少年「神様に祈りましょう」(130)



少年「ボクが、勇者に選ばれたんですか?」
少年「ボクが、勇者に選ばれたんですか?」 - SSまとめ速報
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の続き。


飽きるまで続けます




  夜 レンガの橋の上



少年「ねぇ、どうしたのオジサン? 川へ飛び込んで死にそうな顔してるけど?」

夫「んっ? ああ……」チラッ


夫「二年ほど、出稼ぎに行ってたんだがね」

夫「久し振りに家へ戻ったら、妻が知らん男と抱き合ってて……それで、逃げて来たんだ」



夫「妻を驚かそうと裏口から自宅へと近付いたら、中から知らぬ男の声が聞こえて」

夫「窓から覗き込んで見ると、妻と男が抱き合ってた……」


夫(ただ抱き合っていただけだが、そんなもんは時間の問題だ!!)ギリッ

夫(クソっ、俺は何の為に働いて……こんな大金を手にしたって、意味が無いんだよ!!)



夫(妻とは幼馴染みで、大恋愛の末に結ばれて、愛を散々育んで)

夫(自分達は、世界で最も愛し合ってる夫婦だとも思っていたのに、今はもう空っぽだ……)


夫(ははっ。一杯なのは、朝袋の中に詰まってる、紙幣だけか)

