兄犬「ハァハァ!」 妹犬「くぅん……」(37)

兄犬「ハァハァ!ハァハァ!」 スリスリ

妹犬「んっ……くぅんくぅん」 

兄犬「ハッハッハッ!」 スリスリ

妹犬「あん……あん……」

兄犬「アウッ」 ペロッ

妹犬「きゃうっ……」

兄犬「グルルルル」 ペロペロペロ

妹犬「あんんーっ!」

兄犬「グルルルル」 ペロペロペロ

妹犬「あんっ!あんっ!あんっ!」

兄犬「ガルゥ」 ガシッ 

妹犬「ん……きゃうん……」 モジ… 

兄犬「ハウッ!ハウッ!」 ギュッ クイクイ

妹犬「んきゅうぅん……」

兄犬「ワンッ!」 グイ!

妹犬「あ……おんっ……」

妹「こらーっ!!」

兄犬・妹犬「アウ?!!!!」

妹「またあんた達はそんなことやろうとしてーっ!」 バン!

兄犬「キャン!」
妹犬「きゅうん……」

妹「兄妹でそんなことしちゃだめっていつも言ってるでしょっ!」

兄犬「クーン」

妹「もうご飯抜きだからねっ!」

妹犬「くぅん」

妹「まったくもー兄妹でイチャイチャイチャイチャ……」

 バタンッ   『ただいまー』

妹「あ」

 ガララッ……

兄「どうした?外まで声聞こえてたぞ」

妹「おかえりなさい。ん……この子達がちょっと」

兄「ちょっと?」

兄「なんだお前ら?何しでかしたんだ?妹怒ってるぞ」 ナデナデ

兄犬「ワンワン」 ピコピコ
妹犬「わんわん」 ピコピコ 

兄「よしよし」 ナデナデ

兄「で、どうしたんだよ?」

妹「それはその」

妹「ちょっと目を離した隙にまた……」

兄「え?」

妹「えっちなことやろうとしてたから……」

兄「あーなんだそんなことか」

妹「そんなことかじゃないよ、ダメなんだからねそういうことさせちゃ」

兄「そうか?別にいいんじゃないの」

妹「よくないよっ!この子達は兄妹なんだよっ」

兄「兄妹だってなあ……こんなに仲良いんだし」 ナデナデ

兄犬「クーン」
妹犬「きゅーん」

妹「兄さんはおかしいよっ、いくら仲良くても兄妹で交尾とかありえないし!」

兄「そうかなあ、大丈夫だと思うけどなあ」

妹「大丈夫じゃないよ!」

兄「本人たち次第だろ、すごく相性良さげだしさ」

妹「じゃあ何?兄さんは私と、その……できるの?」

兄「え?何ができるかって?」

妹「私と交尾……じゃなくて」

妹「セックス……できるのかって聞いてるのっ」

兄「え……いやそんなお前、犬と人間を一緒にされてもさ」

妹「同じことじゃないの、どっちも動物だよ?哺乳類だよ?」

兄「そりゃそうだけどさ」

妹「兄さんは私のことが嫌い?」

兄「別に嫌いじゃないよ」

妹「私と気が合わない?」

兄「いや仲は良い方だし気は合うと思ってるけど……」

妹「じゃあ私とセックスできる?」

兄「それは……出来ないよ」

妹「……だよね」

妹「なら……」

妹「この件に関しては黙ってて」

兄「その話は極端だろうが」

妹「はい私の勝ち」

兄「え?勝ち負けの話なの?」

妹「そもそも兄妹でイチャイチャするのなんておかしいのよ」

兄「そうかなあ?」

妹「ということで、妹犬ちゃんにはお相手を見つけてあげます」

妹犬「あん?」
兄犬「ワウ?」

兄「妹犬にお相手?」

妹「そうよ、この子こんない可愛いんだし探せばすぐに見つかるわ」

妹「よいしょ」 ヒョイ

妹犬「きゅーん」 

兄「マジで?」

妹「本気だから」

兄「兄犬はどうするんだよ」

妹「しばらく放置」

兄「放置かよ」

妹「大体兄犬が一年中発情してるのいが悪いんだから、少し反省したらいいのよ」

