八幡「雪ノ下の雪女コスプレを普通に褒めてみた」 (42)

千葉村 肝試し前



八幡「雪女の衣装似合ってるな」


雪乃「あら、ありがとう。あなたの目の腐り方もハリウッド級よ」


八幡「ほっとけ。つーかお前無駄に和服似合うな」


雪乃「無駄は余計よ……まあ確かに昔からこういった服を着る機会はあったから、それなりに着付けや作法は心得ているつもりよ」


八幡(心得てるならさっきの悪口はなんだよ)


八幡「つか作法とかじゃなく俺は単純な感想を言ったまでだが、似合ってるって」


雪乃「へっ!?」




雪乃「………そ……そう………//」



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八幡「なんだよ今の声……」


雪乃「き、気にしないでちょうだい。それよりちょっと待っててもらえるかしら?」


八幡「は?なんで」


ササーッ


八幡(行っちまった…)





雪乃「比企谷くん、これはどうかしら?」


八幡「ちょ……ちょっと待て雪ノ下、その格好はなんだ!?」


雪乃「あなた『振袖』も知らないの?日本人として恥ずかしくないのかしら」


八幡(それくらい知っとるわ。ゲイシャ・ハラキリ・フリソデ・フジヤマ、ジャパニーズニンジャクールダネ!!もうこれ日本人しゃねえな)



八幡「いやそれは分かってるが、てか肝試しと関係ないだろ、それ」


雪乃「一応……ろくろ首の衣装という扱いになっているのだけれど……」


八幡「いやろくろ首とか首伸ばしてなんぼだろ。それだとただ振袖着た人じゃねえか。怖さの欠片もないな」



雪乃「そうよね……いえ今はそういうことではなくて……そう、参考までに感想を聞いておきたいわ」


八幡「いや今言っただろ、怖くないって…………あー……まあ普通にいいと思うぞ。」

八幡「お前みたいにかわいいやつなら和装だろうが何だろうが大抵似合うだろ」


雪乃「……………あ、ありがとう……」



雪乃「その……とても参考になったわ。あなたでもたまには役に立つこともあるのね。見直したわ」


八幡「褒めるの下手過ぎないですか? お前上司とかに向いてないタイプだな」


雪乃「褒めるだけでは成長しないでしょう。悪い部分を指摘するのも上司の務めよ」


八幡(ならその胸の成長の無さは褒めすぎたせいなんですかね、経験則ですかね)




八幡「はいはい……んでお前いつまでその格好でいんの?」


雪乃「そうね……万一汚したら悪いし、すぐに着替えるわ」


八幡「どうせなら白粉(おしろい)でもやったらどうだ。顔白くすりゃ色々隠れて都合いいだろ。厳顔とか仏頂面とか」


雪乃「……」ギロッ 


八幡(怖っ!……なんちゅう目つきだよ……誰だ怖くないなんて言ったやつは……)





八幡(はあ……怖かった……戸塚に会って癒されたい……)


戸塚「はちまーん!」


八幡(……どうやら想いが通じたらしい)

八幡(偶然ではない。そう、これは必然)

八幡(運命ではない。きっと、これは天命)

八幡(天は二物を与えず、か……俺には二物どころか一つも与えられなかった……)


八幡(しかし俺は……たったひとつの契りを交わしたんだ……)


八幡(……戸塚を愛するということを!!)


戸塚「……はちまん?どうしたの?」


八幡「……ああ!いや、なんでもない。気にするな」


八幡(妄想は用法・用量を守って正しくふけりましょう!)


八幡「で、どしたのこの格好、医者か?」


戸塚「うん、でもどうしてこんな衣装あるのかな?」


八幡「まあ、廃病院の設定ならあってもおかしくはないな。ここ、キャンプ場だけど」


戸塚「はは……なんでもありなんだね……そうだ!はちまんのこと診察してあげるよ!この聴診器、ほんものみたいなんだ」


八幡「なにっ!いいのか?」


八幡(本当に……いいのか……そんなマニアックなプレイ。オプションで触診もお願いします。)


八幡(……ああ、ドキドキが聞こえる。自分で心音が分かるくらいだ……………俺、聴診器なんてしてたっけ?)ヌギヌギ


戸塚「えっ!……は、はちまん……べつに脱がなくてもいいのに……//」


八幡「あ、ま、まあそうだよな!心音くらい服の上からでも聞こえるよな!ほら、俺リアル志向だし!つい!」


戸塚「もう……//……じゃあ、始めるよ」


八幡「……ああ、頼む」




戸塚「悪いところはどこかなー?」


八幡(戸塚の前で脱ぐなんて……母ちゃん……俺、悪い子になっちゃったみたい……)


