁ…」

ポタッ…ポタッ…

間宮「まぁ、今回大量のお料理が必要という事で出番が貰えて良かったです」

間宮「…」

間宮「ところで赤城さん」

赤城「…は、はい…?」

間宮「ステーキ…食べません?」

間宮「流石に本土の間宮には敵いませんが…私、この出番に備えて最高のステーキを作ったんですよ」

赤城「」ゴクリ

間宮「ここで赤城さんが美味しそうに食べてくれたら、皆さん私のお料理を食べてくれる様になって私の出番も増えると思うんですよ」

赤城「し、しししししかし…いまたたた食べたらぁぁあぁぁ…」ダラダラ

間宮「いらないんですか?」

赤城「う…うぅぅ!!」

赤城「…」ぐるるる…

明石『赤城さん完全に沈黙!金縛りにあったかの様に動けないぃぃ!』

白雪『明石さん司会役板に付いてますね』

山城『こっちが本業なんじゃないかと思えるわね』

メタ『…』

メタ(さぁ赤城…ここでどう出るか…)

間宮「早くしないとお肉硬くなっちゃいますよ?」

赤城「…」

間宮「赤城さーん?」

赤城「…ボソッ」

間宮「え?」

赤城「鋼の艤装は…」

間宮「鋼の艤装…?」

赤城「鋼の艤装は(誘惑と)戦う為に…」

赤城はゆっくりと顔を上げる、その瞳には熱い意思が見える

赤城「高鳴る血潮は…」

赤城「(決意を)守る為に!」

赤城「はぁぁぁあぁ!!」

ビカァァァァ!!

明石『あぁっ!?赤城さんの身体がっ!?』

赤城が雄叫びを上げると同時に強い光が赤城の身体を包み込む

白雪『あ、あの光はもしかして…!?』

山城『か、改二の輝きじゃない!?』

メタ『…!』

メタ(自分自身を超えたか…流石だ…赤城…)

赤城「つぁぁぁぁあぁぁ!!」

赤城の身体はどんどん輝き増していく

明石『ま、待って下さい!赤城さんの改二だなんで聞いた事ないですよ!?』

メタ『自分自身を越え、新たな自分へと姿を変える…』

赤城「だぁぁぁぁっ!!」

こういう流れがあるとss書いてて良かった、これからも頑張って書こう

って思いますね、ありがとうございます

今日は散りばめてた小ネタを回収します

>>165-190の一連の流れ

SDX、『銀河にねがいを』より、

>>212
剣を引き抜くと雷の様な光と音が響き剣が姿を表す

アニメカービィより、宝剣ギャラクシアを出した時の演出

>>324
おり、畳にちゃぶ台、壁には色々な武器が飾られていた

アニメカービィより、メタナイト、ソード、ブレイドの部屋

何もなかった場所に天辺に星が3つついた縦長な黒い穴が出現する

ゲームでお馴染みの扉

穴を抜けるとドーム状の部屋へたどり着く

提督は部屋の真ん中に置いてある人形を片付けながら呟く

星のカービィwiiより、コピー能力お試し部屋

提督は腰に携えていた軍刀を抜くと木曾の前へ放り投げ地面に突き立てる

GET
IT!


そう言いながら提督はマントを羽織りながら素早く回転し始める

スマブラのアピールより

メタ「勝負だ」

スマブラのアピールより

>>483
チャンネルD.D.D.

アニメカービィより

やっほー、みんな元気?ポポだよ!

変身!キュアティンクル!

カービィの名前没案のティンクル・ポポより

悪夢魔王ナイトメアの仕業ね!

カービィ夢の泉、ラスボスより

悪い夢なんか食べちゃうよ!

アニメカービィ初期OPの歌詞より

星のフームたんもよろしくね!

アニメカービィより

>>488
照月「小さいヘビーロブスター?」

カービィSDX、ヘビーロブスターが飛ばしてくるミニロブスターより

>>508
照月が部屋の中を見ると嵐があったのかと言うぐらいに部屋がグチャグチャ

スマブラの通常必殺技マッハトルネードより

>>539
メタ「グルメレースだ!」

カービィSDXより

間宮「あの、そのセリフ、続きがありますよね?」

赤城「えっ」

間宮「続き」

赤城「え、あ、その」

間宮「言ってみて下さいよ、続き」

赤城「………」

間宮「早く」

間宮の言葉に赤城の身体を包み込む光が急速に弱まっていく

白雪『あ、あれ…?』

山城『光が…』

赤城「…ひ、秘めた…」

ステーキ「」じゅぅぅぅ

赤城「秘めた心は…」

ステーキ「」じゅぅぅぅ

赤城「あ、愛…」ギュル…

ステーキ「」じゅぅぅぅ

赤城「愛する…」ダラダラ

赤城「愛する為…に…」


ステーキ「」じゅぅぅぅうぅぅぅうぅ


赤城「あぁぁぁあぃあぁぁ!?やっぱり食べたいぃぃぃ!!」

赤城はそう叫びながらもステーキに飛び付く

赤城「もぐもぐもぐもぐ!!」ガツガツ

赤城がステーキを口に含んだ瞬間、肉汁が溢れ、肉が舌の上でとろけていく

赤城「あ、あぁ…あぁぁぁ…」

赤城「ありがとう…」

赤城「大好き、素敵、嬉しい!」もぐもぐガツガツ

赤城「大切な人へ、もぐもぐ、の大切な気持ちを、あむぐむ、伝えることを躊躇わないで!」

赤城「明日、ふぐむぐ、会えなくなるかもしれない、むぎゅふむ、私達だから!」ガツガツガツガツ

赤城「おぃしぃぃい!!」ニッコリ

ガッツポーズをとってそう叫んだ彼女の顔は満面の笑みだった

メタ『……おい…』

山城『あーぁ』

白雪『良い顔してるなぁ…』

明石『駄目だこりゃ』

島風「いっくよー!」

明石『おっと、そうこうしている間にいつの間にか島風ちゃんが木曾さん、赤城さんを追い抜いてトラック地帯を抜けたぁ!』

赤城「うまうま!」ガツガツ

木曾「くそっ!ズルルル!」焼きそば

島風「いっちばーん!」

トラック地帯を抜けた島風は駆逐艦寮前に設置されたチェックポイントにたどり着く

古鷹「島風ちゃん早いねぇー」パチパチ

チェックポイントには古鷹が待機しており拍手して島風に近付いていく

島風「ふふん、当たり前でしょ!それより早くここ通してよ」

そう呟く島風のまえには進路を棒で塞がれており進めないようになっている

古鷹「ばばぁーん!」

島風「」ビクッ

古鷹「えっと、チェックポイントミニゲーム!!」

古鷹「…えへへ////」テレッ

島風「…ミニゲーム?」

古鷹「はい、これ」

島風「…?」

戸惑う島風に古鷹は数枚の紙とペンを渡す

古鷹「はい、机と椅子はこっち」

島風「…おぅ?」

古鷹「さ、座って座って」

島風「う、うん…」

島風が着いた机には妖精さんとドクロマークが書かれた黒い球体に足が生えたような物が置いてある

島風「…???」

ミニゲームの内容はカービィ好きなら多分わかる…かな?

古鷹「じゃあルールを説明するね、今渡した紙に何個か点が書いてあるでしょ?」

島風「うん」

古鷹「その点を妖精さんが出す指示の通りに沿ってなぞっていけば良いだけ」

島風「…それだけ?」

古鷹「うん、ちなみに曲線、2度書きは駄目だよ、その紙全部書けたらクリアだから」

島風「よーし…」

古鷹「制限時間もあるからね、間に合わなかったらペナルティあるから」キコキコ

古鷹はそう呟きながらドクロマークがある球体にネジ巻きを刺して巻きだす

島風「え"」

古鷹「はい、スタート!」

古鷹の合図とともにドクロもゆっくりと妖精に向かって歩き出す

テクテク…

島風「わ、わっ、妖精さんはやく!」

慌てる島風に応えて妖精はペンライトを取り出して薄緑色の光で点と点を繋いでいく

島風「これをなぞれば良いんだよね、よし!」

白雪『こんなミニゲームが用意されてたんですね』

メタ『ふむ…通常のグルメレースには無いものだな』

明石『こんなのあったら面白いかなぁと思いまして』

山城『発案者は貴方なのね』

明石『途中の小休憩的な意味でもあります』

白雪『まぁ、食べてすぐ走るって結構辛いですもんね…』

メタ(…そうか?)

木曾「よしっ!」

朝潮「着きました!」

明石『ここで島風ちゃんに続けて木曾さん、朝潮ちゃんが到着!ミニゲームに突入します!』

古鷹「はいどうぞー」

木曾「ふむ…」

朝潮「いそげ、いそげ…」

古鷹「慌てちゃ駄目だよ」

朝潮「あ、ズレちゃいました…」

朝潮は焦ったのか点を通り越しておかしな方向に線を書いてしまう

ボッ!

朝潮「ふぇ」

妖精がミスを確認すると朝潮のドクロが急にスピードを上げて距離を縮める

朝潮「ちょ!?」

ドクロはある程度距離を縮めると、また通常のスピードに戻る

古鷹「あらら、間違えちゃった、間違えると制限時間が減っちゃうから気をつけてね」

朝潮「コワカッタ…」

木曾「急ぎ過ぎもだめか…」

肝を冷やした朝潮、そこに急いだ様にビスマルクがやって来る

ビス「遅れたわ…」

古鷹「はいどうぞ」

ビス「急がなきゃ」

古鷹「夕張ちゃんは?」

ビス「まだトラック回ってるわよ」




夕張「皆はやぃぃ…」

カキカキ…

白雪『画が地味ですね』

山城『皆机について線引いてるだけだから当然でしょ』

木曾「よし、あと少し…」

朝潮「えっ、木曾さん早くないですか」

木曾「普段書類整理してるから…なっ…と!」

木曾「どうだ?」

木曾は妖精に書き上げた紙を見せる

\OK/

ギィィ

妖精がOKサインを出すとチェックポイント通貨を遮っていた棒が開く

木曾「よし!先にいくぞ!」

島風「お"ぅ!?」

明石『早い!流石秘書艦!木曾さん一番にチェックポイントを通過ーっ!!』

木曾がチェックポイントを通過し駆逐艦寮へ入っていくと同時に夕張がやっと到着する

夕張「やっと着いた…」

古鷹「お疲れ様、はい用紙」

夕張(凄い差がついちゃったわ…でもここからが私の勝負場所!)

夕張「…ふぅ」

夕張は古鷹から紙とペンを受け取り席に着き一呼吸置く

島風「むぅぅ!!もう書き終わっちゃうんだから!」

そう言う島風はラスト一枚に差し掛かっていた

島風「一番じゃなくとも…とりあえず二番でチェックポイントを…」

夕張「はい、書けた」

島風「!?」

夕張「通っていい?」

\OK/

ビス「え!?ちょっと待ちなさいよ!?今来たばかりでしょ貴方!?」

夕張「書けた物は書けたんだから問題無いでしょ?」

確かに夕張の机には既に書き終わっている用紙が置いてあった

朝潮「は、はや…早すぎる…」

夕張(普段どれだけ難しい図面とにらめっこしてると思ってんのよ、そんなの朝飯前なんだから!)