少年「……」



少年「そう……なら、オジサンも浮気しちゃえばいいよ」

夫「俺みたいな冴えない男と、寝てくれる者などおらんさ」


少年「ボクは? サービスするよ? たぶん、奥さんより上手だし」クスッ

夫「えっ!?」



少年「……」

夫「っ……」ゴクリ


夫「そ、そうだなっ。もう、どうせ」

少年「待って」



夫「なんだ、料金の交渉か? 大丈夫、金なら」

少年「違うよ」フルフル


少年「もう一度だけ、考えて……」

少年「奥さんは本当に、好きでその人と抱き合ってたのかな?」



夫「は……」

夫「百聞は一見に如かずどころかな? 白か黒かで答えを出すなら、100人居て99人が黒と答えを出す現場だぞ?」


少年「ボクがオジサンに話し掛けたように、お金が目的だったって事も有るんじゃないですか?」

少年「出稼ぎに行ってる間、生活が苦しくて、悩んで、悩んで、仕方なくそうしてたとしても、それでも奥さんを許せませんか?」



夫「……」

少年「白か黒かで答えを出して、100人居て99人が黒と答えた時、オジサンも黒って答えてるんですか?」


少年「他の99人を敵に回しても、白って、言い切れませんか?」

夫「奥さんを信じれませんか? 白になって守れませんか? 愛せませんか?」

>>6
×夫「奥さんを信じれませんか? 白になって守れませんか? 愛せませんか?」
○少年「奥さんを信じれませんか? 白になって守れませんか? 愛せませんか?」

少年のセリフが夫になってた…



夫「っ!?」ビクッ

夫「……」


夫「……」

夫「……」



少年「もう、疲れたなら……」

少年「その体だけ、癒してあげれますけど?」ギュッ


少年「ボクも仕事なんで、オジサンにはボクと浮気して貰った方が助かります」

仕事「どうしますか?」

>>8
×仕事「どうしますか?」
○少年「どうしますか?」

何か間違い多いから休憩



夫「……」

夫「いや、すまない」ニコリ


夫「飛び出して来たからな。帰って、話し合ってみるよ。これ、少ないけど受け取ってくれ」スッ

少年「こんなに、いいんですか?」チラッ



夫「ああ、君に受け取って欲しい」コクリ

少年「そうですか……」


少年「では、屈んでください」

夫「えっ? えっと、こうかな?」



少年「んっ……」チュッ

夫「んんっ!?」ビクッ


少年「……」

夫「……」



少年「ん、はぁっ……」

少年「貴方に、勇者の加護が有らん事を」ニコリ


夫「っ、勇気を、ありがとう!! 行って来るっ!!」タタッ

少年「あっ、しばらくこの街に居るんで、奥さんと駄目になったらここへどうぞー」フリフリ





 ── カジノと信仰の街 ──


 街の中央に海へと続く川が流れ、その上に架かる長い橋が、大都市で在る街の東西を繋いでいる。

 街の東側は、世界中から人を集める有名なカジノ都市で、工業などが盛んである。

 街の西側は農村地帯だが、世界中から信者を集める大神殿があり、そこには太陽神アポロンの像が奉られている。




第二話

少年「神様に祈りましょう」




  カジノの街 高級宿の一室



少年「おにぃちゃんは変態ですね? 妹におちんちん踏まれて感じちゃうんですか?」フミフミッ

教師「うぅっ……」ビクッ ビクッ


少年「ふふっ。汚い声……何ですか? イクんですか?」グリグリ スリスリ

少年「足の裏で弄ばれて、もっと汚いザーメン出しちゃうんですか?」スリスリ スリスリッ



教師「ぐおおっ、まっ、待ってくれ!!」

少年「……」ピタッ


教師「やっぱり、君のペニスをしゃぶらせてくれないか?」

少年「はぁ? 呆れますね……さっきまで妹の演技させてたのに、何ですソレ? ホモですか?」



教師「ちっ、違うんだ!! 嫁も居る!! だが君を見ていたら、何故かこう……」

教師「とにかく頼むよ!! カジノで買ったから、お金なら幾らでも有る!!」


少年「……」

少年「まぁ、お金を払ってくれるなら……ベッドに寝てるんで、好きにどうぞ」ボフッ



教師「本当かっ!?」

少年「あっ、オプション料金は要らないので、二つお願いしてもいいですか?」


教師「ああっ、何でも言ってくれ!!」

少年「本、貸してください。終わるまで読んでます。それと……」




 後日 カジノ内 モンスター闘技場




 次試合 オッズ表

・ぐんたいアリ 3.6倍
・ぐんたいガニ 2.4倍
・メタルスライム 1.5倍
・スライム 34.7倍




少年「……」

少年「あの」


店員「はいっ、次試合の予想は決まりました?」ニコリ

少年「そうですね。勝ち魔物投票券、スライムで……10万G分ください」



店員「え゙っ!? あ、ははっ、凄いギャンブラーですね? 確かに、当たれば大きいですよ」

店員「こちらが10万G分のスライム投票券です。どうぞ」スッ


店員「東西南北の各ゲートにモンスターがスタンバイしていますので、声援を掛けて上げてください」ニコリ

少年「そうですね」



少年「……」タッ

少年(魔法を使うのは、一匹だけ)


少年(まずはマホトーン。他のにはボミオスとルカナン。スライムにはスカラとピオリムとバイキルト。後は、えっと……)

少年(まぁ、客席から補助魔法を掛けちゃ駄目なんて注意書き無いし、ね)クスッ



少年「これで、しばらくは高い宿で眠れそうだなぁ」

少年「……」


黒服「ほらっ、暴れるなっ!!」グイッ

僧侶「放しなさいっ、この下朗!!」ジタバタ



僧侶「そ、そこのお方、お助けください!!」

少年「……」


黒服「なんだ、知り合いか? なら、立て替えて貰っても」チラッ

少年「いえ、全く知らないので立て替えもしません」



僧侶「たった10万Gなんですっ!! 貸してください!!」

少年「……」


黒服「早くしろっ、奥の部屋へ来るんだ!!」グイッ

僧侶「くっ、こうなれば仕方ありません……」キッ



黒服「おっ、何だ?」ギロッ

僧侶「貴方を倒してでも、逃げさせて頂きます!!」


黒服「まさかコイツ、こんな所で魔法をっ!?」ビクッ

僧侶「ふふっ、貴方がイケないのですよ? 真空魔法、バ……」



少年「マホトーン」

僧侶「ギ……」


少年「……」

僧侶「へっ?」チラッ



少年「ボミオス、ボミオス、ボミオス……」

僧侶「くんっ!? 体がっ、重いっ!!?」バタッ


少年「ふぅっ。うるさいんで、連れてって貰えますか?」

黒服「あ、ああっ。ありがとう、助かったよ」コクリ



僧侶「ぐっ、ぎぎっ……」ピクピクッ

僧侶「貴方の顔は、覚えましたよ?」


少年「……」

僧侶「わたくしは、偉大なる太陽神アポロンの使い、僧侶」



僧侶「わたくしを助けぬので有れば、必ずや貴方に天罰が下るでしょう」ニヤリ

少年「……」


少年「神様なんていません」ボソッ

少年「それにもう、お姉さんの将来は決まったんです」



僧侶「決まった?」

少年「はい」


少年「依存症になるまで薬を射たれて風俗に沈められ」

少年「死ぬまで男の股ぐらに顔をうずめる人生ですね……って言うか、カジノの裏側も分からずにギャンブルしてたんですか?」クスッ



僧侶「っ……たす、けて」ブルブル

少年「助けません」ニコリ


僧侶「お願いっ、しますっ……」

少年「どうぞ、太陽神アポロン様に助けを求めてください」



少年「そんなのが、この世に居ればね……」

僧侶「うあああああああああああ!!!」


黒服「手間を掛けさせやがって、来いっ!!」グイッ

僧侶「神よ!! わたくしは貴方に使える僧侶です!! どうか、お助けください!! アポロン様ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ズルズル



少年「……」

少年「はぁ、うるさかった」


少年「……」

少年「もうっ!!」タタッ

おやすみ




 カジノ オーナールーム



オーナー「薬なんぞ使わんよ。うちはクリーンなイメージで売ってるカジノなんだ」

僧侶「そっ、そうでしたか……はぁぁっ。助かりました」


オーナー「いや、風俗には落ちて貰うがね?」

僧侶「へっ?」



オーナー「君は胸や尻が大きいし、ルックスもいいから、人気になれるだろう。早ければ20日ほどで返済できるな」

僧侶「おっ、お待ちください!! それ以外の方法は無いのでしょうか!?」アセアセ


オーナー「破産者の待遇は決まって居てね。男は炭坑。女は風俗……」

オーナー「だいたい君、入り口のカウンターで、自身を担保に入れて賭け金を借りたろ? その時にしっかりと説明が有って、納得して借りたはずだ」



オーナー「破産して、返済能力が無い場合の処遇も、何度も、念入りに、聞かされたね?」

僧侶「っ……」ビクッ


オーナー「それに君、西側の神殿で働いてるだろ? 確かそこは、カジノでのギャンブルは禁止じゃなかったか?」

僧侶「……」



オーナー「こちらとしては神殿に掛け合って、代わりに返済を迫っても良いんだよ?」

僧侶「ど、どうかそれだけはっ!! 破門されてしまいます!!」


オーナー「じゃあ、賭ける金も無いのに、何故ギャンブルをしたんだ!?」

僧侶「それはっ、ノルマが足りず……」ボソッ



オーナー「ノルマ?」

僧侶「……」



 ガチャッ

少年「すみません。耳いいんで、聞こえました」

僧侶「貴方はっ!!」



オーナー「君の知り合いかね?」

オーナー「もしかして、代わりに返済でもしてくれるのかな?」


少年「……」

少年「そうですね」



少年(試合が始まる前で、チケットが払い戻せて良かった)

少年「どうぞ。きっちり10万Gです」ドサッ


僧侶「や、やはり神様が助けてくれました!! 日頃の信仰をお見捨てにならなかったのです!!」ニコリ

少年「あの、助けたのはボクなんですけど?」



僧侶「太陽神アポロンが、わたくしを救う為に貴方を行動させたのです!!」

僧侶「この奇跡こそが、神が存在すると言う証明!!」


少年「……」

少年「救えない……」ボソッ

のんけだけどこの少年がタイプ

あれ?



