(゚、゚トソン神様隠しのようです(289)

 くるりくるりとソレは踊る。 舞台は空の星と地上の星に挟まれた、小さな踊り場。街を俯瞰するダンスホール。そこでソレはくるりと踊る。
「あはは」
 笑い声は歌にくるりくるり。くるくる狂狂舞い踊る。
「はははははは!」
 踊りと歌を空にぶちまける。その笑い声は何処か悲鳴のようだった。



(゚、゚トソン神様隠しのようです


ξ゚⊿゚)ξ「神様隠し、って知ってる?」
 平日の午後。帰りがけによった喫茶店でのティータイムに。都村トソンの向かいに座っているツンが唐突にそう言った。トソンはコーヒーを啜り、それから言う。
(゚、゚トソン「……神様隠し?」
ξ゚⊿゚)ξ「その様子だと知らないみたいね」
(゚、゚トソン「?」
 首を傾げるトソンにツンはスプーンを向ける。

ξ゚⊿゚)ξ「簡単に言うとこの街に古くから伝わる都市伝説よ。紋が現れ山に奉られた神仏が煙のように消える時、この土地に住む神様が人を隠す。ここまでは神隠しと同じ。違うのは――」
 トソンに向けたスプーンをくるりと指先で回転させ、ツンは言った。
ξ゚⊿゚)ξ「隠した人に神様は化ける」

(゚、゚トソン「成る程。要は神隠しの発展系ですか」
 そう言うとツンは頷いた。
ξ゚⊿゚)ξ「まあそんな感じでしょうね」
(゚、゚トソン「……して、その都市伝説が何ですか?」
 トソンの問いにツンは答えず窓の外を見た。窓から見える外の風景には麗らかな日差しの下、車と人が排気ガスと靴音を交差させている。

 やがてツンは窓から目を離し、トソンに顔を向けた。そして問うように言う。
ξ゚⊿゚)ξ「――紋が現れ、神仏が消える……。こんな状況、つい最近眼にしてない?」
(゚、゚トソン「……ああ、そう言う事ですか」
 トソンは思い出す。一昨日のテレビで見た光景を。それは山に奇妙な痕が刻まれ、それと時を同じくして山の頂上の御堂に奉られていた仏像が消えたと言う話。

(゚、゚トソン「紋が現れ、仏像が消える……その伝えと一致してますね」
ξ゚⊿゚)ξ「でしょう? これはつまり神様が人に化けた予兆よ」
(゚、゚トソン「しかし、ただ単に神様隠しの事を知った悪戯好きの子供が変な痕をつけて、仏像を盗んで行ったと言う可能性もあります」
ξー⊿-)ξ「相も変わらず慎重ね、アンタ……」

 ツンは呆れたように呟き、それから気を取り直した風に言う。
ξ゚⊿゚)ξ「ま、その慎重さは悪く無いわ。私もこの都市伝説が本当にあるか半信半疑だもの。でももし本当だったら探してみようと思うの」
(゚、゚トソン「……僕も付き合いましょうか?」
ξ゚⊿゚)ξ「……あら、どうして?」
 問うツンにトソンはきっぱり言った。
(゚、゚トソン「暇なので」
ξ゚⊿゚)ξ「わあお」

 喫茶店を出て二人並んで帰路を歩く。
(゚、゚トソン「そう言えば」
 不意にトソンが言った。
(゚、゚トソン「一つ聞きたい事があります。神様を探し当てると何か貰えるんですか? サイコガンとか小さなメダルとか呪いとか」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ……重要な事言い忘れてたわ。もし、神様を見つける事ができれば――」
 一息。
ξ゚⊿゚)ξ「願いを一つ、叶えてくれるらしいの」

(゚、゚トソン「……ツチノコみたいですね」
 まあ、あちらは貰えるのはお金で、出すのは国でしたか。そう思いながら心に浮上した疑問をトソンは口にした。
(゚、゚トソン「興味が湧いたので聞いてみますが……ツンはもし願うなら、何を願うんですか?」
ξ*゚⊿゚)ξ「え、えっと……」
 頬を赤らめ言いよどむツン。その様子を見てトソンはああ、と頷いた。
(゚ー゚トソン「すいません。考えるまでも無くブーンの事でしたね」
ξ*゚⊿゚)ξ「な、なに勘違いしてるのよ!? 結構貴重な笑みまで浮かべて! べ、別にブーンと付き合う事を願ったりはしないんだから! そんな事なら一生遊んで暮らせる大金を頼むわよ!」
(゚、゚トソン「ブーンのために?」
ξ-⊿-)ξ「ええ、ブーンのために……」
ξ*゚⊿゚)ξ「って何言わせるのよ!」
(゚、゚トソン(わあ、一人ツッコミ)

ξ゚⊿゚)ξ「と、とにかくっ! 神様隠しについて調べる! いいわね!?」
(゚ー゚トソン「はいはい」
 照れ隠しのように叫ぶツンにトソンは笑みと共に返答した。

 家についたトソンがまず最初にしたのは父親の本棚を漁る事だった。
 奥にある子供は閲覧禁止な雑誌から目を背け探す。が、
(゚、゚トソン「……ありませんね」
 神様隠しに関連するような物は見つからなかった。とりあえず奥にある雑誌は後で母さんに報告する事にしましょう。そう思いながらトソンは立ち上がり、自分の部屋に向かった。

すさまじく読みづらいな

(゚、゚トソン「神様隠し……と」カタカタ
 机にあるパソコンを立ち上げて検索をしてみる。が、同名の曲が引っかかるだけで見つからない。キーワードを追加してみたがやはり見つからない。
(゚、゚トソン「……ふむ」
 しばし考えこみ、やがて言う。
(゚、゚トソン「明日あたりドクオとかに聞いてみますか」
 そう思いながらトソンはパソコンを閉じた。

 翌日。
川 ゚ -゚)「おはよう、トソン」
 いつもより早くトソンが学校へ行く道を歩いていると、後ろから声がした。振り返った先には声の主で同級生の砂尾クール。
(゚、゚トソン「おはようございます、砂尾さん」
 トソンが挨拶をすると黒い髪を風に踊らせ、砂尾は頷いた。
川 ゚ -゚)「うん。今日は早いな」
(゚、゚トソン「ええ。少し調べたい事があるので」
川 ゚ -゚)「そうか。……まあこんな所で立ち話もなんだ。一緒に行こう」
(゚、゚トソン「はい」

 >>15訂正。地の文は砂尾ではなくクール。
(゚、゚トソン「ドクオとは一緒じゃないんですか?」
 道中、クールの彼氏である鬱田ドクオの事を問う。クールは髪を抑えながら返答した。
川 ゚ -゚)「後から行くと行っていた。……が」
(゚、゚トソン「……また遅刻ですか」
 トソンは溜め息を吐いた。

トソンかわいい

 鬱田ドクオ。基本的に無気力な彼には一つだけ悪癖がある。一週間に一回必ず遅刻するのだ。
(゚、゚トソン「原因はまだ解らないんですか?」
川 ゚ -゚)「ああ。この前もそれとなく聞いてみたんだがはぐらかされた」
(゚、゚トソン「いい加減治さないと駄目ですよ、あれ」
川 ゚ -゚)「私もそう思っているのだがな。今の所どうすればいいか解らん」
(゚、゚トソン「そうですか……」
 しかし困りました、とトソンは思う。
 ドクオは一度遅刻すると午前中は来ないのだ。朝の内に話を聞くと言う手は潰えた。
 さて、どうするか、とトソンは思い、ふとクールに聞いてみた。
(゚、゚トソン「砂尾さん。神様隠しってますか?」

川 ゚ -゚)「神様隠し? ああ、この前ドクオが言ってたな。なんでも神様を見つけると願い事が叶う都市伝説か」
(゚、゚トソン「そうそれです。それ以外に何か言ってませんでしたか?」
川 ゚ -゚)「んー……。荒巻市長って知ってるか?」
(゚、゚トソン「さすがに知ってますが、それが何か?」
川 ゚ -゚)「その荒巻市長が市長になった時期にも神様隠しの予兆があったらしいんだ。そして、当時荒巻市長は市長選挙の中でも一番期待されてなかった」
(゚、゚トソン「……まさか」
川 ゚ -゚)「多分、荒巻市長は見つけたんだ。……神様を」

今日はこれにて。

面白いが見づらい

 クールと昇降口で別れ、階段を上り、教室にトソンが入る。
(^ω^)「おっおっ。おはようだお、トソン」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、おはようトソン」
 トソンに気付き挨拶をする二人
(゚、゚トソン「おはようございますブーン、ツン」
 挨拶を返し、トソンはツンの隣にある自分の席に着いた。
ξ゚⊿゚)ξ「……で、昨日の神様隠し、何か解った?」
(゚、゚トソン「まったく。ただ少し面白い話を聞きました」
ξ゚⊿゚)ξ「へえ? どんな話?」
(゚、゚トソン「さっき道中であった砂尾さんの話なんですけど……」
 クールから得た話を話すと、ツンは頷き呟いた。
ξ゚⊿゚)ξ「……荒巻市長が神様を見つけた、か。有り得るわね。荒巻市長が市長になった時、私のパパもインチキか賄賂でもしたのかって、首傾げてたし」
(゚、゚トソン「そんなに奇跡的だったのですか」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ」

 ふむ、とトソンが顎に手を当てる。荒巻市長はどうやって神様を見つけたのか考える事はある。……がまだ情報が足りない。後で図書室にでも行ってみましょうか、とトソンが思っていると、前の席でノートパソコンをいじっていた流石弟者が話しかけてきた。
(´<_` )「……さっきからなに話してるんだ? 出礼、都村」
 弟者の左に立ち、デスクトップを見ていた流石兄者も乱入する。
( ´_ゝ`)「貧乳同盟でも結成するのか?」
ξ#゚⊿゚)ξ「ぶち殺すぞ」
(´・ω・`)(台詞盗られた……)
(゚、゚トソン「…………えっと、神様隠しと言うのを調べてまして」

(´<_` )「……ああ。見つければ願い事を叶えてくれる噂か」
( ´_ゝ`)「なんだ、胸でも大きくしてもらうのか?」
 言った瞬間、兄者の両頬にツンの拳とトソンが投げた本が激突した。
(#)_ゝ(#)「……頬が腫れて前が見えねえ」
(´<_` )「自業自得だ兄者」
 冷静に弟者が言った時、
(^ω^)「おっおっ。何してるんだお?」
 やり取りに興味を惹かれたのかブーンが近づいてきた。

(゚、゚トソン「えっと、神様隠しの話を」
(^ω^)「神様隠し? なんだお、それ」
 神様隠しを知らないらしく、ブーンは首を傾げる。
(´<_` )「んーと、神様隠しと言うのは――」
 弟者が説明しようとした時、
(,,゚д゚)「おはよー」
 戸が開き、担任のギコが入ってきた。
(´<_` )「……あー、ギコ先生来ちゃったし、んー、そうだな。俺も神様隠しに興味あるしさ、昼休みに図書室に集まって話すのはどうだ?」
(゚、゚トソン「ええ。僕も図書室に行って調べようと思ってましたし……あとついでに借りていた本を返したいですし……ちょうど良いですね」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、まあブーン足早いからパシリになるでしょ」
(^ω^)「……? とりあえず図書室に集合おね? 解ったお」
(,,゚д゚)「ほらほらみんなさっさと席につ……その顔はどうした、流石兄」
(#)_ゝ(#)
(´<_` )「ただの自業自得です」
(,,゚д゚)「……そ、そうか」

 時は流れ昼休み。昼御飯を食べ終えたブーンとツンが来た所で弟者が言った。
(´<_` )「……よし、集まったな。それじゃあ始めよう」
( ´_ゝ`)「貧乳はこの世に必要なのかという命題をごぶっ」
 言い終わるより早く、兄者の右頬にツンの拳が激突した。
 ぶっ倒れる兄者の腹にツンは乗っかり、殴り始める。
(#)_ゝ`)「ちょっ、タンマタンマタンマタンタンメンマ……アッー!」

 打撃音が二桁を超えた時、 奥から静かな声がした。
「と、図書室ではお静かに……」
 その言葉を合図に弟者がツンに言う。
(´<_` )「図書室の主もそう言ってるからツン、そろそろ兄者殴るのやめたげて」
ξ゚⊿゚)ξ「……仕方ないわね」
 ツンはマウントポジションを解き、ブーンの横に腰掛ける。
(´<_` )「兄者もふざけるのやめような」
((#)ゞ゚(#))「ばあ゙い……」
(^ω^)「兄者の原型が口元にしかにしか無いお……」
 ブーンが恐る恐る呟いた
(´<_` )「そんでもって都村は何故書架から広辞苑引き抜いてる」
(゚、゚トソン「いえ、ちょっと鈍器の定義について調べてみようかと」
(´<_` )「物理的にか? まあ後にしてくれ。話進めるから」
 トソンは広辞苑を戻すのと同時にブーンは言った。
(^ω^)「……それで、神様隠しってなんだお?」

(´<_` )「んー……都村。手短に説明してくれ」
(゚、゚トソン「解りました。書き置きしてこの街の誰かになりすました神様を捕まえると願い事が叶うらしい。大体こんな所です」
 トソンの説明にブーンは少し考え、それから頷いた。
(;^ω^)「……んー……まあ、大体は解ったお」

( ´_ゝ`)+「本当に理解出来たのか!? なんなら俺が説明してやってもいいノック」
(´<_`;)「いつもながら傷治るの早いな。あと兄者の説明は絶対意味不明になるからやるな」
 兄者が不満げに言うのと同時に図書室の戸が開いた。
川 ゚ -゚)「……おや。トソンはともかく、兄者やツンが居るとは珍しいな。どうしたんだ?」
 入ってきたのは素直クールだ。
(´<_` )「砂尾さんか。ちょっと調べたい事があってな」
(*´_ゝ`)「そう、ちっぱいには無い魅力を秘めたそのおっぱいを調べさ」
ξ゚⊿゚)ξつ)_ゝ゚)「セリヌンティウス!」
 兄者の右頬をツンが打撃した。弟者が呆れたように言う。
(´<_` )「もうお前黙れよ」
(#)_ゝ`)「はーい」

(´<_` )「……と、そうだ砂尾。ドクオ来てないか?」
川 ゚ -゚)「? いや、来てないが……」
(´<_` )「そうか。あいつなら詳しく聞けると思ったんだが……」
川 ゚ -゚)「私との性夜をか?」
::( _ゝ)::「……ok。精神的ブラクラ爆発しろドクオゲット」
(´<_` )「落ち着け兄者」

川 ゚ -゚)「成る程、神様隠しか。生憎と今朝にトソンに話した事以外は知らないな」
(´<_` )「そうか……」
川 ゚ -゚)「……待てよ、村山なら知ってるかも知れないな」
( ´_ゝ`)「さだきゅんが?」
川 ゚ -゚)「そう、さだきゅんが」
(´<_` )「そのふざけたあだ名はさて置き、確かに図書室の主とか呼ばれてる村山なら知ってるかもな。だが彼女は極度の人見知りだぞ。どうやって聞く?」
 弟者の質問にトソンが手を上げた。
(゚、゚トソン「僕が聞いてきます。村山さんとは何回か話した事があるので」
(´<_` )「……そうか。それじゃあ頼んだ」

 トソンは図書室の奥に進んだ。図書室の奥は通路が本棚の林と本の山により狭まり、その上仕舞われている本のジャンルも極めて必要とされにくい為が故、生じた静寂の迷路。
 その迷路の奥から紙を捲る静かな音が聞こえる。トソンはそちらに向かった。通路はどんどん狭くなり、やがて終点。目の前には壁を背にして椅子に腰掛け、本を読んでいる少女。柳のように垂れた前髪にトソンは前が見えてるかといつも思う。
(゚、゚トソン「さだきゅ……村山さん」
 彼女の名前を言う。貞子は読んでいた本から顔を上げた。
川д川「……今、何か変な名前、言おうとしなかっ、た……?」
(゚、゚トソン「気のせいです」
川д川「そう……? それで、何の用ですか? 都村さん……」
 問う貞子にトソンは頷き、言った。
(゚、゚トソン「ええ。神様隠しって、知ってますか?」

川д川「神様、隠し……ええ、知ってます」
(゚、゚トソン「どんな内容ですか?」
川д川「……私は、口下手なので……これを見た方が早いと思います」
 そう言って貞子は立ち上がり、横に隣接している本棚から一冊の冊子を抜き出した。
(゚、゚トソン「神様隠しに関する伝承……?」
 そこにかかれたタイトルをトソンは口にする。

川д川「この本棚には……今まで生徒が書いた物が残されていて……それはこの中の一冊……。神様隠しについて色々書かれてます……」
(゚、゚トソン「成る程。借りれるんですか?」
 トソンの疑問に貞子はふるふると首を振った。
川д川「いえ……ただ、見る事は出来ます……」
(゚、゚トソン「解りました。ちなみに聞きますが面白かったですか?」
川ー川「……はい」

