ライゾウ「その通り、私とキョウジが力を合わせて開発した最新鋭MSだ」
キョウジ「自己再生、自己増殖、自己進化を全て兼ね備えたこのガンダム、本当は戦闘用では無いが…」
ドモン「しかし、俺がこのガンダムでガンダムファイトに優勝すれば、この機体を世界にアピール出来る、と言うことか」
キョウジ「察しが良くて助かるよ、ドモン」
ミカムラ博士(そろそろ手を回しておいた警官隊が来る頃だが…妙に遅いな……)
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警官隊長「もうすぐ件の研究所に着くが、各員装備の確認を行え。万一の時には射殺も已む無し、と伝えられている」
警官ら「「「異常はありません」」」
隊長「よし、突入開始!!」
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ドモン「へえ、これがアルティメットガンダムか…しかしマニュアルだけでも凄い量だな」ペラペラ
キョウジ「どうだ、そろそろ動かせそうか?」
ドモン「ああ、それじゃあ起動してみるよ」
アルティメットガンダム「」ヴーン
警官「待て!」
ライゾウ「何だ、君達は」
警官「貴様らの行った研究は危険な物だ、よってその機体は軍部が没収させて貰う!」
ドモン「何だと!!貴様ら何ぞに父さんと兄さんが作った機体を渡す物か!!」
キョウジ「父さん!母さん!機体の陰に隠れて!!」
警官「どうしても渡さないと言うなら、射殺も已む無し、との事だが、それでもかね?」
ライゾウ「ぐっ…」
警官「まずはパイロットからだ!撃て!!!」
パパパパパァン!
ドモン「ふん」シュウウ
警官「馬鹿な、あれだけの数の銃弾を浴びて無傷などとは有り得ん!」
ドモン「コックピット内なら逃げられまいと思ったのだろうが…」パラパラ
ドモン「この程度の銃弾如きも見切れねば流派東方不敗の名が廃る!!」バァーン
警官「ええいパイロットは後だ、先に他の奴等を狙え!」
ドシュウウ
警官「何だっ!」
ドモン「もしも父さん達に手を出すなら…」
ドモン「先に俺を倒してからにして貰おうかァァァ!!!」
警官「うわあああああ」ジョロジョロ
警官2「助けてくれ!俺達は頼まれてやっただけだ!」
ドモン「一体誰に頼まれた!答えろ!!」
警官2「答える!答えるから握り潰すのは止めてくれ、頼まれたのはミカムラの親父からだよ!!」
ドモン「何!?隣のミカムラ博士だと?」
警官2「そうだ!あいつはアルティメットガンダムを開発出来たお前の親父達が妬ましいから軍部と手を組みたいと言ってきたんだ!!」
ドモン「ミカムラの親父さんがそんな人間だったなんて…」
ライゾウ「信じられん、彼は内心ではそんな考えを…」
ミカムラ博士(命乞いとは言え流石にあそこ迄喋るか…)
警官1(あーあ)
警官隊長(帰ったらあいつクビだな)
ドモン「まあ良い、答えたならば離してやる」パッ
警官2(助かった)タッ
ドモン「さて、こいつらをけしかけた張本人のミカムラの親父さんだが…」
ミカムラ博士「すまなかった、この通りだ…と謝っても許してはもらえんだろう」
ライゾウ「ミカムラ博士…」
ミカムラ博士「私は昔から、才能に溢れた君に嫉妬していたよ。君がその機体を作ったと聞いた時、私は野心からか人として越えてはいけない一線を越えてしまった」
キョウジ「それがアルティメットガンダムの軍事転用を目論む軍部との結託、ですか…」
ミカムラ博士「その通りだ。正直、当時の私からすればこんな上手い話は無かった。ライゾウ博士に復讐でき、アルティメットガンダムが軍事利用されることで私の開発していたMF、シャイニングガンダムのガンダムファイト今大会採用は確実となる。そして私は、嫉妬に囚われる余りに…」
ミカムラ博士「私はこれから、自らの過ちを自首しに行こうと思う。自分の行為に、けじめを着ける為にも」
ライゾウ「待ってくれ、君が長年抱いていた嫉妬に気付かなかった私にも責任はある。君の心に気付けず、君の事を理解したつもりになっていて、君と本音をぶつけ合うことはしなかった…」
ミカムラ博士「君が自分を責めることは無いよ、私がもし此処に戻って来ることがあれば、その時にはまた友として、隣人として会おう」
ミカムラ博士「そしてこの私の開発していたシャイニングガンダムのデータ、これは貴方達にお渡ししましょう、アルティメットガンダムの改良にお使いください。私のせめてもの罪滅ぼしです」
ライゾウ「ありがとう。君の謝罪の心と共に、確かに受け取ったぞ」
ミカムラ博士「それでは私はこれで……」
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ドモン「行ってしまった…」
キョウジ「ミカムラ博士を…止めなくて良かったのですか?」
ライゾウ「昔から自分の信念は曲げない男だった…彼は自分の意思で罪を償おうとしているのだ。それを止める方が、却って酷な気がしてな……」
キョウジ「……」
ライゾウ「そして彼が償いとして私達に託してくれた物がある」
キョウジ「シャイニングガンダムのデータですね」
ライゾウ「これをアルティメットガンダムに応用すれば、更なる性能の向上が見込めるだろう」
キョウジ「早速作業に取り掛かりましょう、ミカムラ博士のの志の為にも」
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三日後・夜
キョウジ「出来たぞドモン!アルティメットガンダム改良の結果、モビルトレースシステムの反応が大幅に向上した!」
ドモン「兄さん!遂に出来たのか!」
ライゾウ「この機体は私とミカムラ博士、二人で作り上げたような物だ。我々のみならず、彼の想いも込められている」
ドモン「父さん…兄さん…ありがとう……!俺はこの機体で、必ずやガンダムファイトを勝ち上がり、優勝して見せるッ!!」
コンコン
ライゾウ「こんな時間に来客か…?」ガチャ
レイン「あの、カッシュさんのお宅でしょうか?」
ドモン「レイン!レインじゃないか!」
レイン「ドモン!貴方こそ10年の間に随分大きくなって…!」
ドモン「大きくなってと言ったって俺達は同い年じゃないか」ハハハ
レイン「そういうところは昔から変わって無いのね」
ライゾウ「それで、ミカムラのお嬢さんは何故此処に?」
レイン「実は…」
ライゾウ「成る程、父上の事で負い目を感じているからドモンを助ける為にネオジャパンのクルーになりたい、か……」
レイン「カッシュ家の人々に、父は多大な迷惑をお掛けしました。たとえ父とカッシュ博士との間で解決したとしても、私は自分を納得させられないんです…」
ライゾウ「君は何も悪く無いんだ、気に病む必要は全く無い。それに地球で行われるガンダムファイトは常に危険が伴う。それでももしネオジャパンのクルーになりたいと言うのなら君自信が本当にネオジャパンのクルーになりたいのか、良く考えることだ」
レイン(私が本当に…クルーになりたいのか、か…)
レイン(私がクルーになりたいのかは分からないけど、私がしなきゃいけないと思うことは、やっぱり一つ……)
レイン(……)
レイン「私はそれでも、クルーになりたい!」
ライゾウ「君自信で決めた事なら、私達は何も言うまい。ドモン、聞いての通りだ。彼女と共にガンダムファイトに出場してくれたまえ」
ドモン「わ、分かったよ。それじゃレイン、よろしくな!」
レイン「ええ、機体の調整や修復は任せて、ドモンはファイトに集中して」
ドモン「これで大会の準備は整った!後は予選開始を待つだけだ!!」
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