少年「ボクは、勇者です」

僧侶「貴方が……勇者様!?」ビクッ


少年「この街には、色々と悪い噂が立ってました」

少年「そしてそれは、東側……つまり、カジノの方だと思ってフラフラしてたんですが、どうやら違ったみたいですね」チラッ



オーナー「……」

オーナー「自分を担保に金を貸すのもな、救済措置だ」


オーナー「生活に困った者へチャンスを与え、失敗しても仕事先を与えて衣住食の面倒を見る」

オーナー「無論、仕事はキツいが、キツい仕事を経験すれば、ギャンブルにハマる事も少ない」



少年「……」

少年「みたいですね」


僧侶「神がわたくしの前に差し向けたのが勇者様とは、まさに奇跡……」

少年「ヤメてください」



僧侶「……」

僧侶「はい?」


少年「勘違いは」

少年「ヤメてください」



少年「ボクは、貴女を救った訳じゃ有りません」

少年「貴女を、買い取ったんです」


少年「構いませんよね?」チラッ

オーナー「金は返済して貰った。神殿に着く女なんて、余計なトラブルを招き兼ねんからな、好きにしてくれ」



少年「ありがとうございます」

少年「では……」


僧侶「くっ」

僧侶「わたくしに、何をさせるつもりなのです!!」キッ



少年「情報を」

僧侶「情報?」


少年「西側の情報を、知る限り全てボクに教えてください」

僧侶「っ!? アポロン様を裏切る事はできません!!」



少年「……」

僧侶「……」


僧侶「そ、そうです!! わたくしが、勇者様のお供を致します!!」

少年「はぁ」



僧侶「魔王を討伐する為に、旅していらっしゃるのですよね?」

僧侶「で、あれば、わたくしの回復魔法が、必ずやお役に立つはず!!」ニヤリ


少年「ボクの、仲間になりたいんですか?」

僧侶「はい」コクリ



少年「では、テストしましょう」

僧侶「テスト、でしょうか?」


少年「ボクが窮地に陥った時、自分の命を捨てても、ボクを助けてくれますか?」

僧侶「太陽神アポロンの名に誓い、必ずお助け致します!!」



少年「……」

少年「ボクは、裏切られたくないんです」


少年「だから、貴女が本当に命を預けられる仲間になれるのか、ボクを裏切らないのか」

少年「とても、過酷な。とっても過酷な……テストをします」



少年「それでも、いいですか?」

僧侶「はい!! どんな試練でも、立ち向かう覚悟は出来ております!!」コクリ


少年「……」

少年「分かりました」



僧侶「やった」グッ

少年「……」


少年「貴女は魔法に抗体が有りそうなので、念入りにしておきましょう」

僧侶「へっ?」



少年「ボクの目を、見つめてください」ジィーッ

僧侶「はい、こうでしょうか?」ジィーッ




少年「……」

少年「ラリホー」

>>34←ここにホモが居るぞ!!殺せ!!


※※注意書きする程でも無いと思うけど、次から僧侶がちょびっとだけ酷い事をされます※※




 カジノの街 高級宿の一室



僧侶「……」

僧侶(なんでしょう? 頭が、ボーッとして)パチッ


僧侶「……」

僧侶(どこかの天井が見えます。それに、体が気持ちい……)



少年「あ、起きたようですね?」

僧侶「っ!? 勇者様!?」ガバッ


僧侶「痛っ!!?」ビクンッ

勇者「動けないですよ? 手首と足首は、それぞれベッドの脚とロープで結ばせて貰いました」




少年「胸も隠せませんし、広げた足も閉じれませんよ」

僧侶「くっ……」プルンッ


僧侶「……」

僧侶「お待ちください!! わたくしも貴方も、裸ではないですかっ!!」



少年「そうですね」

僧侶「どうして、このような事を!?」


少年「もうすぐ、ここに男性が来ます。僧侶さんには、その人とセックスして貰おうかなと」

僧侶「っ……なるほど、それが、テストなのですね?」ゴクリ



少年「……」

僧侶「……」


僧侶「承知、致しました」

少年「そうですか」



僧侶(試して、いらっしゃるのですね? わたくしが見知らぬ男に犯されても、弱音を吐かないかどうか……)