戸塚「わ!はちまんの心臓すごい速いね!すっごいドキドキ言ってる!」


八幡「そ、そうか?」ドキドキ


八幡(まいったな、それは、キミのせいさ……)


戸塚「え!?すごい!お腹のほうまでドキドキ聞こえるよ!」


八幡(ああ、それは、いくつあっても、足りないと、思って、用意した、キミに捧げる、心臓【ハート】さ)




八幡(ふぅ……素晴らしい時間だった……ん?あの見慣れたお団子は……)


結衣「あ、ヒッキー!どう?似合う?」


八幡「由比ヶ浜か、なにその格好。修業僧?お寺の小僧?ああ、一休さんか」


結衣「違うし!これは『こまめ洗い』ってやつだよ」


八幡「……それって『あずき洗い』のことか?」




結衣「……えっ!そうなの!?だって小さい豆って書いてあったし……」


八幡「いやそれあずきって読むから。こまめ洗いってなんだよ。ただの綺麗好きじゃねえか。つーか小豆洗いなら小道具に小豆ついてんだろ」


結衣「え、これのこと?これ小豆だったんだ!」


八幡「お前知らなかったのかよ……」


結衣「し、しってるし!お手玉とかに入ってるやつでしょ!見たことあるもん!……あれってビーズじゃなかったんだ……」


八幡(お手玉に使われてることは知ってたのか……)


結衣「そんなことよかさ………どうかな?……」


八幡「どうって……てか小豆洗いって男じゃなかったか?……あー……でも確か地方によっては女もいたな」


結衣「へーそーなん?よかった男の子専用かと思った……」


八幡「確か呼び名は『小豆ばばあ』だったな」



結衣「……サイッテー!!女の子にばばあとか!」


八幡「いやお前に言った訳じゃねえから!……おい!小豆投げるな!かわいそうだろ……小豆ちゃんが」


結衣「なんであずきの心配してるし!?……もう!着替えてくる!」





雪乃「比企谷くん。今度はどうかしら?」


八幡「お次は魔女の衣装か……つーかなに?コスプレ大会でもやってんの?」


雪乃「いいじゃない、こんな機会なかなかないのだし、経験しておくのも悪くないわ」


八幡(にしてもやりすぎでは?……もっと、こう……日本人的恥じらいや奥ゆかしさをだな……)


八幡「まあ別に勝手だが……つかお前そういうのも着るんだな、意外だわ。フツーに似合ってるし」


雪乃「そう……ありがとう。お礼にあなたに魔法をかけてあげるわ」


八幡「いやいらんて……」


雪乃「目の腐りを癒やす魔法でいいかしら?」


八幡(なんでこいつこんなノリノリなの?)



八幡「悪いな、この目には魔力をキャンセルする術式が組み込まれてるんだ」


雪乃「……そうよね、その目はもう一生モノなのよね、現実は厳しいものね……」


八幡「おい、急に素に戻るなよ!私に、魔法をかけて!魔女ノ下さん!」


雪乃「なにかしらその雑なあだ名は……それと、魔女ではなく『魔法使い』と呼んでほしいのだれど」


八幡(……いや雪ノ下はどちらかと言うと『魔女』だよなあ……『魔女狩り』とか『魔女裁判』とかのワードが似合うし。でもこいつの場合、狩るのも裁くのも雪ノ下がやりそうなんですが、なぜですか?)



雪乃「魔女と言われるとどうしても白雪姫のような童話に登場する悪役を連想してしまうのよ」


八幡「あー……ああいう魔女って殺意バリバリだもんなあ。」


八幡「いや待て、なにもそう悲嘆することはないぞ……世の中には『おジャ魔女どれみ』というものがあってだな……」



雪乃「なぜかしら……比企谷くんがその言葉を発すること自体に嫌悪感を覚えるわ……」


八幡「おいおい、あまりどれみちゃんのことディスると……ああディスられてんのは俺か。よかった」


雪乃「一体何がよかったのかしら……」



八幡「ああそうだ、ジブリ映画でも有名なのあるだろ『魔女の宅急便』が」


雪乃「ジブリ作品はほとんど観ないし、詳しくないのよ。」


八幡「おいおいなんてことだ………なら金曜夜9時は何して過ごしてるんだよ……」


雪乃「別に毎週ジブリ作品という訳ではないでしょう……確かに頻度は異常だけれど……」



八幡「また近いうちにジブリ祭りやるんだろうなあ……『魔女の宅急便』くらい観てみたらどうだ?」


雪乃「そうね……ちなみにその魔女はどういったキャラクターなのかしら?」


八幡「どうって……ああ、別に悪役ではないぞ、箒で空飛んでる魔法使い……というか魔法少女?みたいなもんだ」


雪乃「なるほど……こんな感じかしら」ヒョイ


八幡「あ、ああそんな感じ」


八幡(なんで本当に箒跨がってんの?つかこいつほんとノリノリだよな……)