( ´_ゝ`)「ok。ブラクラゲット」
(´<_` )「流石だな兄者。狙っても普通は出来ないぞ。……と、お帰り都村。収穫あったか?」
 ノートパソコンをカタカタ叩く兄者の横、トソンに気付き弟者は問うた。
□⊂(゚、゚トソン「はい。これです」
(´<_` )「……冊子?」
(゚、゚トソン「はい。神様隠しの事を纏めたらしくて。山村さん曰わく面白かったそうで」
(´<_` )「面白かった……ねえ。ま、参考に出来れば上出来……――と、兄者退いてくれ」
 突如、弟者は冊子を机に置き、兄者をどかして、ノートパソコンに座った。
( ´_ゝ`)「どうした弟者。斬新なウンコの仕方でも思いついたか」
(´<_` )「違うわ。斬新てどんなだよ」

>>35
投稿時刻が素晴らしいな
スタイリッシュ排便が気になる

 兄者の言動に突っ込みつつカタカタとキーボードを叩く。やがて手を止め、トソンに言った
(´<_` )「……都村。その著者名……声に出して読んでくれ」
(゚、゚トソン「……荒巻チビノフ」
ξ゚⊿゚)ξ「……荒巻?」
 トソンが告げた言葉をツンは反芻する。弟者は頷いた。
(´<_` )「そうだ。荒巻チビノフ。元市長荒巻スカルチノフの息子でこの高校出身」
ξ゚⊿゚)ξ「それは解るわ。でもなんで荒巻市長の息子が書いた冊子が……?」
(´<_` )「……神様隠しと言う根も葉もない御伽噺。俺達は荒巻市長と言う噂があるからまだ本当だと思えるが、当の荒巻市長は何故神様隠しと言う御伽噺を信じた?」
ξ゚⊿゚)ξ「……資料があったから……?」
(´<_` )「……多分、な」

(゚、゚トソン「……と、言う事はその冊子が資料だと?」
(´<_` )「多分な。とりあえず急ピッチでパソコンに写しとく。先に教室に戻ってくれて構わないぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「そうするわ。じゃ」
(´<_` )「……と、その前に明日また集まりたいから集合時間と場所、それから方針を言っとく」
ξ゚⊿゚)ξ「……手短にお願い」

(´<_` )「ok。まず、時間は今と同じ昼休み。場所はここじゃなくて中庭」
(^ω^)「お? どうしてここじゃ無いんだお?」
 首を傾げたブーンに兄者は言う。
( ´_ゝ`)「ここだとツンが騒がしくして注意されるからな」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタが原因だ」
 兄者へと拳を構えるツンを弟者は抑えた
(´<_` )「どうどうどうどう。次に方針。ぶっちゃけ殆ど放任。調査するもよし、何もしないもよし。抜けるのもよし。まあその場合は俺か都村に伝えてくれ。と、まあこんな感じで行く気だ。ok?」

ξ゚⊿゚)ξ「緩いわね。まあ、それで良いんじゃない?」
(´<_` )「ブーン、都村の意見は?」
(^ω^)「それで良いお」
(゚、゚トソン「悪くないと思います」
 二人の返答に弟者は指を鳴らした。
(´<_` )「おっし。それじゃ解散」

 放課後。shrが終わり、トソンが帰り支度をしていると、ツンが話しかけてきた。
ξ゚⊿゚)ξ「ね、マスタードーナッツ行かない?」
 トソンは少し考え、言った。
(゚、゚トソン「……確か昨日からドーナツ99円、パイ111円でしたっけ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ。そうよ」
(゚、゚トソン「じゃあ行きましょう。……あ、それなら誘いたい人が居ます。良いでしょうか?」
ξ゚⊿゚)ξ「別にいいわよ」

(゚、゚トソン「では。ブーン」
 トソンはツンの横、トソンと同じく帰り支度をしているブーンに話しかけた。
(^ω^)「何だお?」
 支度をする手を止め、こちらを見るブーン。
(゚、゚トソン「今からツンと一緒にマスタードーナツに行くのですが、ブーンも一緒にどうでしょう」
(^ω^)「丁度お小遣い貰ったし、行くお!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ちょっと、とと、トソン!?」
 ツンが焦ったような小声でトソンに言う。
(゚、゚トソン「はい、なんでしょう」
ξ;゚⊿゚)ξ「なんでブーンを誘うの!?」
(゚、゚トソン「駄目でしたか?」
ξ*゚⊿゚)ξ「……い、良いけど!」
(゚、゚トソン「ならノープロブレム。さあ、行きましょう」

 マスタードーナツの入口に近づくと流石兄弟が出てきた。
(´<_` )「……お。出礼、それに都村とブーンか。奇遇だな」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。流石兄弟は何しに来たの?」
( ´_ゝ`)「ドーナッツ買いにきたに決まってるじゃないか。それ以外にドーナツ屋に来る事があるなら言ってくれよ」
 そう言う兄者の手には紙の箱が存在していた。

ξ;゚⊿゚)ξ「くっ……。馬鹿が珍しく論理的な事言ってる……!」
(^ω^)「ツン、流石にそれは酷いお。兄者も論理は吐けるお」
( ^ω^)「……一年に一回ぐらいは」
(゚、゚トソン「ブーン。あなたも割と酷いですね。まあ大体合ってますが」
( ´_ゝ`)「……なんで俺こんなにディスられてるん?」
(^ω^)「馬鹿だからじゃないかお」
ξ゚⊿゚)ξ「阿呆だからね」
(´<_` )「うざいから」
(゚、゚トソン「以上、周囲による兄者の評価でした」
( ´_ゝ`)「なんで弟者まで入ってるんだよ畜生」

ξ゚⊿゚)ξ「……さて、ブーン、トソン。さっさと中に入りましょう」
 そう言って店に入ろうとするツンを兄者は引き止めた。
( ´_ゝ`)/「ここを通りたければ私を倒してみろ、貧乳魔神よ!」
ξ#゚⊿゚)ξつ)´_ゝ`)「あばだぱっ」
 すぐさまツンに殴られ吹っ飛ぶ兄者
(´<_`;)「兄者! 大丈夫か?」
 店に入るツン達を横目に吹っ飛んだ兄者へと小走りに弟者は近付いた。
(#)_ゝ`)「ああ。大した怪我じゃない。大丈夫だ」
(´<_` )「いや俺が心配してるのはドーナッツ。おお。良かった、大丈夫だ」
(#)_ゝ`)「……俺の心配は?」
(´<_` )「なにそれ食えるの?」
(#)_ゝ`)「……ショボーン」

(^ω^)「おっおっお~♪」モグモグ
 数分後。トソンの目の前のテーブルに大量のドーナッツが積み上げられていた。コーヒーを一口飲んでからトソンは言う。
(゚、゚トソン「大量に買いましたね、ブーン」
ξ゚⊿゚)ξ「トソンはせめてもう一個ぐらい買った方が良いと思うんだけど」
 ブーンの横に腰掛け、新発売の三色もちドーナッツを食べながらツンは言った。
(゚、゚トソン「オールドファッションがあればそれで良いです」
ξ゚⊿゚)ξ「そう」
 三色もちドーナッツを食べおえ、続いてボン・デ・リングに手を伸ばすツン。それを横目にトソンは残りのオールドファッションを口に入れた。

 咀嚼し飲みこみ、ツンに言う。
(゚、゚トソン「そう言えば、今日は見たい番組がありました」
ξ;゚⊿゚)ξ「……え? い、いきなり何?」
 いきなりの発言にツンは狼狽えた表情を見せる。トソンは意に介さずコーヒーを飲み干し、立ち上がった。
(゚、゚トソン「なので帰ります。ブーン。僕はちょっと用事あったので帰ります」
(^ω^)「おー? 解ったお。さよならー」
(゚、゚トソン「ええ。さようなら」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ちょっと待っ――」
(゚、゚トソン「それでは」
 その言葉と共にトソンは店の入り口へと歩き出した。
ξ;゚⊿゚)ξ=3「……まったくもう。話の持ってき方が強引なんだから」
 その背中を眺め、ツンは溜め息を吐き、横を見た。
(^ω^)「もぐもぐ」
ξ*゚⊿゚)ξ「……ま、まあ、出来るだけ、がんばってみよう……」

おお、続ききてた

今更ながら>>29の訂正
( ´_ゝ`)+「本当に理解出来たのか!? なんなら俺が説明してやってもいいノック」
(´<_`;)「いつもながら傷治るの早いな。あと兄者の説明は絶対意味不明になるからやるな」
( ´_ゝ`)「ええー? 絶対ってそんなに俺の説明解りづらいー?」
 兄者が不満げに言うのと同時に図書室の戸が開いた。

 マスタードーナッツを出て、トソンはふむ、と首を傾げた。
(゚、゚トソン「このまま家に帰るのもなんですし……確かこの辺りに新しく本屋が出来たんてしたっけ」
 数秒でそう結論し、歩きだす。この近くに本屋があった筈。そう思っていると、
ζ(゚ー゚*ζ「あ、トソンさん!」
 不意に後ろから呼ぶ声がした。振り向き、声の主を見る。
 まず目に引くのは金色の髪とにこにこと笑みを作る顔。続いて胸。そして、左手に巻かれた包帯。
(゚、゚トソン「……デレちゃんですか。久しぶりですね」
 そう言ったトソンにデレは朗らかに笑う。、
ζ(^ー^*ζ「はい! お久しぶりです!」
ζ(゚ー゚*ζ「ところでお姉ちゃん知りませんですか?」

 デレの質問にトソンは今し方出て来たマスタードーナッツの二階を見る。
(゚、゚トソン「あそこに居ますよ。何か用ですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「いえ、トソンさんと一緒じゃないのかな、って」
 そう言って、マスタードーナッツを見るデレ。
ζ(゚ー゚*ζ「ここってトソンさんが今出てきましたよね。と言う事はさっきまで一緒にお茶してたんですか?」
 デレの質問にトソンは頷く。
(゚、゚トソン「ええ。ちょっと用事が出来たので抜けましたが」
ζ(゚ー゚*ζ「そうですか。じゃあ、私がこうしてるのも邪魔ですね」
(゚、゚トソン「いえいえ。用事と言ってもあなたにお兄さんを作る用事でしたから。もう終わりました」
ζ(゚、゚;ζ「え、えっと……?」
 デレはしばし考え込み、やがて言った。
ζ(゚ー゚*ζ「あ、ああ! お姉ちゃん、ブーンさんと一緒なんですね!」
(゚、゚トソン「ええ、そうです。それで暇になったので近くの本屋に行こうかと」
 なるほど、とデレは頷いた。
ζ(゚ー゚*ζ「近くの本屋と言うとこっちですよね? 私もこっち方面に行くつもりなんです。少し一緒に歩きましょう!」
(゚、゚トソン「良いですよ」

 人混みの中を並んで歩きながらデレは言う。
ζ(゚ー゚*ζ「トソンさんって相変わらず綺麗ですよねー」
(゚、゚トソン「いえいえそんな。僕にも足りない物はいっぱいありますよ」
 たとえば、とトソンはちらりとデレの胸を見た。歩くたびに揺れるそれを見、それから歩いているのにまったく揺れてない自分の胸を見る。
::( ー トソン::「」
 心が折れそうになった。
ζ(゚、゚;ζ「ど、どうしたんですか、トソンさん!?」
(゚、゚;トソン「な、なんでもありません」

(゚、゚トソン「ところで」
 話を逸らすようにデレにトソンは言う。
(゚、゚トソン「怪我、大丈夫ですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「何年くらい前の事を言ってるんですか、トソンさん。大丈夫ですよ」
 笑い、左腕を見せる。肘から先が包帯に包まれた左腕。その下には見るも無残な傷跡がある。
 数年前、事故にあった時の怪我だ。その際に左腕の肘から先に数多の切り傷を負ったらしい。
 らしいと言うのはその時期は夏休みで、トソンは親戚の家で夏休みの殆どを過ごしていたからである。知ったのは二学期に入ってから。見舞いに行ったらブーンがツンの制止を振り切ってお見舞いの品を食べてた事が今でも思いだせる。
(゚、゚トソン「……なら良いんですが」

ζ(゚ー゚*ζ「モーマンタイですってば。……あ、そろそろお別れですね」
 デレの言葉に前を見ると、右斜め前に本屋の看板が見えた。
(゚、゚トソン「そうですね」
 本屋の入口に着く。
ζ(゚ー゚*ζ「それじゃ、バイバーイ」
(゚、゚トソン「ええ。さようなら」
 別れの言葉と共に、トソンは本屋へと足を踏み入れた。

(゚、゚トソン「ふむ。しくじりました」
 数時間後、トソンは暗くなり始めた空の下、足早に歩いていた。
(゚、゚トソン「本を読んでいたらいつのまにかこの時間です。急がなければ」
 呟き、住宅地を進むと、
「――っ」
「――!」
(゚、゚トソン「……む?」
 前方、角の辺りから話し声が聞こえてきた。
 歩み、角から覗きみると2つの影。
(゚、゚トソン「あれは……ギコ先生?」

(,,゚д゚)「だから、駄目と行ったら駄目だ!」
(*>⊿<)「いいじゃんもー!」
(,;゚д゚)「くっ……。その頑固さは叔母さんに似てるな……!」
(*゚ー゚)「このびぼーもね!」
(,;゚д゚)「……自分で言うか?」
 ギコと少女が玄関の前で言い争っている。少し考え、トソンは声を掛けた。
(゚、゚トソン「……奇遇ですね、ギコ先生」

 ギギギとギコが錆び付いたかのように首を動かし、トソンを見た。
(,;゚д゚)「……と、ととと都村!?」
 数秒の沈黙の後、慌てるギコ。少女とトソンを視線が行き行きする。やがてトソンに視線を定め、言った。
(,,゚д゚)「か、勘違いするなよ!?」
(゚、゚トソン「ええ。してませんとも」
(,,゚д゚)「ならその携帯電話はなんだ!」
(゚、゚トソン「ニュースを見ながら歩いてたんです。まさか見せろとか言わないでくださいよ? 言ったらプライバシーの侵害で訴えます」
(,,゚д゚)「解った解った! と、とりあえずだ、もう暗いから早く帰りなさい!」
(゚、゚トソン「帰ろうと歩いていたら犯罪を冒そうとしている知り合いが居ました」
(,,゚д゚)「う゛……いや、こいつはだな……」

 何かを言おうとするギコの横で少女が言う。
(*゚ー゚)「もおー。うわきー?」
(゚、゚トソン「1、1、0……と」ピッピッピッ
(,;゚д゚)「待て待て待て!」
 警察の電話番号をプッシュするトソンにギコは慌てた様子で言う。
(,;゚д゚)「こいつは従姉妹だ! 3日ぐらい前から預かってる!」
(゚、゚トソン「本当ですか?」
 腰と膝を屈め、隣の少女に問う。少女はきょとんとした顔で言った。
(*゚ー゚)「私、イトコって名前じゃないよ? 箱入しぃだよ?」
(゚、゚トソン「失礼ですがおいくつですか?」
(*゚ー゚)「じゅういちー」
(゚、゚トソン「……」
 屈めていた膝と腰を戻し、トソンはギコに告げた。
(゚、゚トソン「用事が出来たのでちょっとそこの交番まで行ってきます」
(,;゚д゚)「だから待て!」

おもしろい、続きはまだか

(゚、゚トソン「犯罪者 見つけたら即 警察に」
(,,゚д゚)「俺は犯罪者じゃない!」
 そんな問答をしていると、不意に正面の玄関が開いた。
( ゚д゚)「何をやっている、ギコ」
(#゚;;-゚)「……?」
 中から姿を表したのは鋭い目つきの男と、包帯を巻いた少女。
(゚、゚トソン「なるほど。ロリコン兄弟でしたか」
 トソンの言葉に男は反応する。
( ゚д゚)「勘違いしているようだな。確かに似ているがオレはソイツと兄弟では無い。赤の他人だ」
(゚、゚トソン「ロリコンは否定しないんですか?」
( ゚д゚)「この状況ならそう見られても仕方ないからな。まあロリコンでは無いが」

(゚、゚トソン「まあ、ロリコン云々は冗談なのでそろそろ止めにして、その子達は従姉妹なんですか?」
 トソンの問いに男は淀みなく答える。
( ゚д゚)「そうらしい。ギコの方にいる元気なのは箱入しぃ。こっちの包帯巻いている方は箱入でぃ。驚く程に性格真逆だが双子だ」
(゚、゚トソン「なるほど。何故ギコ先生に?」
( ゚д゚)「さあな。ギコ、解るか?」
(,,゚д゚)「解る筈無いだろ。叔母さんすげぇ気紛れで大ざっぱだからなあ」
 ふむ、とトソンは頷いた。
(゚、゚トソン「……暗いですし、先生弄るのにも飽きてきましたし、そろそろ行きますね」
(,,゚д゚)「先生弄るの飽きたってお前ふざけんな。こっちは結構必死だったぞ」
(゚、゚トソン「それは失礼しました」ペコリ
 体を深々と折って謝るトソンにギコは溜め息と共に言う。
(,,ーдー)「まあ、確かに暗くなってきたしな。気をつけて帰れよ」
(゚、゚トソン「はい。それでは」
 そう言ってトソンは踵を返し、歩き出した。