僧侶(処女を失うのは激痛を伴うと申しますが、ですがっ!! それで、この生活から抜け出せるので有ればっ)ギリッ


少年「……」

少年「僧侶さん……」



少年「……」

少年「……」


少年「神様に祈りましょう」ニコリ

僧侶「はい?」



少年「助かりたいと」

少年「神様に祈りましょう」


僧侶「どう言う……」

少年「来る予定の男性が、ここへ来れなければ、何もせず僧侶さんを解放します。ボクの仲間にします」



僧侶「意味が……」

少年「その男が突然、雷に打たれて死ぬ」


僧侶「……」

少年「突然、重い疫病に掛かって死ぬ」



僧侶「……」

少年「突然、馬車に轢かれて死ぬ。通り魔に刺されて死ぬ」


少年「ほらっ、可能性はたくさん有るじゃないですか?」

少年「だから、諦めず……神様に祈りましょう」



少年「もう一度、奇跡を起こしてください」クスッ

僧侶「わたくしの信仰を……果ては神を、アポロン様を、馬鹿にしているのですか貴方は!!」キッ


少年「……」

僧侶「……」



少年「ボクも、昔は神様に祈ってたんですよ?」

僧侶「そう、なのですか?」


少年「はい。ボク、捨て子でして……」

少年「拾った男も、とんでもない大悪党でした」



少年「僧侶さんは、風俗へ落ちる事を拒みましたが」

少年「ボクはもっと酷い所で、薬を射たれながら働いていました」


僧侶「っ……」

僧侶「で、ですがっ、今はこうして立派な勇者におなりではないですか!? それこそが神の奇跡では?」



少年「その頃は、毎日、毎日。神様に助けてって祈ってましたけどね……」クスッ

少年「次の日には、ブタみたいな男とセックスしました」


少年「その次の日には、ブタみたいな女とセックスしました」

少年「ブタともセックスしました。家畜のブタです。ブタの精処理をしました。知ってますか? ブタの性器って……」



僧侶「聞きたく有りませんっ!!!」

少年「……」


僧侶「うぅっ……」ブルブル

僧侶「……」



僧侶「助かった……でも、その生活から抜け出せた!!」

僧侶「それが奇跡なんです!! 神への祈りが届いたんです!!」


少年「……」

少年「ボクを拾った悪党は、元賢者の戦士で、とてつもなく強かった」



少年「自警団みたいな人達が居たみたいなんですがね……」

少年「国も、自警団も、何もしてくれなかった。悪党だと知っていても、何もせず見逃してました」


僧侶「雷です!! 疫病です!! 馬車に轢かれ、通り魔に刺されて死んだ!!」

僧侶「だから勇者様は助かった!! そうですよね?」



少年「……」

少年「いいえ」フルフル


少年「そんな奇跡は、一度も起きませんでした」

僧侶「ならば、どうやって助かったと言うのですか?」




少年「そうですね」

僧侶「……」


少年「ある時、ふと気付いたんです」

僧侶「何に、でしょうか?」



少年「もしかして」

少年「ボクは、コイツより強いんじゃないかって」


僧侶「なっ……」

少年「きっとその頃から、勇者の素質が有ったんでしょうね」



少年「普通に戦って」

少年「普通に、殺しました……」


少年「自分の力で、未来を切り開いたんです」

少年「それとも、人を殺す事が、神の奇跡ですか?」



僧侶「それは……」

少年「……」



 トントンッ

教師「失礼します」ガチャッ

少年「どうやら僧侶さんの祈りも、神様へは届かなかったようですね……」チラッ



少年「どうも」ペコリ

教師「連れて来たぞ? ほら、入れ……」


僧侶「連れて、来た?」

浮浪者「おうおう、急かすなよ。あの姉ちゃんとヤればいいんだろ?」ニヤニヤ



僧侶「っ!?」ゾワッ

少年「そうですね」


教師「俺は隣の部屋で待機してるから、終わったら呼んでくれ」ペコリ

少年「はい、お願いします」



浮浪者「ひひっ」タッ タッ

僧侶「嘘、ですよね?」ブルブル


浮浪者「お嬢ちゃん、取り敢えずしゃぶってくれや」ボロンッ

僧侶「イヤっ、臭いっ!!」



少年「彼女が寝てる間に濡らして置きましたので、そのまま挿れちゃってください」

浮浪者「そうかい? なら……」


浮浪者「チンポをあてがってと」グイッ

僧侶「っ……」フルフルフルフル



浮浪者「そんなに首を振ってイヤイヤしたって、誰も助けに来ないぜ?」

僧侶(神様っ、神様っ、神様っ!!)


浮浪者「この綺麗なマンコも、今日で見納めだな」ニヤニヤ

僧侶「ひっ!? 勇者様ぁ、助けて、くださいまし」ウルウル



僧侶「たすけ……」

浮浪者「オラぁっ!!」ズブズブッ


僧侶「い゙ぎっ!? っ、ぃっ、痛いぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」ビクンッ

僧侶「ゔわあああああああああ!! ああっ、あああああああああ!!!」ポロポロッ



浮浪者「こりゃいい塩梅だ!! 腰が勝手に動きやがるぜ!!」ズチュッ ズチュッ

僧侶「ぐうぅっ、んっ、ぐっ……っ、この下朗がっ、下朗がぁっ!!」ギリッ


少年「……」

僧侶(ですが、これで勇者様の仲間に……)



