肇・ 瑛梨華・悠貴の「でーれーラジオ!」 (35)

 下津井港はヨー 入りよて出よてヨ
 真艫巻よで まぎりよてョ
 (トコハイトノエーナノエー ソレソレ)

肇「なんでオープニングが下津井節……」

悠貴「は、肇さんっ、開始15秒でテンション下げちゃダメですっ!」

瑛梨華「そうだよ!アゲアゲでいってみよー!」

肇「えっと…ゴホン…みなさん初めまして!日本全国に岡山の魅力を知ってもらうためのラジオ、『でーれーラジオ!』のお時間です!」

瑛梨華「略して『でれラジ』!」

悠貴「どこかで聞いたことありますねっ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1444112871

※このSSでは岡山弁が使用されますが、>>1は備中地方出身です。
備前市出身の肇ちゃんが普段使用するであろ方言とは異なると思いますが、悪しからずご了承下さい。

肇「ちなみに『でーれー』っていうのは岡山の方言で『凄い、凄く』という意味です」

瑛梨華「でーれー美味しい、とかね!」

悠貴「同じ意味の方言に『ぼっけぇ』と『もんげぇ』がありますっ!」

肇「二人は『もんげぇ』って、普段使う?」

瑛梨華「冗談で使うくらいかなぁ?」

悠貴「私もですっ」

肇「私のおじいちゃんはよく使います」

瑛梨華「その情報はいま必要NA・I・YO・NE☆」

肇「ザリガニのこと『トーチカ』って」

悠貴「肇さん、進行して下さいっ!」

肇「なんで私が進行役なんだろ……」

瑛梨華「瑛梨華に進行できると思う?」

肇「えっと……」

悠貴「中学1年生ですっ!」

肇「えっと……」

瑛梨華「進行YO・RO・SI・KU☆」

悠貴「ですっ!」

肇「頑張ります……」

瑛梨華「次は自己紹介だっけ?」

肇「うん。私たちのことをご存じない方もたくさんいらっしゃると思うから」

悠貴「日本中に向けて、初めましての挨拶ですねっ!」

肇「それじゃあまず…瑛梨華ちゃん、自己紹介をお願いします!」

瑛梨華「はいはいはいどーもどーも! みなさんお待ちかね~!毎度おなじみあなたのアイドル瑛梨華でっす!!初めましてのリスナーちゃんのハートもファンのハートも、みぃんなまとめてバッキュン☆しちゃうぞ♪」

悠貴「すごいですっ!音声だけなのに☆や♪が見えるかのようですっ!」

肇「そ、そうだね、リスナーさんにもきっと見えてるよ」

瑛梨華 「ちなみに岡山市出身だよ!たいがいのことは瑛梨華にO・MA・KA・SE☆」

悠貴「…へぇ、岡山市なんですね。へぇ」

肇「悠貴ちゃん、どうかした?」

悠貴「な、なんでもないですっ!」

肇「それじゃあ次は悠貴ちゃん、お願いします」

悠貴「はいっ!みなさん初めましてっ!倉敷出身の乙倉悠貴、中学1年生ですっ!陸上部に入っていますっ!」

瑛梨華「乙倉ちゃんはジュニアモデルやってたんだよね?」

悠貴「あ、はいっ、少しだけ。でもそれは背が高かったからで…いまは可愛いアイドルになりたいですっ!憧れてますっ!」

肇「悠貴ちゃんならなれるよ、可愛いアイドルに」

悠貴「あ、ありがとうございますっ!」

瑛梨華「可愛い一発ギャグが欲しいときは 瑛梨華に相談してね?」

悠貴「あ………………はい」

肇「微妙な間があったね……」

瑛梨華「そして最後は我らがリーダー!」

悠貴「肇さん、お願いしますっ!」

肇「リーダーって…あ、えっと…全国のみなさん、初めまして。藤原肇と申します。まだまだ駆け出しのアイドルですが、みなさんに夢を与えられるよう、頑張っていきたいです。備前市出身で、趣味は陶芸と魚釣りです。よろしくお願いいたします」