(,;゚д゚)=3「やっと行ったか……」
 歩き去るトソンを見て、ギコが溜め息のように言う。男が隣で言う。
( ゚д゚)「面白い娘だったな。教え子か?」
(,,ーдー)「ああ。都村トソンって言ってな。頭は良いんだが、あんまり表情変わんないんで、言ってる事が真剣なのか冗談なのかわからん奴だ。だからちょっと苦手でな」
( ゚д゚)「オレみたいな奴か。まあ、少なくともさっきの発言は冗談だろうな」
(,,゚д゚)「まあ、そうだろうな。本気だったら全速力で交番行ってただろうし……信頼はされてるのかもねえ」
( ゚д゚)「まあ、オレは先生じゃないんで知らんがな」
(゚д゚)「……ところで」
 じろり、と男はギコを睨むように見る。

(,,゚д゚)「こっちみんな」
(゚д゚)「なんでまだ玄関に居る。さっさとコンビニ行って夕飯買ってこい。小腹が空いてきた」
(#゚;;-゚)「ペコペコ……」
 男とでぃの抗議にギコはしぃを見た。
(,,゚д゚)「こいつが一緒についてくるって言って聞かなくてさあ。あとこっちみんな」
(*゚ー゚)「いいじゃん。一緒に行こうよー」
(,,゚д゚)「お前連れてくると必ずお菓子買ってーとか言うじゃん」
 ギコの返答にしぃは唇を尖らせてギコの周りをぐるぐる周りながら抗議する。
(*゚⊿゚)「いーじゃん。お金が無いとは言わせないよ? お母さんから預り金貰ってるんでしょ?」
(,,゚д゚)「この金は使わん」
(*゚ー゚)「どーしてー?」
 ぐるぐる回りながら問うしぃに、ギコは頭を乱暴に掻きながら言う。
(,,゚д゚)「もし俺になんかあった時、お金が無くちゃ、お前ら困るだろ」

読みにくいが面白い④

 ギコの言葉にぴたりと、しぃが停止した。
(*゚‐゚)「……それは従姉妹だから?」
(,,゚д゚)「ん? それもあると思うが、お前可愛いだろ? 身内贔屓かもしれないが将来は美人になって良い暮らしをすると思う。それが俺に何かあった所為で台無しになるのは悪いと思ってな。だからこのお金は使わん。お前らのもしものために取っておく」
 ギコの言葉に男は顎を撫でながら言った。
( ゚д゚)「……ふむ。クサイな」
(,,゚д゚)「うるせーよ。思ってた事言ってただけだ」
(* ‐ )「……」
 言い争い始めた2人の間で、しぃは沈黙していた。でぃが恐る恐る話しかける。
(#゚;;-゚)「……どうしたの? お姉ちゃん」
(*゚ー゚)「……決ーめた」
 でぃの言葉が合図になったかのようにしぃは走り出した。

援助だけはやめれ

しぃ健気だな

(,,゚д゚)「お、おい! 一人で行くな!」
 走り出した事に気づき、追いかけるギコ。
 その背後で男はでぃに言う。
( ゚д゚)「一体どうしたんだ。お前の姉は。黙っていたと思ったら急に走り出して」
(#゚;;-゚)「……解らない」
( ゚д゚)「そうか。まあ、家で一緒にゲームしながら待ってるとしよう。何やりたい?」
(#゚;;-゚)「……ソリティア」
( ゚д゚)「それ以外で」
(#゚;;-゚)「……ソリティア以外やった事無い」
( ゚д゚)「……マリコパーティーでもやるか。やり方教えるから」
(#゚;;-゚)「うん」

(,;゚д゚)「全く、なんで、いきなり、走りだしたんだ」ハア、ハア
 数分後、ギコはしぃに追いついていた。息を整え、しぃは言う。
(;゚ー゚)「ん。……んーとね。ちょっと、意思確認、みたいな」
(,,゚д゚)「なんのだよ?」
(*^ー^)「……秘密っ」
 にこりと笑うしぃにギコは首を傾げた。
(,,゚д゚)「? そうか。ま、とりあえず行くか。コンビニに」
(*゚ー゚)「ん。じゃ私帰ってるね」
(,,゚д゚)「いや、一人で帰るのも危ないし、一緒に行くぞ。一つぐらいなら菓子買ってやる」
(*゚ー゚)「良いの?」
(,,゚д゚)「あんまし高いのは駄目だがな」
(*^ー^)「うん、解った! それじゃ、行こ」
(,,゚д゚)「おう」
 ギコは首を傾げ、しぃと一緒に歩き出した。

 翌日。
 いつも通りの時間で学校に到着する。
(^ω^)「おはようだお、トソン」
ξ゚⊿゚)ξ「おはようトソン」
('a`)「よお、都村」
 教室に入るとブーンとツン、そして昨日は居なかったドクオが挨拶をしてきた。
(゚、゚トソン「おはようございます、ブーン、ツン、ドクオ」
 挨拶を返し、席に着く。

 読みかけの本をバックから取り出していると、ツンが話しかけてきた。
ξ゚⊿゚)ξ「一つ、案を思いついたんだけど、良い?」
(゚、゚トソン「どんな案ですか?」
 本を机に置き、トソンは問った。ツンはえっと、と前置きをし、
ξ゚⊿゚)ξ「神様を探す方法を荒巻元市長に聞くと言うのはどうかしら」
(゚、゚トソン「……良い案ですね。ですがその案は既に僕も思いついてますし、おそらく弟者も思いついてると思います」
ξ゚⊿゚)ξ「そうなの? 弟者」
 正面を向き、パソコンをカタカタといじっている弟者に問う。弟者は手を止め、振り向いた。
(´<_` )「ん……まあな」

 とても今更ながら気づいたので訂正。
>>27
((#)ゞ゚(#))「ばあ゙い……」
(;^ω^)「兄者の原型が鼻にしか無いお……」
 ブーンが恐る恐る呟いた。


 あと、ミスで荒巻市長と荒巻元市長の2つの呼び方がありますがこれからは荒巻元市長と呼びます。

了解

 背もたれの上に肘を乗せ、続ける。
(´<_` )「んで持って、その案は実行出来ない」
ξ゚⊿゚)ξ「……どうしてよ?」
 ツンが問う。弟者はそれに答えず、逆に問うた。
(´<_` )「パソコン大好きっ子なこの俺がその案を思いついた時、どうしたと思う?」
ξ゚⊿゚)ξ「……パソコンで検索した?」
(´<_` )「イエス。検索して、俺は話を聞くのは無理だと解った」
ξ゚⊿゚)ξ「……なんで? アポを取って訪問すれば良いじゃないの。断られるかも知れないけど無理だと断言する事は出来ないじゃない」
( ´_ゝ`)「ok。ブラクラゲット」
(´<_` )「いや、無理だ。何故なら――」ヒョイ
( ´_ゝ`)「あ」

 弟者はトソン達から目を離さず、背後のパソコンを掴んだ。そしてディスプレイに表示されている物をトソン達に見せる。
(´<_` )「荒巻スカルチノフとその妻荒巻ストロガノフ、そして息子の荒巻チビノフ。三人共、6年前、旅行に出かけた帰りに通事故で亡くなっている。だから聞く事は不可能なんだ」

 弟者の言葉に誰も反応しなかった。
 何故なら、
(゚ω゚)「」
ξ ⊿ )ξ「」
(゚、゚トソン「……」
 三人共、気絶していたからだ。
(´<_` )「……あれ」
 その反応に弟者は首を傾げ、ディスプレイを見た。
(´<_` )「……ニュースの記事を表示してた筈なのに蓮コラになってる。なんでだよ」
( ´_ゝ`)「てへぺろ」
 弟者の言葉に後ろに居た兄者が舌を出した。
(´<_` )「お前か」
( ´_ゝ`)「いやあ驚かせようと思ってさ」
(´<_` )「タイミングが悪かったな。……無事なのは都村だけか?」
(゚、゚トソン「……」
( ´_ゝ`)「いや、よく見ろ。目を開けたまま気絶してる」
(´<_` )「器用だな、おい」

 仕方ない、と弟者はため息と共に言う。
(´<_` )「朝の内に言っときたかったんだが……昼休みになりそうだな」
( ´_ゝ`)「休み時間に言えば良いじゃないか」
(´<_` )「誰かさんが殴られて話が滞るから無理だな」
( ´_ゝ`)「殴られる? ……弟者か」
(´<_` )「兄者だ」
 その掛け合いを見ながらドクオは呟いた。
('a`)「……ディスプレイ閉じろよ」

昼休み
 生徒が談笑する中庭にて。段差に腰掛けた弟者が言う。
(´<_` )「……さて。これより第二回、神様探しを始めまーす」
(#)´_ゝ(#)「いえー」
 弟者の一段下に座った兄者がそれに相手のを入れる。
ξ゚⊿゚)ξ「……で、どういう事よ」
 兄者の隣に座るブーンの隣に、いちごミルクを手にちょこんと座るツンが聞く。
(´<_` )「なにがだ」
ξ゚⊿゚)ξ「とぼけないで。荒巻元市長の事よ」
(´<_` )「ああ、それか。言った通りだ」

ξ゚⊿゚)ξ「言った通りって……。荒巻元市長はもう死んでるって事?」
(´<_` )「ああ。これを見てくれ。……安心しろ、今度はブラクラじゃない」
 弟者が膝に乗せたノートパソコンのディスプレイをツンに見せる。
ξ゚⊿゚)ξ「……山道に落石が降ってきて……か。事故現場はこの街から目と鼻の先ね」
(´<_` )「今から行くか?」
ξ゚⊿゚)ξ「いやよ」

(´<_` )「そうか。……と、もう一つ。昨日の冊子なんだが」
(゚、゚トソン「あれですか。どうでした?」
 ツンの横で家で作った弁当を食べながら、トソンが聞く。
(´<_` )「神様について色々書いてあったよ。三行に纏めると、
・人に化けた時、目印として山に跡をつけ、自分の身体の一部である御神体を隠す。
・悪戯好きである。
・神様隠しの噂の出どころ。
こんな所かな」

ξ゚⊿゚)ξ「前者2つはともかく、最後のはどう言う事よ?」
 いちごミルクにストローを差しながら聞くツン。
(´<_` )「んー。言い方があれだったな。隣に座っていた人たちが噂してたんだけど……とかいって友人に話し、広めたんたって事だろう」
(゚、゚トソン「噂の出どころと言った所ですか」
(´<_` )「そうそう、そんな感じ」
 トソンの言葉に頷き、それからふと、思いついたように弟者は聞いた。
(´<_` )「そういや神様隠しって誰から聞いたんだ?」

(えっちな)悪戯好きである

(゚、゚トソン「僕はツンから聞きました。兄者と弟者は?」
(´<_` )「俺達はパソコンで。ツンは?」
ξ゚⊿゚)ξ「私は妹から。それで面白そうと思ってトソンに話したの」
(´<_` )「で、ブーンは俺達から聞いた、と」
(゚、゚トソン「デレちゃんは誰から聞いたんですか?」
 トソンの問いにツンは考え、
ξ゚⊿゚)ξ「そう言えば聞いてなかったわね。まあ友達からあたりでしょうね」
(´<_` )「多分そうだろう。……しかしこれじゃあ噂の出どころを見つけるのは無理そうだな。どうした物か」

 もぐもぐとパンを消費するブーンを除いたみんなが考え込む。
( ´_ゝ`)「そうだ!」
 不意に兄者が叫んだ。
ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの兄者。うんこでも出そう?」
( ´_ゝ`)「そうだったらスタイリッシュなうんこの出し方を試してみるが違う。神様を見つける方法を思いついたんだよ」
(´<_` )「スタイリッシュなうんこにも少し興味があるが聞こう。どんな方法だ?」
 弟者の問いに兄者は「良いか、よく聞けよ?」と前置きし、
( ´_ゝ`)「手当たり次第にあなたが神様ですねって言えば良いんじゃね?」
 そう言った。

 ブーンがパンを咀嚼する音だけがトソン達の周りを包む。
 やがて弟者はため息と共に言った。
(´<_` )「やってみろ兄者。運が良ければ見つかるだろう。運が悪かったら……兄者の事は黒歴史として記憶から抹消しておく」
( ´_ゝ`)「頼むから抹消しないでくれ。……しかし、良い案だと思うんだが」
(´<_` )「この学校から家までにすれ違う人にあなたは神様ですか? とか聞いてみろ。多分通報されるか黄色い救急車に運ばれるかされるだろ。大体そんなに都会じゃないとはいえ、全員に会うのは不可能だろ。職業自宅警備員の人や引きこもりさんや面会謝絶の老人やらにどうやって聞くんだよ」
(;´_ゝ`)「ううむ……無理か」
 弟者の言葉に兄者は唸った。

ξ゚⊿゚)ξ「兄者の妄言は水に流して。どう調べるの?」
 ツンの問いに弟者はふむ、と考え、
(´<_` )「噂の出どころを調べるのが一番可能性がありそうだな」
ξ゚⊿゚)ξ「でも難しいわよね」
(´<_` )「ああ。だからこれは俺と兄者で調べる。ツン達は別の方向で調べてくれ」
ξ゚⊿゚)ξ「んー……。まあ、解ったわ」
(´<_` )「よっし。んじゃ解散!」

(゚、゚トソン「……ふむ」
 解散と言われた物の、特にする事が無い。とりあえず弁当を片付けようと、取って置いた唐揚げを箸でつまみ、
川 ゚ -゚)「……」ジー
(゚、゚トソン「……」
川 ゚ -゚)「……」ジー
(゚、゚トソン「なんですか、砂尾さん」
 目の前にクールが居た。
川 ゚ -゚)「いや、その唐揚げ美味しそうだなと」
(゚、゚トソン「そうですか」パクッ
川 ゚ -゚)「……」
(゚、゚トソン「……」モグモグ
川 ゚┌゚)「……」ジュルリ
(゚、゚トソン「……」モグモグ

支援支援

 唐揚げを飲み込み、トソンはハンカチで口元を拭いているクールに弁当箱を差し出した。
(゚、゚トソン「……お腹いっぱいですし、あげます」
川*゚ -゚)「良いのか?」サッ
(゚、゚トソン「言葉とは裏腹に手際良いです」
川 ゚ -゚)「うむ。正直が取り得でな」
(゚、゚トソン「そうですか」
川 ゚ -゚)「それじゃ、頂きます」
 そう言って唐揚げを取り出した箸でつまみ、口に入れた。
川 ゚~゚)「……」モグモグ
 咀嚼し、飲み込むとすかさずもう一つつまみあげ、口に入れる。瞬く間に唐揚げは一個だけになった。

 名残惜しげに最後の一個を口にいれ、ふと思い出したようにクールは言った。
川 ゚~゚)「ふぉふふぉのふぉふぉふぇ」
(゚、゚トソン「口の物を飲み込んでからしゃべってください」
川 ゚~゚)「……」モグモグ
 トソンの言葉に従って口の中の物を飲み込み、クールは言った
川 ゚ -゚)「ドクオの事で、少し頼みたい事があるんだが」
(゚、゚トソン「なにをですか? ただではやりませんよ」
川 ゚ -゚)「この唐揚げも含めて、駅前に出来た洋菓子店のケーキでどうだ?」
+(゚、゚トソン「引き受けましょう」

(゚、゚トソン「で、どんな頼みですか?」
川 ゚ -゚)「ああ。何、そんな大変な物では無い。何故遅刻するのかを聞いて欲しいんだ」
(゚、゚トソン「調べるのでは無くて?」
 クールの言葉にトソンは首を傾げた。
川 ゚ -゚)「既に三回私はドクオを観察した。が、ゲームセンターに行ったと思えば、家でのんびりしていたり、本屋に行ったりと、まるで午後に行く事だけが目的のように一貫性が無いんだ。だから聞いてくれ」
 ふむ、とトソンは頷いた。
(゚、゚トソン「どれくらい聞けるかは解りませんが、頑張ってみましょう」
川 ゚ -゚)「頼んだ。……と、これを」
(゚、゚トソン「……? これは――」

