比企谷八幡「美城に入った」向井拓海「捻くれ者」 (103)

内容は「俺ガイル×デレマス」となります。

時系列的にはシンデレラの舞踏会後の話となります。

初投稿となりますので稚拙な部分もあると思いますがよろしくお願いします。

更新頻度はできるだけ頑張ります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443602122

八幡「もうすぐ大学入試か……」

八幡(雪ノ下や由比ヶ浜、その他諸々と様々あって、なんとかそれを乗り越えた高校二年。三年になる頃には奉仕部は居心地の良い空間に戻っていた)

八幡「学校でも予備校でも家でも勉強。これで落ちたらどうすっかな……小町にでも養ってもらうか」

八幡(しかし、国立を受験する俺と雪ノ下は三年初期の段階で多忙となり、奉仕部へと顔を出す機会が減ってしまった)

八幡「由比ヶ浜も国立受けるんだったな、そういや」

八幡(そんな中、何をとち狂ったのか、由比ヶ浜も雪ノ下と同じ大学を受験すると言い放ち、三人全員が多忙となった。故に最近は奉仕部としての活動は行っていない)

八幡「どうやって総武高に入ったのかも謎な由比ヶ浜に勉強教えるとか、雪ノ下も大変だな……」

八幡(由比ヶ浜は雪ノ下家に半同居状態でスパルタ教育を受けているらしい。雪ノ下はそれに加えて自分の勉強も進めているため、俺とは比にならないくらい多忙を極めているとのことだ)

八幡「俺には絶対無理だな」

八幡(昨日、由比ヶ浜が「ゆきのんのパスタ」という題でパスタがメインではないツーショット写真を寄越したところを見るに、大変だが楽しいのだろう。う、羨ましくなんてないんだからね!)

八幡「俺もさっさと帰って勉強するか……ん?」

八幡(なんだあの人だかりは、何かの撮影か?)

通行人A「765の天海春香ちゃんが撮影してるんだって!」

通行人B「マジか! 行ってみようぜ!」

八幡(説明ご苦労。天海春香、今絶好調のアイドルだと小町が観てた番組で言ってたな)

八幡「小町のために写真でも撮ってやるか

八幡(ぼっちスキル発動「サイレントスルー」 このスキルは誰にも不快感を与えず人混みをすり抜けることができる! ……まあ、俺の影が薄いだけなんだが)

春香「みなさーん、こんばんはー! 今日は受験生特集ということで街角インタビューしちゃいますよー! では、そこの元気のない目をしたお兄さん、少しお時間よろしいですか?」

八幡(インタビューか、どうせ俺には関係ないからな。さて、携帯携帯っと)

スタッフ「今年受験生の方ですか?」

八幡「……は? ええと、まあ、一応」

スタッフ「少しお時間頂いてもよろしいでしょうか」

八幡「えっと、もしかして元気のない目をしたお兄さんって俺のことですか?」

春香「い、言い方が不味かったですか」

八幡「いや、あの、大丈夫、っす」

八幡(もっと辛辣な言葉を投げつけてくる奴がいるからな。逆に優しすぎて涙出るまである)

春香「ではでは、受験する大学はどちらの予定ですか?」

八幡「い、一応、国立ですかね」

春香「国立、凄いですね! ということは、勉強の方も大変なのではないですか?」

八幡「そ、そうっすね。でも、文系は得意なんで、へへへ」

八幡(あ、今の笑い方八幡的にポイント低い)

春香「はぇー、勉強お得意なんですね。私も今年一応受験の年なんですけど、勉強あんまりできなくて、友達によく教えてもらってるんですよ」

八幡「両立してるだけでも凄いんじゃないっすか?」

春香「いやぁ、それほどでも! では、私も頑張りますので、お兄さんも是非頑張ってください! インタビューありがとうございました!」

八幡「こ、こちらこ――」

八幡(握手に応答しようとした瞬間、)

男「ぼ、僕の春香ちゃんに触るなぁ!」

八幡(スタッフの制止を押し退けて、小太りの男が掴み掛かってきた)

八幡「うおっ! なんだ、くそっ!」

八幡(咄嗟に男の腕を掴み、引きはがそうともがいていると、)

男「ぎゃああああああ!! 指がああああああ!!」

八幡(男が勝手に右手の指を抑えて倒れ込んだ)

男「痛い痛い! 突き指した! 傷害で訴えてやるぅ!」

八幡(男はスタッフに取り押さえられ連行されていった。なんなんだ、あいつ、材木座みたいな挙動しやがって)

春香「こ、怖かった……」

スーツの男「大丈夫か、春香!」

春香「ぷ、プロデューサーさん! えと、特に怪我はないです。この人が守ってくれたので」

スーツの男「そうか。なら、よかった。春香は車で待機しててくれ」

春香「は、はい!」

赤羽根P「俺は赤羽根。ありがとう、うちのアイドルを守ってくれて」

八幡「ども、比企谷です。さっきの男、狙いはたぶん俺だったんじゃないっすかね。僕の春香ちゃんとか言ってましたし」

赤羽根P「そうだとしても、だ。君が逃げたら次は春香に襲い掛かっていたかもしれないだろう? だから、君が守ったと同じさ」

八幡「う、うす」

赤羽根P「そうだな、何かお礼をしなくてはだね。なにかあるかい?」

八幡「お、お礼とかそんなん大丈夫なんで」

赤羽根P「こちらとしても、そういう訳にはいかないんだ。会社としても俺個人としても」

八幡「……なら、妹のためにサイン貰っていいっすか」

P「そんなことでいいのかい? ……よし、とりあえずこの場はそれで手を打とう。でも、また後日お礼に行かせてもらいたいから連絡先だけ教えてもらっていいかな」

八幡(会社員って大変だな、特にこういう芸能界ってのは、絶対入りたくない)

