菊地真「チアリングレター」(23)

原曲知ってるとニヤニヤできるかも。
※一部(?)設定捻じ曲げてます
※短いよ

ボクの名前は菊池真。職業:アイドル。今でも夢見る少女な乙女!年齢は推して知るべし!

…最近、昔の小鳥さんの気持ちがわかる気がする…。はぁ…。

そう。職業:アイドル、だ。つまり今もアイドルを続けているってこと。

でも、大人になった(歳をとった、とは言いたくない。なんとなく)んだから

変わったことがたくさんある。例えばあずささんが結婚したとか、みんな成人したとか…。

もちろん体の成長もあるけど心的な意味でも成長はしている。

変わらないことももちろんある。社長は健在だし、小鳥さんは今でも事務の仕事を続けている。

結婚は諦めたらしく、みんながお酒を飲める歳になったということで

最近よくみんなを飲みに連れて行こうとしている。正直どうかと思う。言わないけど。

千早は全然変わってない。もちろん体的な意味で。言わないけど。

なにより結婚したあずささんも含めて765プロの全員がアイドルを続けている。

いいことだと思う。たぶん。

今日の仕事が終わった。

「おっ疲れ様でーすっ!」

いつものように現場の人に挨拶をする。ただ昔みたいな空気はなかった。

昔はそんな風に挨拶をすると「おう、お疲れ真ちゃん!」と割りと気さくに声をかけてくれる人がいたんだけど

大人になった今では「お疲れ様です」とどこか距離を置かれた挨拶が返ってくる。

成人しているんだからそういうのがあるべき姿なんだろう。

ただ大人としてそしてアイドルとしてちゃんと認められた、と思う反面、どこか寂しく思う自分がいるってのも事実だ。

「お疲れ様です。菊池さん」

ふと声を掛けられた。

この子達は確か…。そうだ思い出した。最近めきめきと頭角を現してきた新人のアイドルだ。

961プロの。

961プロも健在だ。ただ黒井社長も歳をとったのかどこか丸くなって昔のようなひどい妨害を受けたりはしなくなった。

一応触れておくとジュピターの三人は961プロを辞めた後、それぞれ違う事務所に入ってアイドルを続けている。

相変わらず北斗がうざい。ボクには心に決めた人がいるのに。

話は戻って目の前の子達だ。正直かわいい。人気が出るのも頷ける。

だけども、喜ばしいことではない。

結論から言うと仕事が減ったんだ。

収入の面ではデビューした頃よりはギャラがアップしているからプラスになっているかな。

でもそういう問題じゃない。

元々ボクはお金目的にこの世界に入ってきたわけじゃないし。

一番痛いのは露出が減った事だ。

クライアント側も安くて人気がある人を使う方が良いのはわかるよ。わかるけどさ。

それだとボク達ぐらいのアイドルにお鉢が回ってくるわけで。

いくら一時はトップアイドルに成れても、このまま露出が減ってくれば忘れられてしまう。

忘れられてしまうと僕は非常に困ってしまう。

だってまだ目標が達成できていない。

ボクを育ててくれたプロデューサーにあわせる顔が無くなっちゃう!

不安が日を追うごとに強くなっていく。

それに伴いボクの日常という歯車は少しずつ動きが止まっていった。

そんなある日の事。ボク宛てに一通の手紙が来た。

差出人の名前は…書いていない。

ファンレターかな?とボクは何気無しに手紙を読んでみることにした。

――
元気でいますか?って当たり前か。

んじゃ、どう言えばいいかな…。いつものように突っ走ってる?

うわっ、なんか酷い言い方になった気がする。うーん…。

あー、やめやめ。こんなの全然らしくない。やっぱありのままが一番だ。

えっと、一応10年後に読まれるってのを前提として書いてるんだけど…。

…うーわー。10年後の姿なんて想像できないぞ。

変わってるかな?変わってないかな?

いい汗かいてる?ちゃんと運動しないとすぐに悲惨なことになっちゃうぞ。

まぁ心配いらないだろうけどね。

『仁』の心は忘れてない?

なんか説教臭くなってきたな…。

まぁ手紙の形をとっているとは言ってもこういうのはちょっと恥ずかしい。

照れ隠しだと思って欲しい。

さて本題。

10年後何が起きてるかなんて分からないけど。

10年後でも順風満帆に過ごせているならこの手紙はクシャポーイして良し!

けどもしもいっていないのなら先を読んでくれると嬉しい。



……

………

いってないのか。それはそれで少し悲しいけど…。まぁいいや。

もしも。もしもこの先行き詰るようなことがあるなら、ベストを尽くして当たってみること。

なんで断定しているかって?断定できるよ。今までそうやって乗り切ってきたのだから。

でもまったく同じじゃいかないと思う。10年も経っているのだから当たり前だ。

今できることを考えてみよう。

とまぁ、今こっちから言えるのはそれくらいかな。

だけど素直な気持ちでありのままやっていれば、周りにはきっと届くと思う。

だから悩む必要は無いと思うよ。

もっと自分に自信を持って。貴方はもうかっこいい大人になっているはずなのだから。
――

そこで手紙は終わっていた。

それから数日が経った。

相変わらず不安はあるけど前ほどではなくなった気がする。手紙のおかげかな。

10年も前の手紙に言われるなんてと思ったんだけど。

仕事も増えてはいないけどけどテレビだけがアイドル業じゃないしね。

今はライブやツアーなんかを積極的にしている。

今自分にできることを考えた結果こういった形になったんだ。

よーし、頑張るぞー!