~放課後~
ピンポーン
「はーい」
 トソンがチャイムを鳴らすと、声と共にパタパタと軽い足音が聞こえた。
 ガチャ
j( 'ー`)し「……あら?」
 ドアを開けたのはドクオに似た面影を持った女だった。見た目からしてドクオの母だろう。
 ドクオ母は顎に手を当て考え、やがてトソンに聞いた。
j( 'ー`)し「もしかして……ドクオの友達?」
(゚、゚トソン「まあ、はい」
 頷くとドクオ母は嬉しそうに手を叩き、顔を綻ばせた。
j( 'ー`)し「あらあら珍しいわね! 何の用かしら?」
(゚、゚トソン「……少し、聞きたい事がありまして」
j( 'ー`)し「そう! ……でもドクオ帰ってきてないのよねえ……」
(゚、゚トソン「そうですか」
j( 'ー`)し「とりあえず中に上がって待ってなさい。最低でも30分後には帰ってくると思うから」
(゚、゚トソン「では……お言葉に甘えて」
 一礼し、トソンは玄関に入った。

j( 'ー`)し「良いコーヒーをこの前貰ったのよ。飲みます?」
 リビングのテーブルにちょこんと腰掛けたトソンにドクオ母は言う。
(゚、゚トソン「いえ。アポもなしにお邪魔したのに、その上コーヒーまで頂くのは……」
 トソンがそう返すとドクオ母は口元を綻ばせて言った。
j( 'ー`)し「遠慮しなくたって良いわ。ウチは紅茶派だから、誰も飲まないのよ……。飲まないで腐らせるぐらいなら、せっかく来てくれたお客様にお出しした方が良いでしょう?」
(゚、゚トソン「……そうかもしれませんね。頂きましょう」

~20分後~

j( 'ー`)し「そう言う時はね、なるべく焦らないようにするのが良いわ」
(゚、゚*トソン「ほほう、なるほどなるほど……」メモメモ
ガチャ
('a`)「ただいま……」

j( 'ー`)し「お帰りなさいドクオ。あなたにお客さんよ?」
('a`)「お客さん……?」
 反芻するように呟きながらドクオがリビングに入って来た。
(゚、゚トソン「先ほどぶりですねドクオ」
('a`)「……都村?」
 トソンを見てドクオは首を傾げた。やがて戻しトソンに言った。
('a`)「……二階に俺の部屋がある。そこでなにしに来たか聞こう」


 案内された部屋は良い具合に散らかっていた。壁に積まれた18禁のゲームや本を見てトソンは呟く。
(゚、゚トソン「ドクオらしい部屋ですね」
('a`)「貶してるのかそれは? ……まあ良いか。とりあえずジュースでも持ってくるか?」
 ドクオの言葉にトソンは手を振った。
(゚、゚トソン「先程、ドクオのお母さんからコーヒーを頂いたので」
('a`)「そうか。だが喋っている内に喉乾くだろうし、せめて水は持ってくるか」
(゚、゚トソン「ええ。解りました」
('a`)「一応言っておくがベッドの下とか探すなよ?」
 そう言い残し、ドクオは階段を降り始める。それを合図にトソンはスカートのポケットに手を入れながら辺りを見回した。

 水を入れたグラスを2つ持ってドクオが戻って来た
('a`)「よし。ベッドの下は見て無いな」
 そう言いながら、グラスをトソンと己の間に置く。そんなに見られちゃいけない物があるのなら見れば良かった、とトソンは思った。
('a`)「さて、用はなんだ」
 胡座を掻いて座り、ドクオはそう切り出した。
(゚、゚トソン「砂尾さんに聞いてくれ、と頼まれまして」
('a`)「なにを?」
(゚、゚トソン「ドクオが遅刻する理由を」

 数瞬の沈黙の後、ドクオは言った。
('a`)「……気分が優れなかったんだよ」
(゚、゚トソン「……本屋に行ったり、ゲームセンターに行ったりするのも気分が優れなかったからですか?」
('a`)「……まるで探偵みたいだな?」
(゚、゚トソン「名前的には助手ですがね」
('a`)「じゃあ俺は殺される役か」
(゚、゚トソン「砂尾さんはそれに悲しむ妻と言う事で良いでしょうか」
('a`)「……」

ツンって可愛いよね


たかしはいつも地雷乙

 ドクオは深く溜め息を吐いた。
('a`)「どうしても知りたいらしいな……仕方ない、話してやる。クールには喋るなよ?」
(゚、゚トソン「……はい」
('a`)「まずは、……そうだな。俺とクールが付き合い始めた事を話そう」
(゚、゚トソン「そう言えば、聞いた事ありませんでしたね。どんな馴れ初めで?」
 ドクオが思い出すように宙を睨んだ。
('a`)「……あれは確か、蝉が五月蝿い夏の午後だったか」


ミーンミンミンミーン
川 ゚ -゚)「好きだ。付き合ってくれ」
(;'a`)「……ゑ?」
ミーンミンミンミーン

('a`)「……補習で糞暑い中、学校に来て靴箱開けたら手紙入ってて、指定された時刻にどうせ悪戯だろうと思って校舎裏に行ったら前置きなく告白されたんだ」
(゚、゚トソン「砂尾さんらしいですね」
('a`)「確かにな」

(゚、゚トソン「で、それがどうしたんですか?」
 トソンの問いにドクオはグラスを持ちながら答えた。
('a`)「それから付き合い始めて今に至るんだが……」
 水を一口飲む。
('a`)「……あいつは今まで俺が生きて来た中でも見たどんな物よりも綺麗だ。そう思う。最初見た時、話すのさえ出来ないと判断した程にな」
 トソンは首を傾げた。
(゚、゚トソン「惚気ですか?」
('a`)「違う。……怖いんだ」

(゚、゚トソン「怖い?」
 ああ、とドクオは頷いた。
('a`)「……なんであいつ俺なんかに告白したんだろうな。俺はあいつに釣り合う程イケメンでは無いし、成績も真ん中ぐらいだ。なのに、なんでだろうな?」
 ドクオの独白のような告白にトソンは何も言わなかった。ただ、告白を聞き終えた後に言う。
(゚、゚トソン「僕は砂尾さんでは無いので解りません」
('a`)「……そうか」

 グラスに入った水を口に入れ、トソンは言う。
(゚、゚トソン「……約束通り、僕は、今の事を砂尾さんに言いません」
('a`)「ああ」
(゚ー゚トソン「……一つ、耳寄りな話をしましょう」
('a`)「……?」
 トソンがあまり見せない笑みを見せた事にドクオは嫌な予感がした。
(゚ー゚トソン「家族に見られたくない、そんなポスターをこの部屋に飾る時……どこに飾るのが見つかりにくいと思いますか?」
 いきなりの質問にドクオは訝しみながら答えた。
('a`)「ドアの内側だろ? ここのドア内開きだからな。それがどうした?」
 笑みを消し、トソンは頷いた。
(゚、゚トソン「いえ、確かに気付かれない物だな、と」
 トソンの視線の先はドクオの背後、部屋の入り口。つられるようにドクオも後ろを振り返った。
(;'a`)「……!」

 気付く。開いたドアがある壁の反対側。見慣れない物体がある事に。
(゚、゚トソン「僕の携帯です」
 トソンが言う。それは解る。問題なのは――。
 携帯は通話状態のようにぴかりぴかりと光っていた事だ。
 背後でトソンが立ち上がった。行き先は携帯。たどり着き、ドクオに中身が見えないようにスカートを後ろから押さえながら屈んで、携帯を取る。そしてディスプレイをドクオに見せた。
 そこに記された名前は、砂尾クール。
(;'a`)「な……!」
 ドクオが何かを言おうとした。しかし、それよりも早く、下、玄関の方からチャイムが鳴った。
(゚、゚トソン「僕が来た理由はこれで終わりです」

 今更ながらどこか読みづらいか聞いてみる。やはり地の文が駄文過ぎるからだろうか。

 階段を降りる途中、視線が玄関先でドクオ母と話しているクールの姿を捉えた。
 トソンが階段を降り終えると同時にクールがこちらに向かって来る。
 すれ違う、その瞬間。
川 ゚ -゚)「ありがとう」
 クールはそう言った。
(゚、゚トソン「……大した事はしてませんよ」
 そう返し、トソンは玄関へと向かった。

改行がないと密度が高くなって見づらいってのはある
全部一行ずつ開けるか内容続いてる部分は一塊にして空白一行開けるとかすると見やすいかも
他のスレ覗いてみるといいんでない?

まぁでもどんな書き方だろうが面白ければ読むし俺は問題ないんで④

 >>105回答ありがとう。こっからは台詞や地の文などを空けて書いてみる。

 ドクオの家を出たトソンは大きく伸びをした。

(゚、゚トソン「さて、と」

「ちょ、ちょっと待て! 鍵かけた筈だぞ!?」

「こんな事もあろうかと合い鍵ならぬ愛鍵を作って置いたのだ」

「犯罪だよな、それ!?」

「犯罪では無い。愛だ」

「どう見ても犯罪だ! って、ちょっと、タンマタンマ!」

「待たんぞ。さあ砂尾クールの愛講座を始めようか!」

「ぎゃあああああああああ!」

(゚、゚トソン「帰りますか」

 背後から叫び声がしたがトソンは聞かなかった事にして、歩き出した。

~翌日~
 トソンが学校へ行く道を歩いているとドクオを発見。クールと仲良く並んで歩いている所を見ると昨日の事は解決したのだろうと。

('a`)「おはよう、都村」

(゚、゚トソン「おはようございます、ドクオ、砂尾さん」

川 ゚ -゚)'a`;)「うむ」ムギュー

 返事をすると共にクールはドクオを抱きしめた。

(゚、゚トソン「お熱いですね。……それで結局どうなりましたか?」

川 ゚ -゚)'a`;)「とりあえず二時間かけて愛を語らってその後一緒に夕御飯食べて一緒に風呂に入って一緒に寝た」

川 ゚ -゚)'a`;)(胸が! 胸が当たっている!)

イイヨイイヨー

(゚、゚トソン「仲直りした、と言う事で良いでしょうか」

川 ゚ -゚)'a`;)「うむ。今の私ならエアーマンをも倒せる気がする」ムギュー

川 ゚ -゚)'a`;)(くっ……耐えろ俺! 座ってろマイサン!)

 そう葛藤するドクオを横にクールは言う。

川 ゚ -゚)'a`;)「とりあえず明日、約束通りケーキ屋へ行くか?」ムギュー

(゚、゚トソン「それなんですが……ツンやブーンも連れて言って良いですか?」

 トソンの質問にクールはより強くドクオを抱きしめながら答えた。

川 ゚ -゚)a`;)「うむ。うぇるかむだ」ムギュッギュー
         _  
川 ゚ -゚)a`;)(( ゚∀゚)o彡゚おっぱい! おっぱい! ……はっ!? 今のは隣のクラスの長岡……?)

 長岡が一瞬乗り移ったドクオはさて置いて、トソンは頷いた。

(゚、゚トソン「そうですか。……せっかくの時間を邪魔するのも悪いですし、先に行きますね」

川 ゚ -゚)a`;)「うむ。ありがとう」

 相も変わらずドクオを抱きしめながらクールは答えた。


 トソンが去った後、クールに抱き憑かれながらドクオは言った。

川 ゚ -゚)a`;)「……なあクール」

川 ゚ -゚)a`;)「なんだ?」ムッギュー

川 ゚ -゚)a`;)「ちょっとトイレ寄っていいか?」

川 ゚ -゚)a`;)「ああ、良いぞ」

 トソンが教室に入ると、いつも通り流石兄弟がパソコンを弄っていた。弟者がトソンに気づき、挨拶をする。

(´<_` )「おはよう。都村」

(゚、゚トソン「おはようございます」

(´<_` )「あとは……ツンとブーンだけだな」

 弟者の言葉にトソンは首を傾げて言った。

(゚、゚トソン「おやブーンはともかく、ツンも来てないのですか? 少々、珍しいですね」

 ツンはいつも朝早く来る。本人曰わく「べ、別に早くブーンに合いたいからじゃないんだからね!」との事。
 ……改めて友人の難儀な性格にトソンは溜め息を吐きたくなった。


(´<_` )「まあ、必ず朝に来いとか言って無いから義務とか無いんだけどな」

(゚、゚トソン「確かに」

 トソンは頷いた。弟者も釣られるように頷き、言う。

(´<_` )「とりあえず、ツンとブーンが来たら昨日から今し方までの収穫を言っとく。それまではのんびりしていてくれ」

(゚、゚トソン「解りました」


ξ*゚⊿゚)ξ「お、おはよう」

( ^ω^)「おはようだお」

 数分後、ツンとブーンが教室に入ってきた。

 読みかけの本に栞を挟み、トソンが挨拶を返す。

(゚、゚トソン「おはようございます。一緒に登校に登校ですか?」

( ^ω^)「そうだお。ちょっと道路工事が合ったので回り道したらばったり」

ξ*゚⊿゚)ξ「わ、私はブーンと歩きたくなかったんだからね! 目的地が一緒だったからなんだから!」


( ´_ゝ`)「はいはいツンデレツンデレ(笑)」

ξ#゚⊿゚)ξつ)゚_ゝ`)「ポルナレフッ」

 余計な事を言った兄者がツンによって吹っ飛ばされるのを後目に、トソンは頷いた。

(゚、゚トソン「なるほど。……にしても二人揃って登校するの、久しぶりに見ましたね」

( ^ω^)「そう言えばツンと一緒に登校するのって久しぶりだおね。小学校の頃は毎日一緒に登校してたけど、中学校に入ってからは登校しなくなったお。今更ながらどうしてだお、ツン」

ξ*゚⊿゚)ξ「な、なんとなくっ」

(#)´_ゝ`)「俺もなんとなくノートパソコンに保存してある秘蔵のグロ画像を見せたくなっ」

「タンシオッ」(#)゚_ゝ(◇=⊂(゚、゚トソン

 ツンの拳から復活して、余計な事をしようとした兄者はトソンが放った本により、再び撃沈した。


 何度も聞くブーンから逃げるようにツンは弟者に問った。

ξ゚⊿゚)ξ「で? 何か収穫はあったの?」

(´<_` )「ぶっちゃけると無い」

 言葉通りのぶっちゃけっぷりにツンは溜め息を吐いた。

ξ-⊿-)ξ=3「……まあ、元より期待してなかったからね」

(´<_` )「そっちはどうだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「どう動けば良いか解らないわ」

( ´_ゝ`)「ぶっちゃけると?」

ξ゚⊿゚)ξ「何もしてないわ」

(´<_` )「そうか。とりあえずだ、俺たちは引き続きパソコンで情報収集する。ツン達は……まあ……がんばれ」

ξ゚⊿゚)ξ「……アバウトね」

つ④

 とりあえず今日は昼の中庭会議(命名兄者)はやらないと言う事で話を終わらせ、流石兄弟はパソコンのディスプレイに向かい、ツンとブーンは席に座った。
 
 隣で髪を整えているツンにトソンは切り出す。
 
(゚、゚トソン「そう言えばツン」
 
ξ゚⊿゚)ξ「なに? トソン」
 
 聞き返すツンにトソンは言う。
 
(゚、゚トソン「明日、砂尾さんと一緒に駅前の洋菓子店に行く予定なんですがツンも一緒に」
 
ξ゚⊿゚)ξ「行くわ」
 
(゚、゚トソン「……即答ですか」
 
ξ゚⊿゚)ξ「駅前の洋菓子店には前々から行ってみようと思ってたかからね。丁度良かったわ」
 
(゚、゚トソン「そうですか」

 ふむ、とトソンはツンを挟んだ向こうの机に座るブーンを見、話し掛けた

(゚、゚トソン「ブーンも明日、一緒にどうでしょうか?」

( ^ω^)「? どこに行くんだお?」

(゚、゚トソン「駅前の洋菓子て」

( ^ω^)+「行くお」

(゚、゚トソン「……」

(゚、゚トソン(……なんで二人共、似たような返答なんだろう)

(´<_` )「ん? なんの話をしているんだ?」

(゚、゚トソン「砂尾さんと一緒に明日駅前の洋菓子店に行くと言う話を」

(´<_` )「駅前の洋菓子店って、確かクロブランで最近話題の店?」

(゚、゚トソン「はい。弟者達も行きますか?」
(´<_` )「んー。金無いし、明日予定入ってるんだよなあ……。ちょっと名残惜しいけどパス」

(゚、゚トソン「そうですか……」

 ~放課後~

(゚、゚トソン「……さて、と」

 家へと帰る道の途中、住宅街の入り口の側にある駄菓子屋の軒先にて、トソンは困っていた。

 外は土砂降りの雨模様。

(゚、゚トソン「……天気予報では晴れと言ってたんですけどねえ」

 呟くが目の前にある風景は変わらない。溜め息を吐き、どうするか考える。

 まず走って行く、と言うオーソドックスな案が浮かんだが、大体ここから家まで4分ぐらいはかかる。今の土砂降りでは濡れ鼠になる事必須なのでそれは最後の手段に回し、とりあえず次に浮かんだ、止むか、小降りになるまで待つと云う案を採用する事にした。

