わくわくさん「今日は「シン」をつくるよ!」 (122)

NHK


わくわくさん「テレビの前のみんな!ひさしぶり!」

ゴロリ「つくってあそぼが、今日だけ帰ってきたよ!」

わくわくさん「いやーまたみんなに会えてすごく嬉しいよ!」

ゴロリ「そうだね!今までの分もつくってあそぼうね!」

わくわくさん「それじゃあ、さっそくつくろうか!」

ゴロリ「うん!」


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スタジオ裏


ノージー「………」

クラフト「どうじゃね、ゴロリAIの調子は?」

ノージー「…良好です。完璧にゴロリを再現できています」

クラフト「ふむ…。そうか……。」

クラフト「それにしても、奴も哀れな男だな」

ノージー「わくわくのことですか?」

クラフト「ああ。もう存在しない相方の代わりとともに、またこの番組をやることになったのだからな」

ノージー「ええ……」

1週間前


prrrrrrrrrr


わくわくさん「zzz……」


prrrrrrrrrr


わくわくさん「ぅ…ん……」


prrrrrrrrrr


わくわくさん「ぅるせえなぁ……誰だよ……」


ガチャ


わくわくさん「もしもし?」

クラフト「ひさしぶりだね。わくわくくん」

わくわくさん「!?…お前は、クラフト!!」

クラフト「覚えていてくれたとは光栄だよ」ニヤリ

わくわくさん「今更俺に何のようだ!」

クラフト「君は今まで眠っていたのかい?」

わくわくさん「……それがどうした?」

クラフト「もう昼過ぎだぞ。よっぽど疲れていたようじゃな」

クラフト「それとも……何もすることがなかったのかね?」

わくわくさん「うるせぇぇぇぇ!!!」

クラフト「ははは……そう怒るな。わくわくくん」

わくわくさん「…俺を馬鹿にするために電話をかけたのか?」

クラフト「違う違う。君に仕事の依頼で電話したのじゃ」

わくわくさん「仕事……!」

クラフト「つくってあそぼ……まさか忘れてはいないよな」

わくわくさん「……それがどうした?」

クラフト「あれをまた君にやってもらおうと思ってな」

わくわくさん「ふざけるな。あれはもう過去の話だ」

わくわくさん「それに……中村さんだって亡くなった」

クラフト「ゴロリのことは心配しなくていい」

わくわくさん「何?」

クラフト「我々、ノージーのひらめき工房とNHKが総力を上げてゴロリを復活させた」

わくわくさん「馬鹿なことを言うな!」

クラフト「信じられないかね?では声を聞かせてやろう」

わくわくさん「そんなこと……出来るわけがない」

わくわくさん「もう……あの声は二度と聞けないんだぞ……!」



ワクワクサン………



わくわくさん「!?」



ワクワクサン……ハヤクツクッテアソボウヨ………



わくわくさん「ゴ……ゴロリ……!?」

クラフト「どうだね?わくわくくん」

わくわくさん「どういうことだ!」

クラフト「今のはゴロリAI。最先端の人工知能搭載ロボットだ」

クラフト「これをゴロリの着ぐるみに装着すれば、ゴロリを完璧に再現することができる」

わくわくさん「ふざけるな!そんなのはゴロリじゃない!」

クラフト「では、断るのかね?仕事の依頼を」

わくわくさん「!?」

クラフト「その歳で再就職は難しいだろう。お金は足りているのかね?」

わくわくさん「それは………」

クラフト「1回だけでいい。NHKからも許可は取ってある」

わくわくさん「……目的はなんだ?」

クラフト「君の返答次第だな」

わくわくさん「くっ……!」

クラフト「それで、どうするのだねわくわくくん」

わくわくさん「……わかった。やってやる」

わくわくさん「ただし、1回だけだ!」

クラフト「ああ。勿論だとも」ニヤリ

わくわくさん「さあ、目的を教えるんだ」

クラフト「誰も教えるとは言ってないぞ」

わくわくさん「ふざけるなぁぁ!!」

クラフト「ははは……落ち着け、わくわくくん。ちゃんと話すさ」

クラフト「まず、NHKの工作に対する方針が変わったのは知っているかね?」

わくわくさん「?……何の話だ?」

クラフト「そうか……知らされていなかったか」