悠貴「ちゃんとした自己紹介ですっ!すごいですっ!」

肇「え、あの……」

瑛梨華「藤原マジメちゃんだね☆」

肇「あ、挨拶はちゃんとしないとおじいちゃんに怒られるから」

悠貴「おじいちゃんも聴いてるんですか、このラジオ?」

肇「絶対聴いてる…録音してる……」

瑛梨華「いつかゲストに呼んじゃおう!」

肇「恥ずかしいけぇやじゃ!」

悠貴「方言出てますっ!」

瑛梨華「テンション上がると方言出ちゃうタイプなんだねぇ」

肇「気を付けます……」

瑛梨華「いいじゃんいいじゃん!岡山の魅力を知ってもらうためのラジオなんだから、方言もバンバン出していこー!」

悠貴「そうですよっ!」

肇「う、うん……」

瑛梨華「さてさて、それでは自己紹介も終わったところで」

肇「あ、まだ終わってないよ」

悠貴「へ?3人とも自己紹介しましたよね?」

肇「実はもう1人…忙しくてこのスタジオには来ることができなかったんだけど、全国のみなさん宛にお手紙を預かってます」

瑛梨華「え?誰から?」

悠貴「他に岡山出身のアイドルいましたっけ?」

肇「お手紙読むね?『ラジオをお聴きの皆さん、初めまして。岡山県知事の伊原木隆太です』」

瑛梨華「えっ!?」

悠貴「知事!?」

肇「『岡山出身のアイドルである藤原肇さん、赤西瑛梨華さん、乙倉悠貴さんがラジオから岡山の魅力を全国に発信して下さると聞き、県知事として、また一人の岡山県民として嬉しく思います』」

瑛梨華「なんか一気にプレッシャーが……」

悠貴「変なこと言えないですよね……」

肇「『晴れの国とも呼ばれる岡山県は、近畿と四国、九州を結ぶ交通の要衝であるとともに、数多くの歴史的遺産を遺す文化の国でもあります』」

瑛梨華「岡山城と後楽園しか知らない……」

悠貴「美観地区しか知らないです……」

岡山県民が「でーれー」なんて言うわけないだろ(玉野市)

肇「『このラジオを機に皆さんが岡山県に対して興味を持って頂けるとしたら、それは素晴らしいことです。岡山駅と新倉敷駅には新幹線も停まります。岡山空港には全国各地から直行便が離発着します。皆さんが岡山県に起こし頂けることを、県民一同、心よりお待ちしております。おいでんせぇ、岡山!』」