明石『これは予想外の展開ぃぃ!まさかのチェックポイントを二番で通過したのは夕張さんだぁぁぁ!』

白雪『これは予想外ですね…』

山城『夕張がまさかの二番ね…これは皆焦るんじゃ無いかしら』

山城の言った通りに皆焦りを感じ初めていた

島風「どうして?どうして?島風が一番に着いたはずなのに!」

そう言う島風は作業が荒くなっておりすぐにでもアウト判定が出そうになっていた

朝潮「あ」

そこで急に隣の朝潮が気の抜けた声を出す

朝潮「書き順間違えてしまいました…」

ボッ!

アウト判定が出たのか朝潮のドクロが妖精に急接近して触れてしまう

朝潮「あ…制限時間が…間違えすぎた…?」

妖精はドクロを持ち上げると朝潮に向かって放り投げる

朝潮「えっ」

コツンッ

朝潮のおでこにドクロがぶつかる

と同時に



ビカッ


ドゴォォォォオォォン!!

島風「」

ビス「」

パラパラ…

空から黒焦げが落ちてくる

朝潮「」ボロッ

朝潮「」

パタリ

ビス「朝潮ぉぉおぉぉぉ!?」

朝潮「」黒コゲ

ビス「ちょっとぉ!?ペナルティの領域越えてるわよ!?」

明石『あれ、火薬の量間違えたかな…?』

ビス「『間違えたかな?』じゃないわよ!朝潮が真っ黒になっちゃったわよ!?頭から煙でてる!」

朝潮「」もわもわ

明石『あちゃー』

ビス「『あちゃー』じゃない!!島風ビックリして固まって動かないわよ!!」

島風「」

島風「コワイ…」

島風「カエリタイ…」ポロポロ

ビス「ほらぁ!もぉぉお!泣き出しちゃった!」

古鷹「だ、大丈夫だよ島風ちゃん!ただちょっと気絶してるだけだから!」

ビス「大丈夫じゃないでしょ!!」

古鷹「ほら、泣き止んで…」スッ

古鷹はポケットからハンカチを取り出すと島風に差し出す

島風「…」グスン

島風「…ありが…」

島風がハンカチを受け取ろうと手を伸ばす

その瞬間、古鷹の肘に何かぶつかる

コツンッ

古鷹「えっ」







ビカッ

古鷹「」黒コゲ

ビス「古鷹ぁぁぁあぁぁあぁ!!」

島風「」ガクガク

古鷹「…ぐっ…」

古鷹「わ、わたしは…大丈…夫…」

ビス「バカ!喋っちゃだめ!」

古鷹「島風ちゃん…」

島風「」ガクガクポロポロ

古鷹「泣かないで…怖がらないで…」

古鷹「貴方は…勝つ為にここ…まで…頑張ってきたんでしょう…?」

古鷹「なら…最後まで頑張らなきゃ…」

ビス「古鷹…」

ギィィ…

チェックポイントを塞いでいた棒が開く

古鷹「さぁ…行って…ここに一番にたどり着いたように…最後まで…はやく…はやく…」

島風「古鷹…」

古鷹「…」

島風「古鷹」

古鷹「」

島風「古鷹ぁぁぁあぁぁ!!」

島風の声が辺りに響く、しばらく島風はただずんでいた後ゆっくりと立ち上がった、自然と震えと涙は止まっていた

島風「勝たなきゃ」

島風の瞳はギラリと輝き駆逐艦寮を睨みつける

見るといつの間にかビスマルクに先を越されていた

島風「必ず勝つよ!」

島風は確かな決意と共に走り出す

島風(勝って鎮守府変えてもらおう)







朝潮「」ムクリ

朝潮「ゲホッ」

朝潮「ビックリしたぁ…」

〜〜〜時間は変わって木曾が駆逐艦寮へ入った頃〜〜〜

龍田「あ、来たわねー」

木曾「龍田か、説明役か?」

龍田「まぁそんな所よー」

木曾「つまり何かあるんだな」

龍田「ご名答ー」パチンッ

龍田が指を鳴らすと、どこからともなくトロッコが出てくる

龍田「今回は足じゃなくてトロッコで走って貰うようになりまーす、うふふ」

木曾「トロッコか…」

龍田「床に食べ物と深海棲艦の絵があるでしょー?」

木曾「あるな」

龍田が言う通り、寮の廊下の床には沢山の食べ物と深海棲艦の絵が描いてある

龍田「それで、食べ物の絵を踏むとスピードアップ、深海棲艦の絵を踏むとスピードダウンするのよー」

木曾「なるほど、わかりやすいな」

木曾はそう呟きながらトロッコへ乗る

龍田「頑張ってねー」フリフリ

木曾「よし…」

木曾がトロッコの中にあるレバーを引くとトロッコはゆっくりと走り出す

ゴロゴロ…





夕張「よし!次!」

木曾がトロッコで走り出して少しした頃、駆逐寮へ夕張が入ってくる

龍田「あらー、夕張ちゃん早いわねー」

夕張「私は勝つつもりでいるからね!」

夕張はそのままトロッコへすぐ乗りだす

龍田「あ、トロッコ説明…」

夕張「あ、大丈夫大丈夫!」

夕張は直ぐにレバーを引く

夕張「ここのステージ作ったの私だから!」

夕張(そう!このステージを作ったのは私!)

夕張は華麗にトロッコを動かしていきスピードをどんどんあげていく

夕張(配置は完璧暗記してるし!)

あっと言うまに駆逐寮を抜けて軽巡寮へ向かう

夕張(今の内にトップに出て距離を開かないと…!)

焦る夕張の視界に木曾のトロッコが入る

夕張(捉えたっーー!)





ビス「トロッコねぇ…」

ビスマルクはそう呟きながらもトロッコに乗る

ビス「折角3着でチェックポイントを抜けれたんだから頑張らなきゃね」グイッ

ビスマルクはトロッコのレバーを引く、しかし…

ノロノロ…

ビス「…んん?」

どうした訳かトロッコはゆっくりと進むだけで全然スピードが出ない

龍田「あらあらー」

ビス「ちょっと!なんでこんなに遅いのよ!」

龍田「それはー…」チラッ

龍田はチラリとビスマルクの背中を見る

ビス「…?」

龍田「…艤装が重いんじゃないかしらー」

ビス「」

ビス「…外すか」

龍田「外したら海の上移動出来ないわよー?」

ビス「…ぐぅぅ!!どうする私!!」

龍田「頑張ってスピードアップしていくしかないんじゃないー?」

ビス「くぅっ!」

ビスマルクは地道に食べ物マスを踏んで少しずつスピードをあげていく、しかしそれでも本来のスピードより遅い

ビス「もっと早く!早く!」

龍田「頑張ってー」フリフリ

大変お待たせしました陛下!

更新でし!

島風「お先に!」ビュン

ビス「あっ!」

やっと通常スピード位になったビスマルクの横を島風が通り越していく

ビス「もぅ!もっと早く!」

龍田「んー、頑張ってるわねー」

焦るビスマルクを龍田は遠くから見守る

龍田「どうなるかしらー、楽しみだわぁー」

楽しそうにニコニコする龍田、その時不意に後ろから声が掛かる

「あのぉ…」

龍田「はいはいー、だっ…」ビクッ

朝潮「?」黒コゲ

龍田「だ、誰…?」

朝潮「朝潮です」

龍田「そ、そう…」

龍田(真っ黒でわからなかった…)

朝潮「ここからはトロッコなんですか?」

龍田「そうよー」

龍田はトロッコの説明をする

朝潮「なるほど、わかりました!ありがとうございます」

朝潮は説明を受けると、颯爽とトロッコで走っていく

龍田「頑張ってー」フリフリ

龍田「…」チラリ

龍田「…よーし、アレ出すわよー」パチンッ

龍田は一度外を見て後から誰も来ていないのを確認して指を鳴らす

ゴロゴロ…

ビス「やっとスピード出し始めわ…」

ビス「…でも追い付くのは厳しいわね…」

ビスマルクはやっと駆逐寮を抜けて軽巡寮へ向かっている途中だった

ビス「急がないと…」

朝潮「ひぃぃ!」

ビス「?」

ビュン

悲鳴が聞こえたかと思うとビスマルクの横を朝潮が凄いスピードで通り過ぎていく

ビス「朝潮!無事だったのね……でもなんで悲鳴なんか…」クルッ

ビスマルクは悲鳴の理由が気になり振り返る

ブォンブォンブォン!

何かを振り回す音が聞こえる

ビス「…え、何あr」





夕張(捉えたっーーー!!)

夕張「木曾ぉぉぉおぉぉ!!」

木曾「!?」ビクッ

無駄にテンションが上がって夕張は木曾の名前を叫ぶ

木曾「な、なんだと!?夕張!?」

白雪『木曾さん大分困惑してますね』

山城『さっきまで最下位だった夕張が来たら驚くでしょ』

夕張のトロッコはグングンスピードを上げて木曾に近づいていく

木曾「!?速いっ!」

明石『夕張さん速い!もう少しで木曾さんを追い抜きそうです!』

メタ『…それは難しいな』

明石『え?』

白雪『な、なんでですか?スピードは明らかに夕張の方が速いですよ?』

メタ『確かに夕張の方がスピードは上だろう…だが声を掛けたのが失敗だな、後ろに控えてるのを悟られた』

山城『…なるほどね』

夕張は木曾の真後ろまで来ておりもう少しで追い抜きそうになる

夕張「よし!抜けっ…」

木曾「させるかっ!」グイッ

ガァン!!

夕張「きゃっ!?」

木曾はトロッコを動かし夕張の進路を無理矢理塞ぐ

夕張「ぐぬっ…!ならこっちから!」グイッ

木曾「ふっ!」グイッ

ガァン!

夕張「ぐうっ!」

夕張は反対側から木曾を抜こうとするがまた塞がれる

明石『あぁっ!?木曾さん無理矢理にでも夕張さんを抜かせないつもりだぁぁっ!!』

白雪『なるほど…司令官の言った意味がわかりました』

メタ『あぁ、夕張は声を掛けずにそのまま通り過ぎてしまえば木曾を抜けば良かった…』

山城『しかもこの先は…』

木曾「よし!軽巡寮に入った!」

木曾は夕張を後ろに着かせたまま軽巡寮に突入する

夕張「くそぅ…」

木曾「この狭い廊下!抜かせないだろう!」

メタ『廊下の幅はトロッコが2つ通れるかどうか…』

白雪『木曾さんが真ん中を陣取ってる限り追い抜くのは無理ですね…』

木曾が余裕の表情を浮かべる、しかし夕張も何処か余裕がある様な表情を浮かべ木曾を見る

木曾(…何だ?何かして…)

夕張「…私を甘く見ないでよね!」

バンッ!