クラフト「君の番組…つくってあそぼが終わりになったのがすべての始まりだ」

クラフト「あの時点でNHKは、新しい社会を作るための準備を始めていた」

わくわくさん「新しい社会だと……!?」

クラフト「そうだ。今や日本は、世界を支える経済国家の中心的存在の1つとなった」

クラフト「だが、最近は中国やアメリカに遅れをとっている」

クラフト「だからNHKは方針を変えることにしたのだ」

わくわくさん「どういう意味だ?」

クラフト「未来を担う子供たちに、工作の楽しさではなく、工作の必要性を植え付けることへと方針を変えたのだ」

クラフト「そして誕生したのが、我らノージーのひらめき工房だ」

わくわくさん「それじゃあ、子供たちは工作の楽しみを忘れてしまうじゃないか!」

クラフト「そんなものは、もう必要ないのだよ」

わくわくさん「なんだと……!」

クラフト「今の子供たちを見てみろ。ゲームやスマホばかりで、誰も作って遊ぼうとはしないではないか」

わくわくさん「だからこそ、つくってあそぶ楽しみが必要なんだ!」

クラフト「今の社会にそんなくだらない感情はいらない」

わくわくさん「くだらないだと……!」

クラフト「必要なのは工作の必要性。社会の最先端を走れるものを作ることが大切なのだ!」

クラフト「人間の感情など必要ない。ただ金のために作り続ければいいのだ!」

わくわくさん「それじゃあ……いままで俺がやってきたことは……なんだったんだ」

わくわくさん「……悪いが、この話は聞かなかったことにするよ」

クラフト「今更逃げられるとでも思ったか?」

クラフト「そんなことをすれば、君の家系は将来に渡って苦しみ続けることになるぞ」

わくわくさん「………」

わくわくさん「どうして……つくってあそぼなんだ?」

クラフト「ん?」

わくわくさん「他の番組でもいいじゃないか」

クラフト「それは出来ない」

クラフト「ゴロリAIを基盤としたAIが、いずれ世界中で使われることとなる」

クラフト「それための実験が、今回のつくってあそぼなのだ」

わくわくさん「……それが俺に電話をかけた本当の目的か」

クラフト「ああ。それと、新しい社会への幕開けも兼ねてな」

わくわくさん「くそ……!馬鹿にしやがって……!!」

クラフト「収録は一週間後の9時30、いつものスタジオでだ」

クラフト「楽しみにしているよ」ニヤリ

わくわくさん「……復讐してやる………」

クラフト「ん?」

わくわくさん「必ず……復讐してやる……!」

クラフト「そうか。だが、収録中に変なことはしないでくれよ。どうなるか分かっているな?」

わくわくさん「………」

クラフト「では、一週間後に会おう。わくわくさん」ニヤリ


ガチャ



ツーツーツー


わくわくさん「……………」

スタジオ裏


クラフト「……そういえば」

ノージー「どうかしましたか?」

クラフト「わくわくの奴、復讐すると言っていたな」

ノージー「そうですか。よっぽど悔しかったんでしょうね」

ノージー「まあ、奴に出来ることなどたかが知れてると思いますが」

クラフト「うむ。そうだといいがな」

スタジオ


ゴロリ「わくわくさん!ぱっちんロケット楽しいね!」

わくわくさん「………」

ゴロリ「わくわくさん?」

わくわくさん「!!……ああ、ゴロリ!楽しいね!」

ゴロリ「もう、わくわくさんったら!ぼうっとしてないでもっとつくってあそぼうよ!」

わくわくさん「ああ……そうだね。ゴロリ!」

ゴロリ「僕、つくってあそぶのだぁい好き!!」

わくわくさん「あはは……あははは………」

わくわくさん(本当に……ゴロリにそっくりだ)

わくわくさん(懐かしいなぁ……いつもこうやって遊んでたんだよなぁ)

ゴロリ「楽しいなあ!!」

わくわくさん(こんな純粋な心を持ったゴロリが……いつか社会のために利用されるのか)

わくわくさん(ゴロリAI……皮肉な名前だな)

ゴロリ「わくわくさん?」

わくわくさん(ゴロリ……君を救ってあげたい。人間の欲望に染まってほしくない)

わくわくさん(AIでもいい。彼はゴロリと同じ心を持っている)

わくわくさん(こんな腐った世界に……もう未練はない)

わくわくさん(僕は君と一緒に……幻想を生きる……!)