瑛梨華「知事ちゃん、気合い入りすぎだよ……」

悠貴「この3人でホントに大丈夫なんてしょうか……」

肇「ちなみに伊原木知事は天満屋の前社長さんです」

瑛梨華 「て、天満屋の!?あの天満屋の!?」

悠貴「す、すごすぎます!!!」

肇「うん、岡山県民らしい反応、ありがとう……」

瑛梨華「こ、これからはイオンモール岡山じゃなくて天満屋に行くね!」

悠貴「わ、私もアリオ倉敷には行きません!」

肇「そこは別に構わないんじゃないかな……」

瑛梨華「O・MA・KA・SE☆って言ってる場合じゃなくなったね」

悠貴「私たちに岡山県の未来がかかってる気がしてきましたっ」

肇「考えすぎだから…普段通りの二人で大丈夫だから……」

瑛梨華「気合い入ったところで、進行YO・RO・SI・KU☆」

悠貴「ですっ!」

肇「う、うん。次はね、岡山の見所を紹介するコーナーだよ。歴史的建造物とかお祭りとか」

瑛梨華「うらじゃ!」

悠貴「天領祭りっ!」

肇「二人の地元のこと以外もお願いします……」

瑛梨華「すっごい盛り上がるんだから、うらじゃ! 瑛梨華の友達も踊ってるし、岡山で一番盛り上がるお祭りだよ!」

悠貴「はい?まったくこれだから岡山市民はっ!一番盛り上がるのは天領祭りに決まってますっ!」

瑛梨華「あんなの駅前から美観地区までじゃん!200メートルくらいだよね?」

悠貴「もっとありますっ!500メートルくらいですっ!」

肇「うん、あのね、ここで言い争うのは」

瑛梨華「備前市は?」

肇「え」

悠貴「備前市には何かお祭りがあるんですかっ?」

肇「お…お祭り?えっと……」

肇「……」

肇「備前焼まつり(平成27年10月17日(土)9:00~17:30&18日(日) 9:00~16:30 岡山県備前市伊部地区にて開催) ……」

瑛梨華「え?」

悠貴「はい?」

肇「す、すごい人なんだから!二日間で14万人くらい集まるんだから!」

瑛梨華「ふーん」

悠貴「へぇー」

肇「興味ないのがハッキリ伝わってくるよ……」

瑛梨華「あとねあとね!岡山市にはね」

悠貴「岡山市なんて人が多いだけです!天領である倉敷には」

肇「うん、もうね、岡山市と倉敷市の争いはこの辺りにしようね。さもないと……」

瑛梨華「な、なに?」

悠貴「何があるんですかっ?」

肇「鷲羽山ハイランドの自転車のやつ、10回ずつ乗ってもらうからね」

瑛梨華「!?」

悠貴「!?」

瑛梨華「お、鬼!肇ちゃんは鬼だよ!温羅(桃太郎の鬼のモデル)だよ!」

悠貴「金田一の犯人より怖いですっ!(横溝正史の金田一シリーズは岡山が舞台になっていることが多い)」

肇「進行のためなら鬼にも田治見要蔵にもなります」

瑛梨華「さすがマジメちゃん……」

悠貴「備前市の人怖いです……」

肇「進行してもいいかな?」

瑛梨華「ど、どうぞ!」

悠貴「よ、よろしくお願いしますっ!」

※ちなみに鷲羽山ハイランドの自転車のやつはこんなのです。
遥か下が見えてるのに加え、レールとかけっこうが錆びててギシギシいいます。
そして自転車なので自分で漕がなきゃ進みません。