木曾「なっ!?」

山城『と…』

白雪『と…』

明石『飛んだぁぁぁ!!』

夕張のトロッコは何かに乗り上げたのか廊下の天井ギリギリまで飛び上がる

ガタァン!

夕張「よし!」

そのまま木曾のトロッコを飛び越し再び着地する

木曾「なんだ!?どうやって…!?」

木曾が振り返ると廊下の床に何か動く物が見える

メタ『あれは…』

山城『なにあれ』

明石『先日軽巡寮に限定導入したばかりのミニロブスターですね』

明石の言う通り、廊下にはヘビーロブスターをそのまま小さくした様な物が動いていた

白雪『ミニロブスター?』

明石『夕張さんが作成した物で夜間の見張り様のロボットですね、まだ出来たばかりなので試運転様に軽巡寮に限定して活動してます』

木曾「あれを踏み台にしたのか…!」

白雪『可能なんですか?』

明石『可能ですね、夕張さんが作成した物ですから、リモコンとかで遠隔操作してたんじゃないでしょうか』

夕張「地の利を生かしてかないとね!」

そう言いながらも夕張はどんどん木曾と差をつけていく

木曾「くそっ、速い!追いつけないぞ」

そのまま差を開きながらも軽巡寮を抜け、木曾が重巡寮に入る頃には夕張は工廠前の第二チェックポイントに到達していた

深雪「はいはいー、第二ポイントだよー、ここもミニゲームが…」

夕張「はい書けたぁ!」バンッ

深雪「!?」

夕張「急いでるんで!」トタタタ

明石『早いぃ!先程と同じく物凄いスピードで書き上げましたぁ!』

白雪『…でも』

夕張「ぬぅぅぅ!」トタトタトタ

山城『足は遅いわね、やっぱり』

夕張「艤装が重いからしょうがないでしょ!」トタトタトタ

木曾「待てぇ!!」

明石『おぉっと!木曾さんも追い上げて来たぁ!』

深雪「はい、これ紙とペンね」

木曾「うぉぉお!!」カリカリカリ

白雪『うわぁ、はやい』

山城『流石秘書艦』

夕張「も、もう少し!」

そう言う夕張は工廠の横を走り抜けて海へ飛び込んだ

ザバァン!

明石『まさかの展開!1番最初に海へ出たのが夕張さんだぁ!』

白雪『でもあのスピードだとすぐに追いつかれますよ』

山城『そうね、もう少し距離を稼いでいたらまだ勝てたかもしれないけど…あら、島風も追い上げて来たわね』

モニターを見ると山城が言った様に重巡寮から島風が出てきてチェックポイントに到達する様子がみえる

島風「むむむむ!紙!ペン!」

深雪「はいはい、そう焦んなって」

島風「嫌でも焦っちゃうよ!」カキカキ

島風が書き上げていく中木曾が書き終わったのか、スッと立ち上がる

木曾「かけたぞ」

深雪「はいはいー、通ってオッケー」

明石『木曾さんも書き終わった!急いで夕張さんを追いかけます!』

白雪『夕張さんとは結構距離空いてますけど…木曾さんなら追いつけそうですね』

明石『颯爽と工廠の横を走り抜けていきます!』





夕張「…来るわね…ポチッとな」ポチッ

島風「書けた!はいっ!」

深雪「おー、オッケー、行って良いよー」

島風「よし!」ビュン!

深雪「わっ、速ぇぇ…」

明石『島風さん早い!先程より早く書き上げました!』

山城『うぅん…これは勝負が分からなくなって来たわね…』

白雪『木曾さんに続いて工廠の横を…!?』

ギィィ…

突如、工廠の扉が音を立てゆっくりと開いていく

プシュゥゥゥゥ…

聞き慣れた排熱音楽辺りに響く

木曾「な!?」

白雪『あ、え!?』

山城『ち、ちょっと!?これは卑怯じゃない!?』

明石『あぁぁぁっ!?これはっ…!?』

深雪「うわぁ、これは酷いな」

島風「え?なに?」

辺りが騒ぐ中、島風だけが現状を掴めず不思議そうにする

木曾「夕張の奴…っ!」

ガシャン!

島風「!?」

ガシャン!

大きな音を立てながら地面を揺らし"それ"は工廠から姿を現わす

木曾「ヘビーロブスター…!」

プシュゥゥゥゥ…

『ターゲットを認識しました』

島風「……え?………なにこれ、え、え?」

『これより演習を始めます、目標ダメージ数は9999です』

木曾「夕張の奴、設定いじって用意してたな…!」

明石『これは卑怯!夕張さん!まさかのヘビーロブスターを伏兵に仕掛けていたぁぁ!!』

山城『ちょ…これありなの?』

明石『ルールではヘビーロブスターで邪魔をしてはいけない、なんて無いので大丈夫です』

山城『酷いわね』

『演習開始』

プシュゥゥゥゥ!


ヘビーロブスターはそう呟いた後、激しく排熱を始めてハサミを木曾に向ける

木曾「!や…」

ドゴン!

木曾「ぐ…っ!」

勢い良く飛び出してきたハサミを木曾はギリギリの所で回避する



ガシャン

木曾「!?」

もう片方のハサミが既に木曾に向けられており発射準備をしていた

ドゴン!

木曾「くそ…っ!」

木曾は崩れていた体制をそのまま崩し地面に倒れこむ様にする

ドサッ!

木曾「ぐっ!」

勢い良く背中を地面に叩きつける、代わりにハサミは木曾の真上をスレスレで飛んでいきなんとか回避に成功する

白雪『え、なんか普段より強くなってません?』

少しよろけながらも木曾は素早く体制を立て直す

木曾「難易度設定まで勝手に上げたなアイツ…!」

山城『難易度設定?』

メタ『ヘビーロブスターには難易度設定があってな…『よわい』『ふつう』『つよい』『めちゃつよ』の4パターンがある、普段は『ふつう』なんだが…ふむ、おそらく『つよい』に変更されてるな』

白雪『え、あれでまだ上があるんですか』

メタ『そうだ』

白雪『えぇ…』

山城『島風固まっちゃってるわよ』

島風「」

明石『まぁ、この鎮守府での洗礼みたいなものですよね』

山城『で?これどうするのよ?』

明石『どうしましょう?』

山城『いや、私に聞かないでよ』

ドンッドンッ

木曾「ふっ…くっ…」ヒョイヒョイッ

激しくハサミが飛び交う中、木曾はなす術なく必死な攻撃を避けていた

白雪『よく当たらないですね…あの猛攻の中…』

島風「ちょっと!」

山城『あ、気が付いた』

島風「なんで避けてばかりなの!砲撃とかすればいいのに!」

木曾「済まないな、俺は艤装が扱えなくてな…っふ!」ヒョイッ

島風「!?」

島風「じ、じゃあ腰の刀は!?それを使えば…」

木曾「この刀は…」チラッ

木曾は腰に携えてる軍刀を見る

木曾「…これは…あいつの許可が無いと抜けないんだ、許してくれ」

島風「許可って…こんな時になに言って…」

ドゴン!

木曾「っ…!」バァン!

激しい猛攻の中遂に木曾にハサミが当たってしまい工廠の壁まで吹っ飛ばされる

木曾「あ…がっ…!」

ハサミは咄嗟にガードをしたが激しく背中を打ちつけてしまい木曾は悶える

白雪『…ちょっと不味くないですか?』

山城『見てて心が痛むのだけど…』

明石『…確かに…演習用装備なので死にはしないですが…これは…』

ガシャン!

島風「ひっ…!」

ヘビーロブスターは次に島風をターゲットにしたのか島風の方へハサミを向ける

島風「や、やめ…来ないで…!」

白雪『島風ちゃん逃げて!』

島風「逃げ…!?」ペタン

島風は逃げようとするがその意志とは反対にその場に座り込んでしまう

島風「こ…腰が…抜け…」

木曾「…不味い…っあ!」バッ

ドゴンッ!

ヘビーロブスターがハサミを発射すると同時に木曾は島風とヘビーロブスターの間に入る

島風「…え?」

山城『あ…無茶…っ!』

白雪『木曾さん!』

ハサミは止まらずそのまま木曾へと突っ込んでいく

明石『危ない!!』

メタ『…』

メタ『木曾、抜刀を許す』

あれ、名前が変わった…なんでだ?

まぁいいや、垢変えますね…

携帯変えたからかな?

グォォォ!

島風「っ!」ギュ

近づいて来るハサミに島風は思わず目を瞑っしまう

木曾「…ふぅ…」チャキッ








キィィィ…ン

島風「………?」チラッ

島風「…あれ?ハサミは…?」キョロキョロ

木曾「後ろを見てみろ」

島風「…!?」

島風の後ろには先程まで目の前に迫っていたハサミが地面に突き刺さっていた

明石「おおお!木曾さん見事ハサミを弾き飛ばしたぁ!」

木曾「さて…」コキコキ

木曾「皆に修行の成果を見せる時かな…」


〜〜〜解説席〜〜〜


クイクイッ

突然提督のマントが誰かに引っ張られる

メタ「…ん?」

多摩「…てーとく」

メタ「どうした」

多摩「多摩も一緒に見ていい?」

メタ「…あぁ、構わないさ」

多摩「ん、ありがと」

山城「ところで修行の成果とか言ってるけど、もしかして提督との修行の事?」

メタ「だろうな」

山城「あの毎日謎の入渠をさせられてるっていう噂の?」

メタ「………」

多摩「これでダメダメだったらタダじゃおかないにゃ…」

メタ「木曾…頑張ってくれ…!」

山城「実際の所どうなんですか?教えている側の立場からして、アレに勝てるの?」

メタ「大丈夫だろう…彼女も大分強くなった」

山城「本当かしら…」

山城(一頭身から修行してもらってもねぇ…)チラッ

メタ(こいつ今失礼な事考えてるな…)チラッ

白雪「でもとっくに修行の成果をもう皆さんに見せてますよね?」

山城「え?」

多摩「いつ見せたにゃ?」

白雪「え?だって…」

白雪「艤装無しで艤装有りの皆さんに走って追いついてましたよね…?」

山城「あっ…」


〜〜工廠前〜〜


ズボォ

島風「!!」

地面に突き刺さっていたハサミは重々しい音をたてながら地面から元の場所へともどっていく

木曾(…相変わらすコイツはでかいな)ググッ

木曾は体を低くし軍刀を構える

ドゴンッドゴンッ!!

ヘビーロブスターは先程と同じ様にハサミを連続で飛ばしてくる

木曾「ふっ!」キィン

ハサミを弾きながら木曾はヘビーロブスターの目の前にまで突っ込む

木曾「懐がガラ空きだな」

ヘビーロブスターは急いでハサミを戻そうとする

木曾「らあっ!!」ガシャア!!

しかし間に合わず木曾の軍刀がヘビーロブスターの『口』、排熱部分へと突き刺さる

木曾「フンッ!!」ズバァ!

