女「グッドエンドなんかいらない!」(32)


ラスボス「フハハハハ! お前達の力はこんなものか!!」

女「…強すぎるわ…………」…ガクッ

幼なじみ「………勝て……ないの……?」…フラフラ

義妹「……………………………」シーン

同級生「……い、義妹ちゃん………」…ズリズリ

男「……まだだ! まだやれる!!」ググッ!


ラスボス「そんなにボロボロのお前達に何ができる!」クククッ

男「お前に勝てる! 勝ってみせる!!」グッ!

女「………男…」

幼なじみ「………男ちゃん……」

義妹「………お…兄……ちゃ……」

同級生「男くん………………」


男「だからみんな!力を貸してくれ!!」バッ!

ラスボス「ハハハ! 最後の一撃くらい受けてやろう!」ニヤニヤ

男「ハァァーーーー!!」カチャ!

女「男! 私の力を………!」ポウッ

幼なじみ「男ちゃん…………!」ポウッ

義妹「お兄ちゃん…………」ポウッ

同級生「………男くん!」ポウッ


男「みんなの力、確かに受け取った!!」

ラスボス「な、なんだこの力は…!」ビクッ

男「ラスボス! これで最後だ!!」ダダダダダッ

男「くらえーー!!!」ズバッ!!

ラスボス「ギャーーーーッ!!!」グハッ…


男「はぁ、はぁ、はぁ………」ガクッ…

ラスボス「……くっ………これまでか………」ハァハァ…

ラスボス「だが……… これで…終わったと…… 思うな…よ……」…ガクッ

男「………その時は、何度でも止めてみせるさ」ハァハァ…

ラスボス「………………………………」


女「…………勝てたの?…」…フラフラ

幼なじみ「……男ちゃん……」ググッ

義妹「お兄ちゃん…………」グッ

同級生「みんな… 私が回復を!」ポウ

男「勝てたんだ…… 俺達が勝ったんだ!!」ウオー!!

男「みんな、帰ろう! 俺達の街に!!」

女・幼なじみ・義妹・同級生「はい!!!」


~~一週間後

――学校の屋上

義妹「お兄ちゃ~ん、来たよ~!」

幼なじみ「どうしたの、男ちゃん? こんなところに呼び出して…」

女「……私もそこまで暇じゃないのよね」

男「ごめんごめん。 大事な話があってさ」


男「………あとは同級生さんだけか…」キョロキョロ

同級生「遅れてごめんなさい! 生徒会の用事があったもので……」…ハァハァ

義妹「同級生さん遅ーい!」

幼なじみ「まあまあ、義妹ちゃん。 ドウドウ」

義妹「幼なじみさんひどーい! 私は獣じゃ無いです~」プンプン


女「それで男、話って何?」

義妹「…………無視された………」…ショボン

幼なじみ「義妹ちゃん… よしよし」ナデナデ

同級生「……………………」オロオロ

男「今日ここに集まってもらったのは、最終決戦前の告白の答えを言うためだよ…」

女・幼なじみ・義妹・同級生(ドキッ!!)


女「そ、そう… 答えを出したんだ……」

幼なじみ「お、男ちゃんが出した答えなら… 何でも受け入れるよ……」

義妹「…お兄ちゃん………」

同級生「…男くん…………」

男「まずは、こんな俺を好きになってくれてありがとう!!」ペコリ

女・幼なじみ・義妹・同級生「…………///」ポッ


男「……女…」

女「はい」

男「ごめん… お前の気持ちには答えられない…」

男「女のことは、相棒としか思えないんだ…… スマン」ペコリ

女「そ、そう…」ウルッ


男「……幼なじみ……」

幼なじみ「はい」

男「ごめん… お前の気持ちにも答えられない……」

男「お前とは兄妹同然に育ってきたよな… だから、恋愛感情は持てなかったよ… スマン」ペコリ

幼なじみ「………うん……」…グスッ


男「……義妹……」

義妹「は、はい」

男「ごめん、お前の気持ちにも答えられない……」

男「やっぱり義妹のことは家族としか思えないんだ… だからこれからも家族として仲良くやろう… ゴメンな」ペコリ

義妹「お、お兄ちゃ~ん」ウェ~ン


男「……同級生さん!」

同級生「はい!」

男「貴女に、ずっと前から憧れていました!」

男「こんな俺で良かったら付き合ってください。 お願いします!」ペコリ

同級生「男くん…… はい///」…ポロポロ

男「同級生さん!」


同級生「これからは、同級生って呼んでください…」…ギュッ

男「………はい///」ギュッ!

女「お、おめでとう! 良かったわね、二人とも」ウルウル

幼なじみ「おめでとう! 同級生さん、男ちゃんの事よろしくお願いします!」ペコリ

同級生「は、はい///」

男「お前は俺の母親か!」アハハハ

義妹「お、おめでとうございます… 幸せになってね、お兄ちゃん……」グスグス…


男「みんなありがとう! これからはずっと同級生を守り抜いていくよ!」ギュッ!……チュッ

同級生「んっ!…………お、男くん///」カアッ///

男「これが誓いのキスだよ。 幸せになろう、同級生!」

同級生「はい///」


~グッドエンド~


~~一ヶ月後

義妹「学校終わった~ …んーっ!」ノビー!