八幡「ああ、あとジジもいたな」


雪乃「なにかしら、それは」


八幡「主人公の相棒の黒猫だよ。」


雪乃「猫!?……そう……猫……」


雪乃「魔法使いの衣装……箒……あとは……猫さえいれば……完璧ね……」


八幡(なに言ってんのこの人……)




八幡「おいまさか雪ノ下、さすがに猫は用意できないからな!」


雪乃「まあ本物は無理でしょうね。でもここまできたらやはり……比企谷くん、小町さんはどこにいるのかしら」


八幡「は?小町?……」


八幡(……!そういやあいつ化け猫のコスプレしてたな……)





八幡「こ、小町ならもう肝試しの会場に向かったんじゃないか?」


雪乃「それもそうね……そろそろいい時間だものね……」


八幡(ふぅ……危ない……なぜだか、今のこいつを他の奴に見せてはいけない気がする……)



雪乃「なら……仕方ないわ……」


雪乃「比企谷くんお願い、私のネコに……いえ、私の相棒になってちょうだい」


八幡「は!?ちょ……待て!落ち着け!落ち着いて下さい!」

八幡(……俺がネコになるのも相棒になるのも……相手は戸塚って決めてるんです!)



雪乃「……ごめんなさい……少し焦ってしまったわ……まずは形から入らないと駄目よね。ネコの衣装、男性用もあるかしら?」


八幡「いや待て!あっても着ないから、ネコにならないから!」



雪乃「……」ジーッ


八幡(なんだよその目は……)


雪乃「……」ジーッ


八幡(雪ノ下が相棒になりたそうにこちらを見ている……つーか見過ぎだろ。目で語るとかやめていただきたい。ほら、キャラかぶってるし。【拳で語る女・平塚静】とか。)


雪乃「待っててちょうだい、あなたにぴったりの衣装を探してくるわ」


八幡「お、おう……」


八幡(……今のうちに逃げるか……)





おわり

とりあえず終わりです

おまけのネタも考えていますが、書きためてないので投稿するかわかりません


ありがとうございました



結衣「うーん……」クイックイッ


八幡(あの鏡の前でポーズを取ってるのは由比ヶ浜か)


小町「おにーぃちゃーん!!☆」ダキッ


八幡「うおっ!……んだ小町か……どしたのその格好は。化けネコ?」


小町「どっからどー見てもかわいいネコだよー♪ほらほらネコミミとしっぽも付いてるよ!」


八幡「ああふつうに猫ね、かわいいかわいい」


小町「ほーらニャンニャン♪国民のペットだよー♪」シッポフリフリ


八幡(おいやめろ「国民の妹」みたいに言うな!それだとなんか「国家の犬」的な意味合いになっちゃうだろ)


結衣「わ、小町ちゃん!それカッワイー!」


小町「ありがとうございまーす!ほらほらお兄ちゃんももっと褒めてよ」ジー


八幡「(面倒くせぇ…)あーカマクラと同じくらい可愛いよ」


結衣「それ褒めてるの!!?」

小町「まったくこの捻デレさんは……」ムー


八幡(超褒めてんだろ!何を着ようが小町の可愛さは不変だからな。むしろカマクラを褒めてるまである。あ、小町褒めてなくね?これ)



結衣「…その……わたしのはどう…かな……」モジモシ


小町「おー!結衣さんのは小悪魔系ですねー!なかなかお似合いですよー!!」


結衣「ありがと!………ヒッキーは……どう?……」


八幡(小悪魔系衣装か、なんちゅう露出度だよこれ……肌見せすぎ胸元開きすぎ……)

八幡「まあ…似合ってるんじゃないか……」


結衣「へへ……//…ありがと……//」


小町「おおー!お兄ちゃんにしては珍しく素直!」


八幡(そういうのいいから!……早く!早く由比ヶ浜をどっか連れてって!)

あと静ちゃんも考えてあるので、かけ終えたら明後日あたり投下します

ありがとうございました

すみません


ちょっとまだ今日は投稿できそうにないので
また近いうちにします


とりあえず一旦HTMLします


失礼しました

すみません

ちょっとまだ投稿できそうにないので
とりあえず一旦HTMLします



失礼しました

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