少年「あ」

少年「言い忘れてました」





少年「その人、ヤバい病気いっぱい持ってるんで」クスッ

僧侶「はっ?」



浮浪者「お嬢ちゃん、悪いけどな? お嬢ちゃんの子宮、『おしゃか』にさせて貰うぜ?」パンパンパンパンッ

僧侶「んんっ!? イヤぁっ……んっ、あっ、あうっ、あんっ!!」プルンッ


浮浪者「俺がナカ出ししたら、すぐにマンコがボロボロになるからな? ガキも産めなくなるぞ? まぁ、最後のセックスを楽しんでくれや!!」パンパンパンパンッ

僧侶「イヤぁっ!! 赤ちゃん、っ、産みたい……んんっ」



僧侶「んっ、ゆうしゃ、さまぁっ……何でも言う事を聞きますっ!! 何でも喋ります!!」

僧侶「ですからぁ、助けてくださいぃぃ!!」ポロポロッ


少年「……」

少年「救えない……」ボソッ



少年「ボクの仲間になったとして……」

少年「貴女は敵に捕まった時も、そうやって言うんですか?」


少年「何でも喋るんですか? 何でもするんですか?」

少年「ボクを……裏切るんですか?」



少年「とっても過酷なテストをするって、言いましたよね?」

少年「テストは、不合格です……」


少年「どうぞ、そのままナカに出しちゃってください」チラッ

浮浪者「よっしゃ!! 一発目が上がって来たぜ!!」ニヤリ



僧侶「ゆうしゃさまぁ、ゆうしゃさまぁ……」

僧侶「ゆうしゃさまぁぁぁぁぁっ!!!」ポロポロッ


浮浪者「お嬢ちゃんの子宮に種付けすんぞぉ!!」パンパンパンパンッ

浮浪者「受け取れぇッ!!!」ビュルビュルビュルッ



僧侶「ひぐっっ!!?」ビクンッ

僧侶「イヤぁぁぁぁぁぁぁぁァァッ!!!」


僧侶「あっ、ああっ……」ガクッ

少年「……」




 しばらく後 同所 シャワールーム



少年「……」ゴシゴシ

少年「ふぅ、綺麗になった」


僧侶「ん……」ピクッ

僧侶「あれっ、勇者、様?」パチッ



少年「目、覚めました?」

僧侶「はい……」


僧侶「体を、洗ってくれていたのでしょうか?」

少年「そうですね」



僧侶「勇者様?」

少年「はい」


僧侶「わたくしを、殺してくださいまし……」

少年「何故ですか?」



僧侶「なぜ? くっ……白々しい!! 貴方のせいでわたくしの体はっ!!」キッ

少年「なってません」


僧侶「へっ?」ピタッ

少年「あの人、病気なんかじゃないですよ? 最初に来た人の友人で、わざと汚い格好をして貰ったんです」



僧侶「……」

僧侶「うぅっ……」チョロチョロッ


少年「お漏らしですか? またシャワー、掛けますね?」シャァァッ

僧侶「よかった。よかった……」



少年「……」

少年「僧侶さんは、ボクの仲間になりたいんじゃないですよね?」


僧侶「……」

少年「テストしましたが、命を懸けるような覚悟、無かったですし」



少年「もしかして、今の現状から抜け出したいんじゃないですか?」

僧侶「……」


少年「勇者の仲間になって魔王と戦う……それを、現状から抜け出す為の大義名分にしたいんじゃないですか?」

僧侶「っ……」ピクッ



少年「ボクがブタの相手をしてた頃と同じ。変わりませんよ、このままじゃ?」

僧侶「わたくしはっ……」プルプル


少年「未来を切り開くのは、貴女自身の力です」

少年「貴女はさっき、ボクに殺せと言いました……なら、死んだつもりで、変わりませんか?」ニコリ




 同時刻 信仰の街 大神殿内部



神父「そこですかっ? バギッ!!」バッ

グール「グギャァァァァァッ!!?」ドサァッ


神父「……」

神父「フッ、神罰です」



信者「流石は神父様だ!! 侵入して来たモンスターを一撃でやっつけたぞ!!」

神父「この神殿は、太陽神アポロンと、その代行者で在る私が守ります!!」


神父「みなは何も心配する事は無い。安心して信仰を捧げるのです……」

神父「さぁ、神に祈りなさい」ニヤリ



神父(最近、砂漠から不死属性の魔物がやって来るようになった……)

神父(砂漠の国は何をやっている!? やはりイシスのような女の王は、無能だと言う事か?)


神父「……」

神父(まぁいい、追々と手は打とう。まずは……)チラッ



神父(神殿のシンボルで有る、数十メートルの巨大なアポロン像。古くなり、あちこちにヒビが入っている)

神父(そろそろ、新しく建て替えねばなるまい……)


神父(となれば、また僧侶達の『ノルマ』を上げるか)