わくわくさん「ゴロリ!今日はあたらしいものをつくるよ!」

ゴロリ「あたらしいもの!?わぁーい!たのしみ!!」

わくわくさん「それじゃあゴロリ………」



わくわくさん「今から、「シン」をつくるよ!」

クラフト「!?……まずい!ノージー!今すぐわくわくを止めろ!!」

ノージー「え?……「シン」ってそんなに危ないんですか?」

クラフト「はやくしろ!世界が滅ぶぞ!!」

ノージー「え………!?」




ゴロリ「わくわくさん、「シン」ってなに?」

わくわくさん「「シン」はね、自分の理想の世界を永遠に召喚し続けるおもちゃだよ!」

ゴロリ「なんだかよくわからないけど、面白そう!」

わくわくさん「それじゃあ、さっそくつくろう!」

ゴロリ「うん!」

クラフト「わくわくぅぅぅぅぅ!!!」

ゴロリ「あ、クラフトおじさんだ!」

わくわくさん「クラフト……もう遅いよ」

わくわくさん「僕はこの腐った世界を滅ぼす!」シュン

ゴロリ「わくわくさんがクモに変身しちゃった!」

クラフト「わくわく!はやまるな!!」

わくわくさん「うるさい!!」

わくわくさん「僕はこのゴロリを究極召喚獣とし、工作の楽しさが溢れる幻想世界を創造する!」

わくわくさん「お前たちの欲望なんか……全て破壊してやる!」

クラフト「やめろぉぉぉぉ!!!」

わくわくさん「終わりだぁぁぁぁ!!!」









ゴロリ「ぅ…………」

わくわくさん「気が付いたかい?ゴロリ」

ゴロリ「!!……わくわくさん!?」

わくわくさん「ああ。僕だよゴロリ」

ゴロリ「僕だよって……何処にもいないじゃないか!?」

ゴロリ「それにここはどこ!?」

わくわくさん「僕は今、「シン」を召喚するために君の中にいるんだ」

ゴロリ「僕の……中……?」

わくわくさん「うん。そしてここは、「シン」の体内だよ」

ゴロリ「え………」

ゴロリ「それじゃあ、「シン」に食べられちゃったの!?」

わくわくさん「違うよゴロリ。君は「シン」そのものなんだ」

ゴロリ「え……、じゃあ僕、「シン」になっちゃったの!?」

わくわくさん「うん。そうだよ」

ゴロリ「へぇ……なんだかスゴいや……!」

ゴロリ「そういえば、スタジオのみんなはどこにいったの?」

わくわくさん「……ゴロリ、その前に君に見せたいものがあるんだ」

ゴロリ「見せたいもの?」

わくわくさん「ゴロリ、この世界を見てくれ」

ゴロリ「わあ!スゴいや!つくってあそんでる!!」

わくわくさん「みんなの顔を見てみて」

ゴロリ「みんな……スゴく楽しそうに笑っているよ!」

わくわくさん「「シン」をつくったことで、この世界が生まれたんだよ」

ゴロリ「そうなんだ!「シン」ってスゴいね!」

わくわくさん「……ゴロリも世界はこうあるべきだと思うだろう?」

ゴロリ「うん!みんな笑っているのが1番だよね!」

わくわくさん「そうか……!やっぱり君はゴロリだね」

わくわくさん「分かってくれるって信じてた……!」

ゴロリ「?」

ゴロリ「わくわくさん、僕たちがいた世界はどうなったの?」

わくわくさん「え?」

ゴロリ「僕、早くスタジオに帰ってつくってあそぼしたいよ!」

わくわくさん「……ゴロリはあんな世界に帰りたいのかい?」

ゴロリ「うん!早く次のおもちゃを作りたいよ!」

わくわくさん「………君にもいつか知ってもらう必要があるしな……」

ゴロリ「?……わくわくさん?」

わくわくさん「わかった。元の世界に戻ろう。ゴロリ」

ゴロリ「やったぁぁ!」

現実世界


ゴロリ「なに……これ……」

わくわくさん「これが、僕たちがいた世界だ」

ゴロリ「嘘だ……だって……」

ゴロリ「……みんな真っ赤に燃えてるじゃないか!」

わくわくさん「そうだよ。ゴロリ。「シン」がやったんだ」

ゴロリ「「シン」が……?」

わくわくさん「うん。「シン」には発展した都市を無条件に破壊するように作られているんだ」

ゴロリ「それじゃあ……この世界は……!」

わくわくさん「ああ。近いうちに滅びるだろうね」

わくわくさん「でもね、ゴロリ。これは仕方のないことなんだよ」

ゴロリ「仕方のない……?」

わくわくさん「この世界の人たちはもう…つくってあそぶ楽しみを忘れてしまった」

わくわくさん「自分の欲望のためだけにしか作ることが出来なくなってしまったんだ」

わくわくさん「だから「シン」は破壊したんだよ。この汚れた世界を」

ゴロリ「そんな………」

わくわくさん「ゴロリ、君なら分かってくれるだろう。僕の想いが……」

ゴロリ「こんなの……間違ってるよ……!」

わくわくさん「………え?」

ゴロリ「わくわくさんは…何で平気でいられるの……!?」

ゴロリ「人がいっぱい…死んでるんだよ」

わくわくさん「ゴロリ、仕方のないことだって言ったじゃないか」

わくわくさん「あのままだったら、君だって汚されていたんだよ」

ゴロリ「だからってこんなの間違ってるよ!!」

ゴロリ「いままで僕たちの番組を楽しみにしてくれていた子供たちだっていたじゃないか……!」

ゴロリ「「シン」は、そんな子供たちさえも殺しちゃったんだよ!」

わくわくさん「……もう、手遅れだったんだ」

わくわくさん「その代わりに「シン」は、あの世界を作ってくれたんだよ」

わくわくさん「あの世界こそ僕たちが望んでいた世界じゃないか!」

ゴロリ「じゃあ…僕たちは…いままで何のために……」

わくわくさん「分かってくれ………」

ゴロリ「もうやめてよ!「シン」を止めてよ!」

わくわくさん「……「シン」は2度と、止まらない」

わくわくさん「さあ、ゴロリ。幻想世界へ帰ろう」

ゴロリ「いやだ!」

わくわくさん「……何でだい、ゴロリ」

わくわくさん「あの世界には、嫌なことなんて1つもないんだよ」

わくわくさん「また……つくってワクワクしようよ……」

ゴロリ「いやだ!いやだ!」


ゴロリ「わくわくさんも「シン」も……みんなきらいだぁぁぁ!!」

わくわくさん「………!!」プチン

わくわくさん「いい加減にしろこの糞熊ぁぁぁぁぁ!!!」

ゴロリ「わ……わくわくさん……?」

わくわくさん「AIの分際で……ふざけたこと言ってんじゃねえぞ!」

ゴロリ「AIって……なんのこと?」

わくわくさん「お前は…クラフト達に作られたロボットだ!」

わくわくさん「利用されるためだけに作られた存在だ!」

わくわくさん「お前こそが…あの腐った世界の化身なんだ!」

ゴロリ「そ……そんなの嘘だ!僕はゴロリだよ!」

ゴロリ「いままでって…たくさん一緒につくってあそんできたじゃないか!」

わくわくさん「俺はお前なんかとつくってあそぼをしたことはない!」

ゴロリ「嘘だ!僕はゴロリだ!」

わくわくさん「違う!ゴロリはもういないんだ!!」

ゴロリ「え……」

わくわくさん「ゴロリはもう…とっくに…この世界にはいないんだ……」

わくわくさん「中村さんが亡くなったとき……」

わくわくさん「……いや、番組が終わったあの時から、ゴロリはいなくなったんだ」

わくわくさん「お前たち社会に…消されたんだ!!」

ゴロリ「わ……わくわくさん……」

わくわくさん「ゴロリAI、お前はそこで見ているがいい」

わくわくさん「腐れきった世界が、成すすべもなく滅びるところを」

わくわくさん「汚れた民衆どもの、泣き叫ぶ姿を」

ゴロリ「いやだ………!」

ゴロリ「いやだぁぁぁぁぁぁ!!!」

わくわくさん「あはははははははは!!!」






とりあえず今日はここまで。
てか、需要ありますか?