八幡「わかりました。では――」

八幡(この後、連絡先を教え、断ったのだがほぼ無理やり撮らされた天海春香とのツーショット写真とソロ写真にサインを貰って帰路に着いた)

八幡(帰宅後、写真を小町に見せるとかなり驚かれて、こっちも驚いたが、翌日ニュースに取り上げられたことにも更に驚いて朝マッ缶を吹き出したのだった)

三日後 <比企谷家>

八幡(あれから三日が経ち、土曜日の昼頃に赤羽根プロデューサーから連絡が入った。急だが今日の午後五時に天海春香と如月千早がうちに来るとのことだった。)

小町「おおおおおお、お兄ちゃん、小町はどんな格好すればいいのかな。ドレスコードとかあるのかな」

八幡「まだ午後三時だぞ、落ち着けよ。それにいつからうちは高級ホテルのパーティ会場になったんだ」

小町「お兄ちゃんだってさっきから何回もトイレ行ってるじゃん」

八幡「大人になるとトイレが近いんだよ」

小町「確かに言動とか行動はたまに老けてるよね」

八幡「ほっとけ」

八幡(くそっ、なぜ安らぎのためにあるはずの我が家でここまで緊張しなくちゃいけないんだ。あの小太りめ、恨んでやる。材木座に似てたからついでに材木座も恨んでおこう)

八幡「さて、トイレ――」

八幡(五分前に行ったトイレにもう一度行こうとした時、インターホンがリビングに鳴り響いた。固まる俺と小町。やばい、ちょっと漏れたか?)

小町「お、お兄ちゃん出てよ。お兄ちゃんのお客さんだし!」

八幡「お、おおう」

八幡(恐る恐るカメラに接続された画面に近づいて起動ボタンを押す)

八幡「はい」

お団子ヘアーの女の子「やっはろー! ヒッキー久しぶり!」

八幡「……由比ヶ浜か。お前、空気読めよ」

結衣「はあ!? 急になんだし!」

雪乃「あら、この時間に出掛けようと提案したのは私なのだけれど。それとも予定がないのが唯一の取り柄の比企谷君にまさかとは思うけれど、何か用事でもあったのかしら?」

八幡「はあ、小町……」

小町「う、うん」

八幡(小町も苦笑いを浮かべて玄関へと向かい、二人をリビングまで招き入れた)

結衣「やっはろー、ヒッキー! 久しぶりだね!」

八幡「教室で毎日会ってんだろうが」

結衣「そういうことじゃなくて、こうやって三人が揃うのがってこと!」

八幡「それならちゃんと主語を付けろ。紛らわしい」

雪乃「相変わらず腐った目をしているのね、比企谷君。あなたそんな目で大学生になったら一人に逆戻りよ?」

八幡「余計なお世話だ。それに雪ノ下だってその毒舌矯正しないと友人の輪が広がんねぇぞ」

雪乃「あら、私には同じ大学に受かる親友がいるもの」

結衣「まだ私は受かるかどうかわからないけどね……」

雪乃「私が面倒見てるのよ? 落ちる確率なんて存在しないわ。それに最近学力が大幅に上がってるじゃない、大丈夫よ」

結衣「ゆきのん……私頑張るね! ゆきのん大好き!」

八幡(しばらく見ない間に更に仲良くなってんな、こいつら。てか、人の家でイチャイチャすんなよ)

八幡「で、何しに来たんだよ」

結衣「あ、そうだ! ヒッキーこの前のニュース見たよ! 大人気アイドルを助けるなんて大手柄だよ!」

八幡(それ、来た説明になってないだろ。本当に受験大丈夫か)

雪乃「たまには息抜きをと思って出掛けることを提案したらここに来たいと言い出してね」

八幡「事前に連絡しろよ」

結衣「したけど、ヒッキーがでなかったんじゃん。折り返しもないし」

八幡「なに?」

八幡(確かに不在着信が四件ほど入っていた。緊張していたせいで気づかなかったのか)

八幡「……そんな着信はないな」

雪乃「嘘をつくならもう少しわからないようにやりなさい。携帯の画面を見た瞬間、体が硬直していたわ」

小町「お兄ちゃん、今のは小町でも見抜けるよ……」

結衣「え!? そ、そうだよヒッキー、ばればれだよ!」

八幡(嘘だな)

雪乃(嘘ね)

小町(結衣さんかわいいなぁ)

雪乃「ところで、先程のインターホンでの対応の仕方はどうかと思うわ。数少ない貴方への来客に対して落胆の態度を取るなんて」

八幡「相変わらず一言余計だな」

雪乃「あら、それなら貴方への客人は多いとでも?」

八幡「……普段なら言い返す言葉もないところだが、今日はこれからいろいろあるんだよ」

結衣「いろいろって?」

小町「なんと765プロの天海春香さんと如月千早さんがうちに来るんですよ!」

八幡「こ、小町、余計なことを」

雪乃「つまり、彼女を助けたことへのお礼に来るということかしら?」

結衣「へっ⁉ あの天海春香ちゃんと如月千早ちゃんがヒッキーの家にくるの⁉」

八幡「……まあ、その通りだ」

雪乃「なるほど、それで納得がいったわ。有名人が来ることに緊張していたのでしょう。そこに私たちが来たものだからあのような態度になったと、そんなところね」

小町「雪乃さんにはお見通しですね」

結衣「な、なら、私たちが居たらお邪魔だよね! 帰ろっかゆきのん!」

雪乃「そうね、そうしましょうか」

八幡「……いや、待て、せっかくだから会っていけばいい」

結衣「え、でも、いいのかな」

八幡「有名人と直接会うことなんて滅多にないだろ。記念だ、記念」

八幡(先方には失礼かも知れんが、人数が多ければ話が分散されて結果的に俺の負担が減るはずだ)

雪乃「貴方のことだからどうせ自分の負担を減らすことが目的なのでしょう」

八幡「お前はエスパーか」

雪乃「短絡的な思考をしてる貴方が悪いのよ」

結衣「それで、何時頃来るの?」

八幡「五時に来るらしいぞ」

結衣「あれ? それってもうすーー」

――ピンポーン!

結衣「き、来た‼」

八幡「くっ、もうそんな時間だったか!」

小町「うわぁ! お茶の準備もしてないよー!」

雪乃「とりあえず出たほうがいいのではないかしら」

八幡「よ、よし。……はい、比企谷ですが」

赤羽根P「先日、お世話になりました765プロダクションの赤羽根です。本日はお礼に参りました」

八幡「わかりました、すぐに行きますんで」

八幡(正直、すぐに行きたくないけどな。心の準備ってもんが全くできてないぞ)

八幡「い、いらっしゃいませ」

書き溜めがあまりないので区切りが悪いですがとりあえず今日は多分ここまでってことで……

更にID変わってると思いますが、スレを建てたものです。
やはり区切りがよいところまで投下しておこうと思います。

赤羽根P「こんにちは、比企谷君。先日はお世話になったね」

春香「こんにちは、この前は助けて頂いてありがとうございます! それと、こちらは同じ765プロの千早ちゃんです」

千早「如月千早です。本日は突然押し掛けて申し訳ありません。親友を暴漢から助けて頂いたということで、是非お礼を申し上げたくて」

八幡「あ、いや、大したことはしてないですから……と、とにかく立ち話をさせてはアレなんで上がってください」

赤羽根P「ありがとう。なら、お言葉に甘えさせて頂くよ。お邪魔します」

春香・千早「お邪魔します」

八幡「は、はは」

八幡(人気絶頂のアイドルがうちにくるなんてな。世の中おかしなことだらけだな)

八幡(リビングに案内すると、由比ヶ浜と小町は緊張で固まっており、雪ノ下は整然とした面持ちで湯呑みを口に運んでいた)

小町「い、いらっしゃいませ! よくおいでくださいました! ひ、比企谷小町です!」

結衣「こ、こここここ、こんにちは! えと、あの、総武高校三年D組由比ヶ浜結衣です!」

雪乃「初めまして、雪ノ下雪乃です」

赤羽根P「初めまして、765プロダクションでプロデューサーをしている赤羽根と申します。こちら二人がうちのアイドルの天海と如月です」

春香「初めまして、765プロ所属の天海春香です!」

千早「同じく如月千早です」

八幡(なんだこの微妙に緊張感漂う空気。い、居心地悪い)

八幡「とりあえず座ってください」

八幡(大丈夫か、これ)

一時間後

八幡(結果から言うと心配は杞憂に終わった)

八幡(一通りお礼をして貰った後、少し雑談をしただけで由比ヶ浜と小町は天海春香と、雪ノ下は如月千早と意気投合したのだった)

八幡「……なぜだ」

赤羽根P「春香の明るさと千早のストイックな部分が合致したんだと思うよ」

八幡「そうなんすかね」

赤羽根P「これでも芸能事務所のプロデューサーだからね。人の素質とか相性とかはなかなか見抜けるつもりだよ」

八幡(俺も人の観察は得意な方だが、多分それとはレベルが違うんだろうな)

赤羽根P「ところで比企谷君。君は大学に進む以外の道に興味はないかな」

八幡「唐突っすね」

赤羽根P「君には多分他人のために動ける覚悟や力がある……それが例え自らを貶めようとも、だ」

八幡「……!! なんでそんなことがわかるんすか」

赤羽根P「由比ヶ浜さんと雪ノ下さんという友達や小町ちゃんという妹との関係性。それとなにより、淀んでいるのに奥には力強さがあるその目に見覚えがあってね。その上での推測ってところかな」

八幡「……それと大学以外の道になんの共通点が?」

赤羽根P「君はアイドルのプロデューサーをしてみる気はないか?」

八幡「……は? いやいやいや」

赤羽根P「765プロではないんだけど、最近急成長してるところがあってね。そこで後輩がプロデューサーをやっているんだが、どうにも人手が足りないらしくてさ。君なら良いプロデューサーになると思うんだが」

八幡「俺がアイドルみたいな眩しい存在といたら消えてなくなりますよ」

赤羽根P「まあ、無理にとは言えないけど、少しでも興味が湧いたり進むべき道がなくなったらここに電話してみてくれ」

八幡「は、はあ」

八幡(そして差し出された名刺には美城プロダクションという会社名と電話番号、武内という文字が印刷されていた)

赤羽根P「さて、春香、千早、そろそろ帰ろうか」

春香「え、もうですか? わかりました。結衣さん、小町ちゃん今日はとっても楽しかったよ! だから、その、連絡先教えて貰ってもいいかな」

結衣「ええ!?  それはもちろん良いけど、大丈夫なのかな?」

春香「うん! 二人はもう友達だもん!」

小町「春香さん……! 小町、感激です!」

雪乃「短い時間だったけれど、とても有意義な時間だったわ、ありがとう。貴方のおかげでアイドルのイメージが随分と変わったわ」

千早「こちらこそ、雪ノ下さんのような博識で理知的な方と話が出来て楽しかったです」

八幡(この短時間でどんだけ仲良くなってんだよ)

赤羽根P「さて、じゃあお邪魔しました。比企谷君さっきの話、良い答えを首を長くして待ってるよ」

八幡「遠回しに無理強いしてるように聞こえますけど」

赤羽根P「ははは、そういう言葉の裏をちゃんと読めるのもプロデューサーとして必要な能力だからね。やっぱり君は向いてると思うよ」

八幡「ま、考えときます」

赤羽根P「よろしく、それじゃ」

八幡(俺がアイドルのプロデューサー、ね……)

以降、SS内の日付が変わるので、今日はここまでにしておきます。
思ったより区切り良いところまでのページ数なくて申し訳ありません。
今後とも宜しくお願いします。

支援ありがとうございます
酉というもの自体の存在を知らなかったので、今後はつけていきたいと思います。

仕事終わったのでまた区切りが良いところまで投下します。

数か月後 <どこかの会社の応接室>

八幡(俺は今、とある会社の応接室にいる)

八幡(なぜ、慣れないスーツ姿で俺がこのような場所に赴いているかと聞かれれば、理由は一つ)

八幡(大学に落ちたため、美城プロダクションに入社したからだ)

八幡(赤羽根さんには悪いがやはりまだ働きたくなかった俺は学業を優先し、大学入試を受けた。そして、見事に落ちた。模試や予備校の講師からは合格確実とまで言われたのに。体調も普段通りだった。何がいけなかったのかは皆目見当も付かなかった)

八幡(滑り止めの大学は合格したのだが、国立を落ちた時に小町に)

小町『これは、働けっていうお兄ちゃんに対する神様からのお告げなんだよ。せっかくスカウトしてもらったんだから受けてみたら? お兄ちゃんも自立できるし小町も芸能人に会えるしで一石二鳥じゃん!』

八幡(という欲望丸出しの強引な後押しに押し切られ、渡された名刺を伝って今ここに居るというわけだ)

八幡「小町め、母さんを味方につけるとは汚い真似しやがって」

強面の男「失礼します」

八幡「あ、は、はい。お久しぶりです、武内課長」

武内P「お久しぶりです、比企谷八幡君。それと、少し恥ずかしいので課長はやめて頂けるとありがたいのですが」

八幡「わ、わかりました、武内さん」

八幡(顔は怖いし、声も低いし、体は大きいし、この人の威圧感には相変わらず圧倒される)

武内P「五か月前に会社見学に来たとき以来になりますね」

八幡「そうですね、あの時はシンデレラプロジェクト……でしたっけ? それでずいぶん忙しそうでしたけど、今はどうなんですか」

武内P「ええ、いろいろありましたが大きなステージを乗り越えたので、今は普段通りの忙しさといったところでしょうか」

八幡「忙しいのがデフォなんすね……」

武内P「大丈夫です。安心してください、私もしっかりサポートしますので」

八幡「ところでこのあと俺はどうすれば」

武内P「何かと顔を合わせる機会があると思いますので一先ずシンデレラプロジェクトメンバーと顔合わせをして頂いてから、担当して頂くアイドルに会いに行きます。プロデューサー業はもちろん初めてとなりますので、担当して頂くアイドルは一人です。ただ、ユニットを組むことがあればその限りではありませんが」


八幡「なるほど」

八幡(赤羽根さんは一人で十三人、武内さんは十四人掛け持ちしてるって聞いたから俺もそうなのかと思って一応覚悟はしてきたつもりだったが杞憂だったな)

武内P「では、皆さんが待機している事務所に案内します」

八幡「わかりました」

八幡(今日から俺も社畜の仲間入りかぁ)

八幡「はあ、どうしてこうなった……」

武内P「どうしましたか?」

八幡「いえ、なんでもないっす」

武内P「それならいいのですが、何かありましたら相談してください。ところで、比企谷君はこれから面会するシンデレラプロジェクトメンバーについてはどこまで知っていますか?」

八幡「一応資料には一通り目は通して人数と顔、プロフィールなんかは覚えてきましたけど」

武内P「それなら問題ないでしょう」

八幡「あの、一つだけ質問があるんですけど」

武内P「なんでしょう」

八幡「なんで、俺は赤羽根さんにスカウトされたんですかね。ただの高校生だった俺を」

武内P「……それは多分、君が――」

黒髪の女の子「あ! プロデューサーやっときた!」


金髪の女の子「待ちくたびれたから迎えにきたよ!」

背の高い女の子「もうっ、二人ともちゃんとお部屋で待ってないとめっ、だよぉ」

武内P「遅くなってしまい申し訳ありません、赤城さん、城ヶ崎さん、諸星さん」

八幡(黒髪が赤城みりあで金髪が城ヶ崎莉嘉、高身長なのが諸星きらりだったな)