兄犬「ハッハッハッ!」 フリフリフリ

兄「お前嬉しそうだけど悪口言われてんだぞ、おい」

妹「妹犬ちゃんに相手が見つかったら考えてあげるから」

妹「それまであんたはそこの柱で腰でも振ってなさいよ」


柱┃兄犬「ハッハッハッ!」 ヘコヘコヘコヘコ

妹「じゃ妹犬ちゃん、早速散歩して逆ナンよ」

妹犬「きゅうん……きゅうん」

妹「ということだから兄さん、ちょっと出てくる」

 ガララッ……

兄「あ、ああ」

兄「なんだよあいつ……ことお前らに関しては厳しいんだよなあ」

兄「……」


柱┃兄犬「ハッハッハッ!」 ヘコヘコヘコヘコ

兄「……おい」

柱┃兄犬「ハッハッハッ!」 ヘコヘコヘコヘコ

兄「妹に彼氏できるんだってよ……」

柱┃兄犬「ハッハッハッ!」 ヘコヘコヘコヘコ

兄「なんかお前かわいそうだな」

柱┃兄犬「ハッハッハッ!」 ヘコヘコヘコヘコ

兄「わかってんの?」

柱┃兄犬「ハッハッハッ!」 ヘコヘコヘコヘコ

兄「あーわかってないなあ」


柱┃兄犬「ハッハッハッ!」 ヘコヘコヘコヘコ

――2時間後

兄「遅いなあいつ」

兄犬「ハッ、ハッ……!」

兄犬「ワウッ!」

兄「ん?」

 ガララッ……

妹「ただいま……」

兄「おう、遅かったな」

妹「はぁ~」 ドスン

妹犬「きゅ~ん」 ペタリ

兄「なんだえらく疲れてんな、どこまで行ってきたんだ?」

妹「目ぼしい公園五つ回ってきた」

兄「五つも?そりゃ疲れるわ」

妹「あーもう、足が棒だよ」

兄「いきなり頑張りすぎだろ、なんか飲むか?」

妹「うん」

兄「何がいい?」

妹「えっとね、甘いのがいい」

兄「甘いのか、じゃあココア淹れてやるわ」

妹「やったー、うんと濃いやつね」

兄「はいよ。牛乳はあったっけ?」

妹「あるよー、冷蔵庫の下の段」

兄「じゃちょっと待ってろ」

兄犬「ワンッ」
妹犬「わんっ」

兄「わかってるって、お前らはもうゴハンの時間だな」

兄「はいどーぞ」 コト

妹「ありがと」

兄「熱いぞ」

妹「うん……へへっ」

兄「なんだよ」

妹「なんにもない……」 ズズッ

妹「熱っ」

兄「ほらだから言ってるだろ、気をつけないと」

妹「えへへっ」

妹「うん美味しいよ」

兄「そっか」

妹「私兄さんの淹れるココア大好きだよ」 ズズッ

兄「そんなの誰が淹れても同じだって」

妹「それが違うんだね」 ズズッ

兄「おーい、お前らも美味しいかーっ」

兄犬「ワンワン」 ピコピコ
妹犬「わんわん」 ピコピコ 

妹「私兄さん……大好きだよ」 ズズッ


兄「こら兄犬は食べ散らかすなよ」

兄犬「ワン?」

妹「……」 ズズッ

兄「んで、どうだったんだ?」

妹「え?」

兄「え?じゃなくて、足を棒にした成果はあったのか?」

妹「あーそれがねえ」

兄「なんだ成果なしか」

妹「何よその嬉しそうな顔は」

兄「いや別にそんな」

妹「全く無いってことも、なかったわよ」

兄「へえ、あったのか」

妹「あったよ……あったんだけどねえ」

兄「なんだよその微妙な感じ」

妹「まずね血統書がないと相手にしてくれないんだよ」

兄「血統書?お前そんな相手狙ってたの?」

妹「そうでもないんだけどさ」

妹「格好いいなって思う犬ってたいてい血統書付きだったりするの」

兄「おいおいそれは高望みしすぎだろ」

妹「だってあんなに可愛い妹犬ちゃんだよ? いい相手見つけてあげたいじゃない」

兄「気持ちはわかるけど、血統書付きは」