そのまま木曾は軍刀を振り上げて切り抜く

『ビッ…ビビッ……』

上部分が裂けヘビーロブスターは機械音を上げ始める

木曾「だぁっ!」ダンッ!

木曾は切り上げた後、刃を返し今度は勢い良く切り下げる

ズバァ!

『_______________』ドドォン……

ヘビーロブスターは真っ二つに裂けそのまま両側に倒れる

木曾「………ふぅ」チャキッ

木曾「…意外とすんなりだったな…」

島風「」

明石、白雪、山城、多摩『』

メタ『…』

メタ『まだ力任せに振り回してるな、駄目だ』

木曾「そうか…」ショボン

山城(どんだけキツイ修行してるの…)

生存報告兼久々の更新、皆様待たせて申し訳ない…

書く時間はあるのよ…有るんだけど…

積んでるゲーム消化が…………



カービィ新作おめでとう!ネタバレ防止のために新作ネタは暫くは使わないけどね、皆もネタバレはだめだZOY!!

木曾「大丈夫か?」スッ

島風「え…あ、うん、大丈夫…」

島風(…格好いい)

明石『ヘビーロブスターが…』

白雪『真っ二つ…』

山城『アレ、どうするのよ』

メタ『夕張がけしかけたんだ、夕張に直させろ』

山城『それもそうね…』

多摩(木曾…強くなったにゃ…)

木曾「よし!夕張を追うぞ!」ダッ

島風「あっ、待って!」ダッ

島風(ゴールまで一緒に行動しとこ…)

明石『えー…まぁ、気を取り直して…木曾さんに続いて島風ちゃん、工廠横を抜け海へ向かいます』

白雪『あれ?木曾さんはどうやって移動するんですか?』

明石『それはですねぇ…』

木曾「…これか」

明石『はい、そのモーターボートを使用してください、軽巡の平均的なスピードが出るように改造してあります』

木曾「よっと」スタッ

島風「よっ」バシャッ

ブゥゥゥゥン

白雪『さて、夕張さんに追いつけますかね?』

明石『えーっと………追いつけそうですね』カチャカチャ

白雪『これは…どうなりますかね?』

山城『まだまだ試合はわからない……って事ね』

メタ『…ところで明石』

明石『はい?どうしました?』

メタ『朝潮とビスマルクはどうした?』

明石『えーっと…あ、朝潮ちゃんは第二チェックポイントに到達してますね』



朝潮「」カキカキ

深雪「焦らず頑張れー」

朝潮「わかってますよ、1回被弾してますから」

深雪「見事に全身真っ黒だもんなー」ワハハ

メタ『ふむ…まだ頑張れば十分狙える位置だな』

多摩『ビスマルクはどうしたにゃ?』

明石『ビスマルクさんも既に重巡寮は抜けてはいるんですが…』

パッ

モニターにビスマルクが映し出される

ビス「ひぃぃ!」

ブォンブォン!

ビス「たす!けてぇ!」ヒョイッヒョイッ

モニターにはトロッコに乗ってるビスマルクとその真横に失敗ペンギンを乗せたトロッコが並走していた

メタ『!?』

山城『うわ…なにあれ…』

並走する失敗ペンギンの手には特大の木槌が握られており、ビスマルクを逃すものかと振り回している

ビス「もぅ!いゃあ!」ヒョイッヒョイッ

メタ『あれは…』

明石『あれも多分夕張さんのトラップでしょうね、あの区域の担当は彼女でしたから』

白雪『当たったらタダじゃすみませんよ…』

明石『あれのせいでトロッコのスピードも出てませんしトロッコから降りれませんねぇ』

ビス「夕張の奴覚えておきなさいよおぉ!!」ヒョイッヒョイッ




夕張「ん…?今呼ばれたような…」

夕張「まぁいいや…ヘビーロブスターはどうなってるかなぁ…」ピコピコ

夕張「…ん?通信が途絶えてる…おかしいなぁ、ちゃんと朝点検したんだけどな…」

夕張「まさか既にやられてるとか…」

夕張「まっさかー、ハハハ」クルッ

そう呟きながら夕張が振り返ると遠くの方に迫ってくる木曾と島風が見える

夕張「嘘おおおおおおお!?」

木曾「夕張いいいいいい!!待てええええええええ!!」ブゥゥゥゥン

夕張「マズイマズイマズイ!!追いつかれる!!」

白雪『意外と早く追いつきましたね』

明石『余裕だと思って気を抜いてたんでしょうねぇ…』

夕張「こうなったら"アレ"を使うしか…」

夕張「いや、でもまだ最終調整を終えてないし…提督にも内緒で作った奴だし…」

明石『あぁっ!あと少しだぁ!夕張さんどうするんだぁぁぁ!?』

夕張「あぁぁぁ!もぅ!使っちゃえ!!」カチッ

夕張「あぁぁぁ!もぅ!使っちゃえ!!」カチッ

夕張は何処からか頭1つ分ぐらいの球体を取り出し電源を入れるとソレを空に向かって放り投げる

夕張「えいっ!」ブォン

『_______』ブゥゥゥゥン…

球体は細かく振動しながらどんどん空高く飛んでいく

木曾「なんだ…?何か投げて…」

島風(まだ何かあるのかな…)

明石『今何かしましたね』

白雪『なんでしょう?丸い物が見えましたけど…』

山城『提督、また何か作らせたんじゃ無いでしょうね…』

メタ『いや、そんな事頼んだ覚えは無いが…』

夕張「ちゃんと動きますように…!」

カシャン!

夕張の願いが届いたのか暫くしたのち球体は音を立て更に4つの小さい球体を吐き出す

メタ『む…』ピクッ

4つの球体は大きな球体を中心としプロペラの様に回転し更に空高く飛んでいく

メタ『…まさか…あれは…』

白雪『どうしたんですか司令官、もしかしてあれが何かわかったんですか?』

メタ『いや…しかし、そんな訳が…』

白雪『…?』

二人がそう話してる間に機械は既に空高く消えてしまっていた

木曾「なんだ?急に雲行きが悪く…」

木曾が言うように先程までの青空が嘘だったかの様に雲が辺りを包み始める

ゴロゴロゴロ…

(書き溜めなんて)ないです

島風「ねぇねぇ、一雨来そうだよ」トントンッ

木曾「そうか?確かに雲が集まっては来てるが…」

島風「いや、あれあれ」ユビサシ

島風が指差す方向には他の雲とは様子の違う雲があり、今にも雨が降り出しそうでバチバチと音を立て光を発している

バチッバチバチバチッ

木曾「…なんだあの雲…」

ギョロッ

島風「!?」

木曾「!?今こっちを見っ…」

ピカッ

島風、木曾が驚く中、一瞬雲が眩く光を放ったかと思うと木曾に向かって雷が落ちた

ビッシャァァァァァァアン!!

木曾「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!?」

島風「」ビクッ

木曾「」クロコゲ

ドサッ

解説席『』

島風「」チョロ…

夕張「(´_ゝ`)クッククク…」

夕張「(´∀`)フハハハ…」

夕張「( ゚∀゚ )ハァーハッハッ!!」

メタ『馬鹿な!何故夕張がアレを!?』

明石『なんですか…あれ…』

夕張「なんですかと聞かれたら、答えてあげるが夜の情け!」

夕張「これぞ、私の発明の最高傑作!」

夕張「メカクラッコよ!!」

山城『メカクラッコ…?』チラッ

山城が見たモニターには、棘が生え、巨大な目玉が付いた雷雲が映っていた

夕張「本当は使いたくなかったけどね、勝つ為にはしょうがないわ!」

白雪『木曾さん大丈夫なんですか…あれ…』

木曾「」クロコゲ

夕張「大丈夫大丈夫」




夕張「多分」

山城『ちょっと待ちなさいよ、多分って何よ多分って』

夕張「いや大丈夫大丈夫!実はまだ最終調整が終わって無いとか想像よりも凄い雷だったとかそんな事は無いから!」

山城『……』チラッ

木曾「」クロコゲ

島風「」ガクガクガクガク

山城『夕張ぃぃぃい!!』

夕張「大丈夫だから!ホント大丈夫だから!ね?」

そう言いながら夕張はメカクラッコを見る

メカクラッコ『ダイジョブダイジョブ』

明石『し、喋ったァァァァァァア!?』

メカクラ『ナンダシャベッチャワルイカ』

こっそり次にプププ鎮守に来て欲しい艦娘を募集…

奥さん、次の火曜日までですって

明石『あ、いえ…別に問題ないです…はい……』

メカクラ『ナラベツニイイヤ,ワハハ』

メタ『……誰が乗ってるんだ』

メカクラ『ギクリ』

白雪『え?中に誰か乗ってるんですか?』

メタ『あぁ…おおよそ艦載機の妖精の誰かだろう』

夕張「…よくわかりましたね、なんでわかったんです?」

メタ『………』

メタ『…勘だ』

夕張「えぇぇぇ、勘ですかぁ…なんか悔しい」

山城(………嘘…ね、さっき知ってるような口振りだったし…後で問いたださないと…)

明石『で、誰が乗ってるんです?』

夕張『それは〜…天山妖精さんですっ!』ビシッ

そう言って夕張がメカクラッコを指差すと、カシャンと音を立てて目玉部分に天山妖精さんの姿が映る

天山『ヤァ』

メタ『…お前か…』ハァ…

明石『あ、確か彼女は…』

メタ『…赤城が開発担当で来た妖精だ…何故それに乗った…大体理由は分かるが…』

天山『イヤァ、ノルキナハカッタンダケド…』

夕張「カップ麺一つで簡単に釣れましたよ」

メタ『…』ジロッ

天山『テヘッ』

山城『開発担当に似たのね』







間宮「まだまだありますよ〜」

赤城「最高fooooooo↑↑↑!!!」モグモグモグモグ

山城『そもそもそれに乗るって事は普段世話になってる赤城への裏切り行為になる訳だけども?』

天山『いやぁ、普通のカップ麺だったら私だって釣られなかったんだけどね…』

天山『なにせ出してきたカップ麺が、神奈川県川崎市のみで一週間限定発売したもののその時同時期に発売されてた超有名コックが新発売したシャーベット騒動のせいで三個しか売れなかったと言う『カワサキホットスペシャル味』だったんだよ!!』

秋月『何ですって!?』ガタッ

メタ『秋月、居たのか』

秋月『はい、最初から居ました』

メタ『そうか、ところで秋月、今のが分かったのか』

秋月『実は私もカップ麺大好きでして』

白雪『へぇー、意外ですね』

秋月『お湯を用意するだけで食べれるなんて素敵じゃないですか、そこからハマッて…』

山城(秋月が言うと意味深に聞こえるわね)

秋月『そんな事よりもそのカップ麺凄いんですよ!ウンタラカンタラウンタラカンタラ〜…』ペラペラ

メタ『そ、そうか分かった…もういいぞ』

秋月『え、そ、そうですか…』

天山『まぁ、そう言う訳で仕方なかったのさ…許して赤城さん』

山城『貴方ねぇ…』

夕張「さぁ!気を取り直してメカクラッコ!島風ちゃんもやっちゃってー!」

天山『ん』カシャン

カシャンと音を立てて天山妖精さんの姿が映っていた部分が目玉に戻る

メカクラッコ『落雷用充電開始…』バチバチッ

メタ『まずい!』

秋月『島風ちゃん逃げてぇええ!』

島風「あぁぁ…あああああ…」ガクガク

明石『あぁっ!動けない!島風ちゃん一歩も動けません!!』

島風「足に力がぁぁぁ…」ガクガク

秋月『島風ちゃぁぁぁあぁぁん!!』

夕張「ァ '`,、'`,、'`,、'`,、(´∀`) '`,、'`,、'`,、'`,、'`,、私より足が早い奴は全員クロコゲになるのよぉ!!」

山城『なんか変なスイッチ入ったみたいね』

今日から艦これアーケード始まるぞぉぉぉぉ!!

