ダウンタウンは裸の王様? 関係者「すごい、天才だ」 視聴者「つまらない」 (12)

いま「ガキ使」が問題になっている。
特に年末の「絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時!」が問題になっているようだ。
私は視聴者側だけでなく、広告主側、テレビ局広告営業側、テレビ局製作側まで、いろいろな人から意見を聞いたり、仕事を進めたりしている。

その中で、違和感を覚えているのは「ガキ使」に出演しているダウンタウンへの評価だ。

ダウンタウンは本当に面白かった時期がある。ただ、それは昔のことで、視聴者を始め、テレビ局関係者以外の人間から聞いても「面白くない」ということばかりが聞こえてくる。

一方でテレビ局の製作関係者と話をすると、ダウンタウンはすごい、松本人志さんは天才だという話をよく聞く。

たしかに以前は凄かったと思うし、それゆえに今のポジションになっているのは事実だ。
しかし、テレビ局関係者以外、面白くなくなっているダウンタウンをテレビ局関係者は過大評価しているように思えてならないのだ。

もちろん、好みは人それぞれなので、好き嫌いについてとやかく言うつもりはない。
問題は、芸能界のトップの一角になったダウンタウンに対するテレビ製作側の態度だ。

私が問題と思うのは次の2点だ。

1)製作側と視聴者との間に感覚の乖離があるからこそ、テレビがつまらないのではないか。
2)ダウンタウンにモノを言えない状況が、つまらなさを悪化させているのではないか。

まず1)について述べたい。
テレビは視聴者あってのものだ。BPOというのは、基本的には視聴者からの意見があって、初めて検討して、決定を下す機関だ。
つまらないだけであれば、個人の好みの問題だが、内容に問題があると視聴者が感じ、BPOという機関が検討して下される決定は無視されるべき意見ではない。
つまらないだけでなく、内容がおかしいものに対して、そう思えない製作側の感覚でテレビ番組を作られても、つまらない番組、おかしな番組ばかりになるのは当然の成り行きだ。

次に2)について。
松本人志さんは最近映画監督もしている。
その作品は大々的な宣伝プロモーションを行っているにも関わらず大ゴケしている。
一作だけでなく、携わる作品は基本的にコケている。
もちろん箔をつけるために、作品が大人気であるかのような宣伝手法は取るのだが、映画館はガラガラだ。
松本監督は、自分で自信を持って作ったのだろうから、自信を持ち続けるのは良いだろう。

ただ製作者や関係者が、松本人志の独特の世界は素晴らしいとか、映画自体が画期的だと言って過度に持ち上げるのはいかがなものだろうか。
テレビ局にとって、吉本興業はジャニーズと同じく大事な芸能事務所だ。
吉本の芸人がテレビに出てくれなくなったら、番組を製作するのに大変なことも増えるのは目に見えている。
だからこそ、吉本の看板であるダウンタウンを否定することは難しいのだ。
ただ、こうしたテレビ局側の姿勢が、ダウンタウンを裸の王様にしているのだ。

番組製作側の中には、視聴者に寄るつもりはなくわかる人にだけわかってもらえれば良いと発言しているスタッフもいる。
製作としてこだわりを持つことはとても大事なことだ。しかし、度を過ぎてしまえば、ひとりよがりになる危険性もある。

今のテレビ製作側は、視聴者のことを本当にわかろうとしていない、つまり本当に面白いものを突き詰めようとせず、単にひとりよがりになってしまったように思える。
それがダウンタウンを裸の王様にしてしまっているように思えてならない。
視聴者、テレビ局、ダウンタウン本人にとっても、状況を悪化させ続けている原因がここにある。

http://news.livedoor.com/article/detail/8528347/

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom