佐久間まゆ「ししょく」 (33)

~事務所~

まゆ「お仕事が長引いてこんな時間になっちゃいました…」

まゆ「荷物を持ち帰らなきゃ…あら?」

P「…」ボーッ

まゆ「Pさん?」トンッ

P「うおおおっ!…なんだ、まゆか。びっくりした…」アセアセ

まゆ「ごめんなさい、何をしているのか気になって…」

P「ああ、今はカップラーメンを作っていたんだよ」

まゆ「またカップラーメンですか?」

P「最近事務所に泊まり込むことが多いからな…」


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まゆ「でもこんなことじゃPさんのお体が…」

P「なあに、お前たちを輝かせてやるためだ。カップ麺パワーで徹夜の一つや二つは軽く乗り切って見せるさ」ズズズー

まゆ「こんなことしててもしPさんが倒れてしまったら、まゆは…いえ、事務所のみんな悲しみます」

P「とはいえアイドルも増えてきて仕事に穴はあけられないしなあ…」ズルズル

まゆ「そんな…」

まゆ「…!」ピコーン

P「…?。どうした?」ゴクゴク

まゆ「うふふ、まゆ、いいこと思いついちゃいました…」

P「?」

~翌日~

まゆ「昨日の帰りが遅かったから、今日のお仕事は早く終わりました」

まゆ「こんなふうに細かに気を配られたスケジューリングも、いつも働きづめのPさんがいるからこそ…」

まゆ「今日こそお返しをするとき!」

まゆ「仕事に穴があけられないのなら、せめてまゆの手料理で栄養を付けてもらおう作戦の始動です!」フンス

まゆ「調理は事務所でするとしても…事務所には食材とかも無いはずだから、どこかによって買っていかなきゃ…」

まゆ「あ、あそこにしましょう!」

~スーパー千川~

まゆ「いつの間にこんなにおっきなスーパーができていたんでしょうか…」キョロキョロ

まゆ「適当に回りながら何を作るか考えていきましょう」

まゆ「あら、あそこにいるのは…?」

凛「いらっしゃいませー、ご試食はいかがでしょうか?」ジューッ

凛「じゃがいもとベーコンの炒め物、今晩のお夕飯のもう一品に是非…」

まゆ「…」ジーッ

凛「!…」プイッ

まゆ「…」スススジーッ

凛「…ねえ、回り込んでまでこっちを見ないでくれる?」

まゆ「こんなところで凛ちゃんが何をしているのか気になって…」

まゆ「バイトですか」

凛「社会見学の一環としてね」

まゆ「毎日学校に仕事にと忙しいでしょうに」モグモグ

凛「まあ、なんかの企画も兼ねた短期間のものだからね」

まゆ「アイドルのお仕事に関係あるんですか?」モグモグ

凛「うん。他にも何人か誘われて働いているみたいだよ」

まゆ「なるほど」

凛「食べ終わったらここにごみを入れてね」

まゆ「塩胡椒がきいていておいしかったですよ」ガサガサ

凛「じゃがいも一パック買い物かごに入れておくよ」ドサッ

まゆ「うふふ、ありがとうございます」

まゆ「凛ちゃんに体よく売りつけられた気がします」テクテク

まゆ「結構たくさん入ってますね…じゃがいもをメインに使ったメニューを考えましょうか」

まゆ「あら、あそこにいるのは…?」

七海「はあーい、安いよ、安いれすよ~」

七海「鰹のお刺身を使ったカルパッチョ、どうぞご試食くださいませ~♪」

まゆ「七海ちゃん」

七海「あ、まゆさんじゃないれいすか」

まゆ「七海ちゃんもここでバイトですか?」

七海「はい~、おさかなにかこまれてとっても楽しいれす~♪」

まゆ「おさかなさんと言っても切り身ですけどね」

七海「切り身でもおさかなはおさかなれすから~」

まゆ「なるほど」モグモグ

七海「おさかなは見るだけじゃなく、獲ることも、食べることも楽しいんれすよ~」

まゆ「たしかに、脂がのっていておいしいですね」モグモグ

七海「容器はこの袋に入れてください~」

まゆ「うふふ、ありがとうございます」

七海「鰹のお刺身一パックかごに入れておきますね~♪」バサッ

まゆ「うふふ、ありがとうございます」

まゆ「ちょっとお話しているうちになぜかかごの中身が増えてしまいました」

まゆ「このままじゃPさんにやりくりの下手な女だと思われてしまいます」

まゆ「ちゃんと考えてお買い物を続けなきゃ…」

まゆ「あら、あそこにいるのは…?」

つかさ「ホラ、豚肉の生姜焼きの試食だよ」ジュー

つかさ「チャチャッと食ってパパッとレジまで持ってけって。ノルマきついんだから」

まゆ「つかささん」

つかさ「おう、まゆじゃん」

まゆ「つかささんもここでバイトですか?」

つかさ「まあな」

まゆ「社長、アイドル、バイト…忙しいですね」

つかさ「ホラ、社長たるもの、前線で働く連中の目線に立つことも大事…的な?」