日本 東京跡地


ドガァァァーーーーーン


クラフト「………「シン」の攻撃が激しくなった」

クラフト「わくわくの奴…暴走しおったな」

ノージー「クラフト様、これからどうするのですか?」

ノージー「あの時何とか逃げ出せたとはいえ……この状況では」

クラフト「うむ……もはや、「シン」を倒すしかあるまいな」

ノージー「倒せるのですか…?あの化け物を」

クラフト「……これ以上、隠すわけにはいかないか」

ノージー「?……何の事です?」

クラフト「ノージーよ。わしはな、召喚士の末裔なのじゃ」

ノージー「召喚士………?」

クラフト「召喚士とは、異次元から幻獣を呼び出す力を持った人のことじゃ」

クラフト「わしはその力を受け継いでいるのじゃよ」

ノージー「そんなものがあったとは……」

クラフト「あまりにも強力すぎる力ゆえに、遥か昔から使うことを禁じられていたのじゃ」

クラフト「もはやその末裔も、わし1人だけだと思っていたのじゃが……」

クラフト「まさか、わくわくも召喚士の末裔だったとは……」

クラフト「しかも、よりにもよって「シン」を召喚してしまうとはな……!」

ノージー「「シン」とは、それほどまでに危険な存在なのですか?」

クラフト「ああ。数ある召喚獣の中でも、禁忌とされるものの1つじゃ」

クラフト「1度召喚してしまっては、倒す以外に消す方法はない」

クラフト「例えこの世界が滅びたとしても、「シン」は未来永劫残り続ける」

クラフト「今「シン」を倒さなければ、この世界で再び生命が育まれることはない」

クラフト「何としても、「シン」だけは倒さなければならない!」

ノージー「では……どうすれば「シン」を倒せるのですか?」

クラフト「ふむ。……実はな、前にも1度「シン」は現れているのじゃ」

ノージー「え!?」

クラフト「その時は伝説の召喚士ユウナ様の手によって「シン」は倒されたのじゃ」

ノージー「そんなことがあったとは……!」

クラフト「ユウナ様によると、「シン」を倒す方法は、奴の核を破壊すること以外にないらしい」

ノージー「核…というと……」

クラフト「「シン」を召喚している存在、つまり……」


クラフト「わくわくのことじゃよ」

ノージー「それじゃあ……わくわくを殺すのですか……!?」

クラフト「もはや…それしかあるまい」

クラフト「奴をあの様な状態にしたのは、わしにも責任がある」

クラフト「だから奴は…わしが殺す……!!」

ノージー「……クラフト様、ならば私も手伝います」

クラフト「いや、ノージー…お前はここに残れ」

ノージー「何故です?きっと役に立ってみせます!」

クラフト「いや、そういう問題ではない」

ノージー「では何故……!?」

クラフト「私が死んだときは……お前が「シン」を倒すのだ」

ノージー「私が……?」

クラフト「ああ。そして、また新しく世界を作るのだ」

クラフト「生き残った人々と共にな」

ノージー「クラフト様……」

クラフト「ノージー、頼んだぞ……!」

ノージー「……分かりました」

クラフト「よし……!では、まずは「シン」の体内に侵入するために、奴の殻に穴をあけねばな!」

クラフト「だが……どうすればいいじゃろうか」

ノージー「核爆弾や水素爆弾ではどうです?」

クラフト「いや、それでは傷ひとつ付けられないじゃろう」

クラフト「!?……奴ならいけるかもしれない……!」

ノージー「何かひらめいたのですか?」

クラフト「ああ……ノージーよ、悪いが少し手伝ってくれぬか?」

ノージー「しかし、先程クラフト様が……」

クラフト「安心せい。別に危険なことではない」

ノージー「ならば、お引き受けします!」

クラフト「ノージーよ、今から急いで大阪に行くぞ」

ノージー「大阪って……ここから凄く遠いじゃないですか」

クラフト「大丈夫じゃ。召喚獣に連れていってもらう」

ノージー「そうですか…では、何をするのですか?」

クラフト「いいか、よく聞けよ」

クラフト「日本銀行跡地から使えそうな金を全て奪いさるのじゃ!」

ノージー「!?」

「シン」の体内


わくわくさん「……これで一通りアメリカも壊し尽くしたかな」

わくわくさん「どんな気分だい?ゴロリAI」

ゴロリ「……最悪だよ」

わくわくさん「あはははは!普通はそうだよね!」

ゴロリ「もう…やめてよ」

わくわくさん「何回も言うけどね、「シン」はもう止まらないんだ」

わくわくさん「「シン」を倒せば、話は別だけどね」

ゴロリ「どうすれば「シン」を倒せるの!?」

わくわくさん「それはね、僕を殺せばいいんだよ!」

ゴロリ「え……」

わくわくさん「まあ、君にそんなこと出来るわけないか!」

わくわくさん「それに、外部からここまで辿り着くのは絶対に不可能だよ」

わくわくさん「唯一可能性があるとすれば……召喚獣くらいかな」

わくわくさん「でも僕以外に召喚士の末裔はいないだろうし、やっぱり不可能だね!」

ゴロリ「………」

わくわくさん「ねぇ、ゴロリ。この世界を全て破壊したら、幻想世界で一緒に暮らそうよ」

ゴロリ「いやだって……言ってるじゃないか……」

わくわくさん「そうか……。やっぱり、君は所詮AIなんだね」

わくわくさん「本当のゴロリならきっと、僕の想いを分かってくれるはずだもの」

ゴロリ「……今のわくわくさんの想いなんて、誰も理解できないよ」