みりあ「あれ? お兄ちゃんが新しいプロデューサーさん?」

莉嘉「目がPくんにちょっと似てるね!」

八幡「そ、そうか」

八幡(小さい頃の小町を見てる気分だ)

武内P「さあ、自己紹介を事務所で行いましょう」

みりあ・莉嘉「はぁーい!」

きらり「じゃあ、事務所で待ってるにぃ☆」

八幡(駆けていく赤城と城ヶ崎を追って諸星も走っていった)

八幡(あいつらくらいの歳は体力無尽蔵だよな。よくスタミナ切れないな、この人)

武内P「なんでしょうか」

八幡「なんでもないっす」

武内P「さあ、着きました。ここが事務所になります」

八幡「はい」

八幡(武内さんが開けた扉の先にはシンデレラプロジェクトのメンバー、十四人が待っていた)


武内P「こちらが美城プロ所属、シンデレラプロジェクトの面々です」

八幡「は、初めまして。本日よりこちらでプロデューサーをさせていただきます、比企谷八幡です」

美波「初めまして、私は新田美波です。プロデューサーさんからお話は伺っています、宜しくお願いします」

八幡(新田美波、確かラクロスが好きな大学生だったか。シンデレラプロジェクトのリーダーもやってるって話だったな)

八幡「よ、よろしくお願いします」

八幡(それから、新田美波を筆頭にアナスタシア、赤城、城ヶ崎、諸星、本田、前川、島村、渋谷、多田、三村、神崎、緒方の順に一人ずつの自己紹介を受けた)

八幡「ん? シンデレラプロジェクトって十四人だったと聞いてたんですが」

美波「ああ、杏ちゃんならあそこに」

八幡(視線を誘導された先にはうさぎのソファでだらだらしている奴がいた)

きらり「杏ちゃん、新しいプロデューサーさんだよっ☆」

杏「……杏は働きたくないから新しいプロデューサーと顔を合わせる必要はないと思うんだけどなぁ」

八幡(うお……なんだこいつ、俺より酷いんじゃないか?)

きらり「はい、ハピハピキャンディーあげるから、挨拶頑張ってぇ?」

杏「仕方ないなー、もう。双葉杏、好きな言葉は不労所得だよ。できれば仕事は杏以外の誰かに振ってあげてねぇ」

八幡「お、おう、よろしく」


みく「杏ちゃん、ポテンシャルは凄いんだけどにゃ」

八幡(猫キャラか、雪ノ下はこういうのはどう思うんだろうか)

武内P「以上がシンデレラプロジェクトのメンバーです。よろしいでしょうか」

八幡「はい。改めて宜しくお願いします」

CP「宜しくお願いします!」

武内P「新田さん、あとは宜しくお願いします」

美波「わかりました」

武内P「では、こちらは今後比企谷君に担当して頂くアイドルに会いに行きましょう」

八幡「はい」



数分後 <レッスンスタジオ>

武内P「今、こちらで比企谷君の担当アイドルがレッスンを受けています。なんといいますか、多少気の荒い方ですが根は優しい方ですので」

八幡「は、はあ……?」

八幡(中からはうっすら音楽と人の声が聞こえる。ちょっと待て、なんか怒鳴ってないか?)

不良みたいな女の子「はあ!? ちゃんとあんたの言う通り動いてんじゃねぇかよ!!」

目付きの鋭い女性「動けていないから指摘しているんだ! それに何度も言うようだが、トレーナーである私には敬語を使え!」

八幡(え、なにこれ、修羅場? というか、まさかとは思うが――)

武内P「あちらが比企谷君に担当して頂く、向井拓海さんです。向かいにいるのはベテラントレーナーの青木聖さんです」

八幡(マジか。俺の一番苦手なタイプじゃねぇか。なんだあの、川なんとかの上位互換みたいな奴は)

ベテトレ「ん? なんだ今はレッスン中……ああ、なんだ君か」

武内P「お疲れ様です。こちらの少年がお話しした、向井さんの担当になるプローデューサーの比企谷八幡君です」

ベテトレ「……言っちゃ悪いが、彼に彼女の相手が務まるのか?」

八幡(務まらないと思いますね……)

拓海「へぇ、あんたがアタシのプロデューサーか? ひょろっちいな、そんなんで大丈夫か?」

八幡「あ? 俺が言うのもなんだけどな、初対面の相手にその態度じゃ社会に出てから生きていけないぞ? 矯正しておかないと結果的に泣きを見るのはお前だ」

拓海「んだと!? ぶっ飛ばすぞ、てめぇ!!」

八幡(多少気が荒いどころじゃない。猛獣だろ、こいつ)

八幡「暴力か? 傷害の罪は重いぞ? 簡単にお前の未来を潰すほどにな」

拓海「……っ! ああもう、なんなんだアンタ!! やりづれぇな!!」

八幡(思ったよりは理性にちゃんと歯止めがかかるみたいだな。前言撤回だ、刺激しすぎなきゃこいつの相手は務まりそうだ)

八幡「今日から向井、お前の担当になる比企谷だ。宜しく頼む」

拓海「ちっ……ああ、よろしくな。ただし、初めに言っとく。アタシはアイドルなんかにさして興味はないからな。アンタがアタシに興味を持たせなきゃアタシはここを辞める。それだけは覚えとけよ」


八幡(アイドルに興味はない、か。俺も大して変わらんがこれも仕事だ、やるだけやってやる。……仕事だから仕方ない? くそっ、奉仕部のせいで社畜根性が染みついてたか……!)