まゆ「なるほど」モグモグ

つかさ「物事を多角的に見ることは意識を高める最高の方法論なわけ。わかる?」

まゆ「まゆには難しいお話はちょっと…」モグモグ

つかさ「とにかくリスク以上のリターンが見込めるなら、多少多忙だろうが問題ないってこと。食べ終わったらゴミはここにな」

まゆ「は、はい。ごちそうさまでした。やわらかくておいしかったですよ」

つかさ「生姜焼き用の豚肉、いれとくからな」バサッ

まゆ「うふふ、ありがとうございます」

まゆ「ちゃんとやりくりしようと思った矢先にお肉をかごにいれられていました」

まゆ「あれがつかささんのけいえいしゅわん?なんでしょうか…」

まゆ「あら、あそこにいるのは…?」

まゆ「…いけないいけない、これ以上知り合いのバイトの人に話しかけていたら、お金と時間がいくらあっても足りません」

まゆ「あの子には悪いけど、気づかないふりをして素通りを…」

輝子「フヒ…キノコー…じゃなくて、マイタケのバターソテーの…し、試食…ですよー…」

輝子「あ…そ、そこのおねーさん…そ、その、ご試食…」

輝子「あ、いらない…そう、ですか…」

まゆ「ナンパですか」ビシッ

輝子「あうっ…なんでまゆさんがここに…」

まゆ(ついついユニット内のお姉さんとしてツッコミをいれてしまいました…)

輝子「うまく声を張れなくてな…さっきから売れるどころか食べてももらえないんだ…」

まゆ「でも、ライブで歌ったりもしてますよねえ」モグモグ

輝子「実はさっきライブの要領で客引きしたんだけどな…」

輝子「ちょっとスイッチが入ってしまって…店長から注意を…」

まゆ(ひょっとして、お客さんが来ないのはそれが原因じゃあ…)モグモグ

輝子「まあでもまゆさんが来てくれたから…もう少し頑張れるかも…」

まゆ「元気になってくれたらうれしいです。キノコも風味がよくておいしかったですよ」

輝子「そ、そうか…マイタケ一パック、かごにいれておこう…」パサッ

まゆ「うふふ、ありがとうございます」

まゆ「うう…買うつもりのなかったものまで買っているから予算が心もとなくなってきました…」

まゆ「申し訳ないけど、これ以上知り合いに会っておすすめされてもきっぱりと断らなきゃ…」トボトボ

まゆ「あら、あそこの人だかりは…?」

幸子「カワイイボクにかかれば本格中華もお手の物ですよ!」ジューッ

幸子「さあ、みなさん!どんどん食べてくださいね!」

幸子「遠慮はいりませんよ!何しろボクはカワイイので心も広いですから!」

店員「輿水う!よくわからない啖呵切ってないで商品をアピールせんか!商品を!」

幸子「ふぎゃっ…ほ、回鍋肉の素はいかがでしょうか!簡単に本格中華!今なら試食もできますよ!」

ドッ!アハハ!イイゾーコシミズー!

まゆ「人気者でしたねえ、幸子ちゃん」

幸子「まったく、なんでボクにだけ店員さんの監視がつけられてるんでしょうか」

まゆ「…幸子ちゃんはカワイイですからねえ…」モグモグ

幸子「それになんですかあれは!みんな見るだけ見て食べるだけ食べて買わずに行っちゃって…」

まゆ「いろいろな意味でおいしいのに、おかしいですねえ…」モグモグ

幸子「ボクは芸人さんじゃなくてカワイイアイドルですよ!」

まゆ「幸子ちゃんはカワイイですねえ」ナデナデ

幸子「ふわっ!…フフーン、そうでしょう!回鍋肉の素をひと箱かごに入れておきますね!」ポイッ

まゆ「え、あっ、そのう、幸子ちゃん…」

幸子「いやあ、一つでも買ってもらえてよかったですよ!このまま閉店まで売れなければ大目玉でしたから!」

まゆ「う、うう…」

~事務所~

P「ようやく外回りを終えて事務所に戻れた…」トボトボ

P「書類は全然できていないし、今日も泊まり込みかな…」

P「ただいま戻りましたー」ガチャ

まゆ「おかえりなさあい、Pさん♪」

まゆ「おつかれのPさんのために、今日はまゆが愛情をたっぷり込めたお料理を用意しました」

まゆ「いっしょに食べましょう。元気になってくださいねえ」ウフッ

P「ま、まゆ…ありがとう、すごくうれしいよ…」ジーン

P「それにしてもずいぶんたくさんあるなあ、テーブルからはみ出しそうじゃないか」

まゆ「そ、それは…ちょっと張り切りすぎちゃって…」

P「まあとにかく一緒に食べようか…あれ、まゆの取る分はそれだけでいいのか?こっちの分もう少しそっちにやろうか?」

まゆ「い、いえ…うれしいですけれど…遠慮しておきます…」ケプ

以上ですありがとうございました

トリップを初めてつけたので過去作のステマを

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