義妹「さーて、夕飯の材料でも買って帰ろう…」テクテク


女「ふうっ… やっとバイトが終わったわね」…コキコキ

女「家に帰ってゆっくりしましょう」テクテク

義妹「あれっ?」

女「えっ?」


義妹「女さん! お久しぶりです!」キャッキャッ

女「……義妹ちゃん? 久しぶりね…」ニコッ

義妹「はい!……あの屋上以来ですね…」

女「………そうだったわね…」

義妹「……………………………………」ウツムキ


女「…………今、時間あるかしら?」

義妹「えっ?」

女「そこのお店にでも入らない? みんなの近況も知りたいしね…」

義妹「いいですね。 入りましょう」ニコニコ

女「行きましょう」テクテク

義妹「はい」テクテク


――喫茶店

~ガチャ! カランコロン~♪

店員「いらっしゃいませ~ 何名様でしょうか?」

女「……二人よ」

義妹「どうも~」

店員「かしこまりました。 御席までご案内いたします」スタスタ


女「ふうっ… やっと落ち着いたわね」ヤレヤレ

義妹「そうですね~ 久しぶりに女さんとも会えましたし」ニコニコ

女「義妹ちゃんは元気にしてた?」

義妹「はい! 女さんもお元気そうですね」ニコニコ

女「ええ、なんとかね… お、男も元気?」オドオド

義妹「……元気です…… 同級生さんと仲良くやってますよ……」ハァ…

女「そう… それは良かった……」ハァ…


女「幼なじみさんは元気?」

義妹「幼なじみさんは転校して遠くに行っちゃいました……」ウツムキ

女「……転校?」

義妹「はい。 父親の仕事の都合って言ってましたけど… 多分、幼なじみさんの能力で…」

女「そうね… 幼なじみさんの力は精神感応系だったわね」

義妹「だから、自分の意志で引っ越していったみたいです。 向こうで引きこもってるみたいですし……」

女「……………………………………」


義妹「………… 女さんはなにをされてるんですか?」

女「私は何もしてないわ… 生活費を稼ぐ為にアルバイトをしてるくらいね」

義妹「アルバイト……」

女「ええ、稼がないと食べていけないからね。 学歴が無いからできる仕事もアルバイトくらいだし…」

義妹「学校…行ってないんですか?」オソルオソル

女「行ってないわ… ラスボスを追いかけるのに精一杯だったしね……」

義妹「……そうだったんですか」


女「両親の仇だったからそれを討ったあとの事なんて考えてもなかったわね…」

義妹「……………………………」

女「仇を討ち終わったら幸せになれると思ってたけど… うまくいかないものね……」…フゥ

義妹「それは、お兄ちゃんの……」


女「忘れられないわ… あんなに私を理解してくれた人はいなかった……」

義妹「一緒に過去のトラウマを乗り越えてくれました……」

女「両親の思い出に縛られてた私を解き放ってくれた……」

義妹「早く家族に馴染めるように色々してくれました……」

女・義妹「そして一緒に両親の仇を討ってくれた……」

女「ウフフフフ…」

義妹「アハハハハ…」

女・義妹「……ハァ」


女「………一緒に住んでて辛くない?」

義妹「………正直辛いです」ウツムキ

義妹「でも、お兄ちゃんの前では元気に振る舞わないといけませんし……」…ウルッ

女「……辛いわね……貴女も……」

義妹「でも、お兄ちゃんが選んだことですし……」

女「そうね…… もう終わった事よね……」


義妹「はい… だから私は義妹になるんです。 お兄ちゃんを悲しませたくはないから……」ウツムキ

女「………強いわね……」

義妹「空元気ですよ… お兄ちゃんの為ですから…」

女「それが強さよ… 貴女のね……」

義妹「そうですかね……… あっ! もうこんな時間!」アセアセ


女「長々と引き止めてしまったわね。 ごめんなさい」

義妹「そんなことないです! 久しぶりに女さんとお話しできて良かったです」

女「ありがとう。 お礼にここは奢らせてもらうわ」ニコッ

義妹「で、でも…」オロオロ

女「ここは年長者の顔を立ててもらうわよ。 ……早く家に帰らないといけないんでしょ」ニコニコ

義妹「はい! ありがとうございます! では、これで」ペコリ

女「気をつけて帰りなさいね」フリフリ

義妹「はい!」タッ…


~ガチャ! カランコロン~♪

店員「ありがとうございました~」

女「義妹ちゃんも大変ね……」

女「……男…」


――兄妹の家

~ガチャ

義妹「ただいま~! お兄ちゃ~ん帰ってる?」テクテク

男「おかえり~ 遅かったな」ヨッ

同級生「おかえりなさい お邪魔してます」ペコリ

義妹「同級生さん… いらっしゃい」ニコッ


同級生「義妹ちゃんも帰ってきたことだし、今日はそろそろ帰るね」スクッ

男「おう、そうか… 途中まで送るよ」

同級生「ありがとう男くん。 じゃあよろしくね」

男「ああ、行こうか」

義妹「さようなら同級生さん。 気をつけて帰ってくださいね」ニコニコ

同級生「お邪魔しました~」ペコリ


男「じゃあ行こうか。 義妹、ちょっと行ってくるな」

義妹「は~い」

~…ガチャ

義妹「……ふぅ… お兄ちゃん……」

義妹「夕飯作らなくちゃ…」トボトボ

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