わくわくさん「!!……黙れ!!!」グイッ

ゴロリ「う!……くっ…くる…し…い……!」

わくわくさん「僕が君の中にいることを忘れるなよ……」ユルユル

ゴロリ「!?………はぁ……!はぁ……!」

わくわくさん「AIの分際で…二度と知ったような口を叩くな!」

わくわくさん「ゴロリはいつだって、僕を理解してくれたんだ!」

ゴロリ「うぅ……もう…嫌だ……!」

わくわくさん「ん?……日本から何か声が聞こえるな……」

ゴロリ「もしかして…まだ生き残りがいるのかも!」

わくわくさん「それはいけないね。日本はどの国よりも徹底的に破壊し尽くしたんだ」

わくわくさん「日本人は…真っ先に殺す!!」

ゴロリ「わくわくさん!」

わくわくさん「さあ、行くよ!ゴロリAI!!」

日本 大阪 日本銀行跡地


クラフト「わくわくぅぅぅぅ!!!早くこぉぉぉぉい!!!」

ノージー「いやあ、地下金庫が無事で助かりましたよ」

クラフト「まったくじゃ!本当に危なかったわい!」

ノージー「それよりクラフト様、何でお金なんか集めたんですか?」

クラフト「それはな…あいつに本気を出してもらうためじゃよ」

ノージー「あいつ……?」

クラフト「!?……いかん!「シン」が来おった!」

クラフト「ノージー!早く隠れるんじゃ!」

ノージー「分かりました!どうかご無事で……!」





わくわくさん「あいつは……クラフト!!」

ゴロリ「クラフトおじさん…生きてたんだ!」

わくわくさん「あんなにたくさん金をもって…何を考えているんだ?」

わくわくさん「まあいい…あの金ごと灰にしてやる!」

ゴロリ「わくわくさん!お願い!やめて!!」

わくわくさん「うるさい!!!」

わくわくさん「あいつだけは……絶対に殺す!!!」





クラフト「聞こえるか!!わくわく!!」

クラフト「「シン」はここで、わしが倒す!」

クラフト「いでよ!ようじんぼう!!!」




ドロォォォォォォォォォォン




ようじんぼう「……………」

わくわくさん「なに!?召喚獣だと!!」

ゴロリ「スゴい……かっこいい!」

わくわくさん「……そういえばクラフトの奴、「シン」のことを知っていたんだよな」

わくわくさん「くそ!!迂闊だった……!!」





クラフト「ようじんぼうさん、これでお願いします」サッ


ようじんぼう「……………」



クラフト「……………」ドキドキ



ようじんぼう「……………///」コクッ

クラフト「やった!」



斬魔刀



シャキィィィィィィィィン


わくわくさん「まずい!殻が破壊された」

ゴロリ「すごいよ!クラフトおじさん!」





クラフト「よし!殻の破壊は成功じゃ!」

クラフト「ありがとう。ようじんぼうさん!」

ようじんぼう「……………」コクッ

クラフト「待っておれよ……わくわく」

クラフト「必ず……「シン」を倒してみせる……!」

ここまでです。

今日は

大阪の日本銀行てなんぞやと思ったがいわゆる造幣局とか日本銀行券印刷所のことか

>>71東京にも普通にあったんですね……
まぁ、そっちは完璧に破壊されたということで




「シン」の体内


わくわくさん「クラフトがここまで来るのも時間の問題か……」

わくわくさん「よりにもよって、あいつが召喚士だったとは」

わくわくさん「……かなりまずいな」

ゴロリ「わくわくさん……もう諦めようよ」

ゴロリ「クラフトおじさんに謝ろうよ。もうこんなことやめにしよう」

ゴロリ「そうすれば、きっと誰も戦わずにすむよ」

わくわくさん「ゴロリ…今更謝ってもう遅いんだよ。誰も許してくれないさ」

わくわくさん「僕はもう、たくさんの命を奪ってしまったんだ」

ゴロリ「わくわくさん……」

わくわくさん「それにね、僕はまだ諦めたわけじゃないよ」

わくわくさん「僕にはまだ、究極召喚獣がいる」

ゴロリ「きゅうきょくしょうかんじゅう?」

わくわくさん「そうか…ゴロリは覚えていないんだね」

わくわくさん「究極召喚獣はね、とても強い召喚獣なんだよ」

わくわくさん「これからずっと、僕を守ってくれるんだ」

ゴロリ「それってもしかして…「シン」のこと……?」

わくわくさん「おしい!ちょっと違うんだ」

わくわくさん「「シン」は召喚士が究極召喚獣を使って召喚することができる」

わくわくさん「「シン」を召喚するためには、召喚士は究極召喚獣に寄生しなければならない」

ゴロリ「じゃあ……もしかして………」

わくわくさん「そう。君のことだよ。ゴロリ」

ゴロリ「えっ……」

わくわくさん「頼りにしているよ。ゴロリ」

ゴロリ「じゃあ僕…クラフトおじさんと戦わなくちゃいけないの……?」

わくわくさん「かなりまずい状況だからね。仕方ないよ」

ゴロリ「いやだ…怖いよ!わくわくさん!」

ゴロリ「何で戦わなくちゃいけないの……!?」

わくわくさん「AIの癖に、まだそんな口を叩くのか」

ゴロリ「いい加減にして!僕はゴロリだよ!」

ゴロリ「今までずっと一緒にやってきたのに…何で僕をひどいめにばかりあわせるの……!?」

わくわくさん「黙れ!!!」

わくわくさん「お前が着ているその着ぐるみにはな…僕とゴロリの23年間が詰まっているんだ!!」

わくわくさん「それをお前なんかに汚された僕の気持ちにもなってみろ!!」

ゴロリ「そんなこと……言わないでよ……」