拓海「なんで歯食いしばってんだ?」

八幡「いや、ちょっと、自分の意志の弱さが見えちまってな」

武内P「さて、では私は事務所に戻ります。お二人は向井さんのレッスンが終わり次第帰宅して頂いて構いません。比企谷君のデスクは事務所にありますので、明日は十時にそちらに来てください。一通り、仕事について説明します。シンデレラプロジェクトと同じ事務所になってしまい申し訳ありませんが、向井さんも明日から事務所にいらしてください」

八幡「わかりました」

拓海「はいよ」

武内P「では、青木さんあとは宜しくお願いします」

ベテトレ「わかった。……じゃあ、向井もう少しレッスンするぞ! 初レッスンだからと言って気を抜くなよ!」

拓海「わかってるよ、アタシだって半端は嫌いだからな」

ベテトレ「君も彼女を知るためにもレッスンの様子を見ていくといい」

八幡「それじゃあ、そうします」

ベテトレ「いくぞ、向井!」

拓海「おう!!」

ワンツースリーフォーワンツースリーフォー!

八幡(……まだ体の動きはぎこちないが、なんというかキレみたいなものはあるな。それに俺が来る前からレッスンしていたのに疲れも見えない。体力には自信ありって感じか。)


八幡「それにしても」

八幡(いろいろと目のやり場に困るスタイルしてんな。由比ヶ浜すらちっぽけに思えてきやがる。雪ノ下……人ってのはこんなにも差がつくもんなんだな)

八幡(今日は緊張続きで疲れた。座ったら急に眠気が……)



―――――――――……

―――――…お……ろ!

―――おい…きろって!


八幡「……あ? うわ、でかいっ!」

八幡(目を覚ますと目の前にはヤンキー座りでこちらを睨む向井。服装は着替えたようで、ジャージから胸元が開けた私服になっていた)

拓海「やっと起きたか、レッスンならとっくに終わったぞ。ところで何がでかいんだ、夢でも見てたのか?」

八幡「あ、えっと、そんなところだ」

拓海「ならいいけどさ。ほら、立てよ。今日はもう帰るから」

八幡「すまない。……で、これから夜遊びか?」

拓海「帰るって言ったのが聞こえなかったのか? ……まあ、少し前まではそういうこともしてたけど、一応とはいえアイドルだからな、そういうのはまずいだろ」

八幡「少し前?」

拓海「ああ、アタシ元々はレディースの特攻隊長やってたんだ。喧嘩上等のヤンキーってやつだな」

八幡「見た目通りといえば見た目通りだな」

拓海「ほっとけよ! で、アンタの上司にスカウトされたって訳。いやぁ、あいつが最初に来たときはマジで殺されるかと思ったよ。気づかないうちになんかやばいもんに手ぇ出しちまったのかと思ってさ」

八幡「わからなくもないな。俺も最初に会った時はやばい事務所に来ちまったと思ったし」

拓海「だよな! なんであいつがアイドルのプロデューサーなんてやってんだか」

八幡「……ところでさ、最初とキャラ変わってないか?」

拓海「あんときはレッスン上手くいかなくてイライラしてたしな。それにアタシは敵意がない奴には敵意を向けない主義なんだ。仲良くやろうとしてる奴にそんな態度は失礼だろ?」

八幡「お前、見た目に反して良い奴っぽいな」

八幡(あながち武内さんが言ってたことも嘘じゃないかもな)

拓海「さて、アタシ帰るけど、よかったら送ってやろうか?」

八幡「どういうことだ?」

拓海「アタシさ、バイクが好きで自前のでここ来たんだよ」

八幡「そうか……だが、せっかくだがやめとくわ」

八幡(後ろに乗るということはつまりこいつに抱き着くってことだからな。俺のメンタルが耐えられる気がしない)

拓海「……お前、アタシに抱き着くことを想像したな?」

八幡「な……!!」


拓海「残念だけどアタシのは改造シートでね、運転者にくっつかなくてもいいんだ。だから気兼ねすることはねぇぞ」

八幡「……そこまで読まれた奴の後ろになんか乗れるかってんだよ」

拓海「ハハハ、それもそうだな! んじゃ、一人で帰るよ。あ、そうだ、これアタシの連絡先。長く続くかどうかはアンタ次第だがこれから一緒にやってくんだ、知っといた方が何かと便利だろ?」

八幡「そうだな、あとでこっちのも送っとく。気をつけて帰れよ」

拓海「わかってるよ! じゃあな!」

八幡(そう言って向井は駐車場に向かっていった)

八幡(長く続くかは俺次第、ね。とりあえず明日からやってみるか)

短いですが、一先ずまたSS内日付が変わりますのでここまでにします。
言葉の誤用、口調の違和感等あると思いますが、修正は無しの方向で進めさせて頂きます。ご了承ください。
SSについての質問等にはできる限りお答えしていきます。
今後とも宜しくお願いします。

拓海を選んだ理由は
アニメで出番がなかったことが要因です
それに、平塚先生と川崎を足して二で割ってそこに少しちょろさが混じってる感じで書きやすいイメージがあったからです。