神父(金は間に合うだろうが、多いに越した事は無いからな……)ニヤリ

おやすみ




 翌日 高級宿の一室



少年「ほらっ、またイカ臭くなった……ホント、お兄様はド変態ですね? おちんぽを踏まれて気持ちよくなっちゃうなんて」フミフミッ

教師「うぅっ……」ビクッ ビクッ


少年「ふふっ。これから毎日、お兄様の早漏ちんぽを私が管理してあげます♪」グリグリ スリスリ

少年「毎日こうやって、足の裏でゴシゴシ磨いて差し上げますね?」スリスリ スリスリッ



教師「ぐおおっ、まっ、待ってくれ!!」

少年「……」ピタッ


教師「やっぱり、君のペニスを触らせてくれないか?」

少年「はぁ? あの……結局そうなるなら、疲れるんで演技とかさせないでくれませんか? と言うか、やっぱりホモですよね?」



教師「だから違う!! 嫁も居るんだって!! だが君のちんちんなら、何時間でも触っていたいんだ……」

教師「とにかく頼むよ!! まだカジノで勝った泡銭が有る!!」


少年「……」

少年「まぁ、お金を払ってくれるなら……ベッドに寝てるんで、お好きにどうぞ」ボフッ



僧侶「……」

僧侶「あの」ジィーッ


少年「なんですか?」チラッ

僧侶「何を、なさっているのでしょうか?」



少年「お金を稼いでるんですけど?」

僧侶「……」


僧侶「わたくしも、勇者様のようになれるでしょうか?」

少年「同業者が増えると迷惑なんで、ボクみたいにはならないでください」



僧侶「ですが!!」

僧侶「ですがっ……宿代も払えず、勇者様にギャンブルの借金も立て替えて頂きました」ギリッ


僧侶「神に仕える者と言えど、自分の生活すらままならないのです!!」

少年「……」

教師の気持ちは正直わかる



僧侶「勇者様……」

僧侶「わたくしっ、変わりたいです!!」グッ


少年「……」

少年「もう、変わってますよ」



少年「今なら、信仰の街の事を、教えてくれますか?」

僧侶「っ……はい!!」コクリ


少年「あ、時間なので、もう触らないでください。今日は延長も無しです」チラッ

教師「そんなぁ……」サワサワサワサワ




  数十分後 同所



僧侶「大神殿には、世界中から救いを求めた民達が訪れます」

僧侶「そうした信者に対し、我々がアポロンの壺や神の腕輪などを与えるのです」


少年「……」

少年「救いを求めて来た人々に、何の効果も期待できない壺や腕輪を、高額で売り捌くんですね?」



僧侶「そんな言い方はっ!?」ガタッ

僧侶「いえ、そうですね……壺や腕輪は、天から降り注いだ物では無いのです。人の作った、人の道具」


少年「神に祈る事が、悪いとは言いません……」

少年「それを心の拠り所にしている人が居るのも、ボクは知っています」



僧侶「腕輪を与えた時……ありがとう、ありがとうと、泣きながら感謝なさる人も居ました」

僧侶「人を救えたんだと、わたくしも嬉しくなりました。心が暖かくなりました!!」ギュッ


少年「……」

僧侶「ですが、その奥底では分かっていたのです。こんな腕輪なんか、何の意味も無いと」



僧侶「拠り所として与えるならば、それこそ民の事を考え、誰でも手にできる安価で提供するべきだった!!」

僧侶「買った人も、いずれ気付くでしょう……貯金を切り崩してまで買った腕輪は、その実、詐欺紛いに売り付けられた、ただのガラクタだと言う事に」


少年「……」

少年「そうですか」



僧侶「腕輪を買って幸せになった方と」

僧侶「腕輪を買って破産し、不幸になった方……」


僧侶「どちらが、多かったのでしょうね?」

少年「……」



少年「それで、どうして僧侶さんまでお金が無いんですか?」

少年「相当稼いでたように聞こえましたが」


僧侶「……」

僧侶「神に仕える事が喜びだと、それこそが至上の喜びだと、わたくしは思っていました」



僧侶「神に尽くして来た、と言えば聞えは良いですが、単なる世間知らずだったのです」

僧侶「今にして考えればオカシなもの……いつからか神具を売るノルマが課せられ、達成できなければ」


僧侶「毎月、決まった売上金を神父様に納金できなければ、破門されてしまうのです!!」

少年「……」



僧侶「みんな必死でした。必死で売り回りました。そんな、わたくしのような僧侶がたくさん居て」

僧侶「その内、売れなくなって行って……」


少年「……」

少年「それで、ギャンブルに手を出した、と」



僧侶「はい。情けない話ですが……」コクリ

少年「分かりました」


少年「人々を騙し、私腹を肥やすブタが」ボソッ

僧侶「へっ?」





少年「その神父」

少年「ボクが殺すんで」



僧侶「お、お待ちください!!」ビクッ

僧侶「如何に勇者様と言えど、神父様には勝てません!!」



少年「……」

少年「ボク、強いと思いますけど?」


僧侶「神父様は、正しく神の代行者!! わたくしはこの眼で、神父様の魔法がドラゴンを粉微塵にする現場を見ております!!」

僧侶「あれこそ神の力!! 勇者様よりも、恐らく魔王よりも力は上!! 無謀です!!」




少年「……」

少年「はぁっ。救えない」


少年「なら、どうしますか? 何もしませんか? 逃げますか? 諦めますか? 神父よ死ねと、神に祈りますか?」

少年「どうぞ、死ぬまで祈っててください……」



少年「変わったと思ったのは、ボクの勘違いでした」

少年「では……」スタッ


僧侶「ぐっ」ギリッ

僧侶「死んだら、死んだら何にもならないではないですかっ!?」



少年「だったら、変化を恐れ、現状に納得して生きて行くしか無いですね」

僧侶「何故それほど極端なのです貴方はっ!!」キッ


少年「……」

少年「教えたはずですが? 未来を切り開くのは、神の力なんかじゃない。いつだって、自分自身の力です」



僧侶「っ……」

少年「前へ進もうとする、ほんのちょっぴりの、勇気だけです」


僧侶「……」

僧侶「うぅっ、ぐすっ……無理です、わたくしにっ、そんな勇気は」ポロポロッ



少年「……」タッ

少年「僧侶さん、背、高いですね?」


僧侶「へっ?」

少年「屈んで、くれませんか?」



僧侶「こう、でしょうか?」スッ

少年「はい」


少年「んっ……」チュッ

僧侶「んむっ!?」ビクッ



少年「……」

僧侶「んっ、んっ……」チュッ チュ


少年「っ、はぁっ」

少年「貴女に、勇者の加護が有らん事を」ニコリ



僧侶「は、あっ……勇者、様……」

少年「勇者は、勇気の有る者って意味らしいですよ?」


少年「だから貴女だって、勇気が有れば勇者になれます」ニコリ

僧侶「わたくしが……」



少年「それと、ボクからプレゼントなんですが」スッ

僧侶「これは?」パシッ


少年「精霊のナイフ……迷った時、貴女の道を照らしてくれます」

僧侶「勇者様……これで、前へ進む決心が着きました。わたくしが案内致します!! 参りましょうっ!!」

>>81←ここにホモが居るぞ、殺せ!!