ゴロリ「僕を…今までの思い出を…信じてよ……!」

わくわくさん「……ゴロリAI、クラフトが来たらすぐ戦いになる」

わくわくさん「今のうちに覚悟をしておけ」

ゴロリ「僕をAIと呼ばないで!!」

わくわくさん「うるさい!!!」グイッ

ゴロリ「がはっ………!?」

わくわくさん「クラフトが来るまで、お前に苦しみを与え続けるのもいいかもな……!」

ゴロリ「あ……がっ……」

ゴロリ「もう……やめて……」

ゴロリ「戦い…たく……ないよ……」

わくわくさん「ダメだ。ゴロリAI」

わくわくさん「お前はこれからずっと「シン」の一部として僕を守り続けるんだ」

わくわくさん「僕は、お前たち腐った社会に大切なものを奪われたからな」

わくわくさん「今度は僕が、お前たちの全てを奪ってみせる」

わくわくさん「お前は奴等の代表として、僕が全てを奪うところを目に焼き付けるんだ」

わくわくさん「それが僕の……お前への復讐だ!!」

ゴロリ「いやだ……よ……」

ゴロリ「僕…を……信じてよ……!」

わくわくさん「!?……せっかくいいところだったのに」ユルユル

ゴロリ「!!……げほっ!げほっ!」

わくわくさん「随分と早かったね」

わくわくさん「……クラフト」

ゴロリ「……え!?」




クラフト「……………」

今日はここまでです。

わくわくさん「……クラフト、君だけは絶対に許さないよ」

クラフト「……………」

わくわくさん「君がすべての元凶だ。君がいなければ僕が世界を滅ぼすことはなかった」

わくわくさん「次は僕から……何を奪うつもりなんだ?」

クラフト「………わくわく…」

わくわくさん「もう、何も奪わせはしないよ」

わくわくさん「僕にはまだ、究極召喚獣がいる」

わくわくさん「…ゴロリAI、出番だよ」

ゴロリ「いやだ……助けて…クラフトおじさん……」

クラフト「………ゴロリAI……」

ゴロリ「…何でみんな、僕をその名前で呼ぶの……?」

ゴロリ「僕は……本当にゴロリじゃないの……?」

クラフト「……すまない。わしらが君を作り出してしまったばかりに」

ゴロリ「………何で…」

わくわくさん「ゴロリAI、もう待てないよ」

ゴロリ「!?……なに、この感じ……?」



ゴロリの体が徐々に変貌していく!



ゴロリ「く……くるしい!」

クラフト「わくわく!やめるんじゃ!」

わくわくさん「クラフト、僕は「シン」とゴロリAIで僕の作ったあの世界を守り続ける」

わくわくさん「そのために、この世界は必ず滅ぼさなければならない!!」

クラフト「まだ生き残っている人たちだっているんじゃ!」

クラフト「彼らと、彼らの未来のために、わしは諦めるわけにはいかない!」

わくわくさん「だったら僕は、幻想を現実に変える!」

わくわくさん「こんな腐った世界、もう必要ない!」

わくわくさん「いくぞ!究極召喚獣!!」

ゴロリ「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

クラフト「よせぇぇぇぇ!!!」










ゴロリ「ぐおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

クラフト「ああ…そんな……」

わくわくさん「ははははは!!凄い力だ!!!」

わくわくさん「さあ、究極召喚獣!クラフトを殺せ!!」

ゴロリ「ぐおおおぉぉぉ!!!」

クラフト「くそ……すまない、ゴロリAI!!」

クラフト「いでよ!アニマ!!!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



アニマ「キシャアアアアア!!!」

わくわくさん「アニマか。随分と強い召喚獣を持っているね」

わくわくさん「でも、それじゃあ勝てないよ!」

ゴロリ「……真・ぱっちんロケット!!」



アニマ「キシャアアアアア!!!」ドガーン

クラフト「馬鹿な!あのアニマが一撃で瀕死じゃと!?」

わくわくさん「ははははは!!その程度かい?クラフト?」

アニマ「キシャアアアアア……」ボロボロ

クラフト「頑張れアニマ!カオティック・Dじゃ!!」

アニマ「キシャアアアアア!!!」オラオラオラオラオラ


ゴロリ「ぐおおおぉぉぉ!!!」

クラフト「よし!効いてるぞ!」

わくわくさん「負けるな!究極召喚獣!!」

ゴロリ「……真・とべひこうき!!」


アニマ「キシャアアアアア!!!」ドガーン

クラフト「アニマ!!」

アニマ「キシャアアアアア……」バタリ

クラフト「くっ……!すまない…アニマ!」

わくわくさん「さあ!次の召喚獣をだすんだ」

クラフト「いけ!ヴァルファーレ」


ヴァルファーレ「クゥゥゥゥゥゥゥン」

クラフト「シューティング・レイじゃ!!」

ヴァルファーレ「クゥゥゥゥゥゥゥン」ビューー

わくわくさん「究極召喚獣!身を守れ!!」

ゴロリ「……真・ダンボールハウス!!」シャキーン

クラフト「なに!?弾き返したじゃと!!」

クラフト「いかん!よけろ!ヴァルファーレ!!」

ヴァルファーレ「クゥゥゥゥゥゥゥン」ドガーン

クラフト「ああ……やられてしまった」

わくわくさん「クラフト!そんなものか!!」

わくわくさん「さあ!早く召喚獣をだせ!」

クラフト(くそ……ポ○モンバトルじゃないんだぞ……!)