本日分の投下ですが、出来ればですが21時からします。
出来ない場合はまたご連絡致します。

予定より遅れましたが投下していきます。

翌日 <エントランス>

八幡(自宅から会社までは電車で一時間半。今日は十時出社でいいと言われたが、通常はあと一時間早いことを考えると憂鬱だ。なんとか短縮できないものか)

八幡(新入社員であることを鑑みて早く着くべきだと考えた俺はそんなこんなで予定より三十分早い、九時半に会社に着いた)

八幡「まあ、早い分には問題ないよな」

八幡(入り口を潜って、エレベーターを呼ぶ。周りには既に業務を開始している社員が忙しなく行き交っていた)

八幡「それにしてもデカイ会社だな。エレベーターが六つもあるとか……」

拓海「よっす、比企谷!」

八幡「おう、向井か。お前な、一応アイドルとプロデューサーって立場なんだから少しは敬語使えよ」

拓海「いいじゃねぇかよ、同い年なんだし固いこと言うなって! それに、敬語使ってないのはアタシだけじゃないだろ。例えばあいつらとか」

八幡「あいつらって誰だよ……」

みく「Pチャン、ちょっと聞いてほしいにゃ! 全く、李衣菜チャンてばいつまで経ってもギターは練習しないんだよ!? これじゃあ全然ネコ×ロックが成立しないにゃ!」

李衣菜「あ! プロデューサーにチクるなんてずるいよ! それならみくちゃんだって最近メガネャラの方が流行りだして焦ってるのか、猫推しが激しいんだよ!?」

みく「前川さんなんてキャラ、みくは知らないにゃ!」

李衣菜「キャラ名まではっきり認識してるじゃん!」

みく「もう李衣菜チャンなんて知らない!」

李衣菜「こっちこそ!」

みく・李衣菜「もう、解散にゃ!(だよ!)」

武内P「ふ、二人とも落ち着いてください」

八幡「……はあ、わかった。勝手にしてくれ」

拓海「わかればいいんだよ、わかれば! 大体敬語なんてアタシに使われたらむず痒いだろ?」

八幡「そう言われると確かにそうだな」

拓海「ところであいつ、お前の上司だろ? 助けなくていいのか? 解散とか言ってるぞ?」

八幡「大丈夫だろ、貰った資料によれば喧嘩するほど仲が良いを地で行くタイプなんだと」

拓海「……つまり?」

八幡「放っておけば勝手に仲直りして、更に仲良くなるんだろ。詳しくは知らんが。お、エレベーター来た」

拓海「ふーん、今日の敵は明日の友って感じか」

八幡(それを言うなら昨日の敵は今日の友だろ。それに、それは意味が違うんじゃないか?)

八幡「お前、よくバイクの免許取れたな」

拓海「……今、アタシのこと馬鹿にしたな?」

八幡「と、言うことは自覚はあるのか」

八幡(こいつ、考えることは苦手なんだろうが、勘は鋭いんだな)

拓海「うるせぇな! 勉強は、その、苦手なんだよ!」

八幡「エレベーターの中で大声出すなよ。お前、そんなんで大丈夫か?」

拓海「ハッ! 高卒に心配されたくねぇよ!」

八幡「くっ……的確に心抉ってきやがって。って、お前も高卒だろうが」

拓海「アタシは、スカウトされた時に合わなくて辞める場合は仕事紹介してもらう約束してんだよ」

八幡「それじゃ俺と大して変わんないじゃねぇか。ほら、着いたから降りるぞ」

拓海「で、今日アタシはどうすればいいんだ?」

八幡「さあな、今日も多分レッスンだろ。基礎の基礎も知らない素人からのスタートなんだから」

拓海「それもそうか」

八幡「ところで昨日が初レッスンってことは事務所に来るのは初めてか?」

拓海「ああ、スカウトされた時は別の部屋で話を聞いたからな。シンデレラプロジェクトの面子に会うのも初めてだ」

八幡「さて、ここが俺たちの事務所になる訳だが、メンバーをあんまり威圧すんなよ?」

拓海「わ、わかってるよ! 昨日も言ったろ? 敵意がない奴には敵意は向けないって」

八幡「もしお前に敵意を向ける奴がいたら?」

拓海「そん時は拳で会話あるのみだ!」

八幡(脳筋パッション恐るべし)

八幡「じゃあ、行くぞ」

八幡(扉を開け、中に入ると今日は神崎と三村、緒方と双葉が各々好きなことをして待機していた)

八幡「お、おはよう」

かな子「あ、おはようございます。比企谷さん」

智絵里「おはようございます……」

蘭子「新しき下僕よ、今日の太陽も煩わしいな!(新任のプロデューサー、おはようございます!)」

八幡(うぐっ、神崎を見てると中学時代のトラウマが……! しかし、何て言ってるかそれとなくわかるのはそのお陰か)