って事でお祝い更新じゃあい!!

メカクラッコ『充電70%』バリバリバリ

明石『あぁあ!まずい!まずいです!』

秋月『島風ちゃんんんんん!』

島風「うぅ…」ガクガク

トントンッ

そんな時、海上で震えている島風の肩に誰かが手をやる

島風「う…?」クルッ

朝潮「どうしたんですか?」

島風「あ…朝潮…生きてたんだ…」

朝潮「何言ってるんですか、あの程度で死にませんよ」

島風「いや、あれはあの程度って威力じゃ無いよね?」

朝潮「それよりこんなところでぼーっとしてたら駄目ですよ、ほら」グイッ

島風「おぅ…?」

朝潮は島風の手を取り肩を貸すようにして立たせる

島風「は、離して、危ないよ…」

朝潮「大丈夫です、あんな奴私が倒してみせますから!」

島風「え…?」

夕張「何ですって…?」ピクッ

朝潮「ふふふ、私にはもう奴の弱点がわかってますから!」

夕張「何ですって!?」

島風「弱点…?」チラッ

朝潮「ずばり…」

島風(目かな…)

白雪(目しかないよね…)

山城(目よね…)

明石(目っぽいかな…)

メタ(目だな…)

朝潮「目です!(多分)」ビシッ

夕張「ぎくぅ!」

一同(やっぱり…)

朝潮「そしてまだ相手の充電は終わって無い、狙うなら今です!」ガチャッ

朝潮は島風を支えていない方の手で砲塔を構える

夕張「流石ね…朝潮ちゃん…」

朝潮「伊達に夕張さんの発明で酷い目にあってきてませんよ」

島風(むしろ目意外に攻撃できそうな部分がないよね…)

朝潮「当たれッ!」ドンッ

朝潮はメカクラッコに向かって砲撃をする、しかし夕張は不敵な笑みを浮かべだす

夕張「ふふふ…しかしまだ甘いわね朝潮ちゃん…」

朝潮「…?」

夕張「このメカクラッコ…確かに目が弱点…しかし!弱点をさらけ出すほど私は馬鹿じゃないわ!」

バチッバチバチッ

夕張が話している間にメカクラッコに動きがあり、メカクラッコから出ているトゲの先端に電気が溜まっていっているのかトゲからバチバチッと音が出ている

朝潮「!?」

夕張「メカクラッコ!バリヤー!」

バリバリバリ!!

夕張が叫ぶと、それに応えるようにメカクラッコの棘と棘を繋ぐように電撃の網がメカクラッコを包み込む

夕張「そのまま体当たりよ!」

グォォォ!

バシュウッ!!

メカクラッコは電撃を纏ったまま朝潮達に向かっていき砲撃の弾も打ち消してしまう

島風「ひぅぅ!ど、どうするの、朝潮!!」

朝潮「ううむ…」

朝潮「これは予想してなかったですね…」

島風「ちょっとぉぉぉぉぉおぉぉお!?」

朝潮「残念」

島風「何諦めてるのよぅぅう!」

グォォォ!

諦めている朝潮の背中にメカクラッコが突っ込む

ゴスッ

朝潮「いっだぁバババババババババババババ!!!!?!」バリバリバリ

島風「」ビクッ

朝潮「アバBBBBBBBBBBBBBBB!!!!」バリバリバリ!!

島風「」

夕張「バリヤー止めっ」

夕張が止めるように言うとメカクラッコは放電を止める

朝潮「」クロコゲ

夕張「そのままボートに乗せといて」

夕張がそう言うとメカクラッコは器用に棘に朝潮を引っ掛けボートまで運んで行く

朝潮「」プラーン

ドサッ

朝潮「グフッ」

夕張「よーし…あとは…」チラッ

島風「」ビクッ

夕張「もう逃げる気力も無さそうだし…このままゴールに向かえば私の勝ちなんだけど…」ニヤリ

島風「」ガクガク

夕張「『もしも』があるかも知れないから…ね?」パチンッ

夕張が指を鳴らすとメカクラッコが再びバチバチッと電気を帯びだす

島風「ひぅぅ!」ガクガク

メタ『夕張!やりすぎだ!』

夕張「メカクラッコ体当たりよ!」ビシッ

バリバリバリ!!

島風「くぅっ!!」ギュッ

島風はメカクラッコが迫ってくる恐怖に目を瞑ってしまう







「夕張ぃぃぃいぃぃいぃ!!!」






ドゴォ!!

夕張「えっ!?」

島風「…?」チラッ

大きな音はしたものの一向にメカクラッコが来ないことに島風は不思議に思い目を開ける

バチッ!バチバチッ!!

島風「…なに?」

島風が目を開くと、そこには先程まで自分達が乗っていたトロッコがあった

バチバチッ!!バチバチバチッ!!

そしてそのトロッコはメカクラッコの目玉の部分に突き刺さっておりバチバチと音を立てている

天山『機体損傷!機体損傷!』ビーッビーッ

夕張「えっ、なになに!?何処から飛んできたの!?」キョロキョロ

島風「…まさか」クルッ

島風が振り返り今まで通ってきた海路を見る、そこには1人、人影が立っていた

ビス「やっと追いついたわよ…夕張ぃぃぃ…」ゴゴゴゴゴゴ…

人やばくてアーケード一回しかできなかった…




なんて関係ない!カービィ誕生日おめでとう!!

と言うわけで更新だァァァァアァ!!

夕張「び、ビスマルクさん…?どうしたんですか…?なんでそんなに怒って…」

ビス「それは自分の胸に…」グォッ…

ビスマルクは何処からか巨大なハンマーを取り出して振りかぶりながらメカクラッコ目掛けて突っ走る

ビス「聞きなさいっっ!!」ドゴォ!!

ビスマルクの振りかざしたハンマーはメカクラッコに突き刺さっている『トロッコ』へとヒットし、そのまま押し出されるように雲から球体の本体が飛び出す

夕張「あ!ちょっとこっち来ないで!!」

飛び出した本体はバチバチッと電気を帯びながら夕張へと飛んでいく

天山『制御不能!制御不能!』

夕張「ちょっとまってまってまっ」

ゴスッ

夕張「アビバババババババババババァァァァアァァアァァ!?!?!?」バリバリバリ!!

夕張「アァァァァ↓アァァァァアァ↑!?」バリバリバリ

夕張「早く離れッデデデデデデデ!!!」バリバリバリ

天山『制御不能!制御不能!』

夕張「制御不能ジャナバババババババイイイイイイイイイ!!」バリバリバリ









ビス「島風大丈夫?」

島風「あ、うん…」

明石『まさかのビスマルクさん登場!見事にメカクラッコを退治しました!』

白雪『まさかトロッコを投げつけるとは…』

山城『ところであのペンギンからはどうやって逃げ出してきたの?』

ビス「深雪を盾に…」

山城『えぇー…』







深雪「……」

第二チェックポイントではビスマルクがおそらく突っ込んで行ったのか机などはバラバラになっており、無惨にも深雪とペンギンが倒れていた

深雪「…酷いぜ…ビス…マ…ルク…」ガクッ

夕張「」クロコゲ

天山『充電0…行動不能…』プシュン

メカクラッコは充電が無くなり夕張から転げ落ちるように海面に落ちる

ビス「はいはい、邪魔だからボートに乗っといて」ヒョイッ

夕張「」

天山『ごめん…』

ビス「もういいわよ、私は気が済んだわ」

ビス「まぁそれに、この後は提督がこってり絞るだろうし…」

天山『』ガクガク








ビス「さてと…島風、走れる?」

島風「…うん、なんとか」

いせ「じゃあ…行くわよ」

島風「…」ググッ

ビス「GO!!」バッ

明石『さぁ!色々ありましたがレース再開です!』

山城『本当に色々ありすぎたわ…』

白雪『大体夕張さんのせいですけどね』

メタ『後で問いたださないとな…』

明石『ちょっと、皆さんレースを見てくださいよ!もう陸に登ってこっちに向かって来てますよ!』バッ

山城『え?』

明石が指差すモニターには既に鎮守府に入って司令室へ向かってる二人が映っている

山城『はやっ!』

明石『元々コース自体終盤でしたからね、二人もラストスパートかけたみたいですし…』

白雪『その割には二人共並走していますね…?島風ちゃんどうしたんだろ?』

メタ『スタミナ切れだな』

白雪『あっ…』

メタ『最初から常に全力で走ってたからな…加えてビスマルクは抑えて走っていた分まだスタミナには余裕があるんだろう』

メタ『これは…わからなくなったな』

明石『ゴールはもうすぐ!どっちが先にゴールするのかぁぁぁ!?』

今日からまたテンポ良く更新したいなぁと思う>>1です、更新しますよ

ダダダダダダダッッッッッ

明石『二人共最後の階段を駆け登って来ます!』

ビス「だぁっ!!」

明石『ビスマルクさんが一歩リード!!』

島風「ぐぅあっ!!」

明石『島風さんが抜き返す!!』

ビス「負けるもんですかっ!」

島風「私だってぇえ!!」

そのまま二人は同時に階段を駆け登って最後の廊下へとたどり着く

島風「あ…あそこか…!」ゼェ…ゼェ…

そう呟く島風の視線の先には、普段司令室として使われている部屋にゴールテープがはられているのが見える

メタ「…ふむ」

提督はテープ越しに突っ込んで来る二人を見た後白雪の頭に乗る

スタッ

白雪「どうしたんですか司令官?」

メタ「この位置はまずいぞ」

白雪「え?」

ズドドドド……

メタ「少し移動しよう」

白雪「あ、はい…」ガタッ

明石「私も逃げよう…」ガタッ

山城「あぁ、ゴールの瞬間だわ…あら?他の三人はどこへ…?」

山城が辺りを見渡すと既に司会席には山城しか居らず選手二人もゴールへ突っ込む瞬間だった

島風「ゴォォォォォル!!」バッ
ビス「ゴォォォォォル!!」バッ

二人はほぼ同時にゴールテープを突き破りそのまま司会席へ突っ込む

山城「え」










ドォォォォオォォン………

山城[大破]グッタリ

メタ「入渠へ頼む」

\ハーイ/

ズリズリ…

明石「はい、山城さんも無事妖精さん達に運ばれて行きましたので、レースの結果発表と行きましょうか」

ビス「当然私が一番よね?」ボロッ

島風「何言ってんの?島風に決まってるじゃない!」ボロッ

ビス「なんですって?」バチッ

島風「なに?当然でしょ?」バチバチッ

グヌヌ、ナマイキヨ!!ソッチコソ!!ワーギャー!!