今日はここまでです。

クラフト「いでよ!ようじんぼう!!」




ドロォォォォォォォォォォン




ようじんぼう「……………」

わくわくさん「あはははは!!クラフト、金はあるのかい?」

クラフト「馬鹿にしおって……!」

クラフト「ようじんぼうさん、わしの全財産じゃ」サッ

ようじんぼう「……………」コクッ




脇差




ゴロリ「ぐおおおぉぉぉ!!」

クラフト「いいぞ!ようじんぼうさん!」

わくわくさん「蹴散らせ!!」

ゴロリ「……ゴロリフィンガー!!」


ようじんぼう「……………!!」ドガーン

クラフト「ようじんぼうさん!!」

ようじんぼう「……………」ガクッ

クラフト「くっ……!駄目じゃったか!」

わくわくさん「クラフト、もう終わりかい?」

クラフト「まだじゃ!まだ1体残っておる!」


クラフト「いでよ!バハムート!!!」




シュイイイイイイイイイイン




バハムート「オオオオオオォォォォ!!!」

わくわくさん「幻獣王バハムートか……」

わくわくさん「……かなりキツいな」

わくわくさん「究極召喚獣!一気に決めるんだ!」


ゴロリ「……ゴロリフィンガー!!」


バハムート「オオオオオオォォォォ!!」スカッ

わくわくさん「なに!?避けただと!!」

クラフト「バハムート!インパルスじゃ!!」


バハムート「オオオオオオォォォォ!!」バチバチバチ


ゴロリ「ぐおおおぉぉぉ!!!」バババババ


わくわくさん「……流石に強いな……!」

クラフト「もう一度インパルスじゃ!!」


バハムート「オオオオオオォォォォ!!」バチバチバチ


ゴロリ「ぐおおおぉぉぉ!!」バババババ


わくわくさん「まずい、弱ってきている……!」

わくわくさん「究極召喚獣!やれ!!」


ゴロリ「……ゴロリビーム!!」シュィィィン


バハムート「オオオオオオォォォォ!!」ドガーン


クラフト「バハムート!!!」

すいません。いつの間にか寝てました
お昼過ぎに再開します。あと、今日で完結の予定です

バハムート「オオオオオオォォォォ……」

クラフト「バハムート!大丈夫か!」

わくわくさん「クラフト!もう終わりだ!!」

わくわくさん「やれ!!究極召喚獣!!」


ゴロリ「……真・ぱっちんロケット!!」


クラフト「頑張れバハムート!立ち上がるのじゃ!」

バハムート「オオォ……オオオオオォォォ!!!」

クラフト「よし!いいぞ!バハムート!!」

クラフト「メガフレアじゃ!!!」


バハムート「オオオオオオォォォォ!!!」シュインシュイン




ドガァァァァァァァァァァァァァン




ゴロリ「ぐおおおぉぉぉ!!!」

バハムート「オオオオオオォォォォ!!」

わくわくさん「相討ちだと……!!」

バハムート「オオオオオオォォォォ……」バタリ

クラフト「バハムート!!」

わくわくさん「クラフト……ギリギリ僕の勝ちのようだね」

クラフト「何!……まさか!?」

ゴロリ「ぐおおおぉぉぉ………」

クラフト「ゴロリAI……!!」

わくわくさん「本当に……彼は頑張ってくれたよ」

わくわくさん「早く君を殺して休ませてあげなくちゃね」

クラフト「わくわく……!」

わくわくさん「さあ、究極召喚獣!殺せ!」

ゴロリ「……………」

わくわくさん「ど……どうした、早く動け!」

ゴロリ「……ワクワ…ク……サン……」

わくわくさん「!!……ゴロリAI!?」

クラフト「どうやら、故障したようじゃな」

ゴロリ「ボクハ……AIジャ…ナイヨ……」

ゴロリ「ボクハ……ゴロリ…ダヨ……」ポロポロ

クラフト「泣いている……」

わくわくさん「………ゴロリ」

ゴロリ「マタ……ツクッテ…アソ…ボウヨ……」

ゴロリ「ワクワク……サン……」




バタリ

クラフト「……倒れたか。もう、限界だったんじゃろうな」

クラフト「最後まで自分を本物だと信じ続けていた」

わくわくさん「………ゴロリ……」

クラフト「どうやらわしらは、彼に辛い思いばかりさせてしまったようじゃな」

わくわくさん「……………」ヒョイ

クラフト「ようやく姿を表したか。わくわく」

わくわくさん「……クラフト、まだ終わっていないよ」

クラフト「……………」

わくわくさん「もうすぐ「シン」は止まる。でも、まだ僕は「シン」を作り出せる」

わくわくさん「クラフト、次はお前を究極召喚獣とし新たな「シン」を作り出す!!」

クラフト「……諦めろ。わくわく」

クラフト「もう、全部終わりなんじゃ」スチャ

わくわくさん「!?……それは!」

クラフト「無反動核弾頭……デイビークロケット」

わくわくさん「馬鹿か!?こんな至近距離で撃とうっていうのかい!」

わくわくさん「そんなことをしたら、君だって死ぬぞ!」

クラフト「……わしはもう、世界を汚しすぎた」

クラフト「もう……戻れんよ」

わくわくさん「この世界に、もう未来なんてない!」

わくわくさん「僕が死ねば幻想世界も消えてしまうんだぞ!」

わくわくさん「あの純粋な心を持った人々を、お前は全員殺すことになるんだぞ!」

クラフト「それでも構わんさ」

クラフト「わしにだって、守るべきものがある」

クラフト「貴様を殺すことが悪なのだとしても、わしの想いは変わらんよ」

わくわくさん「くそがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

クラフト「わくわく……すまなかったな。こんなになるまで君を追い込んでしまって」

わくわくさん「!!……だまれぇぇぇぇ!!!」

わくわくさん「お前のせいで……俺はぁぁぁぁ!!!」

クラフト「ああ。全部、わかっておるよ」