 柱に寄りかかり、ここ数日間の事を断片的に思い返す。

(゚、゚トソン「……ふむ」

 やはり一番有望な情報は噂の出どころであると言う情報。出どころを見つけさえすれば範囲はより狭くなる。が、それだけでは足りない。他に

(ー、ートソン「まあ、現状はこの雨をどう切り抜けるか、ですね」

 雨は相変わらずの土砂降りで一向に止む気配を見せない。トソンは溜め息を吐いた。と、それを合図にしたかのように足音を伴って少女がトソンの横に来た。

(゚、゚トソン「……確かあなたは……」

(#゚;;-゚)「……あ……」

 足音の主は一昨日会った箱入でぃだった。

 >>121ミスった。少し訂正

 柱に寄りかかり、ここ数日間の事を断片的に思い返す。

(゚、゚トソン「……ふむ」

 やはり一番有望な情報は噂の出どころであると言う情報。出どころを見つけさえすれば範囲はより狭くなる。が、それだけでは足りない。他にも何か、情報を得たい所だ。

(ー、ートソン「まあ、現状はこの雨をどう切り抜けですね」

 雨は相変わらずの土砂降りで一向に止む気配を見せない。トソンは溜め息を吐いた。と、それを合図にしたかのように足音を伴って少女がトソンの横に来た。

(゚、゚トソン「……確かあなたは……」

(#゚;;-゚)「……あ……」

 足音の主は一昨日会った箱入でぃだった。


(#゚;;-゚)「……えっと……」

 首を傾げてトソンを見、でぃは言った。

(#゚;;-゚)「昨日の昨日に会ったトマトさん……?」

(゚、゚トソン「ええ。一昨日会いましたね。ただ僕はトマトではなく都村トソンです」

 そう言うとでぃは首を縮め、言った。

(#゚;;-゚)「ごめんなさい……。……雨宿り、ですか?」

(゚、゚トソン「はい。そちらも?」

 こくりとでぃは頷いた。

(#゚;;-゚)「包帯をお買い物……」

 手に携えた薬局の袋を見て、トソンは言う。

(゚、゚トソン「一人で買い物ですか。偉いですね」

(#゚;;-゚)「……ん……。慣れてる、から」

(゚、゚トソン「慣れてる?」

 首を傾げるトソンにでぃは答えた。

(#゚;;-゚)「うん……。私、運動が苦手でよく怪我をするから……。だから、いつも包帯や絆創膏を切らさないように自分で補給するようにしているの……」

(゚、゚トソン「成る程」


 頷くトソンにでぃは少し照れたように顔を俯かせた。

 雨が地面や屋根を打つ音だけが空間に響く。

 しばしの後、不意にトソンとでぃが背中を向けていた駄菓子屋の戸が開いた。

ζ(゚ー゚*ζ「……あれ? トソンさん?」
 声にトソンが振り向くと、デレが駄菓子屋から出て来る所だった。

(゚、゚トソン「……こんにちは、デレ」

ζ(゚ー゚*ζ「うん、こんにちはー」

(゚、゚トソン「買い物ですか」

 デレの右手にぶら下がったビニール袋を見てトソンは言う。デレはこくりと頷いた

ζ(゚ー゚*ζ「雨宿りのついでにねー」

いいなこれ


(#゚;;-゚)「……ぁ、あの……」

 不意にでぃが声を出した。その視線はデレの左腕。肘から手首まで巻かれた包帯に向けられている。

(#゚;;-゚)「怪我……したんですか……?」

ζ(゚ー゚*ζ「んー? ……トソンさん、この娘誰ですか? 可愛いですね」

(゚、゚トソン「僕のクラスの担任のギコ選手の従姉妹だそうで」

ζ(゚ー゚*ζ「へー。……うん、そうです。ちょっと小学校の頃に怪我しまして」

(#゚;;-゚)「……そう、なんですか」


ζ(゚ー゚*ζ「君も包帯巻いてるけどどうしたんですか?」

 そう聞くデレにでぃは顔を俯かせ言う。

(#゚;;-゚)「……私は、よく躓いたり、落っこちちゃったりしちゃうので……」

ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫? 気を付けてね」

(#゚;;-゚)「はい……」


 頷くでぃを後目にデレは突如周囲を見渡し、言った。

ζ(゚、゚*ζ「……雨、やみましたね」

 その言葉にトソンも周囲を見渡す。確かに、先程まで地面をひっきりなしに叩いていた雨が止んでいる。

ζ(゚ー゚*ζ「チャンスですし、帰りますねー」

(#゚;;-゚)ノシ「ばいばい……」

(゚、゚トソン「さようなら」

 軒下から出て、別れの挨拶を交わし、デレを見送る。

 後ろ姿を眺めながら、トソンはでぃに聞いた。

(゚、゚トソン「……途中まで、一緒に行きましょうか?」

(#゚;;-゚)「……うん」

 こくりとでぃは頷いた。


~夜~

('、`*川「トソン。電話よ」

(゚、゚トソン「はい」

 いつも通り気怠げな様子の母親から受話器を受け取り、耳に当てる。

(゚、゚トソン「もしもし?」

川 ゚ -゚)「私だ」

 受話器から聞こえてきたのはクールの声だった。トソンは少し首を傾げながら問う。

(゚、゚トソン「砂尾さんですか。何の用で?」
川 ゚ -゚)「うむ。今更ながら待つ場所とか時間とか言うのを忘れた事に気づいてな」
(゚、゚トソン「そう言えば言ってなかったですね」


川 ゚ -゚)『あとトソンの携帯の電話番号を知りたい』

(゚、゚トソン「僕の携帯の電話番号ですか?」

川 ゚ -゚)『うむ。さあ白状するが良い』

(゚、゚トソン「僕の電話番号は……」

 トソンの言う数字に合わせて受話器から携帯のキーボタンを押す音が聞こえた。

川 ゚ -゚)『よし。今からかけてみる』

 クールのその言葉から数秒後、トソンの部屋から携帯の着信音が響いた。

(゚、゚トソン「鳴りました」

 そう報告すると、クールは言う。

川 ゚ -゚)『よし。とりあえずこっちの電話は切るぞ』

 その言葉の通り、プッと切れる音が聞こえ、電子音が響く。トソンは受話器を戻し、部屋に戻った。


(゚、゚トソン「で、集合場所と時間はどうですか?」

 ベッドに腰掛け、トソンは携帯に問った。

川 ゚ -゚)『集合場所は駅前の噴水付近。時間は10時で良いか?』

 こくりとトソンは頷いた。

(゚、゚トソン「良いと思います」

川 ゚ -゚)『よし。じゃあそれで行こう。……と、すまないが、ツンとブーンにメールとかで集合場所と時間を知らせておいてくれ。私よりトソンの方が早く連絡できるだろうからな?』

(゚、゚トソン「そうですね。解りました」

川 ゚ -゚)「うむ。注文が多くてすまないな」
(゚、゚トソン「いえ、そんな事は無いですよ」

川 ゚ -゚)「そうか。では、明日だな。おやすみ」

(゚、゚トソン「おやすみなさい」


~翌日~

 駅前、噴水を中心とした広場。人が行き交う喧騒の中、噴水を背にトソンとクールはベンチに座り、話していた。

(゚、゚トソン「確かにあの話は良かったですね。特に最後は主人公の暗澹とした雰囲気が程よく伝わる感じがしました」

川 ゚ -゚)「トソンもそう思うか? 私もそう思った」

('a`)「……」

 盛り上がっている二人の横でドクオは所在なさげに座って居た。

④④④

何この緩い感じ

もっとやれ

 トソンの腕時計が10時を差した頃、ツンとブーンが現れた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ごめん、待たせた?」

( ^ω^)「モグモグ」

 ブーンはここに来る前に見かけた焼鳥の屋台で買ったと思われるつくねをかじっている。

(゚、゚トソン「いえ、大丈夫ですよ。時間きっかりですし」

川 ゚ -゚)「うむ。私とドクオは20分早く着いただけだからな。気に病むな」

ξ;゚⊿゚)ξ「そ、そう。……なら、良い……かな?」

 やや複雑そうな表情のツンにトソンは聞く。

(゚、゚トソン「しかし、いつも5分前には来ているツンが遅れるとは、何かあったのですか?」

ξ゚⊿゚)ξ「いえ、ブーンが焼き鳥の屋台でつくねを9本も注文しちゃってね。待ってるのにちょっと時間かかっちゃって」

(゚、゚トソン「そんなに買うとは。朝ご飯ですか、ブーン?」

 トソンの問いにブーンは左手に持った紙袋から二本目を取り出し、答えた。

( ^ω^)「違うお。9本の内、4本はみんなの分だお」

(゚、゚トソン「それはどうも……。あとの5本は自分のですか」

( ^ω^)「当然だお」


 ブーンからつくねを受け取り、食べながらツンは言う。

ξ゚⊿゚)ξ「で、これからの予定は? 昨夜、トソンからのメールで駅前の広場、噴水の付近に10時集合って事は知ったけどそれ以外知らないわよ」

(゚、゚トソン「僕も知りませんね」

 ブーンを覗く皆の視線がクールに向かう。クールは髪を弄りながら答えた。

川 ゚ -゚)「うむ。とりあえず、近くのファーストフードで昼御飯を買って、食べつつ並ぼうと思う。2時か3時頃には入れるだろうな」

('a`)「そんなにかかるのか?」

 クールの言葉にドクオが聞く。

ξ゚⊿゚)ξ「かかるわよ。ほら、あれ見て」

 そう言ってツンは広場の片隅を指差した。そこにはまるで餌に群がる鳩のように、大勢の人間が列を成していた。

('a`)「……まさか、あそこが」

ξ゚⊿゚)ξ「そう、件の洋菓子店よ」

('a`)「……なんであんなに並んでるんだ?」

 ドクオの問いにツンはしばし考え、言う。

ξ゚⊿゚)ξ「……うん、と。あの洋菓子店は最近出来たばかりだけど、とっても美味しいらしくてね。来た人の殆どがリピーターになるらしいわよ。だからあんなに並んでるの」

('a`)「成る程……ね」


川 ゚ -゚)「さて、とりあえずあそこにあるマクドナルトに行こう。割引券がそろそろ期限切れなんだ」

 そう言ってドクオを引きずり歩き出すクール。

ξ゚⊿゚)ξ「ほら、行くわよ」

(;^ω^)「最後の一串なんだから味わさせてくれお」

 それにツンとツンに引きずられるようにブーンが続く。

 それを眺めながらトソンも歩き出した。

割引券って結局期限切れるまで使わなかったりするよな


('a`)「……そういえば。クールから聞いたんだが」

 並ぶ中、ハンバーガーを食べ終えたドクオが言う。

(゚、゚トソン「……?」モキュモキュ

 口に入れたチーズバーガーを咀嚼し、飲み込んでからトソンは言う。

(゚、゚トソン「何を、ですか?」

('a`)「神様隠し。調べてるんだって?」

(゚、゚トソン「ええ、はい」

('a`)「どこまで解ったんだ? 少し、教えてくれ」


('a`)「……ふむ、なるほど。ありがとう」

 トソンの説明を聞き、ドクオは頷いた。
(゚、゚トソン「いえいえ」

 そう返すトソンにドクオは腕を組み、しばし黙考する。やがて腕を解き、言った。

('a`)「……こんな話は知っているか?」

(゚、゚トソン「? どんな話ですか?」

('a`)「神様に傷がついた話」

 トソンは首を傾げた。

(゚、゚トソン「初耳ですね。どのような話でしょうか?」


('a`)「んと、昔昔――」

 と、ドクオが話始めた矢先、クールが割り込んできた。

川 ゚ -゚)「大変だ、ドクオ」

('a`)「……どうした、クール?」

川 ゚ -゚)「ドッキュンバッテリーが切れそうだ」

('a`)「……先程、トソンが来るまでずっと抱きついてたのにか」

 呆れたような雰囲気を滲ませながらの問いににクールはうむ、と頷いた。

川 ゚ -゚)「この前の反動で燃費が悪くなってな」

('a`)「そうかよ」


川*゚ -゚)「そんな訳でドッキュンチャージ!」ガバッ

 勢い良く抱きつくクール。

(゚、゚トソン「……大変ですね」

川*゚ -゚)'a`;)「まあな……」

ξ*゚⊿゚)ξ(わ、私もちょっと勇気を振り絞って、ブ、ブーンに、や、やってみようかな……)

 二人を眺めるトソンの後ろ、オレンジジュースを飲みながらそう思ったツンはある事に気づいた。

 自分やトソンには無い物。何もしなくても通りすがりの男性の目を釘付けにする魅力を秘めた武器。

 その武器がムギュっとドクオの体に押し当てられている。

 押し当てられたそれは柔らかく変化していて、破壊力を増していた。


ξ゚⊿゚)ξ

 思わず、自分の胸に視線を落とす。

 しかし見るまでも無い。さながら木星とスッポンのように、違いは明白だった。

ξ゚‐゚)ξ「……ブーン」

( ^ω^)「……なんだお?」

ξ゚‐゚)ξ「私のオレンジジュースとそのミルク。交換しなさい」

( ^ω^)「……なんでだお」

ξ゚‐゚)ξ「飲みたいから」

(;^ω^)

 断ればヤバい、と言う事を本能的に理解し、冷や汗を流しながらブーンはミルクの入った紙コップをツンに捧げた。

クールそういう仕様なのか


 紙コップを受け取ったツンは代わりにとオレンジジュースをブーンに渡し、紙コップを一気に傾けた。

 紙コップが手に渡ってから数秒。中の液体はツンの体内に吸収された。

 紙コップをくしゃりと握りつぶし、紙袋に入れる。それから財布を取り出して、500円をブーンに差し出した。

ξ゚⊿゚)ξつ゚「ん!」

(;^ω^)「な、なんでしょう……?」

 思わず丁寧な口調で問うブーン。

ξ゚⊿゚)ξ「牛乳。買える分だけ買ってきて」

( ^ω^)「わ、解りましたお……」


 その後。通りすがりの人がクールとドクオのイチャイチャっぷりを見て、吐血した事以外は何事も無く過ぎ――。

 ツンがブーンが買ってきた最後の一本を飲み干し、紙袋に入れた所でようやく店の前に辿り着いた。

(゚、゚トソン「3時ですか。ちょうど良いですね」

 腕時計を見ながらツンが言う。

川*゚ -゚)a`;)「うむ。ラッキーだな」ムッギュー

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(;^ω^)(ツンが何か怖いお)



(゚、゚*トソン「……予想していた以上に美味しいですね」

 注文したチーズケーキを食べ、トソンは呟く。

川 ゚ -゚)「うむ」

 モンブランを口に含みながらクールも頷く。

ξ゚⊿゚)ξ「そうね」

 ショートケーキをフォークで切り分けながらツンも同調した。

( ^ω^)「ムグムグ」

 ブーンはこの店名物のクロブラン1ホールを素早く口に運んでいる。

俺も糖分取るか


('a`)「……紅茶も良い葉を使っているな。成る程、大半の人がリピーターになる訳だ」

 クールの隣で紅茶を飲み、呟く。

川 ゚ -゚)「ドクオ、ドクオ」

 クールがドクオに呼びかける。

('a`)「なんだ?」

 ドクオがクールに顔を向けると、目の前にフォークと、その先端により串刺しにされた一切れのモンブランが差し出された。

川 ゚ -゚)「あーん」

('a`)「……」

川 ゚ -゚)「あーん」

('a`)「……あーん」

 諦めたようにドクオは差し出されたモンブランを口に入れた。

ξ゚⊿゚)ξ(私もチャレンジしてみ……無理ね)

( ^ω^)「ムグムグ」

 1ホールの半分を胃に収めたのを見て、ツンはそう判断した。


(゚、゚トソン「で、これからからどうします?」

 トソンの問いにブーンは答えた。

( ^ω^)「僕は見たい番組があるから帰るお」

 ブーンの言葉にツンも言う。

ξ゚⊿゚)ξ「私も特に用事無いし、帰ろうかな?」

(゚、゚トソン「いえ、ツンは用事あるでしょう? 確か、ブーンの家の近くにオープンした雑貨屋に行きたいと前言ってませんでした?」

ξ゚⊿゚)ξ「え? あ、ああ! そうだったわね」

( ^ω^)「じゃ。途中まで一緒かお。小学校ぶりおね」

ξ*゚⊿゚)ξ「か、勘違いしないでよね? 私はただ、雑貨屋に行くだけなんだから」


 帰路に着くツンとブーンの後ろ姿が雑踏に消えるのを確認し、トソンはふう、と一息吐いた。

(゚、゚トソン「……やれやれ。フォローも大変ですね」

('a`)「その言葉から察するに、さっきツンに言った事はでたらめか?」

 ドクオが問う。トソンは首を振った。

(゚、゚トソン「ブーンの家の近くに雑貨屋がオープンしたのは本当です。ただ、ツンが雑貨屋に行きたい云々は嘘です。僕は割とそう言う所は好きなのですが、ツンはあまり好きじゃないらしくて」