八幡「昨日の今日でよく男の俺に普通に接せれるな」

智絵里「プロデューサーさんの紹介だから……悪い人ではないと思ったので……す、すみません! もしかして、馴れ馴れしかったですか……?」

八幡「あ、いや、そんなことはない。寧ろその方がありがたいからな」

蘭子「せ、先刻から闇の使者の背後にて鬼神の如きオーラを纏いし者は何者ぞ?(ひ、比企谷さんの後ろの少し怖そうな方はどなたですか?)」

八幡「ああ、俺の担当するアイドルだ。まあ、まだデビューすらしてないけどな。向井、銀髪の子が神崎蘭子、二つ結びの子が緒方智絵里、クッキー持ってるのが三村かな子だ」

拓海「おう、アタシは向井拓海だ! よろしくな、神崎、緒方、三村!」

蘭子「よ、よろしくお願いします……(ククク、我が魔界へとよくぞ参った!)」

智絵里「こ、こちらこそ……」

八幡「向井、驚かすなって言ったろ」

拓海「す、すまねぇ。でも、これがアタシのスタンスだからさ」

かな子「ふふっ、向井さんよろしくお願いします。それと智絵里ちゃんと蘭子ちゃんなら大丈夫ですよ。ね?」

智絵里「う、うん……ちょっとびっくりしちゃっただけだから……大丈夫」

蘭子「其方を我が同胞と認める! 共に魂の共鳴を奏でよう!(向井さんはもう事務所の仲間です! 一緒に頑張りましょう!)」

拓海「なんて言ってるかはさっぱりだが、改めてよろしくな神崎! んで、朝っぱらから寝てるちっこいのは誰だ?」

杏「双葉杏、これでも今年十八歳だよ~」

かな子「私と智絵里ちゃんと杏ちゃんはキャンディーアイランドっていうユニットを組んでるんです♪」

拓海「そうなのか。確かにピッタリの三人って感じだよな」

智絵里「ありがとう……ございます」

拓海「じゃあ、神崎もユニット組んでんのか?」

蘭子「元は孤高の堕天使であったが、今は力在る友と肩を並べている」

拓海「……なんて?」

八幡「初めは一人だったけど、今は二人でユニット組んでるってさ。確か資料にはローゼンブルクアルプトラウムって書いてあったな」

かな子「蘭子ちゃんの言葉を初めからわかるなんて凄いですね! 蘭子ちゃんには申し訳ないけど、初めのうちはなんて言ってるかわからなくて……」

八幡「そんな大したことじゃ……それに、ニュアンスでだいたいわかるから」

八幡(俺にもこんな時期があったとは言えない)

武内P「比企谷君、謙遜することはありません。恥ずかしながら私も神崎さんの言いたいことを理解するのに時間がかかりましたので」

八幡「うおっ、ビックリした。いつから居たんですか」

武内P「神崎さんのユニットの話あたりからです」

神崎「闇夜に響く我の魂の叫びは人類には難解なのだ(うう、わかりづらくてごめんなさい)」

武内P「お気になさらずに。今はしっかりと意思疎通ができていますので」

拓海「今この場で神崎の言葉がわからないのはアタシだけか!?」

八幡「……魂を解放し、闇夜に耳を傾けろ(お前もそのうちわかるようになるさ)」

拓海「なんか言ったか?」

八幡「いや、なんも」

蘭子「おお! 其方も我と同じ言霊を使役し者であったか!(比企谷さんは私の言葉を完璧に理解してくれるんですね!)」

八幡「ばっ、きらきらした目でこっち見んな!」

武内P「早速心を通わせて頂けているようで何よりです。さて、それではそろそろデスクの方によろしいでしょうか」

八幡「わ、わかりました」

武内P「向井さんはレッスンスタジオに向かってください」

拓海「よし、今日も気合入れてやってくるよ!」

八幡「あんまりトレーナーさんと喧嘩すんなよな。俺まで今後会いにくくなるから」

拓海「わかっるって! ホントお前はいちいち小言が多いな!」

八幡「性分なんでな、慣れろ」

拓海「あいよ。んじゃ、いってくる!」

八幡「おう」

武内P「では、こちらに」

一日に書ける量が5レス分くらいなので、明日からは区切り関係無しに5レス分で投下させていただきます。
宜しくお願いします。

>>74
慶應法律→一橋の勝ち組ですまんのwwwwwwww

補足です。
理解しておられる方が大半だと思われますが、八幡入社時点でデレマスメンバーも学年が一つ上がっています。

卯月 高校二年→高校三年


ちなみに本家アイマスメンバーもアニメ最終話から数えると二つ学年が上がっています。

春香 高校二年→大学一年

>>75
ただ大学院いっただけで勘違いレスするのやめーや
そもそも滑り止めに受かってるし、本人主体ですり寄ったなんて書いてないし
多少強引な展開に黙っておけないってSS初心者のお子さまかよ
ちゃんと読んだのか?読解力が…あっ(察し)

>>77
ちゃんと資格試験も受かって公務員やっとるんやで(ご満悦)
負け組ちゃん息してるー?

材木座の方が見た目も中身もキミらよりずっと男前やわ……

>>78公務員アピールしかできてないじゃないですかやだーw
だいたい資格にしがみついてる時点で頭わるいw
「俺は東大生だぞ」ならぬ「俺は公務員だぞ」ですか?w
(ご満悦)なんて俺と同じく民度もわるいw
屑扱いした八幡と同じく、負け組()に同列に見られてどんな気持ち?ねぇ、どんな気持ち?ww

>>80せやな、知ってる(真顔)
NGしといてくれ、すまん

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月01日 (木) 11:59:03   ID: 5g6DXZNk

続き、待ってます

2 :  SS好きの774さん   2015年10月03日 (土) 08:20:48   ID: ry3qIIHF

次も、待ってます

3 :  SS好きの774さん   2016年09月28日 (水) 19:23:09   ID: xI6fDqX-

面白い作品ほど失踪するんだよな…本当に残念だわ

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