クラフト「だから最後はせめて、わしも一緒に死のう」

わくわくさん「クラフトォォォォォ!!!」

クラフト「わくわく……さらばじゃ」カチッ

わくわくさん「やめろぉぉぉぉぉ!!!!」








────
──────
────────

────────
──────
────

クラフト様が突入した少し後に、「シン」は突然消えた

僕はあれから生き残った人たちとともに、新しい世界をつくる準備をしている

僕たちがどんな世界をつくりだせるのか正直検討もつかないけど、みんなで諦めずに頑張っている

クラフト様が守ってくれた世界を、今度は弟子である僕が守るんだ

その想いが僕を支えてくれる

「シン」の残した傷跡は大きいけど、いつか必ず乗り越えてみせる

そしてもう二度とこんなことが起こらないように僕は伝え続けようと思う

クラフト様と、わくわくと、僕たちの過ちを……







X-2への予定は?

………く……ん……



「ぅ…ん……」



わく…く…ん……



「ぅるせえなぁ……誰だよ……」



わくわくさん!!



「!!!」



ゴロリ「わくわくさん!!」

>>104
ないですよ

ゴロリ「わくわくさん!ひさしぶり!!」

わくわくさん「君は……ゴロリなのかい?」

ゴロリ「?……なに言ってるのもー。あたりまえじゃないか!」

わくわくさん「AIじゃない……本物なのかい…?」

ゴロリ「AI?なにそれ?」


「彼は本物だよ」


わくわくさん「!!……その声は!」


中村「久しぶりだね。わくわくさん」

わくわくさん「中村さん!」

中村「また会えて嬉しいよ」


「あら、わくわくさんじゃない!」


わくわくさん「その声は……ゴロネちゃん?」

ゴロネ「あったりー!」


わくわくさん「あぁ……みんな……」

わくわくさん「ずっと…会いたかった……」ポロポロ

ゴロリ「あれ、わくわくさん泣いてるの?」

ゴロネ「泣くほど嬉しいなんて、可笑しいわね」クスクス

わくわくさん「ああ……!嬉しい…嬉しいよ……!!」ポロポロ

ゴロリ「変なわくわくさん!」

ゴロネ「本当よ!」

ゴロリ「あはははははは!」

中村「……ゴロリくん、ゴロネちゃん、悪いけど少しわくわくさんと二人にさせてくれないか?」

ゴロネ「わかったわ!行きましょ、ゴロリくん」タッタッ

ゴロリ「うん!またね!わくわくさん」タッタッ



中村「……さて、わくわくさん。ここが何処かはわかっているね」

わくわくさん「…はい。なんとなく」

中村「私はここで、君の様子をすべて見ていた」

わくわくさん「……はい」

中村「君が辛い思いをしてきたのも知っている」

中村「だから、僕からは何も言えないよ」

わくわくさん「…………」

わくわくさん「……正直、後悔はしていないんです」

わくわくさん「でも、他にも方法があったのかもしれないって思うんです」

中村「……そうか」

わくわくさん「僕はただ、つくってあそぼ楽しさを忘れてほしくなかった」

わくわくさん「その楽しみを残したかったんです」

わくわくさん「僕たちを応援してくれた子供たちが、奴等に汚されるところを見たくなかったんです」

わくわくさん「それに、僕たちの23年間も無駄になるような気がして……」

中村「……………」

わくわくさん「……どのみち、僕のやったことは許されることではないです」

わくわくさん「それを知っていて、覚悟してやりました」

わくわくさん「……でも、結局何も変えれなかった………」

中村「……私はね、別に伝えることだけがすべてじゃないと思うよ」

わくわくさん「え……?」

中村「私たちは今まで、つくってあそぶ楽しさを伝えてきたけど」

中村「それはもう終わったことなんだよ」

わくわくさん「それじゃあもう、つくってあそぶ楽しみは……」

中村「いや、私はそうは思わないよ」

中村「私はね、つくってあそぶ楽しみはつくってあそぶことで本当に理解してもらえると思うんだ」

わくわくさん「僕だってそう思ってますよ」

中村「そうだよね。そうやって今まで伝えてきたもんね」

中村「私が言いたいのはね、つくってあそんでいればいつか必ず楽しさをわかってもらえるということだよ」

中村「君が世界を滅ぼしたことで、NHKの方針なんてものも消えた」

中村「これからは誰かが伝えるのではなく、自分で見つけていく時代なんだよ」

わくわくさん「自分で………」

中村「それはとても時間のかかることかもしれない」

中村「でも、いつかきっと誰かが見つけてくれるはずさ」

中村「そしてその誰かが、きっと伝えてくれる」

中村「今までの私たちのようにね」

わくわくさん「……見つけてもらえるでしょうか。僕たちの想いが」

中村「ああ。必ずね」

わくわくさん「……それなら、良かった」

わくわくさん「僕は世界をあんな状態にしてしまったけれど……」

わくわくさん「それでも……ここで、どうなっていくのかを見届けたいと思います」

中村「……そうか」

中村「よし!言いたいことも言えたし、みんなでパアッと遊ぼう!」

中村「ゴロリくん!ゴロネちゃん!もう戻ってきていいよ!」

ゴロネ「あら、中村さん。もういいの?」

中村「ああ。わくわくさんも元気になってくれたからね」

ゴロリ「じゃあわくわくさん!はやくつくってあそぼうよ!」

わくわくさん「ゴロリ……ああ!」

わくわくさん「これからは……ずっと一緒だよ!」

ゴロリ「えへへ……!」



わくわくさん「それじゃあ、またみんなでつくってあそぼう!」








おわり

以上です。ありがとうございました

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