明石「まぁまぁ、二人共落ち着いて…提督と白雪さんはどちらが先か分かりました?」

メタ「いや、ゴールの瞬間を見てなかった」

白雪「私も見てないです…」

明石「実は私もなんですよねぇ…」

ビス「なんで誰もゴールの瞬間を見てないのよ!?」

明石「いやぁ、だって突っ込んで来るんですもん」

ビス「ゴールには普通突っ込むでしょ!?」

メタ「司会席の位置が悪い」

白雪「ですよねぇ…」

島風「どうするの?私引き分けとか嫌だから!!」

明石「あー大丈夫です大丈夫、ちゃんとビデオ判定出来るように録画してますから、それを見ましょう」ピピッ

ビス「なら最初から出しなさいよ…」

パッ

明石「あ、映った映った」

画面にゴールの瞬間がスローで再生される

白雪「…これは」

島風「…あっ」

スローで確認すると、僅かにビスマルクが先にゴールテープへとたどり着いているのが分かる

ビス「やったぁ!!これは私よね!?どう見ても私が先にゴールしてるわよね!?」

メタ「…うむ」

明石「これは…ビスマルクさんですねぇ…」

ビス「やった!やったやった!!」ピョンピョン

島風「嘘…そんな…」ズーン…

明石「コホン…それでは改めまして…」

明石「プププ鎮守府、グルメレース大会!今回の優勝者はぁぁぁ…」ダラダラダラダラ…

ジャン!!

明石「ビスマr」

???「ちょーーーっと待ったぁぁぁあ!!」

今日もちゃんと更新するぞよ

ビス「誰よ、私の表彰を邪魔するのは!!」

皆が声がした方を見るとそこには1人見慣れた人物が立っていた

深雪「この深雪様だぜ!!」バーン

メタ「深雪、もう入渠は良いのか?」

深雪「おうっ、駆逐艦だからなっ!あんな傷チョチョイだぜっ」ニカッ

深雪がニコニコと話しているとズズイッとビスマルクが顔を出してくる

ビス「で?何しに来たの、私これから表彰されないとなんだけど?」

深雪「あー、そうだったそうだった」ポンッ

深雪は何か思い出したように手を鳴らすと提督の方へ向き直る

深雪「なぁ、司令官、ビスマルクは第二チェックポイントをちゃんとクリアせずに素通りしたけど、それでも優勝なのか?」

明石「え?」

ビス「あっ…」

白雪「確かに…」

メタ「…ふむ」

深雪「他の皆はちゃんとクリアしてから通って行ったのにビスマルクだけしないのは卑怯なんじゃ…」

ビス「ち、ちょっと!?深雪!?」アタフタ

深雪「…」チラッ

ビス「うっ…」

深雪(さっきの仕返しだよ〜ん!!)ベーッ

ビス(深雪ぃぃぃいぃぃい!!)ギリギリ…

メタ「確かにそれでは公平では無いな…」

明石「確かに一位にする訳にはいきませんねぇ…」

ビス「えっ!?」

白雪「反則負けって事ですか?」

メタ「だな」

ビス「エェェェ!?」ガーン

島風「…あれ?だったらもしかして…」

白雪「繰り上がりで島風ちゃんが一位に…」

メタ「そうなるな」

島風「やったぁ!!」ピョンピョン

明石「えー…では改めまして…」

明石「プププ鎮守府、グルメレース大会!今回の優勝者はぁぁぁ…」ダラダラダラダラ…・

ジャン!!・

明石「しまかz」・

???「ちょーーーっと待ったぁぁぁあ!!」・

島風「今度は誰!?」

ビス「私よ!」

島風「なに?負け惜しみなら後にして!」

ビス「アドミラール!!島風も第一チェックポイントちゃんとクリアせずに通って行ったわよね!?それはどうなの!!」

島風「えっ…」

メタ「…確かに島風は第一チェックポイントをクリアせずに通ったな…」

島風「いや、あれは古鷹が通してくれ…」

ビス「そこは今は置いといて、今はちゃんと正式にクリアしたかって事よ」

ビス「第二チェックポイントをクリアしなかった私が反則負けなのに島風は良いよとか、それこそ公平じゃないわよねぇ〜?」ニヤリ

メタ「もっともだ」

島風「え、えぇぇぇ!?ちょっと!?」

明石「これは…」

白雪「島風ちゃんも反則負けですかね?」

メタ「うむ…」

島風「そ、そんなぁぁぁ!!」ガーン

ビス「フフン」

島風「う、うぅ…そうなると…引き分けかぁ…」ガックシ

ビス「…そうねぇ、最初に利根が戦意喪失、2番目に赤城…」

島風「次に木曾、朝潮がメカクラッコにやられて…」

ビス「夕張も私がやったし…」

島風「もう誰も…」

ビス「全員リタイアか…」ガックシ











明石「じゃあ優勝は吹雪さんですね」

メタ「あぁ」

吹雪「やったぁ!!」

ビス「エッ」

島風「エッ」

ビス「ふ、吹雪…いたの?」

吹雪「?はい、最初からいましたけど?」クビカシゲ

明石「吹雪さんはちゃんと最初から最後まで"普通"に走ってましたよ」

白雪「そうですね、"特に見せ場は無かった"ですけどちゃんと走ってました」

吹雪「頑張りました!!」

島風「影が薄くていたの忘れてた…」

吹雪「エェッ!?」ガーン

ビス「…まぁ、仕方ないわね今回は吹雪に譲るわ」

島風「…むぅ…」プクー

明石「じゃあ今度こそ…」

明石「プププ鎮守府、グルメレース大会!今回の優勝者はぁぁぁ…」ダラダラダラダラ…・

ジャン!!・

明石「吹雪さんです!!」バァァァァァン

吹雪「なんか腑に落ちないけどやりましたぁ!!」

メタ「おめでとう」パチパチ

白雪「おめでとう吹雪ちゃん」パチパチ

明石「おめでとうございます」

ビス「良かったわね」パチパチ

島風「…」パチパチ…

メタ「さて、私の艦娘に負けた気分はどうだ島風?」

島風「…」ムッスー

メタ「約束通りこれからは私の指揮には従うように」

島風「…ふぁい…」ムッスー

明石「さて、では吹雪さん」

吹雪「はい」

明石「見事、提督になんでも命令できる権利を手に入れたわけですけども」

吹雪「は、はい!」

明石「何を命令するんです?」ワクワク

吹雪「えっえーっと…それはですね…エヘヘ…」クネクネ

白雪「はやく言っちゃいなよ」ツンツン

深雪「そうだぜぇ、ほらほら」ツンツン

吹雪「えー…でもぉー…」ウジウジ

メタ(今更あの発言は島風に対してだけ…とは言えないな…)

メタ「遠慮するな、言ってみろ」

吹雪「えっと…実は私、アイドル那珂ちゃんの大ファンなんですよ…//」テレテレ

メタ(アイドル那珂…確か世間に対する艦娘イメージを良くするために全国で活動するアイドル専門の特別な那珂だったか…)

吹雪「それで…今度、本土の方で…那珂ちゃん単独ライブが行われるんですけど…一緒に来てくれないかなぁ…って…」チラッ

メタ「…わかった、約束しよう」

吹雪「やったぁ!!やりましたぁ!!」

白雪「良かったね吹雪ちゃん」

深雪「おめでとさん」

吹雪「うん、ありがとう!」

吹雪「やったぁ…やったぁ…」ピョンピョン

メタ「やれやれ…」












メタ「さて…夕張の入渠はどうだ?」

今日も今日とてちゃんと更新するんだ…俺…今まで出来なかった分…頑張るんだ…

明石「多分まだ入渠中ですかね」

メタ「そうか、ちょっと行くぞ」ヒョイッ

そう言いながら提督は明石の頭に飛び乗る

明石「はいはい、妖精さん達、後片付けお願いできます?」

\イイヨー/

メタ「吹雪、詳しい日時はまた後でいいか?」

吹雪「は、はい!分かりました!」

メタ「よし、行くぞ」

明石「はい」スタスタ






深雪「それにしても二人っきりでデートなんてやるなぁ!!」

白雪「大胆だね…」ドキドキ

吹雪「デート?誰が?」キョトン

白雪「えっ…」

深雪「…吹雪と司令官がだよ…」

吹雪「え、わ、私?」

深雪「だってそうなるだろ?二人っきりでアイドルのライブなんて…」

吹雪「そ、そうなるのかな?」

深雪「そうなるって!!」

白雪「本当にライブが見たかっただけなんだね…」

吹雪「だって艦娘一人で勝手に出かけるのは不味いかなと思って…だったら司令官と…って…」

深雪「つまんねー」

吹雪「えぇー…」








山城「あ…あぁ…」ボロボロ

メタ「…」

明石「…」

山城「グフゥ……」ボロボロ

明石「山城さんが大破で廊下に捨てられてる…」

メタ「…」チラッ


[入渠]