('a`)「……嘘と真実が入り混じると判別し辛いよな。ひらがなのヘとカタカナのへをキーボードで打ってどれがカタカナか当てるぐらいに難しい」

川 ゚ -゚)「しかしあれだな。ツンも私のように素直になれば良いのに」

 ドクオの横でクールが呟く。

('a`)「お前はお前で素直になりすぎた。もう少し抑えてくれ」

ドクオはげんなりとした口調で返した

川 ゚ -゚)「愛と言う物は抑える事が出来ないのだよ。流れる水のように、な」

('a`)「そうかよ」

トソンさんかっけーっス

支援


川 ゚ -゚)「さて、私達はどうする、ドクオ。買い物でもするか?」

 クールの問いにドクオは答える。

('a`)「それなんだが、ちょっとトソンと話したい事があってな。どっかで待っててくれないか?」

川 ゚ -゚)「……浮気か?」

('a`)「俺が浮気すると思うか?」

川 ゚ -゚)「……」

 その返しにクールはしばし驚いたような表情を見せ、それから微笑んだ

川 ゚ー゚)「いや、しないなと思う。何故なら私はドクオを信じているからな」

('a`)「そうか。じゃあ俺も俺を信じたお前を信じる事にしよう」

(゚、゚トソン「……」

 二人の会話を聞き、トソンは思った。

(゚、゚トソン(……息が出来ませんね、この桃色空間)


川 ゚ -゚)「終わったら呼んでくれ」

('a`)「おう」

 雑踏の中にクールは消えて言った。それを見送るドクオの背中にトソンは質問を投げかける

(゚、゚トソン「さて、何の話ですか? まさか先程の桃色空間を見せたかった訳じゃないでしょうね」

('a`)「……? なんだ、桃色空間って」

(゚、゚トソン(自覚無しとは。どうやらこの先、ドクオの近くに居る時は酸素ボンベを用意せねばならないようですね)

 冗談混じりにそう思うトソンを前にドクオは頭を掻き、言う。

('a`)「で、話ってのは神様の傷の話。さっきはクールが割り込んできたんで話せなかっただろ?」


(゚、゚トソン「そうでしたね。……で、どんな話なのですか?」
 トソンの問いにドクオは答えた。

('a`)「この街に伝わるマイナーで短めの御伽噺だよ。聞くか? 参考にはなると思うぞ」

(゚、゚トソン「そうですか。では、聞かせてください」

('a`)「おう」

 ドクオは唇を舐め、話始めた。神様の傷の話を。

('a`)「昔昔ある所に悪戯好きな神様が居ました――」


('a`)「その神様は猫に化けて魚を奪ったり、カラスに化けたりと他愛ない悪戯を暇つぶしに繰り返していました」

('a`)「が、やはり新しい悪戯をしてもいつかは飽き始めます。そんなある日、神様はある事を思いつきました」

('a`)「そこら辺の人間に化けて、生活をしてみよう。もちろんちょっと怪しまれるぐらいに変な行動を取って。もしその挙動で神様だと指摘した人間が居たら、願いを叶えてあげよう、と。この思いつきを神様は面白いと判断し、さっそくとある山の木こりに化けました」

('a`)「それから数百年の月日が流れ、神様は宿屋の娘に化けてました。神様だと当てた人間は居ません」


('a`)「神様は退屈しました。何故誰も我を神様だと指摘しないのだろう」

('a`)「当然の事と言えば当然の事です。神様は完璧になりすましていたのですから。少々可笑しな事をしても頭がおかしくなった、狐に憑かれたなどとしか言われません。まさか神様だとは思わないでしょう。神様は若干アホの子でした」

(゚、゚トソン「わあお」

('a`)「さて。そんなある日の朝。宿屋の娘としての仕事をするべく外に出てみるとぶっ倒れている小汚い男が。何やら腹の所から獣のような音がしてます。神様は気まぐれに握り飯を男の頭のそばに置きました」

('a`)「すると男は飛び上がり、握り飯を掴み頬張りました。そして神様を見て言いました。あなたは神ですか?」


('a`)「神様は少し迷いました。男がいってるのは救いの神とかそんな意味です。神様だと見破った訳でありません。が、神様はまあいいや、と思いました。そして男を謎空間に引き込みました」

('a`)「突如謎空間に放り込まれ戸惑う男を前に神様は自身が神で、神だと見破った物には褒美として願いを叶えると言う事を説明しました」

('a`)「男は理解したように首をふりました。それを見た神様は言います。願い事はなにか、と」

('a`)「男はしばし考え、それから言いました。特に無い、と」


('a`)「神様は首を傾げ言いました。なんでも良いのだぞ、金銀財宝や不老でもなんでも」

('a`)「男は困ったように笑い、言います。確かに飢餓などを防ぐ事や金銀財宝を貰えるのは魅力的です。ですが私は根無し草。金などその日の宿や食べ物を買えるぐらいで良い。大金など私にとっては水と同じなのです。生きるためには必要ですが、あまり沢山持ちすぎると重いだけ」

('a`)「神様は問います。先程お前は餓えに苦しんでいただろう。我に願えばもう苦しむ事は無いのだぞ?」


('a`)「男はやはり困ったように笑い、言いました。餓えは苦しいですが、故に食べ物の価値がわかりますし、あなたに会う事も出来た。だから私が願う事はありません」

('a`)「神様はそれでもなお食い下がります。お前は偶然とは言え、我を神だと言った最初の一人だ。些細な事でも良い。願いを言ってくれ」

('a`)「それじゃあ、と男は少し考え、言いました。印をつけてください」

('a`)「印? 何故だ、と神様は問いました」


('a`)「どんな風に自分は神様だと表現してますか、と男は問います。奇妙な行動を取るようにしている。神様だと解るようにな、と神様は言いました」

('a`)「成る程、と男は頷き、単刀直入に言いましょう。解りません。と、そう言いました。男の言葉に神様は驚きました。わからないのか? はい。解りません」

('a`)「ふむ、と神様は考え、言いました。つまり今まで我はして来た事は? 時間の無駄です。男は躊躇いなく言い切りました」

('a`)さん饒舌


('a`)「神様はしばし落ち込んだ後、男に言いました。して印とはなんだ?」

('a`)「男が言うには、誰かに化けた時、少し独特な印とかをつけて、その印を持つ者は神様でなんでも願いを叶えてくれると言う噂を流せば少しは神様だと気づく人が増えるので無いか、との事」

('a`)「神様は腕を組み考え、それから頷きました。解った、その願い、叶えよう。と」


('a`)「――と、大体こんな訳で神様は人に化ける時、どこかに傷を作るそうだ」

 そう締め、ドクオは自販機へと、歩み寄った。その背中を見ながらトソンは頷く。

(゚、゚トソン「成る程。……しかし、いつもながらよくそんな話を知ってますね」

 トソンの問いに自販機に小銭を入れながらドクオは答えた。

('a`)「父さんが考古学者だからな。その影響でこの街の歴史には詳しいんだよ。知ってるだろ?」

(゚、゚トソン「そうでしたね」

しかしそれはそれで、噂が広まると見破る人が続出しそうだな


(゚、゚トソン「しかし、それだけでは手懸かりに成り得ませんね。傷のある人間なんていくらでもいますよ。その御伽噺には何処に印すとか無いようですし」

 水を選んでボタンを押す。ガコン、と下の方から音が響くのと同時にしゃがみ、取り出し口からペットボトルを取り出しつつ、ドクオは答えた。

('a`)「だが、荒巻元市長は見つけだした。自身の情報網と権利で強引にな。……荒巻元市長がどんな性格か、知っているか?」


(゚、゚トソン「そう言えば知りませんね。どんな人でした?」

('a`)「集めた落ち葉で芋と栗と魚を焼く性格」

(゚、゚トソン「つまり欲深いと。 して、それがなにか?」

 聞くトソンにドクオはペットボトルの蓋を開けながら、言う。

('a`)「そんな性格の荒巻元市長が、なんでも願いを叶えてくれる神様を手に入れたら……どうなると思う?」

(゚、゚トソン「……」

(゚、゚トソン「……まさか」

 トソンはしばし考えた後、気づいた。欲深い人間が願いそうな願いを。

('a`)「そう。結構定番のアレ……。願いを増やす願いだ」



(゚、゚トソン「……」
 夜。トソンは公園のブランコに座っていた。手にはコンビニで買ったチーズケーキと缶コーヒー。
 パッケージを破り、一口かじる。パッケージに書いてある通り、口の中に濃厚な味が広がった。

(゚、゚*トソン「……」

 ゆっくりと味わい、飲み込む。そしてもう一口かじった。


 やがてチーズケーキは全て口の中に消えた。最後の一口を名残惜しそうにゆっくりと味わい、飲み込む。パッケージをビニール袋にいれ、それから右側に置いた、まだ暖かい缶コーヒーを持った。

 プルトップを上げ、口をつける。微糖の缶コーヒーは口の中に残ったチーズケーキの甘味を消し去った。

(-、-*トソン「……」

 ふう、と一息吐き、それからトソンはドクオの会話を思い出した。




('a`)「――俺の推測はこうだ」

 水を一口飲んでからドクオは言う。

('a`)「神様は荒巻元市長の『願いを増やす願い』を承諾した。そして6年前、故意か事故かは解らないが、荒巻元市長が落石で死んだ際に開放された」

(゚、゚トソン「そこまでは、あり得ますね」

('a`)「こっから先は推測と言うより妄想に近いがな。……神様はとりあえず帰ろうとして、その道中、大怪我をした子供を見つけた。その子の怪我を治すついでに、ふと思いついてその子供に化けた……そう、俺は推測している」


(-、-トソン「……」

 ドクオのその推測に、トソンはしばし目を瞑り、やがて開いた。

(゚、゚トソン「……その推測に登場する子供。ドクオには検討がついてますね」

('a`)「ああ。6年前。傷。それに該当する奴、俺達の身近には一人しか居ない。……それに、お前達が荒巻元市長の性格や、傷の御伽噺を知らなかったように、お前達は知っていて俺が知らない話もある筈だ」

(゚、゚トソン「……確かに一つ、心当たりが有りますね」

('a`)「そうか」

 相槌を打ち、ドクオはペットボトルの水を一息に飲み干した。

ほうほう


 ペットボトルを自販機の横にある飲料容器専用のごみ箱に捨て、ドクオは言う。

('a`)「さて、話も終わったし、クールの所に行くとするかね」

(゚、゚トソン「行ってらっしゃい……と、その前に。一つ、良いですか?」

 歩き始めようとした足を止め、ドクオはトソンを見た。

('a`)「ん? なんだ」

(゚、゚トソン「今の話、何故僕に話したのでしょうか。黙っていれば億万長者でしたのに」

('a`)「……一昨日の朝の俺だったら、そうするだろうな」


 だが、とドクオは続けた。

('a`)「今の俺は幸せだからしない」

( 、 トソン「……」

(゚д゚トソン(……ハッ!? 今川の向こうでしっしっと手を降ってたのは十年前に亡くなったお祖母ちゃん……?)

 不意打ちの桃色空間によって三途の川に逝きかけたトソンを後目に、ドクオは歩き出した。

('a`)「それじゃあな。……頑張れよ」


(゚、゚トソン「……」

 飲み干した缶コーヒーを持て遊んでいると、後ろから砂を踏む音がした。

 ポケットに入れたスタンガンをすぐ取り出せるようにしつつ、振り向く。

 そこにはトソンが呼び出した彼女が居た。

「……」

 こちらを見たまま何も言わない彼女にトソンは言う。

(゚、゚トソン「……6年前、あなたは荒巻元市長から開放された」


( ‐ )「……」

 トソンの紡ぐ言葉に彼女は少しも表情を変えない。トソンは構わず続けた。

(゚、゚トソン「……開放されたあなたは帰る途中、一人の少女を見かける。少女は左腕に大怪我をしていた」


( ‐ )「……」

 彼女は微動だにしない。

(゚、゚トソン「あなたは気まぐれに少女を治し、ついでに少女に化けた。……神仏が残っていたのは解りませんが、とりあえずあなたは6年間ずっと潜み、今年になって動いた」

おおっ

( ー )「……」

 初めて彼女に変化が合った。口元を綻ばせたのだ。その変化による動揺をトソンは深呼吸する事で鎮め、一息に結論を言った。


(゚、゚トソン「6年前に傷を負って、そして神様隠しをどうやって知ったかが曖昧な人間」

 ……あの時、トソン達は彼女は友人から聞いたのだと、そう決めつけていた。


ζ(゚ー゚*ζ


(゚、゚トソン「……デレちゃん。あなたが……神様、なんですか?」


ζ(゚ー゚*ζ「んー。まあ、及第点……と言った所かな」

 トソンの問いにデレはそう言った。

(゚、゚トソン「……?」

 首を傾げるトソンにデレは慌てて言った。

ζ(゚ー゚*ζ「や、勘違いしないでよ? あくまでも我の基準。実質的には満点満点」


(゚、゚トソン「……と、言う事は?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。我か神様だよ。それはあってる」

(゚、゚トソン「……それは、と言う事は間違ってる部分があるのですね?」

 訊ねるトソンに神様はちょっと迷ったように言う。

ζ(゚ー゚*ζ「んー……まあ、間違ってる部分はしょうがないかな。我しか知らない事だから」

神デレちゃん


(゚、゚トソン「……参考程度に聞きますと、どこが間違っていたのですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「我だけが知っている事だから参考にはならんぞ? まあ良い。まず、一つ。お主は左腕に大怪我を負ったと言った。理由はこの包帯だろう。が、これは単に目印と成る印を隠したかったからだ。我は神様だぞ? どのような傷でも、死んでさえいなければ治す事が出来る」

(゚、゚トソン「なるほど。……どこを怪我したか聞かない方が良いですかね?」

ζ(゚ー゚*ζ「うむ。そうするが良い。少しだけ言うと、我が居なければこの娘は間違いなく命を無残に散らしていたと言う事だけは行っておこう」


∥ω・)っ④"


(゚、゚トソン「そうですか……ありがとう、と言うべきですかね?」

ζ(゚ー゚*ζ「別に礼を言われる筋合いは無いさ。気まぐれでやっただけだからな。……そして2つ目だが」

 不思議そうに首を傾げ、デレは続ける。
ζ(゚、゚*ζ「どこをどうねじ曲げたかは知らぬが、我は人を隠し、化けるなどと言う事はしてないぞ?」

(゚、゚トソン「……つまり、どう言う事でしょう?」

 うむ、とデレは頷いた。

ζ(゚ー゚*ζ「我は化けているのではなく、借りているのだよ。だからこの娘の行動はこの娘自身の行動だ」


ζ(゚ー゚*ζ「ちなみにこの前この娘が君と会った時にも我は居たぞ」

 その言葉にトソンは少し頭を傾け、聞いた。

(゚、゚トソン「……もしかすると、昨日の雨は」

ζ(゚ー゚*ζ「うむ、我が降らした。君と会う前にこの娘の姉と、その姉が恋慕を抱いている男と一緒に帰るのを見てな。少し進展させようかと、雨を振らせたのだ。……とある馬鹿が忘れてたために後付けくさくなってしまうが」

 よく解らない発言を最後にし、デレは懐かしむように目を閉じた。

ζ(-ー-*ζ「ああ言う関係は過去に何度か見たが、やはり微笑ましい物だ」

 しばしそうし、やがて目を開いて、トソンに視線を向ける。

ζ(゚ー゚*ζ「……さて。雑談はここまでにしておこうか」

(゚、゚トソン「……本題?」

 首を傾げるトソンにデレは首をすくめ、言う。

ζ(゚ー゚*ζ「とぼけないでくれ。我を見つける発端となった神様隠し。よもや忘れた訳では無いだろう?」

(゚、゚トソン「……ああ、そう言えば見つけたんでしたね、僕」

ζ(゚、゚*ζ「それは暗に我が神様に見えないと言ってるのかな」

(゚、゚トソン「いえ」

>>194ちょっとミスった。

ζ(゚ー゚*ζ「……さて。雑談はここまでにして本題に入ろうか」
(゚、゚トソン「……本題?」


 少しむくれながらデレは言う。

ζ(゚ー゚*ζ「……さて願いはなにかな。不死と神様になりたい以外なら叶えるよ?」
 その言葉にトソンは少し迷い、言った。
(゚、゚トソン「質問です。……この質問は願い事に入りますか?」

ζ(゚ー゚*ζ「質問出来るかどうかをしるために質問するってなんだか本末転倒で面白いね。……うん、安心して。そんな意地悪な事はしないからさ」

 ひらひらと手を振るデレにトソンは聞く。


(゚、゚トソン「では質問です。今不死以外と言いましたが、不死にする事は出来ないと言う事ですか?」

ζ(-、-*ζ「いや出来るけどさあ。不死にすると周りがうるさいのよ」

(゚、゚トソン「周り?」

ζ(゚ー゚*ζ「我以外の神の事。八百万の神って言葉の通り、色んなとこに居るよ」

(゚、゚トソン「……トイレの神様とか?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。ちなみに便器の中から手を出して尻撫でる妖怪居るけどあれも神様」