もうちょいで終わり。

休憩




  大神殿 巨大なアポロン像の前



神父(世界中の民から金を吸い上げるシンボル……こんな役立たずのデクにすがるとは、愚かな子羊達よ)ニヤリ

神父(専門の解体師に頼む金も惜しいですねぇ。私が魔法で破壊しますか)


僧侶「神父様っ、いらっしゃいますでしょうか!?」ダッ

神父「何事です、騒々しいですよ?」チラッ



僧侶「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

僧侶「ふぅぅっ……」


僧侶「神父様」

神父「……」



僧侶「もう、ヤメてくださいまし」

神父「ノルマは!!」


僧侶「……」

神父「ノルマは、どうしたのですか? 貴女だけ遅れていますよ?」



僧侶「民達から募る寄付だけでも、ここは充分にやって行けます!!」

神父「チッ、愚かなっ……」


神父「僧侶よ、今を以てお前を破門とする!! 神を冒涜する行為、断じて許す訳には行きません!!」ビシッ

僧侶「神は……寄付金の大小で、救う者を選ぶのでしょうか!?」



神父「……」

神父「それ以上の無駄口を叩くなら、命の保証はしませんよ?」ギロッ


僧侶「っ!?」ビクッ

僧侶「分かり、ました……」ブルブル



僧侶「最後に、一言だけ宜しいでしょうか?」

神父「フッ。言ってみなさい」






僧侶「……」

僧侶「ザキ」



神父「ガハッ!?」ビクンッ

僧侶「……」


神父「ぐっ、グオオッ……ふぅっ、ふぅっ、ふぅぅっ」ブルブル

僧侶「あれっ、死なないんだ?」



神父(即死魔法耐性のローブを纏っていなければ、死んでいたっ……)ギリッ

神父「貴様は誰だ!? そんな魔法、私は教えていない!! 僧侶が使える筈はないのだ!!」


僧侶「……」

僧侶「モシャス」



少年「……」スタッ

神父「……」


神父(モシャス、変身魔法か? ぐっ……ザキなどで私を驚かせるとは)ギリッ

神父「見ない顔ですが、貴方は?」



少年「この間、勇者になりました。せっかくなので、困っている街が有れば助けたいなと」

神父「勇者?」


神父(そう言えば、魔王が現れたらしいな。フッ、新たな勇者がコイツ?)

神父(となれば、勇者殺しの噂が立つのはマズいか?)



神父「ここから引きなさい」

少年「……」


神父「力を見せねば、分かりませんか?」

神父「私は神の力を習得しているが、攻撃魔法に特化していてね?」スッ



信者(んっ? 神父様が、アポロン像の前で見知らぬ者と話している)チラッ

信者(あれは……)


神父「……」

神父「バギッ!!!」バッ




 ドゴォォン!!

信者(アポロン像の右足が、微塵に粉砕された!? 神父様が、何故!?)ビクッ

信者「神父様ーーっ!! どうして、アポロン様の像を傷付けるのですかぁぁ!!?」タタッ


神父「むっ?」チラッ

神父(見られていましたか……まぁ良い。この場で釈明するのも面倒だ、予定変更と行こう)



神父「信者ですか、今までご苦労様でした」

信者「えっ?」


神父「ザキ」

信者「ぐうっ!!?」ドサァッ



少年「……」

神父「こうしましょう」


神父「魔王討伐の旅でストレスを溜められた勇者様は、気が狂って信者を殺した……」

神父「私にも襲い掛かって来たが、私の真空魔法に切り刻まれ、返り討ちに合って死んだ」ニヤリ



神父「ここでは、私の言葉が全てです。みな、私を信じるでしょう」

少年「そうですか」


神父「さあ、神に祈りなさい」

神父「私の力は見せました。わかったでしょう? 無駄な抵抗をせず、ただ殺されるのです」



神父「私のバギは、常人のバギクロス並の威力があるのですよ?」

少年「……」


神父(とは、言ったものの……勇者ともなれば、かなりの魔法防御力を有しているかも知れん)

神父(ここはまず、一点に力を集中し、片足の肉を削ぎ落として動きを止めてから、確実に殺すとするか)



神父「……」

少年「……」


神父「貴方は、本当に無抵抗で殺されるつもりですか?」

少年「何もしません。終わってるんで、このままでいいです……」



神父「……」

神父「愚かな……」ニヤリ


神父「神罰です!!」

神父「バギッ!!!」バッ




少年「……」

神父「……」


少年「……」

神父「ん?」



神父(どうした? 何故、勇者が立っていられる!?)

神父(片足の肉を削ぎ落としたんだぞ!? ガクンと体制が崩れる筈だ!!?)


神父「っ……」ガクンッ

神父(そう、このように体制が崩れ……)




神父「ぐあああああああああああああ!!? 足がァァッ!! 私の足がァァァァァッ!!!!!」ドサァッ

少年「……」


神父「ぐぐっ、マホカンタを初めから掛けていたのかっ!? 畜生ォッッ!!!」ギリッ

少年「だから、言ったじゃないですか? 終わってるって」



少年「銅の剣……まぁ、弱い武器なんですが、人の体を刺し貫く事ぐらいなら出来ます」ジャキッ

神父「まっ、待ってくれ!!」


神父(こんな所で私は死ねない!! まだまだ、成すべき野望が有るのだ!!!)

神父「分かった!! 改心する!! 今までの過ちを認め、信者達に謝罪する!!」



少年「……」

神父「自ら出頭し、捌かれて罰も受ける!! 私がバカだったのだ!! だから、助けてくれ勇者よ!! 私に、やり直すチャンスを!!!」


少年「……」

少年「本当ですか?」



神父(来たっ)

神父「ああ、本当だとも!!」コクリ


少年「神様に、太陽神アポロンに誓えますか?」

神父「誓う!! この命を賭ける!!」



少年「……」

少年「分かりました」


神父(後ろを向け勇者!! 貴様が後ろを向いて歩き出した瞬間、バギクロスで息の根を止めてやる!!)