1:古鷹入渠中

2:木曾入渠中

3:朝潮入渠中

4:夕張入渠中


メタ「満員だったから妖精達に廊下に捨てられたか…」

明石「あと、さっきまで無かったはずのタンコブが頭にできてますよ、しかも大量に」

メタ「…来る途中に階段があったな…」

明石「はい」

メタ「妖精達は山城を引こずってたよな…」

明石「あっ…」

山城「フグゥゥゥ……」ボロボロ

メタ「…」

明石「…」

山城「あぐあぐ…」ボロボロ

メタ「…夕張に高速修復剤を」

明石「はい」トテトテ…

メタ「山城…ゆっくり休め…」

山城「ううあ…」ボロボロ















夕張「( ゚д゚)ハッ!」

夕張「こ、ここは一体…?」キョロキョロ

夕張が目を覚ますとそこは見慣れぬ薄暗い部屋だった

夕張「ち、鎮守府にこんなとこあったっけ…?」

壁床天井は薄紫なレンガで出来ており鉄製のオリが備えてあった

夕張「まるで映画などでよく見る監獄のような…拷問部屋のような…」

???「目が覚めたか」

夕張「だ、誰!?」

メタ「そう驚くな」カツカツ

夕張「げっ…提督さん…」

暗闇から1人、提督が歩いてくるのが見えると夕張は露骨に嫌そうな顔になる

メタ「さて、言いたい事は分かるな?」

夕張「さ、さーて…なんの事でしょうか…」タラー

メタ「…シラを切るか…」ポスッ

提督はゆっくりと何かの操作板のような物に向かって行き椅子に座る

夕張「そ、それよりここは何処ですか…?鎮守府にこんなとこ無かったですよね…?」

メタ「ここは拷問部屋だ」

夕張「」

夕張「」

夕張「えっ、なんて言いました?」

メタ「拷問部屋だ」

夕張「」

夕張「…」チラッ

夕張は改めて部屋を見渡すと床に鉄球、壁に手錠などがあり白骨化した骸骨なども転がっていた

夕張「」ガクガクブルブル

メタ「さて、貴様がシラを切るなら仕方が無い、こちらも手段を…」

夕張「し、喋ります喋ります!!何でも喋ります!!」ガクガク

夕張「め、メカクラッコの事ですよね!?」

メタ「物分りが早くて助かる」

夕張「あれは…3ヶ月ぐらい前の事…ですかね…」

メタ「3ヶ月…丁度大規模作戦があったくらいか…?」

夕張「あー…あれよりちょっと後位ですかね…」

メタ「ふむ…」

夕張「その日も演習やら遠征やら普段と変わらない生活をしてたんです…」

夕張「それで…今日も疲れたなーっとかなんとか呟きながら早々に眠りについたんです…」

メタ「ふむ…?」

夕張「そしたら…見たんですよ…」

メタ「…何をだ?」

夕張「…夢です…」

メタ「…」

夕張「あっ!今『そりゃ寝るんだから夢ぐらい見るだろう』とか思いましたね!!」

メタ「…で?」

夕張「それがですね…その夢が普通じゃなかったんですよ」

メタ「…」

夕張「夢の中で私が大きなグルグル眼鏡を掛けたネズミになってたんですよ」

メタ「…」ピクッ

夕張「最初『うわぁー!何この悪夢!!』とか思ってたんです、そしたら急に身体が勝手に動き出してサササッとメカクラッコの設計図を書き上げて行ったんですよ」

メタ「…」

夕張「その後も慣れた手つきでドンドン組み上げていったんですけど…途中で目が覚めて…」

夕張「起きてすぐ夢の中で見た設計図を書き上げたんですよ…」

夕張「………本当ですよ?」

メタ「………」ジロッ

夕張「嘘じゃないんです!!本当なんです!!そりゃ信じられるような内容じゃないかもし…」

メタ「分かった、信じる」

夕張「……えっ」キョトン

メタ「なんだ?嘘だったのか?」

夕張「い、いや、嘘じゃないんですけど…信じるんですか…?」

メタ「あぁ、信じるよ」

夕張「ゆ、夢で見たとか戯言でしかない私の発言を?」

メタ「あぁ」

夕張「…信じてもらえると思ってませんでした」

夕張「ま、まぁ信じて貰えて良かったです、早く開放してください」

メタ「何故だ?」

夕張「え?な、何故って、メカクラッコの事はもう話したじゃないですか!」

メタ「あぁ、だが勝手に私の許可なく作っただろう?」

夕張「」

メタ「そういう事だ」ポチポチ

夕張「ちょっと待って!!ちょっと待って!!ちょっとした出来心なんですって!!発明家としての私に抗えなかったと言いますかなんと言いますか、いや、私は発明家じゃなくて艦娘なんですけどね?でも、あんな凄い設計図見せられたら作らずにはいられないと言いますか、そりゃ提督に黙ってたのは私が悪」

メタ「言い訳は聞かん」ピポパポ

提督が操作板を弄ると何処からともなく機械アームが出てきて夕張を囲む

夕張「アァァァァアァ!!マッテマッテ!!」

メタ「…」ピポパポ、ジャーン!!












\イヤァァァアァァアァァァァ!!/






メタ「…夢…か…」

夕張「」ピクピク

これにて約6ヶ月続いた『グルメレース編』は終了!!