(゚、゚トソン「知りたくない事実でした」


(゚、゚トソン「神様に成る云々は解るので放置して、さっきから口調が微妙に変わってるのは何故ですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「それはね、先程話した通り、我はこの娘の体を借りている」

 胸に手を当て、デレは言う。手が豊満な胸に埋没するのを、少し羨ましく思いながらトソンは言った。

(゚、゚トソン「それが?」

ζ(゚ー゚*ζ「意外に思うだろうがね、神様と云うモノはかなり曖昧なんだ」


(;・ω・)もっと…もっと続きを…


ζ(゚ー゚*ζ「どこにでも居るが故に、ほとんどは姿や性格などを持たない。ただその力を発揮するだけ。まあ、我のように自我を持った奴も居てな。やや曖昧になってしまうが喋る事は出来るぞ」

(゚、゚トソン「そうですか……」

ζ(゚ー゚*ζ「さて、そろそろ質問タイムは終了かな?」

 デレの言葉にトソンは首を振った。

(゚、゚トソン「……最後に一つ。良いですか」
ζ(゚ー゚*ζ「うむ。何なりと言うが良い」


(゚、゚トソン「今までの会話を否定するようですが、本当に神様かどうか、確信が持てません。数年後、枕に顔をうずめて足をバタバタさせる類かもしれないですし」

 ふむ、とデレは顔を傾け、言う。

ζ(゚、゚*ζ「力を示せと、そう言いたい訳だな」

(゚、゚トソン「はい。どんな方法でも構いません」

⊂ζ(゚ー゚*ζ「なら簡単だ。ほれ」

 デレはびしっ、とトソンを指した。

(゚、゚トソン「……?」


数秒、トソンは指された人差し指を不思議そうに見、やがて側頭部を手で抑えた。

(゚、゚;トソン「重っ」

 戸惑うトソンにデレは言う。

ζ(゚ー゚*ζ「君のチャームポイントである髪を長くしてみた」

(゚、゚;トソン「なるほど、解りました。とりあえず直してください」

ζ(゚ー゚*ζ「うむ。ちちんぷいぷいー」


(゚、゚トソン「ふう……」

 元の長さに戻った髪を、確かめるように触るトソン。

ζ(゚ー゚*ζ「納得したか?」

(゚、゚トソン「ええ、まあ」

 デレの言葉にトソンは頷いた。

ζ(゚ー゚*ζ「それは重畳。それじゃ、願いを聞こうか」
 
(-、-トソン「……」

 トソンは目を閉じ、しばらくして開いた。デレの顔を見、言う。

(゚、゚トソン「……僕の、願いは――」


 翌々日。トソンはいつもより早く学校に来ていた。

 教室に入り、自分の席に向かう。

(゚、゚トソン「おはようございます」

 いつものように前に座り、パソコンを弄っている流石兄弟に挨拶する。

( ´_ゝ`)「おっはー」

(´<_` )「おはようさん。最近来るの早いな」

(゚、゚トソン「今日はちょっと弟者に用事がありまして」

(´<_` )「ふうん……え?」

④あげ


 頷き、数秒後弟者はトソンを向いた。

(´<_` )「……用? 俺に?」

(゚、゚トソン「はい」

 トソンの頷きに弟者の隣に立っていた兄者は、弟者の肩を揺らした。

( ;_ゝ;)「なんでお前ばっかモテるんだyo! 俺にも少しわけろそのモテオーラ!」

(((´<_`;)))「待て待て落ち着け兄者! トソンは用事、と言っただけで校舎裏に来いと言った訳じゃない!」

>>206ミス。トソンじゃなくて都村。後「の方」を入れ忘れた。

( ´_ゝ`)「……そうなのか? 」

 弟者の肩を揺するのを止め、兄者はトソンを見た。

(゚、゚トソン「ええ。僕は用事と言っただけです。弟者に告白などしません」

(*´_ゝ`)「そ、そうか。じゃあ、俺と付き合う可能性も……!」

(゚、゚トソン「あ、それは無いです」

( ´_ゝ`)「」

(´<_` )「wwwwwwww」


( ´_ゝ`)「というか本当なんで弟者にゃチョコやラブレター来てて俺には何も来ないのよ。顔は俺の方がちっとばかしイケてるだろ?」

(゚、゚トソン「……僕には同じに見えますが」

 トソンの返答に弟者も頷いた。

(´<_` )「子供の頃は母者と父者と姉者ぐらいしか、俺達がどっちかを見破れる奴が居なかったからな、俺ら。今では言動で大体解るが」

(゚、゚トソン「と言うか兄者がモテないのは性格が原因じゃないでしょうか」


( ´_ゝ`)「そ、そうなのか?」

 教室内を見渡し、問う、兄者。それぞれ思い思いにしていた室内のみんなはこくり、と頷いた。がくり、と兄者は膝を着いた。

( ´_ゝ`)「なんてこった……! 俺は今まで青春を無駄に過ごしていたのか……!」

 落ち込む兄者にトソンは言う。

(゚、゚トソン「と言うか兄者もモテてるじゃないですか」

( ´_ゝ`)「え?」

 ガバッと兄者は顔を上げた。


兄者…w


ヽ(*´_ゝ`)ノ「誰? この俺を好きな奴って誰!?」

(゚、゚;トソン「え、えっと……あれ、です」

 先程の落ち込みっぷりが嘘のように兄者は謎の踊りを踊りはしゃぐ。トソンは若干距離を取りつつ指差した。指差した先には、

(´<_` )「……ん? まさか俺か」

(゚、゚トソン「いえ。弟者の後ろ」

(´<_` )「俺の後ろって……。黒板と……まさか」

 弟者はひょい、とトソンの指を躱した。その先には先程まで弄っていたパソコン。トソンは言う。

(゚、゚トソン「兄者、いつもパソコンを使っている時、ブラクラとか言ってるじゃないですか」

( ´_ゝ`)「……」

(´<_`; )「都村……。悪気が無いとは言え、それは駄目だ。切り傷にタン塩置くぐらい駄目だ」

( ´_ゝ`)「わーい、レッツ二次元ー。待っててねブラクラちゃーん」ゴンゴン

(´<_`;)「落ち着け兄者。ディスプレイに頭突きしてもトランスミッションは出来ない」


 兄者を宥めすかした後、トソンと弟者は教室を出た。

 目指す場所は屋上……には鍵がかかっているので、屋上に通じる扉の前にてトソンと弟者は向きあった。

(´<_` )「……で、なんだ用事って」
 そう問う弟者にトソンは言う。

(゚、゚トソン「時間が無いので単刀直入に言いましょう。黙ってましたね?」

(´<_` )「……何をだ?」

(゚、゚トソン「傷の話を、です」

 弟者は首をすくめた。

(´<_` )「傷の話? 何の事だかさっぱりわからないな」

(゚、゚トソン「……僕が、パソコンで神様隠しを調べたのは一回だけ。後はパソコンに詳しい兄者と弟者に任せていた。そしてあのコピーすると言った冊子。口頭で伝えられたから僕たちは中身を見ていない……つまり、傷の話が載っていても隠す事が可能なのです」

(´<_` )「……それで?」

(゚、゚トソン「先週、マスタードーナッツに行った時、あなたはツンによって吹っ飛ばされた兄者よりドーナッツを優先しましたね。あなたは兄者を邪険に扱ってはいてもその実、大切にしています。そんなあなたが、ドーナッツを優先すると言う事は――おそらく、あのドーナッツは兄者と度等に大切な人――家族に上げる物じゃないですか? 例えば、先程言っていた姉者と言う人とか――」

( ´_ゝ`)「妹者だ」

 不意に階段の下からトソンの言葉を遮るように声がした。

 トソンと弟者が見た先には階段を上る、兄者。

(´<_` )「……兄者」

 弟者の呟きに兄者は片手を上げた。そしてトソンの方を向き、続ける。

( ´_ゝ`)「あのドーナッツは妹者へのお土産だよ」

(゚、゚トソン「……良いのですか、あっさりばらして」

( ´_ゝ`)「……良いんだよ。どうせそんなずっとごまかせるとは思ってなかったからな。そんじゃあ、話そうか。俺達の事情を」


(´<_` )「まず、先程言った通り、俺達は子供時代は見分けがつかなかった。なぜならその頃は兄者も俺も今と違って似たような性格だったからだ。二人で一人って感じかね」

( ´_ゝ`)「兄者ブラックと弟者ホワイト。おお、なんだか面白そう。二人はサスキュアと名付けよう」

(´<_` )「……まあ、こんな風にシリアスブレイカーじゃなかったんだ。が、ある事をきっかけにシリアスブレイカーになった」

(゚、゚トソン「……妹者ちゃんですか」

 ああ、と弟者は頷いた

(´<_` )「ああ。妹者が生まれてから兄者がボケて俺が突っ込むと言うほぼ今の状態が出来上がった」


(´<_` )「そして兄がシリアスブレイカーになると言う犠牲を払って生まれた妹者はそりゃあもう元気で可愛くてさ。俺達全員メロメロだよ。あれはまさしく現世に舞い降りた天使だね! 小悪魔でも良し!」

(゚、゚トソン「……妹者ちゃんが可愛いのはよく解ったので話進めてください」

(´<_` )「まだ4分の1も行ってないのに……。まあ、仕方ないか。で、妹者は天使だったが体が弱くてな。一年の半分は病院に通いっぱなしだ。が、それでも妹者は笑顔だった。妹者可愛いよ妹者」

( ´_ゝ`)「弟者があっちの世界に逝っちゃったんで俺が引き継ぐわ。……だが、去年の夏に、厄介な病気にかかってしまった。それからずっと病院に入院しているんだ」

( ´_ゝ`)「俺は馬鹿だからさ、妹者がどんな病気か半分も解らない。だが、妹者は苦しんでるのは解る。俺も弟者も姉者も母者も父者も、妹者が元気いっぱいに走り回る姿を見たいんだ」

( ´_ゝ`)「……だから、俺達は神様を見つける! たとえ、友人を失ったとしても!」

(-、-トソン「……」

 トソンはしばし目を瞑り、やがてふう、と溜め息を吐いた。

(゚、゚トソン「……なるほど解りました。つまりはシスコンなんですね」

( ´_ゝ`)「うむ。大体合ってるな」


 頷き、兄者は言う。

( ´_ゝ`)「それでどうする? 思いっきりぶん殴るか? 嘘吐きとのししるか?」

(´<_` )「ののしる、な。兄者も俺も覚悟は出来てる。煮るなり焼くなり好きにしてくれ」

(゚、゚トソン「……」

 兄者と弟者をじっ、と見、やがてトソンは言った。

(゚、゚トソン「本当に覚悟は出来てるのですね?」

 一瞬の迷いも無く流石兄弟は頷いた。


(゚、゚トソン「……」

(゚、゚トソン「それじゃあ――」

 ゆっくりと、トソンは告げる。兄者と弟者はそれを真剣な面持ちで聞く。


(゚、゚トソン「ツンとブーンに土下座してください。それで許します」


( ´_ゝ`)「……へ?」(´<_` )


~放課後~

( ´_ゝ`)「これが!」バッ

(´<_` )「俺達の気持ちだ!」バッ

      
   /⌒⌒y) 
  / 兄 lノ  
 /(レレ)\  

 \_つ⊂_/ 
      
( ´_ゝ`)「すいませんでしたぁ!」(´<_` )


   /⌒⌒y) 
  / 弟 lノ  
 /(レレ)\  
 \_つ⊂_/



ξ゚⊿゚)ξ「……」

(;^ω^)「お……?」

( ´_ゝ`)+「……」

+(´<_` )「……」

 呆気に取られるツンとブーンに構わず、兄者と弟者は土下座を続けた。

 やがて立ち上がり、言う。

( ´_ゝ`)「……角度、姿勢、タイミング」

(´<_` )「声と真摯さ、溢れる負け犬オーラ」

( ´_ゝ`)「どれをとっても――」

(´<_` )「完璧だった……」

( ´_ゝ`)b「流石だよな、俺達」d(´<_` )

ξ゚⊿゚)ξ「……とりあえず許さないわ」

(;´_ゝ`)そ「許せよ!」σ(´<_`;)

あいかわらず先が読めないな…

( ・ω・)っ④"


ξ゚⊿゚)ξ「と言うかどう言う事なの、トソン」

(゚、゚トソン「かくかくしかじか四角いブームくん」

   | ̄  ̄ ̄ ̄|
  |     | < よばれたきがしました |  ^o^  |
  |__ __|

   _| |_
  |     |

         / ̄\
        |   | < きっときのせいです   |   |
        \_/

        _| |_
       |    |


>>227かなりミスしているだろうが気にしないでくれ。


ξ゚⊿゚)ξ「ふうん。なるほど、解ったわ」

 トソンから説明を聞き、ツンは頷いた。

(´<_` )「で、俺達をどうするんだ? 」

 弟者の問いにツンは目を閉じ答えた。

ξ-⊿-)ξ=3「別に。どうしようもしないわよ」

(;´_ゝ`)「うぇい!?」

ξ゚⊿゚)ξ「……何、その奇声」

(;´_ゝ`)「いやツンの事だからぶん殴るのかと」

ξ#゚⊿゚)ξ「お望みなら今すぐやってやろうこのデカ鼻野郎」


ξ゚⊿゚)ξ「ふー」 

(#)_ゝ(#)ピクピク

(´<_` )「いつものオチも付いた所でブーンは、どうする」

(;^ω^)「さっき土下座してくれたし、兄者がいつも通りツンにボコられたから別に良いお」

(´<_` )「そうか。……それで都村」

(゚、゚トソン「はい、なんでしょう」

(´<_` )「これからどうするんだ?」

(゚、゚トソン「……どうしようもありませんよ?」

(´<_`;)「……は?」


ワクワク♪
( ・ω・)っ≡④≡④≡④


(´<_`;)「い、いや、神様隠しの事は?」

 うろたえながら問う弟者にトソンはしばし首を傾げ、やがてポンと掌を叩いた。

(゚、゚トソン「……そういえば言い忘れてましたね。実は神様はもう見つけたんですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ?」

(;^ω^)「……お?」

(´<_`;)「なっ……」

( ´_ゝ`)「な、なんだって!? それは本当かい!?」

(´<_`;)「さっそく空気ぶち壊してくれやがった」


ξ;゚⊿゚)ξ「え、えっと、一応確認するけど……本当、なの?」

 恐る恐る聞くツンにトソンは頷いた。

(゚、゚トソン「はい。誰なのかは言いませんが、僕は昨夜神様に会いました。それで願いを言えと言われたのですが……」

(゚、゚トソン「ぶっちゃけると特に願う事が無かったので保留にしたんです」


ξ゚⊿゚)ξ「……って事は」

(゚、゚トソン「ええ。妹者ちゃんの病気を治す事が出来ます」

ξ゚⊿゚)ξ「……やったじゃないの、流石兄者、弟者」

 そう言い、ツンは近くに居た兄者の背中をばん、と叩いた。兄者はごほっ、と少し咳き込み、それから実感が湧かないように言う。

( ´_ゝ`)「あ、ああ。だが、良いのか都村」

(゚、゚トソン「良いのか、と問われますと?」

( ´_ゝ`)「そんな洗濯板でっぶふぉ」
 言い終わるよりはるかに早くトソンの本が兄者の顔にめり込んだ。

(´<_`;)「……シリアスをぶち壊した兄者に変わって兄者の言いたかった事を代弁すると、億万長者に成れるのに、本当に良いのか、と、そんな所だな。で、良いのか?」

(゚、゚トソン「別に良いですが」


(´<_` )「」

(゚、゚トソン「この世界に生きる為にはお金も必要不可欠です。……が、漠然とした未来の事と、明確な今悩んでいる事、どっちの悩みを願いますか? 僕は今悩んでいる事にします」

 顔を抑えながら不思議そうに兄者は言う。

(´<_` )「……そんな物かね……? まあ、俺は妹者を、元気に出来るならなんでも良い。お願いだ都村」

(゚、゚トソン「……はい。承知しました」

 こくりとトソンは頷いた。

>>236畜生ミスった。最初の弟者は見なかった事にしてくれ。


~夜~

 白い豆腐を思わせる建築物。その一角。広々としたどこか寒々しい個室にて。一人の少女が寝ていた。

l从-∀-ノ!リ人「スー、スー」

 規則的に寝息をたてる少女の顔色は白く、しかし病的では無い。

 ――不意に一陣。窓を閉めている筈なのに、カーテンが少し揺れるぐらいの風が起きた。


ζ( ー *ζ「……」

 風が収まった部屋には、先程まで欠片も姿がなかった少女が居た。少女は眠る少女の枕元に立ち、その寝息を立てる顔を見た。そして何かを呟きつつ掌を眠る少女に翳す。

ζ( 、 *ζ「……」

 その表情はどこか不満そうだった。

 やがて少女は掌を戻し、眠る少女に背を向けた。風が再び一陣吹き、少女は跡形も無く消える。

l从-∀-ノ!リ人「スゥ、スゥ」

 後には変わらず寝息を立てる少女のみ。


~エピローグ~

 神様隠しの終結から数週間後――

(゚、゚トソン「……おや?」

川;д川「……」

 いつも通り借りた本を返すため、トソンが図書室に入ると、並んだ机の一角に髪の長い一人の少女が身体を縮ませながら座っていた。

(゚、゚トソン「こんにちは、村山さん」

川д川そ「ぺいっ!?」


トソン男前…じゃなかったいい女だ

ホレたぜ(*・∀・*)