そして活動方針が決まって活動を開始してさらに数日経った頃。

二通目の手紙が送られてきた。

――
この手紙が届いたってことは何か夢中になれるものが出来たってことかな?

もちろんアイドル業以外で!

あ、もしかして…彼氏とか!?

まぁそれは10年後のお楽しみってことでいいかな!うん!

この手紙を読んだときの顔が楽しみだ。にやにやしてそうだけど。

茶化すのはこれくらいにして。

夢中になれるものがあるってのはいい!

それだけでパワーになるし!

けど絶対辛くなるときが来ると思う。そんな時は絶対に内に抱え込んじゃだめだ!

ガマンせずに…そうだなぁ…大声だして叫んでみればいいんじゃないかな。

いろんなものを吐き出して…海のバカヤローってするのもいいかも。青春って感じで!

そうしてリフレッシュしたらいいよ!

前に進み続けること。安○先生も言ってたしね!

よく言うだろ?アイドルは夢を与える仕事だって。

前を見ているアイドルでいればみんな応援してくれるさ。迷う必要なんかない!

大人になったレディの魅力を魅せつけてやれ!
――

やけに力の入った手紙だった。

ここだけの話、いつも手紙には助けられているんだ。

一通目もそうだけど10年前から「今」を心配されているってのもなんか恥ずかしいけどね。

でも手紙を見てボクは、これからも頑張ろうって思えるんだ。







けれでも現実は甘くなかったんだ。

精力的にツアーとかをしていたのだが、ある日とうとう今までのツケがまわってきた。

疲労が溜まって、ライブが終わると倒れてしまったんだ。聞いた話なんだけど。

次に目が覚めると病室だった。

当分活動は休止せざるを得なくなった。

そしてボクは体のことよりもあることが気になった。

そう。露出が減ってしまうんだ。

自分が蒔いた種とはいえボクの目の前は真っ暗になってしまった気がした。

アイドルのみんなも心配して仕事の合間をぬって見舞いに来てくれた。

その優しさが暖かすぎて。

自分の不甲斐なさが情けなさすぎて。

気付けば僕はみんなの前で頬を濡らしていた。

いつ振りだろう。あぁそうか10年前のあの時以来だ。

それからはよく覚えてない。

みんなが帰った後、ボクは病室で泣いていた。

ボクの心は憔悴しきっていた。

「会いたいです…。プロデューサー…。」

心の内にしまっていた、絶対に言うまいと決めた言葉を漏らしてしまうほどに。

みんなの前で泣いてしまった次の日。

手紙が届いた。あの手紙だった。


泣いたんだ…。

嘘はだめだよ。この手紙が来たって事はそういうことなんだ。

そういう風に届くよう社長と約束したのだから。


泣くな菊地真!

泣くって事はそれくらいつらいことが起きたんだと思う。

けど泣く前に思い出して欲しい。10年前を。

右も左もわからない世界で泣くようなこともあった。けど全部乗り越えられてきたじゃないか。

そしてこの10年。無駄だった?違うでしょ?

ありのままの自分でいけばいいんだ。

ここまで言ったんだ。後はわかるはずだ。

それじゃ。手紙もこれで終わりだけどもう大丈夫だろ?

p.s.こんな形でしか傍にいてやれない俺を許して欲しい。
 
                    貴女のファン第一号より
――

短い手紙だった。

けどボクにはそれだけで十分だった。

差出人の名前が無くても本当はわかっていた。

間違えようがない。見覚えのある字だから。

「プロデューサー…。」

涙がまた出てしまった。昨日久しぶりに泣いたので堰を切ったかのように出てくる。

泣いてばっかりだボク。歳を重ねたからかな。





そしてボクは今も病室にいる。といっても倒れてから全然経ってないけどね。

そろそろ退院できそうだ。

現在ボクはブログを始めた。

最初はコメントなんてなかったけど最近はちらほらと見るようになった。

アイドルのみんなが自分のブログなどで広めてくれているおかげもある。感謝だね。

とりあえず露出が完全に無くなるって事は避けられそうなので胸を撫で下ろす。

全然安心はできないけどね。

ボクに目標がまた増えた。

何かって?考えたらすぐわかると思うよ。

その前にやることがいっぱいあるなぁ。

体も訛ってるだろうからジムにも行かないと。

迷惑かけた人達にも挨拶しないと。

アイドル活動もより質を高めないといけないな。

鞄の中には三通の手紙。

あの人にあわせられる 顔 を作るためにボクはドアを開ける。

そしてボクの歯車は再び動き出した。



終わり

原曲どころか元ネタを知らない

>>21

アイドルマスターって言うゲームです。

自己満のこのスレを開いて頂き感謝です。

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