妹「うんだからさ血統書にこだわってた訳じゃなくて」

兄「そうなの?」

妹「ただ妹犬ちゃんにふさわしいイケメン犬だったらと」

兄「イケメン犬ね……それであっちこっち探しまわったってわけか」

妹「中にはいたんだよ、イケメン犬」

妹「その飼い主さんも妹犬ちゃんを気に入ってくれて」

妹「お付き合い寸前まで話が進んだんだけど」

兄「けど?」

妹「今度は妹犬ちゃんのほうが怖がって逃げ回っちゃって……破談」

兄「ふうん、でもそれは怖がったんじゃなくて嫌がったんだろ」

妹「なんで嫌がったのかなあ」

兄「妹犬にも好みってもんがあるんだろうからさ」

妹「だってかなりのイケメンだったんだよ」

兄「お前と妹犬とじゃ見てるとこも違うんだろ」

妹「どんなのがタイプなんだろ」

兄「兄犬とか」

妹「あんな駄犬」

兄「ひでえな、あんな事言ってるぞ」

兄犬「バウ?」

妹「とにかく兄犬はダメだからね、何度も言わせないで」

妹「妹と兄が付き合うとか、そんなのありえないよ」

兄「はいはいそうでした、所詮は兄妹いずれは離ればなれ」

妹「……っ」

兄「ん?どした?」

妹「っと! ということで、さ!」

妹「お見合いひとつ決めてきました!」

兄「ほぅ?相手いたの?」

妹「いたよ、ただ……」

兄「ただ?」

妹「兄犬のお見合いなんだけど」

兄「え?」

兄犬「ワゥ?」

兄「え?兄犬の?なんで?」

妹「なんか成り行きで」

兄「成り行き?」

妹「最後の公園で途方に暮れてたら声掛けられたんだよ」

兄「声?お前に?男か?男が声かけやがったのか」

妹「やだなあ、違うよ女の人」

兄「なんだ女か」

妹「かっこ良くて素敵だったけどね」

兄「それはまあどうでもいい」

妹「私がお見合い相手探してるとこ見てたらしくて話しかけてくれたみたい」

妹「それでいろいろ話してさ、初めはそうでもなかったんだけど」

妹「兄犬のこと聞いたら急に乗り気になっちゃって」

兄「へえ、ということはその人はメス犬飼ってるんだな」

妹「そう、それで一度お見合いさせてみようってことになったの」

兄「ふうん、奇特な人がいたもんだな。それでお見合いはいつ?」

妹「明日うち来るって」

兄「うちに?なんでまた?」

妹「私もそう思ったんだけど、家族ぐるみのお付き合いになるからいろいろ見ておきたいんだって」

兄「ええっ、家とか俺とか見られんの?」

妹「まあそうなるね」

兄「マジかよ」

妹「だから兄さん、その時はだらしない恰好してちゃだめだよ」

兄「いや……俺は会わなくてもいいんじゃないか?」

妹「駄目駄目、だって家族構成とか話しちゃったもん」

兄「家族構成っても今は俺とお前の二人だけだろ」

妹「二人だけだから兄さんがちゃんと会って相手に信用してもらわなきゃいけないんでしょ」

兄「そうなの?」

妹「そうなの」

兄「うーん、仕方ないなあ……」

妹「頼んだわよ、兄さん」

兄「ああ、わかったよ」

妹「よし、さあちょっと掃除して小奇麗にしとかなきゃ」

兄「はあ」

妹「ほら兄さんは兄犬のブラッシングしてあげて」

兄「いいよ、あれ?兄犬どこ行った?おーい、こっちコーイ」

  兄犬「ワーン?」

妹「そうそう、相手の女の人ね、ほんとに綺麗な人だから兄さん緊張して変なこと言わないでよ」

兄「へえ、そんなに綺麗なの?」 

妹「凄く素敵な人よ、兄さんびっくりするわよ」

兄「ふうん」

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