 奇妙な声を上げ、それからぎぎぎ、と錆び付いた機械のように貞子はトソンを見た。

川д川「え、えっ、と、都村、さん?」

(゚、゚トソン「はい。しかし珍しいですね? いつもは奥に居るのに」

川д川「せ、先週末……地震、あったでしょ……?」

(゚、゚トソン「ええ。そんな揺れはしませんでしたが」

川д川「その時にあそこ崩れて……危ないから立ち入り禁止に……だから……」

(゚、゚トソン「奥じゃなくここに?」

 こくり、と貞子は頷いた。


(゚、゚トソン「まあ、山村さん、少し人見知りな傾向がありますし……これを機会に人と話してみるのはどうでしょう?」

川д川「う、うん。は、恥ずかしいけど……がんばってみる……」

 そう言って貞子はぎゅっと小さくガッツポーズを取った。

(゚ー゚トソン「ええ。がんばってみてください」


 本を返し、さて何を借りようかとトソンが思案した矢先、図書室の戸が開いた。

( ´_ゝ`)ノ「よっす都村ー!」

川д川そビクッ

(゚、゚トソン「ここに来るとは珍しいですね、兄者」

( ´_ゝ`)「いや、今日妹者が退院するんだけどさあ。そのお祝いに何か絵本選ぼうと思って。都村、何か良い絵本知らない?」

(゚、゚トソン「それなら僕より適任が居ますよ」

 そう言ってトソンは貞子を指した。

川;д川そ「え、わ、私……?」


( ´_ゝ`)「……んーと。誰?」

 首を傾げる兄者にトソンは言う。

(゚、゚トソン「山村さんです」

( ´_ゝ`)「あ、さだきゅんか」

川д川そ「さだきゅん!?」


( ´_ゝ`)「それでさだきゅん。何か良い絵本知らない?」

川;д川「し、知ってますけど……そ、それよりさだきゅんって……」

 聞く貞子に兄者は不思議そうな表情で答えた。

( ´_ゝ`)「可愛いあだ名だろー?」

川д川「た、確かに可愛いですけど……そ、そんなあだ名つけられる程、私は、可愛いく無いです……」

( ´_ゝ`)「そうか? 妹者には少し劣るが可愛いと俺は思うぞ」

川д*川「え、えっと……」オロオロ

(゚、゚トソン「……あ、すいません。僕、ちょっと用事を思い出したので失礼しますね」

川;д川「え、都村さ……」

 なにやら戸惑った眼差しで助けを求める貞子を出来るだけ見ないようにしつつ、トソンは早口で兄者に言った。

(゚、゚トソン「山村さんは僕以上に本を読んでるので、きっと妹者ちゃんにぴったりな良い絵本を選んでくれると思います」

( ´_ゝ`)ノシ「おー。ありがとな、都村」

(゚、゚トソン「いえいえ。あ、それと山村さん。がんばってください」

川;д川「な、なにを!?」


l从・∀・ノ!リ人「母者ー。今日の夕ご飯はなんなのじゃー?」

 豆腐を思わせる建築物を背に、少女は隣にいる屈強な体つきの女――母者に問う。
 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「退院祝いに妹者が食べたい物で良いよ。何が良いんだい?」

l从-∀-ノ!リ人「んー……」

 しばし目を閉じて考え、やがて妹者は言った。

l从・∀・ノ!リ人「オムライスが良いのじゃ!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「あいよ。オムライスだね」





(っ・ω・)っ≡④≡④≡④


('a`;)「……はあっ、はあ……!」

 トソンが図書室を出た頃、二階の廊下、階段付近でドクオが息荒く、歩いていた。

(´<_` )「なにマラソンをしているんだ、鬱田」

 通りすがった弟者は怪訝そうな顔でドクオに聞く。

('a`;)「俺だって、好き好んで、走ってるワケじゃ、ない。逃げて、るんだよ」

 途切れ途切れにドクオは答えた。

(´<_` )「逃げてる? 誰から?」

('a`;)「それは――」

 弟者の問いにドクオは答えようとし、

('a`;)「……っ! 流石弟! クールがここに来たら、下に行ったって言っといてくれ!」

 そう告げ、階段を駆け上がった。

(´<_` )「……ああ。そう言う事ね」


 ドクオの足音が聞こえなくなるのと入れ違いに、ドクオが来た廊下の方から砂尾クールが走ってきた。手には何故か弁当箱と箸。

川 ゚ -゚)「……む。流石弟者か」

(´<_` )「こんちは砂尾さん。弁当箱持ってどうしたんだ?」

 弟者の疑問にクールはうむ、と頷いた。

川 ゚ -゚)「あーんをしようとしたら脱兎のごとく逃げられてな。これで10回目だ」

(´<_` )「……一つ聞くけどあーんしようとした場所は?」

川 ゚ -゚)「中庭だ。せっかくの良い天気だからな」

(´<_` )「なるほど」

 頷く弟者を後目にクールは首を傾げる。

川 ゚ -゚)「しかし何故ドクオは逃げるんだろうな? 逃げる回数は二桁に達しているが、理由はいつも聞くのを忘れてしまう」

 その疑問に弟者は答えず、言う。

(´<_` )「砂尾さん。少しアドバイス」

川 ゚ -゚)「……アドバイス?」

 首を傾げるクール。弟者はこくりと頷いた。

(´<_` )「次から人気が少ない所で昼食とってみれば? そうすれば鬱田も逃げないかもしれない」

川 ゚ -゚)「人気の無い場所……? 屋上とかか?」

(´<_` )「いや、屋上は鍵かかってるから無理。人気が少ない場所と言うのは……そうだな、校舎裏とか空き教室とか」

川 ゚ -゚)「ふむ……? まあ、物は試しだ。助言感謝する」

(´<_` )「どーも」

川 ゚ -゚)「最後に一つ。ドクオを見なかったか? 今ここを通ったと思うのだが」

(´<_` )「鬱田なら下と見せかけて上に行ったよ。多分空き教室とかに隠れようとしてるんじゃないか?」

川 ゚ -゚)「空き教室か……。前回は男子トイレだったな」

(´<_` )「その時はどうしたの?」

 弟者は少し興味深そうに訊ねる。うむ、とクールは頷いた。

川 ゚ -゚)「場所を聞いて待ち伏せした。入っても良かったのだが、個室に入ってたら意味が無いからな」

(´<_` )「……」


 沈黙する弟者を後目にクールは階段の方を向いた。

川 ゚ -゚)「なんにせよ助かった。次からはアドバイスの通り、人気の無い場所で昼食を採ってみようと思う。では」

(´<_` )「ああ。またな」

 ぱたぱたとクールは階段を駆け上がった。その音が遠ざかるのを耳に捉えながら弟者は一人ドクオが来る前のように考え始めた。

(´<_` )「さて、と。妹者へのプレゼント、なににしようかな……。やっぱ無難にアクセサリーかね? とりあえず、詳しそうなクラスメイトに聞いてみるか……」



(,,゚д゚)「……」

 空の弁当箱を前にギコはぼーっとしていた。

(-@∀@)「どうしました? 強羅先生」

 同僚のアサピーがその様子を目に止め、聞いた。

(,,゚д゚)「……昨日、ちょっと衝撃的な事があってな……」

(-@∀@)「そうですか」

(,,-д-)「……」

 何故、あんな事になったのかをギコは目を瞑り、思い返す。

面白い


 昨日、箱入しぃと箱入でぃが帰った。

 来る事はそれよりも一昨日、母親でありギコの叔母である箱入つーからハイテンションな電話があったのでわかっていた。

 荷物などは纏め、箱入夫妻が来た時には車に載せるだけだった。

 てきぱきとまとめた荷物が車の中に詰まれるのを背景に、箱入つーはにゃははと笑う。

(*゚∀゚)「いやいやありがと。次も頼もうかなー?」

(,,゚д゚)「それはやめてくれ」

(*゚∀゚)「いいじゃんさ、別にー」

(,,゚д゚)「……」

 はあ、とギコは溜め息を吐いた。

 再びにゃはは、と笑うつー。

( ゚∋゚)「……」

 その後ろ。黙々と箱入つーの夫、箱入クックルは荷物を運び終え、トランクをしめていた。

 彼には何回かあった事があるが、話している所を見たのは結婚式の時ぐらいだ。もしかしたらでぃがおとなしいのは父親の遺伝なのかもしれない。

 そう思っていると不意につーが笑うのを止め、言った。

(*゚∀゚)「しっかし、えらく懐いてるなあ」

 つーの視線はギコの隣、荷物を車まで運ぶのを手伝った友人と、その横にいるでぃに向けられている。

( ゚д゚)「……」

(#゚;;-゚)「……」

(*゚∀゚)「……アンタ、名前は?」

( ゚д゚)「東風ミルナ」


(*゚∀゚)「ミルナ……ね。なあ、アンタ。ウチのでぃ、嫁にしない? ちょっと人見知りの気があるけど可愛いし、料理や洗濯だって出来るぜ。ギコの友人なら年齢も10歳程度しか離れてないんだろうし、悪くないと思うんだけどよ?」

( ゚д゚)「丁重にお断りしよう。オレはロリコンではない」

(*゚3゚)「あらら。つれないねえ」

 口を尖らせるつーにギコは呆れた様子で言う。

(,;゚д゚)「ってゆーか、出会ったばかりの人間に自分の子供進めんなよ」

(*゚∀゚)「良いじゃん。アンタの友人なんだし、クソ上司とかの息子とかよりは遥かにマシだろ?」

(,;゚д゚)「マシか……?」


(*゚∀゚)「さあて。そろそろ行くかね。クック、しぃ、でぃ」

 運転席に乗り込み、つーは夫と娘に呼び掛けた。

( ゚∋゚)「……」

 無言でクックルは助手席に座る。

(#゚;;-゚)「……ん」

 でぃは少し名残惜しそうにミルナから離れ、後部座席に乗り込んだ。

(*゚ー゚)「あ、ちょっと待ってー」

 しぃは車に向かわず、つーに待ったをかけた。


(*゚∀゚)「んー? なんだ、忘れ物か?」

(*゚ー゚)「そんな所ー」

(*゚∀゚)「そうか。早く済ませろよー」

(*゚ー゚)「うん。解ってるー」

 母親とそんなやり取りを交わした後、しぃはギコの方を見た。そして問う。

(*゚ー゚)「ね、また会える?」

(,,゚д゚)「? そりゃあ。海外に行く訳じゃないんだし、会おうと思えば会えるだろ」

(*゚―゚)「……そっか。じゃ、一つ宣言しておくね。ちょっと耳貸して」

(,,゚д゚)「……宣言って。なにをだよ?」
(*゚ー゚)「良いから」


 訝しみながらもギコは顔をしぃの目線が合う位までしゃがみ、左耳をしぃに向けた。

 しぃの唇が左耳に近づき、横にずれ、通り過ぎた。ギコの脳裏に疑問が浮かんだ瞬間、左頬にちゅっ、と軽い音と暖かく柔らかな感触が響く。

(,,゚д゚)「」


 思考が凍結したギコを後目にしぃはたったったっと小走りに車に乗り込んだ。

 間を起き、動き始めた車の窓から頭を出し、しぃは言う。

(*゚ー゚)「もし、私が高校生になっても結婚してなかったら、私がギコのおよめさんになってあげる!」

(,,゚д゚)「……はあ?」
 
 ようやっと思考を解凍し、ギコは間の抜けた声をあげた。

 そんなギコにお構いなく、しぃは車の中に戻り、車は走り始めた。角を曲がる、その直前。


(*^ー^)ノシ

 ギコは満面の笑みを浮かべ、手を降るしぃを窓越しに見た。

q(゚∈゚ )

 ……ついでに、助手席から箱入クックルが親指を下に向けている姿も窓越しに見えたが――。

 ギコの脳はそれを見なかった事にした。


 呆然と突っ立っていると、不意に肩を叩かれた。振り向くとミルナがいつも通りの表情で言った。

( ゚д゚)「良かったな、初めて女に告白されたぞ。ロリだが」

(,,゚д゚)「……えーっと。今日は4月1日だっけ」

( ゚д゚)「残念ながら違う」

(,,゚д゚)「……どうしよう?」

( ゚д゚)「高校生になるまで待てば良いんじゃないか?」



(,,゚д゚)「……いや、本当どうしよう」

 回想を終え、ギコは頭を抱える。

 数週間ぐらい一緒に暮らしただけの付き合い。だが、ギコは箱入しぃと言う少女が有言実行な性格だと言う事を思い知っていた。つまりあれは混じり気も無く純粋に本気と言う事で――。

(,,゚д゚)「……いや待て、ネガティブに考えるな俺! あいつはまだ小学生だ。つまりあいつが高校生になるまでに俺が結婚すれば良いんだ!」

 自分に言い聞かせるようにギコは呟く。


よいね♪

 長年の相棒である携帯を落としてしまったのでしばらく書けそうにないです。すいません。

(;゚д゚)ガーン!!

(っ・ω・)っ≡④

酉の付け方が違う希ガス

#任意の文字欄

を名前欄に
既出だったらスマソ
ともかく④

          ≡④
  (っ・ω・)っ≡④
          ≡④

    ④"
④"   ④"
ヾ(・ω・)ノ"

2週間ぐらいたったけど見つからないのでパソコンから頑張って書いてみるよ。


ζ( ー *ζ「数年後、彼はその選択が間違っていたと後悔する羽目になるのだが――。まあ、それは別の話と、言った所かな」

 屋上に佇み、彼女はそう言った。

(゚、゚トソン「……? 何の話ですか?」

 トソンがそう聞き返すと彼女は、事も無げに答える。

ζ( ー *ζ「未来の話だよ」

(゚、゚トソン「そうですか。……所で一つ、聞きたいことがあります」


ζ( ー *ζ「何だい?」

 こちらを向かずに聞く彼女にトソンは尋ねる。

(゚、゚トソン「なぜ、まだデレちゃんに取り憑いてるんですか?」

ζ(゚、゚*ζ「取り憑いてるとは人聞きの悪い。……否、我の場合は神聞きの悪い、かな?」

(゚、゚トソン「ぶっちゃけどうでも良いです」

ζ(゚ー゚*ζ「うむ。たしかにどうでも良いな。……で、なぜ我がこの娘にいまだ取り憑いてるか、だったか」

(゚、゚トソン「はい」

 頷くトソンにデレは視線を向け、言う。

ζ(゚ー゚*ζ「お前たちの言葉で言うと……バカンス、と言った所か。まあ人一人が生きる時間は我にとっては数日に等しいから、長期休暇と言う程ではないのだが……気分的にそうして置こう」

(゚、゚トソン「バカンス……ですか。だから仏像が山の頂上の御堂に戻っているのにあなたはここにいるのですね」

 トソンの言葉にデレは頷く。

ζ(゚ー゚*ζ「とりあえず、この娘が死ぬまではこのバカンスを楽しむつもりだ」

(゚、゚トソン「そうですか。まあ、楽しんでください」

ζ(゚ー゚*ζ「うむ。ではな」

 その言葉を最後にデレは屋上から姿を消した。


 自分一人となった屋上。ふう、とトソンは一息吐き、屋上のフェンスに歩み寄る。

 フェンス越しに俯瞰した中庭にはいつも通りの日常が在った。

 しばらく眺め、その中にツンとブーンの姿と、それに手を振り近づく流石兄弟となぜか貞子、そして別方向からドクオを引きずりながら来るクールを見つける。

 いつも通りのやり取りを交わすであろう彼らに少し口元を綻ばせ、トソンはフェンスを離れた。そして中庭に向かう。


 ――屋上を出る前にトソンはふと、上を見る。

 見上げた空はいつも通り青く、綺麗だった。







(゚、゚トソン神様隠しのようです 了


 プライベートなアクシデントにより、遅れましたがとりあえず終わりです。矛盾する所も多々あったと思いますがどうかご容赦を。

 実は番外編を書こうと思ったのですが、今の状態ではちょっと無理な感じがするので、また機会があったらにしようと思います。

 お読みいただき、本当にありがとうございました!

乙!
楽しかったですお

( ^ω^)乙だお♪

最初はなんだこれ?と思ったけどいつの間にか読むのが楽しみになってたお

良かった

ふぅ…良かった

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