女神「あのー」奴隷商人「は、はい!?」 (15)

女神「突然すいません、生きの良いのを一人下さい」

奴隷商人「(し、神殿にある女神の像にそっくりな女性が突然目の前に・・・)」

奴隷商人「も、申し訳ありません。実はすでに営業時間外で・・・」

奴隷商人「明日改めてお越しいただけませんか?というか鍵かけたはずなのにどうやって入ってきたんですか」

女神「あー、そうなのですか・・・」

女神「どうしても今日じゃなきゃダメなのです。次に降臨できるのは10年後か20年後か・・・一体いつになるか・・・」

女神「最近はあまり祈りをささげてくれる人が多くなくてパワーが溜まりづらいんですよねー」

奴隷商人「(降臨?パワー?)」



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女神「仕方ない・・・えいっ」

奴隷商人「!」



奴隷商人「人を売買するなんて最低な行為だ!僕は最低な行為をしてお金を稼ぐ最低な人間だ!こんなこと金輪際辞める!!」

奴隷商人「神様仏様女神様魔神様!どうか僕を許してくださいー!今すぐ懺悔しに行きますからー!!」ダダッ



女神「どの人にしようかなー」

女神「ん?」



少女「っ」ビクビク

少女姉「大丈夫、大丈夫だから・・・」ビクビク

女神「(私を見て怯えてる・・・)」



少年「お、おいあんた!」

少年「俺を買わないか!?」

女神「あなたを?」

少年「炊事も洗濯も、なんだってやる!ああ、なんだって!!」

少年「だからここからだしてくれ!」

女神「男かー」



女神「じゃあ・・・君たちを連れていくことにしようかな」

女神「ここが私の別荘でーす」

少女「・・・」

少女姉「あの、ここって」

少年「神殿だよな・・・」



女神「少しの間、ここでのんびりしといて下さい」

女神「私は残ってるパワーを使い切ってくるので」

少女&少女姉&少年「(パワー・・・?)」

女神「では、一時間ぐらいしたら帰ってきますねー」




少年「なあ」

少女姉「はい?」

少年「逃げよう!一緒に!」

少女姉「え!?」

少年「なんでか分からねえがあいつはどっかに行っちまった!今なら逃げられる」

少女姉「で、でももし逃げて捕まれば・・・」

少年「このまま逃げなきゃ俺らはどうなっちまう!?」

少女「たぶん・・・大丈夫」

少年「あ?」

少女「お姉さん・・・優しそうだから」

少年「今だけだろそんなの」

少女姉「少女・・・」

少年「あー、もういい。分かった、俺は逃げるから」

少年「せっかく誘ってやったのに。お前らは一生奴隷やってろ」

少年「俺はそんな人生まっぴらごめんだ」

少女「・・・」

少女姉「・・・」

女神「枯れ木に花をー」

爺「おお、枯れ山が一面色づいておる!」




子供達「10段ピラミッドやりたくないよう」

先生「何言ってるんだ!わがまま言うな!」

子供達「痛いし・・・辛いし・・・」

先生「お前たちは最高の思い出を作りたくないのか?このまま小学校を卒業していいのか?」

子供達「・・・」

先生「何とか言ったらどうだ!」

女神「えいっ」



先生「ごめんな皆ー!ほかの学校の体育教師に『俺の指導で10段ピラミッド成功したんだぜ』って自慢したかっただけなんだー!」

先生「お前たちの気持ちなんてどうでもいいって考えてた・・・」

先生「俺、教師辞めて実家に帰るよ。今まで本当にごめんな」

子供達「先生辞めないで!」

先生「!」

子供達「俺達、先生のために10段ピラミッド成功させるよ」

子供達「自慢できる生徒になってやるよ」

子供達「だから、俺たちの先生でいてくれ!」

先生「子供達・・・」





女神「ただいまー」

少女「っ!」

少女姉「おかえり、なさい・・・」

女神「あれ?あの男の子はどうしたんですか?」

少女姉「あ、あの・・・」

女神「どこに行ったんですか?」

少女姉「ひっ!」

少女「出て、行った・・・」

女神「出て行った?」

少女「何されるか、分からないって・・・」

女神「どういうことですか?」

少女「・・・」

女神「・・・」




女神「まあ、いいです。では帰りましょうか」

少女姉「え、帰る?」

女神「私の手を握ってください」

少女姉「手を、握ればいいんですか・・・?」

女神「ええ」

少女「・・・」ギュッ

女神「では行きますよー」

少女姉「あっ、ちょっと待ってください!」ギュッ

女神「えいっ」










ーーー天界ーーー

女神「大丈夫ですか?」

少女「」ウップ

少女姉「」オ、オエエー

女神「慣れないとキツいですよね」

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