何だかんだいつの間にかこの前スレも立って一年経ってましたね…早いもんだ…

次は>>778で応募した艦娘が来るZOY

乙乙乙プラネット

~~~グルメレースがあった日から暫くしたとある日~~~




メタ「むっ…」カチカチッ

島風「よっ…ほっ…」カチカチッ

響「…」カチカチッ

秋月「ぐぬぅ…」カチカチッ

メタ「…ここだ…」カチカチッ

島風「あっ!?」カチカチッ

響「な…」カチカチッ

秋月「うわぁっ!?」カチカチッ

\バタンキュー…/

TVには4人のキャラクターが映り、一人が喜び、三人がやられている様に映る

メタ「私の勝ちだな」

島風「また負けたぁぁー!」ガックシ

響「司令官はパズルゲーム得意だよね」

メタ「また、いつでも、かかって、こーい」

秋月「パズルゲームすると時々口調変わるのはなんでですか?」

島風「もっかい!もっかい!」バンバン

メタ「分かった!分かったから叩くな!」ボヨンボヨン

島風「よしっ!」グッ

メタ「だからと言って次も負けないがな…」

島風「私だって!!」

響「僕も負けるつもりは無いよ」

秋月「わ、私も!!」

メタ「よしっ、はじ」

バァン!!

秋月「」ビクゥッ

山城「提督!!」

メタ「どうした山城」

響「どうしたのそんなに声を荒げて」

島風「扉ぐらい静かに開けたらいいのに」

山城「どうしたじゃないわよ!!貴方いつになったら扶桑お姉様を建造してくれるのよ!!」ガミガミ

メタ「建造と言ってもだな…戦艦クラスとなると消費する資材が…」

山城「確かに私も分かるわよ、だから大規模作戦の後はあまり言わなかったけど…もうあれからだいぶ経つし資材も余裕あるわよね?」

メタ「…そうだが今は特に戦艦には困ってな」

山城「だったら間宮でぷよぷよなんてやってないで早く建造しなさいよ!!」

メタ「…今ぷよぷよが良いとこr」

ムンズ

山城「四の五の言わずにサッサとしてきなさい!!」ブオン

メタ「ドワァァァァ!?」ビュウン

バリィン!!










ガシャァァァァン!!

ウワー!!ナンダー!!ドウシター!!テイトクガコウショウニツッコンデキター!!

秋月「」

山城「全く…私が言わないとやるつもり無かったわね…アレ…」

間宮「窓が…」

響「それより自分は建造に立ち会わなくて良いのかい?」

山城「…私が立ち会うと来てくれない気がするのよね…」

響「…あぁ…うん…」

山城「…はぁ…」

秋月「…ぷよぷよ…します?」

聞いた話だが、なんでも、しっとりしているらしい

あ、後たまにボールに変装するのが得意なんだっけ

>>897
君とはいい酒が呑めそうだがここで他の人のネタを使うのはNGだZOY

更新しますぞ

メタ「…くっ」ムクリ

明石「大丈夫ですか提督?」

メタ「あ、あぁ…」

夕張「どうしたんです、急に突っ込んできたりして」

メタ「山城に早く扶桑を建造してくれとせがまれた…」

明石「あぁ、前から言ってましたね…」

メタ「…二人は何してたんだ?」

提督が顔を上げると油などで汚れた作業着を着ている二人が目に入る

夕張「メカクラッコの整備を少々…」

明石「二代目演習用ヘビーロブスターの最終整備を少々…」

メタ「二人共休みだろう…」

夕張「好きでやってるので…」

明石「てへへ…」

メタ「…まぁいい、ついでといってはなんだが建造に立ち会ってくれないか」

明石「あれ、本当に建造してあげるんです?」

メタ「約束してしまったからな…」

明石「いいですよ、立ち会います」

メタ「助かる」スタッ

明石「いえいえ」ポフッ

夕張「私も気になるから見に行こっ」

山城「…」カチカチッ

島風「…よっ…」カチカチッ

響「…」カチカチッ

秋月「…むっ…」カチカチッ

間宮「はい、アイスどうぞ」

山城「ありがとう、そこに置いといてくれる?」カチカチッ

間宮「はいはい」コトッ

島風「…」カチカチッ

島風「…勝てた人がアイス食べるって事でどう…」カチカチッ

響「異議なし」カチカチッ

秋月「異議なし」カチカチッ

山城「はぁ!?ちょっと、私がたのn」

響「よそ見はダメだよ」カチカチッ

山城「えっ」

\バタンキュー…/

山城「」





島風「アイスうまうま」モグモグ

山城「不幸だわ…」ズーン

響「まぁまぁ」ポンポン

秋月「もっかいしません?もっかい」

山城「間宮さん…アイスもう一個お願い………いや、やっぱりパフェで」

間宮「分かりました~」

山城「…はぁ、やっぱり私は不幸だわ…」

響「やけに落ち込んでるね」

島風「アイス1個ぐらい良いじゃん」モグモグ

山城「…はぁぁぁ…この分だと多分建造も駄目ね…」

響「結果を聞く前からそんなに落ち込まなくても…」

山城「いや、駄目だわ、パフェ賭けても良いわよ」

響「なんでそんなに自信あるのさ…」

秋月「ねぇ、もっかいしません?」

ドタドタドタ……

島風「ん?」モグモグ

バンッ

夕張「っ…はぁ…はぁ…」ゼェゼェ

島風「どしたの、そんなに慌てて」モグモグ

夕張「け…建造が…終わったの…」ゼェゼェ

山城「そんなに急いで来なくて良かったのに」

夕張「で…でも…」ゼェゼェ

山城「で?誰?どうせお姉様じゃないんでしょ」

夕張「そ、それが…ふ…」

山城「…ふ?」

夕張「扶桑…」

山城「」ヒュッ

バリィン!!

山城「」スタッ

山城「お姉様ぁぁぁあぁぁぁぁ!!」ズドドドド…

間宮「…窓が…」

響「パフェ貰っていいかいー」

\良いわよぉぉぉ…/

響「やった」





山城「…………………………」

山城「」ガクガク

山城「…………何よこれ」

山城「」ガクガク

明石「…いやぁ…珍しい事もあるものですよねぇ…」

山城「」ガクガク

メタ「懐かしいな」

山城「」ビクッ

山城「………なんで…」

山城「なんで私がもう一人居るのよ!!」

山城2「に、人形が喋ってる…」ガクガク

夕張「ゼェ…ゼェ…山城さん…は、速い…」ヘトヘト

山城「ちょっと夕張!!どういう事よ!!扶桑お姉様じゃないじゃない!!」

夕張「や、山城さんが…さ、最後まで聞かないから…」ゼェゼェ

山城「最後までって何よ」

夕張「私は『扶桑"型"二番艦の山城さんが来た』って言うつもりで…」 

山城「紛らわしいっ!!」ウガー

山城「…はぁ……」チラッ

山城2「不幸だわ…不幸だわ…」ガクガク

山城「………」

山城「…私最初こんなに怖がってた?」

夕張「怖がってた」

明石「怖がってましたね」

メタ「そっくりそのままだな」

山城「…えぇ…嘘ぉ…」

山城2「あぅぅ…お姉様ぁ…」ガクガク

山城「ちょっと!!貴方なに怖がってるのよ!こんな奴の何処が怖いのよ!」

メタ(こんな奴…)

山城2「何って…」チラッ

メタ「…」

山城2「…存在して動いてるのが怖い…」ガクガク

明石「そこまでいきますか…」

夕張「提督さん…どんまい」ポンポン

メタ「やめろ」

珍しく土曜に更新しますぞよ

山城「こんな球体生物なんとも無いでしょうが!!」

メタ「…」

山城2「だから怖いのよ!!なんで貴方は怖くないのよ!!ボール玉が歩いて動くのよ!?変な仮面着けてるのよ!?」

メタ「………」

山城「それがどうしたのよ!?所詮チビボール玉よ!?」

メタ「………………」

山城2「嫌っ!!生理的に嫌よっ!!仮面の下とか絶対想像したくないっ!!」

メタ「……………………………」

山城「仮面の下なんてどうs」

明石「ストーップ!!ストップストップ!!提督泣いちゃうから!!提督傷付いてるから!!」

山城「…あ…ご、ごめんなさい言い過ぎたわ」

メタ「……………………………気にするな」

夕張(これは重症だわ…)

山城2「私は謝らないから」

山城「…あーもう…不幸だわ…どうするのよ…この状況…」

山城2「…近代化改修して…この鎮守府には居たくないし…それでいいでしょ…」

夕張「まぁ…それが妥当よねぇ…」

メタ「…近代化改修…?」

明石「あぁ、提督は近代化改修初めてでしたね」

山城「簡単に言えば融合よ融合」

メタ「…ふむ?」

明石「艦娘には近代化改修と言う機能がありまして、自分の力を他者へ引き継げるんです」

メタ「ほう」

夕張「その場合引き継げさせる側はエネルギーの塊となって引き継ぐ側に吸収されるんですよ」

メタ「…ふむ」

明石「だからと言って"死ぬ"とはまた別です、エネルギーと化した艦娘は吸収された艦娘の中で1つとなって生き続けます」

明石「なので近代化改修した後少し性格が変わってしまったりする事もあるらしいですけど…まぁ、滅多におきません、もしなったとしても暫くしたら直ります、身体に馴染むのに少し時間がかかったりするんでしょうね」

メタ「なるほどな…」

メタ「…少し躊躇してしまうな…」

夕張「…提督さん…」

明石「…まぁ、本人がそう希望しているんです、そう思い詰めないでください」

明石「それに一つの鎮守府に山城さんが二人いるのは…」

山城2「そうよ、気にしないで」

メタ「しかしだな…」

山城2「じゃあね」

ポゥッ

メタ「なっ…!?」

山城2は短く別れを告げると赤、青、オレンジ、黄色の発光体に姿を変える

ヒュッ

その後素早く山城の体へと吸い寄せられていき山城2がいた場所には何もなくなってしまう

メタ「…こうなるのか…」

山城「…」グッグッ

山城は自分の身体に異変がないかと動かしてみる

山城「…少し強くなった気がする…」グッグッ

明石「問題無さそうですね、やはり同じ"山城"だから馴染みやすかったんでしょう」

メタ「…」

山城「…そんなに気にしないでよ」

山城「一体化したから分かったけど本当に貴方が嫌で近代化改修したっぽいわよ」

山城「それにさっきも聞いたでしょうけど死ぬわけじゃないの、そんなに気に留めないで、こっちが気になるから」

メタ「あぁ…分かったよ」

山城「あとね」ズイッ

山城「は、や、く、扶桑お姉様を建造してよね!!」

メタ「わ、わかった、なるべく早くする…」

山城「全く…もう…急いで来たからパフェ食べ損なったわ」

山城「…」

山城「ちょっと」

メタ「なんだ」

山城「貴方が建造失敗したんだから間宮でパフェぐらい奢りなさいよ、ほら」ムンズ

メタ「む…」プラーン

山城「じゃあね二人共」バイバイ

夕張「またね」バイバイ

明石「程々にね」バイバイ

テクテク…

マッタクマギラワシイッタラナイワ……シカタナイダロウ……ウルサイ、アナタガウンガナイノヨ、ワタシノセイジャナイ……イヤ、シカシダナ……

夕張「……」

明石「……」

夕張「仲いいよね、あの二人」

明石「そうね」




そうして日常は過ぎていく

これにてこのスレでの本編更新は終わり、お疲れ様でした

切り良く本編が終わったので残りレスで小ネタを書くか迷い中………

取り敢えず本編に散りばめてた小ネタを紹介していきましょうか

>>654
チェックポイントミニゲーム

『タッチ!カービィ』のサブゲーム『ペイントパニック』より

>>681
トロッコの一連

『タッチ!カービィ』のサブゲーム『トロッコチェイス』より

>>724
メタ『ヘビーロブスターには難易度設定があってな…『よわい』『ふつう』『つよい』『めちゃつよ』の4パターンがある、普段は『ふつう』なんだが…ふむ、おそらく『つよい』に変更されてるな』?

『カービィ64』のミニゲームの難易度設定より

>>749
モニターにはトロッコに乗ってるビスマルクとその真横に失敗ペンギンを乗せたトロッコが並走していた?

『タッチ!カービィ』のサブゲーム『トロッコチェイス』より

>>764
夕張「メカクラッコよ!!」

『星のカービィ 参上! ドロッチェ団』のBOSS『メカクラッコ』より

>>800
『カワサキホットスペシャル味』

『アニメカービィ』の29話をみるZOY!!

>>859
壁床天井は薄紫なレンガで出来ており鉄製のオリが備えてあった?

『アニメカービィ』より

>>879
夕張「夢の中で私が大きなグルグル眼鏡を掛けたネズミになってたんですよ」

『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』のドロッチェ団の一人『ドク』より

>>874
提督が操作板を弄ると何処からともなく機械アームが出てきて夕張を囲む?

夕張「アァァァァアァ!!マッテマッテ!!」?

メタ「…」ピポパポ、ジャーン!!?

『アニメカービィ』の39話を見るといいZOY!!ガハハハ!!

>>882
秋月「パズルゲームすると時々口調変わるのはなんでですか?」?

『カービィのきらきらきっず』より

>>883
山城「だったら間宮でぷよぷよなんてやってないで早く建造しなさいよ!!」?

『Kirby's Avalanche』より

~真夜中の間宮屋~

夜遅く、いつも通り間宮は片付けや掃除などをしていた

コツコツコツ……

ガラガラガラ…

間宮「…あ、今夜も来ましたか」

メタ「いつもすまないな…」

戸が開く音に間宮が振り返るとそこには申し訳なさそうに提督が立っていた

間宮「構いませんよ、こちらへどうぞ」

間宮はそう言いながら微笑み、カウンター席を示す

メタ「悪いな…」スタッ

間宮「どうぞ、お水です」

提督は席に座ると水を一口飲み深い溜め息をする

メタ「……ふぅ……」コトッ

間宮「いつもので?」

メタ「あぁ…頼む…」

間宮「分かりました」

カチャカチャ…

間宮は提督から注文を受けると慣れた手つきで料理を作っていく

間宮「今日も夜遅くまでお仕事してたんですか?」カチャカチャ

メタ「………」

間宮「手伝ってもらえば良いのにその為の秘書艦じゃないんですか?」

メタ「…なるべく彼女達には負担をかけさせたくない」

間宮「彼女達は、そうは思ってないですよ」

メタ「…」

間宮「もう少し甘えたらどうですか?」

メタ「…考えておく」

間宮「そうですか………はい、どうぞ」コトッ

間宮「『提督がこっそり夜な夜な食べてるパフェ』でございます」ニヤリ

間宮がニヤリと微笑むと提督の前に少しリッチそうなパフェが置かれる

メタ「変な名前をつけないでくれ…」

提督は文句を言いつつもスプーンを手に取る

間宮「ちゃんと立派なうちの隠し裏メニューですよ」

提督は腑に落ちなさそうにしつつも一口食べる

メタ「…うまい」

間宮「それは良かったです」ニコッ

メタ「相変わらずこのパフェはうまい……そして…」

メタ「懐かしい感覚がする…」

そう言う提督の目は少し悲しげだった

埋めついでに、このスレでの艦娘設定を書きます、はい




艦娘、唯一深海棲艦に対抗できる人類の『生物兵器』である




『生物兵器』と言っても見た目は完璧に普通の女であり、少女から成人女性まで色々な姿をしている





彼女達は通常時で既に成人男性をゆうに超える身体能力をしているが『艤装』を付けることにより真価を発揮する



『艤装』を付けることで身体能力が何倍にもなり海上を自由に移動できるようになる、さらに『艤装』と『装備』を連携させることにより軍艦の如く主砲などの武器を操る事ができるのだ






彼女らは『妖精』達の力により誕生する




『妖精』




一部の人間にしかめにすることができず、深海棲艦を嫌う謎の生命体





彼女達『艦娘』は多くの種類が存在し、一つの種類で複数存在する場合もある




例えるなら一つの鎮守府に『吹雪』という種類がいて、さらにその隣の鎮守府にも『吹雪』が存在するのだ




彼女達は姿や声はそっくりだが性格には少し差があり生まれて時間が経つほどに差がでる




あと、分かんないとこや気になるトコあったら書き込んでくれたら(多分)書きます

珍しく早朝更新、ゆっくり少しづつ更新するかもかもかもかもです

那珂「そうそう、そこが私の鎮守府だったの」

メタ(だから那珂は艤装も付けてなかったのか……)

メタ「…しかし、あそこの鎮守府の艦娘は全員無事他の鎮守府への異動手続きは全員完了したと聞いたが…」

那珂「那珂ちゃんは除いてねー…」

メタ「何故だ?」

那珂「そりゃ那珂ちゃんがその事件の原因だから」

メタ「!?」

那珂「まぁ…色々あってね…」ウツムキ

メタ「………そうだったのか」

那珂「そんな那珂ちゃんを引き取ってくれる鎮守府なんて一つもなくてさ」

那珂「だから、海軍の公式アイドルしながら資金集めてんの」

メタ「………」

那珂「それで……お金貯めて……またあの鎮守府を立て直すんだ!素敵でしょ?」

メタ「那珂」

那珂「ん?何?」

メタ「君さえ良ければその夢が叶うまで」

メタ「私の鎮守府に来ないか」

あ、間違えた……上げてごめんなさい…

春雨

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月29日 (木) 11:13:43   ID: eN6-szO1

毎回更新を楽しみにしております

2 :  SS好きの774さん   2015年11月12日 (木) 08:33:33   ID: iEPC7DkR

艦娘に俺つえーされても萎えるだけだと思うけど

3 :  SS好きの774さん   2015年12月29日 (火) 00:48:56   ID: H50b_Gzn

個人的に木曾自殺へんじゃなくて、木曾自殺未遂の方がしっくりする

4 :  SS好きの774さん   2016年03月15日 (火) 22:08:39   ID: RkOqkZye

この次出てくるのわかったけど言わない

5 :  SS好きの774さん   2016年07月01日 (金) 23:31:29   ID: s2VC0yvv

次早くして欲しいです

6 :  SS好きの774さん   2016年07月13日 (水) 22:19:56   ID: 6vw2fKNn

元スレ見ればわかるけど>>1がリアル忙しいから更新は8月中旬になるかもだっさ

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