神父(マホカンタの効果はとっくに切れている筈……バギクロスでは、神殿ごと破壊し、僧侶や信者どもも無事ではないだろうが)



神父(知った事か!! 私をここまでコケにしやがって……)

神父(絶対に殺してやるぞ勇者ァァァァァッ!!!)


少年「では……」クルッ

少年「ボクは帰るんで」タッ





神父「……」

神父「はっ……」


神父「ぎゃははははははははは!!!」

神父「これで、お別れですっ!!!」



少年「やっぱり」クルッ

少年「救えないッ!!」ダッ


神父「遅いですねぇ」ニヤリ

神父「死ねい勇者ァッ!! 究極真空魔法、バギクロッ……」バッ





 ドスッッ!!!


神父「っ、うっ、あ……ぐほあッ!!?」ガクッ

神父(なんだ!? 背中から、誰かに刺されっ……)チラッ


僧侶「……」

神父「僧侶!? きぃさぁまぁぁぁぁぁっ!!! 私を、神を裏切るつもりかァァッ!!!」



少年「……」

神父「何をしている僧侶ォッ!! 私を回復しろォッ!!」


僧侶「神父様、貴方の下で働けて、貴方の下で修行できて、わたくしは幸せでした……」

神父「早く刃物を抜いて、回復しろと言っているんだ約たたずが!!」ブルブルッ





 ゴゴゴゴゴッ

少年「この揺れは、地震?」

少年「っ、違う……僧侶さん、早くこっちへ」


僧侶「はいっ!! さよなら、神父様……」タタッ

神父「クソがっ、神の代行者で在る私に歯向かったのだ!! 貴様らには必ず天罰が当たるぞ!? その時を震えて待つがいい!!」




 ゴゴゴゴゴッ

僧侶「勇者様、この揺れは?」

少年「アポロンの像が片足を壊されたんで、倒れるんじゃないですか?」


神父「ひひっ、天罰!! 天罰だぁっ!!!」

神父「てんば……ん? なっ!? まっ、まさか、像が、こっちへ倒れてっ!!?」ビクッ




少年「すみません僧侶さん。神様は、居るみたいですね……」

僧侶「はい?」


少年「大悪党の所へ」

少年「きちんと、天罰は下りました……」クスッ




 数日後 信仰の街 入り口



僧侶「わたくしも、旅に、出ようと思います」

少年「そうですか」


僧侶「勇者様は、東へ……砂漠の国へ行かれるのでしたよね?」

少年「はい」コクリ



僧侶「だからわたくしは、西へ行こうと思います。西へ、西へ」

少年「……」


僧侶「それで……勇者様、お願いがあるのですが?」

少年「なんですかね?」



僧侶「勇者様は東へ進み、わたくしは西へ進む。そうすればきっと、再び合える筈です。そう、信じています!!」ニコリ

少年「……」


僧侶「その時は、わたくしを勇者様の仲間にしてくださいまし!!」

僧侶「必ずや今より何倍も成長し、お役に立てると思います!!」グッ



少年「……」

少年「はい、待っています」ニコリ


僧侶「よかった……」

少年「あ、ところで。神殿は大丈夫なんですか?」



僧侶「何もせず、ただすがる者を神は救ったりしない。未来を切り開こうとする者の、その背中を後押ししてくれる存在だと説いて来ました」

僧侶「これで大丈夫では無いですが、僧侶達は皆、少なからず神父様に反感を覚えていましたし、きっと上手くやり直してくれます」



少年「そうなると、いいですね」

僧侶「はい!!」ニコリ


僧侶「わたくしはそろそろ旅立とうと思うのですが、勇者様は?」

少年「ボクは、もう一日だけ……泊まって行こうと思います」




  その夜 レンガの橋の上



夫「おっ、居た居た。おーい!!」タタッ

少年「ここへ来るのを、待っていました」


夫「ほれっ、お前も挨拶しろ」グイッ

妻「あの、主人がお世話になったようで、ありがとうございます!!」ペコリ



少年「三人でしますか?」

妻「ふぇっ!? わ、私は……この人が、したいなら」ボソッ


夫「ははっ、悪いな。コイツ一筋で居させてくれ」ニコリ

少年「それがいいですね」



夫「本当に、助かった……」ペコリ

少年「貴方達なら、素敵な夫婦になれそうですね」


夫「おうよっ!!」

少年「産まれて来る子供は、愛してあげてください」



妻「はい、大切に育てますっ」コクリ

少年「良かった……」





少年「これから産まれる二人の子供に」

少年「勇者の、祝福が有らん事を……」






 ── カジノと信仰の街 ──


 街の中央に海へと続く川が流れ、その上に架かる長い橋が、大都市で在る街の東西を繋いでいる。

 街の東側は、世界中から人を集める有名なカジノ都市で、工業などが盛んである。

 街の西側は農村地帯で、そこには孤児院としても有名な大きい教会が在り、沢山の子供がそこを育ち、各地で活躍したそうな。



少年「……」

少年「近い。感じる」ピクッ


少年「次か、その次か、その次……」

少年「そこの街に、母親か父親、もしくは両方が居る」



少年「ああ、決まったよ」

少年「二人が一緒に暮らしてて、他に子供を作ってたら……その子供を寝取ろう」


少年「ふふっ。あーあ」

少年「とっても、楽しみだよ……」クスッ



おわり

神父との戦いは要らなかったかも知れない…

もし続きを書く時は、
少年「○○」みたいなスレタイで立て直すか、ここに続き書きますm(__)m



僧侶「こう、でしょうか?」スッ

少年「はい」


少年「んっ……」チュッ

僧侶「んむっ!?」ビクッ



少年「……」

俺「んっ、んっ……」チュッ チュ


少年「っ、はぁっ」

少年「貴女に、勇者の加護が有らん事を」ニコリ

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