http://i.imgur.com/lziy1AQ.jpg



お仕事で「岡山エリア」が解放された時は我が目を疑いました
アイドルの皆さん、あんな大都会くんだりに 何の用だったんだろう

肇「次はね、『岡山弁を学ぼう!』のコーナーだよ!」

瑛梨華「おお~」

悠貴「岡山を伝えるラジオっぽいですっ!」

肇「ぽい、じゃなくて岡山を伝えるラジオだからね……」

瑛梨華「岡山弁かぁ。『○○じゃけぇ』とか?」

悠貴「女性が使うのだと『○○しねーや』とかも」

瑛梨華「はよーしねーや!」

肇「県外の人、それを聞いて驚くらしいね」

瑛梨華「早く死ね、って言われてると思うみたいだねぇ」

悠貴「早くしなさい、って意味ですからねっ!」

瑛梨華「あとは何だろ?お父さんがたまに使うのは『ちばけな』かな?」

悠貴「なんですか、それそれ?」

肇「ふざけるな、って意味だよね」

瑛梨華「うん。『瑛梨華 、ちばけな!』って」

肇「言われてる姿が簡単に想像できるね……」

悠貴「私もです……」

瑛梨華「でも一緒にギャグとか決めポーズ考えてくれるんだよ?」

悠貴「お父さんノリノリじゃないですかっ!」

肇「楽しそうなおウチだね……」

悠貴「まぁ、私は倉敷なのでそんなに方言とか使わないですけどねっ。天領ですからねっ!」

瑛梨華「瑛梨華の同級生に倉敷のコいるけど、バリバリ岡山弁だよ?」

悠貴「わ、私は違いますっ!その人は岡山市に飲み込まれてしまったんですっ!私は違いますっ!!!」

肇「さっき悠貴ちゃんがお母さんと電話してるの聞こえたけど、普通に岡山弁だったよね……」

悠貴「あ、あれは違います!天領弁でっ!」

肇「そんなの無いから……」

瑛梨華「意外と腹黒いねぇ。乙黒ちゃんだね」

悠貴「く、黒くないですからっ!」

瑛梨華「黒いよ。岡山城くらい黒いよ。鳥城だよ。もう乙倉城だよ」

悠貴「こ、これだから岡山市民はっ!外様大名なのにっ!ちょっと人口多いと思ってっ!」

肇「あ、あの」

瑛梨華「県庁所在地だから仕方NA・I・YO・NE☆」

悠貴「く、倉敷だって玉野と笠岡と福山合わせれば人いっぱいいますからっ!」

肇「福山市は広島県だからね……」

瑛梨華「桃太郎は岡山市だから!」

乙倉「そんな時代に岡山市は無いですっ!」

肇「あの……」

瑛梨華「宇喜多さんも岡山市!」

乙倉「騙し討ちばっかりしてた人なんて何の自慢にもなりませんっ!」

肇「……」

瑛梨華「秀家もいるもん!」

乙倉「泳いで参った!とか意味わかりませんっ!」

肇「えーかげんに……」

瑛梨華「ん?」

悠貴「え?」

肇「えーかげんにせられぇ!!!」

瑛梨華「!?」

悠貴「!?」

肇「さっきから聞いとったら好きなことばぁゆーてから!ラジオじゃってゆーとるじゃろ!全国の人らが聞いとるんじゃけぇな!分かっとん!」

瑛梨華「は、肇ちゃん、あの」

悠貴「ほ、方言」

肇「岡山のラジオなんじゃけぇ岡山弁はええんじゃ!それより私の話聞いとるん?二人にゆーとるんじゃけぇな!これから三人で頑張っていかんといけんのに、勝手ばぁしょーたらおえんじゃろ!」

悠貴「は、はい……」

瑛梨華「ご、ごめんなさい……」

肇「だいたいなぁ、岡山市と倉敷市の話ばぁしてどうするん?岡山には津山も井原も高梁もあるんで?他にもぎょーさんあるんで!」

瑛梨華(ガチ説教だね……)

悠貴(私泣きそう……)

~10分~

肇「分かってくれた?」

瑛梨華「はい……」

悠貴「すいませんでした……」

肇「じゃあ、気を取り直して次のコーナーに…って…え……?」

瑛梨華「あと2分しかないみたいだねぇ」

肇「え、え、え」

悠貴「肇さんのお話が長い…い、いえ、盛り上がりましたからっ!」

肇「ど、どうしよ、えっと…どうしよ!」

瑛梨華「閉め!肇ちゃん閉めないと!」

肇「ど、どうやって?」

悠貴「お相手はこの三人でした!とかっ!」

肇「適当すぎるよ!」

瑛梨華「じ、次回の予告とかは?」

肇「あ、そ、そうだね!来週もやります!ラジオ!三人で!」

悠貴「肇さんだって適当じゃないですかっ!」

瑛梨華「あと1分だよ!」

肇「お、お相手は!瑛梨華ちゃん、はい!」

瑛梨華「え、え、あの、えっと、赤西瑛梨華と!」

悠貴「お、乙倉悠貴とっ!」

肇「藤原肇でした!」

肇「……」

瑛梨華「……」 

悠貴「……」

瑛梨華「あと20秒あるよ!」

悠貴「余っちゃいましたよっ!」

瑛梨華「は、肇ちゃんなんか言って!」

肇「なんかって何!?」

悠貴「思い付くままにっ!」

肇「え、えっと…ら、来週も三人で岡山の魅力を皆さんにお届けします!また聴いてく

 下津井港はヨー 入りよて出よてヨ
 真艫巻よで まぎりよてョ
 (トコハイトノエーナノエー ソレソレ)


お し ま い

終わりです
こんな感じのご当地アイドルによる都道府県紹介SSが増えてくれたら嬉しいです
読んでくれた人、ありがとうございました!

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